説明

印刷制御装置およびプログラム

【課題】複数の領域に分けて折りたたむ用紙折りを行う印刷装置に対して印刷データを出力する印刷制御装置において、複数の領域に跨って一つのデザインが構成されるような絵柄を余白を形成することなく印刷し、かつ各領域の絵柄についても作成者が折り目を意識することなく容易にレイアウトできるようにする。
【解決手段】用紙折りの少なくとも1つの領域の大きさであって、互いに異なる大きさで予め作成された複数のフォーム画像データの中から少なくとも1つのフォーム画像データの選択を受け付けるフォーム画像データ選択受付部15と、原稿画像を表す原稿画像データを取得する画像データ取得部14と、フォーム画像データ選択受付部15において選択されたフォーム画像データと、画像データ取得部14によって取得された原稿画像データとを合成した印刷データを生成する印刷データ合成部17とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用紙を複数の領域に分けて折りたたむ用紙折りを行う機構を備えた印刷装置に対して印刷データを出力する印刷制御装置およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷装置において印刷の施された印刷用紙を折りたたんだり、製本したりするいわゆるフィニッシャー機能が充実してきている。
【0003】
このようなフィニッシャー機能による用紙折りの方法としては、たとえば、簡単な二つ折りから内三つ折り、外三つ折り(Z折り)、内四つ折り(観音折り)など種々の方法がある。
【0004】
ここで、上述したフィニッシャー機能によって用紙折りを行って印刷物を作成する際、その印刷物に印刷される印刷画像は、たとえば、コンピュータにインストールされたアプリケーションを用いて作成されるが、このとき用紙折りが行われることを考慮して、すなわち折り目で印刷画像が途切れることを考慮して用紙折りの各領域(各面)に印刷される画像をレイアウトして作成する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−11332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、たとえば、A4の印刷用紙を三つ折りして印刷物を作成する場合を考えると、アプリケーション上においてA4サイズで原稿画像を作成するようにしたのでは、作成者がそのA4サイズの枠の中で折り目がどの位置にくるかを意識して原稿画像をレイアウトする必要があり、非常に難しい作業である。また、誤って1つのデザインが折り目を跨いで配置されてしまった場合には、印刷物が無駄になるとともに、レイアウトのやり直しを行う必要がある。
【0007】
そこで、たとえば、アプリケーション上において、三つ折りの領域毎の原稿画像をページ毎に分けて作成する方法が考えられる。
【0008】
しかしながら、このようにページ毎に作成した場合、各ページには余白の設定があるため、アプリケーションによっては各ページの余白部に絵柄を描けないものもある。そして、三つ折りの印刷物を作成する際には、3つの領域に跨って一つのデザインが構成されるような絵柄を印刷したい場合もあり、このような場合に余白が入ってしまうと、図24に示すように1つのデザインが途中で途切れた印刷物が作成されてしまう。
【0009】
また、上述した余白の設定はアプリケーション上の問題であって、印刷装置の性能としてはこの余白部分にも印刷は可能であるので、上記のような余白が形成されないような方法が望まれている。
【0010】
最も単純な方法としては、アプリケーション上において余白を設けないようにすることが考えられるが、全ての余白を設けないようにすると印刷用紙の周縁部分の余白も無くなることになってしまうことになる。
【0011】
しかしながら、印刷用紙の周縁部分の余白も無くしてしまうと、その周縁部分にも印刷が施されることになるので、たとえば、そのような設定を想定して構成されていない印刷装置においては、搬送ローラなどにインクが付着したりして印刷装置内が汚れてしまい印刷物を汚してしまうおそれがある。
【0012】
また、たとえアプリケーション上で余白を無しに設定できたとしても、上述したような印刷装置側での汚れなどの問題が発生するので、通常、このような設定はプリンタドライバでは禁止されており、印刷を行うことができない。
【0013】
なお、特許文献1においては、小冊子の印刷物を作成する際に2頁にわたって1つのデザインが構成されるような絵柄のフォーム画像データと、各ページに印刷される原稿画像とを別々に作成して合成する方法が提案されているが、特許文献1において用いられるフォーム画像データのサイズは2頁の大きさの1種類だけであり、その他のサイズについては何の考慮もされていない。また、特許文献1においては、上述したような三つ折りの印刷物を作成する際における各領域への画像の割り当て方法については何の提案もなされていない。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑み、印刷用紙を複数の領域に分けて折りたたむ用紙折りを行う機構を備えた印刷装置に対して印刷データを出力する印刷制御装置およびプログラムにおいて、複数の領域に跨って一つのデザインが構成されるような絵柄を余白を形成することなく印刷することができ、かつ各領域の絵柄についても作成者が折り目を意識することなく容易にレイアウトすることができる印刷制御装置およびプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の印刷制御装置は、印刷用紙を少なくとも2つ以上の領域に分けて折りたたむ用紙折りを行う機構を備えた印刷装置において認識可能な印刷データを所定の画像データに基づいて生成し、印刷データを印刷装置に出力する印刷制御装置において、少なくとも1つの領域の大きさであって、互いに異なる大きさで予め作成された複数のフォーム画像データの中から少なくとも1つのフォーム画像データの選択を受け付けるフォーム画像データ選択受付部と、原稿画像を表す原稿画像データを取得する画像データ取得部と、フォーム画像データ選択受付部において選択された少なくとも1つのフォーム画像データと、画像データ取得部によって取得された原稿画像データとを合成した印刷データを生成する印刷データ合成部とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、上記本発明の印刷制御装置においては、原稿画像データを上記領域の大きさで作成されたものとし、フォーム画像データ選択受付部を、フォーム画像データの選択を受け付けるとともに、その選択されたフォーム画像データを割り当てる印刷用紙上の領域の選択を受け付けるものとすることができる。
【0017】
また、フォーム画像データ選択受付部を、2つの領域の大きさのフォーム画像データが選択された場合には、印刷用紙上における一端の領域と中央の領域とを含む2つの領域または他端の領域と中央の領域とを含む2つの領域の選択を受け付けるものとできる。
【0018】
また、フォーム画像データ選択受付部を、2つの領域の大きさのフォーム画像データとそのフォーム画像データを割り当てる領域が選択された場合には、そのフォーム画像データを割り当てる領域を除く1つの領域に割り当てられるフォーム画像データとして、1つの領域の大きさのフォーム画像データの選択のみを受け付け可能とするものとできる。
【0019】
また、フォーム画像データ選択受付部を、1つの領域の大きさのフォーム画像データとそのフォーム画像データを割り当てる領域とが選択された場合には、そのフォーム画像データを割り当てる領域を除く残りの領域のフォーム画像データとして、3つの領域の大きさのフォーム画像データの選択の受付けを不可にするとともに、2つの領域の大きさまたは1つの領域の大きさのフォーム画像データの選択のみを受け付け可能とするものとできる。
【0020】
また、フォーム画像データ選択受付部を、3つの領域の大きさのフォーム画像データが選択された際、そのフォーム画像データ以外のフォーム画像データの選択の受け付けを不可にするものとできる。
【0021】
また、両面印刷の指示を受け付ける両面印刷指示受付部を設け、フォーム画像データ選択受付部を、両面印刷のうちの一方の面の印刷画像として3つの領域の大きさのフォーム画像データが選択された場合に、その3つの領域の大きさのフォーム画像データのうちの中央の領域に割り当てられるフォーム画像データの一部を、他方の面の端の領域に自動的に割り当てるものとできる。
【0022】
本発明の印刷制御プログラムは、印刷用紙を少なくとも2つ以上の領域に分けて折りたたむ用紙折りを行う機構を備えた印刷装置において認識可能な印刷データを所定の画像データに基づいて生成し、その印刷データを印刷装置に出力する印刷制御装置としてコンピュータを機能させる印刷制御プログラムであって、少なくとも1つの領域の大きさであって、互いに異なる大きさで予め作成された複数のフォーム画像データの中から少なくとも1つのフォーム画像データの選択を受け付けるフォーム画像データ選択受付部と、原稿画像を表す原稿画像データを取得する画像データ取得部と、フォーム画像データ選択受付部において選択された少なくとも1つのフォーム画像データと、画像データ取得部によって取得された原稿画像データとを合成した印刷データを生成する印刷データ合成部として上記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の印刷制御装置およびプログラムによれば、用紙折りの少なくとも1つの領域の大きさであって、互いに異なる大きさで予め作成された複数のフォーム画像データを予め準備し、その複数のフォーム画像データの中から少なくとも1つのフォーム画像データの選択を受け付けるとともに、原稿画像を表す原稿画像データを取得し、その選択された少なくとも1つのフォーム画像データと原稿画像データとを合成して印刷データを作成するようにしたので、フォーム画像データを利用することによって複数の領域に跨って一つのデザインが構成されるような絵柄を余白を形成することなく印刷することができ、かつ各領域の絵柄については原稿画像データ上で作成することができるので、作成者が折り目を意識することなく容易にレイアウトすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の印刷制御装置の一実施形態を用いたプリンタシステムの概略構成を示すブロック図
【図2】フォーム画像データを説明するための図
【図3】図1に示すプリンタシステムにおけるプリンタドライバの構成を示すブロック図
【図4】本発明の印刷制御装置の一実施形態を用いたプリンタシステムの作用を説明するためのフローチャート
【図5】プリンタドライバによって表示される印刷条件受付画面の一例を示す図
【図6】プリンタドライバによって表示されるフォーム画像データ選択受付画面の一例を示す図
【図7】外三つ折り(横)、外三つ折り(縦)および内三つ折り(縦)のイメージ図
【図8】フォーム画像データと原稿画像データとを合成して合成印刷データを生成する作用を説明するための図
【図9】フォーム画像データ選択受付画面におけるフォーム画像データの選択の制限について説明するための図
【図10】フォーム画像データと原稿画像データとを合成して合成印刷データを生成する作用を説明するための図
【図11】フォーム画像データの一例を示す図
【図12】適切なフォーム画像データの組み合わせを示す図
【図13】不適切なフォーム画像データの組み合わせを示す図
【図14】フォーム画像データの例を示す図
【図15】フォーム画像データの選択の制限を説明するための表
【図16】フォーム画像データの選択の制限を説明するためのフローチャート
【図17】フォーム画像データ選択受付画面の一例を示す図
【図18】フォーム画像データ選択受付画面の一例を示す図
【図19】フォーム画像データ選択受付画面の一例を示す図
【図20】フォーム画像データ選択受付画面の一例を示す図
【図21】内三つ折りのフォーム画像データの一例を示す図
【図22】内三つ折りの印刷物を折り込んだ状態を示す図
【図23】裏面自動割り当ての選択画面の一例を示す図
【図24】従来技術を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の印刷制御装置およびプログラムの一実施形態を用いたプリンタシステムについて詳細に説明する。図1は、本実施形態のプリンタシステムの全体概略構成図である。
【0026】
本実施形態のプリンタシステムは、図1に示すように、コンピュータ10と、コンピュータ10に有線または無線LANなどのネットワークを介して接続された印刷装置20と、コンピュータ10に接続されたモニタ30とを備えている。
【0027】
印刷装置20は、図1に示すように、印刷部21と、用紙折り機構22とを備えている。印刷部21は、入力された印刷データに基づいて印刷用紙に印刷を施すものであり、たとえば、印刷用紙に対して孔版印刷やインクジェットプリントやレーザープリントなどを行うものを用いることができる。
【0028】
用紙折り機構22はいわゆるフィニッシャーと呼ばれるものであり、本実施形態の用紙折り機構22は、印刷部21において印刷の施されたA4サイズの印刷物を横方向に内三つ折り(以下、内三つ折り(横)という)、縦方向に内三つ折り(以下、内三つ折り(縦)という)、横方向に外三つ折り(Z折り)(以下、外三つ折り(横)という)、縦方向に外三つ折り(以下、外三つ折り(縦)という)を行うものである。内三つ折りとは、図7に示すように、印刷用紙を3つの領域に分け、その3つの領域のうちの両端の2つの領域を中央の領域に向かって内側に交互に重なるように折り込む方法である。また、外三つ折りとは、図7に示すように、印刷用紙を3つの領域に分け、その3つの領域のうちの一方の領域を山折りし、他方の領域を谷折りしてZ型字型に折り込む方法であり、Z折りとも呼ばれるものである。なお、用紙折り機構22は、上述した3つ折りだけでなく、2つ折りや4つ折りなどのその他の用紙折りをできるものとしてもよい。
【0029】
コンピュータ10は、中央処理装置(CPU)および半導体メモリやハードディスクやSSD等のストレージデバイスなどのハードウェアを備えるとともに、原稿画像を表す画像データを生成するためのアプリケーション11やアプリケーション11によって生成された画像データに基づいて印刷装置20において認識可能な印刷データを生成するプリンタドライバ12などのプログラムがインストールされたものである。また、コンピュータ10は、上述したハードディスクによって構成されるフォーム画像データ記憶部13を備えている。
【0030】
アプリケーション11は、メモ帳やWord(登録商標)などのような原稿画像を表す画像データを作成することができるプログラムであり、アプリケーション11において作成された画像データはプリンタドライバ12に出力される。なお、本実施形態は、上述したように印刷物を三つ折りするプリンタシステムであるので、アプリケーション11においては、上述した三つ折りの3つの領域に対応する画像データがページ毎に作成されるものとする。
【0031】
フォーム画像データ記憶部13は、図2に示すように、印刷用紙を3つ折りしたときの3つの領域のうちの1つの領域の大きさを有するフォーム画像データ1と、2つの領域の大きさを有するフォーム画像データ2と、3つの領域の大きさを有するフォーム画像データ3とが予め記憶されたものである。
【0032】
ここで、フォーム画像データとは、予め定められたデザインで描画された画像データである。本実施形態は、特に、上述した2つ以上の領域にわたってデザインされた画像を表すフォーム画像データ2やフォーム画像データ3を予め記憶するようにしたので、このフォーム画像データ2やフォーム画像データ3を用いることによって、上述したように領域の境界に余白が入らないようにすることができる。なお、フォーム画像データ1〜3は、それぞれ1つに限らず、複数種類のフォーム画像データを記憶するようにしてもよい。
【0033】
プリンタドライバ12は、印刷枚数や印刷部数、面付け、両面印刷などの種々の印刷条件や、上述した内三つ折りなどの用紙折り条件や排紙先などの操作者による入力を受け付けるユーザーインターフェースを備え、そのユーザーインターフェースによって受け付けられた印刷条件などとアプリケーション11から出力された画像データに基づいて、印刷装置20において認識可能な印刷データを生成し、その印刷データを印刷装置20に出力するものである。プリンタドライバ12で生成される印刷データとしては、PDL(Page Description Language)データやラスターデータなどがある。
【0034】
図3は、本実施形態のプリンタドライバ12のより詳細な構成を示すブロック図である。プリンタドライバ12は、図3に示すように、画像データ取得部14と、フォーム画像データ選択受付部15と、印刷データ生成部16と、印刷データ合成部17とを備えている。
【0035】
画像データ取得部14は、アプリケーション11において作成された画像データを取得するものである。
【0036】
フォーム画像データ選択受付部15は、上述したユーザーインターフェースの一つであり、フォーム画像データ記憶部13に予め記憶された複数のフォーム画像データの中から少なくとも1つのフォーム画像データの選択を受け付けるとともに、その選択したフォーム画像データを割り当てる印刷用紙上の領域の選択を受け付けるものである。フォーム画像データ選択受付部15の作用については、後で詳述する。
【0037】
印刷データ生成部16は、アプリケーション11から出力された原稿画像データをPDLデータに変換して印刷データを生成するものである。
【0038】
印刷データ合成部17は、フォーム画像データ選択受付部15において選択され、フォーム画像データ記憶部13から読み出されたフォーム画像データと、印刷データ生成部16において原稿画像データに基づいて生成された印刷データとを合成して合成印刷データを生成し、その合成印刷データを印刷装置20に出力するものである。
【0039】
次に、本実施形態のプリンタシステムの作用について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、ここでは内三折りを行って印刷物を作成する場合について説目する。
【0040】
まず、アプリケーション11が起動され、このアプリケーション11を用いて文書、イラスト、写真画像などが作成されて原稿画像データが生成される(S10)。
【0041】
具体的には、ここでは内三つ折りされる印刷物の3つの領域の各領域に対応する原稿画像データがそれぞれページ毎に作成される。すなわち、作成者が、内三つ折りの印刷物の各面に印刷したいと思う原稿を表す原稿画像データがそれぞれ作成される。
【0042】
そして、このようなページ毎の画像データの作成が終わった後、操作者によってアプリケーション11において印刷指示が選択されると、アプリケーション11において生成された内三つ折りの各領域に対応するページ毎の原稿画像データがアプリケーション11からプリンタドライバ12に出力される。そして、アプリケーション11から出力されたページ毎の原稿画像データはプリンタドライバ12の画像データ取得部14によって取得される。
【0043】
一方、上述したようにアプリケーション11において印刷指示が選択されると、プリンタドライバ12のユーザーインターフェースが起動され、図5に示すような種々の印刷条件、用紙折り条件や排紙先などの設定を受け付ける印刷条件受付画面がモニタ30に表示される。そして、印刷条件受付画面において種々の印刷条件、用紙折り条件や排紙先などの設定が操作者によって行われる。
【0044】
そして、たとえば、図5に示す「紙折り」のプルダウンメニューにおいて内三つ折り(横)が選択された場合には、図6に示すようなフォーム画像データ選択受付画面がモニタ30に表示される。
【0045】
具体的には、内三つ折り(横)の場合には、フォーム画像データ選択受付画面の左上には、図6に示すような内三つ折り(横)のイメージ図が表示される。そして、内三つ折り(横)のイメージ図には、内三つ折りの各領域を指定するための番号1〜6が表示される。「場所」に対応する番号1〜3は、内三つ折りの表面(三つ折りの内側の面)の各領域を指定するための番号であり、番号4〜6は、内三つ折りの裏面(三つ折りの外側の面)の各領域を指定するための番号である。番号1の領域の裏面の領域が番号4の領域であり、番号2の領域の裏面の領域が番号5の領域であり、番号3の領域の裏面の領域が番号6の領域である。
【0046】
そして、内三つ折り(横)のイメージ図の右側には、内三つ折り(横)の各領域の番号1〜6と、その領域に割り当てるフォーム画像データのサイズを選択するためのプルダウンメニューと、その領域に割り当てるフォーム画像データの種類を選択するためのプルダウンメニューとが表示される。
【0047】
また、内三つ折り(横)のイメージ図の下には、現在選択されている用紙折りの種類が表示されるが、この表示もプルダウンメニューとなっており、用紙折りの種類の変更が受け付け可能となっている。このプルダウンメニューによって用紙折りの種類が変更された場合には、用紙折りのイメージ図もその変更後の用紙折りのイメージ図に変更されるものとする。たとえば、外三つ折り(横)の場合には図7の左のイメージ図となり、外三つ折り(縦)の場合には図7の中央のイメージ図となり、内三つ折り(縦)の場合には図7の右のイメージ図となる。
【0048】
そして、フォーム画像データ選択受付画面を用いて作成者によって印刷用紙の3つの領域の各領域に割り当てられるフォーム画像データが選択される(S12)。なお、ここでは番号1のサイズのプルダウンメニューにおいて「3面」が選択され、フォーム画像データのプルダウンメニューにおいて「フォームE:3面」が選択されたものとし、「フォームE:3面」のフォーム画像データは、図2に示したフォーム画像データ3であるとする。
【0049】
そして、フォーム画像データ選択受付画面においてフォーム画像データが選択された後、この画面の「OK」表示が押されると、フォーム画像データ選択受付部15は、選択されたフォーム画像データをフォーム画像データ記憶部13から読み出して印刷データ合成部17に出力する。また、画像データ取得部14によって取得された原稿画像データが印刷データ生成部16に出力され、印刷データ生成部16は、入力された原稿画像をPDLデータに変換し、そのPDLデータを印刷データ合成部17に出力する。
【0050】
そして、印刷データ合成部17は、入力された原稿画像を表すPDLデータとフォーム画像データ選択受付画面において選択されたフォーム画像データとを合成して合成印刷データを生成する(S14)。図8は、内三つ折りの領域毎の作成された原稿画像データ1〜3とフォーム画像データ3とを合成して印刷画像データを生成する様子を示している。
【0051】
そして、図6に示す印刷条件受付画面の「OK」表示が押され、最終的な印刷開始指示が入力されると、合成印刷データが印刷データ合成部17から印刷装置20に出力される。
【0052】
そして、印刷装置20は、入力された合成印刷データをラスターイメージデータに展開した後、そのデータに基づいて印刷部21において印刷処理を行う(S16)。
【0053】
印刷部21において印刷された印刷物は、プリンタドライバ12から出力された用紙折りの条件に基づいて、必要に応じて用紙折り機構22に送り込まれ、用紙折り機構22において印刷物に対して用紙折りが行われる。具体的には、上述したように内三つ折り(横)が設定されている場合には、用紙折り機構22において印刷物に対して内三つ折りが行われる。
【0054】
なお、上記説明では、フォーム画像データ選択受付画面において、番号1のサイズのプルダウンメニューにおいて「3面」が選択され、フォーム画像データのプルダウンメニューにおいて「フォームE:3面」が選択された場合について説明したが、たとえば、図9に示すように、番号1のサイズのプルダウンメニューにおいて「1面」が選択され、フォーム画像データのプルダウンメニューにおいて「フォームA:1面」が選択され、番号2のサイズのプルダウンメニューにおいて「2面」が選択され、フォーム画像データのプルダウンメニューにおいて「フォームB:2面」が選択された場合には、たとえば、「フォームA:2面」のフォーム画像データが図2に示したフォーム画像データ2であり、「フォームB:1面」のフォーム画像データが図2に示したフォーム画像データ1であるとすると、図10に示すような合成印刷データが生成される。
【0055】
以上、本実施形態のプリンタシステムの基本的な作用について説明したが、ここで、上述したフォーム画像データ選択受付画面におけるフォーム画像データの選択受付の方法についてより詳細に説明する。
【0056】
まず、本実施形態のプリンタシステムにおいては、上述したように3つのサイズのフォーム画像データを予め記憶しているが、これらのフォーム画像データをフォーム画像データ選択受付画面の各番号の領域について自由に選択可能とすると適切な合成印刷データが生成されない場合がある。
【0057】
たとえば、図11に示すような3つのサイズのフォーム画像データ1〜3が予め記憶されている場合、適切な合成印刷データが生成される組み合わせとしては、図12(a)〜(d)の組み合わせとなる。そして、図12(a)〜(d)の組み合わせ以外の組み合わせをフォーム画像データ選択受付画面において受け付け可能とすると、図13(a)〜(c)のようにフォーム画像データ内のデザインが途中で切られたような合成印刷データが生成されることになる。すなわち、2つの領域のサイズのフォーム画像データの選択を同時に2つ受け付け可能にした場合には、図13(a)のような合成印刷データとなる場合があり、3つの領域のサイズのフォーム画像データの選択と1つの領域のサイズのフォーム画像データの選択とを同時に受け付け可能にした場合には、図13(b)のような合成印刷データとなる場合があり、3つの領域のサイズのフォーム画像データの選択と2つの領域のサイズのフォーム画像データの選択とを同時に受け付け可能にした場合には、図13(c)のような合成印刷データとなる場合がある。
【0058】
したがって、フォーム画像データ選択受付画面において選択可能なフォーム画像データは一定の制限を設けることが望ましい。以下、その具体的な方法について説明する。
【0059】
まず、フォーム画像データとして、図14に示すようなフォームA〜フォームHまでのフォーム画像データが予め記憶されているものとする。なお、図14に示す「1面」はそのフォーム画像データの大きさが1つ領域のサイズであることを示し、「2面」は2つ領域のサイズであることを示し、「3面」は3つの領域のサイズであることを示している。
【0060】
そして、このようなフォーム画像データが予め記憶されている場合には、フォーム画像データ選択受付画面の「サイズ」のプルダウンメニューにおいて「1面」が選択されている場合には、その番号のフォーム画像データのプルダウンメニューの中には、「フォームA:1面」、「フォームC:1面」、「フォームD:1面」および「フォームH:1面」のみを表示することによって、1つの領域のサイズのフォーム画像データのみを選択可能とする。また、フォーム画像データ選択受付画面の「サイズ」のプルダウンメニューにおいて「2面」が選択されている場合には、その番号のフォーム画像データのプルダウンメニューの中には、「フォームB:2面」および「フォームF:2面」のみを表示することによって、2つの領域のサイズのフォーム画像データのみを選択可能とし、フォーム画像データ選択受付画面の「サイズ」のプルダウンメニューにおいて「3面」が選択されている場合には、その番号のフォーム画像データのプルダウンメニューの中には、「フォームE:3面」および「フォームG:3面」のみを表示することによって、3つの領域のサイズのフォーム画像データのみを選択可能とする。
【0061】
そして、さらにフォーム画像データ選択受付画面において選択された全てのフォーム画像データのサイズを加算したサイズが3つの領域のサイズとなるようにフォーム画像データのサイズの選択を制限する。その制限方法について、図15の表と図16のフローチャートを参照しながら説明する。
【0062】
具体的には、フォーム画像データ選択受付画面において、まず、番号1と番号4の領域の「サイズ」と「フォーム」が選択可能なように表示し、それ以外の番号の領域はグレーアウトして表示させて選択不可能にする(図17参照)。
【0063】
そして、番号1(4)の「サイズ」の選択を受け付け(S20)、その番号1(4)のサイズが「1面」である場合には(S22,1面)、番号2(5)の「サイズ」のプルダウンメニューの表示をグレーアウトから「1面」および「2面」のみを選択可能な表示に切り替え、「3面」は選択不可能にする(S24)(図18参照)。
【0064】
次に、番号2(5)の「サイズ」の選択を受け付け、その番号2(5)のサイズが「1面」である場合には(S26,1面)、番号3(6)の「サイズ」のプルダウンメニューの表示をグレーアウトから「1面」のみの表示に切り替え、「2面」および「3面」は選択不可能にする(S28)(図19参照)。
【0065】
一方、S26において、番号2(5)のサイズが「2面」である場合には(S26,2面)、番号3(6)の「サイズ」のプルダウンメニューの表示はグレーアウトのままとし選択不可能にする(S30)(図19参照)。
【0066】
また、S22において、番号1(4)のサイズが「2面」である場合には、番号2(5)の「サイズ」のプルダウンメニューの表示はグレーアウトのままとし(S32)、番号3(6)の「サイズ」のプルダウンメニューの表示をグレーアウトから「1面」のみの表示に切り替え、「2面」および「3面」は選択不可能にする(S34)(図20参照)。
【0067】
また、S22において、番号1(4)のサイズが「3面」である場合には、番号2(5)および番号3(6)の「サイズ」のプルダウンメニューの表示はグレーアウトのままとして選択不可能とする(S36)(図20参照)。
【0068】
以上のようにフォーム画像データの選択を制限することによって、図13(a)〜(c)に示したようなデザインが途中で切れた不適切な合成印刷データが生成されるのを防止することができる。
【0069】
また、上記実施形態のプリント用紙折りが内三つ折りの場合には、3つの領域のうちの端の領域を折り込んだ場合、その端の領域が中央領域の上に重なるため中央領域のデザインが隠れることになる。
【0070】
そこで、内三つ折りの折り込まれる端の領域の裏側に中央領域と同じデザインを印刷することによって中央領域のデザインが現れるようにすることができる。
【0071】
具体的には、たとえば、図21に示すように印刷用紙の表面(内三つ折りの内側)に「RISO KAGAKU Corp.」のようなデザインを印刷する場合には、中央領域である表2の領域に印刷されている「KAGAKU」を印刷用紙の裏面(内三つ折りの外側)の裏1の領域に印刷する。なお、図21における表1の裏が裏3にあたり、表3の裏が裏1にあたることになる。
【0072】
図21に示すように印刷することによって、図22に示すように、図21に示す表3の領域を折り込んだ際、裏1の領域のデザインが表2の領域上に重なることになるので、「RISO KAGAKU」という1つのロゴのデザインを構成することができる。
【0073】
しかしながら、上記実施形態のプリントシステムにおいて上述したような印刷を実現するためには、3つの領域のサイズの「RISO KAGAKU Corp.」のフォーム画像データと1つの領域のサイズの「KAGAKU」のフォーム画像データとの両方を準備する必要があり、また、フォーム画像データ選択受付画面において、裏1の領域に印刷される「KAGAKU」のフォーム画像データを作成者が選択する手間がかかる。
【0074】
そこで、上記実施形態のプリントシステムのフォーム画像データ選択受付画面において、たとえば、図23に示すように、番号1のサイズのプルダウンメニューにおいて「3面」の選択を受け付けるとともに、フォーム画像データのプルダウンメニューにおいて上述した「RISO KAGAKU Corp.」のような3面の大きさのフォーム画像データ(ここでは「Corp Form:3面」という名前のフォーム画像データとする)の選択を受け付け、さらに、番号4のサイズのプルダウンメニューおいて「表2を使用」の選択を受け付けることによって裏面自動割り当ての選択を受け付け、この裏面自動割り当ての選択が受け付けられた場合には、表面について選択されたフォーム画像データ「RISO KAGAKU Corp.」のうちの中央領域の一部のフォーム画像データ「KAGAKU」のみを抽出し、その「KAGAKU」のフォーム画像データを裏1の領域、すなわち番号4の1面のフォーム画像データとして自動的に割り当てるようにしてもよい。なお、このとき印刷条件受付画面において「両面印刷」が指定されているものとする。図5に示す印刷条件受付画面には両面印刷のメニューは現れていないが、「基本」のタグを選択することによって両面印刷のメニューが現れるものとする。
【0075】
このように構成することによって、フォーム画像データとしては「RISO KAGAKU Corp.」のみを準備すればよく、また、作成者が「KAGAKU」のフォーム画像データをわざわざ選択する手間も省くことができる。
【0076】
なお、上記実施形態においては、三つ折りの場合について説明したが、三つ折りに限らず二つ折りや四つ折りや六つ折りの場合においても、上記実施形態と同様のフォーム画像データを予め記憶し、フォーム画像データと原稿画像データとを合成して合成印刷データを生成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 コンピュータ
11 アプリケーション
12 プリンタドライバ
13 フォーム画像データ記憶部
14 画像データ取得部
15 フォーム画像データ選択受付部
16 印刷データ生成部
17 印刷データ合成部
20 印刷装置
21 印刷部
22 用紙折り機構
30 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷用紙を少なくとも2つ以上の領域に分けて折りたたむ用紙折りを行う機構を備えた印刷装置において認識可能な印刷データを所定の画像データに基づいて生成し、該印刷データを前記印刷装置に出力する印刷制御装置において、
少なくとも1つの前記領域の大きさであって、互いに異なる大きさで予め作成された複数のフォーム画像データの中から少なくとも1つのフォーム画像データの選択を受け付けるフォーム画像データ選択受付部と、
原稿画像を表す原稿画像データを取得する画像データ取得部と、
該フォーム画像データ選択受付部において選択された前記少なくとも1つのフォーム画像データと、前記画像データ取得部によって取得された原稿画像データとを合成した前記印刷データを生成する印刷データ合成部とを備えたことを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記原稿画像データが、前記領域の大きさで作成されたものであり、
前記フォーム画像データ選択受付部が、前記フォーム画像データの選択を受け付けるとともに、該選択された前記フォーム画像データを割り当てる前記印刷用紙上の前記領域の選択を受け付けるものであることを特徴とする請求項1記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記フォーム画像データ選択受付部が、2つの前記領域の大きさのフォーム画像データが選択された場合には、前記印刷用紙上における一端の前記領域と中央の前記領域とを含む2つの領域または他端の前記領域と中央の前記領域とを含む2つの領域の選択を受け付けるものであることを特徴とする請求項2記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記フォーム画像データ選択受付部が、前記2つの領域の大きさのフォーム画像データと該フォーム画像データを割り当てる領域が選択された場合には、該フォーム画像データを割り当てる領域を除く1つの領域に割り当てられるフォーム画像データとして、1つの領域の大きさのフォーム画像データの選択のみを受け付け可能とするものであることを特徴とする請求項3記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記フォーム画像データ選択受付部が、1つの前記領域の大きさのフォーム画像データと該フォーム画像データを割り当てる領域とが選択された場合には、該フォーム画像データを割り当てる領域を除く残りの領域のフォーム画像データとして、3つの前記領域の大きさのフォーム画像データの選択の受付けを不可にするとともに、2つの前記領域の大きさまたは1つの前記領域の大きさのフォーム画像データの選択のみを受け付け可能とするものであることを特徴とする請求項2から4いずれか1項記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記フォーム画像データ選択受付部が、3つの前記領域の大きさのフォーム画像データが選択された際、該フォーム画像データ以外のフォーム画像データの選択の受け付けを不可にするものであることを特徴とする請求項2から5いずれか1項記載の印刷制御装置。
【請求項7】
両面印刷の指示を受け付ける両面印刷指示受付部を備え、
前記フォーム画像データ選択受付部が、前記両面印刷のうちの一方の面の印刷画像として3つの前記領域の大きさのフォーム画像データが選択された場合に、該3つの領域の大きさのフォーム画像データのうちの中央の前記領域に割り当てられる前記フォーム画像データの一部を、他方の面の端の領域に自動的に割り当てるものであることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の印刷制御装置。
【請求項8】
印刷用紙を少なくとも2つ以上の領域に分けて折りたたむ用紙折りを行う機構を備えた印刷装置において認識可能な印刷データを所定の画像データに基づいて生成し、該印刷データを前記印刷装置に出力する印刷制御装置としてコンピュータを機能させる印刷制御プログラムであって、
少なくとも1つの前記領域の大きさであって、互いに異なる大きさで予め作成された複数のフォーム画像データの中から少なくとも1つのフォーム画像データの選択を受け付けるフォーム画像データ選択受付部と、
原稿画像を表す原稿画像データを取得する画像データ取得部と、
該フォーム画像データ選択受付部において選択された前記少なくとも1つのフォーム画像データと、前記画像データ取得部によって取得された原稿画像データとを合成した前記印刷データを生成する印刷データ合成部として前記コンピュータを機能させることを特徴とする印刷制御プログラム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図21】
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【図22】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−141653(P2012−141653A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291949(P2010−291949)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】