説明

印刷実行制御装置、印刷実行制御プログラム

【課題】文字画像に限定し、プリンタドライバに編集機能を持たせ、修飾のための作業効率を高める。
【解決手段】アプリケーションプログラムAPで生成された印刷ジョブは、プリンタドライバPDへ受け渡されたとき、第1の一時格納部108へ格納される((1)参照)。その後、プリンタドライバPDのUI画面(副UI画面120)の操作で修飾の指示があると((2)参照)、第1の一時格納部108に格納された元印刷ジョブがプレビュー画像として副UI画面120のプレビュー表示領域120Aに表示される((3)参照)。副UI画面120の操作による修飾作業((4)参照)の後、修飾印刷ジョブが第2の一時格納部126へ格納され((5)参照)、印刷指示により、修飾印刷ジョブが印刷装置110へ送出される((6)参照)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷実行制御装置及び印刷実行制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アプリケーション側で修飾レベルのプレービュー、選択行なっており、印刷指示を行なう前(プリンタドライバを立ち上げる前)に限定されるものの、オブジェクトの修飾リストを選択し、その修飾度合いが異なる複数(指定数)の印刷イメージをプレビュー画面内に表示することが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1によれば、修飾の異なる候補を複数種類、プレビューさせて、その中から希望する修飾を選択することで、デザイン変更の手間を省く。
【0004】
文字画像に限定し、プリンタドライバに編集機能を持たせ、修飾のための作業効率を高める。
【特許文献1】特開2005−292964公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、本構成を有しない場合に比べて、文字画像に限定し、プリンタドライバに編集機能を持たせ、修飾のための作業効率を高めることができる印刷実行制御装置、印刷実行制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、印刷指示に基づき生成される印刷ジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた印刷ジョブから修飾対象データを抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した修飾対象データを編集する編集手段と、前記編集手段により編集された修飾対象データに基づいて、印刷の実行を指示する印刷実行指示手段と、を有している。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記抽出手段が、前記受付手段で受け付けた印刷ジョブに付加された印刷設定情報に基づいて、編集可能な修飾対象を選別する解析を行なう解析手段を備える。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記受付手段で受け付けた印刷ジョブに対する印刷指示のための主画面を表示装置に表示すると共に、前記表示装置に、前記編集手段による前記修飾対象データの編集のための修飾対象データ編集表示領域、前記編集前後の修飾対象データに基づく印刷プレビュー表示領域を備えた副画面を表示する表示制御手段をさらに有する。
【0009】
請求項4に記載の発明は、コンピュータを、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の印刷実行制御装置として機能させるための印刷実行制御プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、文字画像に限定し、プリンタドライバに編集機能を持たせ、修飾のための作業効率を高めることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、編集可能な修飾対象の選別を行なうことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、表示装置に、編集前後の修飾対象データに基づく印刷プレビュー表示領域を備えた副画面を表示することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、文字画像に限定し、プリンタドライバに編集機能を持たせ、修飾のための作業効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1には、本実施の形態に係る印刷システムが示されている。
【0015】
印刷システムは、印刷装置110と、当該印刷装置110へ主として画像データを送信して印刷を指示する制御装置(PC)10と、を備えている。印刷装置110と制御装置10とは、通信回線網12を介して互いに信号の送受信が可能に接続されている。
【0016】
通信回線網12は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(ワイド・エリア・ネットワーク)や、インターネットであってもよい。
【0017】
なお、図1では、必要最小限の装備として通信回線網12に1台の印刷装置110と、1台の制御装置10のみを図示したが、それぞれ複数台接続されていてもよいし、サーバー等、画像処理(印刷処理)データを一括管理するデータベースが接続されていてもよい。
【0018】
(制御装置10の構成)
図1に示される如く、制御装置10は、制御装置本体10Aに対して、入力系としてキーボード10B、マウス10Cが接続され、出力系としてモニタ10Dが接続されている。
【0019】
図2に示される如く、制御装置本体10Aは、CPU14、RAM16、ROM18、I/O(入出力部)20、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス22を有している。
【0020】
I/O20には、前記キーボード10B、マウス10C、モニタ10Dがそれぞれ接続されている。また、このI/O20には、少なくともRAM18よりも記憶容量が大きい大容量記録媒体であるハードディスク(HDD)24が接続され、複数のジョブデータ(印刷ジョブ等)が記憶できるようになっている。また、I/O20は、I/F26を介して通信回線網12に接続されている。
【0021】
制御装置10では、この通信回線網12を介して、例えば、所定のアプリケーションプログラムを立ち上げることで作成された、印刷するべき画像データを含む印刷ジョブを印刷装置110へ送信するようになっている。
【0022】
上記構成の印刷システムにおいて、制御装置10は、印刷装置110へ印刷ジョブデータを送出したり、印刷設定情報を設定して、印刷指示するためのプリンタドライバ(印刷制御装置)としての役目を有する。言い換えれば、プリンタドライバとして機能するためのプログラムが予めインストールされ、例えば、アプリケーションソフトプログラムの実行中に印刷命令があると、プリンタドライバが立ち上がり、上記設定やデータ送出を実行する。
【0023】
プリンタドライバが立ち上がると、制御装置10のモニタ10Dには、主として印刷設定情報の設定を行なう主UI画面(プリンタドライバ基本画面であり、周知の画面と同様であるので、図示省略)が表示されるようになっている。この主UI画面に基づいて、印刷データが生成されるようになっている。
【0024】
図3は、アプリケーションプログラムから受け付けた印刷ジョブの構築例であり、記憶領域がデータ種により分類して表記したものである。
【0025】
第1段領域DP1は、印刷指示を行なうユーザーの識別情報(ユーザー識別情報(ID))が記録される領域である。これによって、印刷指示ユーザーを特定する。
【0026】
ユーザー識別情報は、印刷装置110毎の判断テーブルのユーザ設定を特定するための情報であり、例えば、制御装置名、通信回線網12上のIPアドレス、ユニークなID、ログインユーザー名等である。
【0027】
第2段領域DP2は、先頭印刷情報が記録される領域である。この先頭印刷情報は、印刷ジョブデータ全体に対して統一の印刷設定情報が含まれる。
【0028】
先頭印刷条件は、印刷前に設定する必要がある、印刷ジョブデータ全体に関係する印刷条件のことであり、例えば、印刷枚数、片面/両面印刷、仕分け機能、用紙種類、合紙付け等がある。
【0029】
第3段領域DP3は、各ページ毎の印刷設定情報と実際に印刷される印刷画像データがページ順に記憶される領域である。このn(nは正の整数)ページ目印刷設定情報は各ページ毎の印刷設定情報である。また、nページ目印刷画像データは、各ページに印刷される画像データである。
【0030】
各ページ毎の印刷設定情報は、そのページのみに関係する印刷条件のことであり、例えば、用紙サイズ、印刷の向き、給紙口、表示付け等がある。
【0031】
この第3段領域DP3は、印刷画像データ量、すなわちページ数によって変動するものであり、ページ数が多ければ多いほど記憶容量を多く専有することになる。
【0032】
第4段領域DP4は、末尾印刷設定情報が記憶される領域である。この末尾印刷情報は、印刷ジョブデータ全体に対して統一の印刷設定情報が含まれる。
【0033】
末尾印刷設定情報は、印刷後に設定する必要がある、印刷ジョブデータ全体に関係する印刷条件のことであり、例えば、ジョブの管理情報等がある。
【0034】
このように生成された印刷ジョブデータは、制御装置10から印刷装置110へ通信回線網12を介して送出され、印刷装置110では、印刷ジョブデータに付加された印刷設定情報を解析し、指定された印刷設定に基づき、印刷処理が実行される。
【0035】
ところで、印刷ジョブデータに付加された印刷設定情報は、前記アプリケーションプログラムにより設定するもの(以下、「印刷修飾対象」という)、プリンタドライバにより設定するもの(以下、「印刷条件」という)があり、基本的に印刷ジョブがプリンタドライバへ転送された時点で、アプリケーションプログラムにより設定したものは変更することができない。
【0036】
一般的にアプリケーションプログラムにより設定する印刷修飾対象には、画像の拡縮、文字サイズ、文字色、レイアウト編集等がある。
【0037】
また、一般的にプリンタドライバで設定する印刷条件には、上記給紙口や用紙に関するものの他、印刷装置110の機能に関するものがあり、例えば、BINDING(綴じ方向「短辺/長辺」)、COLLATE(丁合「ページ単位/部単位」)、COPIES(コピー数「ページ単位/部単位」)、DUPLEX(両面/片面印刷)、PMODE(画像処理方位「縦長/横長」)、FACE-UP(画像処理結果の表紙面方向「表面上/表面下」)、FEED(用紙フィード「用紙給紙機構選択」)、N-UP(1ページN分割印刷)等である。
【0038】
本実施の形態では、上記印刷ジョブがプリンタドライバへ転送された後(プリンタドライバで受け付けた後)において、元となるアプリケーションプログラムの仕様等に基づいて、受け付けた印刷ジョブを解析して、印刷修飾対象の編集可能項目を選別すると共に、選別した編集可能項目を副UI画面120(図5参照)としてモニタ10Dに表示するようにした。
【0039】
図4は、制御装置10の制御装置本体10Aにおける、プリンタドライバが立ち上げられたときの印刷ジョブの修飾対象に関する制御を機能的に示したブロック図である。なお、このブロック図は、機能別に分類したものであり、ハード構成を限定するものではない。
【0040】
制御装置本体10A(図1及び図2参照)において、プリンタドライバが立ち上がると、アプリケーションプログラムにより作成された印刷ジョブは、アプリケーション印刷ジョブ受付部100へ入力されるようになっている。
【0041】
アプリケーション印刷ジョブ受付部100は、主UI画面読出部102に接続されている。主UI画面読出部102は、UI画面メモリ104から主UI画面データを読み出して、表示制御部106へ送出する。表示制御部106は、入力された画像データ(ここでは、主UI画面データ)に基づいて、モニタ10Dを制御して表示する(ここでは、主UI画面を表示する)。
【0042】
また、アプリケーション印刷ジョブ受付部100は、第1の一時格納部108に接続されている。第1の一時格納部108は、アプリケーション印刷ジョブ受付部100で受け付けた印刷ジョブを一時的に格納する役目を有している。
【0043】
一方、キーボード10B又はマウス10Cによる入力操作信号は、入力信号解析部111に入力されるようになっている。入力信号解析部111は、入力操作信号の内容を解析する。本実施の形態では、入力信号解析部111では、少なくとも、「修飾関連信号」、「出力信号」、「選択信号」、「印刷条件設定信号」、「切替指示信号」を判別する。
【0044】
入力信号解析部111は、解析/編集信号振分部112に接続されており、入力信号解析部111から、この解析/編集信号振分部112へ前記「修飾関連信号」を送出するようになっている。
【0045】
解析/編集信号振分部112は、入力された修飾関連信号の内、解析に関する情報の場合は、印刷ジョブ解析部114へ送出し、編集に関する情報の場合は、修飾実行制御部116へ送出する、振り分け作業を行う。
【0046】
印刷ジョブ解析部114に解析に関する情報が入力されると、印刷ジョブ解析部114では、前記第1の一時格納部108から印刷ジョブ(以後、「元印刷ジョブ」という)を読み出し、この元印刷ジョブを解析する。この解析は、元印刷ジョブに付加された印刷画像データや印刷設定情報等から、プリンタドライバ側で編集可能な要素(例えば、文字の拡縮、文字サイズ、文字色、文字列(行)レイアウト等)を抽出する。
【0047】
印刷ジョブ解析部114での解析結果(編集可能な要素)は、修飾対象抽出部118へ送出されるようになっている。
【0048】
修飾対象抽出部118では、この編集可能な要素に基づいて、具体的な編集項目を選定し、修飾実行制御部116へ送出する。
【0049】
図5に、モニタ10Dに表示される、前記編集項目が確定した副UI画面120を示す。図5に示される如く、副UI画面120は、プレビュー表示領域120A(詳細後述)、用紙サイズ設定変更領域120B、強調文字色設定変更領域120C、文字サイズ設定変更領域120D、レイアウト設定変更領域120E、並びに制御ボタン領域120Fが設けられている。なお、この副UI画面120は、少なくともプレビュー表示領域120Aは必須であるが、それ以外は、前記印刷ジョブ解析部114(図4参照)での解析結果によって変更される。すなわち、副UI画面120の構築は、編集可能な項目に基づいて、それぞれの設定変更領域が選択され、配置されるようになっている。
【0050】
図4に示される如く、修飾実行制御部116には、前記解析/編集信号振分部112において、編集に関する情報が入力されたときに、第1の一時格納部108から元印刷ジョブが入力されるようになっている。また、この元印刷ジョブの修飾実行制御部116への送出と同時期に、元印刷ジョブが、第1の一時格納部108から元印刷ジョブプレビュー用画像生成部122へ送出されるようになっている。
【0051】
元印刷ジョブプレビュー用画像生成部122は、元印刷ジョブに基づいて、例えば、画素を間引く等の作業により、プレビュー画像(サムネイル画像等)を生成する。
【0052】
この元印刷ジョブプレビュー用画像生成部122は、副UI画面読出部124に接続されている。元印刷ジョブプレビュー用画像生成部122で生成されたプレビュー画像データは、この副UI画面読出部124へ送出される。
【0053】
また、この副UI画面読出部124は、前記修飾対象抽出部118に接続されている。副UI画面読出部124は、修飾対象抽出部118における編集可能な要素から得た編集項目に基づいて、UI画面メモリ104から副UI画面データを読み出し、前記元印刷ジョブプレビュー画面を合成し、表示制御部106へ送出する。
【0054】
これにより。表示制御部106では、前記主UI画面の表示に代えて、副UI画面120(図5参照)が表示される。
【0055】
なお、入力信号解析部111において、キーボード10Bやマウス10C等の操作内容が、切替指示信号であると解析した場合は、主UI画面と副UI画面120は、相互に表示が切り替えられるようになっている。
【0056】
前記修飾実行制御部116では、編集に関する情報に基づいて、元印刷ジョブを修飾する。以下、修飾された元印刷ジョブを「修飾印刷ジョブ」という。
【0057】
修飾印刷ジョブは、第2の一時格納部126へ格納されるようなっている。例えば、修飾操作毎に更新された最新の修飾印刷ジョブが第2の一時格納部126に格納される。
【0058】
第2の一時格納部126は、前記第1の一時格納部108と共に、印刷ジョブ選択部130に接続されている。印刷ジョブ選択部130は、キーボード10Bやマウス10Cの操作に基づく指示(選択信号)で第1の一時格納部108に格納されている元印刷ジョブ、或いは第2の一時格納部126に格納されている修飾印刷ジョブを選択する。
【0059】
また、第2の一時格納部126は、修飾印刷ジョブプレビュー用画面生成部128に接続されている。
【0060】
修飾印刷ジョブプレビュー用画像生成部128は、修飾印刷ジョブに基づいて、例えば、画素を間引く等の作業により、プレビュー画像(サムネイル画像等)を生成する。
【0061】
この修飾印刷ジョブプレビュー用画像生成部128は、副UI画面読出部124に接続されている。修飾印刷ジョブプレビュー用画像生成部128で生成されたプレビュー画像データは、この副UI画面読出部124へ送出される。
【0062】
これにより、副UI画面読出部124には、この修飾印刷ジョブプレビュー用画像と、前述の元印刷ジョブプレビュー用画像と、が揃い、図5に示される如く、プレビュー表示領域120Aに、互いに並列表示されるようになっている。
【0063】
前記入力信号解析部111は、前記印刷ジョブ選択部130に接続されている。この印刷ジョブ選択部130では、入力信号解析部111からの選択信号に基づいて、前記第1の一時格納部108から元印刷ジョブ、或いは第2の一時格納部126から修飾印刷ジョブの何れかを選択する。
【0064】
元印刷ジョブを選択する場合は、キーボード10B又はマウス10Cを用いて、図5に示す副UI画面の制御ボタン制御ボタン領域120Fの中から、「キャンセル」ボタン又は「標準に戻す」ボタンを操作(例えば、マウス10Cの操作で副UI画面120上を移動するポインタ(図示省略)を指示目的のボタン領域に配置した状態でのクリック操作)する。
【0065】
一方、修飾印刷ジョブを選択する場合は、キーボード10B又はマウス10Cを用いて、図5に示す副UI画面の制御ボタン制御ボタン領域120Fの中から、「OK」ボタンを操作する。
【0066】
また、前記入力信号解析部111で解析した信号が、印刷指示の場合、入力信号解析部111から印刷条件設定部132へ「印刷条件設定信号」を送出し、かつ、入力信号解析部111からデータ変換部134へ「出力指示信号」が送出される。
【0067】
「印刷条件設定信号」を受けた印刷条件設定部132では、前記印刷ジョブ選択部130において選択した印刷ジョブ(元印刷ジョブ又は修飾印刷ジョブ)を読み出して、読み出した印刷ジョブ(元印刷ジョブ又は修飾印刷ジョブ)に対する印刷条件を設定し、データ変換部134へ送出する。
【0068】
データ変換部134では、印刷ジョブに付加された画像データを、印刷装置110での印刷に準じたデータ、例えばラスタイメージデータに変換し、出力部136を介して、印刷装置110へ送出する。
【0069】
図6は、上記図4で示した機能ブロック図による本実施の形態のデータの流れを、簡略的に示した概念図である。
【0070】
図6に示される如く、アプリケーションプログラムAPで生成された印刷ジョブは、プリンタドライバPDへ受け渡されたとき、第1の一時格納部108へ格納される(図6の(1)参照)。
【0071】
その後、プリンタドライバPDのUI画面(図6では、副UI画面120を図示)の操作で修飾の指示があると(図6の(2)参照)、第1の一時格納部108に格納された元印刷ジョブがプレビュー画像として副UI画面120のプレビュー表示領域120Aに表示される(図6の(3)参照)。
【0072】
副UI画面120の操作による修飾作業(図6の(4)参照)の後、修飾印刷ジョブが第2の一時格納部126へ格納され(図6の(5)参照)、印刷指示により、修飾印刷ジョブが印刷装置110へ送出される(図6の(6)参照)。
【0073】
以下に本実施の形態の作用を、図7及び図8のフローチャートに従い説明する。
【0074】
図7は、プリンタドライバにおける、印刷ジョブの受付から印刷装置110への出力までの流れを示すメインルーチンである。
【0075】
ステップ200では、印刷ジョブを受け付けたか否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ202へ移行する。ステップ202では、出力指示があったか否かが判断され、否定判定されると、ステップ204へ移行する。ステップ204では、修飾関連信号の入力があったか否かが判断され、否定判定されると、このルーチンは終了する。
【0076】
すなわち、ステップ200、ステップ202、ステップ204においてそれぞれ信号が入力されない場合は、このステップ200、202、204を繰り返し、何れかで信号入力があった場合に、それぞれに対応した処理が実行される。
【0077】
ステップ200で肯定判定された場合は、ステップ206へ移行して、元印刷ジョブとして、第1の一時格納部108へ格納し、ステップ208へ移行する。
【0078】
ステップ208では、主UI画面を表示し、次いでステップ210へ移行して印刷条件設定処理を行い、ステップ202へ移行する。
【0079】
ステップ202で肯定判定された場合は、ステップ212へ移行して修飾印刷ジョブが有るか否かが判断される。このステップ212で否定判定された場合には、修飾印刷ジョブの作成をしていない、あるいは副UI画面120での修飾印刷ジョブ作成後に「キャンセル」ボタン又は「標準に戻す」ボタンが操作されたと判断し、ステップ214へ移行して元印刷ジョブを選択してステップ218へ移行する。
【0080】
また、ステップ212で肯定判定された場合には、副UI画面120において修飾印刷ジョブが作成され、「OK」ボタンが操作されたと判断し、ステップ216へ移行して、修飾印刷ジョブを選択してステップ218へ移行する。
【0081】
ステップ218では、選択された印刷ジョブ(元印刷ジョブ又は修飾印刷ジョブ)に対してデータ変換処理を行い、次いでステップ220へ移行して印刷装置110へ出力してこのルーチンは終了する。
【0082】
また、前記ステップ204で肯定判定されると、ステップ222へ移行して修飾印刷ジョブ作成処理(図8参照)が実行された後、このルーチンは終了する。
【0083】
図8は、図7のステップ222での修飾印刷ジョブ作成処理の詳細を示すルーチンである。
【0084】
ステップ250では、第1の一時格納部108(図4参照)から元印刷ジョブを読み出し、次いで、ステップ252でこの読み出した元印刷ジョブを解析する。このステップ252では、元印刷ジョブに対して、どのような編集が可能かを解析する。
【0085】
次のステップ254では、ステップ252での解析結果に基づいて、修飾対象を抽出する。すなわち、編集可能な項目を選択し、ステップ258へ移行する。
【0086】
ステップ258では、モニタ10Dへ、主UI画面に代えて、副UI画面120を表示する。このとき、プレビュー表示領域120Aには、元印刷ジョブのプレビュー画面と修飾印刷ジョブのプレビュー画面とが並べて表示される。なお、編集(修飾)前は、当然両者の画像を同一である。
【0087】
次のステップ260では、編集指示があったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ262へ移行して編集内容に基づいて編集を実行し、次いで、ステップ264へ移行して、編集内容に修飾印刷ジョブプレビュー画像に反映させて、ステップ266へ移行する。また、ステップ260で否定判定された場合は、ステップ266へ移行する。
【0088】
ステップ266では、編集が終了したか(具体的には、副UI画面120の制御ボタン領域120Fの何れかが操作されたか)否かが判断され、否定判定された場合は、ステップ260へ戻る。
【0089】
一方、ステップ260で肯定判定されると、ステップ268へ移行して、最終修飾印刷ジョブを第2の一時格納部126(図4参照)格納して、このルーチンは終了する。なお、1回の編集の度に、第2の一時格納部126(図4参照)へ修飾印刷ジョブを更新、格納するようにしてもよい。
【0090】
また、プリンタドライバで、アプリケーションプログラムから印刷ジョブを受け付けた時点で、編集可能な項目を解析するようにしたが、プリンタドライバをインストールした時点で、制御装置10にインストールされているアプリケーションプログラムを解析して、編集可能な項目をアプリケーションプログラム毎にデータベース化して記憶しておくようにしてもよい。これによれば、印刷ジョブ毎に解析する必要がなくなる。
【実施例】
【0091】
図9は、本実施の形態に係る修飾機能を、店舗に陳列される商品を対象として商品棚等に貼り付けられる、所謂「ポップ広告」に印字される文字の修飾に適用した実施例である。
【0092】
副UI画面120のプレビュー領域120Aに表示される元印刷ジョブに基づく画像には、4行に亘り、文字列が設けられている。1行目は、「今日のお買い得品」、2行目は、「○○製菓」、3行目は、「××せんべい」、4行目は、「89円」と表示されている。
【0093】
プリンタドライバでは、元印刷ジョブを受け取ると、元印刷ジョブに付加されているPDL(ページ記述言語)を解析して、上記元印刷ジョブプレビューを作成して表示する。
【0094】
その後、解析/修飾指示があると、元印刷ジョブ画像を再解析して、行単位で文字データとして認識する。
【0095】
その後、副UI画面120(図5参照)を用いて、適宜修飾を行なった結果が、修飾印刷ジョブに基づく画像(プレビュー)が、プレビュー領域120Aに表示される。
【0096】
この実施例での修飾対象は、以下の通りである。
(修飾対象1)強調文字色変更
(修飾対象2)文字サイズ変更
(修飾対象3)レイアウト(行)変更
この結果、修飾印刷ジョブに基づいて表示されている画像の1行目は、「○○製菓」(行変更)、2行目は、「××せんべい」(行変更)、3行目は、「今日のお買い得品」(行変更、強調文字色変更)、4行目は、「89円」(文字サイズ変更)となっている。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本実施の形態に係る印刷システムの概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係る制御装置のハード構成を示すブロック図である。
【図3】印刷ジョブデータの記憶領域の構築形態を模式化した正面図である。
【図4】本実施の形態に係る制御装置本体10Aにおいて、プリンタドライバが立ち上げられたときの印刷ジョブの修飾対象に関する制御を機能的に示したブロック図である。
【図5】本実施の形態に係る副UI画面の正面図である。
【図6】図4で示した機能ブロック図による本実施の形態のデータの流れを、簡略的に示した概念図である。
【図7】プリンタドライバにおける、印刷ジョブの受付から印刷装置110への出力までの流れを示すメインルーチンである。
【図8】図7のステップ222での修飾印刷ジョブ作成処理の詳細を示すルーチンである。
【図9】本実施の形態に係る修飾機能を、店舗に陳列される商品を対象として商品棚等に貼り付けられる、所謂「ポップ広告」に印字される文字の修飾に適用した実施例を示す副UI画面のプレビュー領域の正面図である。
【符号の説明】
【0098】
10 制御装置
10A 制御装置本体
10B キーボード
10C マウス
10D モニタ
12 通信回線網
14 CPU
16 RAM
18 ROM
20 I/O
22 バス
24 ハードディスク
26 I/F
110 印刷装置
DP1 第1段領域
DP2 第2段領域
DP3 第3段領域
DP4 第4段領域
100 アプリケーション印刷ジョブ受付部(受付手段)
102 主UI画面読出部
104 UI画面メモリ
106 表示制御部
108 第1の一時格納部
111 入力信号解析部(印刷実行指示手段)
112 解析/編集信号振分部
114 印刷ジョブ解析部(抽出手段)
116 修飾実行制御部(編集手段)
118 修飾対象抽出部(抽出手段)
120 副UI画面
120A プレビュー表示領域
120B 用紙サイズ設定変更領域
120C 強調文字色設定変更領域
120D 文字サイズ設定変更領域
120E レイアウト設定変更領域
122 元印刷ジョブプレビュー用画像生成部
124 副UI画面読出部
126 第2の一時格納部
128 修飾印刷ジョブプレビュー用画面生成部
130 印刷ジョブ選択部(印刷実行指示手段)
132 印刷条件設定部(印刷実行指示手段)
134 データ変換部(印刷実行指示手段)
136 出力部
AP アプリケーションプログラム
PD プリンタドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷指示に基づき生成される印刷ジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた印刷ジョブから修飾対象データを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出した修飾対象データを編集する編集手段と、
前記編集手段により編集された修飾対象データに基づいて、印刷の実行を指示する印刷実行指示手段と、
を有する印刷実行制御装置。
【請求項2】
前記抽出手段が、
前記受付手段で受け付けた印刷ジョブに付加された印刷設定情報に基づいて、編集可能な修飾対象を選別する解析を行なう解析手段を備える請求項1記載の印刷実行制御装置。
【請求項3】
前記受付手段で受け付けた印刷ジョブに対する印刷指示のための主画面を表示装置に表示すると共に、前記表示装置に、前記編集手段による前記修飾対象データの編集のための修飾対象データ編集表示領域、前記編集前後の修飾対象データに基づく印刷プレビュー表示領域を備えた副画面を表示する表示制御手段をさらに有する請求項1又は請求項2記載の印刷実行制御装置。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1〜請求項3の何れか1項記載の印刷実行制御装置として機能させるための印刷実行制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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