説明

単電源安定化レーザ装置

【課題】He−Neレーザの周波数安定化装置を簡単化する。
【解決手段】単極性定電圧電源装置1の電圧が正確に24Vであればプラス、マイナス12Vの双極性電源が得られるが、レギュレータ4の出力Oが正確にマイナス12Vになるには時間がかかるので、周波数安定のための電子回路3の0VであるべきグランドGの電位は24Vとなり片電源となり、能動電子素子は破壊される可能性をもつ。この現象を防止するため単極性定電圧電源装置1のプラス、マイナスの端子の間に、二つの抵抗等のインピータンス2を直列にしたものを接続し直列の中点を電子回路3の0Vであるべき点Gに接続する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明はHe−Neレーザの周波数安定化装置を簡単化ならびに小形化する手段の提供に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のHe−Neレーザの周波数安定化装置では周波数安定のための電子回路の電源として例えばプラス12Vとマイナス12Vつまり極性の異なる二つの電圧を出力する双極性電源装置が必要であった、周波数安定化装置にはー般的にヒータ部分があり、必要な電流値は小さくなく、電源のパーワーも小さいものでは済まされず、大電力の双極性電源になるか、単極性電源を二個用いるか或いは単極性のヒータ用電源とそれ以外の部分を双極性電源に分け複合電源にする必要があり、その為装置は大型になり且つ高価にならざるをえなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
He−Neレーザの周波数安定化装置を小さくすることと、装置の価格を低下させることが発明の課題である。此の課題の一部は、電源を単一極性の一個の電源と、一個の3単子電圧レギュレータで新しい電源を構成して装置を小さくすることにより実現することができる。しかし、この構成により必然的に発生する問題がありこれを解決するという他の部分も必要である。該問題は、周波数安定のための電子回路の中に用いられているIC能動電子素子が瞬間的ではあるが片電源電圧状態になることである。しかも、IC能動電子素子が例えば、プラス、マイナス12Vの2極性で動作する場合、該片電源電圧は通状の双極性電源を使用している場合の片電源電圧の倍となる。通状の片電源電圧でも増幅器等のIC能動電子素子は約50%破壊されている。その2倍の片電源電圧が印加されれば、印加が瞬時であっても電子素子が破壊される確率は小さくない。つまり、電源を一個の単一極性の電源と一個の3単子電圧レギュレータを用いて簡単にすることと、それよって生まれる問題点を解決するのが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
IC能動電子素子の電子回路の電源には電子回路の電圧が、例えばプラス12Vとマイナス12Vである場合、出力がプラス12Vとマイナス12Vの双極性の電源を用いるのが普通である。ここでは、双極性の電源を用いずに、一個の一つの極性を持つ定電圧電源装置と、一個の一定電圧マイナス12Vを出力する3単子電圧レギュレータを用いて電源の簡単化を行なっており、一個のフロート型の24V電源を用い、3単子電圧レギュレータ7912で前記の電源の24Vに対してマイナス12Vをつくる。これは周波数安定のための電子回路においてはプラス側の電流がマイナス側のそれに比して充分大きいからであり、逆にマイナス側の電流が大きい場合にはプラスの3単子電圧レギュレータ7812を用いて前記の電源の0Vに対してプラス12Vをつくるべきである。これは3単子電圧レギュレータのコモンCとアウトプットOの間の電圧が保証されているが、そのためにはコモンCとアウトプットOの間の電流の方向が正しくなければならないからである。
以上のようにプラス側の電流がマイナス側のそれに比して大きい場合、まずプラス24Vを原点と考える。すると原点と、この原点に対してマイナス12Vになる点と、プラス24V電源の0Vの点との三個の点の電圧端子を得ることになる。マイナス12Vの点の端子をあらためて、新しい0V(グランド)端子とし、プラス24Vの点の端子を新しいプラス12V端子、0Vの点の端子を新しいマイナス12V端子とすればよい。この際、前述ように、He−Neレーザの周波数安定化装置では周波数安定のための電子回路のプラス側の電流はマイナス側より大きいとしている。勿論、有害無益であるが、逆極性の3単子電圧レギュレータを用いマイナス側の電流値がプラス側より大きくなるよう余分の負荷を接続してもよい。
【0005】
電源のスイッチを投入した時、3単子電圧レギュレータの出力端子の電圧の値が正規の値に落ち着くのには僅かではあるが時間が掛かる。この間、周波数安定のための電子回路のIC能動電子素子は片電源となり、しかもその電圧は正規の電源電圧の2倍の値である。従って、能動電子素子が破壊される確率の増加は免れない。この問題は新しい0V端子を抵抗等、インピータンスを用いて予めほぼ0Vにしておき3単子電圧レギュレータの出力が正規の値になればその値を正しい0Vとすればよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態では24Vの系を例として挙げている。単極性定電圧電源裝置1の0V端子の出力はマイナスの3単子電圧レギュレータ7912の入力端子Iに入力される。この3単子電圧レギュレータ4の出力電圧はコモンCと出力Oの間の電圧である。従って電圧の原点としては24Vの点となる。つまりこの3単子電圧レギュレータの役目は24Vに対しマイナス12Vを出力することである。単極性定電圧電源装置1の0V端子の電圧とレギュレータ4の出力Oの間の電位差も12Vとなるが、これは単なる引き算にすぎない。
【0007】
単極性定電圧電源装置1の電圧が正確に24Vであればプラス、マイナス12Vの双極性電源が得られることになるが、レギュレータ4の出力Oが正確にマイナス12Vになるには時間がかかる。そのあいだ、周波数安定のための電子回路3の0VであるべきグランドGの電位は24Vとなり片電源となり、能動電子素子は破壊される可能性をもつ。この現象を単極性定電圧電源装置1のプラス、マイナスの端子の間に、二つの抵抗等のインピータンス2を直列にしたものを接続し直列の中点を電子回路3の0Vであるべき点Gに接続しておけばよい。抵抗5は必ずしも必要なものではないが、条件によってはレギュレータの保護の役目をするためのものである。
【発明の効果】
【0008】
多くの電子装置が小形になっており周波数安定化レーザも例外ではない。プリント基板も面実装化されて久しく、又環境問題における禁止物質を極少にする上からも電気、電子部品の品種の統合が望まれ、そのことが装置の小形化、単純化につながるが、本発明はそれを実現したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1、単極性を持つ定電圧電源装置
2、インピータンス(抵抗)
3、周波数安定化用電子回路
4、3単子電圧レギュレータ
5、抵抗

【特許請求の範囲】
プラス、マイナス二つの極性の電圧により作動するIC能動電子素子を含む電子回路が必要なHe−Neレーザの周波数安定化装置において、該、電子回路の電源として、一つの単極性を持つ定電圧電源装置と、一つの3単子電圧レギュレータと、二つの等価なインピータンスとから構成される電源を用いることを特徴とするHe−Neレーザの周波数安定化装置。

【図1】
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