説明

印刷処理システムおよび印刷処理プログラム

【課題】1枚の用紙に複数頁分の印刷画像を並べて印刷し、印刷後の用紙を裁断するに当たって、少ない頁数で無駄のない印刷処理を実現する。
【解決手段】印刷装置13と、当該印刷装置13によって印刷された用紙を裁断する裁断装置14と、入力される複数頁の文書データに基づく印刷画像を当該印刷画像のサイズよりも大きいサイズの用紙に配置して印刷すべく印刷装置13を制御するとともに、当該印刷装置13によって印刷された用紙を印刷画像の配置に応じて裁断すべく裁断装置14を制御する制御装置11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷処理システムおよび印刷処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷対象の文書データを1つのジョブとして印刷装置に送信し、当該印刷装置で印刷出力する印刷処理システムにおいて、例えば、A4サイズの印刷画像の2頁分をA3サイズの用紙上に左右横並びに配置して印刷するいわゆる2連印刷を行うことにより、印刷頁枚数を半減させることができるとともに、印刷装置をより処理速度が速い印刷装置と同等に機能させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、印刷処理に関する指示内容が記述された印刷指示書(電子データ)を印刷データとセットで印刷装置に送信する一方、印刷装置では当該印刷指示書に記述された指示内容にしたがって印刷処理を実行する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−212750号公報
【特許文献2】特開2004−252505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、印刷装置が印刷指示書に記述された指示内容にしたがって印刷処理を実行する印刷処理システムでは、印刷装置だけでなく、裁断装置等の後処理装置についても、印刷指示書に記述された後処理の指示内容を解釈し、実行するようにすることが可能になるため、裁断装置と印刷装置とを組み合わせてジョブを印刷から裁断までの一連の処理として自動処理することができることとなる。
【0006】
本発明は、1枚の用紙に複数頁分の印刷画像を並べて印刷し、印刷後の用紙を裁断するに当たって、少ない頁数で無駄のない印刷処理を実現可能な印刷処理システムおよび印刷処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の印刷処理システムは、印刷装置と、前記印刷装置によって印刷された用紙を裁断する裁断装置と、入力される複数頁の文書データに基づく印刷画像を当該印刷画像のサイズよりも大きいサイズの用紙に配置して印刷すべく前記印刷装置を制御するとともに、当該印刷装置によって印刷された用紙を前記印刷画像の配置に応じて裁断すべく前記裁断装置を制御する制御装置とを備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の印刷処理システムは、請求項1記載の印刷処理システムにおいて、前記制御装置が、一定期間内に入力される複数頁の文書データに基づく印刷画像に対して制御を行うことを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の印刷処理システムは、請求項1記載の印刷処理システムにおいて、前記制御装置が、白黒の印刷画像とカラーの印刷画像とを1枚の用紙に混在させない制御を行うことを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の印刷処理システムは、請求項1記載の印刷処理システムにおいて、前記制御装置が、前記裁断装置に対する制御内容を当該裁断装置の作業者に対して出力することを特徴としている。
【0011】
請求項5記載の印刷処理プログラムは、入力される複数頁の文書データに基づく印刷画像を当該印刷画像のサイズよりも大きいサイズの用紙に配置して印刷すべく印刷装置を制御する第1制御ステップと、前記印刷装置によって印刷された用紙を前記印刷画像の配置に応じて裁断すべく裁断装置を制御する第2制御ステップと
の各処理をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の印刷処理システムによれば、1枚の用紙に複数頁分の印刷画像を並べて印刷し、印刷後の用紙を裁断するに当たって、少ない頁数で無駄のない印刷処理を実現できる。
【0013】
請求項2記載の印刷処理システムによれば、当初1枚の用紙全面に亘って印刷画像を配置できるだけの文書データが揃っていない場合に、他の文書データが入力されるのを一定期間待つことで、1枚の用紙全面に亘って印刷画像を配置できることになるため、裁断後の印刷画像1枚当たりの印刷コストを低減できる。
【0014】
請求項3記載の印刷処理システムによれば、白黒の印刷画像とカラーの印刷画像とを1枚の用紙に混在させた場合には白黒の印刷画像についてもカラーの印刷コストになるのに対して、混在させない場合には白黒の印刷画像は白黒の印刷コストとなり、しかも少ない頁数で無駄のない印刷処理の実現によって白黒の印刷コストを低減できる。
【0015】
請求項4記載の印刷処理システムによれば、制御装置による制御の下に裁断を行わない構成を採った場合であっても、裁断装置の作業者は、制御装置による制御の下に裁断を行う構成を採った場合と同様に、印刷画像の配置に応じて用紙を裁断することができる。
【0016】
請求項5記載の印刷処理プログラムによれば、1枚の用紙に複数頁分の印刷画像を並べて印刷し、印刷後の用紙を裁断するに当たって、少ない頁数で無駄のない印刷処理を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る印刷処理システムは、制御装置11、記憶装置12、印刷装置13および裁断装置14を具備し、これらの装置11〜14が例えばLAN(Local Area Network)15を介して相互に通信可能に接続され、さらにLAN15がインターネット(または、イントラネット)16に接続された構成となっている。
【0020】
制御装置11は、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置によって構成され、本印刷処理システム全体の制御を行う。図2に、制御装置11の基本構成を示す。図2に示すように、コンピュータからなる制御装置11は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)111、I/O回路112、ROM113、RAM114およびHDD(ハードディスクドライブ)装置115などを有し、これら構成要素がバスライン116を介して接続された構成となっている。
【0021】
CPU111は、制御装置11が実行する処理の制御を行う。I/O回路112は、周辺機器、具体的には記憶装置12、印刷装置13および裁断装置14との入出力を管理する。ROM113は、CPU111による制御の下に実行される各種処理の処理プログラムを格納する。RAM114は、各種処理の実行時に使用される一次記憶装置である。HDD115は、CPU111による制御の下に処理された印刷データなどを記憶する。
【0022】
図1に説明を戻す。記憶装置12は、制御装置11による制御の下に、印刷装置13で印刷する目的でインターネット16を介して入力される文書データを記憶する。なお、ここでは、印刷装置13で印刷する文書データを、インターネット16を介して取り込む構成を前提としているが、これは一例に過ぎず、CD−ROM等の記録媒体に記録された文書データを、コンピュータからなる制御装置11を介して取り込む構成を採ることも可能である。
【0023】
印刷装置13は、制御装置11による制御の下に、記憶装置14に記憶されている文書データを当該文書データに基づく印刷画像のサイズの用紙に印刷するとともに、必要に応じて、1枚の用紙に複数頁分の印刷画像を所定の配置で並べて印刷して出力する。この印刷装置13としては、プリンタ、連帳紙を用いて印刷を行う連帳機、印刷機能を備えたいわゆる複合機と称される画像形成装置などが考えられる。
【0024】
裁断装置14は、制御装置11による制御の下に、印刷装置13によって印刷出力された用紙を印刷画像単位で裁断して出力する。すなわち、裁断装置14は、印刷装置13の後処理装置としての機能を持つことから、一般的には、印刷装置13に隣接するように配置される。
【0025】
ここでは、一例として、LAN15を介して制御装置11、記憶装置12、印刷装置13および裁断装置14を相互に接続するとしたが、その接続の形態としては、LAN15を介して接続する形態以外に、相互に直結する形態など、種々の接続形態を採ることができる。
【0026】
また、印刷装置13と裁断装置14とをLAN15を介して接続する構成を採っているが、裁断装置14は印刷装置13の後処理装置として機能するものであることから、印刷装置13に対して裁断装置14を直結し、印刷装置13を介して制御装置11によって裁断装置14を制御する構成を採ることも可能である。
【0027】
上記構成の本実施形態に係る印刷処理システムにおいては、制御装置11による制御の下に、具体的にはCPU111(図2参照)による制御の下に、1枚の用紙に複数頁分の印刷画像を並べて印刷し、印刷後の用紙を裁断するための処理が実行される。この処理の一例について以下に説明する。
【0028】
図3は、1枚の用紙に複数頁分の印刷画像を並べて印刷し、印刷後の用紙を裁断するに当たって、制御装置11のCPU111による制御の下に実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0029】
ここでは、一例として、文書データに基づく印刷画像のサイズがA6で、この印刷画像をA3サイズの用紙に8画像分並べて印刷し、その印刷後の用紙を印刷画像の配置に応じて裁断する場合を例に挙げて説明するものとする。
【0030】
システム外部から例えばインターネット16を介して印刷すべき文書データ(印刷データ)がその印刷条件、例えば印刷画像サイズ、カラー/白黒、片面印刷/両面印刷等の印刷条件と共にジョブとして入力されると、CPU111は、当該ジョブの入力をもって印刷指示有りと判断し(ステップS11)、文書データと共に入力された印刷条件を把握し(ステップS12)、次いで、入力されたジョブを記憶装置12に蓄積する(ステップS13)。
【0031】
次に、CPU111は、ステップS12で把握した印刷条件のうち、文書データの印刷画像サイズ(ジョブの用紙サイズ)に基づいて印刷装置13で印刷出力する用紙のサイズを決定する(ステップS14)。印刷する用紙サイズとしては、基本的に、文書データの印刷画像サイズの偶数倍のサイズを設定することになる。本例では、文書データの印刷画像サイズがA6であり、その整数倍のA3サイズが設定されることになる。
【0032】
次に、CPU111は、記憶装置12に蓄積したジョブに8頁分の文書データが有るか否かを判断し(ステップS15)、8頁分の文書データが無ければ、今回印刷対象のジョブが入力されてから一定期間が経過したか否かを判断する(ステップS16)。そして、一定期間が経過していなければステップS15に戻り、一定期間が経過するまでの間、文書データが8頁分揃うまで待機する。この待機する一定期間内において、次の印刷対象のジョブが入力され、記憶装置12に蓄積されることで、文書データが8頁分揃う可能性がある。
【0033】
CPU111は、ステップS15で8頁分の文書データが揃ったと判断した場合、またはステップS16で一定期間が経過したと判断した場合は、図4に示すように、当該8頁分の文書データに基づく8枚の印刷画像をA3サイズの用紙に4個ずつ2段に並べて配置して印刷するための印刷装置13に対する指示内容を記述した印刷指示書を作成する(ステップS17)。印刷指示書は電子データである。
【0034】
次に、CPU111は、印刷装置13によって印刷出力される用紙を、8枚の印刷画像に対応した8枚のA6サイズの用紙に裁断するための裁断装置14に対する指示内容を記述した作業指示書を作成する(ステップS18)。作業指示書は電子データである。ここで、作業指示書に記述される指示内容は、例えば図4において、A3サイズの用紙の左上隅を基準点Oとしたときに、用紙の短手方向(Y方向)の中間の裁断位置および長手方向(X方向)において4等分した各裁断位置の座標などである。
【0035】
CPU111は、作業指示書を作成し、作業指示書を作成したら、印刷対象のジョブ内にさらに文書データが存在するか否かを判断し(ステップS19)、さらに文書データが存在するのであれば、ステップS15に戻ってステップS15〜ステップS18までの処理を、ステップS19で印刷対象のジョブ内にさらに文書データが存在しないと判断するまで繰り返して実行する。
【0036】
そして、印刷対象のジョブ内にさらに文書データが存在しないと判断したら、CPU111は、印刷対象の文書データをステップS17で作成した印刷指示書と共に印刷装置14に送信するとともに、ステップS18で作成した作業指示書を裁断装置14に送信する(ステップS20)。以上により、CPU111による制御の下に実行され、1枚の用紙に複数頁分の印刷画像を並べて印刷し、印刷後の用紙を裁断するための一連の処理が終了する。
【0037】
なお、本実施形態では、制御装置11で作成した作業指示書を裁断装置14に送信し、裁断装置14が作業指示書に記述された指示内容にしたがって自動的に裁断を行うとしたが、裁断装置14をLAN15に接続せずに、作業者が裁断装置14の制御を行う構成を採る場合は、作業指示書を印刷装置13で用紙に印刷して出力したり、作業者がLAN15に接続したパーソナルコンピュータの表示画面に作業指示書を表示出力したりすることで、裁断装置14に対する制御内容を当該裁断装置14の作業者に対して出力するようにすれば良い。裁断装置14の作業者は、印刷出力または表示出力された作業指示書を見て裁断装置14の制御を行うことになる。
【0038】
図3の一連の処理シーケンスにおける処理手順によって印刷指示書および作業指示書を作成して印刷装置13および裁断装置14を制御する制御ステップ、即ち入力される複数頁の文書データに基づく印刷画像を当該当該印刷画像のサイズよりも大きいサイズの用紙に配置して印刷すべく印刷装置13を制御する制御ステップと、印刷装置13によって印刷された用紙を印刷画像の配置に応じて裁断すべく裁断装置14を制御する制御ステップの各処理を、制御装置11のコンピュータに実行させるプログラムが本実施形態に係る印刷処理プログラムである。
【0039】
そして、本実施形態に係る印刷処理プログラムについては、あらかじめ制御装置11のコンピュータにインストールしておくことが考えられる。ただし、あらかじめ制御装置11のコンピュータにインストールすることに限定されるものではなく、有線若しくは無線による通信手段により提供(配信)することはもちろん、コンピュータ読み取り可能なCD−ROM等の記憶媒体に格納して提供することも可能である。
【0040】
このようにして、制御装置11の制御の下に作成された印刷指示書が文書データとセットで制御装置11から印刷装置13に送信されると、印刷装置14は、印刷指示書に記述された指示内容で指定されたサイズの用紙を給紙し、当該用紙上に指示内容で指定された配置で文書データに基づく画像を印刷して出力する。印刷装置14から出力された用紙は後処理装置である裁断装置14に供給される。すると、裁断装置14は、制御装置11から送られた作業指示書に記述された指示内容にしたがって用紙を裁断する。
【0041】
以上説明した本実施形態に係る印刷処理システムは、例えば、コピー店等において、印刷コストの低減を図るためのシステムとして用いて好適なものである。ここで、印刷装置13に対する印刷指示書を作成する際のコスト最小化のための具体的な実施アルゴリズムについて、単一ジョブで用紙数を最小化するためのアルゴリズムと、複数ジョブで用紙数を最小化するためのアルゴリズムとを例に挙げて説明する。これらのアルゴリズムの処理も、制御装置11のCPU111による制御の下に、印刷指示書を作成するための処理として実行される。
【0042】
(実施例1)
図5は、単一ジョブで用紙数を最小化するためのアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。ここでは、ジョブのコピー部数Cが2以上であって、印刷装置13で利用可能な最大用紙サイズの半分以下のサイズのジョブを自動的に最大用紙サイズでN枚の面付けを行って印刷出力する場合を例に挙げて説明する。ここで、「面付け」とは、印刷や製本を効率良く行うための作業で、折りごとに各ページがページ順に正しく並ぶように規則的に配列することを言う。
【0043】
先ず、図3のステップS12で把握した印刷条件からジョブの用紙サイズを取得し(ステップS21)、次いで、印刷装置13で利用可能な最大用紙サイズから面付けの枚数Nを決定する(ステップS22)。一例として、印刷装置13で利用可能な最大用紙サイズがA3サイズの場合、A4サイズのジョブなら2面(N=2)、A5サイズのジョブなら4面(N=4)、A6サイズのジョブなら8面(N=8)となる。
【0044】
次に、ジョブのコピー部数Cが面付け枚数N以上であるか否かを判断し(ステップS23)、コピー部数Cが面付け枚数Nよりも小さい場合は、そのまま面付けしないでそのままのサイズで出力するか、後述する他のアルゴリズムが適用可能かを検証し(ステップS24)、しかる後、ジョブを出力するキュー(queue;待ち行列)におく(ステップS25)。面付けしないでそのままのサイズで出力するか、他のアルゴリズムが適用可能かの判断は、ジョブの出力納期を基に自動的に行うようにしても良い。
【0045】
ジョブのコピー部数Cが面付けの枚数N以上であれば、ジョブのコピー部数Cを面付け枚数Nの倍数分aとその余りbとに分解(C=a×N+b)する(ステップS26)。次に、最大用紙サイズをa枚印刷出力し、ジョブの用紙サイズでb枚印刷出力する場合のコストP1と、ジョブの用紙サイズでC枚印刷出力する場合のコストP2とを算出し(ステップS27)、次いで、両コストP1,P2を比較し(ステップS28)、コストP1がコストP2よりも安い(P1<P2)場合は、最大用紙サイズをa枚印刷出力し、ジョブの用紙サイズでb枚印刷出力する旨の指示内容を記述した印刷指示書1を作成し(ステップS29)、P1≧P2の場合は、ジョブの用紙サイズでC枚印刷出力する旨の指示内容を記述した印刷指示書2を作成する(ステップS30)。
【0046】
なお、余りbが存在する場合、余りb分を出力するジョブを分割し、後述する他のアルゴリズムが適用可能か検証した後、出力するキューにおくようにしても良い。また、その判断については、ジョブの出力納期を基に自動的に行うようにしても良い。
【0047】
ここで、具体例を挙げて印刷コストを考える。なお、理解を容易にするため、A4サイズからA6サイズのコピー代を1枚10円、A3サイズ以上のコピー代を20円と仮定する。一例として、C=5,N=4の場合、(C=5)=(a=1)×(N=4)+(b=1)となる。すなわち、A3サイズの用紙1枚、A5サイズの用紙1枚の出力となり、コピー代は計30円となる。したがって、A5サイズ5枚に出力する場合のコピー代50円よりも安くなるため、C=5,N=4の場合は、面付けして印刷するようにする。
【0048】
(実施例2)
実施例2として、複数ジョブで用紙数を最小化するためのアルゴリズムについて説明する。本アルゴリズムでは、印刷装置13で利用可能な最大用紙サイズを、異なる用紙サイズに裁断するいくつかの組み合わせを既定しておくものとする。そして、いくつかの組み合わせに適合するジョブをそれぞれの面に割り当て、条件が揃った場合(面が埋まった場合)、その組み合わせで印刷出力するようにする。
【0049】
例えば、A6(または、それに近いはがき)サイズのジョブ、封筒サイズのジョブおよびレターサイズのジョブがそのシステムで使用頻度が高い場合、これらのサイズを要求する別ジョブをキューの中から探し出し、図6(A)に示すように、レターサイズのジョブと、はがきサイズのジョブと、A6サイズのジョブとの組み合わせ、図6(B)に示すように、レターサイズのジョブと、封筒サイズのジョブとの組み合わせ、という具合に、1つの頁(1枚の用紙)に自動合成する。この複数ジョブの合成アルゴリズムを使えば、例えば、最大用紙サイズがA3(297×410)で、レターサイズ(215.9×279.4)を2面付けすることによって用紙数の低減が図れる。
【0050】
また、印刷装置13のキューにA6サイズで、5頁分のジョブがあるときに、A5サイズ1枚のジョブを印刷する場合は、図7に示すように、A6サイズで、5頁分のジョブをA3サイズの用紙に自動面付け(割り付け)し、次に残った領域にA5サイズ1枚のジョブを自動割面付けする。
【0051】
ここで、A6サイズ5頁分のジョブとA5サイズ1枚のジョブとをそれぞれ対応するサイズの用紙で印刷出力した場合のコピー代が計60円となる。これに対して、図7に示すように、A3サイズの用紙に面付けすることで、A3サイズの用紙1枚のコピーとなるため、コピー代が20円となる。
【0052】
なお、ここまでは、片面に対する面付けを行う場合を例に挙げたが、両面に対して面付けを行うことも可能である。例えば、図8に示すように、A4サイズでN頁のジョブをA3サイズの用紙に2面付けして印刷出力する。裁断装置14では、A3サイズの用紙を判断に裁断して積み重ねる処理が行われる。この場合、図を記載してバナー印刷とすると良い。印刷コストについては、A3サイズのコピー代がA4サイズのコピー代の2倍であるが、両面の面付けによってA4サイズの用紙をN枚出力する場合の1/2となる。
【0053】
また、例えば図9に示すように、A4サイズのジョブをA3サイズの用紙に自動面付け(両面面付けを含む)場合であって、白黒のジョブの中にカラーのジョブが混在するときには、A4白黒の単価とA3カラーの単価とを比較し、単価の安い方で印刷するようにする。一般的には、A4白黒の単価の方がA3カラーの単価よりも安い訳であるから、白黒の印刷画像とカラーの印刷画像とを1枚の用紙(本例では、A3サイズの用紙)に混在させずに、A4サイズの用紙に片面、または両面印刷するように制御を行う。このとき、カラーのジョブについては、A3サイズの用紙に自動面付け(両面面付けを含む)にて印刷するように制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】制御装置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】1枚の用紙に複数頁分の印刷画像を並べて印刷し、印刷後の用紙を裁断するに当たっての制御の一例を示すフローチャートである。
【図4】A6サイズの印刷画像をA3サイズの用紙に配置する例の説明図である。
【図5】単一ジョブで用紙数を最小化するためのアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【図6】複数ジョブで用紙数を最小化するためのアルゴリズムについての説明図である。
【図7】キューにA6サイズで、5頁分のジョブがあるときに、A5サイズ1枚のジョブを印刷する場合の説明図である。
【図8】両面に対して面付けを行う場合の説明図である。
【図9】白黒のジョブの中にカラーのジョブが混在する場合の説明図である。
【符号の説明】
【0055】
11…制御装置、12…記憶装置、13…印刷装置、14…裁断装置、15…LAN、16…インターネット、111…CPU、112…I/O回路、113…ROM、114…RAM、115…HDD(ハードディスクドライブ)装置、116…バスライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置と、
前記印刷装置によって印刷された用紙を裁断する裁断装置と、
入力される複数頁の文書データに基づく印刷画像を当該印刷画像のサイズよりも大きいサイズの用紙に配置して印刷すべく前記印刷装置を制御するとともに、当該印刷装置によって印刷された用紙を前記印刷画像の配置に応じて裁断すべく前記裁断装置を制御する制御装置と
を備えることを特徴とする印刷処理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、一定期間内に入力される複数頁の文書データに基づく印刷画像に対して制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の印刷処理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、白黒の印刷画像とカラーの印刷画像とを1枚の用紙に混在させない制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の印刷処理システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記裁断装置に対する制御内容を当該裁断装置の作業者に対して出力する
ことを特徴とする請求項1記載の印刷処理システム。
【請求項5】
入力される複数頁の文書データに基づく印刷画像を当該印刷画像のサイズよりも大きいサイズの用紙に配置して印刷すべく印刷装置を制御する第1制御ステップと、
前記印刷装置によって印刷された用紙を前記印刷画像の配置に応じて裁断すべく裁断装置を制御する第2制御ステップと
の各処理をコンピュータに実行させることを特徴とする印刷処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−46936(P2008−46936A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−222834(P2006−222834)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】