説明

単量体赤色蛍光タンパク質

DsRed蛍光タンパク質の単量体変種をコードする配列とその使用方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蛍光標識の分野に関し、より具体的にはDsRed蛍光タンパク質の変種に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光タンパク質、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)は、純粋理論研究及び応用研究で用いられる貴重なツールである。蛍光タンパク質は、比較的短期間に広く利用可能になったが、それらは医学生物学研究に重要な影響を与え、健康及び疾病の根幹にある基本的な細胞プロセス及び発育プロセスの理解に貢献した。GFP及びその類縁物質は医学的研究のために広く用いられている。例えば、GFPは、感染時の細菌の遺伝子発現の分析に、転移時の腫瘍細胞の行動の可視化に、また遺伝子治療研究におけるGFP融合タンパク質のモニターに用いられてきた。蛍光タンパク質はまた、薬剤開発用高速大量処理スクリーニングにおいても有用である。
サンゴ虫ディスコソーマ(Discosoma)によって産生され、DsRed(野生型DsRed)と称される赤色蛍光タンパク質は、蛍光レポータータンパク質として、又は融合タグとして潜在的有用性を有する。赤色蛍光タンパク質は、異なる蛍光特性を有する蛍光タンパク質、例えばGFPとの併用の適合性ゆえに特に重要である。しかしながら、野生型DsRedはいくつかの欠点を有する。
第一に、半減期が37℃で約12時間の赤色フルオロフォアを生じる成熟プロセスは緩徐である。第二に、野生型DsRedは4つの非常に類似するポリペプチドの安定な四量体として生じ、そのことが、融合タンパク質における蛍光レポーターとしてDsRedを使用することを困難にしている。例えば、DsRed融合タンパク質の四量体形成は、タンパク質の機能又は局在化を妨害したり又は乱したりする場合がある。さらにまた、DsRed四量体は高次凝集を生じる。DsRedと膜タンパク質又はオリゴマータンパク質との融合は、大きな凝集塊を生じる場合が多い。四量体を形成する傾向が低下した変種DsRedを開発する試みは、前記変種が、望ましくない蛍光シフト又は急速な光退色のような欠点を持つということでこれまでほとんど成功していない。
したがって、実験的及び臨床的ツールとして改善された特徴を有する新規な蛍光タンパク質標識の開発は引き続き重要である。
【発明の開示】
【0003】
(発明の要旨)
本発明は、野生型DsRed又は急速成熟(rapidly maturing)DsRed.T4(下記に記載する置換をもつ四量体変種)の変種ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。前記変種ポリペプチドは、野生型DsRedと比較してオリゴマー形成が低下しており、且つ野生型DsRedの蛍光スペクトルと同様な蛍光スペクトルを有する。前記変種ポリペプチドはアミノ酸置換K83M、K163H及びY193Hを含み、さらにE26Y、K92T、V96S、T106E、T108Q、I125K、S131A、I180V及びM182Kのうちの少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。
別の観点では、本発明は、急速成熟DsRed.T4の変種ポリペプチドであって、さらにDsRed.T4と比較して低下したオリゴマー形成と検出可能な赤色蛍光とを示すポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドを提供する。前記変種ポリペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸置換K83M又はK83L;K163Q、K163M又はK163H;及びY193Hを含み、さらにE26Y、K92T、V96S、T106E、T108Q、I125K、S131A、I180V及びM182Kから選択される少なくとも3つのアミノ酸置換を含み;さらにR149K、R153Q、H162S、L174T、E176D、Y192N、R216H、H222S、L223G及びF224Sから成る群から選択される少なくとも3つのアミノ酸置換を含む。
他の観点では、本発明は、前記ポリヌクレオチドを含む遺伝子構築物、前記構築物を含むベクター、前記構築物を含む細胞、前記ポリヌクレオチドによってコードされる変種ポリペプチド、及び前記ポリヌクレオチドの発現を得る方法を提供する。
【0004】
(発明の詳細な説明)
本発明は、野生型ディスコソーマ(Discosoma)種の赤色蛍光タンパク質(DsRed)のポリペプチド変種を提供する。野生型DsRedは、生理的条件下でオリゴマー(例えば二量体又は四量体)を形成し、このオリゴマー形成は、天然のポリペプチドにおいてはその蛍光活性で役割を果たしているように思われる。野生型ディスコソーマ種の赤色蛍光タンパク質(DsRed)のコード配列は配列番号1に示されており、DsRedのアミノ酸配列は配列番号2に示されている。本発明のポリペプチド変種は、野生型のDsRedと比較して低下したオリゴマー形成傾向を示す。この低下したオリゴマー形成傾向は、in vivoであれin vitroであれ下記に記載するように任意の適切な手段によって評価することができる。
ポリペプチド変種は、下で詳細に示すように、野生型DsRedの急速成熟四量体変種(DsRed.T4)をコードする配列(配列番号3)を変異させることによって遺伝的に操作された。DsRed.T4は、同時係属米国特許出願10/844,064号でより詳細に記載されている(前記文献はその全体が参照により本明細書に含まれる)。配列番号2の野生型DsRedに比較して、DsRed.T4は以下の置換を含んでいる:
P(−4)L H41T
R2A N42Q
K5E V44A
N6D A145P
T21S T217A
【0005】
野生型DsRed又はDsRedT4に比較して、本発明のポリペプチドは、オリゴマー形成又は四量体形成の傾向の低下を示し、さらに生理的条件下では主として単量体として存在する。ポリペプチド変種は検出可能な赤色蛍光を示す。“検出可能な赤色蛍光”は、野生型DsRedの発光スペクトルとオーバーラップする蛍光が、バックグラウンドに対して識別可能であることを意味する。好ましくは、発光スペクトルは野生型DsRedのものと類似している。
単量体DsRed変種を開発するために、以下の一般的アプローチを用いて、DsRedT4をコードするポリヌクレオチド配列を改変した。当業者には理解されるところであるが、別のDsRed(例えば野生型DsRed)をコードするポリヌクレオチドを用いて始めることもまた可能であろう。
DsRedT4をコードするポリヌクレオチド配列に変異を導入し、DsRedポリペプチド間で形成される四量体形成界面を破壊した。オリゴマー形成に寄与すると疑われるアミノ酸は、オリゴマー形成を減少させる可能性が高いアミノ酸で置き換えた。
DsRedの結晶構造は、四量体形成に必要とされうる残基を明らかにする。“疎水性界面”と称した領域は、溶媒を遮断する疎水性相互作用に主として従事する(図1A)。“極性界面”と称した領域は主として極性相互作用に従事するが、この界面は、向き合うサブユニットと相互作用するいくつかの疎水性残基(Leu-174及びC-末端の尾)も含む(図1B)。
【0006】
変異させる残基及び検査する特定の置換の選択にあたっては、2つの概念を用いた。第一に、ある種の残基は、他の残基よりオリゴマー形成に対して顕著なエネルギー貢献を果たすことが多い。例えば、統計学的実験によって、イソロイシン側鎖はしばしばタンパク質-タンパク質相互作用に重要であるであることが明らかとなっている(Bogan and Thorn, 1998)。本発明の変種の設計では、表面に露出した疎水性残基がオリゴマー形成を促進し易いと推定され、したがって、そのような残基を変異導入のための主要候補と考えた。したがって、安定な単量体の作製は、残基Ile-180及びIle-125の改変を必要とするであろうと考えられる(図1A)。第二に、DsRedタンパク質は、他の場所よりもいくつかの場所でより容易に置換を許容するであろう。四量体形成界面における多くの変異が、タンパク質の折り畳み及び/又は成熟に対して、二次的な影響を有するであろう。
どの残基を変異させることができるのか、どの代替的残基が置き換わることができるのかについて、根拠のある推測ができるように、DsRed、GFP及び他の公知の蛍光タンパク質間の配列アラインメントを用いた(Matz et al. 1999;Wall et al. 2000)。
【0007】
いくつかのポリペプチド変種では、2つの四量体形成界面における変異は、四量体形成の損失(実施例に記載するようにin vitro又はin vivoで測定することができる)及び蛍光の損失をもたらした。したがって、おそらくは発色団の自己触媒的形成がDsRedの折り畳み構造を安定化させうるという理由で、又はオリゴマー形成が量子収量を増加させうるという理由で、四量体形成が野生型DsRedの蛍光にとって重要であり得ると推測される。
オリゴマー形成が破壊されたDsRed変種又は単量体DsRed変種に蛍光を回復させるために、部位特異的変異導入を実施し、前記タンパク質の未成熟型及び/又は成熟型の安定化が期待される特定の変化を導入した。四量体破壊後に蛍光を回復させる試みで、2つの一般的な種類の変異を導入した:(1)折り畳み中間体を安定化させて、オリゴマー形成されないときでさえ前記タンパク質の成熟を許容することができる変異;及び(2)成熟DsRedを剛性強化し(rigidify)、量子収量を高めることが期待される変異。
オリゴマー形成破壊DsRed変種又は単量体DsRed変種に蛍光を回復させる第二の方法では、DsRedコード配列全体へ又はコード配列の選択したセグメントへ、幅広い変異を導入した。このように作製した変種を、蛍光の改善についてスクリーニングした。
【0008】
いくつかの事例では種々の変異の作用が明白に示され、また他の事例では種々の変異の作用は推定的又は仮定的であった。前記変異は以下の6つの作用のカテゴリーに分類することができる:
1.未成熟な折り畳み中間体を安定化させるであろう変異:四量体DsRed変種では、K83及びK163はタンパク質の内部に面している。これら極性の高い内部残基の存在は、折り畳み中間体を脱安定化させる可能性が高い。したがって、K83M及びK163H置換を導入して、これらの位置における極性を低下させた。K163H置換は、ヒスチジンが未だいくぶん極性であるので比較的保存的であった。K83M置換は疎水性残基を導入し、蛍光スペクトルを赤色にシフトさせる。しかしながら、ランダム変異導入によって、Y193H置換は、K83Mによってもたらされるスペクトル変化を元に戻し、さらに明度も高めることが見出された。残基193は折り畳まれたタンパク質の残基83に近く、したがってY193HはK83Mによって生じた極性の低下を代償することができる。置換K83M、K163H、Y193Hの三つ組を含む変種は、DsRed.T4には許容されない界面変異を許容する能力によって示されるとおり、安定化されるようである。
2.疎水性四量体形成界面を破壊する変異:このカテゴリーは、E26Y、K92T、V96S、T106E、T108Q、I125K、S131A、I180V、及びM182Kを含み、その各々は疎水性界面におけるサブユニット間の相互作用を破壊すると予想される。
3.極性四量体形成界面を破壊する変異:このカテゴリーは、R149K、R153Q、H162S、L174T、E176D、Y192N、R216H、H222S、L223G、F224S、及びL225Qを含み、その各々は極性界面におけるサブユニット間の相互作用を破壊すると予想される。DsRedの疎水性C-末端の尾は前記極性界面の一部分であると考えられる。
4.単量体の蛍光を、おそらくはタンパク質を安定化及び/又は剛性強化することにより、高める変異:このカテゴリーは、V71A、C117T、V175C、S179T、S203N及びG219Aを含む。C117Tは表面のシステイン残基も排除し、前記システイン残基はさもなければ分泌経路内で酸化される可能性があることに留意されたい。
5.大腸菌での発現を改善する変異:例えばDsRed.T4のような変種を大腸菌(E. coli)でそれ自身の開始コドンを用いて生成する場合、タンパク質のレベルは、N-末端ヘキサヒスチジンタグを用いて同じタンパク質を生成する場合よりもはるかに低い。このことは、前記遺伝子の5'-末端が細菌での発現にとって重要であることを示している。コード配列を推定される翻訳産物が残基2−4に置換を含むように改変し、大腸菌での強力な発現についてスクリーニングした。置換A2D、S3N及びS4Tを有するポリペプチドは強く発現されることが見出された。これらのN-末端変異はおそらく大腸菌での翻訳を強化する(この作用は真核細胞での発現では生じないであろう)。さらにまた、前記N-末端変異はDsRedの成熟及び/又は安定性に対してもいくつかの有益な作用を有しうる。
6.タンパク質の一般的な“粘着性”を低下させる変異:四量体形成界面の外側に位置し、タンパク質が他の巨大分子に付着する傾向を低下させる多数の表面変異を導入した。具体的には、塩基性残基(特にアルギニン)および大型の疎水性残基を標的にした。このカテゴリーの置換にはR13Q、R36K、K47Q、M141A及びI210Vが含まれる。これらの置換は、蛍光を著しくは低下させないことが示された。これらの置換の1以上を含む変種は、他の巨大分子との凝集の低下を示し得ると期待される。凝集の低下は、DsRed変種の可溶性を野生型DsRedの可溶性と比較することによって評価することができる。
【0009】
多数の変異を含み、DsRed.M1(配列番号5)として同定したDsRed単量体変種の例を下に記載する。当然、DsRed.M1に含まれる変異よりも少ない変異を有する本明細書でクレームされている有用な単量体変種は、本明細書の本開示の手引き及び教示を用いて開発することができる。
DsRed.M1を、N-末端の酸性残基の数を減らすために、D6N(天然の配列への復帰)を導入することによって、さらに改変した。更なる置換K121H、K168E、D169G、D115G及びG116Nを実施して、明度または蛍光を改善した。
いったん所望の特徴を有するDsRed単量体変種が同定されたら、当然、前記変種をコードするいずれかのポリヌクレオチドを用いて前記変種を発現させることができる。例えば、特定の生物のコドン使用頻度を考慮して、変種をコードするポリヌクレオチドを前記生物での最適な発現のために改変することができる。前記ポリヌクレオチドは、意図する細胞又は生物で機能する、誘導性又は構成性プロモーターに機能可能に連結することができる。前記ポリヌクレオチドは、対象のポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドとインフレームで連結されて、融合タンパク質をコードする配列を形成することができる。前記融合タンパク質では、前記対象のポリペプチドが、そのN-又はC-末端においてDsRed単量体変種で標識されている。
【実施例】
【0010】
[四量体形成を低下させるアミノ酸置換の選択]
当業者に周知の標準的な方法による部位特異的変異導入を用いて、DsRedの2つの四量体形成界面を破壊した。各位置で種々の置換を実施し、下記に説明するように蛍光を評価した。
疎水性界面:
DsRed.T4変種から出発して、疎水性界面の広範囲にわたる変異導入を実施した。DsRed.T4はT21S置換を含む。さらに、より極性の残基でMet-182、Ile-180、Val-96及びIle-125を置き換え、S131A置換により水素結合残基を除去した。これらの置換を有するDsRed.T4変種を、DsRed.D1と称した。この変種はおそらく二量体である。DsRed.D1バックグラウンドでは、更なるV104A置換は許容される。報告によれば、類縁の蛍光タンパク質HcRedでは、推定される疎水性界面における、DsRedのIle-125に対応する位置のLeuからHisへのただ1つの変異が、HcRedを二量体に変換するために充分であったということは注目される(Gurskaya et al. 2001)。DsRed.D1を産生する細菌コロニーは、DsRed.T4を産生するものよりもいくぶん弱い蛍光を発するが、DsRed.D1によるシグナルは依然として強力である。
極性界面:
極性界面を変異させるための最初の試みは、蛍光の低下をもたらした。例えば、Leu-174は向き合うサブユニットと疎水性相互作用を形成するが、最初に試みたLeu-174の置換の全て(Valへの保存的な変化を含む)は実質的に蛍光を消滅させた。したがって、Leu-174は蛍光にとって必要であり、変異させるべきでないという結論を下した。同様な結果が、向き合うサブユニット上の対となる相手と珍しい積み重ね相互作用で結合するHis-162、向き合うサブユニット中の溝の中に挿入されるHis-222についても得られた。これらHis残基のSer又はAsnへの保存的置換は、蛍光を大幅に減少させた。実際、極性界面の重要な残基の変異は、ほとんどが蛍光を損なうことが見出された。
【0011】
[DsRed変種のオリゴマー状態の評価]
DsRed変種のオリゴマー状態は、非変性SDS-PAGE又はサイズ排除クロマトグラフィーによって評価することができる。
非変性SDS-PAGEのために、精製したDsRed変種又は野生型DsRedの各1μgをSDS含有サンプル緩衝液と氷上で混合し、直ちに10%ポリアクリルアミドゲルで4℃にて電気泳動し、続いてクマシーブルーで染色した。野生型DsRed及びDsRed変種のさらに別のアリコートを電気泳動前に煮沸して変性させた。
蛍光タンパク質が主として単量体、二量体又は四量体として存在するのか否かは、ゲルろ過クロマトグラフィーを用いて示すことができる(Gurskaya et al. 2001)。場合によって、ゲルろ過は、ファルマシアFPLCシステムを用いて実施されるであろう。スモールゾーンサイズ排除ゲルろ過クロマトグラフィーとして知られるこの方法を拡張して用いて、結合定数を測定することができるであろう(Raffen and Stevens, 1999)。
本発明のDsRed変種のオリゴマー形成状態及び結合定数は、分析用超遠心分離法を用いて判定することができる(Laue and Stafford, 1999)。このアプローチは、DsRedが四量体であることを最初に実証するためにBairdら(2000)によって用いられた。ベックマン(Beckman)XL-A分析用超遠心分離機が用いられよう。沈降速度法を用いて、どのDsRed種(単量体、二量体及び/又は四量体)が存在するかを確認し、続いて平衡沈降法を用いてオリゴマー結合定数を測定する(Laue and Stafford, 1999)。
【0012】
分析用超遠心分離法は、分析用超遠心分離法に関して幅広い経験を有し(例えばDemeler and Saber, 1998)、“the state-of-the-art UltraScan II software”(http://www.ultrascan.uthscsa.edu)の著者であるBorries Demeler(University of Texas Health Sciences Center at San Antonio)との共同研究で実施する。
DsRedオリゴマー形成についてのin vivoアッセイを遺伝学的スクリーニングで用いることができる。例えば、野生型DsRedのオリゴマー形成の証明に用いられたことが報告されたような酵母ツーハイブリッド系(Baird et al. 2000)を用いて、DsRed変種のオリゴマー形成傾向を評価することができる。
DsRedオリゴマー形成をin vivoでモニターするために用いられるまた別のアプローチは、S.セレビシアエ(S. cerevisiae)のタンパク質Gos1pとGFP又はDsRedとの融合であった。Gos1pは、酵母のゴルジ嚢の細胞質面に固着している膜タンパク質である。GFP-Gos1p融合タンパク質は、S.セレビシアエのゴルジに典型的な蛍光パターンを生じ、一方、野生型DsRed Gos1p融合は細胞内に大きな赤色の斑点(blob)を生じる。これはおそらく、複数のゴルジ嚢がDsRedの四量体形成により架橋されたためであろう。したがって、DsRed-Gos1p融合体の可視化によってDsRedオリゴマー形成についてのin vivoアッセイが提供される。
また別のスクリーニングアッセイでは、ランダムに変異させたDsRedタンパク質をグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST;Smith and Johnson, 1988)のC末端に融合させる。GSTは二量体であるので(McTigue et al., 1995)、GSTとオリゴマーDsRed変種との融合は、細胞を弱い界面活性剤により溶解する場合には不溶性であろう架橋凝集塊を生じ得る。対照的に、GSTと単量体DsRed変種との融合は可溶性タンパク質を生じるであろう。DsRed変種のオリゴマー状態を評価するためにこの方法を用いる考え方は、DsRedの可溶性又は凝集を評価するために用いられたものと同様な発現及び界面活性剤溶解プロトコルを用いて試され、蛍光性DsRed.T1(四量体変種)は細菌細胞から効率的に抽出されたが、一方、蛍光GST-DsRed.T1は定量的にペレット中に保持された。このアッセイは、単量体DsRedに対する鋭敏なスクリーニングを提供することが期待される。
【0013】
[スペクトル特性の最適化]
このプロジェクトの初期の段階では、明赤色にシフトしたDsRed変種を作製しようと試みた。DsRed.T4を用いて実験を開始し、野生型DsRedの蛍光スペクトルを赤色にシフトさせることが示されていたK83M置換を導入した(Baird et a. 2000)。DsRed.T4バックグラウンドでは、K83Mはスペクトルを赤色にシフトさせたが(図2)、前記タンパク質の固有の明度を実質的に低下させた。ランダム変異導入した変種のスクリーニングを実施し、回復した蛍光を有する変種を同定した。驚くべきことに、L174Q変異は明度を増加させることが見出された。それに続く試験によって、K83Mとの関連では、極性界面における他の置換(H162S及びH222Sを含む)がコロニーの蛍光を保存又は回復させることを確認した。
理論に拘束されないが、K83M変異は、DsRedの未熟型を安定化させることによってDsRedを極性界面における変化に対して寛容にし、それによって正しい折り畳みを可能にすると推測される。ほとんどのタンパク質のコアは疎水性であるが、DsRedの場合は、K83は、タンパク質の内側に面するいくつかの荷電残基の1つである(Wall et al. 2000;Yarbrough et al. 2001)。未成熟なDsRedは、四量体形成、特に極性界面での相互作用によって安定化され、極性界面での相互作用が存在しない場合でさえ、K83M置換が未成熟タンパク質を充分に安定にして折り畳むのかもしれない。この仮説により、K83Mの非存在下で、例えばL174Qのような変異は、成熟DsRedの収量を減少させるが、成熟タンパク質の固有の蛍光を減少させないと予測される。一方、この理由に関わらず、K83Mは極性界面に変異を導入することを可能にした。
【0014】
K83M置換を持つ変種で見出された蛍光の減少に取り組むために、2回目のランダム変異導入及びスクリーニングを行った。精製タンパク質の明度を有意に増加させる2つの更なる置換(K163H及びY193H)を同定した。これらの新規な変異はL174Qと異なっており、タンパク質の内側に面する残基を変更する。K83M、K163H及びY193H置換を有するDsRed.T4の変種を、DsRed.T6と称した。コロニーの蛍光によって判定する場合、DsRed.T6は明度ではDsRed.T4に匹敵する。興味深いことに、K83Mで観察されたスペクトルの赤色シフトは、DsRed.T6の前記2つの更なる置換によって大きく元に戻された(図2)。図2から分かるように、K83M置換は、励起ピーク及び発光ピークを〜20nm赤色シフトさせる。DsRed.T6に存在する前記2つの更なる置換は、この赤色シフトのほとんどを元に戻し、さらに緑色発光を抑制する。同様に、DsRed.D1バックグラウンドにK83M、K163H及びY193H置換を導入して、得られた変種(DsRed.D3と称される)は強い蛍光を有し、極性界面における変異導入を許容する。DsRed.D3を用いて開始して、極性界面に寄与する残基の大半又は全てを変異させる計画を立てた。
好ましくは、本発明の単量体DsRed変種は、四量体のスペクトル特性、すなわち最小限の緑色発光を有する明赤色の蛍光を保持する。しかしながら、通常、疎水性の四量体形成界面を形成する野生型DsRedのアミノ酸に対し置換されたアミノ酸を含むポリペプチドを発現する細菌蛍光コロニーは、四量体変種を発現する細菌コロニーよりもいくらか二量体を形成しているように見える。二種類の変化が、変異DsRedを発現する細菌コロニーの蛍光の減少を説明しうる。第一に、変異は、吸光係数及び/又は量子収量を低下させることによってDsRedの固有の明度を低下させるかもしれない。第二に、変異はDsRedの成熟を遅らせるか、及び/又は最終的に蛍光を発するDsRed分子のパーセンテージを減少させたかもしれない。そのような作用を相殺するために、ランダム変異導入を用いて、より明るい単量体変種を同定できよう。
【0015】
[単量体DsRedの緑色発光の最小化]
DsRed四量体破壊の予想される悪影響は、FRETの損失及びその結果としての緑色発光の増加であろう。この問題を軽減させるために、成熟DsRedにおける赤色分子と緑色分子との比率を増加させる変異を導入することができる。DsRedT6におけるK83M、K163H及びY193Hの置換は、DsRed.T4にK83Mを行った変種のものに比べ、より明るい赤色蛍光及び緑色発光低下に相関性を示す。
これらのランダムスクリーニングで同定された変異の他に、四量体形成を弱めることを目的とする定方向変異が、偶発的に成熟DsRedの緑色分子のパーセンテージを減少させることができる。例えば、緑色発光を低下させるためにDsRed.T3及びDsRed.T4に取り込ませたA145P置換は、本来は極性界面を変異させる試みの間に作製したものである。つ最近、極性界面におけるH222S置換が緑色発光を低下させることを見出した。
【0016】
青色励起低下のスクリーニング:
有意な緑色発光を有している対象の単量体変種にさらに変異導入し、緑色発光の低下又は青色励起の低下についてスクリーニングすることができる。488nmレーザーを用いて変異DsRedタンパク質を含む細菌内で蛍光を励起し、続いて前記細菌細胞をフローサイトメトリーでソーティングして、緑色発光の低下したクローンが同定される。このアプローチは、単量体DsRedに関してはより困難であろう。なぜならば、タンパク質凝集を引き起こす所望でない変異は、FRETのため緑色発光を抑制するからである。あるいは、変異体を青色励起の低下についてスクリーニングしてもよい。総蛍光発光を測定する場合、青色光による励起によって得られるシグナルは、発光スペクトルがFRETによって改変されているか否かにかかわらず、緑色蛍光を有するDsRed分子のパーセンテージと相関するはずである。
青色励起の低下についてのアッセイは発明者らの標準的なスライドプロジェクター手法に準拠するが、ただしプレートはデジタルカメラで撮影される。各プレートは2つの条件で撮影される。第一に、青色光による励起後の総蛍光発光は、485±11nmバンドパスフィルターを通して照射し、520nmを超える波長を通過させるコダックラッテン(Kodak Wratten)フィルター#12を通過する発光シグナルを捕捉することによって記録される(Cronin and Hampton, 1999)。プレートの画像は、アドビフォトショップ(Adobe Photoshop)を用いて緑に着色する。第二に、黄色光による励起後の総蛍光発光は、520±20nmバンドパスフィルターを通して照射し、550nmを超える波長を通過させるコダックラッテンフィルター#22を通過する発光シグナルを捕捉することによって記録される。このプレートの画像は赤に着色する。赤色画像はほぼ優先的に赤色フルオロフォアを有するDsRed分子によるものであるが、一方、緑色画像は緑色フルオロフォアを有するDsRed分子が強力に寄与するであろう。赤色及び緑色画像の出現時に、コロニーの大半は黄色に見えるが、赤色分子対緑色分子の比率が高いコロニーはオレンジ色に見えるであろう。
【0017】
[可溶性の評価]
蛍光タンパク質の可溶性を評価する1のアプローチは以下のとおりである。ヘキサヒスチジンタグを付した野生型DsRed又はDsRed変種をコードする誘導性発現ベクターを含む大腸菌細胞を光学密度(OD)(λ=600nm)0.5まで増殖させ、7時間誘導し、B-PER II界面活性剤(Pierce)で溶菌させ、さらに27,000×gで20分遠心した。等量のペレット画分及び上清画分をSDS-PAGEに供し、続いて抗ヘキサヒスチジン抗体でイムノブロッティングを実施した。続いて、上清分画中の各タンパク質の割合を各タンパク質について定量し、抽出した(すなわち可溶化された)タンパク質分子の割合を決定した。典型的には、野生型DsRed分子は約25%のみが可溶化されている。適切には、DsRed変種分子は少なくとも30%が可溶化されている。好ましくは、DsRed変種分子は少なくとも50%が可溶化されている。より好ましくは、DsRed変種分子は少なくとも70%が可溶化されている。
凝集の低下について変種を評価するための別のアプローチは、非変性SDS-PAGEによるものである。各精製DsRed変種の1μgをSDS含有サンプル緩衝液と氷上で混合し、直ちに10%ポリアクリルアミドゲルで4℃にて電気泳動し、続いてクマシーブルーで染色した。野生型DsRed及びDsRed変種の別のアリコートを、電気泳動に先立つ煮沸によって変性させた。散在するバンドとしてのタンパク質の移動は高次のオリゴマーの形成を反映し、一方、シャープなバンド又は適切なサイズのバンドの形成は凝集の低下を示唆する。
【0018】
[赤色蛍光DsRed単量体の作製及び特徴付け]
本発明の変異体(DsRed.M1と称される)のコード配列及びアミノ酸配列は、配列番号4及び配列番号5にそれぞれ示されている。DsRed.M1はDsRed.T4に対して以下の37の置換を含む:
A2D* V96S K163H I210V
S3N T106E L174T R216H
S4T T108Q V175C G219A
R13Q C117T E176D H222S
E26Y I125K S179T L223G
R36K S131A I180V F224S
K47Q M141A M182K L225Q
V71A R149K Y192N
K83M R153Q Y193H
K92T H162S S203N
A2D*は残基2の二番目の変異であり、残基2は野生型DsRedではアルギニンであった。
【0019】
オリゴマー状態:DsRed.M1は機能的に単量体としてふるまう。前記タンパク質は、非変性SDS-PAGE又はサイズ排除クロマトグラフィーによって判定されるように、単量体であると思われる。
明度:DsRed.M1成熟タンパク質は検出可能な赤色蛍光を示すが、DsRed.T4のような四量体変種よりも明るさは弱い。DsRed.M1はまた、mRFP1(Tsienらによって作出された:US 2003/0170911 A1)と称される赤色蛍光単量体DsRedタンパク質よりも明るさは弱い。
スペクトル特性:赤色シフトを示すmRFP1とは対照的に、DsRed.M1は、四量体DsRed変種のものと同様な励起スペクトル及び発光スペクトルを有する。驚くべきことには、DsRed.M1は無視できる程度の緑色発光を示す。四量体DsRed変種が示す緑色発光がサブユニット間の共鳴エネルギー転移によって強く抑制されることを考えると、前記DsRed.M1の緑色発光の欠如は幸運なことであり、むしろ予期せぬものである。
光安定性:mRFP1は、四量体DsRed変種よりもはるかに速い光退色を示し、この作用はmRFP1のスペクトル特性変化と相関性を示しうる。DsRed.M1はMRFP1よりも光安定性が高いだろうと期待できる。なぜならばDsRed.M1のスペクトル特性は、四量体変種のスペクトル特性と類似しているからである。
成熟:DsRed.M1は、親のDsRed.T4の迅速な成熟を維持していると思われる(DsRed.T4の成熟は野生型DsRedよりもかなり速い)。
本明細書又は添付物に引用された各刊行物は、その全体が参照により本明細書に含まれる。さらにまたWO03/054158A2はその全体が参照により本明細書に含まれる。
【0020】
(引用文献)



【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】DsRedの四量体形成に関与する疎水性界面(図1A)及び極性界面(図1B)を示す。後者はまた疎水性の尾(残基222−225)を含む。
【図2】K83M置換を有する四量体変種DsRed.T4の誘導体と、K83M、K163H及びY193H置換を有するDsRed.T4の誘導体とについての、励起スペクトル及び発光スペクトルの比較である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1の野生型DsRedの変種ポリペプチド又は配列番号3の急速成熟ディスコソーマ(Discosoma)赤色蛍光タンパク質T4(DsRed.T4)の変種ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドであって、
前記変種ポリペプチドが、野生型DsRedと比較してオリゴマー形成の低下を示し、アミノ酸置換K83M、K163H及びY193Hを含み、さらにE26Y、K92T、V96S、T106E、T108Q、I125K、S131A、I180V及びM182Kから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む変種ポリペプチド。
【請求項2】
変種ポリペプチドがアミノ酸置換I125K又はI180Vを含む、請求項1の単離ポリヌクレオチド。
【請求項3】
変種ポリペプチドが、R149K、R153Q、H162S、L174T、E176D、Y192N、R216H、H222S、L223G及びF224Sから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項1の単離ポリヌクレオチド。
【請求項4】
変種ポリペプチドが、V71A、C117T、S175C、S179T、S203N及びG219Aから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項1の単離ポリヌクレオチド。
【請求項5】
変種ポリペプチドが、A2D、S3N及びS4Tから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項1の単離ポリヌクレオチド。
【請求項6】
変種ポリペプチドが、R13Q、R36K、K47Q、M141A及びI210Vから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項1の単離ポリヌクレオチド。
【請求項7】
変種ポリペプチドが主に単量体として存在する、請求項1の単離ポリヌクレオチド。
【請求項8】
配列番号3の急速成熟ディスコソーマ赤色蛍光タンパク質T4(DsRed.T4)の変種ポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドであって、
前記変種ポリペプチドが、DsRed.T4と比較してオリゴマー形成の低下を示し、検出可能な赤色蛍光を示し、K83M、 K83L、K163Q、K163M、 K163H及びY193Hから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換と、E26Y、K92T、V96S、T106E、T108Q、I125K、S131A、I180V及びM182Kから成る群から選択される少なくとも3つのアミノ酸置換と、R149K、R153Q、H162S、L174T、E176D、Y192N、R216H、H222S、L223G及びF224Sから成る群から選択される少なくとも3つのアミノ酸置換とを含む、前記単離ポリヌクレオチド。
【請求項9】
変種ポリペプチドが、V71A、C117T、S175C、S179T、S203N及びG219Aから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項8の単離ポリヌクレオチド。
【請求項10】
変種ポリペプチドが、A2D、S3N及びS4Tから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項8の単離ポリヌクレオチド。
【請求項11】
変種ポリペプチドが、R13Q、R36K、K47Q、M141A及びI210Vから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項8の単離ポリヌクレオチド。
【請求項12】
変種ポリペプチドが、さらにアミノ酸置換D6Nを含む、請求項8の単離ポリヌクレオチド。
【請求項13】
変種ポリペプチドが、D115G、D116N、K121H、K168E及びD169Gから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項8の単離ポリヌクレオチド。
【請求項14】
変種ポリペプチドが、アミノ酸置換Y193Hを含む、請求項9の単離ポリヌクレオチド。
【請求項15】
変種ポリペプチドが、アミノ酸置換K83M及びK163Hの少なくとも1つを含む、請求項14の単離ポリヌクレオチド。
【請求項16】
変種ポリペプチドが、アミノ酸置換E26Y、K92T、V96S、T106E、T108Q、I125K、S131A、I180V、M182K、R149K、R153Q、H162S、L174T、E176D、Y192N、R216H、H222S、L223G及びF224Sを含む、請求項15の単離ポリヌクレオチド。
【請求項17】
変種ポリペプチドが、配列番号5の配列と95%のアミノ酸同一性を含む、請求項15の単離ポリヌクレオチド。
【請求項18】
変種ポリペプチドが配列番号5を含む、請求項17の単離ポリヌクレオチド。
【請求項19】
変種ポリペプチドが、D6N、D115G、G116N、K121H、K168E及びD169Gから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項15の単離ポリヌクレオチド。
【請求項20】
ポリペプチドが単量体として存在する、請求項8の単離ポリヌクレオチド。
【請求項21】
ポリヌクレオチドが、変種ポリペプチドに連結している対象のポリペプチドをさらにコードしており、前記対象のポリペプチドと前記変種ポリペプチドとが融合タンパク質として発現される、請求項8の単離ポリヌクレオチド。
【請求項22】
請求項8の配列を含む細胞。
【請求項23】
プロモーターに機能可能に接続された請求項8のポリヌクレオチドを含む、構築物。
【請求項24】
請求項21の構築物を含む、ベクター。
【請求項25】
請求項8のポリヌクレオチドによってコードされる、DsRedT4の変種ポリペプチド。
【請求項26】
請求項24のベクターを、変種ポリペプチドの発現を許容する条件下で宿主細胞に導入することを含む、DsRedT4の変種ポリペプチドの発現を得る方法。
【請求項27】
ベクターが請求項21のポリヌクレオチドを含む、請求項26の方法。
【請求項28】
赤色蛍光を検出することによって変種ポリペプチドの発現を評価することをさらに含む、請求項26の方法。
【請求項29】
赤色蛍光の時間的又は空間的変化をモニターすることをさらに含む、請求項27の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−500819(P2008−500819A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507493(P2007−507493)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/011753
【国際公開番号】WO2005/100387
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(501242712)ザ ユニヴァーシティー オヴ シカゴ (19)
【出願人】(506338629)ザ ユニヴァーシティ オヴ ワシントン (1)
【Fターム(参考)】