説明

印刷システム及びその自動時刻修正方法

【課題】時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段に対するバックアップ電源を用いることなく、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することを目的とする印刷システム及びその自動時刻修正方法。
【解決手段】外部装置100では、時刻付加部110が印刷対象の印刷データに送信時刻情報を付加する。印刷装置200では、時間差比較部240が、外部装置100からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と時刻保存部230に保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とを比較する。時計回路制御部220は、第1の時間差が第2の時間差よりも大きい場合に、時計回路210の時刻を、印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置と該外部装置から送信された印刷データに基づき印刷処理を実行する印刷装置とを備えた印刷システムおよび印刷装置の時刻修正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、時計機能を有する印刷装置では、リアルタイムクロックICを使用して、その時計機能を実現している。
【0003】
このような印刷装置においては、その主電源が供給されていない状態でも、当該時計機能を動作させる必要があるため、リアルタイムクロックIC用のバックアップ電源が必要であり、一般的に、必要に応じて主電源とバックアップ電源とを切り替える回路を備えている。
【0004】
図11は、従来の印刷装置に設けられる時計機能(時計回路)の構成を示す回路図を示している。図11において、時計回路は、このシステムを制御するCPU10、リアルタイムクロックIC20、バックアップ電源30、主電源40、リアルタイムクロックIC20の主電源用のダイオード50、リアルタイムクロックIC20のバックアップ電源用のダイオード60を備えている。
【0005】
次に、上述した時計回路のリアルタイムクロックIC20を使用した回路動作について、図11を参照して説明する。
【0006】
ここで、主電源40の電圧をVmとし、ダイオード50の順方向電圧(Vf)をVfmとし、バックアップ電源30の電圧をVbとし、ダイオード60の順方向電圧(Vf)をVfbとする。
【0007】
主電源40の電圧が供給されている場合では、Vm−Vfm>Vb−Vfbの関係が成立するため、リアルタイムクロックIC20への電源(電力)は、主電源40より供給される。この結果、リアルタイムクロックIC20が動作することで時計機能が実現される。
【0008】
一方、主電源40の電圧が供給されない場合は、Vm−Vfm<Vb−Vfbの関係が成立するため、リアルタイムクロックIC20への電源(電力)は、バックアップ電源30より供給される。この結果、リアルタイムクロックIC20が動作することで時計機能が実現される。
【0009】
なお、時計機能を有する印刷装置としては、(特許文献1)に開示された印刷装置が知られている。この印刷装置は、その電源投入時に、情報処理装置に現在の時刻を問合せ、この問合せの結果に基づいて時刻修正を行う。
【特許文献1】特開平9−200419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の印刷装置に設けられる時計回路においては、設計上、ダイオード50およびダイオード60の各順方向電圧(Vfm、Vfb)が小さく、また逆方向電流が小さいことが求められるが、これら両方の条件を満たすダイオードを選択することは極めて困難である。
【0011】
高温時にはダイオード60の逆方向電流が増加するため、バックアップ電源30の消耗が早くなるという問題も潜在的に存在する。このようにバックアップ電源30の消耗が早まるということは、それに伴って例えば使用者によるバックアップ電源の交換作業が必要となる。
【0012】
また、上記(特許文献1)に記載された印刷装置では、自動で時刻を修正するには、情報処理装置(外部装置)との間で、印字データの通信以外の通信、すなわち現在の時刻の問合せに関する通信(時刻修正専用の通信)が発生するという問題点があった。
【0013】
さらに、上記(特許文献1)に記載された印刷装置では、その電源投入時に、情報処理装置(外部装置)の電源がON状態になっていない(電源が立ち上がっていない)場合は、現在時刻の問合せを行うことができないので、必然的に自動では時計機能の時刻を修正することができないという問題点があった。
【0014】
そこで、本発明は、時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段に対するバックアップ電源を用いることなく、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することのできる印刷システムおよび印刷装置の時刻修正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題を解決するために、本発明の印刷システムは、印刷対象の印刷データを出力する外部装置と、該外部装置から出力された印刷データを受信し、この受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置とを有する印刷システムであって、前記外部装置は、前記印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加手段を備え、前記印刷装置は、時計手段と、前記時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存手段と、前記外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と前記時刻情報保存手段に保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とに基づいて、前記時計手段の時刻を修正する制御手段とを備えた構成としたものである。
【0016】
本発明の好ましい形態において、前記制御手段は、前記第1の時間差が前記第2の時間差よりも大きい場合に、前記時計手段の時刻を前記外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、当該送信時刻情報を前記基準時刻情報として前記時刻情報保持手段に保存する。
【0017】
本発明のさらに好ましい形態において、前記印刷装置は、前記第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定手段を更に備えている。
【0018】
また、この課題を解決するために、本発明の印刷システムは、印刷対象の印刷データを出力する複数の外部装置と、該複数の外部装置のうち任意の外部装置から出力された印刷対象の印刷データを受信し、この受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置とを有する印刷システムであって、前記複数の外部装置は、前記印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加手段と、前記印刷対象の印刷データに自己の外部装置を識別する第1の識別情報を付加する識別情報付加手段とを備え、前記印刷装置は、時計手段と、前記時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存手段と、所定の外部装置を識別する第2の識別情報を設定する識別情報設定手段と、前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と前記時刻情報保存手段に保存されている
基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とを比較する第1の比較手段と、前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と前記識別情報設定手段によって設定された第2の識別情報とを比較する第2の比較手段と、前記第1の比較手段による比較の結果および前記第2の比較手段による比較の結果に基づいて、前記時計手段の時刻を修正する制御手段とを備えた構成としたものである。
【0019】
本発明の好ましい形態において、前記制御手段は、第1の比較手段によって前記第1の時間差が前記第2の時間差よりも大きいと判断された場合で、かつ前記第2の比較手段によって前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが一致すると判断された場合に、前記時計手段の時刻を前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、当該送信時刻情報を前記基準時刻情報として前記時刻情報保持手段に保存する。
【0020】
本発明のさらに好ましい形態において、前記印刷装置は、前記第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定手段を更に備え、前記識別情報設定手段は、1つ以上の外部装置に対応する第2の識別情報を設定し、前記第2の比較手段は、前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と前記識別情報設定手段によって設定された全ての第2の識別情報とを比較する。
【0021】
さらに、この課題を解決するために、本発明の印刷装置の時刻修正方法は、外部装置と接続され該外部装置から出力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置に設けられる時計手段の時刻を修正する印刷装置の時刻修正方法であって、前記外部装置は、印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加ステップを含み、前記印刷装置は、前記時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存ステップと、前記外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と前記時刻情報保存ステップにより保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とに基づいて、前記時計手段の時刻を修正する制御ステップとを含む構成としたものである。
【0022】
本発明の好ましい形態において、前記制御ステップは、前記第1の時間差が前記第2の時間差よりも大きい場合に、前記時計手段の時刻を前記外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、前記時刻情報保持ステップにて当該送信時刻情報を前記基準時刻情報として保存させるステップを含む。
【0023】
本発明のさらに好ましい形態において、前記印刷装置は、前記第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定ステップを更に含む。
【0024】
さらに、この課題を解決するために、本発明の印刷装置の時刻修正方法は、複数の外部装置と接続され該複数の外部装置のうち任意の外部装置から出力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置に設けられる時計手段の時刻を修正する印刷装置の時刻修正方法であって、前記複数の外部装置は、前記印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加ステップと、前記印刷対象の印刷データに自己の外部装置を識別する第1の識別情報を付加する識別情報付加ステップとを含み、前記印刷装置は、前記時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存ステップと、所定の外部装置を識別する第2の識別情報を設定する識別情報設定ステップと、前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と前記時刻情報保存ステップにより保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とを
比較する第1の比較ステップと、前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と前記識別情報設定ステップにより設定された第2の識別情報とを比較する第2の比較ステップと、前記第1の比較ステップにより比較された結果および前記第2の比較ステップにより比較された結果に基づいて、前記時計手段の時刻を修正する制御ステップとを含む構成としたものである。
【0025】
本発明の好ましい形態において、前記制御ステップは、第1の比較ステップにより前記第1の時間差が前記第2の時間差よりも大きいと判断された場合で、かつ前記第2の比較ステップにより前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが一致すると判断された場合に、前記時計手段の時刻を前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、前記時刻情報保持ステップにて当該送信時刻情報を前記基準時刻情報として保存させるステップを含む。
【0026】
本発明のさらに好ましい形態において、前記印刷装置は、前記第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定ステップを更に含み、前記識別情報設定ステップは、1つ以上の外部装置に対応する第2の識別情報を設定するステップを含み、前記第2の比較ステップは、前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と前記識別情報設定ステップにより設定された全ての第2の識別情報とを比較するステップを含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段に対するバックアップ電源を用いることなく、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという有効な効果が得られる。
【0028】
また、本発明によれば、予め登録された外部装置からの印刷データに対する印刷処理を実施するときにのみ、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという有効な効果が得られる。
【0029】
さらに、本発明によれば、予め登録された1つ以上の外部装置からの印刷データに対する印刷処理を実施するときに、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという有効な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の請求項1に記載の発明は、印刷システムは、印刷対象の印刷データを出力する外部装置と、該外部装置から出力された印刷データを受信し、この受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置とを有する印刷システムであって、外部装置は、印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加手段を備え、印刷装置は、時計手段と、時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存手段と、外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と時刻情報保存手段に保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とに基づいて、時計手段の時刻を修正する制御手段とを備えた印刷システムであり、印刷装置では、制御手段が、外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と時刻情報保存手段に保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とに基づいて、時計手段の時刻を修正するようにしたので、時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段に対するバックアップ電源を用いることなく、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0031】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、制御手段は、第1の
時間差が第2の時間差よりも大きい場合に、時計手段の時刻を外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、当該送信時刻情報を基準時刻情報として時刻情報保持手段に保存する印刷システムであり、時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段に対するバックアップ電源を用いることなく、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0032】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、印刷装置は、第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定手段を更に備えた印刷システムであり、時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段に対するバックアップ電源を用いることなく、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0033】
本発明の請求項4に記載の発明は、印刷対象の印刷データを出力する複数の外部装置と、該複数の外部装置のうち任意の外部装置から出力された印刷対象の印刷データを受信し、この受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置とを有する印刷システムであって、複数の外部装置は、印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加手段と、印刷対象の印刷データに自己の外部装置を識別する第1の識別情報を付加する識別情報付加手段とを備え、印刷装置は、時計手段と、時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存手段と、所定の外部装置を識別する第2の識別情報を設定する識別情報設定手段と、任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と時刻情報保存手段に保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とを比較する第1の比較手段と、任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と識別情報設定手段によって設定された第2の識別情報とを比較する第2の比較手段と、第1の比較手段による比較の結果および前記第2の比較手段による比較の結果に基づいて、時計手段の時刻を修正する制御手段とを備えた印刷システムであり、印刷装置では、制御手段が、複数の外部装置のうち任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報および第1の識別情報と、基準時刻情報および第2の識別情報とに基づいて、時計手段の時刻を修正するようにしたので、時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段に対するバックアップ電源を用いることなく、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0034】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明において、制御手段は、第1の比較手段によって第1の時間差が第2の時間差よりも大きいと判断された場合で、かつ第2の比較手段によって第1の識別情報と第2の識別情報とが一致すると判断された場合に、時計手段の時刻を任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、当該送信時刻情報を基準時刻情報として時刻情報保持手段に保存する印刷システムであり、印刷装置では、制御手段が、第1の時間差が第2の時間差よりも大きく、かつ外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と予め設定される第2の識別情報とが一致する場合のみ、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正するようにしたので、予め登録された外部装置からの印刷データに対する印刷処理を実施するときにのみ、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0035】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項4または5記載の発明において、印刷装置は、第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定手段を更に備え、識別情報設定手段は、1つ以上の外部装置に対応する第2の識別情報を設定し、第2の比較手段は、任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と識別情報設定手段によって設定
された全ての第2の識別情報とを比較する印刷システムであり、予め登録された1つ以上の外部装置からの印刷データに対する印刷処理を実施するときに、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0036】
本発明の請求項7に記載の発明は、本発明の印刷装置の時刻修正方法は、外部装置と接続され該外部装置から出力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置に設けられる時計手段の時刻を修正する印刷装置の時刻修正方法であって、外部装置は、印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加ステップを含み、印刷装置は、時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存ステップと、外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と時刻情報保存ステップにより保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とに基づいて、時計手段の時刻を修正する制御ステップとを含む印刷装置の時刻修正方法であり、時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段に対するバックアップ電源を用いることなく、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0037】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項7記載の発明において、制御ステップは、第1の時間差が第2の時間差よりも大きい場合に、時計手段の時刻を外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、時刻情報保持ステップにて当該送信時刻情報を基準時刻情報として保存させるステップを含む印刷装置の時刻修正方法であり、時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段に対するバックアップ電源を用いることなく、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0038】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項7または8記載の発明において、印刷装置は、第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定ステップを更に含む印刷装置の時刻修正方法であり、時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段に対するバックアップ電源を用いることなく、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0039】
本発明の請求項10に記載の発明は、複数の外部装置と接続され該複数の外部装置のうち任意の外部装置から出力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置に設けられる時計手段の時刻を修正する印刷装置の時刻修正方法であって、複数の外部装置は、印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加ステップと、印刷対象の印刷データに自己の外部装置を識別する第1の識別情報を付加する識別情報付加ステップとを含み、印刷装置は、時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存ステップと、所定の外部装置を識別する第2の識別情報を設定する識別情報設定ステップと、任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と時刻情報保存ステップにより保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とを比較する第1の比較ステップと、任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と識別情報設定ステップにより設定された第2の識別情報とを比較する第2の比較ステップと、第1の比較ステップにより比較された結果および第2の比較ステップにより比較された結果に基づいて、時計手段の時刻を修正する制御ステップとを含む印刷装置の時刻修正方法であり、時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段に対するバックアップ電源を用いることなく、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0040】
本発明の請求項11に記載の発明は、請求項10記載の発明において、制御ステップは
、第1の比較ステップにより第1の時間差が第2の時間差よりも大きいと判断された場合で、かつ第2の比較ステップにより第1の識別情報と第2の識別情報とが一致すると判断された場合に、時計手段の時刻を任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、時刻情報保持ステップにて当該送信時刻情報を基準時刻情報として保存させるステップを含む印刷装置の時刻修正方法であり、予め登録された外部装置からの印刷データに対する印刷処理を実施するときにのみ、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0041】
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項10または11記載の発明において、印刷装置は、第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定ステップを更に含み、識別情報設定ステップは、1つ以上の外部装置に対応する第2の識別情報を設定するステップを含み、第2の比較ステップは、任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と識別情報設定ステップにより設定された全ての第2の識別情報とを比較するステップを含む印刷装置の時刻修正方法であり、予め登録された1つ以上の外部装置からの印刷データに対する印刷処理を実施するときに、印刷装置に備えられた時計手段の時刻を修正することができるという作用を有する。
【0042】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0043】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における印刷システムの概略構成を示す構成図、図2は図1に示した印刷システムの時刻修正処理動作を示すフローチャート、図3は図1に示した印刷システムの時刻修正処理動作を示すタイムチャートである。
【0044】
図1に示すように、印刷システムは外部装置100と印刷装置200とを有しており、これらは通信ケーブルを介して接続され、データの送受信を行うようになっている。
【0045】
外部装置100は、印刷装置200に対し印刷データを出力できる装置であり、正確な時刻を計時する時計機能を有している。外部装置100は、指定された印刷対象の印刷データの送信時に、前記時計機能による現在の時刻に基づいて送信時刻情報(以下、第1の時刻情報という)を前記印刷対象の印刷データに付加する時刻付加部(時刻情報付加手段)110を備えている。
【0046】
印刷装置200は、時計回路210、時計回路制御部220、時刻保存部230および時間差比較部240を備えている。
【0047】
時計回路(時計手段)210は現在の時刻を計時する。時計回路制御部(制御手段)220は、後述する時間差比較部240の比較結果に基づいて、時計回路210を制御するものであり、例えば時計回路210の時刻を修正する。
【0048】
時刻保存部(時刻保持手段)230は、時計回路210の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報(以下、第2の時刻情報という)、すなわち、時計回路制御部220による修正後の時刻情報(第2の時刻情報)を保存する。
【0049】
時間差比較部240は、デフォルト値として予め設定される時間差(以下、時間差Bという)を予め記憶している記憶部(図示せず)を有しており、外部装置100からの送信データに付加されている第1の時刻情報(送信時刻情報)に基づく時刻と時刻保存部23
0に保存されている第2の時刻情報(基準時刻情報)に基づく時刻との時間差(以下、時間差Aという)と、前記記憶部に記憶されている時間差Bとを比較し、この比較した結果を出力する。
【0050】
なお、この実施の形態では、外部装置100はパーソナルコンピュータであり、印刷装置200はプリンタである。
【0051】
次に、印刷システムの時刻修正処理について図2を参照して説明する。
【0052】
ユーザが、外部装置100からアプリケーションを使用して、印刷対象の印刷データとともに印刷要求を指示する。
【0053】
外部装置100では、時刻付加部110が前記印刷データに現在の時刻としての第1の時刻情報(送信時刻情報)を付加するとともに、図示しない送信手段が当該印刷データを印刷装置200に送信する(ステップS11)。
【0054】
外部装置100からの印刷データを受信した印刷装置200では、時間差比較部240が、この印刷データに付加されている第1の時刻情報を取得するとともに、時刻保存部230に保存されている第2の時刻情報(基準時刻情報)を取得し、さらに、これらの時刻情報に基づく時間差を求め、この求めた時間差を時間差Aとする。
【0055】
次に、時間差比較部240は、時間差A(第1の時間差)が時間差B(第2の時間差)よりも大きいか否かを判断し、この判断した結果、および前記取得した第1の時刻情報を時計回路制御部220に送出する(ステップS12)。
【0056】
ここで、時間差A≦時間差Bの関係が成立する場合には時計回路210の時刻の修正は行われず、一方、時間差A>時間差Bの関係が成立する場合は時計回路210の時刻の修正が行われるように設定されている。
【0057】
さて、時計回路制御部220は、時間差比較部240からの判断結果が、時間差Aが時間差Bより大きい旨であった場合には、時計回路210の時刻を、時間差比較部240からの第1の時刻情報(送信時刻情報)に基づく時刻(送信時刻=第1の時刻)に修正するとともに、時刻保存部230に保存されている第2の時刻情報を第1の時刻情報に修正する(ステップS13)。
【0058】
なお、時計回路210の時刻が第1の時刻に修正されたときは、この第1の時刻が基準時刻となる。また、時刻保存部230には、第1の時刻情報(基準時刻情報)が第2の時刻情報として保存される。
【0059】
一方、時計回路制御部220は、時間差比較部240からの判断結果が、時間差Aが時間差B以下の旨であった場合は、時計回路210の時刻の修正および時刻保存部230の第2の時刻情報の修正は行わない。
【0060】
次に、具体的な印刷システムの時刻修正処理について図3を参照して説明する。
【0061】
なお、図3において、(a)は外部装置100の動作を示し、(b)は印刷装置200の動作を示し、(c)は外部装置100から送信される印刷データに付加されている第1の時刻情報に基づく時刻(第1の時刻)を示し、(d)は時刻保存部230に保存されている第2の時刻情報に基づく時刻(第2の時刻)を示し、(e)は時間差比較部240による比較結果を示し、(f)は印刷装置200の時計の現在の時刻を示している。
【0062】
ここで、前提条件として、印刷装置200の時計回路210が時刻t1に修正され、第2の時刻情報としての時刻t1を示す時刻情報が時刻保存部230に保存されているものとする。
【0063】
外部装置100が、時刻t2で、時刻付加部110によって第1の時刻情報として時刻t2を示す時刻情報が付加された印刷データ1の送信を開始すると(図3(a)参照)、印刷装置200は、その印刷データ1の受信を開始する(図3(b)参照)。
【0064】
印刷装置200では、時間差比較部240が、印刷データ1に付加されている第1の時刻情報を取得するとともに、時刻保存部230に保存されている第2の時刻情報を取得する(図3(c)、(d)参照)。
【0065】
次に、時間差比較部240は、取得した第1の時刻情報に基づく時刻t2と、取得した第2の時刻情報に基づく時刻t1との時間差Aと、時間差Bとを比較する。ここでは、時間差Aは時間差Bよりも大きいものとする。
【0066】
時間差比較部240は、この比較した結果(時間差Aは時間差Bよりも大きい旨)、および第1の時刻情報(時刻t2)を時計回路制御部220に送出する。
【0067】
そして、時間差Aは時間差Bよりも大きい旨および第1の時刻情報(時刻t2)を受け取った時計回路制御部220は、時計回路210の時刻を修正する必要があると判断して(図3(e)参照)、当該時計回路210の現在の時刻を時刻t2に修正するとともに(図3(f)参照)、時刻保存部230の保存内容を、時刻t2を示す時刻情報に更新する(図3(d)参照)。
【0068】
この時点で、時刻保存部230の保存されている第2の時刻情報は、時刻t2を示す時刻情報になっている。
【0069】
続いて、外部装置100が、時刻t3で、時刻付加部110によって第1の時刻情報として時刻t3を示す時刻情報が付加された印刷データ2の送信を開始する(図3(a)参照)。
【0070】
しかし、印刷装置200は、既に受信している印刷データ1の内部処理を実行中のため、時刻t3においては当該印刷データ2の受信を開始せず、前記印刷データ1の内部処理を終了した後、時刻t4で印刷データ2の受信を開始する(図3(b)参照)。
【0071】
また、印刷装置200では、時間差比較部240が、印刷データ2に付加されている第1の時刻情報を取得するとともに、時刻保存部230に保存されている第2の時刻情報を取得する(図3(c)、(d)参照)。
【0072】
次に、時間差比較部240は、取得した第1の時刻情報に基づく時刻t3と、取得した第2の時刻情報に基づく時刻t2との時間差Aと、時間差Bとを比較する。ここでは、時間差Aは時間差B以下であるものとする。
【0073】
時間差比較部240は、この比較した結果(時間差Aは時間差B以下である旨)、および第1の時刻情報(時刻t3)を時計回路制御部220に送出する。
【0074】
そして、時間差Aは時間差B以下である旨および第1の時刻情報(時刻t3)を受け取った時計回路制御部220は、時計回路210の時刻を修正する必要がないと判断して(
図3(e)参照)、当該時計回路210の現在の時刻および時刻保存部230の保存内容(時刻t2を示す時刻情報)は修正しない(図3(d)、(f)参照)。
【0075】
以上説明したように、実施の形態1によれば、印刷装置200では、外部装置100から送信された印刷データに付加されている時刻情報(第1の時刻情報)と予め設定される時刻情報(第2の時刻情報)とに基づいて、時計回路210の時刻を修正することができる。
【0076】
このため、印刷装置200は、時刻修正のための専用の通信を実施することなく、しかも時計手段(時計回路210)に対するバックアップ電源を用いることなく、通常の印刷データの印刷処理時に、時計手段(時計回路210)の時刻を修正することができる。
【0077】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における印刷システムの概略構成を示す構成図、図5は図4に示した印刷システムの時刻修正処理動作を示すタイムチャート、図6は図4に示した印刷システムの時刻修正処理動作を示すタイムチャートである。
【0078】
図4に示す印刷システムは、図1に示した実施の形態1の印刷システムの構成において、時間差設定部250を追加した構成になっている。図4において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
【0079】
時間差設定部(時間差設定手段)250は、予め設定される時間差Bを任意の値に設定するためのものである。時間差比較部240の記憶部(図示せず)にはデフォルト値の時間差Bが保存されているので、ユーザが時間差設定部250を操作することにより、この時間差Bの値を各印刷システムでの最適値に変更することができるようになっている。
【0080】
実施の形態2の印刷システムは、実施の形態1の印刷システムとは、基本的な機能は同じであるものの、時刻修正の誤りを回避するようにした点で相違している。ここでは、その相違点について図4および図5を参照して説明する。
【0081】
なお、図4および図5において、(a)〜(f)はそれぞれ、図3の(a)〜(f)と同様の内容を意味する。
【0082】
ここで、前提条件として、印刷装置200の時計回路210が時刻t1に修正され、第2の時刻情報として時刻t1を示す時刻情報が時刻保存部230に保存されているものとする。
【0083】
外部装置100が、時刻t2で、時刻付加部110によって第1の時刻情報として時刻t2を示す時刻情報が付加された印刷データ1の送信を開始すると(図5(a)参照)、印刷装置200は、その印刷データ1の受信を開始する(図5(b)参照)。
【0084】
印刷装置200では、時間差比較部240が、印刷データ1に付加されている第1の時刻情報を取得するとともに、時刻保存部230に保存されている第2の時刻情報を取得する(図5(c)、(d)参照)。
【0085】
次に、時間差比較部240は、取得した第1の時刻情報に基づく時刻t2と、取得した第2の時刻情報に基づく時刻t1との時間差A(第1の時間差)と、時間差B(第2の時間差)とを比較する。ここでは、時間差Aは時間差Bよりも大きいものとする。
【0086】
この実施の形態2においても、上記実施の形態1の場合と同様に、時間差A≦時間差B
の関係が成立する場合には時計回路210の時刻の修正は行われず、一方、時間差A>時間差Bの関係が成立する場合は時計回路210の時刻の修正が行われるように設定されている。
【0087】
ところで、時間差比較部240は、時間差Aと時間差Bとを比較した結果(時間差Aは時間差Bよりも大きい旨)、および第1の時刻情報(時刻t2)を時計回路制御部220に送出する。
【0088】
そして、時間差Aは時間差Bよりも大きい旨および第1の時刻情報(時刻t2)を受け取った時計回路制御部220は、時計回路210の時刻を修正する必要があると判断して(図5(e)参照)、当該時計回路210の現在の時刻を時刻t2に修正するとともに(図5(f)参照)、時刻保存部230の保存内容を、時刻t2を示す時刻情報に更新する(図5(d)参照)。
【0089】
この時点で、時刻保存部230の保存されている第2の時刻情報は、時刻t2を示す時刻情報になっている。
【0090】
続いて、外部装置100が、時刻t3で、時刻付加部110によって第1の時刻情報として時刻t3を示す時刻情報が付加された印刷データ2の送信を開始する(図5(a)参照)。
【0091】
しかし、印刷装置200は、既に受信している印刷データ1の内部処理を実行中のため、時刻t3においては当該印刷データ2の受信を開始せず、前記印刷データ1の内部処理を終了した後、時刻t4で印刷データ2の受信を開始する(図5(b)参照)。
【0092】
また、印刷装置200では、時間差比較部240が、印刷データ2に付加されている第1の時刻情報を取得するとともに、時刻保存部230に保存されている第2の時刻情報を取得する(図5(c)、(d)参照)。
【0093】
次に、時間差比較部240は、取得した第1の時刻情報に基づく時刻t3と、取得した第2の時刻情報に基づく時刻t2との時間差Aと、時間差Bとを比較する。ここでは、時間差Aは時間差Bよりも大きいものとする。
【0094】
時間差比較部240は、この比較した結果(時間差Aは時間差Bよりも大きい旨)、および第1の時刻情報(時刻t3)を時計回路制御部220に送出する。
【0095】
そして、時間差Aは時間差Bよりも大きい旨および第1の時刻情報(時刻t3)を受け取った時計回路制御部220は、時計回路210の時刻を修正する必要があると判断して(図5(e)参照)、当該時計回路210の現在の時刻を時刻t3に修正するとともに(図5(f)参照)、時刻保存部230の保存内容を、時刻t3を示す時刻情報に更新する(図5(d)参照)。
【0096】
しかし、図5を参照して分かるように、実際の時刻は時刻t4であるが、印刷装置200の時計回路210の時刻を時刻t3に修正するため、実際の時刻(時刻t4)と印刷装置200の時刻(時刻t3)とに時間差が生じる。
【0097】
すなわち、印字データの送信間隔が短い、例えば印刷データ1の送信時刻t2と印刷データ2の送信時刻t3との時間差A(=時刻t3−時刻t2)が短く、印刷装置200での内部処理時間(例えば印刷データ1の内部処理時間)が長いため、時間差比較部240での第1の時刻(例えば時刻t3)の取得が遅れた場合に、第1の時刻(例えば時刻t3
)と実際の時刻(例えば時刻t4)との時間差が生じ、時刻修正に誤りが生じる。
【0098】
この時刻修正の誤りは、予め設定された時間差Bが印刷装置200の内部処理(印刷データの内部処理)に要する時間より短いために発生するもので、印刷システムの使用環境に依存するものである。
【0099】
これを回避するため、実施の形態2では、ユーザが時間差設定部250を操作して、時間差比較部240に保存されるデフォルト値としての時間差Bの値を各印刷システムでの最適値に変更することができるようになっている。
【0100】
例えば、印刷装置200の内部処理(印刷データの内部処理)に要する時間等の当該印刷システムの使用環境を考慮して、時間差A≦時間差Bの関係が成立する時間差Bの値とすべく、時間差設定部250を操作して、時刻保存部230に保存されている時間差Bの値を変更すれば良い。
【0101】
これにより、外部装置100が、時刻t3で、時刻付加部110によって第1の時刻情報として時刻t3を示す時刻情報が付加された印刷データ1の送信を開始し(図5(a)参照)、印刷装置200が、前記印刷データ1の内部処理を終了した後、時刻t4で印刷データ2の受信を開始した場合(図5(b)参照)であっても、時間差A≦時間差Bの関係が成立しているため、図6に示すように、時計回路制御部220は、時計回路210の時刻を修正する必要がないと判断して(図6(e)参照)、当該時計回路210の現在の時刻および時刻保存部230の保存内容(時刻t2を示す時刻情報)は修正しない(図6(d)、(f)参照)。
【0102】
以上説明したように、実施の形態2によれば、ユーザが時間差設定部250を操作することにより、時間差Bの値を各印刷システムでの最適値に変更することができるようになっているので、印刷装置200での内部処理時間による時刻修正の誤りを回避することができる。
【0103】
このため、実施の形態2では、実施の形態1の場合と比較して、時計回路210の時刻をより一層正確な時刻に修正することができる。
【0104】
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3における印刷システムの概略構成を示す構成図、図8は図7に示した印刷システムの時刻修正処理動作を示すフローチャートである。
【0105】
図7に示す印刷システムは、図1に示した印刷システムの構成において、識別情報付加部120、識別情報設定部260、識別情報比較部270および外部装置300を追加した構成になっている。なお、図7において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同様の符号を付している。
【0106】
識別情報付加部(識別情報付加手段)120は、当該外部装置100を識別する第1の識別情報を印刷対象の印刷データに付加する。
【0107】
識別情報設定部(識別情報設定手段)260は、時計回路210の時刻を修正すべく、基準となる時刻を計時する時計機能(時計手段)を有する所定の外部装置を識別する第2の識別情報を設定する。この設定内容は、識別情報設定部260の図示しない記憶部に記憶され、識別情報比較部270によって参照される。
【0108】
識別情報比較部(第2の比較手段)270は、上記第1の識別情報と上記第2の識別情
報とを比較し、この比較した結果を時計回路制御部220に出力する。
【0109】
外部装置300は、外部装置100と同様の構成および機能を有している。外部装置100および外部装置300は印刷装置200を共用する。
【0110】
この実施の形態3においては、時計回路制御部(制御手段)220は、時間差比較部(第1の比較手段)240による比較結果と、識別情報比較部(第2の比較手段)270による比較結果とに基づいて、時計回路(時計手段)210を制御する。
【0111】
外部装置100と外部装置300と印刷装置200とは、ネットワークを介して接続されている。そのため、外部装置100,300はネットワーク環境に接続された例えばパーソナルコンピュータであり、印刷装置200はネットワーク環境に接続された例えばプリンタである。
【0112】
この実施の形態3では、印刷装置200は、実施の形態1の場合と同様に、各外部装置100,300からの印刷処理要求のときに、時計回路210の時刻を修正するようになっている。
【0113】
この場合、外部装置100および外部装置300の時計機能(時計手段)が共に正確な時刻を計時しているときには、識別情報設定部260によって外部装置100および外部装置300それぞれを識別する第2の識別情報を設定するようにする。
【0114】
一方、例えば外部装置100の時計機能(時計手段)は正確な時刻を計時しているのに対し、外部装置300の時計機能(時計手段)が不正確な時刻を計時しているときは、識別情報設定部260によって外部装置100を識別する第2の識別情報のみを設定するようにする。
【0115】
次に、印刷システムの時刻修正処理動作について図8を参照して説明する。
【0116】
ここでは、識別情報設定部260によって外部装置100を識別する第2の識別情報が設定されているものとし、また、外部装置100の時計機能は正確な時刻を計時し、一方外部装置300の時計機能は不正確な時刻を計時しているものとする。
【0117】
ユーザが、外部装置100からアプリケーションを使用して、印刷対象の印刷データとともに印刷要求を指示する。
【0118】
外部装置100では、時刻付加部110が前記印刷データに現在の時刻としての第1の時刻情報を付加するとともに、識別情報付加部120が前記印刷データに外部装置100を識別する識別情報(第1の識別情報を付加し、さらに、図示しない送信手段が当該印刷データを印刷装置200に送信する(ステップS21)。
【0119】
外部装置100からの印刷データを受信した印刷装置200では、印刷データに付加されている第1の時刻情報および第1の識別情報を取得して、時計回路210の時刻の修正処理を行うことになる。
【0120】
すなわち、時間差比較部240は、この印刷データに付加されている第1の時刻情報(送信時刻情報)を取得するとともに、時刻保存部230に保存されている第2の時刻情報(基準時刻情報)を取得し、さらに、これらの時刻情報に基づく時間差を求め、この求めた時間差を時間差Aとする。
【0121】
また、時間差比較部240は、前記時間差A(第1の時間差)が時間差B(第2の時間差)よりも大きいか否かを判断し、この判断した結果、および前記取得した第1の時刻情報を時計回路制御部220に送出する。
【0122】
一方、識別情報比較部270は、上記印刷データに付加されている第1の識別情報を取得するとともに、識別情報設定部260に保存されている第2の識別情報を取得し、さらに、これらの識別情報を比較し、この比較した結果を時計回路制御部220に送出する。
【0123】
そして、時計回路制御部220は、時間差比較部240からの比較結果が、時間差Aの値が時間差Bの値よりも大きい旨(「時間差A>時間差B」の関係が成立する旨)であり、かつ識別情報比較部270からの比較結果が、第1の識別情報と第2の識別情報とが一致している旨であるか否かを判断する(ステップS22)。
【0124】
時計回路制御部220は、時間差比較部240からの比較結果が、時間差A>時間差Bの関係が成立する旨で、かつ第1の識別情報と第2の識別情報とが一致している旨であった場合には、時計回路210の時刻を、時間差比較部240からの第1の時刻情報(送信時刻情報)に基づく時刻(送信時刻=第1の時刻)に修正するとともに、時刻保存部230に保存されている第2の時刻情報を第1の時刻情報に修正する(ステップS23)。
【0125】
なお、ステップS22において、時間差A≦時間差Bの関係が成立する場合、または第1の識別情報と第2の識別情報とが一致しない場合は、時計回路210の時刻および時刻保存部230の保存内容は修正されない。
【0126】
これは、例えば、不正確な時刻を計時している時計機能(時計手段)を有する外部装置300からの印刷処理であったときに、時間差A>時間差Bの関係が成立して、本来であれば時計回路210の時刻を修正する必要がある場合であっても、第1の識別情報と第2の識別情報とが一致しないので、時計回路210の時刻が修正されない場合に相当する。
【0127】
以上説明したように、実施の形態3によれば、予め登録した外部装置たとえば正確な時刻を計時している時計機能(時計手段)を有する外部装置からの印刷処理のときにのみ、印刷装置の時計回路の時刻を修正することができる。
【0128】
このため、不正確な時刻を計時している時計機能(時計手段)を有する外部装置からの印刷処理での印刷装置の時計回路の不慮の時刻修正を防止することができる。
【0129】
(実施の形態4)
図9は本発明に実施の形態4における印刷システムの概略構成を示す構成図、図10は図9に示した印刷システムの時刻修正処理を説明する図である。
【0130】
図9に示す印刷システムは、図7に示した実施の形態3の印刷システムの構成において、時間差設定部280および外部装置400を追加した構成になっている。なお、図9において、図7に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
【0131】
時間差設定部280は、実施の形態2の場合と同様に、予め設定される時間差Bを任意の値に設定するためのものである。時間差比較部240の記憶部(図示せず)にはデフォルト値の時間差Bが保存されているので、ユーザが時間差設定部250を操作することにより、この時間差Bの値を各印刷システムでの最適値に変更することができるようになっている。
【0132】
外部装置400は、外部装置100,300と同様の構成および機能を有している。各
外部装置100,300,400は印刷装置200を共用する。
【0133】
識別情報設定部260は、「外部装置を識別する第2の識別情報を設定しない」、「1台の外部装置を識別する第2の識別情報のみを設定する」または「複数台の外部装置を識別する複数の第2の識別情報を設定する」、の何れかを操作することができる。この設定内容は、識別情報設定部260の図示しない記憶部に記憶され、識別情報比較部270によって参照される。
【0134】
識別情報比較部270は、受信した印刷データに付加されている第1の識別情報と、識別情報設定部260によって設定された全ての第2の識別情報とを比較する。
【0135】
次に、識別情報設定部260によって設定された識別情報設定値に対する、識別情報比較部270による比較の結果の一例を、図10に示す。
【0136】
図10は、第1の識別情報「aaaa」の外部装置100と、第1の識別情報「bbbb」の外部装置300と、第1の識別情報「cccc」の外部装置400とがネットワークを介して印刷装置200に接続された場合の、識別情報設定部260によって設定された設定値に対する識別情報比較部270による比較の結果および時計回路制御220による時刻修正を行うか否かの判定例を示している。
【0137】
なお、図10において、項目410には事例番号が示され、項目420には印刷装置200が受信した印刷データに付加されている第1の識別情報が示され、項目430には識別情報設定部260によって設定される設定内容が示され、項目440には識別情報比較部270による比較結果が示され、項目450には時計回路210の時刻の修正の有無が示されている。
【0138】
ケース1は、識別情報設定部260の記憶部(図示せず)に第2の識別情報が設定されていない場合に、第1の識別情報が「aaaa」の外部装置100から印刷処理要求があったときである。この場合は、識別情報比較部270は第1の識別情報と第2の識別情報とが合致しないと判断するので、時計回路制御部220は時計回路210の時刻修正を行わない。
【0139】
ケース2は、識別情報設定部260の記憶部(図示せず)に第2の識別情報「aaaa」が設定されている場合に、第1の識別情報が「aaaa」の外部装置100から印刷処理要求があったときである。この場合は、識別情報比較部270は第1の識別情報と第2の識別情報とが合致すると判断するので、時計回路制御部220は時計回路210の時刻修正を行う。
【0140】
ケース3は、識別情報設定部260の記憶部(図示せず)に第2の識別情報「aaaa」が設定されている場合に、第1の識別情報が「bbbb」の外部装置300から印刷処理要求があったときである。この場合は、識別情報比較部270は第1の識別情報と第2の識別情報とが合致しないと判断するので、時計回路制御部220は時計回路210の時刻修正を行わない。
【0141】
ケース4は、識別情報設定部260の記憶部(図示せず)に複数の第2の識別情報「aaaa」、「bbbb」が設定されている場合に、第1の識別情報が「aaaa」の外部装置100から印刷処理要求があったときである。この場合は、識別情報比較部270は第1の識別情報と第2の識別情報とが合致すると判断するので、時計回路制御部220は時計回路210の時刻修正を行う。
【0142】
ケース5は、識別情報設定部260の記憶部(図示せず)に第2の識別情報が「aaaa」と「bbbb」の複数設定されている場合に、第1の識別情報が「cccc」の外部装置400から印刷処理要求があったときである。この場合は、識別情報比較部270は第1の識別情報と第2の識別情報とが合致しないと判断するので、時計回路制御部220は時計回路210の時刻修正を行わない。
【0143】
実施の形態4では、ユーザが時間差設定部280を操作して、時間差比較部240に保存されるデフォルト値としての時間差Bの値を各印刷システムでの最適値に変更することができるようになっている。
【0144】
例えば、印刷装置200の内部処理(印刷データの内部処理)に要する時間等の当該印刷システムの使用環境を考慮して、時間差A≦時間差Bの関係が成立する時間差Bの値とすべく、時間差設定部280を操作して、時刻保存部230に保存されている時間差Bの値を変更すれば良い。
【0145】
そのため、実施の形態2の場合と同様に、印字データの送信間隔が短い、例えば印刷データ1の送信時刻t2と印刷データ2の送信時刻t3との時間差A(=時刻t3−時刻t2)が短く、印刷装置200での内部処理時間(例えば印刷データ1の内部処理時間)が長いため、時間差比較部240での第1の時刻(例えば時刻t3)の取得が遅れた場合に、第1の時刻(例えば時刻t3)と実際の時刻(例えば時刻t4)との時間差が生じ、時計回路210の時刻修正に誤りが生じるような場合であっても、印刷装置200での内部処理時間による時刻修正の誤りを回避することができる。
【0146】
以上説明したように、実施の形態4によれば、予め登録された1つ以上の外部装置たとえば正確な時刻を計時している時計機能(時計手段)を有する1つ以上の外部装置からの印刷処理のときのみ、予め設定された第2の識別情報に基づいて印刷装置の時計回路の時刻を修正することができる。
【0147】
また、実施の形態4によれば、ユーザが時間差設定部280を操作することにより、この時間差Bの値を各印刷システムでの最適値に変更することができるようになっているので、印刷装置200での内部処理時間による時刻修正の誤りを回避することができる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、印刷処理を実行する過程で印刷装置の時計回路の時刻を修正するようにしているので、当該時計回路のバックアップ電源を必要とせず、また専用の通信(時刻修正のための通信)を行うことなく、印刷装置の時刻を自動的に修正することができることから、印刷処理機能を備えているファクシミリ機、印刷機能を備えている複合機などの印刷装置と、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの外部装置とを有する印刷システムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の実施の形態1における印刷システムの概略構成を示す構成図
【図2】図1に示した印刷システムの時刻修正処理動作を示すフローチャート
【図3】図1に示した印刷システムの時刻修正処理動作を示すタイムチャート
【図4】本発明の実施の形態2における印刷システムの概略構成を示す構成図
【図5】図4に示した印刷システムの時刻修正処理動作を示すタイムチャート
【図6】図4に示した印刷システムの時刻修正処理動作を示すタイムチャート
【図7】本発明の実施の形態3における印刷システムの概略構成を示す構成図
【図8】図7に示した印刷システムの時刻修正処理動作を示すフローチャート
【図9】本発明に実施の形態4における印刷システムの概略構成を示す構成図
【図10】図9に示した印刷システムの時刻修正処理を説明する図
【図11】従来の印刷装置に設けられる時計機能(時計回路)の構成を示す回路図
【符号の説明】
【0150】
100,300,400 外部装置
110 時刻付加部(時刻情報付加手段)
120 識別情報付加部(識別情報付加手段)
200 印刷装置
210 時計回路(時計手段)
220 時計回路制御部(制御手段)
230 時刻保存部(時刻情報保存手段)
240 時間差比較部(第1の比較手段)
250,280 時間差設定部(時間差設定手段)
260 識別情報設定部(識別情報設定手段)
270 識別情報比較部(第2の比較手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象の印刷データを出力する外部装置と、該外部装置から出力された印刷データを受信し、この受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置とを有する印刷システムであって、
前記外部装置は、
前記印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加手段を備え、
前記印刷装置は、
時計手段と、
前記時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存手段と、
前記外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と前記時刻情報保存手段に保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と予め設定される第2の時間差とに基づいて、前記時計手段の時刻を修正する制御手段とを備えた、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記第1の時間差が前記第2の時間差よりも大きい場合に、前記時計手段の時刻を前記外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、当該送信時刻情報を前記基準時刻情報として前記時刻情報保持手段に保存することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷装置は、
前記第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定手段を更に備えたことを特徴とする請求項1または2記載の印刷システム。
【請求項4】
印刷対象の印刷データを出力する複数の外部装置と、該複数の外部装置のうち任意の外部装置から出力された印刷対象の印刷データを受信し、この受信した印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置とを有する印刷システムであって、
前記複数の外部装置は、
前記印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加手段と、
前記印刷対象の印刷データに自己の外部装置を識別する第1の識別情報を付加する識別情報付加手段とを備え、
前記印刷装置は、
時計手段と、
前記時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存手段と、
所定の外部装置を識別する第2の識別情報を設定する識別情報設定手段と、
前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と前記時刻情報保存手段に保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とを比較する第1の比較手段と、
前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と前記識別情報設定手段によって設定された第2の識別情報とを比較する第2の比較手段と、
前記第1の比較手段による比較の結果および前記第2の比較手段による比較の結果に基づいて、前記時計手段の時刻を修正する制御手段とを備えた、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
前記制御手段は、
第1の比較手段によって前記第1の時間差が前記第2の時間差よりも大きいと判断された場合で、かつ前記第2の比較手段によって前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが一致すると判断された場合に、前記時計手段の時刻を前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、当該送信時刻情報を前記基準時刻情報として前記時刻情報保持手段に保存することを特徴とする請求項4記載の印刷システム。
【請求項6】
前記印刷装置は、
前記第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定手段を更に備え、
前記識別情報設定手段は、
1つ以上の外部装置に対応する第2の識別情報を設定し、
前記第2の比較手段は、
前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と前記識別情報設定手段によって設定された全ての第2の識別情報とを比較する、
ことを特徴とする請求項4または5記載の印刷システム。
【請求項7】
外部装置と接続され該外部装置から出力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置に設けられる時計手段の時刻を修正する印刷装置の時刻修正方法であって、
前記外部装置は、
印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加ステップを含み、
前記印刷装置は、
前記時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存ステップと、
前記外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と前記時刻情報保存ステップにより保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とに基づいて、前記時計手段の時刻を修正する制御ステップとを含む、
ことを特徴とする印刷装置の時刻修正方法。
【請求項8】
前記制御ステップは、
前記第1の時間差が前記第2の時間差よりも大きい場合に、前記時計手段の時刻を前記外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、前記時刻情報保持ステップにて当該送信時刻情報を前記基準時刻情報として保存させるステップを含むことを特徴とする請求項7記載の印刷装置の時刻修正方法。
【請求項9】
前記印刷装置は、
前記第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定ステップを更に含むことを特徴とする請求項7または8記載の印刷装置の時刻修正方法。
【請求項10】
複数の外部装置と接続され該複数の外部装置のうち任意の外部装置から出力された印刷データに基づいて印刷処理を実行する印刷装置に設けられる時計手段の時刻を修正する印刷装置の時刻修正方法であって、
前記複数の外部装置は、
前記印刷対象の印刷データに当該印刷データの送信時刻を示す送信時刻情報を付加する時刻情報付加ステップと、
前記印刷対象の印刷データに自己の外部装置を識別する第1の識別情報を付加する識別情報付加ステップとを含み、
前記印刷装置は、
前記時計手段の時刻が修正されたときの基準時刻を示す基準時刻情報を保存する時刻情報保存ステップと、
所定の外部装置を識別する第2の識別情報を設定する識別情報設定ステップと、
前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻と前記時刻情報保存ステップにより保存されている基準時刻情報に基づく基準時刻との差を示す第1の時間差と、予め設定される第2の時間差とを比較する第1の比較ステップと、前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と前記識別情報設定ステップにより設定された第2の識別情報とを比較する第2の比較ステップと、
前記第1の比較ステップにより比較された結果および前記第2の比較ステップにより比較された結果に基づいて、前記時計手段の時刻を修正する制御ステップと、
を含む、
ことを特徴とする印刷装置の時刻修正方法。
【請求項11】
前記制御ステップは、
第1の比較ステップにより前記第1の時間差が前記第2の時間差よりも大きいと判断された場合で、かつ前記第2の比較ステップにより前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とが一致すると判断された場合に、前記時計手段の時刻を前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている送信時刻情報に基づく送信時刻に修正するとともに、前記時刻情報保持ステップにて当該送信時刻情報を前記基準時刻情報として保存させるステップを含むことを特徴とする請求項10記載の印刷装置の時刻修正方法。
【請求項12】
前記印刷装置は、
前記第2の時間差の値を任意に設定する時間差設定ステップを更に含み、
前記識別情報設定ステップは、
1つ以上の外部装置に対応する第2の識別情報を設定するステップを含み、
前記第2の比較ステップは、
前記任意の外部装置からの印刷データに付加されている第1の識別情報と前記識別情報設定ステップにより設定された全ての第2の識別情報とを比較するステップを含む、
ことを特徴とする請求項10または11記載の印刷装置の時刻修正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−62179(P2006−62179A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246699(P2004−246699)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】