説明

単結晶ダイヤモンドバイト及び単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法

【課題】刃部の大型化を抑制して、製品コストの削減を図ることができる単結晶ダイヤモンドバイト及び単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法を提供すること。
【解決手段】素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンドにすくい面および逃げ面を形成する構成であるので、刃部30全体の大きさが、切削に関与する部位に比して、不必要に大型化することを抑制でき、その結果、製品コストの削減を図ることができる。即ち、チップ状に加工可能な比較的大型(例えば、5mm角)の単結晶ダイヤモンドの原石を準備する必要がなく、ダイヤモンド砥石等に使用されるクラスターダイヤモンド(外形が小さいために精製の際に規格外として選別されたいわゆる「屑ダイヤ」)を利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単結晶ダイヤモンドバイト及び単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法に関し、特に、刃部の大型化を抑制して、製品コストの削減を図ることができる単結晶ダイヤモンドバイト及び単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置には、μmオーダーの微細溝を有する回析格子が使用されている。この回析格子を製造する方法としては、アクリルやポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を、回析格子に対応する形状(複数の微細溝を並設した形状)が刻設された金型を用いて、射出成形により製造する方法が一般的である。
【0003】
金型への微細溝の刻設には、加工精度の向上のため、単結晶ダイヤモンドバイトが使用される。ここで、微細溝の刻設方法について、図6を参照して説明する。図6は、単結晶ダイヤモンドバイト100及び微細溝200の模式図である。単結晶ダイヤモンドバイト100は、図6に示すように、シャンク(図示せず)に締結固定されるチップ120に、単結晶ダイヤモンドから構成される刃部130がろう付けされている。刃部130の先端角θは、微細溝200の開き角に対応する角度に設定されている。
【0004】
微細溝200の刻設は、まず、ワークWを溝加工装置のステージに固定し、単結晶ダイヤモンドバイト100をワークWに対して相対的に微細溝200の延設方向(図6紙面垂直方向)へ移動させる。これにより、第1の微細溝200が刻設される。次いで、単結晶ダイヤモンドバイト100を、切削開始位置へ復帰させると共に、微細溝200の幅方向(図6左右方向)へピッチPだけ平行移動させ、かつ、傾斜角度を所定角度だけ増加させる。そして、上述した工程を繰り返すことで、ワークWには、ピッチPで並設される複数の微細溝200が刻設される。
【特許文献1】特開10−329213号公報(段落[0025]等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、微細溝200は、ピッチPが数μm(例えば、5μm)であり、溝深さ(図6上下方向寸法)についても、ピッチPと同程度の微細な溝である。
【0006】
しかしながら、上述した従来の単結晶ダイヤモンドバイト100は、数mm(例えば、5mm)の単結晶ダイヤモンドの原石からチップ状の刃部130を形成する構成であるため、切削に実際に関与する領域が刃部130全体の内の一部分(刃先先端)のみとなる、即ち、刃部130が不必要に大型化するため、不経済であり、製品コストが嵩むという問題点があった。
【0007】
一方、微細溝200の大きさに対応させて、刃部130を小さくする構成では、原石をチップ状に加工する際に、原石が無駄に研磨されることで、歩留まりの悪化を招き、また、加工時間が嵩むことで、同様に、製品コストの増加を招く。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、刃部の大型化を抑制して、製品コストの削減を図ることができる単結晶ダイヤモンドバイト及び単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、請求項1記載の単結晶ダイヤモンドバイトは、単結晶ダイヤモンドから構成される刃部を備えるものであり、前記刃部は、すくい面および逃げ面の稜線が切れ刃とされると共に、素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンドに前記すくい面および逃げ面を形成して構成されている。なお、素材粒径とは、単結晶ダイヤモンドにすくい面及び逃げ面を形成する前の原石の状態で測定した粒径であって、その原石の最大径部の粒径をいう。
【0010】
請求項2記載の単結晶ダイヤモンドバイトは、請求項1記載の単結晶ダイヤモンドバイトにおいて、前記単結晶ダイヤモンドが載置される載置面を備えると共に、その載置面は、凹状に凹設される凹部を備え、前記単結晶ダイヤモンドは、前記凹部に嵌め入れられた状態で前記載置面に載置され、その嵌め入れられた部分が銀ろうにより前記凹部に接合されている。
【0011】
請求項3記載の単結晶ダイヤモンドバイトは、請求項1又は2に記載の単結晶ダイヤモンドバイトにおいて、前記すくい面は、レーザーの照射により形成された面であると共に、前記レーザーの照射による前記すくい面の形成が、前記載置面の切断と同時に行われている。
【0012】
請求項4記載の単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法は、すくい面および逃げ面の稜線が切れ刃とされ単結晶ダイヤモンドから構成される刃部を備えた単結晶ダイヤモンドバイトであって、素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンドに前記すくい面および逃げ面を形成して構成されている単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法であって、前記単結晶ダイヤモンドが載置される載置面を形成すると共にその載置面に凹状の凹部を凹設する凹設工程と、その凹設工程により前記載置面に凹設された凹部にペースト状の銀ろうを塗布する塗布工程と、その塗布工程により前記銀ろうが塗布された凹部へ前記単結晶ダイヤモンドを嵌め入れる嵌入工程と、その嵌入工程により前記単結晶ダイヤモンドが嵌め入れられた凹部の銀ろうを加熱して前記単結晶ダイヤモンドを凹部に接合する接合工程と、その接合工程により前記凹部に接合された前記単結晶ダイヤモンドにすくい面および逃げ面を形成して刃部を構成する刃切り工程と、を備えている。
【0013】
請求項5記載の単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法は、請求項4記載の単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法において、前記刃切り工程は、前記すくい面をレーザーの照射により形成すると共に、前記レーザーの照射による前記すくい面の形成を前記載置面の切断と同時に行うものである。
【0014】
請求項6記載の単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法は、請求項5記載の単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法において、前記凹設工程は、前記載置面の正面視において、前記載置面の端縁から所定距離だけ離間した位置に前記凹部を凹設するものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の単結晶ダイヤモンドバイトによれば、素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンドにすくい面および逃げ面を形成する構成であるので、刃部全体の大きさが、切削に関与する部位に比して、不必要に大型化することを抑制でき、その結果、製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0016】
即ち、本発明の単結晶ダイヤモンドバイトによれば、素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンドを使用する構成であるので、チップ状に加工可能な比較的大型(例えば、5mm角)の単結晶ダイヤモンドの原石を準備する必要がなく、ダイヤモンド砥石等に使用されるクラスターダイヤモンド(外形が小さいために精製の際に規格外として選別されたいわゆる「屑ダイヤ」)を利用することができる。よって、単結晶ダイヤモンドの材料コストを削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0017】
また、素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンドを使用する構成であれば、この単結晶ダイヤモンドにすくい面および逃げ面を形成して刃部を構成する際に、切削・研磨等による加工で除去されて廃棄される分量を低減して、歩留まりの向上を図ることができる。同時に、加工代を少なくすることができるので、その分、切削・研磨等の加工に要する加工時間を短縮することができる。よって、単結晶ダイヤモンドの材料コスト及び刃部を形成する際の加工コストを削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0018】
更に、刃部の面積を十分に小さくすることができるので、刃部(単結晶ダイヤモンド)とその刃部を保持する保持部(シャンク或いはチップ)との熱膨張率の差異に起因するクラック(割れ、亀裂)の発生を抑制することができるという効果がある。
【0019】
即ち、刃部(単結晶ダイヤモンド)と保持部とが互いに熱膨張率の大きく異なる材料から構成されるため、従来の単結晶ダイヤモンドバイトでは、ろう付けによる加熱の際に、刃部の体積膨張がごく小さくなる(保持部が大きく膨張し、刃部がほとんど膨張しない)。そのため、冷却により収縮されると、熱応力によって、刃部にクラックが発生するという問題点があった。
【0020】
これに対し、本発明の単結晶ダイヤモンドバイトによれば、刃部を構成する単結晶ダイヤモンドの素材粒径が1mm未満であるので、かかる刃部と保持部との接触面積を十分に小さくすることができる。その結果、熱膨張率の差異による影響を小さくすることができるので、刃部(単結晶ダイヤモンド)にクラックが発生することを抑制することができる。
【0021】
請求項2記載の単結晶ダイヤモンドバイトによれば、請求項1記載の単結晶ダイヤモンドバイトの奏する効果に加え、単結晶ダイヤモンドが載置される載置面に凹部が凹状に凹設され、単結晶ダイヤモンドは、凹部に嵌め入れられた状態で載置面に載置されると共に、その嵌め入れられた部分が銀ろうにより凹部に接合される構成であるので、単結晶ダイヤモンドが小さな素材粒径(1mm未満)で構成される場合でも、かかる単結晶ダイヤモンドを安定して保持することができると共に、保持する際の工程を簡素化して、加工コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0022】
即ち、本発明の単結晶ダイヤモンドバイトによれば、単結晶ダイヤモンドが小さな素材粒径で構成されるので、載置面に対する単結晶ダイヤモンドの接触面積の絶対値が小さくなるところ、上述したように、単結晶ダイヤモンドを凹部に嵌め入れる構成とすることで、その分、単結晶ダイヤモンドと凹部との接触面積を確保して、単結晶ダイヤモンドを安定して保持することができる。
【0023】
また、このように、単結晶ダイヤモンドを凹部に嵌め入れて保持することができれば、かかる単結晶ダイヤモンドを予めチップ状に加工しておく必要がなく、原石のまま凹部に保持させることができる。よって、素材粒径が小さく取り扱いが困難な単結晶ダイヤモンドに切削・研磨等の加工を施すことを省略することができるので、その分、加工コストを削減することができる。
【0024】
更に、本発明の単結晶ダイヤモンドバイトによれば、載置面に凹部が凹設され、かかる凹部に単結晶ダイヤモンドを嵌め入れる構成であるので、凹部にペースト状の銀ろうを塗布しておくことで、素材粒径が小さく取り扱いが困難な単結晶ダイヤモンドを容易に凹部に合わせることができ、その分、加工コストの削減を図ることができる。
【0025】
請求項3記載の単結晶ダイヤモンドバイト及び請求項5記載の単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法によれば、請求項1又は2に記載の単結晶ダイヤモンドバイトの奏する効果および請求項4記載のダイヤモンドバイトの製造方法の奏する効果に加え、すくい面をレーザーの照射により形成する構成であるので、研磨加工が困難な単結晶ダイヤモンドに対するすくい面の形成を短時間で行うことができ、その結果、加工コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0026】
なお、研磨加工では、単結晶ダイヤモンドの(111)結晶面を加工することができないため、すくい面の形成に際し、(111)結晶面を加工する必要が生じた場合には、単結晶ダイヤモンドを取り外し、その結晶面の向きを変更((111)結晶面を加工する必要がない向きに変更)しつつ、取り付け直し、再度、研磨加工を行う必要があり、加工コストが嵩む。単結晶ダイヤモンドの結晶面の向きを予め把握して取り付け向きなどを設定することも可能であるが、工数が嵩み、加工コストの増加を招く。
【0027】
これに対し、本発明の単結晶ダイヤモンドバイトによれば、レーザーの照射によりすくい面を形成する構成であるので、(111)結晶面を加工する必要が生じた場合でも、かかる(111)結晶面をレーザーにより溶融させてすくい面を容易に形成することができる。よって、単結晶ダイヤモンドを取り外してその向きを変更して付け直すという作業を行う必要がないので、その分、加工コストを削減することができる。
【0028】
また、単結晶ダイヤモンドの結晶面の向きを予め把握する必要がなく、かかる単結晶ダイヤモンドを任意の向きで凹部に嵌め入れることができるので、この点からも、加工コストの削減を図ることができる。特に、本発明の単結晶ダイヤモンドバイトのように、単結晶ダイヤモンドの素材粒径が1mm未満と小さい場合には、その結晶面の向きの把握に工数が嵩むため、単結晶ダイヤモンドを凹部へ嵌め入れる際の向きを任意とすることができることが有効となる。
【0029】
更に、本発明の単結晶ダイヤモンドバイトによれば、レーザーの照射によるすくい面の形成が、載置面の切断と同時に行われる、即ち、載置面に固定された状態の単結晶ダイヤモンドに対してすくい面の形成を行う構成であるので、単結晶ダイヤモンドの素材粒径が小さくその取り扱いが困難な場合であっても、かかる単結晶ダイヤモンドを容易かつ高精度に加工することができるという効果がある。
【0030】
また、すくい面の形成と載置面の切断とが、レーザーの照射によって、同時に行われる構成であるので、すくい面を形成する工程と、載置面の外形を形成する工程とをそれぞれ別工程として行う必要がなく、これら両工程を一の工程で行うことができるので、工数を低減して、加工コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0031】
請求項4記載の単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法によれば、単結晶ダイヤモンドが載置される載置面に凹状の凹部を凹設し(凹設工程)、その凹部にペースト状の銀ろうを塗布した後(塗布工程)、凹部へ単結晶ダイヤモンドを嵌め入れ(嵌入工程)、銀ろうを加熱することで、単結晶ダイヤモンドを凹部に接合する(接合工程)ので、素材粒径が小さい(1mm未満)の単結晶ダイヤモンドから刃部を構成する場合であっても、製造コストを抑制して、製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
【0032】
即ち、凹設工程によって載置面に凹状の凹部を予め凹設しておき、この凹部へ嵌入工程によって単結晶ダイヤモンドを嵌め入れる構成であるので、単結晶ダイヤモンドを予めチップ状に加工しておく必要がなく、原石のまま凹部に保持させることができる。よって、素材粒径が小さく取り扱いが困難な単結晶ダイヤモンドに切削・研磨等の加工を施す場合と比較して、加工コストを削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0033】
また、嵌入工程では、単結晶ダイヤモンドを凹部へ嵌め入れる前に、かかる凹部にペースト状の銀ろうを塗布しておくので、例えば、複数の単結晶ダイヤモンドを載置面上へ振り掛けるだけで、それら複数の単結晶ダイヤモンドの内の一つを銀ろうにより素材を保持させることができ、その結果、素材粒径が小さく取り扱いが困難な単結晶ダイヤモンドを容易に凹部に合わせることができる。これにより、加工コストを削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0034】
更に、刃切り工程は、接合工程により単結晶ダイヤモンドが凹部に接合された後に行われるので、凹部に接合された状態の単結晶ダイヤモンドに対し、すくい面及び逃げ面を形成することができるので、単結晶ダイヤモンドの素材粒径が小さくその取り扱いが困難な場合であっても、かかる単結晶ダイヤモンドに刃部を容易かつ高精度に加工することができるという効果がある。
【0035】
請求項6記載の単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法によれば、請求項5記載の単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法の奏する効果に加え、凹設工程では、載置面の正面視において、その載置面の端縁から所定距離だけ離間した位置に凹部が凹設されるので、単結晶ダイヤモンドの素材粒径が小さい場合であっても、かかる単結晶ダイヤモンドを確実に保持して、刃切り工程におけるすくい面および逃げ面の形成を安定して行うことができるという効果がある。
【0036】
即ち、凹設工程において、載置面の端縁と重なる位置に凹部が形成されていると(例えば、正面視円形の凹みとして凹部が形成され、その円形の端縁の一部が載置面の端縁に重なり切り取られている場合、或いは、載置面の端縁から内方へ向けて延設される凹溝として凹部が形成されている場合など)、凹部の端縁の一部が開放された状態となり、その分、凹部と単結晶ダイヤモンドとの接触面積が減少される。その結果、凹部による単結晶ダイヤモンドの保持強度が低下され、刃切り工程において、すくい面等の形成時に不安定になるという問題がある。これに対し、本発明では、上述のように構成することで、かかる問題を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の一実施の形態における単結晶ダイヤモンドバイト1の上面図であり、(b)は、単結晶ダイヤモンドバイト1の正面図である。なお、図1では、単結晶ダイヤモンドバイト1の長手方向長さの図示が省略されている。
【0038】
単結晶ダイヤモンドバイト1は、図1に示すように、シャンク10と、そのシャンク10に締結固定されるチップ20とを備えるスローアウェイバイトとして構成され、旋盤、形削り盤、平削り盤あるいは立削り盤などに装着されて使用される。
【0039】
なお、単結晶ダイヤモンドバイト1は、比較的微細な加工(例えば、切り込み深さ10μm以下)の使用を目的とする工具であり、本実施の形態における単結晶ダイヤモンドバイト1は、金型(液晶表示装置に使用される回析格子の射出成形用の金型)に微細溝を刻設する際に使用される。
【0040】
具体的には、溝加工装置のホルダーにシャンク10を保持させ、ホルダーとステージとを相対移動させることで、チップ20をステージ上の被加工物(金型)に対して平行移動させ、そのチップ20(刃部21)により金型に平行移動方向へ延びる微細溝を刻設する。
【0041】
この場合、本発明の単結晶ダイヤモンドバイト1によれば、素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンド30m(図4(b)及び図5(b)参照)から刃部30を構成しているので、刃部30全体の大きさが、切削に関与する部位に比して、不必要に大型化することを抑制でき、その結果、製品コストの削減を図ることができる。
【0042】
シャンク10は、図1に示すように、単結晶ダイヤモンドバイト1の骨格をなす部位であり、高速度工具鋼から断面正方形の直方体状に構成されている。このシャンク10の先端側(図1左側)には、平坦面状の座面11が形成されており、この座面11には、締結ボルトBによりチップ20が機械的に締め付けられている。
【0043】
チップ20は、シャンク10の座面11に締結固定されるスローアウェイチップであり、図1に示すように、刃部30を備えると共に、超硬合金から一定の板厚を有する板状の小片として構成されている。このチップ20は、単結晶ダイヤモンドバイト1の先端側(図1左側)に対応する部位が、図1(a)に示すように、上面視三角形状に構成されており、この上面視三角形状の先端部に刃部30が配設されている。
【0044】
次いで、チップ20の詳細構成について、図2を参照して説明する。図2(a)は、チップ20の上面図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線におけるチップ20の断面図である。刃部30は、切削に直接あずかる部位であり、単結晶ダイヤモンド30m(図4(b)及び図5(b)参照)から構成されると共に、チップ20の載置面21に凹設された凹部21aに銀ろうwによりろう付けされている。
【0045】
刃部30は、図2に示すように、すくい面31と、逃げ面32と、これらすくい面31及び逃げ面32の稜線に形成される切れ刃33とを備える。切れ刃33は、図2(a)に示すように、先端側(図2(a)左側)へ向かうほど幅が狭くなる上面視V字状に形成されている。この切れ刃33の先端角θは、微細溝200(図6参照)の開き角に対応している。
【0046】
ここで、本実施の形態における刃部30は、後述するように、素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンド30m(図4(b)及び図5(b)参照)にすくい面31及び逃げ面32を形成して構成されている。そのため、刃部30全体の大きさが、切削に関与する部位に比して、不必要に大型化することを抑制でき、その結果、製品コストの削減を図ることができる。なお、素材粒径とは、単結晶ダイヤモンド30mにすくい面31及び逃げ面32を形成する前の原石の状態で測定した粒径であって、その原石の最大径部の粒径をいう。
【0047】
また、このように、素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンド30mを使用する構成であるので、チップ状に加工可能な比較的大型(例えば、5mm角)の単結晶ダイヤモンドの原石を準備する必要がなく、ダイヤモンド砥石等に使用されるクラスターダイヤモンド(外形が小さいために精製の際に規格外として選別されたいわゆる「屑ダイヤ」)を利用することができる。よって、単結晶ダイヤモンド30m(図4(b)及び図5(b)参照)の材料コストを削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0048】
また、このように、素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンド30m(図4(b)及び図5(b)参照)を使用する構成であれば、この単結晶ダイヤモンド30mにすくい面31及び逃げ面32を形成して刃部30を構成する際に、切削・研磨等による加工で除去されて廃棄される分量を低減して、歩留まりの向上を図ることができる。同時に、加工代を少なくすることができるので、その分、切削・研磨或いはレーザー加工等の加工に要する加工時間を短縮することができる。よって、単結晶ダイヤモンド30mの材料コスト及び刃部30を形成する際の加工コストを削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0049】
更に、刃部30の面積を十分に小さくすることができるので、刃部30とチップ素材20m(保持部)との熱膨張率の差異に起因するクラック(割れ、亀裂)の発生を抑制することができる。即ち、刃部30(単結晶ダイヤモンド30m)とチップ素材20mとが互いに熱膨張率の大きく異なる材料から構成されるため、従来の単結晶ダイヤモンドバイトでは、ろう付けによる加熱の際に、刃部の体積膨張がごく小さくなる(チップ素材が大きく膨張し、刃部がほとんど膨張しない)。そのため、冷却により収縮されると、熱応力によって、刃部にクラックが発生するという問題点があった。
【0050】
これに対し、本実施の形態では、刃部30を構成する単結晶ダイヤモンド30m(図4(b)及び図5(b)参照)の素材粒径が1mm未満であるので、かかる刃部30とチップ素材20mとの接触面積を十分に小さくすることができる。その結果、熱膨張率の差異による影響を小さくすることができるので、刃部30(単結晶ダイヤモンド30m)にクラックが発生することを抑制することができる。
【0051】
次いで、図3から図5を参照して、単結晶ダイヤモンドバイト1の製造方法について説明する。図3(a)は、チップ素材20mの上面図であり、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線におけるチップ素材20mの断面図である。
【0052】
図4(a)及び図4(b)は、チップ素材20mの断面図であり、図5(a)は、チップ素材20mの上面図であり、図5(b)は、チップ素材20mの断面図である。なお、図4(a)、図4(b)及び図5(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線におけるチップ素材20mの断面図に対応する。
【0053】
チップ素材20mは、単結晶ダイヤモンド30mがろう付けされる部材であり、超硬合金から一定の板厚を有すると共にチップ20よりも若干大きな外形を有する板状の小片として構成されている。単結晶ダイヤモンドバイト1の製造に際しては、まず、チップ素材20mの一面側(図3(a)紙面手前側)に平坦面状の載置面21を形成すると共に、その載置面21に凹状の凹部21aを凹設する(凹設工程)。
【0054】
ここで、凹設工程では、図3(a)に示すように、載置面21の正面視(チップ素材20mの上面視)において、その載置面21の端縁から所定距離だけ離間した位置に凹部21aが凹設される。これにより、嵌入工程(図4(b)参照)において凹部21aに嵌め入れられる単結晶ダイヤモンド30mの素材粒径が小さい場合であっても、かかる単結晶ダイヤモンド30mを確実に保持して、刃切り工程(図5参照)におけるすくい面31および逃げ面32の形成を安定して行うことができる。
【0055】
即ち、凹設工程において、載置面21の端縁と重なる位置に凹部21aが形成されていると(例えば、図3(a)に示すように、凹部21aが正面視円形に形成され、その円形の一部が載置面21の端縁によって切り取られている場合)、凹部21aの端縁の一部が開放された状態となり、その分、凹部21aと単結晶ダイヤモンド30mとの接触面積が減少される。その結果、凹部21aによる単結晶ダイヤモンド30mの保持強度が低下され、刃切り工程において、すくい面31等の形成時に不安定になるという問題がある。これに対し、本発明では、上述のように構成することで、かかる問題を解消することができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、凹設工程における凹部21aの凹設がボールエンドミルを使用して行われる。これにより、凹部21aは、図3(a)及び図3(b)に示すように、球面状の凹部となるので、チップ20の先端部における強度を確保して、耐久性を確保することができると共に、単結晶ダイヤモンド30mを安定した状態で凹部21aに保持して、その脱落を防止することができる。
【0057】
凹設工程により、チップ素材20mの載置面21に凹部21aを凹設した後は(図3参照)、図4(a)に示すように、凹部21a内に銀ろうwを塗布する(塗布工程)。なお、銀ろうwは、メタル、フラックス及びバインダーが混合されたペースト状に構成されており、ディスペンサーによって凹部21a内へ定量吐出される。
【0058】
塗布工程により、凹部21a内にペースト状の銀ろうwが塗布された後は(図4(a)参照)、図4(b)に示すように、凹部21a内へ単結晶ダイヤモンド素材30mを嵌め入れる(嵌入工程)。そして、その嵌入工程により単結晶ダイヤモンド30mが嵌め入れられた凹部21aの銀ろうwを加熱して、単結晶ダイヤモンド30mを凹部21aに接合する(接合工程)。
【0059】
このように、本実施の形態では、凹設工程によって載置面21に凹状の凹部21aを予め凹設しておき、この凹部21aへ嵌入工程によって単結晶ダイヤモンド30mを嵌め入れる構成であるので、単結晶ダイヤモンド30mを予めチップ状に加工しておく必要がなく、原石のまま凹部に保持させることができる。よって、素材粒径が小さく(1mm未満)取り扱いが困難な単結晶ダイヤモンド30mに切削・研磨等の加工を施す場合と比較して、加工コストを削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0060】
また、嵌入工程では、単結晶ダイヤモンド30mを凹部21aへ嵌め入れる前に、かかる凹部21aにペースト状の銀ろうwを塗布しておくので(塗布工程)、例えば、複数の単結晶ダイヤモンド30mを載置面21上へ振り掛けるだけで、それら複数の単結晶ダイヤモンド30mの内の一つを銀ろうwにより保持させることができ、その結果、素材粒径が小さく取り扱いが困難な単結晶ダイヤモンド30mを容易に凹部21aに合わせることができる。これにより、加工コストを削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
【0061】
接合工程により、凹部21aに単結晶ダイヤモンド30mが接合された後は(図4(b)参照)、単結晶ダイヤモンド30mにレーザー(レーザーの種類:ヤグレーザー、パルス出力:4mJ、パルス幅:3ms、パルス周波数:50kHz)を照射して、すくい面31及び逃げ面32を形成して刃部30(いずれも図2参照)を構成する(刃切り工程)。
【0062】
このように、刃切り工程は、接合工程により単結晶ダイヤモンド30mが凹部21aに接合された後に行われるので、凹部21aに接合された状態の単結晶ダイヤモンド30mに対し、すくい面31及び逃げ面32を形成することができるので、単結晶ダイヤモンド30mの素材粒径が小さくその取り扱いが困難な場合であっても、かかる単結晶ダイヤモンド30mに刃部30(図2参照)を容易かつ高精度に加工することができる。
【0063】
なお、刃切り工程は、具体的には、図5(a)に示すように、仮想線L1,L2に沿ってチップ素材20m及び単結晶ダイヤモンド30mにレーザーを照射すると共に、図5(b)に示すように、仮想線L3に沿って単結晶ダイヤモンド30mにレーザーを照射することで、すくい面31及び逃げ面32(図2参照)を加工する。これにより、すくい面31と逃げ面32との稜線に切れ刃33が形成され、刃部30を構成することができる(図2参照)。
【0064】
このように、本実施の形態では、すくい面31及び逃げ面32(図2参照)をレーザーの照射により形成する構成であるので、研磨加工が困難な素材粒径の小さい単結晶ダイヤモンド30mに対するすくい面31等の形成を短時間で行うことができ、その結果、加工コストの削減を図ることができる。
【0065】
ここで、研磨加工では、単結晶ダイヤモンド30mの(111)結晶面を加工することができないため、すくい面31の形成に際し、(111)結晶面を加工する必要が生じた場合には、単結晶ダイヤモンド30mを取り外し、その結晶面の向きを変更((111)結晶面を加工する必要がない向きに変更)しつつ、凹部21aに取り付け直し、再度、研磨加工を行う必要があり、加工コストが嵩む。この場合、単結晶ダイヤモンド30mの結晶面の向きを予め把握して取り付け向きなどを設定することも可能であるが、工数が嵩み、加工コストの増加を招く。
【0066】
これに対し、本実施の形態では、上述したように、レーザーの照射によりすくい面31等を形成する構成であるので、(111)結晶面を加工する必要が生じた場合でも、かかる(111)結晶面をレーザーにより溶融させてすくい面31等を容易に形成することができる。よって、単結晶ダイヤモンド30mを取り外してその向きを変更して付け直すという作業を行う必要がないので、その分、加工コストを削減することができる。
【0067】
また、単結晶ダイヤモンド30mの結晶面の向きを予め把握する必要がなく、かかる単結晶ダイヤモンド30mを任意の向きで凹部に嵌め入れることができるので(例えば、上述したように、載置面21に複数の単結晶ダイヤモンド30mを振り掛ける)、この点からも、加工コストの削減を図ることができる。
【0068】
特に、本実施の形態のように、単結晶ダイヤモンド30mの素材粒径が1mm未満と小さい場合には、その結晶面の向きの把握に工数が嵩むため、単結晶ダイヤモンド30mを凹部へ嵌め入れる際の向きを任意とすることができることが有効となる。
【0069】
更に、本実施の形態によれば、レーザーの照射によるすくい面31の形成が、載置面21(チップ素材20m)の切断と同時に行われる、即ち、載置面21に固定された状態の単結晶ダイヤモンド30mに対してすくい面31等の形成を行う構成であるので、単結晶ダイヤモンド30mの素材粒径が小さくその取り扱いが困難な場合であっても、かかる単結晶ダイヤモンド30mを容易かつ高精度に加工することができる。
【0070】
また、すくい面31の形成と載置面21(チップ素材20m)の切断とが、レーザーの照射によって、同時に行われる構成であるので、すくい面31を形成する工程と、載置面21(チップ素材20m)の外形を形成する工程とをそれぞれ別工程として行う必要がなく、これら両工程を一の工程で行うことができるので、工数を低減して、加工コストの削減を図ることができる。
【0071】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0072】
例えば、上記実施の形態では、シャンク10及びチップ素材20mを高速度工具鋼及び超硬合金から構成する場合を説明したが、これらの材質は必ずしもこれに限られるものではなく、他の材料から構成することは当然可能である。
【0073】
上記実施の形態では、単結晶ダイヤモンドバイト1をスローアウェイバイトとして構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の構造を採用することは当然可能である。他の構造としては、例えば、チップ20をシャンク10にろう付けした付刃バイトが例示される。或いは、シャンク10の座面11に上述した凹部21aを凹設し、その凹部21aに単結晶ダイヤモンド30mを嵌め入れてろう付けする構造としても良い。
【0074】
上記実施の形態では、凹部21aがボールエンドミルにより凹設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹部21aが他の工具により凹設されることは当然可能である。他の工具としては、例えば、ドリル、フライスなどが例示される。
【0075】
また、上記実施の形態では、凹部21aが球面状の凹として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹部21aが他の形状により構成されることは当然可能である。例えば、ドリル加工により凹設された円錐状の凹であっても良く、或いは、断面U字あるいは断面コ字状の溝であっても良い。凹部21aを溝として構成する場合は、両端が載置面21の端縁に達していても良く、一端のみが載置面21の端縁に達していても良い。
【0076】
上記実施の形態では説明を省略したが、嵌入工程において、凹部21a内へ単結晶ダイヤモンド素材30mを嵌め入れた後、接合工程へ移行する前に、単結晶ダイヤモンド30mを凹部21a内へ押圧する工程(押圧工程)を実施しても良い。これにより、接合強度の向上を図ることができる。但し、本実施の形態における単結晶ダイヤモンドバイト1は、微細加工用であり切削抵抗が小さいので、押圧工程を省略することは当然可能である。この場合は、工数を低減して、製造コストの削減を図ることができる。
【0077】
上記実施の形態では、仮想線L1,L2,L3を直線で構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これら仮想線L1,L2,L3の少なくとも一部を曲線で構成することは当然可能である。また、すくい面31を曲面で構成することは当然可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】(a)は、本発明の一実施の形態における単結晶ダイヤモンドバイトの上面図であり、(b)は、単結晶ダイヤモンドバイトの正面図である。
【図2】(a)は、チップの上面図であり、(b)は、図2(a)のIIb−IIb線におけるチップの断面図である。
【図3】(a)は、チップ素材の上面図であり、(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線におけるチップ素材の断面図である。
【図4】(a)及び(b)は、それぞれチップ素材の断面図である。
【図5】(a)は、チップ素材の上面図であり、(b)は、チップ素材の断面図である。
【図6】単結晶ダイヤモンドバイト及び微細溝の模式図である。
【符号の説明】
【0079】
1 単結晶ダイヤモンドバイト
10 シャンク
20 チップ
20m チップ素材
21 載置面
21a 凹部
30 刃部
30m 単結晶ダイヤモンド
31 すくい面
32 逃げ面
33 切れ刃
w 銀ろう

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶ダイヤモンドから構成される刃部を備えた単結晶ダイヤモンドバイトにおいて、
前記刃部は、すくい面および逃げ面の稜線が切れ刃とされると共に、素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンドに前記すくい面および逃げ面を形成して構成されていることを特徴とする単結晶ダイヤモンドバイト。
【請求項2】
前記単結晶ダイヤモンドが載置される載置面を備えると共に、その載置面は、凹状に凹設される凹部を備え、
前記単結晶ダイヤモンドは、前記凹部に嵌め入れられた状態で前記載置面に載置され、その嵌め入れられた部分が銀ろうにより前記凹部に接合されていることを特徴とする請求項1記載の単結晶ダイヤモンドバイト。
【請求項3】
前記すくい面は、レーザーの照射により形成された面であると共に、前記レーザーの照射による前記すくい面の形成が、前記載置面の切断と同時に行われていることを特徴とする請求項1又は2に記載の単結晶ダイヤモンドバイト。
【請求項4】
すくい面および逃げ面の稜線が切れ刃とされ単結晶ダイヤモンドから構成される刃部を備えた単結晶ダイヤモンドバイトであって、素材粒径が1mm未満の単結晶ダイヤモンドに前記すくい面および逃げ面を形成して構成されている単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法において、
前記単結晶ダイヤモンドが載置される載置面を形成すると共にその載置面に凹状の凹部を凹設する凹設工程と、
その凹設工程により前記載置面に凹設された凹部にペースト状の銀ろうを塗布する塗布工程と、
その塗布工程により前記銀ろうが塗布された凹部へ前記単結晶ダイヤモンドを嵌め入れる嵌入工程と、
その嵌入工程により前記単結晶ダイヤモンドが嵌め入れられた凹部の銀ろうを加熱して前記単結晶ダイヤモンドを凹部に接合する接合工程と、
その接合工程により前記凹部に接合された前記単結晶ダイヤモンドにすくい面および逃げ面を形成して刃部を構成する刃切り工程と、を備えていることを特徴とする単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法。
【請求項5】
前記刃切り工程は、前記すくい面をレーザーの照射により形成すると共に、前記レーザーの照射による前記すくい面の形成を前記載置面の切断と同時に行うものであることを特徴とする請求項4記載の単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法。
【請求項6】
前記凹設工程は、前記載置面の正面視において、前記載置面の端縁から所定距離だけ離間した位置に前記凹部を凹設するものであることを特徴とする請求項5記載の単結晶ダイヤモンドバイトの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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