印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及び印刷装置
【課題】一の印刷画像を複数回に分けて印刷を行った場合でも、高品質な印刷画像の印刷が行われるように印刷装置を制御する印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及び、印刷画像を印刷する印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷制御装置は、印刷画像を、順方向に印刷媒体35が搬送される場合に印刷される第一印刷画像と、逆方向に印刷媒体35が搬送される場合に印刷される第二印刷画像とに分割する。印刷制御装置は、印刷画像45を、要素画像(文字画像41、42、及び43、線画画像44)に分割して管理している。印刷制御装置は、第一印刷画像として文字画像41、42、及び43を抽出し、第二印刷画像として線画画像44を抽出する。抽出された其々の要素画像に基づいて印刷データが作成される。印刷装置3は、印刷データに基づき、第一印刷画像と第二印刷画像とを重ねて印刷する。
【解決手段】印刷制御装置は、印刷画像を、順方向に印刷媒体35が搬送される場合に印刷される第一印刷画像と、逆方向に印刷媒体35が搬送される場合に印刷される第二印刷画像とに分割する。印刷制御装置は、印刷画像45を、要素画像(文字画像41、42、及び43、線画画像44)に分割して管理している。印刷制御装置は、第一印刷画像として文字画像41、42、及び43を抽出し、第二印刷画像として線画画像44を抽出する。抽出された其々の要素画像に基づいて印刷データが作成される。印刷装置3は、印刷データに基づき、第一印刷画像と第二印刷画像とを重ねて印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一の印刷画像を複数回に分けて印刷するために印刷装置を制御する印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、一の印刷画像を複数回に分けて印刷できる印刷装置が提案されている。例えば特許文献1に記載された、熱転写方式の印刷装置では、はじめに、印刷画像のうち、主走査方向を上下方向とした場合の上側半分を印字するための印刷データが作成される。上側半分の印刷画像は、順方向へ記録紙を搬送させながら印刷される。次いで、下側半分を印刷するための印刷データが作成される。下側半分の印刷画像は、逆方向へ記録紙を搬送させながら印刷される。これによって、サーマルヘッドを構成する発熱抵抗体のうち、同時にONしなければならない発熱抵抗体の数を抑制できるので、印刷装置における消費電力のピーク値を小さくできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−314393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の装置では、記録紙を搬送する場合の搬送精度が悪い場合、上側半分の印刷画像と下側半分の印刷画像とがずれてしまうので、印刷画像の品質が悪くなってしまうという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、一の印刷画像を複数回に分けて印刷を行った場合でも、高品質な印刷画像の印刷が行われるように印刷装置を制御する印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及び、印刷画像を印刷する印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る印刷制御装置は、印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出手段と、前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出手段によって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示手段と、前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち、前記第一抽出手段によって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出手段と、前記第一指示手段による指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出手段によって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示手段とを備えている。
【0007】
本発明の第一態様によれば、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体に印刷される。要素画像単位で印刷画像を分割することにより、複数回に分けた印刷画像同士のずれが目立たなくなるので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。印刷画像は、印刷装置における順方向及び逆方向の其々の搬送過程で印刷される。また、一連の工程で印刷が実行されるので、印刷過程で印刷媒体を印刷装置に配置し直す必要がない。従って、短い時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0008】
また、第一態様において、前記記憶手段には、互いに重複しない位置関係にある前記要素画像が記憶されており、前記印刷装置による一回の主走査によって印刷される印刷画像中に、複数の前記要素画像が含まれるか判断する判断手段を備え、前記第一抽出手段は、前記判断手段において、複数の前記要素画像が含まれると判断された場合に、前記複数の要素画像のうち少なくとも一つを、前記第一要素画像として抽出してもよい。互いに重複しない位置関係にある要素画像毎に複数回に分けて印刷するので、よりズレの目立たない高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。また、一回の主走査によって印刷される印刷画像中に、要素画像が複数配置されている場合、これらの要素画像を複数回に分けて印刷する。これによって、一回の主走査によって印刷される印刷画素の数を抑制できるので、印刷時の消費電力のピーク値を小さくできる。
【0009】
また、第一態様において、前記印刷装置による一回の主走査によって前記印刷画像が印刷される場合の印刷画素の数を特定する特定する特定手段を備え、前記第一抽出手段は、前記特定手段において特定された前記印刷画素の数が所定以上である場合に、前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出してもよい。一回の主走査によって印刷可能な印刷画素の数に制限があり、複数回に分けて一回の主走査を行う必要がある場合に、印刷画像を要素画像毎に分割して印刷を行うことができる。これによって、主走査に要する時間を短縮できるので、より短時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0010】
また、第一態様において、前記記憶手段は、文字によって構成される文字画像と、線画によって構成される線画画像とに前記印刷画像を分割した前記要素画像を記憶してもよい。文字画像と線画画像とを、別々の印刷工程で印刷できる。文字画像と線画画像とのずれは目立ち難いので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0011】
また、第一態様において、前記記憶手段には、地紋画像と、前記地紋画像に重ねて表示される重複画像とが前記要素画像として其々記憶されており、前記第一抽出手段は、前記地紋画像又は前記重複画像を前記第一要素画像として抽出し、前記第二抽出手段は、前記地紋画像及び前記重複画像のうち、前記第一抽出手段において抽出されていない画像を前記第二要素画像として抽出してもよい。地紋画像と重複画像とを、別々の印刷工程で印刷できる。地紋画像と重複画像とのずれは目立ち難いので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0012】
また、本発明の第二態様に係る印刷制御方法は、印刷装置における印刷処理を制御する印刷制御装置において実行される印刷制御方法であって、前記印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出ステップと、前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出ステップによって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示ステップと、前記要素画像のうち、前記第一抽出ステップによって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出ステップと、前記第一指示ステップによる指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出ステップによって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示ステップとを備えている。
【0013】
本発明の第二態様によれば、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体に印刷される。要素画像単位で印刷画像を分割することにより、複数回に分けた印刷画像同士のずれが目立たなくなるので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。印刷画像は、印刷装置における順方向及び逆方向の其々の搬送過程で印刷される。また、一連の工程で印刷が実行されるので、印刷過程で印刷媒体を印刷装置に配置し直す必要がない。従って、短い時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0014】
本発明の第三態様に係る印刷制御プログラムは、印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出ステップと、前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出ステップによって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示ステップと、前記要素画像のうち、前記第一抽出ステップによって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出ステップと、前記第一指示ステップによる指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出ステップによって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示ステップとをコンピュータに実行させる。
【0015】
本発明の第三態様によれば、印刷制御プログラムをコンピュータに実行させることにより、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体に印刷される。要素画像単位で印刷画像を分割することにより、複数回に分けた印刷画像同士のずれが目立たなくなるので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。印刷画像は、印刷装置における順方向及び逆方向の其々の搬送過程で印刷される。また、一連の工程で印刷が実行されるので、印刷過程で印刷媒体を印刷装置に配置し直す必要がない。従って、短い時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0016】
本発明の第四態様に係る印刷装置は、印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、前記印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出手段と、前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出手段によって抽出された第一要素画像を前記印刷媒体に印刷するために前記印刷手段を制御する第一印刷制御手段と、前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち、前記第一抽出手段によって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出手段と、前記第一印刷手段によって前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出手段によって抽出された第二要素画像を前記印刷媒体に印刷するために前記印刷手段を制御する第二印刷制御手段とを備えている。
【0017】
本発明の第四態様によれば、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体に印刷される。要素画像単位で印刷画像を分割することにより、複数回に分けた印刷画像同士のずれが目立たなくなるので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。印刷画像は、印刷装置における順方向及び逆方向の其々の搬送過程で印刷される。また、一連の工程で印刷が実行されるので、印刷過程で印刷媒体を印刷装置に配置し直す必要がない。従って、短い時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】印刷システム1の概要を示す図である。
【図2】印刷媒体35が順方向に搬送された場合に印刷される印刷画像を示す図である。
【図3】印刷媒体35が逆方向に搬送された場合に印刷される印刷画像を示す図である。
【図4】印刷制御装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】管理テーブル141を示す図である。
【図6】印刷装置3の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】メイン処理を示すフローチャートである。
【図8】メイン処理を示すフローチャートである。
【図9】サーチ処理を示すフローチャートである。
【図10】振り分け処理を示すフローチャートである。
【図11】サーチ処理及び振り分け処理を説明するための図である。
【図12】変形例において、印刷媒体35が順方向に搬送された場合に印刷される印刷画像を示す図である。
【図13】変形例において、印刷媒体35が逆方向に搬送された場合に印刷される印刷画像を示す図である。
【図14】変形例におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0020】
図1を参照し、印刷システム1の概要について説明する。印刷システム1は、印刷制御装置2及び印刷装置3を備えている。印刷制御装置2及び印刷装置3は、ケーブル34によって接続している。印刷制御装置2は、印刷画像の印刷を行うための印刷データを作成する。ユーザは、印刷制御装置2のキーボードやマウス(以下「入力部15」という。)を介して、印刷画像を編集することができる。印刷制御装置2は、作成された印刷データを、ケーブル34を介して印刷装置3に送信する。印刷制御装置2として、周知のPCが使用される。
【0021】
印刷装置3は、熱転写型の携帯用印刷装置である。印刷装置3は、ケーブル34を介して受信した印刷データに基づき、印刷媒体35に印刷画像を印刷できる。印刷装置3は、挿入口32及び排出口33を備えている。印刷装置3は、印刷媒体35を順方向(矢印36)と逆方向(矢印37)とに搬送できる。順方向は、印刷媒体35が挿入口32から排出口33に向かう方向である。逆方向は、印刷媒体35が排出口33から挿入口32に向かう方向である。印刷装置3は、印刷媒体35を順方向及び逆方向に搬送する過程の其々で、印刷画像を印刷媒体35に印刷できる。なお印刷装置3の印刷方式は熱転写方式に限定されず、他の方式であってもよい。また印刷装置3は携帯型に限定されず、据え置き型であってもよい。
【0022】
印刷装置3は、サーマルヘッド28(図6参照、後述)を内部に備えている。サーマルヘッド28は、印刷媒体35の搬送方向と直交する方向に複数の発熱抵抗体を並べた構造を有している。サーマルヘッド28の全長は、印刷媒体35の幅と略同一である。以下、印刷媒体35の搬送方向と直交する方向を「主走査方向」ともいう。印刷媒体35の搬送方向を「副走査方向」ともいう。印刷装置3は、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を発熱させる(以下「ONする」という。)ことで、主走査方向に一列分の画像を印刷する。主走査方向の印刷後、印刷媒体35は副走査方向に所定量搬送される。以上の処理が繰り返される。印刷媒体35に複数列分の画像が印刷されることで、印刷媒体35に印刷画像が印刷される。以下、主走査方向の印刷が実行されることを、単に「主走査」ともいう。
【0023】
印刷装置3における印刷方法について説明する。印刷装置3は、印刷制御装置2からの指示に基づき、以下の二種類の印刷方法のうちいずれかを選択して印刷画像の印刷を行うことができる。
(1)印刷画像は、印刷媒体35が順方向に搬送される過程で、印刷媒体35に印刷される。
(2)印刷画像は、印刷媒体35が順方向に搬送される過程と、印刷媒体35が逆方向に搬送される過程とに分けて印刷媒体35に印刷される。
【0024】
(1)の印刷方法について説明する。印刷制御装置2は、印刷画像を印刷するための印刷データを作成し、印刷装置3に対して送信する。印刷装置3は、印刷データを受信する。挿入口32に印刷媒体35がセットされる。印刷装置3は、挿入口32にセットされた印刷媒体35を順方向に搬送する。印刷装置3は、印刷媒体35を順方向に搬送する過程で、印刷画像の全てを印刷媒体35に印刷する。印刷装置3は、印刷画像が印刷された印刷媒体35を、排出口33から排出する。
【0025】
(2)の印刷方法について、図2及び図3を参照して説明する。印刷制御装置2は、印刷画像を二つに分割し、其々の画像の印刷データを印刷装置3に対して送信する。印刷装置3は、印刷データを受信する。挿入口32に印刷媒体35がセットされる。印刷装置3は、挿入口32にセットされた印刷媒体35を順方向に搬送する。印刷装置3は、印刷媒体35を順方向に搬送する過程で、一回目の印刷を行う。一回目の印刷時に印刷媒体35に印刷される印刷画像を「第一印刷画像」という。印刷装置3は、第一印刷画像が印刷された印刷媒体35を、排出口33から排出する。以下、印刷媒体35を順方向に搬送しながら行われる印刷を「順方向印刷」という。図2では、順方向印刷によって、第一印刷画像40が印刷媒体35に印刷されている。
【0026】
次に印刷装置3は、排出口33から排出された印刷媒体35を逆方向に搬送する。印刷装置3は、印刷媒体35を逆方向に搬送する過程で、二回目の印刷を行う。二回目の印刷時に印刷媒体35に印刷される印刷画像を「第二印刷画像」という。第二印刷画像は、一回目の印刷時に第一印刷画像が印刷された面に重ねて印刷される。印刷装置3は、第二印刷画像が印刷された印刷媒体35を、挿入口32から排出する。以下、印刷媒体35を逆方向に搬送しながら行われる印刷を「逆方向印刷」という。図3では、逆方向印刷によって、第一印刷画像40(図2参照)に第二印刷画像44が重ねて印刷されている。第一印刷画像40と第二印刷画像44とが重ねて印刷された結果、印刷媒体35上には元の印刷画像45が形成されている。
【0027】
(2)の印刷方法が選択された場合、印刷制御装置2は、印刷画像を第一印刷画像と第二印刷画像とに分割し、其々の印刷データを作成する。印刷画像を二つに分割する場合の方法について概説する。印刷制御装置2は、印刷画像を要素画像に分割して管理している。要素画像とは、類似する性質毎に画像を分類しグループ化したものである。例えば要素画像として、文字からなる文字画像、線画からなる線画画像、地紋模様からなる地紋画像等が挙げられる。また、例えば文字画像は、段組単位、段落単位、行単位、文字列単位、及び文字単位で其々異なる要素画像にグループ化される場合がある。例えば図3に示す印刷画像45は、文字画像41、42、及び43と、線画画像44とを含んでいる。文字画像41は、標題文字を示している。文字画像42は、第一段落の文字を示している。文字画像43は、第二段落の文字を示している。線画画像44は、文字画像41、42、及び43中に挿入された線画を示している。其々の要素画像(文字画像41、42、及び43、線画画像44)の配置は、互いに重複していない。
【0028】
印刷制御装置2は、第一印刷画像として割り当てる要素画像と、第二印刷画像として割り当てる要素画像とを、其々抽出する。例えば図2及び図3に示す例では、文字画像41、42、及び43が、第一印刷画像として抽出されている。線画画像44が第二印刷画像として抽出されている。印刷制御装置2は、第一印刷画像及び第二印刷画像を印刷装置3に印刷させるための印刷データを其々作成し、印刷装置3に送信する。印刷装置3は、図2に示すように、第一印刷画像として抽出された要素画像(文字画像41,42、及び43)を順方向印刷によって印刷媒体35に印刷する。また図3に示すように、印刷装置3は、第二印刷画像として抽出された要素画像(線画画像44)を逆方向印刷によって印刷媒体35に印刷する。第一印刷画像及び第二印刷画像は要素画像毎に構成されているので、双方が印刷媒体35の同一面上に重ねて印刷された場合でも、その境界部分のずれは目立たない。従って印刷装置3は、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体35に印刷できる。
【0029】
印刷制御装置2が(1)又は(2)のいずれの方法を選択するかは、以下の方法によって特定される。印刷装置3では、消費電力の制約上、サーマルヘッド28が備える複数の発熱抵抗体のうち同時にONできる発熱抵抗体の数が制限されている。従って、サーマルヘッド28が一回の主走査によって印刷を行う印刷画素の数が大きい場合、印刷装置3は、多数の発熱抵抗体を同時にONすることができないので、複数回に分けて発熱抵抗体をONする必要がある。印刷制御装置2では、上述のように、複数回に分けてサーマルヘッド28の発熱抵抗体をONする必要がある場合に、(2)の印刷方法を選択する。(2)の方法では、印刷画像は第一印刷画像と第二印刷画像とに分割されるので、サーマルヘッド28が一回の主走査によって印刷を行う印刷画素の数を少なくすることができる。このため印刷装置3は、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を一回の副走査で複数回に分けてONする必要がなくなるので、効率よく且つ短時間で印刷媒体35に印刷画像を印刷することができる。
【0030】
なお、印刷画像の印刷画素の数が小さく、一回の主走査時に発熱抵抗体を同時にONできる場合には、(1)の印刷方法が選択される。これによって、短時間で印刷画像を印刷媒体35に印刷することができる。
【0031】
なお上述では、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONしなければならないかどうかによって、印刷方法を選択していた。本発明はこれに限定されない。サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする場合の回数に応じて、印刷方法を選択してもよい。例えば、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を4回に分けてONする必要がある場合に、上述の(2)の方法が選択され、この回数が3回以下である場合には、(1)の方法が選択されてもよい。
【0032】
図4を参照し、印刷制御装置2の電気的構成について説明する。印刷制御装置2は、印刷制御装置2の制御を司るCPU11を備えている。CPU11は、ROM12、RAM13、ハードディスクドライブ(HDD)14、入力部15、出力部16、ドライブ装置17、及び通信部18と電気的に接続している。ROM12には、ブートプログラムやBIOS、OS等が記憶される。RAM13には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。HDD14には、CPU11の制御プログラム、印刷画像(要素画像)、及び、後述する管理テーブルが記憶される。管理テーブルは、印刷画像毎に要素画像を管理する。入力部15は、ユーザからの入力を受け付けるキーボードやマウスである。出力部16は、所望の画像を表示させるディスプレイである。ドライブ装置17は、記憶媒体171に記憶された情報を読み出すことができる。例えば、印刷制御装置2のセットアップ時、記憶媒体171に記憶された制御プログラムはドライブ装置17によって読み出され、HDD14に記憶される。通信部18は、ケーブル34を介して印刷装置3と通信を行う場合のタイミング制御を行う。
【0033】
図5を参照し、HDD14に記憶される管理テーブルの一例である、管理テーブル141について説明する。管理テーブル141は、印刷画像45(図3参照)に含まれる要素画像を管理する。管理テーブル141には、「名称」「属性」「領域」及び「印刷方向」が格納されている。「名称」は、要素画像の名称を示している。「属性」は、要素画像が「文字/線画/地紋」のいずれの性質を有しているかを示している。「領域」は、要素画像の配置を座標によって示している。「領域」として格納されている座標「x1,y1;x2,y2」のうち、(x1,y1)は、要素画像の領域のうち左上の点の座標を示している。(x2,y2)は、要素画像の領域のうち右下の点の座標を示している。「印刷方向」には、対応する要素画像が順方向印刷によって印刷される場合に「1」が格納され、逆方向印刷によって印刷される場合に「0」が格納される。
【0034】
図6を参照し、印刷装置3の電気的構成について説明する。印刷装置3は、印刷装置3の制御を司るCPU21を備えている。CPU21は、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、入力部25、通信部26、制御回路27、サーマルヘッド28、駆動回路29、モータ30、及びセンサ31を備えている。ROM22には、CPU21の制御プログラムやBIOS等が記憶される。RAM23には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。フラッシュメモリ24には、ケーブル34を介して印刷制御装置2から受信した印刷データが記憶される。入力部25は、ユーザからの入力を受け付ける押しボタンである。通信部26は、ケーブル34を介して印刷制御装置2と通信を行う場合のタイミング制御を行う。制御回路27は、熱転写方式によって印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッド28の駆動を制御できる。サーマルヘッド28は、主走査方向に複数の発熱抵抗体を並べた構造を有している。駆動回路29は、プラテンローラに接続したモータ30の駆動を制御できる。プラテンローラは、印刷媒体35を搬送する。センサ31は、挿入口32に印刷媒体がセットされているか否かを検出できる。
【0035】
図7から図10を参照し、印刷制御装置2のCPU11において実行されるメイン処理について説明する。メイン処理は、CPU11の電源が投入された場合に、CPU11において起動され実行される。メイン処理が起動されると、はじめに、印刷媒体35に印刷を行う印刷画像が、HDD14から読み出される。サーチ処理(図9参照)が実行される(S11)。サーチ処理では、印刷画像が印刷されることを想定した場合に、印刷方法として(1)(2)のうちどちらを選択するかが判断される。
【0036】
図9を参照し、サーチ処理について説明する。変数「Y」が定義される。変数「Y」は、図11に示すように、印刷画像45のうち副走査方向(y軸方向)の位置を特定するために使用される。図9に示すように、変数「Y」に「0」が代入され初期化される(S41)。変数「Y」に「1」が加算される(S43)。印刷媒体35の副走査方向(図11におけるy軸方向)への搬送回数であって、印刷装置3が印刷画像を全て印刷するために要する搬送回数(以下「副走査回数」という。)が特定される。例えば図11における「N」が、副走査回数に相当する。なお図11では、印刷装置3による印刷時に印刷媒体35が「s」ずつ副走査方向に搬送される場合を想定している。
【0037】
図9に示すように、変数「Y」が、特定された副走査回数よりも大きいかが判断される(S45)。変数「Y」が副走査回数以下である場合(S45:NO)、印刷媒体35が副走査方向にY回搬送された状態で、主走査により印刷される印刷画素の数が算出される(S47)。例えば図11における「y=Y」の位置で、サーマルヘッド28が主走査により印刷する印刷画素の数が算出される。
【0038】
図9に示すように、算出された印刷画素の数が所定値未満である場合(S49:NO)、該当する主走査時に、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要がないと判断される。この場合、印刷画像を分割する必要はない。処理はS43に戻る。変数「Y」は更新され(S43)処理が繰り返される。
【0039】
算出された印刷画素の数が所定値以上である場合(S49:YES)、印刷媒体35が副走査方向にY回搬送された状態で主走査が行われた場合、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要がある。この場合、印刷画像を第一印刷画像と第二印刷画像とに分割する必要があると判断される。印刷画像を分割する必要があることを示すフラグ変数「F」がONされる(S51)。サーチ処理は終了し、処理はメイン処理(図7参照)に戻る。
【0040】
一方、変数「Y」が更新されながら処理が繰り返され、変数「Y」が副走査回数よりも大きくなった場合(S45:YES)、印刷画像が印刷される全ての主走査過程で、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要がないことになる。この場合、印刷画像を第一印刷画像と第二印刷画像とに分割する必要はないと判断される。フラグ変数「F」がOFFされる(S53)。サーチ処理は終了し、処理はメイン処理(図7参照)に戻る。以上のサーチ処理を行うことで、一回の主走査時に発熱抵抗体を同時にONできない場合に、印刷画像を要素画像毎に分割できる。
【0041】
図7に示すように、サーチ処理(S11)の後、フラグ変数「F」がONされているかが判断される(S13)。フラグ変数「F」がOFFされている場合(S13:NO)、印刷画像を分割する必要はないので、(1)の印刷方法が選択される。印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S33)。作成された印刷データは、順方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S35)。メイン処理は終了する。印刷装置3は、受信した印刷データに基づいて、順方向に印刷媒体35を搬送しながら印刷画像を印刷する。
【0042】
サーチ処理(S11)の後、フラグ変数「F」がONされている場合(S13:YES)、印刷画像を第一印刷画像と第二印刷画像とに分割する必要があるので、(2)の印刷方法が選択される。印刷画像に含まれる要素画像を第一印刷画像及び第二印刷画像に振り分ける振り分け処理(図10参照)が実行される(S15)。
【0043】
図10を参照し、振り分け処理について説明する。変数「P」「X」「Y」が定義される。変数「P」は、順方向印刷及び逆方向印刷のいずれかを特定するために使用される。変数「X」は、図11に示すように、印刷画像45のうち主走査方向(x軸方向)の位置を特定するために使用される。
【0044】
変数「P」に「1」が代入され初期化される(S61)。変数「Y」に「0」が代入され初期化される(S63)。変数「Y」に「1」が加算される(S65)。変数「Y」が、副走査回数よりも大きいかが判断される(S67)。変数「Y」が副走査回数以下である場合(S67:NO)、変数「X」に「0」が代入され初期化される(S69)。変数「X」に「1」が加算される(S71)。印刷装置3が備えるサーマルヘッド28のうち、主走査方向に並んだ発熱抵抗体の数(以下「抵抗体数」という。)が特定される。例えば図11における「M」が、抵抗体数に相当する。なお図11では、サーマルヘッド28の発熱抵抗体間の距離が「t」である場合を想定している。
【0045】
図10に示すように、変数「X」が、特定された抵抗体数よりも大きいかが判断される(S73)。変数「X」が抵抗体数よりも大きい場合(S73:YES)、処理はS65に戻る。変数「Y」が更新され、処理が繰り返される。変数「X」が抵抗体数以下である場合(S73:NO)、印刷媒体35が副走査方向にY回搬送された状態で、サーマルヘッド28におけるX番目の発熱抵抗体の位置に、要素画像が配置しているかが判断される(S75)。例えば図11における「y=Y、x=X」の位置46に、要素画像が配置しているかが判断される。要素画像が配置しているか否かは、HDD14に記憶された管理テーブルの「領域」を参照することで判断される。図10に示すように、該当する位置に要素画像が配置していない場合(S75:NO)、処理はS71に戻る。変数「X」は更新され(S71)、処理は繰り返される。
【0046】
印刷媒体35が副走査方向にY回搬送された状態で、サーマルヘッド28におけるX番目の発熱抵抗体の位置に、要素画像が配置している場合(S75:YES)、管理テーブルのうち、該当する位置に配置する要素画像に対応付けられた「印刷方向」の情報が参照される。管理テーブルの「印刷方向」に何らかの情報が格納されているかが判断される(S77)。管理テーブルの「印刷方向」に情報が格納されていない場合(S77:NO)、変数「P」に格納された値が読み出され、管理テーブルの「印刷方向」に格納される(S79)。変数「P」が「1」である場合、「0」が新たに代入され、変数「P」が「0」である場合、「1」が新たに代入される。これによって、変数「P」が反転される(S81)。処理はS71に戻る。一方、管理テーブルの「印刷情報」に情報が格納されている場合(S77:YES)、格納されている値を反転した値を変数「P」に代入する(S83)。処理はS71に戻る。
【0047】
例えば図11において、「y=Y」の位置で変数「X」が順次更新されたとする。サーマルヘッド28におけるX番目の発熱抵抗体の位置に文字画像43が配置している場合(S75:YES)、管理テーブルのうち文字画像43に対応する「印刷方向」に情報が格納されていない場合には(S77:NO)、変数「P」(=1)が印刷方向に格納される(S79)。変数「P」は反転される(=0)。変数「X」が更新される。X番目の発熱抵抗体の位置に文字画像43が継続して配置している状態では(S75:YES)、既に文字画像43に対応する「印刷方向」には情報「1」が格納されているので(S77:YES)、既に「印刷方向」に格納された情報「1」を反転した値(=0)が変数「P」に繰り返し代入される(S83)。変数「X」が更新され、X番目の発熱抵抗体の位置に線画画像44が配置する状態になる(S75:YES)。管理テーブルのうち線画画像44に対応する「印刷方向」に情報が格納されていない場合には(S77:NO)、変数「P」(=0)が印刷方向に格納される(S79)。変数「P」は反転される(=1)。変数「X」が更新される。X番目の発熱抵抗体の位置に線画画像44が継続して配置している状態では(S75:YES)、既に線画画像44に対応する「印刷方向」には情報「0」が格納されているので(S77:YES)、既に「印刷方向」に格納された情報「0」を反転した値(=1)が変数「P」に繰り返し代入される(S83)。以上の処理が繰り返されることで、主走査方向に複数の要素画像が並んで配置されている場合に、異なる印刷条件(順方向印刷又は逆方向印刷)が其々割り当てられる。
【0048】
図10に示すように、上述の処理が、変数「X」「Y」が更新されながら繰り返され、変数「Y」が副走査回数よりも大きくなった場合(S67:YES)、振り分け処理は終了し、処理はメイン処理(図7参照)に戻る。
【0049】
以上の振り分け処理を行うことで、一回の主走査によって印刷される印刷画像中に要素画像が複数ある場合、即ち、主走査方向に複数の要素画像が並んで配置されている場合に、これらの要素画像を複数回に分けて印刷できる。これによって、一回の主走査によって印刷される印刷画素の数を抑制できるので、印刷装置3における印刷時の消費電力のピーク値を小さくできる。
【0050】
図7に示すように、振り分け処理(S15)の後、HDD14に記憶された管理テーブルが参照される。「印刷方向」に「1」(順方向印刷)が格納されている要素画像が全て抽出される(S17)。抽出された要素画像を組み合わせた印刷画像が、第一印刷画像に相当する。第一印刷画像を対象として、サーチ処理が実行される(S19)。サーチ処理(図9参照)では、第一印刷画像が印刷されることを想定した場合に、印刷方法として(1)(2)のうちいずれが選択されるかが判断される。サーチ処理の詳細は省略する。
【0051】
サーチ処理(S19)の後、フラグ変数「F」がONされているかが判断される(S21)。フラグ変数「F」がONされている場合(S21:YES)、第一印刷画像が印刷される場合も、印刷画像が印刷される場合と同様、(2)の印刷方法が選択されたことになる。この場合、印刷画像から第一印刷画像を分割して印刷が行われても、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要があるということになる。従って、(2)の方法は選択せず、(1)の方法を選択して印刷が行われる。元の印刷画像を印刷するための印刷データが作成され(S33)、順方向印刷の指示と共に印刷装置3に送信される(S35)。メイン処理は終了する。
【0052】
サーチ処理(S19)の後、フラグ変数「F」がOFFされている場合(S21:NO)、第一印刷画像が印刷される場合に(1)の印刷方法が選択されることになる。従って、印刷画像から第一印刷画像を分割して印刷を行うことによって、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要がなくなることになる。次いで、HDD14に記憶された管理テーブルが参照される。「印刷方向」に「0」(逆方向印刷)が格納されている要素画像が全て抽出される(S23)。抽出された要素画像を組み合わせた印刷画像が第二印刷画像に相当する。第二印刷画像を対象として、サーチ処理が実行される(S25)。サーチ処理(図9参照)では、第二印刷画像が印刷装置3において印刷されることを想定した場合に、印刷方法として(1)(2)のうちいずれが選択されるかが判断される。サーチ処理の詳細は省略する。
【0053】
サーチ処理(S25)の後、フラグ変数「F」がONされているかが判断される(S27)。フラグ変数「F」がONされている場合(S27:YES)、第二印刷画像が印刷される場合も、印刷画像が印刷される場合と同様、(2)の印刷方法が選択されたことになる。この場合、印刷画像から第二印刷画像を分割して印刷が行われても、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要があると言うことになる。従って、(2)の方法は選択せず、(1)の方法を選択して印刷が行われる。元の印刷画像を印刷するための印刷データが作成され(S33)、順方向印刷の指示と共に印刷装置3に送信される(S35)。メイン処理は終了する。
【0054】
サーチ処理(S25)の後、フラグ変数「F」がOFFされている場合(S27:NO)、第二印刷画像が印刷される場合に(1)の印刷方法が選択されたことになる。従って、印刷画像から第二印刷画像を分割して印刷を行うことによって、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要がなくなるということになる。図8に示すように、S17(図7参照)で抽出された要素画像に基づいて、第一印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S29)。S23(図7参照)で抽出された要素画像に基づいて、第二印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S31)。第一印刷画像を印刷するための印刷データは、順方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S37)。第二印刷画像を印刷するための印刷データは、逆方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S39)。メイン処理は終了する。印刷装置3は、受信した印刷データに基づいて、はじめに順方向に印刷媒体35を搬送しつつ第一印刷画像を印刷し、次いで、逆方向に印刷媒体35を搬送しつつ第二印刷画像を印刷する。
【0055】
以上説明したように、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体35に印刷される。要素画像単位で印刷画像を分割することにより、複数回に分けて印刷を行った場合のずれは目立たなくなる。特に要素画像が、文字画像と線画画像とからなる場合、双方は互いに重複しない位置関係に配置している。従って、印刷装置3は、印刷画像を複数回に分けて印刷した場合でも、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体上に形成させることができる。
【0056】
印刷画像が分割されて印刷される場合、印刷装置3における順方向及び逆方向の其々の搬送過程で、第一印刷画像と第二印刷画像とは印刷される。一連の工程で印刷が実行されるので、印刷過程で印刷媒体35を印刷装置3に配置し直す必要がない。従って、短い時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0057】
なお、図4のHDD14が本発明の「記憶手段」に相当する。図7のS17の処理を行うCPU11が本発明の「第一抽出手段」に相当し、S23の処理を行うCPU11が本発明の「第二抽出手段」に相当する。図7のS17の処理で抽出された要素画像が「第一要素画像」に相当し、S23の処理で抽出された要素画像が「第二要素画像」に相当する。図8のS37の処理を行うCPU11が本発明の「第一指示手段」に相当し、S39の処理を行うCPU11が本発明の「第二指示手段」に相当する。図7のS15の処理を行うCPU11が本発明の「判断手段」に相当する。図9のS47の処理を行うCPU11が本発明の「特定手段」に相当する。図7のS17の処理が本発明の「第一抽出ステップ」に相当し、S23の処理が本発明の「第二抽出ステップ」に相当する。図8のS37の処理が本発明の「第一指示ステップ」に相当し、S39の処理が本発明の「第二指示ステップ」に相当する。
【0058】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、種々の変更が可能である。上述では、印刷制御装置2によって作成された印刷データに基づいて、印刷装置3が印刷を行うことで、印刷画像が印刷媒体35に印刷されていた。本発明はこれに限定されない。印刷装置3自体が印刷データを作成し、且つ印刷媒体35に印刷を行ってもよい。印刷装置3のCPU21は、メイン処理(図7及び図8参照)を実行することで、印刷データを作成し、且つ印刷媒体35に印刷画像を印刷できる。
【0059】
図7を参照し、印刷装置3のCPU21においてメイン処理が実行される場合について説明する。メイン処理は、CPU21に電源が投入された場合に、CPU21によって起動され実行される。メイン処理が起動されると、フラッシュメモリ24に記憶された印刷画像が読み出される。印刷画像、第一印刷画像、及び第二印刷画像が(1)(2)のうちいずれの印刷方法によって印刷されるかが判断される(S13、S21、S27)。(1)の印刷方法が選択された場合(S13:NO、S21:YES、S27:YES)、印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S33)。順方向に印刷媒体35が搬送されるように、モータ30が制御される。作成された印刷データに基づいて、サーマルヘッド28が制御される。順方向に印刷媒体35が搬送される過程で、印刷画像が印刷媒体35に印刷される(S35)。メイン処理は終了する。
【0060】
一方、(2)の印刷方法が選択された場合(S13:YES、S21:NO、S27:NO)、図8に示すように、S17(図7参照)で抽出された要素画像に基づいて、第一印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S29)。S23(図7参照)で抽出された要素画像に基づいて、第二印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S31)。順方向に印刷媒体35を搬送するように、モータ30が制御される。作成された印刷データに基づいて、サーマルヘッド28が制御される。順方向に印刷媒体35が搬送される過程で、第一印刷画像が印刷媒体35に印刷される(S37)。次に、逆方向に印刷媒体35を搬送するように、モータ30が制御される。作成された印刷データに基づいて、サーマルヘッド28が制御される。逆方向に印刷媒体35が搬送される過程で、第二印刷画像が印刷媒体35に印刷される(S39)。メイン処理は終了する。以上説明したように、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体35に印刷されるので、印刷画像同士のずれは目立たなくなる。印刷装置3は、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体上に形成させることができる。さらに印刷装置3は、印刷装置3自身が印刷データを作成することで、印刷制御装置2が不要となる。
【0061】
なお、図6のサーマルヘッド28及びモータ30が本発明の「印刷手段」に相当し、フラッシュメモリ24が本発明の「記憶手段」に相当する。図7のS17の処理を行うCPU21が本発明の「第一抽出手段」に相当し、S23の処理を行うCPU21が本発明の「第二抽出手段」に相当する。図8のS37の処理を行うCPU21が本発明の「第一印刷制御手段」に相当し、S39の処理を行うCPU21が本発明の「第二印刷制御手段」に相当する。
【0062】
上述では、印刷画像を構成する要素画像として、文字画像及び線画画像が挙げられていた。本発明はこれに限定されない。要素画像として地紋画像が含まれていてもよい。以下、要素画像に地紋画像が含まれている場合の変形例について説明する。
【0063】
図12及び図13を参照し、要素画像に地紋画像が含まれている場合の印刷画像について説明する。印刷制御装置2は、印刷画像を構成する要素画像に地紋画像が含まれている場合、地紋画像と、この地紋画像上に重複して配置される要素画像(以下「重複画像」という。)とに印刷画像を分割する。図12に示すように、順方向印刷時、地紋画像51のみが、第一印刷画像として印刷媒体35に印刷される。図13に示すように、逆方向印刷時、地紋画像51上に重複して配置される文字画像からなる重複画像52が、第二印刷画像として印刷されている。重複画像52は、順方向印刷時に地紋画像51が印刷された印刷媒体35に重ねて印刷されている。地紋画像51と重複画像52とが重ねて印刷された結果、印刷媒体35上には元の印刷画像53が形成されている。
【0064】
図14を参照し、変形例におけるメイン処理について説明する。メイン処理が起動されると、はじめに、サーチ処理(図9参照)が実行される(S91)。サーチ処理では、印刷画像(地紋画像+重複画像)が印刷されることを想定した場合に、印刷方法として(1)(2)のうちどちらを選択するかが判断される。サーチ処理の説明は省略する。サーチ処理の後、フラグ変数「F」がONされているかが判断される(S93)。フラグ変数「F」がOFFされている場合(S93:NO)、印刷画像を地紋画像と重複画像とに分割する必要はないので、(1)の印刷方法が選択される。印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S103)。作成された印刷データは、順方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S105)。メイン処理は終了する。印刷装置3は、受信した印刷データに基づいて、順方向に印刷媒体35を搬送しながら印刷画像を印刷する。
【0065】
サーチ処理(S91)の後、フラグ変数「F」がONされている場合(S93:YES)、印刷画像を第一印刷画像と第二印刷画像とに分割する必要があるので、(2)の印刷方法が選択される。第一印刷画像として、地紋画像が抽出される(S95)。抽出された地紋画像に基づいて印刷データが作成される(S96)。第二印刷画像として、重複画像が抽出される(S97)。抽出された重複画像に基づいて印刷データが作成される(S98)。
【0066】
地紋画像を印刷するための印刷データは、順方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S99)。重複画像を印刷するための印刷データは、逆方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S101)。メイン処理は終了する。印刷装置3は、受信した印刷データに基づいて、はじめに順方向に印刷媒体35を搬送しつつ地紋画像を印刷し、次いで、逆方向に印刷媒体35を搬送しつつ重複画像を印刷する。
【0067】
以上説明したように、変形例では、地紋画像と重複画像とを、別々の印刷工程(順方向印刷及び逆方向印刷)で印刷できる。地紋画像と重複画像とのずれは目立ち難いので、双方が異なる印刷工程で印刷された場合であっても、印刷装置3は、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体35に印刷できる。
【0068】
なお上述では、第一印刷画像として地紋画像が抽出され、第二印刷画像として重複画像が抽出されていた。本発明はこれに限定されない。第一印刷画像として重複画像が抽出され、第二印刷画像として地紋画像が印刷されてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 印刷システム
2 印刷制御装置
3 印刷装置
14 HDD
28 サーマルヘッド
30 モータ
35 印刷媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、一の印刷画像を複数回に分けて印刷するために印刷装置を制御する印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、一の印刷画像を複数回に分けて印刷できる印刷装置が提案されている。例えば特許文献1に記載された、熱転写方式の印刷装置では、はじめに、印刷画像のうち、主走査方向を上下方向とした場合の上側半分を印字するための印刷データが作成される。上側半分の印刷画像は、順方向へ記録紙を搬送させながら印刷される。次いで、下側半分を印刷するための印刷データが作成される。下側半分の印刷画像は、逆方向へ記録紙を搬送させながら印刷される。これによって、サーマルヘッドを構成する発熱抵抗体のうち、同時にONしなければならない発熱抵抗体の数を抑制できるので、印刷装置における消費電力のピーク値を小さくできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−314393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の装置では、記録紙を搬送する場合の搬送精度が悪い場合、上側半分の印刷画像と下側半分の印刷画像とがずれてしまうので、印刷画像の品質が悪くなってしまうという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、一の印刷画像を複数回に分けて印刷を行った場合でも、高品質な印刷画像の印刷が行われるように印刷装置を制御する印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム、及び、印刷画像を印刷する印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る印刷制御装置は、印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出手段と、前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出手段によって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示手段と、前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち、前記第一抽出手段によって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出手段と、前記第一指示手段による指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出手段によって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示手段とを備えている。
【0007】
本発明の第一態様によれば、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体に印刷される。要素画像単位で印刷画像を分割することにより、複数回に分けた印刷画像同士のずれが目立たなくなるので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。印刷画像は、印刷装置における順方向及び逆方向の其々の搬送過程で印刷される。また、一連の工程で印刷が実行されるので、印刷過程で印刷媒体を印刷装置に配置し直す必要がない。従って、短い時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0008】
また、第一態様において、前記記憶手段には、互いに重複しない位置関係にある前記要素画像が記憶されており、前記印刷装置による一回の主走査によって印刷される印刷画像中に、複数の前記要素画像が含まれるか判断する判断手段を備え、前記第一抽出手段は、前記判断手段において、複数の前記要素画像が含まれると判断された場合に、前記複数の要素画像のうち少なくとも一つを、前記第一要素画像として抽出してもよい。互いに重複しない位置関係にある要素画像毎に複数回に分けて印刷するので、よりズレの目立たない高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。また、一回の主走査によって印刷される印刷画像中に、要素画像が複数配置されている場合、これらの要素画像を複数回に分けて印刷する。これによって、一回の主走査によって印刷される印刷画素の数を抑制できるので、印刷時の消費電力のピーク値を小さくできる。
【0009】
また、第一態様において、前記印刷装置による一回の主走査によって前記印刷画像が印刷される場合の印刷画素の数を特定する特定する特定手段を備え、前記第一抽出手段は、前記特定手段において特定された前記印刷画素の数が所定以上である場合に、前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出してもよい。一回の主走査によって印刷可能な印刷画素の数に制限があり、複数回に分けて一回の主走査を行う必要がある場合に、印刷画像を要素画像毎に分割して印刷を行うことができる。これによって、主走査に要する時間を短縮できるので、より短時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0010】
また、第一態様において、前記記憶手段は、文字によって構成される文字画像と、線画によって構成される線画画像とに前記印刷画像を分割した前記要素画像を記憶してもよい。文字画像と線画画像とを、別々の印刷工程で印刷できる。文字画像と線画画像とのずれは目立ち難いので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0011】
また、第一態様において、前記記憶手段には、地紋画像と、前記地紋画像に重ねて表示される重複画像とが前記要素画像として其々記憶されており、前記第一抽出手段は、前記地紋画像又は前記重複画像を前記第一要素画像として抽出し、前記第二抽出手段は、前記地紋画像及び前記重複画像のうち、前記第一抽出手段において抽出されていない画像を前記第二要素画像として抽出してもよい。地紋画像と重複画像とを、別々の印刷工程で印刷できる。地紋画像と重複画像とのずれは目立ち難いので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0012】
また、本発明の第二態様に係る印刷制御方法は、印刷装置における印刷処理を制御する印刷制御装置において実行される印刷制御方法であって、前記印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出ステップと、前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出ステップによって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示ステップと、前記要素画像のうち、前記第一抽出ステップによって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出ステップと、前記第一指示ステップによる指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出ステップによって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示ステップとを備えている。
【0013】
本発明の第二態様によれば、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体に印刷される。要素画像単位で印刷画像を分割することにより、複数回に分けた印刷画像同士のずれが目立たなくなるので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。印刷画像は、印刷装置における順方向及び逆方向の其々の搬送過程で印刷される。また、一連の工程で印刷が実行されるので、印刷過程で印刷媒体を印刷装置に配置し直す必要がない。従って、短い時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0014】
本発明の第三態様に係る印刷制御プログラムは、印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出ステップと、前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出ステップによって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示ステップと、前記要素画像のうち、前記第一抽出ステップによって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出ステップと、前記第一指示ステップによる指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出ステップによって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示ステップとをコンピュータに実行させる。
【0015】
本発明の第三態様によれば、印刷制御プログラムをコンピュータに実行させることにより、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体に印刷される。要素画像単位で印刷画像を分割することにより、複数回に分けた印刷画像同士のずれが目立たなくなるので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。印刷画像は、印刷装置における順方向及び逆方向の其々の搬送過程で印刷される。また、一連の工程で印刷が実行されるので、印刷過程で印刷媒体を印刷装置に配置し直す必要がない。従って、短い時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0016】
本発明の第四態様に係る印刷装置は、印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、前記印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出手段と、前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出手段によって抽出された第一要素画像を前記印刷媒体に印刷するために前記印刷手段を制御する第一印刷制御手段と、前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち、前記第一抽出手段によって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出手段と、前記第一印刷手段によって前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出手段によって抽出された第二要素画像を前記印刷媒体に印刷するために前記印刷手段を制御する第二印刷制御手段とを備えている。
【0017】
本発明の第四態様によれば、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体に印刷される。要素画像単位で印刷画像を分割することにより、複数回に分けた印刷画像同士のずれが目立たなくなるので、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体に印刷できる。印刷画像は、印刷装置における順方向及び逆方向の其々の搬送過程で印刷される。また、一連の工程で印刷が実行されるので、印刷過程で印刷媒体を印刷装置に配置し直す必要がない。従って、短い時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】印刷システム1の概要を示す図である。
【図2】印刷媒体35が順方向に搬送された場合に印刷される印刷画像を示す図である。
【図3】印刷媒体35が逆方向に搬送された場合に印刷される印刷画像を示す図である。
【図4】印刷制御装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】管理テーブル141を示す図である。
【図6】印刷装置3の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】メイン処理を示すフローチャートである。
【図8】メイン処理を示すフローチャートである。
【図9】サーチ処理を示すフローチャートである。
【図10】振り分け処理を示すフローチャートである。
【図11】サーチ処理及び振り分け処理を説明するための図である。
【図12】変形例において、印刷媒体35が順方向に搬送された場合に印刷される印刷画像を示す図である。
【図13】変形例において、印刷媒体35が逆方向に搬送された場合に印刷される印刷画像を示す図である。
【図14】変形例におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0020】
図1を参照し、印刷システム1の概要について説明する。印刷システム1は、印刷制御装置2及び印刷装置3を備えている。印刷制御装置2及び印刷装置3は、ケーブル34によって接続している。印刷制御装置2は、印刷画像の印刷を行うための印刷データを作成する。ユーザは、印刷制御装置2のキーボードやマウス(以下「入力部15」という。)を介して、印刷画像を編集することができる。印刷制御装置2は、作成された印刷データを、ケーブル34を介して印刷装置3に送信する。印刷制御装置2として、周知のPCが使用される。
【0021】
印刷装置3は、熱転写型の携帯用印刷装置である。印刷装置3は、ケーブル34を介して受信した印刷データに基づき、印刷媒体35に印刷画像を印刷できる。印刷装置3は、挿入口32及び排出口33を備えている。印刷装置3は、印刷媒体35を順方向(矢印36)と逆方向(矢印37)とに搬送できる。順方向は、印刷媒体35が挿入口32から排出口33に向かう方向である。逆方向は、印刷媒体35が排出口33から挿入口32に向かう方向である。印刷装置3は、印刷媒体35を順方向及び逆方向に搬送する過程の其々で、印刷画像を印刷媒体35に印刷できる。なお印刷装置3の印刷方式は熱転写方式に限定されず、他の方式であってもよい。また印刷装置3は携帯型に限定されず、据え置き型であってもよい。
【0022】
印刷装置3は、サーマルヘッド28(図6参照、後述)を内部に備えている。サーマルヘッド28は、印刷媒体35の搬送方向と直交する方向に複数の発熱抵抗体を並べた構造を有している。サーマルヘッド28の全長は、印刷媒体35の幅と略同一である。以下、印刷媒体35の搬送方向と直交する方向を「主走査方向」ともいう。印刷媒体35の搬送方向を「副走査方向」ともいう。印刷装置3は、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を発熱させる(以下「ONする」という。)ことで、主走査方向に一列分の画像を印刷する。主走査方向の印刷後、印刷媒体35は副走査方向に所定量搬送される。以上の処理が繰り返される。印刷媒体35に複数列分の画像が印刷されることで、印刷媒体35に印刷画像が印刷される。以下、主走査方向の印刷が実行されることを、単に「主走査」ともいう。
【0023】
印刷装置3における印刷方法について説明する。印刷装置3は、印刷制御装置2からの指示に基づき、以下の二種類の印刷方法のうちいずれかを選択して印刷画像の印刷を行うことができる。
(1)印刷画像は、印刷媒体35が順方向に搬送される過程で、印刷媒体35に印刷される。
(2)印刷画像は、印刷媒体35が順方向に搬送される過程と、印刷媒体35が逆方向に搬送される過程とに分けて印刷媒体35に印刷される。
【0024】
(1)の印刷方法について説明する。印刷制御装置2は、印刷画像を印刷するための印刷データを作成し、印刷装置3に対して送信する。印刷装置3は、印刷データを受信する。挿入口32に印刷媒体35がセットされる。印刷装置3は、挿入口32にセットされた印刷媒体35を順方向に搬送する。印刷装置3は、印刷媒体35を順方向に搬送する過程で、印刷画像の全てを印刷媒体35に印刷する。印刷装置3は、印刷画像が印刷された印刷媒体35を、排出口33から排出する。
【0025】
(2)の印刷方法について、図2及び図3を参照して説明する。印刷制御装置2は、印刷画像を二つに分割し、其々の画像の印刷データを印刷装置3に対して送信する。印刷装置3は、印刷データを受信する。挿入口32に印刷媒体35がセットされる。印刷装置3は、挿入口32にセットされた印刷媒体35を順方向に搬送する。印刷装置3は、印刷媒体35を順方向に搬送する過程で、一回目の印刷を行う。一回目の印刷時に印刷媒体35に印刷される印刷画像を「第一印刷画像」という。印刷装置3は、第一印刷画像が印刷された印刷媒体35を、排出口33から排出する。以下、印刷媒体35を順方向に搬送しながら行われる印刷を「順方向印刷」という。図2では、順方向印刷によって、第一印刷画像40が印刷媒体35に印刷されている。
【0026】
次に印刷装置3は、排出口33から排出された印刷媒体35を逆方向に搬送する。印刷装置3は、印刷媒体35を逆方向に搬送する過程で、二回目の印刷を行う。二回目の印刷時に印刷媒体35に印刷される印刷画像を「第二印刷画像」という。第二印刷画像は、一回目の印刷時に第一印刷画像が印刷された面に重ねて印刷される。印刷装置3は、第二印刷画像が印刷された印刷媒体35を、挿入口32から排出する。以下、印刷媒体35を逆方向に搬送しながら行われる印刷を「逆方向印刷」という。図3では、逆方向印刷によって、第一印刷画像40(図2参照)に第二印刷画像44が重ねて印刷されている。第一印刷画像40と第二印刷画像44とが重ねて印刷された結果、印刷媒体35上には元の印刷画像45が形成されている。
【0027】
(2)の印刷方法が選択された場合、印刷制御装置2は、印刷画像を第一印刷画像と第二印刷画像とに分割し、其々の印刷データを作成する。印刷画像を二つに分割する場合の方法について概説する。印刷制御装置2は、印刷画像を要素画像に分割して管理している。要素画像とは、類似する性質毎に画像を分類しグループ化したものである。例えば要素画像として、文字からなる文字画像、線画からなる線画画像、地紋模様からなる地紋画像等が挙げられる。また、例えば文字画像は、段組単位、段落単位、行単位、文字列単位、及び文字単位で其々異なる要素画像にグループ化される場合がある。例えば図3に示す印刷画像45は、文字画像41、42、及び43と、線画画像44とを含んでいる。文字画像41は、標題文字を示している。文字画像42は、第一段落の文字を示している。文字画像43は、第二段落の文字を示している。線画画像44は、文字画像41、42、及び43中に挿入された線画を示している。其々の要素画像(文字画像41、42、及び43、線画画像44)の配置は、互いに重複していない。
【0028】
印刷制御装置2は、第一印刷画像として割り当てる要素画像と、第二印刷画像として割り当てる要素画像とを、其々抽出する。例えば図2及び図3に示す例では、文字画像41、42、及び43が、第一印刷画像として抽出されている。線画画像44が第二印刷画像として抽出されている。印刷制御装置2は、第一印刷画像及び第二印刷画像を印刷装置3に印刷させるための印刷データを其々作成し、印刷装置3に送信する。印刷装置3は、図2に示すように、第一印刷画像として抽出された要素画像(文字画像41,42、及び43)を順方向印刷によって印刷媒体35に印刷する。また図3に示すように、印刷装置3は、第二印刷画像として抽出された要素画像(線画画像44)を逆方向印刷によって印刷媒体35に印刷する。第一印刷画像及び第二印刷画像は要素画像毎に構成されているので、双方が印刷媒体35の同一面上に重ねて印刷された場合でも、その境界部分のずれは目立たない。従って印刷装置3は、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体35に印刷できる。
【0029】
印刷制御装置2が(1)又は(2)のいずれの方法を選択するかは、以下の方法によって特定される。印刷装置3では、消費電力の制約上、サーマルヘッド28が備える複数の発熱抵抗体のうち同時にONできる発熱抵抗体の数が制限されている。従って、サーマルヘッド28が一回の主走査によって印刷を行う印刷画素の数が大きい場合、印刷装置3は、多数の発熱抵抗体を同時にONすることができないので、複数回に分けて発熱抵抗体をONする必要がある。印刷制御装置2では、上述のように、複数回に分けてサーマルヘッド28の発熱抵抗体をONする必要がある場合に、(2)の印刷方法を選択する。(2)の方法では、印刷画像は第一印刷画像と第二印刷画像とに分割されるので、サーマルヘッド28が一回の主走査によって印刷を行う印刷画素の数を少なくすることができる。このため印刷装置3は、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を一回の副走査で複数回に分けてONする必要がなくなるので、効率よく且つ短時間で印刷媒体35に印刷画像を印刷することができる。
【0030】
なお、印刷画像の印刷画素の数が小さく、一回の主走査時に発熱抵抗体を同時にONできる場合には、(1)の印刷方法が選択される。これによって、短時間で印刷画像を印刷媒体35に印刷することができる。
【0031】
なお上述では、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONしなければならないかどうかによって、印刷方法を選択していた。本発明はこれに限定されない。サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする場合の回数に応じて、印刷方法を選択してもよい。例えば、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を4回に分けてONする必要がある場合に、上述の(2)の方法が選択され、この回数が3回以下である場合には、(1)の方法が選択されてもよい。
【0032】
図4を参照し、印刷制御装置2の電気的構成について説明する。印刷制御装置2は、印刷制御装置2の制御を司るCPU11を備えている。CPU11は、ROM12、RAM13、ハードディスクドライブ(HDD)14、入力部15、出力部16、ドライブ装置17、及び通信部18と電気的に接続している。ROM12には、ブートプログラムやBIOS、OS等が記憶される。RAM13には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。HDD14には、CPU11の制御プログラム、印刷画像(要素画像)、及び、後述する管理テーブルが記憶される。管理テーブルは、印刷画像毎に要素画像を管理する。入力部15は、ユーザからの入力を受け付けるキーボードやマウスである。出力部16は、所望の画像を表示させるディスプレイである。ドライブ装置17は、記憶媒体171に記憶された情報を読み出すことができる。例えば、印刷制御装置2のセットアップ時、記憶媒体171に記憶された制御プログラムはドライブ装置17によって読み出され、HDD14に記憶される。通信部18は、ケーブル34を介して印刷装置3と通信を行う場合のタイミング制御を行う。
【0033】
図5を参照し、HDD14に記憶される管理テーブルの一例である、管理テーブル141について説明する。管理テーブル141は、印刷画像45(図3参照)に含まれる要素画像を管理する。管理テーブル141には、「名称」「属性」「領域」及び「印刷方向」が格納されている。「名称」は、要素画像の名称を示している。「属性」は、要素画像が「文字/線画/地紋」のいずれの性質を有しているかを示している。「領域」は、要素画像の配置を座標によって示している。「領域」として格納されている座標「x1,y1;x2,y2」のうち、(x1,y1)は、要素画像の領域のうち左上の点の座標を示している。(x2,y2)は、要素画像の領域のうち右下の点の座標を示している。「印刷方向」には、対応する要素画像が順方向印刷によって印刷される場合に「1」が格納され、逆方向印刷によって印刷される場合に「0」が格納される。
【0034】
図6を参照し、印刷装置3の電気的構成について説明する。印刷装置3は、印刷装置3の制御を司るCPU21を備えている。CPU21は、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、入力部25、通信部26、制御回路27、サーマルヘッド28、駆動回路29、モータ30、及びセンサ31を備えている。ROM22には、CPU21の制御プログラムやBIOS等が記憶される。RAM23には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。フラッシュメモリ24には、ケーブル34を介して印刷制御装置2から受信した印刷データが記憶される。入力部25は、ユーザからの入力を受け付ける押しボタンである。通信部26は、ケーブル34を介して印刷制御装置2と通信を行う場合のタイミング制御を行う。制御回路27は、熱転写方式によって印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッド28の駆動を制御できる。サーマルヘッド28は、主走査方向に複数の発熱抵抗体を並べた構造を有している。駆動回路29は、プラテンローラに接続したモータ30の駆動を制御できる。プラテンローラは、印刷媒体35を搬送する。センサ31は、挿入口32に印刷媒体がセットされているか否かを検出できる。
【0035】
図7から図10を参照し、印刷制御装置2のCPU11において実行されるメイン処理について説明する。メイン処理は、CPU11の電源が投入された場合に、CPU11において起動され実行される。メイン処理が起動されると、はじめに、印刷媒体35に印刷を行う印刷画像が、HDD14から読み出される。サーチ処理(図9参照)が実行される(S11)。サーチ処理では、印刷画像が印刷されることを想定した場合に、印刷方法として(1)(2)のうちどちらを選択するかが判断される。
【0036】
図9を参照し、サーチ処理について説明する。変数「Y」が定義される。変数「Y」は、図11に示すように、印刷画像45のうち副走査方向(y軸方向)の位置を特定するために使用される。図9に示すように、変数「Y」に「0」が代入され初期化される(S41)。変数「Y」に「1」が加算される(S43)。印刷媒体35の副走査方向(図11におけるy軸方向)への搬送回数であって、印刷装置3が印刷画像を全て印刷するために要する搬送回数(以下「副走査回数」という。)が特定される。例えば図11における「N」が、副走査回数に相当する。なお図11では、印刷装置3による印刷時に印刷媒体35が「s」ずつ副走査方向に搬送される場合を想定している。
【0037】
図9に示すように、変数「Y」が、特定された副走査回数よりも大きいかが判断される(S45)。変数「Y」が副走査回数以下である場合(S45:NO)、印刷媒体35が副走査方向にY回搬送された状態で、主走査により印刷される印刷画素の数が算出される(S47)。例えば図11における「y=Y」の位置で、サーマルヘッド28が主走査により印刷する印刷画素の数が算出される。
【0038】
図9に示すように、算出された印刷画素の数が所定値未満である場合(S49:NO)、該当する主走査時に、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要がないと判断される。この場合、印刷画像を分割する必要はない。処理はS43に戻る。変数「Y」は更新され(S43)処理が繰り返される。
【0039】
算出された印刷画素の数が所定値以上である場合(S49:YES)、印刷媒体35が副走査方向にY回搬送された状態で主走査が行われた場合、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要がある。この場合、印刷画像を第一印刷画像と第二印刷画像とに分割する必要があると判断される。印刷画像を分割する必要があることを示すフラグ変数「F」がONされる(S51)。サーチ処理は終了し、処理はメイン処理(図7参照)に戻る。
【0040】
一方、変数「Y」が更新されながら処理が繰り返され、変数「Y」が副走査回数よりも大きくなった場合(S45:YES)、印刷画像が印刷される全ての主走査過程で、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要がないことになる。この場合、印刷画像を第一印刷画像と第二印刷画像とに分割する必要はないと判断される。フラグ変数「F」がOFFされる(S53)。サーチ処理は終了し、処理はメイン処理(図7参照)に戻る。以上のサーチ処理を行うことで、一回の主走査時に発熱抵抗体を同時にONできない場合に、印刷画像を要素画像毎に分割できる。
【0041】
図7に示すように、サーチ処理(S11)の後、フラグ変数「F」がONされているかが判断される(S13)。フラグ変数「F」がOFFされている場合(S13:NO)、印刷画像を分割する必要はないので、(1)の印刷方法が選択される。印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S33)。作成された印刷データは、順方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S35)。メイン処理は終了する。印刷装置3は、受信した印刷データに基づいて、順方向に印刷媒体35を搬送しながら印刷画像を印刷する。
【0042】
サーチ処理(S11)の後、フラグ変数「F」がONされている場合(S13:YES)、印刷画像を第一印刷画像と第二印刷画像とに分割する必要があるので、(2)の印刷方法が選択される。印刷画像に含まれる要素画像を第一印刷画像及び第二印刷画像に振り分ける振り分け処理(図10参照)が実行される(S15)。
【0043】
図10を参照し、振り分け処理について説明する。変数「P」「X」「Y」が定義される。変数「P」は、順方向印刷及び逆方向印刷のいずれかを特定するために使用される。変数「X」は、図11に示すように、印刷画像45のうち主走査方向(x軸方向)の位置を特定するために使用される。
【0044】
変数「P」に「1」が代入され初期化される(S61)。変数「Y」に「0」が代入され初期化される(S63)。変数「Y」に「1」が加算される(S65)。変数「Y」が、副走査回数よりも大きいかが判断される(S67)。変数「Y」が副走査回数以下である場合(S67:NO)、変数「X」に「0」が代入され初期化される(S69)。変数「X」に「1」が加算される(S71)。印刷装置3が備えるサーマルヘッド28のうち、主走査方向に並んだ発熱抵抗体の数(以下「抵抗体数」という。)が特定される。例えば図11における「M」が、抵抗体数に相当する。なお図11では、サーマルヘッド28の発熱抵抗体間の距離が「t」である場合を想定している。
【0045】
図10に示すように、変数「X」が、特定された抵抗体数よりも大きいかが判断される(S73)。変数「X」が抵抗体数よりも大きい場合(S73:YES)、処理はS65に戻る。変数「Y」が更新され、処理が繰り返される。変数「X」が抵抗体数以下である場合(S73:NO)、印刷媒体35が副走査方向にY回搬送された状態で、サーマルヘッド28におけるX番目の発熱抵抗体の位置に、要素画像が配置しているかが判断される(S75)。例えば図11における「y=Y、x=X」の位置46に、要素画像が配置しているかが判断される。要素画像が配置しているか否かは、HDD14に記憶された管理テーブルの「領域」を参照することで判断される。図10に示すように、該当する位置に要素画像が配置していない場合(S75:NO)、処理はS71に戻る。変数「X」は更新され(S71)、処理は繰り返される。
【0046】
印刷媒体35が副走査方向にY回搬送された状態で、サーマルヘッド28におけるX番目の発熱抵抗体の位置に、要素画像が配置している場合(S75:YES)、管理テーブルのうち、該当する位置に配置する要素画像に対応付けられた「印刷方向」の情報が参照される。管理テーブルの「印刷方向」に何らかの情報が格納されているかが判断される(S77)。管理テーブルの「印刷方向」に情報が格納されていない場合(S77:NO)、変数「P」に格納された値が読み出され、管理テーブルの「印刷方向」に格納される(S79)。変数「P」が「1」である場合、「0」が新たに代入され、変数「P」が「0」である場合、「1」が新たに代入される。これによって、変数「P」が反転される(S81)。処理はS71に戻る。一方、管理テーブルの「印刷情報」に情報が格納されている場合(S77:YES)、格納されている値を反転した値を変数「P」に代入する(S83)。処理はS71に戻る。
【0047】
例えば図11において、「y=Y」の位置で変数「X」が順次更新されたとする。サーマルヘッド28におけるX番目の発熱抵抗体の位置に文字画像43が配置している場合(S75:YES)、管理テーブルのうち文字画像43に対応する「印刷方向」に情報が格納されていない場合には(S77:NO)、変数「P」(=1)が印刷方向に格納される(S79)。変数「P」は反転される(=0)。変数「X」が更新される。X番目の発熱抵抗体の位置に文字画像43が継続して配置している状態では(S75:YES)、既に文字画像43に対応する「印刷方向」には情報「1」が格納されているので(S77:YES)、既に「印刷方向」に格納された情報「1」を反転した値(=0)が変数「P」に繰り返し代入される(S83)。変数「X」が更新され、X番目の発熱抵抗体の位置に線画画像44が配置する状態になる(S75:YES)。管理テーブルのうち線画画像44に対応する「印刷方向」に情報が格納されていない場合には(S77:NO)、変数「P」(=0)が印刷方向に格納される(S79)。変数「P」は反転される(=1)。変数「X」が更新される。X番目の発熱抵抗体の位置に線画画像44が継続して配置している状態では(S75:YES)、既に線画画像44に対応する「印刷方向」には情報「0」が格納されているので(S77:YES)、既に「印刷方向」に格納された情報「0」を反転した値(=1)が変数「P」に繰り返し代入される(S83)。以上の処理が繰り返されることで、主走査方向に複数の要素画像が並んで配置されている場合に、異なる印刷条件(順方向印刷又は逆方向印刷)が其々割り当てられる。
【0048】
図10に示すように、上述の処理が、変数「X」「Y」が更新されながら繰り返され、変数「Y」が副走査回数よりも大きくなった場合(S67:YES)、振り分け処理は終了し、処理はメイン処理(図7参照)に戻る。
【0049】
以上の振り分け処理を行うことで、一回の主走査によって印刷される印刷画像中に要素画像が複数ある場合、即ち、主走査方向に複数の要素画像が並んで配置されている場合に、これらの要素画像を複数回に分けて印刷できる。これによって、一回の主走査によって印刷される印刷画素の数を抑制できるので、印刷装置3における印刷時の消費電力のピーク値を小さくできる。
【0050】
図7に示すように、振り分け処理(S15)の後、HDD14に記憶された管理テーブルが参照される。「印刷方向」に「1」(順方向印刷)が格納されている要素画像が全て抽出される(S17)。抽出された要素画像を組み合わせた印刷画像が、第一印刷画像に相当する。第一印刷画像を対象として、サーチ処理が実行される(S19)。サーチ処理(図9参照)では、第一印刷画像が印刷されることを想定した場合に、印刷方法として(1)(2)のうちいずれが選択されるかが判断される。サーチ処理の詳細は省略する。
【0051】
サーチ処理(S19)の後、フラグ変数「F」がONされているかが判断される(S21)。フラグ変数「F」がONされている場合(S21:YES)、第一印刷画像が印刷される場合も、印刷画像が印刷される場合と同様、(2)の印刷方法が選択されたことになる。この場合、印刷画像から第一印刷画像を分割して印刷が行われても、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要があるということになる。従って、(2)の方法は選択せず、(1)の方法を選択して印刷が行われる。元の印刷画像を印刷するための印刷データが作成され(S33)、順方向印刷の指示と共に印刷装置3に送信される(S35)。メイン処理は終了する。
【0052】
サーチ処理(S19)の後、フラグ変数「F」がOFFされている場合(S21:NO)、第一印刷画像が印刷される場合に(1)の印刷方法が選択されることになる。従って、印刷画像から第一印刷画像を分割して印刷を行うことによって、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要がなくなることになる。次いで、HDD14に記憶された管理テーブルが参照される。「印刷方向」に「0」(逆方向印刷)が格納されている要素画像が全て抽出される(S23)。抽出された要素画像を組み合わせた印刷画像が第二印刷画像に相当する。第二印刷画像を対象として、サーチ処理が実行される(S25)。サーチ処理(図9参照)では、第二印刷画像が印刷装置3において印刷されることを想定した場合に、印刷方法として(1)(2)のうちいずれが選択されるかが判断される。サーチ処理の詳細は省略する。
【0053】
サーチ処理(S25)の後、フラグ変数「F」がONされているかが判断される(S27)。フラグ変数「F」がONされている場合(S27:YES)、第二印刷画像が印刷される場合も、印刷画像が印刷される場合と同様、(2)の印刷方法が選択されたことになる。この場合、印刷画像から第二印刷画像を分割して印刷が行われても、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要があると言うことになる。従って、(2)の方法は選択せず、(1)の方法を選択して印刷が行われる。元の印刷画像を印刷するための印刷データが作成され(S33)、順方向印刷の指示と共に印刷装置3に送信される(S35)。メイン処理は終了する。
【0054】
サーチ処理(S25)の後、フラグ変数「F」がOFFされている場合(S27:NO)、第二印刷画像が印刷される場合に(1)の印刷方法が選択されたことになる。従って、印刷画像から第二印刷画像を分割して印刷を行うことによって、サーマルヘッド28の発熱抵抗体を複数回に分けてONする必要がなくなるということになる。図8に示すように、S17(図7参照)で抽出された要素画像に基づいて、第一印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S29)。S23(図7参照)で抽出された要素画像に基づいて、第二印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S31)。第一印刷画像を印刷するための印刷データは、順方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S37)。第二印刷画像を印刷するための印刷データは、逆方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S39)。メイン処理は終了する。印刷装置3は、受信した印刷データに基づいて、はじめに順方向に印刷媒体35を搬送しつつ第一印刷画像を印刷し、次いで、逆方向に印刷媒体35を搬送しつつ第二印刷画像を印刷する。
【0055】
以上説明したように、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体35に印刷される。要素画像単位で印刷画像を分割することにより、複数回に分けて印刷を行った場合のずれは目立たなくなる。特に要素画像が、文字画像と線画画像とからなる場合、双方は互いに重複しない位置関係に配置している。従って、印刷装置3は、印刷画像を複数回に分けて印刷した場合でも、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体上に形成させることができる。
【0056】
印刷画像が分割されて印刷される場合、印刷装置3における順方向及び逆方向の其々の搬送過程で、第一印刷画像と第二印刷画像とは印刷される。一連の工程で印刷が実行されるので、印刷過程で印刷媒体35を印刷装置3に配置し直す必要がない。従って、短い時間で印刷画像を印刷媒体に印刷できる。
【0057】
なお、図4のHDD14が本発明の「記憶手段」に相当する。図7のS17の処理を行うCPU11が本発明の「第一抽出手段」に相当し、S23の処理を行うCPU11が本発明の「第二抽出手段」に相当する。図7のS17の処理で抽出された要素画像が「第一要素画像」に相当し、S23の処理で抽出された要素画像が「第二要素画像」に相当する。図8のS37の処理を行うCPU11が本発明の「第一指示手段」に相当し、S39の処理を行うCPU11が本発明の「第二指示手段」に相当する。図7のS15の処理を行うCPU11が本発明の「判断手段」に相当する。図9のS47の処理を行うCPU11が本発明の「特定手段」に相当する。図7のS17の処理が本発明の「第一抽出ステップ」に相当し、S23の処理が本発明の「第二抽出ステップ」に相当する。図8のS37の処理が本発明の「第一指示ステップ」に相当し、S39の処理が本発明の「第二指示ステップ」に相当する。
【0058】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、種々の変更が可能である。上述では、印刷制御装置2によって作成された印刷データに基づいて、印刷装置3が印刷を行うことで、印刷画像が印刷媒体35に印刷されていた。本発明はこれに限定されない。印刷装置3自体が印刷データを作成し、且つ印刷媒体35に印刷を行ってもよい。印刷装置3のCPU21は、メイン処理(図7及び図8参照)を実行することで、印刷データを作成し、且つ印刷媒体35に印刷画像を印刷できる。
【0059】
図7を参照し、印刷装置3のCPU21においてメイン処理が実行される場合について説明する。メイン処理は、CPU21に電源が投入された場合に、CPU21によって起動され実行される。メイン処理が起動されると、フラッシュメモリ24に記憶された印刷画像が読み出される。印刷画像、第一印刷画像、及び第二印刷画像が(1)(2)のうちいずれの印刷方法によって印刷されるかが判断される(S13、S21、S27)。(1)の印刷方法が選択された場合(S13:NO、S21:YES、S27:YES)、印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S33)。順方向に印刷媒体35が搬送されるように、モータ30が制御される。作成された印刷データに基づいて、サーマルヘッド28が制御される。順方向に印刷媒体35が搬送される過程で、印刷画像が印刷媒体35に印刷される(S35)。メイン処理は終了する。
【0060】
一方、(2)の印刷方法が選択された場合(S13:YES、S21:NO、S27:NO)、図8に示すように、S17(図7参照)で抽出された要素画像に基づいて、第一印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S29)。S23(図7参照)で抽出された要素画像に基づいて、第二印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S31)。順方向に印刷媒体35を搬送するように、モータ30が制御される。作成された印刷データに基づいて、サーマルヘッド28が制御される。順方向に印刷媒体35が搬送される過程で、第一印刷画像が印刷媒体35に印刷される(S37)。次に、逆方向に印刷媒体35を搬送するように、モータ30が制御される。作成された印刷データに基づいて、サーマルヘッド28が制御される。逆方向に印刷媒体35が搬送される過程で、第二印刷画像が印刷媒体35に印刷される(S39)。メイン処理は終了する。以上説明したように、印刷画像は、要素画像毎に複数回に分けて共通の印刷媒体35に印刷されるので、印刷画像同士のずれは目立たなくなる。印刷装置3は、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体上に形成させることができる。さらに印刷装置3は、印刷装置3自身が印刷データを作成することで、印刷制御装置2が不要となる。
【0061】
なお、図6のサーマルヘッド28及びモータ30が本発明の「印刷手段」に相当し、フラッシュメモリ24が本発明の「記憶手段」に相当する。図7のS17の処理を行うCPU21が本発明の「第一抽出手段」に相当し、S23の処理を行うCPU21が本発明の「第二抽出手段」に相当する。図8のS37の処理を行うCPU21が本発明の「第一印刷制御手段」に相当し、S39の処理を行うCPU21が本発明の「第二印刷制御手段」に相当する。
【0062】
上述では、印刷画像を構成する要素画像として、文字画像及び線画画像が挙げられていた。本発明はこれに限定されない。要素画像として地紋画像が含まれていてもよい。以下、要素画像に地紋画像が含まれている場合の変形例について説明する。
【0063】
図12及び図13を参照し、要素画像に地紋画像が含まれている場合の印刷画像について説明する。印刷制御装置2は、印刷画像を構成する要素画像に地紋画像が含まれている場合、地紋画像と、この地紋画像上に重複して配置される要素画像(以下「重複画像」という。)とに印刷画像を分割する。図12に示すように、順方向印刷時、地紋画像51のみが、第一印刷画像として印刷媒体35に印刷される。図13に示すように、逆方向印刷時、地紋画像51上に重複して配置される文字画像からなる重複画像52が、第二印刷画像として印刷されている。重複画像52は、順方向印刷時に地紋画像51が印刷された印刷媒体35に重ねて印刷されている。地紋画像51と重複画像52とが重ねて印刷された結果、印刷媒体35上には元の印刷画像53が形成されている。
【0064】
図14を参照し、変形例におけるメイン処理について説明する。メイン処理が起動されると、はじめに、サーチ処理(図9参照)が実行される(S91)。サーチ処理では、印刷画像(地紋画像+重複画像)が印刷されることを想定した場合に、印刷方法として(1)(2)のうちどちらを選択するかが判断される。サーチ処理の説明は省略する。サーチ処理の後、フラグ変数「F」がONされているかが判断される(S93)。フラグ変数「F」がOFFされている場合(S93:NO)、印刷画像を地紋画像と重複画像とに分割する必要はないので、(1)の印刷方法が選択される。印刷画像を印刷するための印刷データが作成される(S103)。作成された印刷データは、順方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S105)。メイン処理は終了する。印刷装置3は、受信した印刷データに基づいて、順方向に印刷媒体35を搬送しながら印刷画像を印刷する。
【0065】
サーチ処理(S91)の後、フラグ変数「F」がONされている場合(S93:YES)、印刷画像を第一印刷画像と第二印刷画像とに分割する必要があるので、(2)の印刷方法が選択される。第一印刷画像として、地紋画像が抽出される(S95)。抽出された地紋画像に基づいて印刷データが作成される(S96)。第二印刷画像として、重複画像が抽出される(S97)。抽出された重複画像に基づいて印刷データが作成される(S98)。
【0066】
地紋画像を印刷するための印刷データは、順方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S99)。重複画像を印刷するための印刷データは、逆方向印刷の指示と共に、ケーブル34を介して印刷装置3に送信される(S101)。メイン処理は終了する。印刷装置3は、受信した印刷データに基づいて、はじめに順方向に印刷媒体35を搬送しつつ地紋画像を印刷し、次いで、逆方向に印刷媒体35を搬送しつつ重複画像を印刷する。
【0067】
以上説明したように、変形例では、地紋画像と重複画像とを、別々の印刷工程(順方向印刷及び逆方向印刷)で印刷できる。地紋画像と重複画像とのずれは目立ち難いので、双方が異なる印刷工程で印刷された場合であっても、印刷装置3は、見栄えのよい高品質な印刷画像を印刷媒体35に印刷できる。
【0068】
なお上述では、第一印刷画像として地紋画像が抽出され、第二印刷画像として重複画像が抽出されていた。本発明はこれに限定されない。第一印刷画像として重複画像が抽出され、第二印刷画像として地紋画像が印刷されてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 印刷システム
2 印刷制御装置
3 印刷装置
14 HDD
28 サーマルヘッド
30 モータ
35 印刷媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出手段と、
前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出手段によって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示手段と、
前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち、前記第一抽出手段によって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出手段と、
前記第一指示手段による指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出手段によって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示手段と
を備えたことを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記記憶手段には、互いに重複しない位置関係にある前記要素画像が記憶されており、
前記印刷装置による一回の主走査によって印刷される印刷画像中に、複数の前記要素画像が含まれるか判断する判断手段を備え、
前記第一抽出手段は、
前記判断手段において、複数の前記要素画像が含まれると判断された場合に、前記複数の要素画像のうち少なくとも一つを、前記第一要素画像として抽出することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記印刷装置による一回の主走査によって前記印刷画像が印刷される場合の印刷画素の数を特定する特定する特定手段を備え、
前記第一抽出手段は、
前記特定手段において特定された前記印刷画素の数が所定以上である場合に、前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、
文字によって構成される文字画像と、線画によって構成される線画画像とに前記印刷画像を分割した前記要素画像を記憶することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記記憶手段には、地紋画像と、前記地紋画像に重ねて表示される重複画像とが前記要素画像として其々記憶されており、
前記第一抽出手段は、前記地紋画像又は前記重複画像を前記第一要素画像として抽出し、
前記第二抽出手段は、前記地紋画像及び前記重複画像のうち、前記第一抽出手段において抽出されていない画像を前記第二要素画像として抽出することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
印刷装置における印刷処理を制御する印刷制御装置において実行される印刷制御方法であって、
前記印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出ステップと、
前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出ステップによって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示ステップと、
前記要素画像のうち、前記第一抽出ステップによって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出ステップと、
前記第一指示ステップによる指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出ステップによって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示ステップと
を備えたことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項7】
印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出ステップと、
前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出ステップによって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示ステップと、
前記要素画像のうち、前記第一抽出ステップによって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出ステップと、
前記第一指示ステップによる指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出ステップによって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示ステップと
をコンピュータに実行させるための印刷制御プログラム。
【請求項8】
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
前記印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出手段と、
前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出手段によって抽出された第一要素画像を前記印刷媒体に印刷するために前記印刷手段を制御する第一印刷制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち、前記第一抽出手段によって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出手段と、
前記第一印刷手段によって前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出手段によって抽出された第二要素画像を前記印刷媒体に印刷するために前記印刷手段を制御する第二印刷制御手段と
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項1】
印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出手段と、
前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出手段によって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示手段と、
前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち、前記第一抽出手段によって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出手段と、
前記第一指示手段による指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出手段によって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示手段と
を備えたことを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記記憶手段には、互いに重複しない位置関係にある前記要素画像が記憶されており、
前記印刷装置による一回の主走査によって印刷される印刷画像中に、複数の前記要素画像が含まれるか判断する判断手段を備え、
前記第一抽出手段は、
前記判断手段において、複数の前記要素画像が含まれると判断された場合に、前記複数の要素画像のうち少なくとも一つを、前記第一要素画像として抽出することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記印刷装置による一回の主走査によって前記印刷画像が印刷される場合の印刷画素の数を特定する特定する特定手段を備え、
前記第一抽出手段は、
前記特定手段において特定された前記印刷画素の数が所定以上である場合に、前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、
文字によって構成される文字画像と、線画によって構成される線画画像とに前記印刷画像を分割した前記要素画像を記憶することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記記憶手段には、地紋画像と、前記地紋画像に重ねて表示される重複画像とが前記要素画像として其々記憶されており、
前記第一抽出手段は、前記地紋画像又は前記重複画像を前記第一要素画像として抽出し、
前記第二抽出手段は、前記地紋画像及び前記重複画像のうち、前記第一抽出手段において抽出されていない画像を前記第二要素画像として抽出することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
印刷装置における印刷処理を制御する印刷制御装置において実行される印刷制御方法であって、
前記印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出ステップと、
前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出ステップによって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示ステップと、
前記要素画像のうち、前記第一抽出ステップによって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出ステップと、
前記第一指示ステップによる指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出ステップによって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示ステップと
を備えたことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項7】
印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出ステップと、
前記印刷装置において前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出ステップによって抽出された第一要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第一指示ステップと、
前記要素画像のうち、前記第一抽出ステップによって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出ステップと、
前記第一指示ステップによる指示に基づき、前記印刷装置にて前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が、前記印刷装置において逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出ステップによって抽出された第二要素画像が前記印刷媒体に印刷されるように、前記印刷装置に指示する第二指示ステップと
をコンピュータに実行させるための印刷制御プログラム。
【請求項8】
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
前記印刷媒体に印刷される印刷画像が要素毎に分割された要素画像を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち少なくとも一つを抽出する第一抽出手段と、
前記印刷媒体が順方向に搬送される過程で、前記第一抽出手段によって抽出された第一要素画像を前記印刷媒体に印刷するために前記印刷手段を制御する第一印刷制御手段と、
前記記憶手段に記憶された前記要素画像のうち、前記第一抽出手段によって抽出された前記第一要素画像を除く前記要素画像を抽出する第二抽出手段と、
前記第一印刷手段によって前記第一要素画像が印刷された前記印刷媒体が逆方向に搬送される過程で、前記第二抽出手段によって抽出された第二要素画像を前記印刷媒体に印刷するために前記印刷手段を制御する第二印刷制御手段と
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−30461(P2012−30461A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171357(P2010−171357)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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