印刷インキ用容器
【課題】印刷インキを全て取り出す場合、全ての印刷インキを短時間で容易に開口部から取り出すことのできる印刷インキ用容器を提供する。
【解決手段】印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部２１と、この胴体部２１の一端部側に取り付けられた口栓３１と、この口栓３１に取り付けられたキャップ４１とを備え、胴体部２１に、破ることによって口栓３１の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成することのできる開口形成部２６を設ける。
【解決手段】印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部２１と、この胴体部２１の一端部側に取り付けられた口栓３１と、この口栓３１に取り付けられたキャップ４１とを備え、胴体部２１に、破ることによって口栓３１の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成することのできる開口形成部２６を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、印刷インキを収容して保管、運搬する印刷インキ用容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
上記した印刷インキ用容器として、印刷インキを収容する折りたたみ可能な胴体部に口栓を取り付けるとともに、口栓にキャップを取り付けたものが提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
この印刷インキ用容器は、口栓に取り付けたキャップを取り外すことにより、印刷インキを口栓から必要量取り出すことができる。
【０００４】
そして、印刷インキ用容器内に印刷インキが残っている場合は、口栓にキャップを取り付け、印刷インキが印刷インキ用容器内から流れ出さないようにして保管する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００１−２７８２６５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記した印刷インキ用容器は、印刷インキの取出口（排出口）が口栓のみである。
【０００７】
したがって、印刷インキを印刷インキ用容器内から全て取り出す場合、粘度の高い印刷インキを口栓から取り出すことになるので、印刷インキを印刷インキ用容器内から全て取り出すのに時間がかかるという不都合がある。
【０００８】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、印刷インキを全て取り出す場合、全ての印刷インキを短時間で容易に開口部から取り出すことのできる印刷インキ用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１に記載の印刷インキ用容器は、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部と、この胴体部の一端部側に取り付けられた口栓と、この口栓に取り付けられたキャップとを備え、前記胴体部に、破ることによって前記口栓の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成することのできる開口形成部を設けたことを特徴とする。
【００１０】
請求項２に記載の印刷インキ用容器は、請求項１に記載の印刷インキ用容器において、前記開口形成部の少なくとも一端が前記胴体部の端に到達していることを特徴とする。
【００１１】
請求項３に記載の印刷インキ用容器は、請求項２に記載の印刷インキ用容器において、前記開口形成部が到達している前記胴体部の端に、前記開口形成部に連なる切欠を設けたことを特徴とする。
【００１２】
請求項４に記載の印刷インキ用容器は、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、前記胴体部の一端部と、前記口栓との間に前記開口形成部が位置していることを特徴とする。
【００１３】
請求項５に記載の印刷インキ用容器は、請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、前記胴体部は、少なくとも底部分と、側面部分とを備え、前記底部分は透明または半透明とされ、前記胴体部を構成する前記底部分以外の部分は不透光性とされ、前記口栓が前記胴体部の前記底部分と反対の端部側に取り付けられていることを特徴とする。
【００１４】
請求項６に記載の印刷インキ用容器は、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、前記胴体部の他端に、前記胴体部を接着した接着部を設けたことを特徴とする。
【００１５】
請求項７に記載の印刷インキ用容器は、請求項６に記載の印刷インキ用容器において、前記接着部に複数の孔を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１６】
請求項１の印刷インキ用容器によれば、胴体部に開口形成部が設けられているので、開口形成部を破ることによって口栓の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成することができる。
【００１７】
したがって、印刷インキを印刷インキ用容器内から全て取り出す場合は、開口形成部を破って開口部を形成することにより、開口部から全ての印刷インキを短時間で容易に取り出すことができる。
【００１８】
また、印刷インキを印刷インキ用容器内から必要量取り出す場合は、キャップを口栓から取り外すことにより、口栓から印刷インキを必要量取り出すことができる。
【００１９】
このように、使い勝手のよい印刷インキ用容器を提供することができる。
【００２０】
また、胴体部が可撓性を有するので、折り畳んで保管できることにより、保管スペースを少なくすることができるとともに、在庫管理が行い易くなる。
【００２１】
また、胴体部が可撓性を有するので、折り畳んで廃棄できることにより、ごみ（産業廃棄物）の重量および容積を少なくして処理費用を少なくすることができる。
【００２２】
請求項２の印刷インキ用容器によれば、開口形成部の少なくとも一端が胴体部の端に到達しているので、開口形成部を容易に破って開口部を形成することができる。
【００２３】
請求項３の印刷インキ用容器によれば、開口形成部が到達している胴体部の端に、開口形成部に連なる切欠を設けたので、切欠を誘導手段として開口形成部を容易に破って開口部を形成することができる。
【００２４】
請求項４の印刷インキ用容器によれば、胴体部の一端部と、口栓との間に開口形成部が位置しているので、開口形成部を破って形成される開口部が胴体部の端部となることにより、粘度の高い印刷インキを胴体部内から簡便に搾り出して取り出すことができる。
【００２５】
請求項５の印刷インキ用容器によれば、胴体部に底部分が設けられているので、自立タイプとすることができる。
【００２６】
また、底部分が透明または半透明とされているので、収容した印刷インキの色を、キャップを外さずに底部分から確認することができる。
【００２７】
また、キャップを外さずに底部分から収容した印刷インキの色を確認することができるので、収容した印刷インキの色を確認するためにキャップを取り外す必要がなく、印刷インキ用容器内に空気が入らなくなるため、収容した印刷インキが酸化し、劣化するのを防止することができる。
【００２８】
また、底部分が透明または半透明とされ、底部分以外の部分が不透光性とされているので、底部分を下にして自立させた状態にすると、印刷インキ容器内に紫外線が殆ど入らなくなることにより、収容した印刷インキが紫外線によって劣化するのを防止することができる。
【００２９】
請求項６の印刷インキ用容器によれば、胴体部の他端に、胴体部を接着した接着部を設けたので、接着部を治具などで挟持して胴体部の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器から短時間で容易に取り出すことができる。
【００３０】
請求項７の印刷インキ用容器によれば、接着部に複数の孔を設けたので、複数の孔に治具を通して胴体部の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器から短時間で容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】この発明の印刷インキ用容器の第１実施例を示す正面図である。
【図２】図１に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【図３】この発明の印刷インキ用容器の第２実施例を示す正面図である。
【図４】図３に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【図５】この発明の印刷インキ用容器の第３実施例を示す正面図である。
【図６】図５に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【図７】図５に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の底面図である。
【図８】この発明の印刷インキ用容器の第４実施例を示す正面図である。
【図９】図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の一例を示す説明図である。
【図１０】図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の他の例を示す説明図である。
【図１１】図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方のさらに他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００３２】
以下、この発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【００３３】
図１はこの発明の印刷インキ用容器の第１実施例を示す正面図、図２は図１に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【００３４】
この発明の第１実施例の印刷インキ用容器１１は、図１および図２に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部２１と、この胴体部２１の一端部側（例えば、上端部側）に取り付けられた口栓３１と、この口栓３１に螺合によって着脱自在に取り付けられたキャップ４１と、胴体部２１の所定の位置に貼付されたラベル５１とで構成されている。
【００３５】
上記した胴体部２１は、側面部分２３のみで構成されている。
【００３６】
この側面部分２３は、表側側面部分２３Ｆと、裏側側面部分２３Ｂとの周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密（水密）に密閉されて形成されている。
【００３７】
なお、表側側面部分２３Ｆの外形形状と裏側側面部分２３Ｂの外形形状とは、表側（正面側）から見て、縦長の矩形（長方形）の右上隅を直線状に切り欠いた同一形状とされている。
【００３８】
そして、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂは、酸素を通過（透過）させず、紫外線などの光を通過（透過）させず、可撓性を有する材料（材質）、例えば、プラスチックシートで構成されている。
【００３９】
このプラスチックシートは、例えば、各種のポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト（ＰＥＴ）、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ−ボネ−ト、ポリブテン、ポリビニルアルコ−ル、その他等の各種の熱可塑性樹脂のプラスチックシートを単独ないし複数種を積層して使用することができる。
【００４０】
特に、容器にガスバリヤー性を付与するために、例えば、中間層にエチレン−ビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）などのガスバリヤー性材料を積層した積層シート、具体的には、ＰＥ／ＥＶＯＨ／ＰＥ、ＰＰ／ＥＶＯＨ／ＰＥ、Ａ（アモルファス）・ＰＥＴ／ＥＶＯＨ／ＰＥなどの層構成の積層シートを用いることができる。
【００４１】
そして、プラスチックシートの厚さは、５０μｍ〜８００μｍの範囲とし、成形性、および、成形する容器の容量などによって適宜決定するが、好ましくは１００μｍ〜５００μｍの範囲とする。
【００４２】
また、環境対応の観点から、必要最小限の厚さとすることが好ましいが、薄すぎた場合には、ガスバリアー性が劣ること、ピンホールが発生しやすくなるなどの問題があるので、フィルムの種類などを勘案して適宜設定する必要がある。
【００４３】
そして、胴体部２１には破ることによって口栓３１の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成できる開口形成部２６が、胴体部２１の右端から左端まで設けられている。
【００４４】
この開口形成部２６は、胴体部３２の一端部（上端部）と、口栓３１との間を通過する位置に設けられている。
【００４５】
そして、開口形成部２６は、例えば、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂをプレス加工することによって破ることのできる薄肉の破断部とされている。
【００４６】
そして、開口形成部２６が到達している胴体部２１の左端には、開口形成部２６に連なる切欠２７が開口形成部２６を破る誘導手段として設けられている。
【００４７】
上記した口栓３１は、胴体部２１の切り欠いた右上隅の部分に、表側側面部分２３Ｆと裏側側面部分２３Ｂとで挟まれた状態に、例えば、溶着によって取り付けられている。
【００４８】
この口栓３１は、酸素を通過（透過）させず、紫外線などの光を通過（透過）させない材料（材質）で、キャップ４１との螺合性のよいものが好ましく、例えば、低密度ＰＥ、中密度ＰＥ、高密度ＰＥ、ＰＰなどの樹脂で構成されている。
【００４９】
上記したキャップ４１は、酸素を通過（透過）させず、紫外線などの光を通過（透過）させない、例えば、ＰＥ、ＰＰ、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂で構成され、射出成形することによって作製することができる。
【００５０】
上記したラベル５１は、胴体部２１内に収容されている印刷インキが何色であるか、印刷インキの成分が何であるか等を表示するものである。
【００５１】
このように構成された印刷インキ用容器１１内から印刷インキを必要量取り出す場合は、キャップ４１を口栓３１から取り外すことにより、印刷インキを口栓３１から必要量取り出すことができる。
【００５２】
また、印刷インキを印刷インキ用容器１１内から全て取り出す場合は、開口形成部２６を破って開口部を形成することにより、開口部から印刷インキを全て搾り出して取り出すことができる。
【００５３】
そして、ラベル５１を見ることにより、印刷インキの色等を確認することができる。
【００５４】
この発明の第１実施例の印刷インキ用容器１１によれば、胴体部２１に開口形成部２６が設けられているので、開口形成部２６を破ることによって口栓３１の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成することができる。
【００５５】
したがって、印刷インキを印刷インキ用容器１１内から全て取り出す場合は、開口形成部２６を破って開口部を形成することにより、開口部から全ての印刷インキを短時間で容易に取り出すことができる。
【００５６】
また、印刷インキを印刷インキ用容器１１内から必要量取り出す場合は、キャップ４１を口栓３１から取り外すことにより、口栓３１から印刷インキを必要量取り出すことができる。
【００５７】
このように、使い勝手のよい印刷インキ用容器１１を提供することができる。
【００５８】
また、胴体部２１が可撓性を有するので、折り畳んで保管できることにより、保管スペースを少なくすることができるとともに、在庫管理が行い易くなる。
【００５９】
また、胴体部２１が可撓性を有するので、折り畳んで廃棄できることにより、ごみ（産業廃棄物）の重量および容積を少なくして処理費用を少なくすることができる。
【００６０】
また、開口形成部２６の両端が胴体部２１の端に到達しているので、開口形成部２６を容易に破って開口部を形成することができる。
【００６１】
そして、開口形成部２６が到達している胴体部２１の端に、開口形成部１６に連なる切欠２７を設けたので、切欠２７を誘導手段として開口形成部２６を容易に破って開口部を形成することができる。
【００６２】
また、胴体部２１の一端部（上端部）と、口栓３１との間に開口形成部２６が位置しているので、開口形成部２６を破って形成される開口部が胴体部２１の端部となることにより、粘度の高い印刷インキを胴体部２１内から簡便に搾り出して取り出すことができる。
【００６３】
また、胴体部２１にラベル５１が貼付されているので、ラベル５１を見ることにより、印刷インキの色等を確認することができる。
【００６４】
図３はこの発明の印刷インキ用容器の第２実施例を示す正面図、図４は図３に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【００６５】
なお、図１または図２に示した部分と同一部分、または、図１または図２に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【００６６】
この発明の第２実施例の印刷インキ用容器１１Ａは、図３および図４に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部２１Ａと、この胴体部２１Ａの一端部側（例えば、上端部側）に取り付けられた口栓３１と、この口栓３１に取り付けられたキャップ４１と、胴体部２１の所定の位置に貼付されたラベル５１とで構成されている。
【００６７】
上記した胴体部２１Ａは、側面部分２３Ａのみで構成されている。
【００６８】
この側面部分２３Ａは、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂと、この表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂの左側部分の間にまち（襠）として熱溶着で液密（水密）に密閉された取り付けられた左側側面部分（図示省略）と、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂの右側部分の間にまち（襠）として熱溶着で液密（水密）に密閉された取り付けられた右側側面部分２３Ｒとで構成されている。
【００６９】
そして、左側、右側側面部分２３Ｒは、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂと同じ材料（材質）で構成されている。
【００７０】
なお、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂは、表側（正面側）から見て、縦長の矩形（長方形）とされている。
【００７１】
上記した口栓３１は、胴体部２１Ａの上端、すなわち、表側側面部分２３Ｆの上端と裏側側面部分２３Ｂの上端とで挟まれた状態に、例えば、溶着によって取り付けられている。
【００７２】
この発明の第２実施例の印刷インキ用容器１１Ａによれば、第１実施例の印刷インキ用容器１１と同様な効果を得ることができる。
【００７３】
そして、胴体部２１Ａに左側、右側側面部分２３Ｒを設けたので、一定量の印刷インキを収容する印刷インキ用容器としての高さ方向（上下方向）の長さ（寸法）を短くすることができる。
【００７４】
図５はこの発明の印刷インキ用容器の第３実施例を示す正面図、図６は図５に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図、図７は図５に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の底面図である。
【００７５】
なお、図１〜図４に示した部分と同一部分、または、図１〜図４に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【００７６】
この発明の第３実施例の印刷インキ用容器１１Ｂは、図５〜図７に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部２１Ｂと、この胴体部２１Ｂの一端部側（例えば、上端部側）に取り付けられた口栓３１と、この口栓３１に取り付けられたキャップ４１とで構成されている。
【００７７】
上記した胴体部２１Ｂは、楕円形状の底部分２２と、この底部分２２の回りに下端部分が液密（水密）に密閉された状態に取り付けられた側面部分２３とで構成されている。
【００７８】
そして、底部分２２は、透明または半透明で、酸素を通過（透過）させず、可撓性を有する材料（材質）、例えば、プラスチックシートで構成されている。
【００７９】
このプラスチックシートは、例えば、各種のポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト（ＰＥＴ）、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ−ボネ−ト、ポリブテン、ポリビニルアルコ−ル、その他等の各種の熱可塑性樹脂のプラスチックシートを単独ないし複数種を積層して使用することができる。
【００８０】
特に、容器にガスバリヤー性を付与するために、例えば、中間層にエチレン−ビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）などのガスバリヤー性材料を積層した積層シート、具体的には、ＰＥ／ＥＶＯＨ／ＰＥ、ＰＰ／ＥＶＯＨ／ＰＥ、Ａ（アモルファス）・ＰＥＴ／ＥＶＯＨ／ＰＥなどの層構成の積層シートを用いることができる。
【００８１】
そして、プラスチックシートの厚さは、５０μｍ〜８００μｍの範囲とし、成形性、および、成形する容器の容量などによって適宜決定するが、好ましくは１００μｍ〜５００μｍの範囲とする。
【００８２】
また、環境対応の観点から、必要最小限の厚さとすることが好ましいが、薄すぎた場合には、ガスバリアー性が劣ること、ピンホールが発生しやすくなるなどの問題があるので、フィルムの種類などを勘案して適宜設定する必要がある。
【００８３】
上記した側面部分２３は、底部分２２の回りに下端部分が、例えば、熱溶着で液密（水密）に密閉された状態に取り付けられる表側側面部分２３Ｆと、底部分２２の回りに下端部分が、例えば、熱溶着で液密（水密）に密閉された状態に取り付けられ、表側側面部分２３Ｆの周縁と対向する周縁が表側側面部分２３Ｆの周縁に、例えば、熱溶着で液密（水密）に密閉された状態に取り付けられる裏側側面部分２３Ｂとで形成されている。
【００８４】
この発明の第３実施例の印刷インキ用容器１１Ｂによれば、第１実施例または第２実施例の印刷インキ用容器１１，１１Ａと同様な効果を得ることができる。
【００８５】
そして、底部分２２が設けられているので、自立タイプとすることができる。
【００８６】
また、底部分２２が透明または半透明とされているので、収容した印刷インキの色を、キャップ４１を外さずに底部分２２から確認することができる。
【００８７】
また、キャップ４１を外さずに底部分２２から収容した印刷インキの色を確認することができるので、収容した印刷インキの色を確認するためにキャップ４１を取り外す必要がなく、印刷インキ用容器１１Ｂ内に空気が入らなくなるため、収容した印刷インキが酸化し、劣化するのを防止することができる。
【００８８】
また、底部分２２が透明または半透明とされ、底部分２２以外の部分（側面部分２３、口栓３１およびキャップ４１）が不透光性とされているので、底部分２２を下にして自立させた状態にすると、印刷インキ容器１１Ｂ内に紫外線が殆ど入らなくなることにより、収容した印刷インキが紫外線によって劣化するのを防止することができる。
【００８９】
図８はこの発明の印刷インキ用容器の第４実施例を示す正面図、図９は図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の一例を示す説明図、図１０は図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の他の例を示す説明図、図１１は図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方のさらに他の例を示す説明図である。
【００９０】
なお、図１〜図７に示した部分と同一部分、または、図１〜図７に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【００９１】
この発明の第４実施例の印刷インキ用容器１１Ｃは、図８に示すように（第１実施例の印刷インキ用容器１１と同様に）、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部２１と、この胴体部２１の一端部側（例えば、上端部側）に取り付けられた口栓３１と、この口栓３１に螺合によって着脱自在に取り付けられたキャップ４１と、胴体部２１の所定の位置に貼付されたラベル５１とで構成されている。
【００９２】
上記した胴体部２１は、側面部分２３のみで構成されている。
【００９３】
この側面部分２３は、表側側面部分２３Ｆと、裏側側面部分との周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密（水密）に密閉されて形成されている。
【００９４】
なお、表側側面部分２３Ｆの外形形状と裏側側面部分２３Ｂの外形形状とは、表側（正面側）から見て、縦長の矩形（長方形）の右上隅を直線状に切り欠いた同一形状とされている。
【００９５】
そして、胴体部２１には、他端（下端）に、胴体部２１、すなわち、表側側面部分２３Ｆと、裏側側面部分とを接着（溶着）した接着部（溶着部）２１ａ（一点鎖線で示されている部分）が、全幅（左右の全幅）で下端から所定の長さ（上下方向の長さ）に設けられている。
【００９６】
この接着部２１ａは、表側側面部分２３Ｆと、裏側側面部分とを接着（溶着）する通常の長さよりも長くされている。
【００９７】
そして、接着部２１ａには、横方向（左右方向、水平方向）に複数（少なくとも２つ）の孔２１ｂが設けられている。
【００９８】
この発明の第４実施例の印刷インキ用容器１１Ｃによれば、第１実施例の印刷インキ用容器１１と同様な効果を得ることができる。
【００９９】
そして、胴体部２１の他端に接着部２１ａを設けたので、図９に示すように、ボード７１の一端に溶着部２１ａを押さえ治具７５で固定したり、または、図１０に示すように、ボート７１の一端に溶着部２１ａを、ボード７１に設けた押さえ棒７２で固定し、胴体部２１を図示を省略した治具で扱（しご）くことにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器内から短時間で容易に取り出すことができる。
【０１００】
また、接着部２１ａに複数の孔２１ｂを設けたので、図１１に示すように、ボード７１に設けた治具としての複数の係止ピン７３を、孔２１ｂに通して胴体部２１の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器内から短時間で容易に取り出すことができる。
【０１０１】
上記した実施例において、開口形成部２６を胴体部２１，２１Ａ，２１Ｂの一端部（上端部）に設けた例を示したが、開口形成部は、図１に二点鎖線示すように、胴体部２１の左上隅、左下隅、右下隅や、胴体部２１の上下方向の中間部分に左右方向に設けてよい。
【０１０２】
また、開口形成部２６を胴体部２１，２１Ａ，２１Ｂの一端（左端）から他端（右端）へ設けた例を示したが、口栓３１の開口部よりも大きな開口面積の開口部を形成することができれば、開口形成部は胴体部の一端（他端）から他端側（一端側）へ向けて設けたり、胴体部の一端（左端）と他端（右端）との間に設けてもよい。
【０１０３】
なお、開口形成部を胴体部の一端（左端）から他端（右端）まで設けた場合、開口形成部の両端部分に切欠を設けてもよい
また、胴体部２１，２１Ａ，２１Ｂを表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂのみ、または、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂおよび左側、右側側面部分２３Ｒ、または、底部分２２および表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂで構成した例を示したが、底部分、表側、裏側側面部分および天井部分で構成してもよい。
【０１０４】
また、ラベル５１を貼付した例を示したが、収容した印刷インキの色等を胴体部に印刷することによってラベル５１を省略してもよい。
【符号の説明】
【０１０５】
１１，１１Ａ，１１Ｂ 印刷インキ用容器
２１，２１Ａ，２１Ｂ 胴体部
２１ａ 接着部（溶着部）
２１ｂ 孔
２２ 底部分
２３，２３Ａ 側面部分
２３Ｆ 前側側面部分
２３Ｂ 裏側側面部分
２３Ｒ 右側側面部分
２６ 開口形成部
２７ 切欠
３１ 口栓
４１ キャップ
５１ ラベル
７１ ボード
７２ 押さえ棒
７３ 係止ピン（治具）
７５ 押さえ治具
【技術分野】
【０００１】
この発明は、印刷インキを収容して保管、運搬する印刷インキ用容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
上記した印刷インキ用容器として、印刷インキを収容する折りたたみ可能な胴体部に口栓を取り付けるとともに、口栓にキャップを取り付けたものが提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
この印刷インキ用容器は、口栓に取り付けたキャップを取り外すことにより、印刷インキを口栓から必要量取り出すことができる。
【０００４】
そして、印刷インキ用容器内に印刷インキが残っている場合は、口栓にキャップを取り付け、印刷インキが印刷インキ用容器内から流れ出さないようにして保管する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００１−２７８２６５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記した印刷インキ用容器は、印刷インキの取出口（排出口）が口栓のみである。
【０００７】
したがって、印刷インキを印刷インキ用容器内から全て取り出す場合、粘度の高い印刷インキを口栓から取り出すことになるので、印刷インキを印刷インキ用容器内から全て取り出すのに時間がかかるという不都合がある。
【０００８】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、印刷インキを全て取り出す場合、全ての印刷インキを短時間で容易に開口部から取り出すことのできる印刷インキ用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
請求項１に記載の印刷インキ用容器は、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部と、この胴体部の一端部側に取り付けられた口栓と、この口栓に取り付けられたキャップとを備え、前記胴体部に、破ることによって前記口栓の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成することのできる開口形成部を設けたことを特徴とする。
【００１０】
請求項２に記載の印刷インキ用容器は、請求項１に記載の印刷インキ用容器において、前記開口形成部の少なくとも一端が前記胴体部の端に到達していることを特徴とする。
【００１１】
請求項３に記載の印刷インキ用容器は、請求項２に記載の印刷インキ用容器において、前記開口形成部が到達している前記胴体部の端に、前記開口形成部に連なる切欠を設けたことを特徴とする。
【００１２】
請求項４に記載の印刷インキ用容器は、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、前記胴体部の一端部と、前記口栓との間に前記開口形成部が位置していることを特徴とする。
【００１３】
請求項５に記載の印刷インキ用容器は、請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、前記胴体部は、少なくとも底部分と、側面部分とを備え、前記底部分は透明または半透明とされ、前記胴体部を構成する前記底部分以外の部分は不透光性とされ、前記口栓が前記胴体部の前記底部分と反対の端部側に取り付けられていることを特徴とする。
【００１４】
請求項６に記載の印刷インキ用容器は、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、前記胴体部の他端に、前記胴体部を接着した接着部を設けたことを特徴とする。
【００１５】
請求項７に記載の印刷インキ用容器は、請求項６に記載の印刷インキ用容器において、前記接着部に複数の孔を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１６】
請求項１の印刷インキ用容器によれば、胴体部に開口形成部が設けられているので、開口形成部を破ることによって口栓の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成することができる。
【００１７】
したがって、印刷インキを印刷インキ用容器内から全て取り出す場合は、開口形成部を破って開口部を形成することにより、開口部から全ての印刷インキを短時間で容易に取り出すことができる。
【００１８】
また、印刷インキを印刷インキ用容器内から必要量取り出す場合は、キャップを口栓から取り外すことにより、口栓から印刷インキを必要量取り出すことができる。
【００１９】
このように、使い勝手のよい印刷インキ用容器を提供することができる。
【００２０】
また、胴体部が可撓性を有するので、折り畳んで保管できることにより、保管スペースを少なくすることができるとともに、在庫管理が行い易くなる。
【００２１】
また、胴体部が可撓性を有するので、折り畳んで廃棄できることにより、ごみ（産業廃棄物）の重量および容積を少なくして処理費用を少なくすることができる。
【００２２】
請求項２の印刷インキ用容器によれば、開口形成部の少なくとも一端が胴体部の端に到達しているので、開口形成部を容易に破って開口部を形成することができる。
【００２３】
請求項３の印刷インキ用容器によれば、開口形成部が到達している胴体部の端に、開口形成部に連なる切欠を設けたので、切欠を誘導手段として開口形成部を容易に破って開口部を形成することができる。
【００２４】
請求項４の印刷インキ用容器によれば、胴体部の一端部と、口栓との間に開口形成部が位置しているので、開口形成部を破って形成される開口部が胴体部の端部となることにより、粘度の高い印刷インキを胴体部内から簡便に搾り出して取り出すことができる。
【００２５】
請求項５の印刷インキ用容器によれば、胴体部に底部分が設けられているので、自立タイプとすることができる。
【００２６】
また、底部分が透明または半透明とされているので、収容した印刷インキの色を、キャップを外さずに底部分から確認することができる。
【００２７】
また、キャップを外さずに底部分から収容した印刷インキの色を確認することができるので、収容した印刷インキの色を確認するためにキャップを取り外す必要がなく、印刷インキ用容器内に空気が入らなくなるため、収容した印刷インキが酸化し、劣化するのを防止することができる。
【００２８】
また、底部分が透明または半透明とされ、底部分以外の部分が不透光性とされているので、底部分を下にして自立させた状態にすると、印刷インキ容器内に紫外線が殆ど入らなくなることにより、収容した印刷インキが紫外線によって劣化するのを防止することができる。
【００２９】
請求項６の印刷インキ用容器によれば、胴体部の他端に、胴体部を接着した接着部を設けたので、接着部を治具などで挟持して胴体部の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器から短時間で容易に取り出すことができる。
【００３０】
請求項７の印刷インキ用容器によれば、接着部に複数の孔を設けたので、複数の孔に治具を通して胴体部の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器から短時間で容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【００３１】
【図１】この発明の印刷インキ用容器の第１実施例を示す正面図である。
【図２】図１に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【図３】この発明の印刷インキ用容器の第２実施例を示す正面図である。
【図４】図３に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【図５】この発明の印刷インキ用容器の第３実施例を示す正面図である。
【図６】図５に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【図７】図５に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の底面図である。
【図８】この発明の印刷インキ用容器の第４実施例を示す正面図である。
【図９】図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の一例を示す説明図である。
【図１０】図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の他の例を示す説明図である。
【図１１】図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方のさらに他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００３２】
以下、この発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【００３３】
図１はこの発明の印刷インキ用容器の第１実施例を示す正面図、図２は図１に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【００３４】
この発明の第１実施例の印刷インキ用容器１１は、図１および図２に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部２１と、この胴体部２１の一端部側（例えば、上端部側）に取り付けられた口栓３１と、この口栓３１に螺合によって着脱自在に取り付けられたキャップ４１と、胴体部２１の所定の位置に貼付されたラベル５１とで構成されている。
【００３５】
上記した胴体部２１は、側面部分２３のみで構成されている。
【００３６】
この側面部分２３は、表側側面部分２３Ｆと、裏側側面部分２３Ｂとの周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密（水密）に密閉されて形成されている。
【００３７】
なお、表側側面部分２３Ｆの外形形状と裏側側面部分２３Ｂの外形形状とは、表側（正面側）から見て、縦長の矩形（長方形）の右上隅を直線状に切り欠いた同一形状とされている。
【００３８】
そして、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂは、酸素を通過（透過）させず、紫外線などの光を通過（透過）させず、可撓性を有する材料（材質）、例えば、プラスチックシートで構成されている。
【００３９】
このプラスチックシートは、例えば、各種のポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト（ＰＥＴ）、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ−ボネ−ト、ポリブテン、ポリビニルアルコ−ル、その他等の各種の熱可塑性樹脂のプラスチックシートを単独ないし複数種を積層して使用することができる。
【００４０】
特に、容器にガスバリヤー性を付与するために、例えば、中間層にエチレン−ビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）などのガスバリヤー性材料を積層した積層シート、具体的には、ＰＥ／ＥＶＯＨ／ＰＥ、ＰＰ／ＥＶＯＨ／ＰＥ、Ａ（アモルファス）・ＰＥＴ／ＥＶＯＨ／ＰＥなどの層構成の積層シートを用いることができる。
【００４１】
そして、プラスチックシートの厚さは、５０μｍ〜８００μｍの範囲とし、成形性、および、成形する容器の容量などによって適宜決定するが、好ましくは１００μｍ〜５００μｍの範囲とする。
【００４２】
また、環境対応の観点から、必要最小限の厚さとすることが好ましいが、薄すぎた場合には、ガスバリアー性が劣ること、ピンホールが発生しやすくなるなどの問題があるので、フィルムの種類などを勘案して適宜設定する必要がある。
【００４３】
そして、胴体部２１には破ることによって口栓３１の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成できる開口形成部２６が、胴体部２１の右端から左端まで設けられている。
【００４４】
この開口形成部２６は、胴体部３２の一端部（上端部）と、口栓３１との間を通過する位置に設けられている。
【００４５】
そして、開口形成部２６は、例えば、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂをプレス加工することによって破ることのできる薄肉の破断部とされている。
【００４６】
そして、開口形成部２６が到達している胴体部２１の左端には、開口形成部２６に連なる切欠２７が開口形成部２６を破る誘導手段として設けられている。
【００４７】
上記した口栓３１は、胴体部２１の切り欠いた右上隅の部分に、表側側面部分２３Ｆと裏側側面部分２３Ｂとで挟まれた状態に、例えば、溶着によって取り付けられている。
【００４８】
この口栓３１は、酸素を通過（透過）させず、紫外線などの光を通過（透過）させない材料（材質）で、キャップ４１との螺合性のよいものが好ましく、例えば、低密度ＰＥ、中密度ＰＥ、高密度ＰＥ、ＰＰなどの樹脂で構成されている。
【００４９】
上記したキャップ４１は、酸素を通過（透過）させず、紫外線などの光を通過（透過）させない、例えば、ＰＥ、ＰＰ、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂で構成され、射出成形することによって作製することができる。
【００５０】
上記したラベル５１は、胴体部２１内に収容されている印刷インキが何色であるか、印刷インキの成分が何であるか等を表示するものである。
【００５１】
このように構成された印刷インキ用容器１１内から印刷インキを必要量取り出す場合は、キャップ４１を口栓３１から取り外すことにより、印刷インキを口栓３１から必要量取り出すことができる。
【００５２】
また、印刷インキを印刷インキ用容器１１内から全て取り出す場合は、開口形成部２６を破って開口部を形成することにより、開口部から印刷インキを全て搾り出して取り出すことができる。
【００５３】
そして、ラベル５１を見ることにより、印刷インキの色等を確認することができる。
【００５４】
この発明の第１実施例の印刷インキ用容器１１によれば、胴体部２１に開口形成部２６が設けられているので、開口形成部２６を破ることによって口栓３１の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成することができる。
【００５５】
したがって、印刷インキを印刷インキ用容器１１内から全て取り出す場合は、開口形成部２６を破って開口部を形成することにより、開口部から全ての印刷インキを短時間で容易に取り出すことができる。
【００５６】
また、印刷インキを印刷インキ用容器１１内から必要量取り出す場合は、キャップ４１を口栓３１から取り外すことにより、口栓３１から印刷インキを必要量取り出すことができる。
【００５７】
このように、使い勝手のよい印刷インキ用容器１１を提供することができる。
【００５８】
また、胴体部２１が可撓性を有するので、折り畳んで保管できることにより、保管スペースを少なくすることができるとともに、在庫管理が行い易くなる。
【００５９】
また、胴体部２１が可撓性を有するので、折り畳んで廃棄できることにより、ごみ（産業廃棄物）の重量および容積を少なくして処理費用を少なくすることができる。
【００６０】
また、開口形成部２６の両端が胴体部２１の端に到達しているので、開口形成部２６を容易に破って開口部を形成することができる。
【００６１】
そして、開口形成部２６が到達している胴体部２１の端に、開口形成部１６に連なる切欠２７を設けたので、切欠２７を誘導手段として開口形成部２６を容易に破って開口部を形成することができる。
【００６２】
また、胴体部２１の一端部（上端部）と、口栓３１との間に開口形成部２６が位置しているので、開口形成部２６を破って形成される開口部が胴体部２１の端部となることにより、粘度の高い印刷インキを胴体部２１内から簡便に搾り出して取り出すことができる。
【００６３】
また、胴体部２１にラベル５１が貼付されているので、ラベル５１を見ることにより、印刷インキの色等を確認することができる。
【００６４】
図３はこの発明の印刷インキ用容器の第２実施例を示す正面図、図４は図３に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図である。
【００６５】
なお、図１または図２に示した部分と同一部分、または、図１または図２に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【００６６】
この発明の第２実施例の印刷インキ用容器１１Ａは、図３および図４に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部２１Ａと、この胴体部２１Ａの一端部側（例えば、上端部側）に取り付けられた口栓３１と、この口栓３１に取り付けられたキャップ４１と、胴体部２１の所定の位置に貼付されたラベル５１とで構成されている。
【００６７】
上記した胴体部２１Ａは、側面部分２３Ａのみで構成されている。
【００６８】
この側面部分２３Ａは、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂと、この表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂの左側部分の間にまち（襠）として熱溶着で液密（水密）に密閉された取り付けられた左側側面部分（図示省略）と、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂの右側部分の間にまち（襠）として熱溶着で液密（水密）に密閉された取り付けられた右側側面部分２３Ｒとで構成されている。
【００６９】
そして、左側、右側側面部分２３Ｒは、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂと同じ材料（材質）で構成されている。
【００７０】
なお、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂは、表側（正面側）から見て、縦長の矩形（長方形）とされている。
【００７１】
上記した口栓３１は、胴体部２１Ａの上端、すなわち、表側側面部分２３Ｆの上端と裏側側面部分２３Ｂの上端とで挟まれた状態に、例えば、溶着によって取り付けられている。
【００７２】
この発明の第２実施例の印刷インキ用容器１１Ａによれば、第１実施例の印刷インキ用容器１１と同様な効果を得ることができる。
【００７３】
そして、胴体部２１Ａに左側、右側側面部分２３Ｒを設けたので、一定量の印刷インキを収容する印刷インキ用容器としての高さ方向（上下方向）の長さ（寸法）を短くすることができる。
【００７４】
図５はこの発明の印刷インキ用容器の第３実施例を示す正面図、図６は図５に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の右側面図、図７は図５に示した印刷インキ用容器内に印刷インキを収容させた状態の底面図である。
【００７５】
なお、図１〜図４に示した部分と同一部分、または、図１〜図４に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【００７６】
この発明の第３実施例の印刷インキ用容器１１Ｂは、図５〜図７に示すように、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部２１Ｂと、この胴体部２１Ｂの一端部側（例えば、上端部側）に取り付けられた口栓３１と、この口栓３１に取り付けられたキャップ４１とで構成されている。
【００７７】
上記した胴体部２１Ｂは、楕円形状の底部分２２と、この底部分２２の回りに下端部分が液密（水密）に密閉された状態に取り付けられた側面部分２３とで構成されている。
【００７８】
そして、底部分２２は、透明または半透明で、酸素を通過（透過）させず、可撓性を有する材料（材質）、例えば、プラスチックシートで構成されている。
【００７９】
このプラスチックシートは、例えば、各種のポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト（ＰＥＴ）、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ−ボネ−ト、ポリブテン、ポリビニルアルコ−ル、その他等の各種の熱可塑性樹脂のプラスチックシートを単独ないし複数種を積層して使用することができる。
【００８０】
特に、容器にガスバリヤー性を付与するために、例えば、中間層にエチレン−ビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）などのガスバリヤー性材料を積層した積層シート、具体的には、ＰＥ／ＥＶＯＨ／ＰＥ、ＰＰ／ＥＶＯＨ／ＰＥ、Ａ（アモルファス）・ＰＥＴ／ＥＶＯＨ／ＰＥなどの層構成の積層シートを用いることができる。
【００８１】
そして、プラスチックシートの厚さは、５０μｍ〜８００μｍの範囲とし、成形性、および、成形する容器の容量などによって適宜決定するが、好ましくは１００μｍ〜５００μｍの範囲とする。
【００８２】
また、環境対応の観点から、必要最小限の厚さとすることが好ましいが、薄すぎた場合には、ガスバリアー性が劣ること、ピンホールが発生しやすくなるなどの問題があるので、フィルムの種類などを勘案して適宜設定する必要がある。
【００８３】
上記した側面部分２３は、底部分２２の回りに下端部分が、例えば、熱溶着で液密（水密）に密閉された状態に取り付けられる表側側面部分２３Ｆと、底部分２２の回りに下端部分が、例えば、熱溶着で液密（水密）に密閉された状態に取り付けられ、表側側面部分２３Ｆの周縁と対向する周縁が表側側面部分２３Ｆの周縁に、例えば、熱溶着で液密（水密）に密閉された状態に取り付けられる裏側側面部分２３Ｂとで形成されている。
【００８４】
この発明の第３実施例の印刷インキ用容器１１Ｂによれば、第１実施例または第２実施例の印刷インキ用容器１１，１１Ａと同様な効果を得ることができる。
【００８５】
そして、底部分２２が設けられているので、自立タイプとすることができる。
【００８６】
また、底部分２２が透明または半透明とされているので、収容した印刷インキの色を、キャップ４１を外さずに底部分２２から確認することができる。
【００８７】
また、キャップ４１を外さずに底部分２２から収容した印刷インキの色を確認することができるので、収容した印刷インキの色を確認するためにキャップ４１を取り外す必要がなく、印刷インキ用容器１１Ｂ内に空気が入らなくなるため、収容した印刷インキが酸化し、劣化するのを防止することができる。
【００８８】
また、底部分２２が透明または半透明とされ、底部分２２以外の部分（側面部分２３、口栓３１およびキャップ４１）が不透光性とされているので、底部分２２を下にして自立させた状態にすると、印刷インキ容器１１Ｂ内に紫外線が殆ど入らなくなることにより、収容した印刷インキが紫外線によって劣化するのを防止することができる。
【００８９】
図８はこの発明の印刷インキ用容器の第４実施例を示す正面図、図９は図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の一例を示す説明図、図１０は図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方の他の例を示す説明図、図１１は図８に示した印刷インキ用容器内から印刷インキを取り出す取り出し方のさらに他の例を示す説明図である。
【００９０】
なお、図１〜図７に示した部分と同一部分、または、図１〜図７に示した部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【００９１】
この発明の第４実施例の印刷インキ用容器１１Ｃは、図８に示すように（第１実施例の印刷インキ用容器１１と同様に）、印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部２１と、この胴体部２１の一端部側（例えば、上端部側）に取り付けられた口栓３１と、この口栓３１に螺合によって着脱自在に取り付けられたキャップ４１と、胴体部２１の所定の位置に貼付されたラベル５１とで構成されている。
【００９２】
上記した胴体部２１は、側面部分２３のみで構成されている。
【００９３】
この側面部分２３は、表側側面部分２３Ｆと、裏側側面部分との周回する周縁を、例えば、熱溶着で液密（水密）に密閉されて形成されている。
【００９４】
なお、表側側面部分２３Ｆの外形形状と裏側側面部分２３Ｂの外形形状とは、表側（正面側）から見て、縦長の矩形（長方形）の右上隅を直線状に切り欠いた同一形状とされている。
【００９５】
そして、胴体部２１には、他端（下端）に、胴体部２１、すなわち、表側側面部分２３Ｆと、裏側側面部分とを接着（溶着）した接着部（溶着部）２１ａ（一点鎖線で示されている部分）が、全幅（左右の全幅）で下端から所定の長さ（上下方向の長さ）に設けられている。
【００９６】
この接着部２１ａは、表側側面部分２３Ｆと、裏側側面部分とを接着（溶着）する通常の長さよりも長くされている。
【００９７】
そして、接着部２１ａには、横方向（左右方向、水平方向）に複数（少なくとも２つ）の孔２１ｂが設けられている。
【００９８】
この発明の第４実施例の印刷インキ用容器１１Ｃによれば、第１実施例の印刷インキ用容器１１と同様な効果を得ることができる。
【００９９】
そして、胴体部２１の他端に接着部２１ａを設けたので、図９に示すように、ボード７１の一端に溶着部２１ａを押さえ治具７５で固定したり、または、図１０に示すように、ボート７１の一端に溶着部２１ａを、ボード７１に設けた押さえ棒７２で固定し、胴体部２１を図示を省略した治具で扱（しご）くことにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器内から短時間で容易に取り出すことができる。
【０１００】
また、接着部２１ａに複数の孔２１ｂを設けたので、図１１に示すように、ボード７１に設けた治具としての複数の係止ピン７３を、孔２１ｂに通して胴体部２１の他端を固定することにより、全ての印刷インキを印刷インキ用容器内から短時間で容易に取り出すことができる。
【０１０１】
上記した実施例において、開口形成部２６を胴体部２１，２１Ａ，２１Ｂの一端部（上端部）に設けた例を示したが、開口形成部は、図１に二点鎖線示すように、胴体部２１の左上隅、左下隅、右下隅や、胴体部２１の上下方向の中間部分に左右方向に設けてよい。
【０１０２】
また、開口形成部２６を胴体部２１，２１Ａ，２１Ｂの一端（左端）から他端（右端）へ設けた例を示したが、口栓３１の開口部よりも大きな開口面積の開口部を形成することができれば、開口形成部は胴体部の一端（他端）から他端側（一端側）へ向けて設けたり、胴体部の一端（左端）と他端（右端）との間に設けてもよい。
【０１０３】
なお、開口形成部を胴体部の一端（左端）から他端（右端）まで設けた場合、開口形成部の両端部分に切欠を設けてもよい
また、胴体部２１，２１Ａ，２１Ｂを表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂのみ、または、表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂおよび左側、右側側面部分２３Ｒ、または、底部分２２および表側、裏側側面部分２３Ｆ，２３Ｂで構成した例を示したが、底部分、表側、裏側側面部分および天井部分で構成してもよい。
【０１０４】
また、ラベル５１を貼付した例を示したが、収容した印刷インキの色等を胴体部に印刷することによってラベル５１を省略してもよい。
【符号の説明】
【０１０５】
１１，１１Ａ，１１Ｂ 印刷インキ用容器
２１，２１Ａ，２１Ｂ 胴体部
２１ａ 接着部（溶着部）
２１ｂ 孔
２２ 底部分
２３，２３Ａ 側面部分
２３Ｆ 前側側面部分
２３Ｂ 裏側側面部分
２３Ｒ 右側側面部分
２６ 開口形成部
２７ 切欠
３１ 口栓
４１ キャップ
５１ ラベル
７１ ボード
７２ 押さえ棒
７３ 係止ピン（治具）
７５ 押さえ治具
【特許請求の範囲】
【請求項１】
印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部と、
この胴体部の一端部側に取り付けられた口栓と、
この口栓に取り付けられたキャップとを備え、
前記胴体部に、破ることによって前記口栓の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成することのできる開口形成部を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項２】
請求項１に記載の印刷インキ用容器において、
前記開口形成部の少なくとも一端が前記胴体部の端に到達している、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項３】
請求項２に記載の印刷インキ用容器において、
前記開口形成部が到達している前記胴体部の端に、前記開口形成部に連なる切欠を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項４】
請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、
前記胴体部の一端部と、前記口栓との間に前記開口形成部が位置している、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項５】
請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、
前記胴体部は、少なくとも底部分と、側面部分とを備え、
前記底部分は透明または半透明とされ、
前記胴体部を構成する前記底部分以外の部分は不透光性とされ、
前記口栓が前記胴体部の前記底部分と反対の端部側に取り付けられている、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項６】
請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、
前記胴体部の他端に、前記胴体部を接着した接着部を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項７】
請求項６に記載の印刷インキ用容器において、
前記接着部に複数の孔を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項１】
印刷インキを収容する可撓性を有した胴体部と、
この胴体部の一端部側に取り付けられた口栓と、
この口栓に取り付けられたキャップとを備え、
前記胴体部に、破ることによって前記口栓の開口面積よりも大きな開口面積の開口部を形成することのできる開口形成部を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項２】
請求項１に記載の印刷インキ用容器において、
前記開口形成部の少なくとも一端が前記胴体部の端に到達している、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項３】
請求項２に記載の印刷インキ用容器において、
前記開口形成部が到達している前記胴体部の端に、前記開口形成部に連なる切欠を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項４】
請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、
前記胴体部の一端部と、前記口栓との間に前記開口形成部が位置している、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項５】
請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、
前記胴体部は、少なくとも底部分と、側面部分とを備え、
前記底部分は透明または半透明とされ、
前記胴体部を構成する前記底部分以外の部分は不透光性とされ、
前記口栓が前記胴体部の前記底部分と反対の端部側に取り付けられている、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項６】
請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の印刷インキ用容器において、
前記胴体部の他端に、前記胴体部を接着した接着部を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【請求項７】
請求項６に記載の印刷インキ用容器において、
前記接着部に複数の孔を設けた、
ことを特徴とする印刷インキ用容器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２０１２−１２１００（Ｐ２０１２−１２１００Ａ）
【公開日】平成２４年１月１９日（２０１２．１．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１５２３７２（Ｐ２０１０−１５２３７２）
【出願日】平成２２年７月２日（２０１０．７．２）
【出願人】（０００２２２１１８）東洋インキＳＣホールディングス株式会社 (2,229)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１月１９日（２０１２．１．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年７月２日（２０１０．７．２）
【出願人】（０００２２２１１８）東洋インキＳＣホールディングス株式会社 (2,229)
【Ｆターム（参考）】
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