説明

印刷データ処理装置、印刷データ処理方法、印刷システムおよびプログラム、ならびに、ページデータ作成装置およびラスタライズ処理装置

【課題】 バリアブル印刷において、印刷するバーコードの線幅を理想とされる幅にすることができる印刷データ処理装置、印刷データ処理方法、印刷システムおよびプログラム、ならびに、ページデータ作成装置およびラスタライズ処理装置を提供する。
【解決手段】 印刷データ処理装置4は、ページデータ作成装置1とラスタライズ処理装置2とを備える。ページデータ作成装置1は、機能構成として共用オブジェクト定義部11、配置条件設定部12、補正情報埋め込み部13、ページデータ生成部14を備え、ラスタライズ処理装置2は、機能構成として補正情報検索部21と解像度取得部22を有する解析部20と、補正部23と、ラスターデータ生成部25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷データ処理装置、印刷データ処理方法、印刷システムおよびプログラム、ならびに、ページデータ作成装置およびラスタライズ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、PostScript(米国Adobe Systems社の登録商標)やPDF(Portable Document Format)などのページ記述言語で記載されたページデータをパーソナルコンピュータ等の上位装置において生成し、そのページデータをラスターデータに変換するラスタライズ処理を経て、プレートレコーダやデジタル印刷機などの出力機により記録媒体に印刷する印刷システムが知られている。また、近年、複数ページにわたって内容が同一となる部分(固定領域)と、ページごとに内容が異なる部分(可変領域)が存在する印刷物を生産する、いわゆるバリアブル印刷と呼ばれる技術が提案されている。たとえば、ダイレクトメールの印刷のように、各顧客に対して共通して案内する内容に加えて、顧客ごとに異なる宛名、宛先、管理コード等をページごとに入れ替えながら用紙に印刷するものである。
【0003】
ところで、管理コード等を表現するバーコードは、記録媒体に印刷された後にバーコードリーダで読み取られるものである。このため、バーコード印刷においては、バーコードの印刷品質がバーコードリーダでの読み取りが可能な品質である必要がある。このため、特許文献1では、印刷すると線がはっきりしなくなるような極細線を太らせる機能を備えた印刷システムにおいて、バーコードの各バーを矩形の塗り潰しと極細線による輪郭線で描画指定する方法で印刷する場合に、表や罫線等のバーコード以外の印刷データについては、極細線を太らせるが、バーコードの輪郭線については、この極細線を太らせる補正の適用から除外することで、バーコードの各バーが太くなってバーコードの読み取り精度が低下することを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−3994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、用紙に印刷されたバーコードの線幅は、出力機の印刷方式(電子写真方式、インクジェット方式等)や型式の違い、印刷用紙の種類などにより異なる変化をする。このため、特許文献1に記載されたように、バーコードの輪郭線に対して太らせる補正をしなかった場合でも、たとえば、インクジェット印刷機でバーコードを印刷した場合、用紙へのインクのにじみによりバーコードの各バーの幅が理想より太くなり、読み取り精度が低下するという問題が生じる。
【0006】
このようなバーコードの各バーの幅が印刷した状態では理想より太くなる問題に対しては、上位装置において、太り量を考慮して各バーの幅を予め細くしたバーコード図形を作成し、ページデータとして出力する方法を採用することができる。しかしながら、太り量は、出力機、出力解像度、用紙の特性などに応じて変わるため、それらの情報を取得していなければ太り量がどの程度であるかを予め知ることはできない。そうすると、出力機、出力解像度、用紙などの印刷側の条件が決まった後で、各バーの幅を細くしたバーコードデータを含むページデータを印刷側の条件に合わせて作成することになり、他の出力機で同じバーコードを印刷するときには、ページデータの作成からやり直さなければならない。さらに、各バーの幅を細くしたバーコードデータを含むページデータを作成したとしても、バリアブル印刷によりページごとに異なるバーコードを印刷する場合には、各ページにおいて細らせたバーコード図形分のデータが出力データに含まれるため、データ量が非常に大きくなるという問題も生じる。
【0007】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、バリアブル印刷において、印刷するバーコードの線幅を理想とされる幅にすることができる印刷データ処理装置、印刷データ処理方法、印刷システムおよびプログラム、ならびにページデータ作成装置およびラスタライズ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムにおける印刷データ処理装置であって、印刷対象をページ記述言語により表現したページデータの作成を行うページデータ作成装置と、前記ページデータをラスターデータに変換するラスタライズ処理装置と、を備え、前記ページデータ作成装置は、オブジェクトで表現されるページ構成要素を印刷物中へ配置する際の配置条件情報を、コンテンツ情報としてオブジェクトごとに設定する配置条件設定手段と、前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトの配置条件に関連付けて、該オブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報を前提情報としてページデータに埋め込む補正情報埋め込み手段と、バーコードの種類ごとに定められたバーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとしてコンテンツ情報の外部に定義する共用オブジェクト定義手段と、前記前提情報および前記共用オブジェクトを含むページデータを生成するページデータ生成手段と、を備え、前記ラスタライズ処理装置は、前記前提情報に前記バーコード補正情報が埋め込まれているか否かを検索する検索手段と、前記検索手段により前記バーコード補正情報が検出された場合に、バーコードの種類および配置条件に応じた印刷解像度を取得する解像度取得手段と、バーコードの種類と、前記解像度取得手段により取得された印刷解像度とに基づいて補正量を決定し、前記バーコード構成要素に補正を行う補正手段と、前記補正手段により補正したバーコード構成要素を使用してバーコードを合成し、ラスターデータを生成するラスターデータ生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ラスタライズ処理装置は、少なくともバーコードの種類と、印刷解像度と、補正量とを対応付け項目とした補正テーブルを備え、前記補正手段は、前記補正テーブルを参照して選択された補正量を適用して前記バーコード構成要素の補正を行う。
【0010】
請求項3に記載の発明は、複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムにおける印刷データ処理方法であって、印刷対象をページ記述言語により表現したページデータの作成を行うページデータ作成工程と、前記ページデータをラスターデータに変換するラスタライズ処理工程と、を備え、前記ページデータ作成工程は、オブジェクトで表現されるページ構成要素を印刷物中へ配置する際の配置条件情報を、コンテンツ情報としてオブジェクトごとに設定する配置条件設工程と、前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトの配置条件に関連付けて、該オブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報を前提情報としてページデータに埋め込む補正情報埋め込み工程と、バーコードの種類ごとに定められたバーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとしてコンテンツ情報の外部に定義する共用オブジェクト定義工程と、前記前提情報および前記共用オブジェクトを含むページデータを生成するページデータ生成工程と、を備え、前記ラスタライズ処理工程は、前記前提情報に前記バーコード補正情報が埋め込まれているか否かを検索する補正情報検索工程と、前記補正情報検索手段により前記バーコード補正情報が検出された場合に、バーコードの種類および配置条件に応じた印刷解像度を取得する解像度取得工程と、バーコードの種類と、前記解像度取得工程により取得された印刷解像度とに基づいて補正量を決定し、前記バーコード構成要素に補正を行う補正工程と、前記補正工程により補正したバーコード構成要素を使用してバーコードを合成し、ラスターデータを生成するラスターデータ生成工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムであって、
請求項1または請求項2に記載の印刷データ処理装置と、前記印刷データ処理装置から出力されたラスターデータに基づいて印刷を実行する印刷装置と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、コンピュータ読取り可能なプログラムであって、複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムの印刷データ処理装置における、印刷対象をページ記述言語により表現したページデータの作成を行なうページデータ作成装置を前記コンピュータで実現するために、オブジェクトで表現されるページ構成要素を印刷物中へ配置する際の配置条件情報を、コンテンツ情報としてオブジェクトごとに設定する配置条件設定ステップと、前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトの配置条件に関連付けて、該オブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報を前提情報としてページデータに埋め込む補正情報埋め込みステップと、バーコードの種類ごとに定められたパーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとして前記コンテンツ情報の外部に定義する共用オブジェクト定義ステップと、前記前提情報および前記共用オブジェクトを含むページデータを生成するページデータ生成ステップと、を前記コンピュータのCPUがメモリにおいて実行することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、コンピュータ読取り可能なプログラムであって、複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムの印刷データ処理装置における、前提情報に前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトの配置条件に関連付けて、該オブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報が埋め込まれ、コンテンツ情報の外部に、バーコードの種類ごとに定められたバーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとして定義されたページデータをラスターデータに変換するラスタライズ処理装置を前記コンピュータで実現するために、前記前提情報に前記バーコード補正情報が埋め込まれているか否かを検出する補正情報検索ステップと、前記補正情報検索ステップにより前記バーコード補正情報が検出された場合に、バーコードの種類および配置条件に応じた印刷解像度を取得する解像度取得ステップと、バーコードの種類と、前記解像度取得ステップにより取得された印刷解像度とに基づいて補正量を決定し、前記バーコード構成要素に補正を行なう補正ステップと、前記補正ステップにより補正したバーコード構成要素を使用してバーコードを合成し、ラスターデータを生成するラスターデータ生成ステップと、を前記コンピュータのCPUがメモリにおいて実行することを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムにおいて、印刷対象をページ記述言語により表現したページデータの作成を行うページデータ作成装置であって、オブジェクトで表現されるページ構成要素を印刷物中へ配置する際の配置条件情報を、コンテンツ情報としてオブジェクトごとに設定する配置条件設定手段と、前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトの配置条件に関連付けて、該オブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報を前提情報としてページデータに埋め込む補正情報埋め込み手段と、バーコードの種類ごとに定められたバーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとしてコンテンツ情報の外部に定義する共用オブジェクト定義手段と、前記前提情報および前記共用オブジェクトを含むページデータを生成するページデータ生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムにおいて、ページ記述言語により表現したページデータをラスターデータに変換するラスタライズ処理装置であって、前記ページデータは、前提情報に前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報が埋め込まれ、コンテンツ情報の外部に、バーコードの種類ごとに定められたバーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとして定義されたものであり、前記前提情報に前記バーコード補正情報が埋め込まれているか否かを検索する補正情報検索手段と、前記補正情報検索手段により前記バーコード補正情報が検出された場合に、バーコードの種類および配置条件に応じた印刷解像度を取得する解像度取得手段と、バーコードの種類と、前記解像度取得手段により取得された印刷解像度とに基づいて補正量を決定し、前記バーコード構成要素に補正を行う補正手段と、前記補正手段により補正したバーコード構成要素を使用してバーコードを合成し、ラスターデータを生成するラスターデータ生成手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、請求項3および請求項4に記載の発明によれば、バリアブル印刷によりバーコードを印刷する際に、ページデータ作成の段階で、バーコードを表現するためのバーコード構成要素を、コンテンツ情報の外部に共用オブジェクトとして定義して繰り返し複数のページで使用できる共通部品化し、ラスタライズ処理の段階で、その共用オブジェクトに対し、バーを細らせる補正を行うことから、出力機や印刷用紙が変更されるたびに、バーを細らせる補正のためにページデータから作成しなおす必要がなく、一度作成したページデータを、出力機や印刷用紙が変更されても繰り返し利用して、バーコードの線幅をバーコードリーダでの読み取りにおいて理想とされる幅に印刷することが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、補正テーブルの内容を、印刷システムを構成する印刷装置に対応させて書き換え、更新することにより、印刷装置の変更、増設などの印刷システムの構成変更に容易に対応することができる。
【0018】
請求項5および請求項6に記載の発明によれば、一般的に使用されているコンピュータにプログラムをインストールすることで、装置を実現することが可能となる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、バーコードを表現するためのバーコード構成要素を、コンテンツ情報の外部に共用オブジェクトとして共通部品化していることから、ページデータのデータ量を小さくすることが可能となる。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、バーコードの線幅の補正とラスタライズ処理を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明に係る印刷システムを模式的に示す概要図である。
【図2】ページデータ作成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】ラスタライズ処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】印刷データ処理装置4において実現される機能構成を説明するためのブロック図である。
【図5】ページデータ作成装置1によるページデータの作成手順を示すフローチャートである。
【図6】ラスタライズ処理装置2によるラスターデータの作成手順を示すフローチャートである。
【図7】補正テーブル24の一例を示す図である。
【図8】バーコードの補正を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る印刷システムを模式的に示す概要図である。
【0023】
この印刷システムは、複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する、いわゆるバリアブル印刷を行う印刷システムである。そして、印刷システムは、印刷物を構成する文字や絵柄などを編集してレイアウトするためのページデータ作成装置1と、ページデータをラスターデータに変換するラスタライズ処理装置2から成る印刷データ処理装置4と、印刷装置3を備える。ページデータ作成装置1とラスタライズ処理装置2、ラスタライズ処理装置2と印刷装置3は、互いに通信可能に接続されている。
【0024】
印刷装置3は、印刷データ処理装置4からの印刷データを印刷用紙などの記録媒体に出力する出力機であり、印刷方式は、電子写真方式、インクジェット方式のいずれでもよい。
【0025】
図2は、ページデータ作成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0026】
ページデータ作成装置1は、コンピュータを利用して実現されており、CPU101、ROM102、RAM103、LANインターフェース104、液晶ディスプレイなどの表示装置105、キーボードおよびマウスなどの入力装置106を備え、これらはバス107を介して相互に接続されている。CPU101は、ページデータを生成するためのソフトウェアとして実装されているページデータ作成プログラムP1を実行し、ROM102は、ページデータ作成プログラムP1を格納し、RAM103は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。LANインターフェース104は、ページデータ作成装置1をLAN(Local Area Network)に接続し、ラスタライズ処理装置2と通信を可能とするものである。表示装置105は、印刷物を構成する文字や絵柄などのレイアウトの状態などの各種情報を表示し、入力装置106は、オペレータによる各種入力操作に使用される。
【0027】
図3は、ラスタライズ処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0028】
ラスタライズ処理装置2は、コンピュータを利用して実現されており、CPU201、ROM202、RAM203、LANインターフェース204、プリンタインターフェース208を備え、これらはバス207を介して相互に接続されている。CPU201は、ページデータに対してラスタライズ処理を行うためのラスタライズ処理プログラムP2を実行し、ROM202は、ラスタライズ処理プログラムP2を格納し、RAM203は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。LANインターフェース204は、LANを介してページデータ作成装置1と通信をするためのインターフェースであり、プリンタインターフェース208は、印刷装置3と通信線を介して通信するためのインターフェースである。なお、ページデータ作成装置1、ラスタライズ処理装置2、印刷装置3は相互にLANにより接続してもよいし、LANを介さず直接機器間で接続してもよい。
【0029】
図4は、印刷データ処理装置4において実現される機能構成を説明するためのブロック図である。この実施形態では、ページデータ作成装置1で作成されるページデータとしてPDFを例にして説明する。
【0030】
ページデータ作成装置1は、ページデータ作成プログラムP1をCPU101がRAM103で実行することにより、機能構成として共用オブジェクト定義部11、配置条件設定部12、補正情報埋め込み部13、ページデータ生成部14を備える。
【0031】
共用オブジェクト定義部11は、ページの可変領域に配置されるバーコードのキャラクタ構成とバーコードの基本パターンとなる図形とを、PDFの描画オブジェクトに関する概念であるXObjectを用いて関連づける。一次元のバーコードは、バーコードの種類によって表現できる0〜9の数字および/またはA〜Zまでのアルファベットなどの1キャラクタ(文字)に対応する基本パターンを組み合わせて配列することにより作成される。このため、顧客管理コードやコンビニエンスストアでの振込みに使用される振込み伝票のコードなど、ページごとに異なるバーコードを印刷するためのページデータを作成する際には、バーコード以外の図形や絵柄などのオブジェクトの情報が記述されるコンテンツ情報の外部に、繰り返し使われるバーコードを表現するためのバーコード構成要素である基本パターンを共通部品として定義する。
【0032】
配置条件設定部12は、オブジェクトで表現される文字、図形、絵柄などのページ構成要素を印刷物中に配置する際の配置条件情報をコンテンツ情報としてオブジェクトごとに設定する。すなわち、どのオブジェクトが印刷物のどのページのどの位置に配置されるかという情報をコンテンツ情報に記述する。この配置条件設定部12は、バーコードの配置と、ページごとに異なる基本パターンの組み合わせ情報を含む、すべてのオブジェクトの配置条件情報を記述する。なお、コンテンツ情報にオブジェクトの配置情報を記述する際には、各オブジェクトの名称に対応する標識番号などが割り当てられる。
【0033】
補正情報埋め込み部13は、コンテンツ情報に記述されたバーコードに関するオブジェクトの配置条件に関連付けて、そのバーコードが補正対象であることを示すバーコード補正情報を前提情報としてページデータに埋め込む。例えば、オブジェクトの名称「BarCode」に割り当てられた標識番号が「05」であったとすると、この「05」をメタ情報に記述することにより、バーコード補正情報がページデータに埋め込まれることになる。
【0034】
ページデータ生成部14は、オブジェクトの配置情報に基づいて各オブジェクトをレイアウトし、この発明の前提情報としてのメタ情報、この発明の共用オブジェクトとしてのXObject、コンテンツ情報を有するPDFを生成する。
【0035】
ラスタライズ処理装置2は、RIP(Raster Image Processor)の機能を実現するものであり、ラスタライズ処理プログラムP2をCPU201がRAM203で実行することにより、機能構成として補正情報検索部21と解像度取得部22を有する解析部20と、補正部23と、ラスターデータ生成部25とを備える。
【0036】
補正情報検索部21は、ページデータ作成装置1から出力されたPDFを解析し、メタ情報にバーコード情報が埋め込まれているか否かを検索する。
【0037】
解像度取得部22は、PDFの解析により得たバーコードの種類、配置条件に応じた印刷解像度を取得する。なお、配置条件にはバーコードの幅と向きが含まれる。これは、バーコードを印刷用紙上で所定の幅に収める場合、黒バーと白バーで構成される一次元バーコードの黒白が判別できる印刷解像度である必要があり、また、印刷装置の仕様、あるいは出力時に指定する解像度によって、印刷用紙に対する縦横の印刷解像度に相違が生じる場合があるためである。
【0038】
補正部23は、バーコードの種類と印刷解像度などに基づいて、XObject化されたバーコードの基本パターンに対する補正量を決定し、バーコードの基本パターンの補正を行う。この実施形態では、補正量を参照する補正テーブル24を保持している。
【0039】
ラスターデータ生成部25は、補正されたバーコードの基本パターンを使用して各ページのバーコードを合成しレイアウトするとともに、ラスタライズ処理を実行し、印刷装置3に供給するラスターデータを生成する。
【0040】
図5は、ページデータ作成装置1によるページデータの作成手順を示すフローチャートであり、図6は、ラスタライズ処理装置2によるラスターデータの作成手順を示すフローチャートである。また、図7は、補正テーブル24の一例を示す図であり、図8は、バーコードの補正を模式的に示す説明図である。
【0041】
ページデータ作成プログラムP1が起動されると、図5に示すように、ページデータ作成装置1は、オペレータの入力操作に応じて、作成しようとする印刷物の各ページに配置すべき文字、図形、絵柄、バーコードの基本パターン、および、住所録などCSV(Comma Separated Values)形式のバリアブルデータなどの各種データを、LANを介した外部データベースやCD−ROM等の可搬性の記録媒体などから取得する(ステップS11)。そして、バーコードの基本パターンの図形データについては、共用オブジェクトとしてXObject化する(ステップS12)。また、オペレータの入力操作により、各オブジェクトのレイアウトを行いつつ、印刷物中のオブジェクトの配置条件を設定する(ステップS13)。バーコードの配置条件の設定が終わると、メタ情報にバーコードが補正対象であることを示すバーコード補正情報を埋め込む(ステップS14)。しかる後、メタ情報、XObject、コンテンツ情報を有するPDFを生成する(ステップS15)。
【0042】
ラスタライズ処理装置2は、ラスタライズ処理プログラムP2が作動することにより、図6に示すように、ページデータ作成装置により生成されたPDFを受け取ると(ステップS21)、解析部20によりPDFの解析を行う(ステップS22)。そして、PDFのコンテンツ情報、XObject、メタ情報に記述された内容を解読する。PDFがXObjectを保持している場合には(ステップS23)、メタ情報にバーコード補正情報が含まれているか検索する(ステップS24)。メタ情報にバーコード補正情報が含まれていれば、印刷解像度を決定(ステップS25)し、図7に示す補正テーブル24を参照して求められた補正量に基づいて、XObject化された、バーコードの基本パターンの各バーを細らせる補正をする(ステップS26)。そして、細らせ補正後のバーコードの基本パターンは、ラスタライズ処理装置2に再利用可能なように一時的に保持される。
【0043】
なお、補正テーブル24は、予めラスタライズ処理装置2に保持させており、図7に示すように、出力機の機種、印刷における解像度、用紙の種類、バーコードの種類、印刷時のバーコードの幅、補正量である細らせ量を項目とする参照テーブルとして構成されている。この補正テーブル24は、各種印刷装置で、解像度、印刷用紙の種類を異ならせて、各種バーコードを実際に印刷し、印刷によって形成されたバーコードの黒バーが理想の幅に比べてどの程度太ったかを基にして求めた補正量(細らせ量)と、出力機、細らせ対象方向の出力解像度、用紙の種類、バーコードの種類およびバーコードの幅の情報とを紐付けして作成されたものである。また、この補正テーブル24は、印刷システムを構成する印刷装置3の変更、増設に応じて書き換えることもできる。
【0044】
さらに、バーコードの細らせ補正について詳細に説明する。たとえば、PDFにXObjectとしてGS1−128(コンビニエンスストアの代金支払伝票や医療機器の商品ラベルに使用されるバーコード規格)の128種類のキャラクタに対応する128個の基本パターンが保持されており(ステップS23)、メタ情報を検索した結果、GS1−128が補正対象であることを示すバーコード補正情報があった場合(ステップS24)、GS1−128というバーコードの種類とバーコードの幅(50〜60mm)および向きに応じた解像度が決定される(ステップS25)。このとき、ラスタライズ処理装置2に接続されている印刷装置3がインクジェット方式で印刷を行うIJ−Aという機種であり、細らせ対象方向の出力解像度が360dpiであったとすると、バーコードを上質紙に印刷するときのバーコードの細らせ量は、図7の補正テーブル24を参照すると、1pixelとなる。そして、細らせ処理が実行されると(ステップS26)と、図8に示すように、バーコードの基本パターンの各黒バーは、2点鎖線で示すバー幅BWが、黒バーと黒バーの間隔を規定するストロークSに対して細らせ量α分、すなわち1pixel分だけ細くされる。
【0045】
上述した補正例では、図8に示すように、この各黒バーを細らせる処理をすると、データ上では白バー部分に相当するスペース幅SPWが黒バーを細らせた分だけ広くなり、バーコードの幅には補正の前後で変化がない。しかし、バーコードリーダによる読み取り精度に問題を生じさせなければ、スペース幅SPWを細らせ処理の前後で変化させないようにすることも可能である。たとえば、後から印刷解像度を低解像度から高解像度(360dpiから720dpi)へ補正した場合に、スペース幅SPWを変化させず黒バーを細らせてバーコード幅が全体として狭くなったとしても、黒白のコントラストが明瞭であればバーコードリーダによる読み取り精度が損なわれることがない。したがって、解像度補正を行う際の予備的機能として、細らせ処理を行うときに、スペース幅SPWまたはバーコード幅を変化させるか否かを選択できる機能をさらに備えてもよい。
【0046】
再度図6を参照して、バーコードの各基本パターンへの補正が完了すると、XObjectとして保持された補正後のバーコードの基本パターンを使用して、ページごとにバーコードを合成し、各ページに合成したバーコードを組み入れるレイアウトが行われる(ステップS27)。しかる後、ラスタライズ処理を実行してラスターデータを生成し(ステップS28)、ラスターデータを出力する(ステップS29)。なお、PDFがXObjectを保持していない場合(ステップS23)、あるいは、PDFがXObjectを保持していてもメタ情報にバーコード補正情報がなく、XObject化されているオブジェクトが補正対象とならない場合(ステップS24)には、細らせ処理を経ることなく、レイアウト(ステップS27)、ラスタライズ処理が行われ、ラスターデータが生成される(ステップS28)。
【0047】
印刷装置3は、ラスタライズ処理装置2の出力データを受信し、出力データに基づいて印刷を実行する。上述したように、この実施形態では、バーコードに対して、印刷時の黒バーの太り量を考慮して細らせ処理をラスタライズ処理装置2で行っていることから、印刷されたバーコードは、黒バーと白バーのコントラストが明瞭で、バーコードリーダでの読み取りが損なわれることがない。
【0048】
この実施形態では、バーコードの基本パターンをPDFのXObject化していることから、ページデータ作成装置1で生成されるPDFのデータ量を小さくすることができる。さらに、バーコードの基本パターンをPDFのXObject化していることにより、ラスタライズ処理装置2でのバーコードのラスタライズ処理を高速化することができる。
【0049】
また、この実施形態では、バーコードの細らせ処理をラスタライズ処理装置2で行っていることから、たとえば、不良印刷と判断されたページのみを別の印刷装置を用いて再印刷する場合などに、従来のように、印刷装置に対応させたバーコードを細らせる処理を行うために、ページデータ生成の段階からやり直す必要がない。
【符号の説明】
【0050】
1 ページデータ作成装置
2 ラスタライズ処理装置
3 印刷装置
4 印刷データ処理装置
11 共用オブジェクト定義部
12 配置条件設定部
13 補正情報埋め込み部
14 ページデータ生成部
20 解析部
21 補正情報検索部
22 解像度取得部
23 補正部
24 補正テーブル
25 ラスターデータ生成部
101、201 CPU
102、202 ROM
103、203 RAM
104、204 LANインターフェース
105 表示装置
106 入力装置
107、207 バス
208 プリンタインターフェース
P1 ページデータ作成プログラム
P2 ラスタライズ処理プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムにおける印刷データ処理装置であって、
印刷対象をページ記述言語により表現したページデータの作成を行うページデータ作成装置と、
前記ページデータをラスターデータに変換するラスタライズ処理装置と、
を備え、
前記ページデータ作成装置は、
オブジェクトで表現されるページ構成要素を印刷物中へ配置する際の配置条件情報を、コンテンツ情報としてオブジェクトごとに設定する配置条件設定手段と、
前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトの配置条件に関連付けて、該オブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報を前提情報としてページデータに埋め込む補正情報埋め込み手段と、
バーコードの種類ごとに定められたバーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとしてコンテンツ情報の外部に定義する共用オブジェクト定義手段と、
前記前提情報および前記共用オブジェクトを含むページデータを生成するページデータ生成手段と、を備え、
前記ラスタライズ処理装置は、
前記前提情報に前記バーコード補正情報が埋め込まれているか否かを検索する補正情報検索手段と、
前記補正情報検索手段により前記バーコード補正情報が検出された場合に、バーコードの種類および配置条件に応じた印刷解像度を取得する解像度取得手段と、
バーコードの種類と、前記解像度取得手段により取得された印刷解像度とに基づいて補正量を決定し、前記バーコード構成要素に補正を行う補正手段と、
前記補正手段により補正したバーコード構成要素を使用してバーコードを合成し、ラスターデータを生成するラスターデータ生成手段と、
を備えることを特徴とする印刷データ処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷データ処理装置において、
前記ラスタライズ処理装置は、少なくともバーコードの種類と、印刷解像度と、補正量とを対応付け項目とした補正テーブルを備え、
前記補正手段は、前記補正テーブルを参照して選択された補正量を適用して前記バーコード構成要素の補正を行う印刷データ処理装置。
【請求項3】
複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムにおける印刷データ処理方法であって、
印刷対象をページ記述言語により表現したページデータの作成を行うページデータ作成工程と、
前記ページデータをラスターデータに変換するラスタライズ処理工程と、
を備え、
前記ページデータ作成工程は、
オブジェクトで表現されるページ構成要素を印刷物中へ配置する際の配置条件情報を、コンテンツ情報としてオブジェクトごとに設定する配置条件設工程と、
前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトの配置条件に関連付けて、該オブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報を前提情報としてページデータに埋め込む補正情報埋め込み工程と、
バーコードの種類ごとに定められたバーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとしてコンテンツ情報の外部に定義する共用オブジェクト定義工程と、
前記前提情報および前記共用オブジェクトを含むページデータを生成するページデータ生成工程と、を備え、
前記ラスタライズ処理工程は、
前記前提情報に前記バーコード補正情報が埋め込まれているか否かを検索する補正情報検索工程と、
前記補正情報検索手段により前記バーコード補正情報が検出された場合に、バーコードの種類および配置条件に応じた印刷解像度を取得する解像度取得工程と、
バーコードの種類と、前記解像度取得工程により取得された印刷解像度とに基づいて補正量を決定し、前記バーコード構成要素に補正を行う補正工程と、
前記補正工程により補正したバーコード構成要素を使用してバーコードを合成し、ラスターデータを生成するラスターデータ生成工程と、
を備えることを特徴とする印刷データ処理方法。
【請求項4】
複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムであって、
請求項1または請求項2に記載の印刷データ処理装置と、
前記印刷データ処理装置から出力されたラスターデータに基づいて印刷を実行する印刷装置と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
コンピュータ読取り可能なプログラムであって、複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムの印刷データ処理装置における、印刷対象をページ記述言語により表現したページデータの作成を行なうページデータ作成装置を前記コンピュータで実現するために、
オブジェクトで表現されるページ構成要素を印刷物中へ配置する際の配置条件情報を、コンテンツ情報としてオブジェクトごとに設定する配置条件設定ステップと、
前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトの配置条件に関連付けて、該オブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報を前提情報としてページデータに埋め込む補正情報埋め込みステップと、
バーコードの種類ごとに定められたパーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとして前記コンテンツ情報の外部に定義する共用オブジェクト定義ステップと、
前記前提情報および前記共用オブジェクトを含むページデータを生成するページデータ生成ステップと、
を前記コンピュータCPUがメモリにおいて実行することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
コンピュータ読取り可能なプログラムであって、複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムの印刷データ処理装置における、前提情報に前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトの配置条件に関連付けて、該オブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報が埋め込まれ、コンテンツ情報の外部に、バーコードの種類ごとに定められたバーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとして定義されたページデータをラスターデータに変換するラスタライズ処理装置を前記コンピュータで実現するために、
前記前提情報に前記バーコード補正情報が埋め込まれているか否かを検出する補正情報検索ステップと、
前記補正情報検索ステップにより前記バーコード補正情報が検出された場合に、バーコードの種類および配置条件に応じた印刷解像度を取得する解像度取得ステップと、
バーコードの種類と、前記解像度取得ステップにより取得された印刷解像度とに基づいて補正量を決定し、前記バーコード構成要素に補正を行なう補正ステップと、
前記補正ステップにより補正したバーコード構成要素を使用してバーコードを合成し、ラスターデータを生成するラスターデータ生成ステップと、
を前記コンピュータのCPUがメモリにおいて実行することを特徴とするプログラム。
【請求項7】
複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムにおいて、印刷対象をページ記述言語により表現したページデータの作成を行うページデータ作成装置であって、
オブジェクトで表現されるページ構成要素を印刷物中へ配置する際の配置条件情報を、コンテンツ情報としてオブジェクトごとに設定する配置条件設定手段と、
前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトの配置条件に関連付けて、該オブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報を前提情報としてページデータに埋め込む補正情報埋め込み手段と、
バーコードの種類ごとに定められたバーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとしてコンテンツ情報の外部に定義する共用オブジェクト定義手段と、
前記前提情報および前記共用オブジェクトを含むページデータを生成するページデータ生成手段と、
を備えることを特徴とするページデータ作成装置。
【請求項8】
複数のページにわたり同一の内容となる固定領域と複数のページごとに異なる内容となる可変領域を有する印刷物を印刷する印刷システムにおいて、ページ記述言語により表現したページデータをラスターデータに変換するラスタライズ処理装置であって、
前記ページデータは、前提情報に前記可変領域に配置されるバーコードに関するオブジェクトが補正対象であることを示すバーコード補正情報が埋め込まれ、コンテンツ情報の外部に、バーコードの種類ごとに定められたバーコードを表現するためのバーコード構成要素を、複数のページが選択的に参照することで各ページにおいて異なるバーコードを合成するための共用オブジェクトとして定義されたものであり、
前記前提情報に前記バーコード補正情報が埋め込まれているか否かを検索する補正情報検索手段と、
前記補正情報検索手段により前記バーコード補正情報が検出された場合に、バーコードの種類および配置条件に応じた印刷解像度を取得する解像度取得手段と、
バーコードの種類と、前記解像度取得手段により取得された印刷解像度とに基づいて補正量を決定し、前記バーコード構成要素に補正を行う補正手段と、
前記補正手段により補正したバーコード構成要素を使用してバーコードを合成し、ラスターデータを生成するラスターデータ生成手段と、
を備えることを特徴とするラスタライズ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−77102(P2013−77102A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215883(P2011−215883)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】