説明

印刷材収納体および印刷材収容体に装着される基板

【課題】端子間の短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を防止または抑制する。
【解決手段】印刷材収容体は、第1のデバイスと、第2のデバイスと、端子群とを備える。端子群は、第1の端子と、第2の端子と、第3の端子を含む。第1の端子は、第1のデバイスに接続され、装置側端子のうちの対応する端子と接触する第1の接触部を含む。第2の端子は、第2のデバイスに接続され、装置側端子のうちの対応する端子と接触する第2の接触部を含む。第3の端子は、第2の端子と第3の端子との短絡を検出するための端子であり、装置側端子のうちの対応する端子と接触する第3の接触部を含む。第2の接触部と、第1の接触部と、第3の接触部は、1または複数の列を形成するように配置される。第2の接触部は、1または複数の列のうちの一の列の端に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷材を収容する印刷材収容体および印刷材収容体に印刷材収容体に装着される基板に関し、特に、これらに備えられた複数の端子の配置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェットプリンタ等の印刷装置に装着されるインクカートリッジに、デバイスが搭載される場合がある。例えば、デバイスとして、インクに関する情報を格納する記憶装置を、インクカートリッジに搭載することが行われている。また、デバイスとして、記憶装置の駆動電圧よりも高い電圧が印加される高電圧回路(例えば、圧電素子を用いたインク残量センサ)を、インクカートリッジに搭載することが行われている。このような場合、インクカートリッジと印刷装置とが、端子を介して電気的に接続される場合がある。特許文献1では、インクカートリッジに備えられた情報記憶媒体と印刷装置とを接続する端子に液滴が付着することにより情報記憶媒体がショートして損傷を受けることを防止する構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−103796号公報
【特許文献2】特開平10−86357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、複数のデバイス(例えば、上述した記憶装置と高電圧回路)が搭載され、一のデバイスの端子と他のデバイスの端子とが配置されるインクカートリッジについては、考慮されていない。このようなインクカートリッジでは、一のデバイスの端子と、他のデバイスの端子との短絡が発生するおそれがあった。かかる短絡は、インクカートリッジ、あるいは、インクカートリッジが装着される印刷装置に損傷を与え得るという問題があった。このような問題は、インクカートリッジに限らず、他の印刷材、例えば、トナーが収容された収容体についても同様であった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、記憶装置と高電圧回路とを備える印刷材収容体において、端子間の短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を防止または抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着される印刷材収容体を提供する。本発明の第1の態様に係る印刷材収容体は、第1のデバイスと、第2のデバイスと、端子群とを備える。端子群は、複数の第1の端子と、少なくとも1つの第2の端子と、少なくとも1つの第3の端子を含む。前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第1の接触部をそれぞれ含む。前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第2の接触部をそれぞれ含む。前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第3の接触部をそれぞれ含む。前記少なくとも1つの第2の接触部と、前記複数の第1の接触部と、前記少なくとも1つの第3の接触部は、1または複数の列を形成するように配置される。前記少なくとも1つの第2の接触部は、前記1または複数の列のうちの一の列の端に配置されている。
【0007】
本発明の第1の態様に係る印刷材収容体によれば、第2のデバイスと接続される第2の端子の第2の接触部は、端部に配置されているので、隣り合う接触部の数が少なく、他の接触部を含む端子と短絡する可能性が低くなる。この結果、かかる短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を防止または抑制することができる。
【0008】
本発明の第1の態様に係る印刷材収容体において、前記少なくとも1つの第3の接触部は、前記少なくとも1つの第2の接触部に隣接して配置されていても良い。こうすれば、第2の端子の第2の接触部と隣りあうように、第2の端子との短絡の有無を検出するための第3の端子の第3の接触部が配置されるので、インク滴などの異物により、第2の端子と第1の端子とが短絡している場合には、第2の端子と第3の端子も短絡する可能性が高くなる。この結果、かかる短絡を検出して、短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を、高い確率で防止または抑制することができる。
【0009】
本発明の第1の態様に係る印刷材収容体において、前記端子群は、複数の前記第2の端子を含み、複数の前記第2の端子の各前記第2の接触部は、前記第1の列の両端にそれぞれ配置されていても良い。こうすれば、複数の第2の端子はそれぞれ、端に配置されるので、それぞれ隣り合う接触部の数が少なく、他の接触部を含む端子と短絡する可能性が低くなる。
【0010】
本発明の第1の態様に係る印刷材収容体において、前記端子群は、複数の前記第2の端子を含み、複数の前記第2の端子の各前記第2の接触部と前記複数の第1の接触部のうちの一部は、第1の列を形成するように配置され、複数の前記第2の端子の各前記第2の接触部は、前記第1の列の両端にそれぞれ配置され、前記少なくとも1つの第3の接触部と前記複数の第1の接触部のうちの他の一部は、第2の列を形成するように配置され、前記少なくとも1つの第3の接触部は、前記第2の列の両端のうちの少なくとも一方に配置されていても良い。こうすれば、両端のうちのいずれか側からインク滴や異物が侵入したとしても、インク滴や異物による第2の端子と他の端子との短絡を、いち早く検出できる。
【0011】
本発明の第1の態様に係る印刷材収容体において、前記端子群は、複数の前記第3の端子を含み、複数の前記第3の端子の各前記第3の接触部は、前記第2の列の両端にそれぞれ配置されていても良い。こうすれば、両端のうちのいずれか側からインク滴や異物が侵入したとしても、インク滴や異物による第2の端子と他の端子との短絡を、いち早く検出できる。
【0012】
本発明の第1の態様に係る印刷材収容体において、前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、前記第1の列は、前記第2の列よりも前記挿入方向側に配置されていても良い。こうすれば、第2の端子の接触部は、挿入方向の奥側になるので、インク滴や異物が第2の端子の接触部の位置まで侵入する可能性が低くなる。この結果、第2の端子と他の端子との短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を、より効果的に、防止または抑制することができる。
【0013】
本発明の第1の態様に係る印刷材収容体において、前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、前記第1の列を形成するように配置されている各接触部と、前記第2の列を形成するように配置されている各接触部は、千鳥状に配置されていても良い。こうすれば、装着動作の途中において、印刷材収容体の端子と、装置側端子との不必要な接触を防止または抑制することができる。
【0014】
本発明の第1の態様に係る印刷材収容体において、前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、前記少なくとも1つの第3の端子は、前記隣接する第2の接触部より、前記端子群の中央から前記挿入方向に対して略垂直な方向側に離れた部分を含んでいても良く、複数の前記端子は、各前記接触部により形成される各前記列より外側に形成された部分を含んでいても良い。
【0015】
本発明の第2の態様は、複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着される印刷材収容体を提供する。本発明の第2の態様に係る印刷材収容体は、第1のデバイスと、第2のデバイスと、前記複数の装置側端子に接続するための端子群とを備える。前記端子群は、複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含む。前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されている。前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されている。前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子である。前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するために、前記少なくとも1つの第3の端子の少なくとも一部分から、少なくとも1つの方向に向かって、前記少なくとも1つの第2の端子の少なくとも一部分に至るまでの間には、前記第1の端子が配置されていない。
【0016】
本発明の第2の態様に係る印刷材収容体によれば、第3の端子の少なくとも一部分と、第2の端子の少なくとも一部分との間に、第1の端子が位置していない。この結果、第3の端子の一部分と第2の端子の一部分との間は、第1の端子と第2の端子との間より短絡しやすい。したがって、インク滴や異物により、第1の端子と第2の端子が短絡している場合には、第3の端子の一部分と第2の端子の一部分も短絡して、異常が検出される可能性が高い。この結果、第2の端子と第1の端子との短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を防止または抑制することができる。
【0017】
本発明の第3の態様は、複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着される印刷材収容体を提供する。本発明の第2の態様に係る印刷材収容体は、第1のデバイスと、第2のデバイスと、前記複数の装置側端子に接続するための端子群とを備える。前記端子群は、複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含む。前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されている。前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されている。前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子である。前記少なくとも1つの第3の端子の少なくとも一部分と、前記少なくとも1つの第2の端子の少なくとも一部分とは、少なくとも1つの方向に隣り合う。
【0018】
本発明の第3の態様に係る印刷材収容体によれば、第3の端子の少なくとも一部分は、第2の端子の少なくとも一部分と隣り合うので、第3の端子の一部分と第2の端子の一部分との間は、比較的短絡しやすい。したがって、インク滴や異物により、第1の端子と第2の端子が短絡している場合には、第3の端子の一部分と第2の端子の一部分も短絡して、異常が検出される可能性が高い。この結果、第2の端子と第1の端子との短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を防止または抑制することができる。
【0019】
本発明の第2または第3の態様に係る印刷材収容体において、前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、前記少なくとも1つの第2の端子に対し、前記挿入方向に略垂直な方向に最も近い端子は、前記少なくとも1つの第3の端子のいずれかであっても良い。かかる場合、挿入方向に略垂直な方向に侵入したインク滴や異物により第1の端子と第2の端子が短絡している場合には、第3の端子の一部分と第2の端子の一部分も短絡して、異常が検出される可能性が高い。
【0020】
本発明の第2または第3の態様に係る印刷材収容体において、前記複数の第1の端子のうち、前記少なくとも1つの第2の端子に隣り合う端子の数は、前記複数の第1の端子のうち、前記少なくとも1つの第3の端子に隣り合う端子の数より少なくても良い。こうすれば、第2の端子に隣り合う第1の端子の数が少ないので、第2の端子と第1の端子とが短絡する可能性が低くなる。この結果、第2の端子と第1の端子との短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を防止または抑制することができる。
【0021】
本発明の第2または第3の態様に係る印刷材収容体において、前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、前記少なくとも1つの方向は、前記挿入方向である、または、前記挿入方向を方向成分として含んでも良い。また、前記少なくとも1つの方向は、前記印刷材収容体の側縁部から遠ざかる方向である、または、前記側縁部から遠ざかる方向を方向成分として含む方向であっても良い。また、前記少なくとも1つの方向は、前記印刷材収容体の側縁部に向かう方向である、または、前記側縁部に向かう方向を方向成分として含む方向であっても良い。こうすれば、これらの方向から侵入したインク滴や異物により第1の端子と第2の端子が短絡している場合には、第3の端子の一部分と第2の端子の一部分も短絡して、異常が検出される可能性が高い。
【0022】
本発明の第4の態様に係る印刷材収容体は、複数の第1の装置側端子と、複数の第2の装置側端子と、複数の第3の装置側端子とを含み、第1の列と第2の列とを形成するように配置されている装置側端子群であって、前記複数の第2の装置側端子は、前記第1の列の両端部にそれぞれ配置され、前記第3の装置側端子は、前記第2の列の両端にそれぞれ配置され、前記第2の装置側端子と前記第3の装置側端子は、互いに隣り合う、前記装置側端子群を備える印刷装置に脱着可能に装着される印刷材収容を提供する。本発明の第4の態様に係る印刷材収容体は、第1のデバイスと、第2のデバイスと、端子群と、を備える。前記端子群は、複数の第1の端子と、少なくとも1つの第2の端子と、少なくとも1つの第3の端子を含む。前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されると共に、前記複数の第1の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触する。前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されると共に、前記複数の第2の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触する。前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子との短絡の有無を検出するために用いられると共に、前記複数の第3の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触する。
【0023】
第4の態様に係る印刷材収容体によれば、第1の態様に係る印刷材収容体と同様の作用効果を得ることができる。また、本発明の第4の態様に係る印刷材収容体は、本発明の第1の態様に係る印刷材収容体と同様にして種々の態様にて実現され得る。
【0024】
本発明の第5の態様に係る印刷材収容体は、複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着される印刷材収容体を提供する。本発明の第2の態様に係る印刷材収容体は、第1のデバイスと、第2のデバイスと、前記複数の装置側端子に接続するための端子群とを備える。前記端子群は、複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含む。前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続さている。前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されている。前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子である。前記少なくとも1つの第2の端子の外周縁の第1の部分は、前記少なくとも1つの第3の端子の外周縁の一部分と隣り合う。前記少なくとも1つの第2の端子の外周縁の第2の部分は、前記複数の第1の端子のいずれかの外周縁の一部分と隣り合う。前記第1の部分の長さは、前記第2の部分の長さより長い。
【0025】
第5の態様に係る印刷材収容体によれば、第2の端子の外周縁のうち、第3の端子と隣り合う部分の長さは、第1の端子と隣り合う部分の長さより長い。この結果、第3の端子と第2の端子の間は、第1の端子と第2の端子との間より短絡しやすい。したがって、インク滴や異物により、第1の端子と第2の端子が短絡している場合には、第3の端子と第2の端子も短絡して、異常が検出される可能性が高い。この結果、第2の端子と第1の端子との短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を防止または抑制することができる。
【0026】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記少なくとも1つの第3の端子は、前記複数の第1の端子のいずれより、前記少なくとも1つの第2の端子に近接していても良い。こうすれば、より第1の端子と第2の端子が短絡している場合には、第3の端子と第2の端子も短絡して、異常が検出される可能性が高い。
【0027】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記少なくとも1つの第2の端子は、各前記第1の端子の少なくとも一部分より、前記印刷材収容体の測縁部に近く配置されていても良い。また、前記端子群は、少なくとも2つの前記第2の端子を含み、各前記第1の端子の少なくとも一部分は、2つの前記第2の端子の間に配置されていても良い。こうすれば、第2の端子と第1の端子とが隣り合う部分が少なくなるので、第2の端子と第1の端子とが短絡する可能性が低くなる。
【0028】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記第1のデバイスは、前記印刷材収容体に収容された印刷材に関する情報を格納するためのメモリであっても良い。こうすれば、メモリに、印刷材に関する情報を格納しておくことができる。
【0029】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記第2のデバイスは、前記印刷材収容体に収容された印刷材の残量を判定するためのセンサであっても良い。こうすれば、印刷装置は、印刷材収容体に収容された印刷材の残量を検出することができる。
【0030】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記第2のデバイスは、前記第1のデバイスより高い電圧により動作しても良い。かかる場合には、第2のデバイスのための高い電圧が、第1のデバイスに印加されることによる第1のデバイスの損傷を防止または抑制することができる。
【0031】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記印刷材収容体は、前記印刷装置に供給するための印刷材が収容されていても良い。
【0032】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記第3の端子は、前記第2の端子ごとに、1つずつ配置されていても良い。こうすれば、より確実に、第2の端子と他の端子との短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を防止または抑制することができる。
【0033】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記端子群は、1または複数の列を形成するように配置され、前記第2の端子は、前記1または複数の列のうちの一の列の両端にそれぞれ配置されていても良い。こうすれば、第2の端子と第1の端子とが隣り合う部分が少なくなるので、第2の端子と第1の端子とが短絡する可能性が低くなる。
【0034】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記端子群は、第1の列と第2の列を形成するように配置され、前記第2の端子は、前記第1の列の両端にそれぞれ配置され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記第2の列の両端のうち少なくとも一方に配置されていても良い。こうすれば、各列の端部に位置する第2の端子と第3の端子との間における短絡が検出されるので、その端部側から侵入するインク滴や異物による第2の端子と他の端子との短絡を、いち早く検出できる。この結果、より確実に、第2の端子と他の端子との短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を防止または抑制することができる。
【0035】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記端子群は、少なくとも2つの前記第3の端子を含み、前記第3の端子は、前記第2の列の両端にそれぞれ配置されていても良い。こうすれば、両端のうちのいずれか側からインク滴や異物が侵入したとしても、インク滴や異物による第2の端子と他の端子との短絡を、いち早く検出できる。
【0036】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、前記第1の列は、前記第2の列よりも前記挿入方向側に配置されていても良い。こうすれば、高電圧が印可される第2の端子は、挿入方向の奥側になるので、インク滴や異物が第2の端子の位置まで侵入する可能性が低くなる。この結果、第2の端子と他の端子との短絡に起因する印刷材収容体および印刷装置の損傷を、より効果的に、防止または抑制することができる。
【0037】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、前記第1の列を形成するように配置されている各端子と、前記第2の列を形成するように配置されている各端子は、千鳥状に配置されていても良い。こうすれば、装着動作の途中において、印刷材収容体の端子と、印刷装置側の端子との不必要な接触を防止または抑制することができる。
【0038】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記端子群は、同一の列を形成するように配置され、前記少なくとも1つの第2の端子は、前記同一の列の端に配置され、前記少なくとも1つの第3の端子は、前記端に配置された前記第2の端子の内側に隣り合うように配置されていても良い。こうすれば、同一列の端部に位置する第2の端子と、その内側に位置する第3の端子との間における短絡が検出されるので、さらに内側にある第1の端子と第2の端子が短絡するより前に、第3の端子と第2の端子とが短絡して、異常が検出される可能性が高い。
【0039】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子を囲んでいても良い。こうすれば、第1の端子と第2の端子が短絡している場合には、第3の端子と第2の端子も短絡して、異常が検出される可能性が高い。
【0040】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記端子群は、少なくとも2つの前記第2の端子を含み、各前記第1の端子は、2つの前記第2の端子の間に配置されていても良い。こうすれば、第2の端子と、隣り合う第1の端子の数が少なくなるので、第2の端子と第1の端子が短絡する可能性が低くなる。
【0041】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記第3の端子のうちの少なくとも1つの端子は、さらに、前記印刷装置に対する前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられても良い。こうすれば、印刷材収容体の端子数を増加させることなく、さらに、印刷材収容体の装着の有無を検出することができる。
【0042】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記複数の第1の端子は、接地端子を含み、前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる前記第3の端子は、前記接地端子と短絡されていても良い。こうすれば、印刷装置は、第3の端子との接触の有無を電位の変化を用いて検出できるので、印刷材収容体の装着の有無を容易に検出することができる。かかる場合において、前記接地端子と前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる前記第3の端子は、同一の列を形成するように隣り合って配置されると共に、1つの部材で一体に形成されていても良い。こうすれば、印刷材収容体の部品点数や製造工程数を低減することができる。
【0043】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記端子群は、前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる1または複数の前記第3の端子を含み、前記印刷装置によって、前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる第3の端子の数および位置に基づいて、前記印刷材収容体の種類が判定されても良い。こうすれば、印刷装置は、印刷収容体の種類を適切に判定することができる。
【0044】
上記態様に係る印刷材収容体において、印刷材を収容するための筐体と、前記筐体に装着された基板とを有し、前記端子群は、前記基板上に配置されていても良く、前記端子群のうちの前記第1の端子と前記第3の端子は、前記基板上に配置され、前記端子群のうちの前記第2の端子は、前記筐体上に配置されていても良い。
【0045】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記第1のデバイスは、前記基板に装着されていても良い。こうすれば、印刷材収容体の構造を簡略化することができる。
【0046】
上記態様に係る印刷材収容体において、前記第2の端子と、前記第2の端子と隣接する他の端子との間には、凹部が設けられていても良く、前記第2の端子と、前記第2の端子と隣接する他の端子との間には、多孔体が配置されていても良い。こうすれば、侵入したインク滴や異物が、凹部や多孔体によりトラップされるので、侵入したインク滴や異物による第2の端子と他の端子との短絡を、防止または抑制することができる。
【0047】
本発明の第6の態様は、複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板を提供する。本発明の第6の態様に係る基板は、第1のデバイスと、端子群と、を備える。前記端子群は、複数の第1の端子と、少なくとも1つの第2の端子と、少なくとも1つの第3の端子を含む。前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第1の接触部をそれぞれ含む。前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第2の接触部をそれぞれ含む。前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第3の接触部をそれぞれ含む。前記少なくとも1つの第2の接触部と、前記複数の第1の接触部と、前記少なくとも1つの第3の接触部は、1または複数の列を形成するように配置されている。前記少なくとも1つの第2の接触部は、前記1または複数の列のうちの一の列の端に配置されている。
【0048】
本発明の第7の態様は、複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板を提供する。本発明の第7の態様に係る基板は、第1のデバイスと、前記複数の装置側端子に接続するための端子群と、を備える。前記端子群は、複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含む。前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されている。前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されている。前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子である。前記少なくとも1つの第3の端子の少なくとも一部分から、少なくとも1つの方向に向かって、前記少なくとも1つの第2の端子の少なくとも一部分に至るまでの間には、前記第1の端子が配置されていない。
【0049】
本発明の第8の態様は、複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板を提供する。本発明の第8の態様に係る基板は、第1のデバイスと、前記複数の装置側端子に接続するための端子群と、を備える。前記端子群は、複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含む。前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されている。前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されている。前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子である。前記少なくとも1つの第3の端子の少なくとも一部分と、前記少なくとも1つの第2の端子の少なくとも一部分とは、少なくとも1つの方向に隣り合う。
【0050】
本発明の第9の態様は、複数の第1の装置側端子と、複数の第2の装置側端子と、複数の第3の装置側端子とを含み、第1の列と第2の列とを形成するように配置されている装置側端子群であって、前記複数の第2の装置側端子は、前記第1の列の両端にそれぞれ配置され、前記第3の装置側端子は、前記第2の列の両端にそれぞれ配置され、前記第2の装置側端子と前記第3の装置側端子は、互いに隣り合う、前記装置側端子群を備える印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板を提供する。本発明の第9の態様に係る基板は、第1のデバイスと、端子群と、を備える。前記端子群は、複数の第1の端子と、少なくとも1つの第2の端子と、少なくとも1つの第3の端子を含む。前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されると共に、前記複数の第1の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触する。前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されると共に、前記複数の第2の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触する。前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子との短絡の有無を検出するために用いられると共に、前記複数の第3の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触する。
【0051】
本発明の第10の態様は、複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板を提供する。本発明の第10の態様に係る基板は、第1のデバイスと、前記複数の装置側端子に接続するための端子群と、を備える。前記端子群は、複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含む。前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されている。前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されている。前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子である。前記少なくとも1つの第2の端子の外周縁の第1の部分は、前記少なくとも1つの第3の端子の外周縁の一部分と隣り合う。前記少なくとも1つの第2の端子の外周縁の第2の部分は、前記複数の第1の端子のいずれかの外周縁の一部分と隣り合う。前記第1の部分の長さは、前記第2の部分の長さより長い。
【0052】
本発明の第11の態様は、複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板を提供する。本発明の第11の態様に係る基板は、第1のデバイスと、端子群と、少なくとも1つの切り欠き部と、を備える。前記端子群は、複数の第1の端子と、少なくとも1つの第3の端子とを含む。前記少なくとも1つの切り欠き部は、前記印刷材収容体に備えられた少なくとも1つの第2の端子のそれぞれが嵌る。前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第1の接触部をそれぞれ含む。前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第2の接触部をそれぞれ含む。前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第3の接触部をそれぞれ含む。前記印刷材収容体に搭載されたときに、前記少なくとも1つの第3の接触部は、前記少なくとも1つの第2の接触部に隣接して配置される。前記印刷材収容体に搭載されたときに、前記少なくとも1つの第2の接触部と、前記複数の第1の接触部と、前記少なくとも1つの第3の接触部は、1または複数の列を形成するように配置される。前記印刷材収容体に搭載されたときに、前記少なくとも1つの第2の接触部は、前記1または複数の列のうちの一の列の端に配置されている。
【0053】
本発明の第6〜第11の態様に係る基板によれば、本発明の第1〜第5の態様に係る印刷材収容体と同様の作用効果を得ることができる。また、本発明の第6〜第11の態様に係る基板は、本発明の第1〜第5の態様に係る印刷材収容体と同様にして種々の態様にて実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例における印刷装置の構成を示す斜視図。
【図2】実施例に係るインクカートリッジの構成を示す斜視図。
【図3】実施例に係る基板の構成を示す図。
【図4】インクカートリッジがホルダに装着される様子を示す説明図。
【図5】インクカートリッジがホルダに装着された状態を示す説明図。
【図6】接点機構の構成を説明する説明図。
【図7】インクカートリッジと印刷装置の電気的構成を示す概略図。
【図8】カートリッジ検出/短絡検出回路を中心とした電気的構成を示す概略図。
【図9】カートリッジ判定処理の処理ルーチンを示すフローチャート。
【図10】基板における3種類の端子配線を説明する説明図。
【図11】インク残量検出処理の処理ルーチンを示すフローチャート。
【図12】インク残量検出処理実行中における短絡検出許可信号およびセンサ電圧の時系列的な変化を示す説明図。
【図13】短絡の態様を説明するための説明図。
【図14】変形例に係る基板を例示する第1の図。
【図15】変形例に係る基板を例示する第2の図。
【図16】変形例に係る基板を例示する第3の図。
【図17】変形例に係るインクカートリッジの構成を、基板を中心に例示する図。
【図18】図17におけるA−A断面〜D−D断面をそれぞれ示す図。
【図19】変形例に係る基板を例示する第4の図。
【図20】変形例におけるインクカートリッジの全体構成を示す斜視図。
【図21】変形例におけるインクカートリッジをプリンタに装着する際の様子を示す説明図。
【図22】変形例におけるインクカートリッジを示す第1の図。
【図23】変形例におけるインクカートリッジを示す第2の図。
【図24】変形例におけるインクカートリッジを示す第3の図。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明の態様について、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
A.実施例:
・印刷装置およびインクカートリッジの構成:
図1は、本発明の実施例における印刷装置の構成を示す斜視図である。印刷装置1000は、副走査送り機構と、主走査送り機構と、ヘッド駆動機構を有している。副走査送り機構は、図示しない紙送りモータを動力とする紙送りローラ10を用いて印刷用紙Pを副走査方向に搬送する。主走査送り機構は、キャリッジモータ2の動力を用いて、駆動ベルトに接続されたキャリッジ3を主走査方向に往復動させる。ヘッド駆動機構は、キャリッジ3に備えられた印刷ヘッド5を駆動してインクの吐出およびドット形成を実行する。印刷装置1000は、さらに、上述した各機構を制御する主制御回路40を備えている。主制御回路40は、キャリッジ3とフレキシブルケーブル37を介して接続されている。
【0056】
キャリッジ3は、ホルダ4と、上述した印刷ヘッド5と、後述するキャリッジ回路を備えている。ホルダ4は、後述する複数のインクカートリッジを装着可能に構成され、印刷ヘッド5の上面に配置されている。図1に示す例では、ホルダ4は、4つのインクカートリッジが装着可能であり、例えば、ブラック、イエロ、マゼンタ、シアンの4種類のインクカートリッジが1つずつ装着される。ホルダ4には、装着されるインクカートリッジごとに、4つのカバー11が開閉可能に取り付けられている。印刷ヘッド5の上面には、さらに、インクカートリッジから印刷ヘッド5にインクを供給するためのインク供給針6が配置されている。
【0057】
図2〜図5を参照して、実施例に係るインクカートリッジの構成について説明する。図2は、実施例に係るインクカートリッジの構成を示す斜視図である。図3は、実施例に係る基板の構成を示す図である。図4は、インクカートリッジがホルダに装着される様子を示す説明図である。図5は、インクカートリッジがホルダに装着された状態を示す説明図である。ホルダ4に装着されるインクカートリッジ100は、インクを収容する筐体101と、筐体101の開口部を封止する蓋体102と、基板200と、センサ104と、を備えている。筐体101の底面には、ホルダ4に装着されたときに、上述したインク供給針6が挿入されるインク供給口110が形成されている。図2に示す筐体101の前面FRの上端には、張り出し部103が形成されている。さらに、筐体101の前面FRの中央より下側(底面側)には、上下をリブ107および106により囲まれた凹部105が形成されている。凹部105には、上述した基板200が嵌め込まれている。センサ104は、基板200の後部に配置されている。センサ104は、後述するように、インク残量の検出に用いられる。
【0058】
図3(a)は、基板200の表面の構成を示している。表面は、インクカートリッジ100に装着されたときに外側に露出している面である。図3(b)は、基板200を側面から見た図を示している。基板200の上端部には、ボス溝201が形成され、基板200の下端部には、ボス穴202が形成されている。図1に示すように、基板200が、筐体101の凹部105に装着される際、ボス溝201およびボス穴202には、凹部105の底面に形成されたボス108および109が嵌合する。ボス108および109の先端部は、潰されて、かしめられる。これにより基板200は、凹部105に固定される。
【0059】
図4および図5を参照してインクカートリッジ100が装着される様子を説明する。図4に示すように、カバー11は、回動軸9を中心に回動可能に構成されている。カバー11を上方に回動させて開状態として、インクカートリッジ100をホルダ4に装着すると、インクカートリッジ100の張り出し部103は、カバー11の突起14に受け止められる。この状態からカバー11を閉めると、突起14が下方に回動し、インクカートリッジ100は、下方(図4におけるZ軸方向)に降下していく。カバー11が完全に閉じられると、カバー11の鈎部18と、ホルダ4の鈎部16とが係合される。カバー11が完全に閉じられた状態では、インクカートリッジ100は、弾性部材20によってホルダ4に押し当てられて固定される。また、カバー11が完全に閉じられた状態では、インクカートリッジ100のインク供給口110に、インク供給針6が挿入され、インクカートリッジ100に収容されているインクは、インク供給針6を介して印刷装置1000に供給される。以上の説明から解るように、インクカートリッジ100は、図4および図5におけるZ軸の正方向に移動するように挿入されることにより、ホルダ4に装着される。図4および図5におけるZ軸の正方向を、インクカートリッジ100の挿入方向ともいう。
【0060】
図3に戻って、基板200について、さらに説明する。図3(a)における矢印Rは、上述したインクカートリッジ100の挿入方向を示している。図3に示すように、基板200は、裏面に記憶装置203を備え、表面に9つの端子210〜290からなる端子群を備えている。記憶装置203は、インクカートリッジ100に収容されているインクに関する情報を格納する。端子210〜290は、略矩形状に形成され、挿入方向Rと略垂直な列を2列形成するように配置されている。2つの列のうち、挿入方向R側、すなわち、図3(a)における下側に位置する列を下側列と呼び、挿入方向Rの反対側、すなわち、図3(a)における上側に位置する列を上側列と呼ぶ。上側列を形成するように配列されている端子は、図3(a)中左側から、第1の短絡検出端子210、接地端子220、電源端子230、第2の短絡検出端子240である。下側列を形成するように配列されている端子は、図3(a)中左側から、第1のセンサ駆動用端子250、リセット端子260、クロック端子270、データ端子280、第2のセンサ駆動用端子290である。図3(a)に示すように、各端子210〜290は、その中央部に、後述する複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する接触部cpを含んでいる。
【0061】
また、上側列を形成する端子210〜240と、下側列を形成する端子250〜290は、互いの端子中心が挿入方向Rに並ばないように、互い違いに配置され、いわゆる千鳥状の配置を構成している。結果として、上側列を形成する端子210〜240の各接触部cpと、下側列を形成する端子250〜290の各接触部cpも、同様に、互い違いに配置され、いわゆる千鳥状の配置を構成している。
【0062】
図3(a)から解るように、第1のセンサ駆動用端子250は、2つの端子(リセット端子260と、第1の短絡検出端子210)と隣り合っているが、そのうち短絡検出に用いられる第1の短絡検出端子210は、第1のセンサ駆動用端子250の最近接に配置されている。同様にして、第2のセンサ駆動用端子290は、2つの端子(第2の短絡検出端子240と、データ端子280)と隣り合っているが、そのうち短絡検出に用いられる第2の短絡検出端子240は、第2のセンサ駆動用端子290の最近接に配置されている。
【0063】
接触部cp間の関係についてみると、第1のセンサ駆動用端子250の接触部cpは、2つの端子(リセット端子260と、第1の短絡検出端子210)の各接触部cpと隣り合っている。同様にして、第2のセンサ駆動用端子290の接触部cpは、2つの端子(第2の短絡検出端子240と、データ端子280)の各接触部cpと隣り合っている。
【0064】
図3(a)から解るように、第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290は、下側列の両端部、すなわち、下側列の最も外側にそれぞれ配置されている。また、下側列は、上側列より端子数が多く、下側列の挿入方向Rと略垂直方向の長さは、上側列の長さより長いので、第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290は、上側列および下側列を含む全端子210〜290のうち、挿入方向Rと略垂直方向にみて、最も外側に位置している。
【0065】
接触部cp間の関係についてみると、第1のセンサ駆動用端子250の接触部cpおよび第2のセンサ駆動用端子290の接触部cpは、各端子の接触部cpにより形成される下側列の両端部、すなわち、下側列の最も外側にそれぞれ位置している。また、第1のセンサ駆動用端子250の接触部cpおよび第2のセンサ駆動用端子290の接触部cpは、上側列および下側列を含む全端子210〜290の接触部cpの中で、挿入方向Rと略垂直方向にみて、最も外側に位置している。
【0066】
図3(a)から解るように、第1の短絡検出端子210および第2の短絡検出端子240は、上側列の両端部、すなわち、上側列の最も外側にそれぞれ配置されている。結果として、第1の短絡検出端子210の接触部cpおよび第2の短絡検出端子240の接触部cpも、同様にして、各端子の接触部cpにより形成される上側列の両端部、すなわち、最も外側に位置している。従って、後述するように記憶装置203に接続される端子220、230、260、270、280は、第1の短絡検出端子210および第1のセンサ駆動用端子250と、第2の短絡検出端子240および第2のセンサ駆動用端子290とに両側から挟まれるように配置されている。
【0067】
本実施例において、基板200は、挿入方向Rの幅約12.8mm、挿入方向Rに対して垂直方向の幅約10.1mm、厚さ約0.71mmの寸法を有する。各端子210〜290は、挿入方向Rの幅約1.8mm、挿入方向Rに対して垂直方向の幅約1.05mmの寸法を有する。ただし、各寸法値は、例示に過ぎず、例えば、±0.5mm程度の相違があっても良い。また、同じ列(下側列または上側列)において互いに隣接する各端子の間隔、例えば、第1の短絡検出端子210と接地端子220との間隔kは、例えば、約1mmである。各端子の間隔値についても、例えば、±0.5mm程度の相違があっても良い。さらに、上側列と下側列との間隔jは、約0.2mmである。列間の間隔値についても、例えば、±0.3mm程度の相違があっても良い。
【0068】
基板200の端子210〜290は、図5に示すように、インクカートリッジ100がホルダ4に完全に装着されると、ホルダ4に備えられた接点機構400を介して、キャリッジ回路500と電気的に接続される。図6を参照して、接点機構400について簡単に説明する。
【0069】
図6は、接点機構400の構成を説明する説明図である。接点機構400には、基板200における各端子210〜290に対応するように、ほぼ一定のピッチで、深さが異なる2種類の複数のスリット401、402が交互に形成されている。各スリット401、402には、導電性と弾性を備えた接点形成部材403、404が嵌め込まれている。接点形成部材403および404の両端部のうち、ホルダ4の内側に露出する端部は、基板200の端子210〜290のうちの対応する端子に弾性的に接触する。図6には、接点形成部材403および404における、端子210〜290と接触する部分410〜490が示されている。すなわち、端子210〜290と接触する部分410〜490は、印刷装置1000と、端子210〜290とを電気的に接続するための装置側端子として機能する。以下、図6に示す端子210〜290と接触する部分410〜490を、装置側端子410〜490と呼ぶ。ホルダ4にインクカートリッジ100が装着されると、装置側端子410〜490は、それぞれ、上述した各端子210〜290の接触部cp(図3(a))に接触する。
【0070】
一方、接点形成部材403および404の両端部のうち、ホルダ4の外側に露出する端部は、キャリッジ回路500に設けられた端子510〜590のうちの対応する端子に弾性的に接触する。
【0071】
続いて、図7および図8を参照しながら、インクカートリッジ100と、印刷装置1000の電気的構成を、インクカートリッジ100と関連する部分を中心に説明する。図7は、インクカートリッジ100と印刷装置1000との電気的構成を示す概略図である。図8は、カートリッジ検出/短絡検出回路を中心とした電気的構成を示す概略図である。
【0072】
まず、インクカートリッジ100の電気的構成について説明する。図3を参照して説明した基板200の端子のうちの接地端子220、電源端子230、リセット端子260、クロック端子270、データ端子280は、記憶装置203と電気的に接続されている。記憶装置203は、例えば、シリアルにアクセスされるメモリセル(図示省略)を備え、クロック信号に同期して、データの読み書きを行うEEPROMである。接地端子220は、印刷装置1000側の端子520を介して接地されている。リセット端子260は、キャリッジ回路500の端子560と電気的に接続され、キャリッジ回路500から記憶装置203にリセット信号RSTを供給するために用いられる。クロック端子270は、キャリッジ回路500の端子570と電気的に接続され、キャリッジ回路500から記憶装置203にクロック信号CLKを供給するために用いられる。データ端子280は、キャリッジ回路500の端子580と電気的に接続され、キャリッジ回路500と記憶装置203との間で、データ信号SDAをやり取りするために用いられる。
【0073】
図3を参照して説明した基板200の端子のうちの第1の短絡検出端子210および第2の短絡検出端子240は、いずれか一方または両方が接地端子220と電気的に接続されている。図7に示す例では、第1の短絡検出端子210が、接地端子220と接続されていることがわかる。第1の短絡検出端子210および第2の短絡検出端子240は、それぞれ、キャリッジ回路500の端子510、540と電気的に接続され、後述するカートリッジ検出および短絡検出に用いられる。
【0074】
センサ104には、本実施例では、圧電素子が用いられる。圧電素子に駆動電圧を印加して逆圧電効果により圧電素子を振動させ、その残留振動の圧電効果により発生する電圧の振動周波数を測定することで、インク残量を検出することができる。すなわち、この振動周波数は、圧電素子と共に振動する周囲の構造体(例えば、筐体101やインク)の固有振動数を表し、インクカートリッジに残存するインク量に応じて変化するため、振動周波数を測定することによってインク残量を検出することができる。図3を参照して説明した基板200の端子のうちの第2のセンサ駆動用端子290および第1のセンサ駆動用端子250は、センサ104としての圧電素子の一方の電極と他方の電極に、それぞれ、電気的に接続され、センサ駆動電圧やセンサ104からの出力信号をキャリッジ回路500とセンサ104との間でやり取りするために用いられる。
【0075】
キャリッジ回路500は、メモリ制御回路501と、カートリッジ検出/短絡検出回路502と、センサ駆動回路503とを備えている。メモリ制御回路501は、上述したキャリッジ回路500の端子530、560、570、580と接続され、インクカートリッジ100の記憶装置203を制御してデータの読み書きを実行する回路である。メモリ制御回路501および記憶装置203は、比較的低い電圧(本実施例では、最大約3.3V)を用いて駆動される低電圧回路である。メモリ制御回路501は、周知の構成を用いることができるので、詳しい説明を省略する。
【0076】
センサ駆動回路503は、キャリッジ回路500の端子590および550と接続され、これらの端子590、550から出力される駆動電圧を制御してセンサ104を駆動し、センサ104にインク残量を検出させる回路である。駆動電圧は、後述するように略台形の形状を有しており、比較的高い電圧(例えば、約36V)を含んでいる。すなわち、センサ駆動回路503およびセンサ104は、端子590および550を介して比較的高い電圧を用いる高電圧回路である。センサ駆動回路503は、例えば、ロジック回路により構成されているが詳細は省略する。
【0077】
カートリッジ検出/短絡検出回路502は、メモリ制御回路501と同様に、比較的低い電圧(本実施例では、最大約3.3V)を用いて駆動される低電圧回路である。カートリッジ検出/短絡検出回路502は、図8に示すように、第1検出回路5021と、第2検出回路5022とを備える。第1検出回路5021は、上述したキャリッジ回路500の端子510と接続され、端子510と基板200の第1の短絡検出端子210(図3)との接触の有無を検出するカートリッジ検出機能と、端子510と高電圧が出力され得る端子550および590との短絡を検出する短絡検出機能とを備える。
【0078】
具体的に説明すると、第1検出回路5021は、直列に接続された2つの抵抗R2、R3の一端に基準電圧V_ref1を印加し、他端を接地することによって、図4に示すポイントP1とポイントP2の電位をそれぞれV_ref1、V_ref2に保持している。ここで、V_ref1を短絡検出電圧と呼び、V_ref2をカートリッジ検出電圧と呼ぶことにする。本実施例では、短絡検出電圧V_ref1を6.5V、カートリッジ検出電圧V_ref2を2.5Vに設定している。これらの値は、回路によって設定されるもので、これに限られるものではない。
【0079】
図8に示すように、短絡検出電圧V_ref1(6.5V)は、第1のオペアンプOP1の負入力ピンに入力され、カートリッジ検出電圧V_ref2(2.5V)は、第2のオペアンプOP2の負入力ピンに入力される。そして、端子510の電位は、第1のオペアンプOP1と第2のオペアンプOP2の正入力ピンに入力される。これら2つのオペアンプは、負入力ピンに入力された電位より正入力ピンに入力された電位が高い場合にハイ信号を出力し、逆に負入力ピンに入力された電位より正入力ピンに入力された電位が低い場合にロー信号を出力するコンパレータとして機能する。
【0080】
ここで、端子510は、図8に示すように、トランジスタTR1を介して、3.3Vの電源であるVDD3.3と接続されている。これによって、端子510に何も接触していない場合(以下、解放時という。)は、端子510の電位は、約3Vに設定される。ところで、上述したように、インクカートリッジ100が装着されると、端子510が、上述した基板200の第1の短絡検出端子210と接触する。ここで、図7に示すように、基板200において、第1の短絡検出端子210と接地端子220とが電気的に接続(短絡)されている場合、端子510が第1の短絡検出端子210と接触すると(以下、接触時という。)、端子510は、接地されている端子520と導通し、端子510の電位は、約0Vに落ちる。
【0081】
したがって、端子510の解放時には、第2のオペアンプOP2からハイ信号がカートリッジ検出信号CS1として出力される。また、端子510の接触時には、第2のオペアンプOP2からロー信号がカートリッジ検出信号CS1として出力される。
【0082】
一方で、端子510が、隣接する端子550と短絡してしまうと、端子510には、センサ駆動用の電圧(最大45V)が印加される場合がある。図8に示すように、短絡により、端子510に短絡検出電圧V_ref1(6.5V)以上の電圧が印加されると、第1のオペアンプOP1からハイ信号がAND回路AAに出力される。
【0083】
図8に示すようには、AND回路AAの他方の入力ピンには、主制御回路40からの短絡検出許可信号ENが入力されるように構成されている。この結果、第1検出回路5021は、ハイ信号を短絡検出許可信号ENとして入力されている期間のみ、第1のオペアンプOP1からのハイ信号を、短絡検出信号AB1として出力する。すなわち、第1検出回路5021の短絡検出機能は、主制御回路40の短絡検出許可信号ENによって、その実行を制御される。AND回路AAからの短絡検出信号AB1は、主制御回路40に出力されると共に、トランジスタTR1のベース端子に、抵抗R1を介して出力される。この結果、短絡検出時(短絡検出信号AB1がハイの時)には、端子510を介して、電源VDD3.3に高い電圧が印加されることを、トランジスタTR1によって防止することができる。
【0084】
第2検出回路5022は、端子540と基板200の第2の短絡検出端子240(図3)との接触の有無を検出する接触検出機能と、端子540と高電圧が出力され得る端子550および590との短絡を検出する短絡検出機能とを備える。第2検出回路5022は、第1検出回路5021と同じ構成を有するので、詳しい構成の図示および説明は省略する。以下、第2検出回路5022より出力されるカートリッジ検出信号をCS2、短絡検出信号をAB2と呼ぶこととする。
【0085】
以上、キャリッジ回路500について、1つのインクカートリッジ100と対応する構成を説明した。本実施例では、4つのインクカートリッジ100が装着されるので、上述したカートリッジ検出/短絡検出回路502は、4つのインクカートリッジ100の装着位置ごとに4つ備えられている。また、センサ駆動回路503は1つだけであるが、切り換えスイッチによって、4つの装着位置に装着されたインクカートリッジ100の各センサ104に接続可能に構成されている(図示は省略)。また、メモリ制御回路501は、1つの回路で4つのインクカートリッジに関する処理を担当する。
【0086】
主制御回路40は、中央演算装置(CPU)、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)を備える周知のコンピュータである。主制御回路40は、上述のようにプリンタ全体を制御するが、図8では、本実施例の説明に必要な構成要素のみを選択的に図示し、以下、図示された構成について説明する。主制御回路40は、カートリッジ判定部M50と、インク残量判定部M60とを備えている。カートリッジ判定部M50は、受信したカートリッジ検出信号CS1、CS2に基づいて、後述するカートリッジ判定処理を実行する。インク残量判定部M60は、センサ駆動回路503を制御して、後述するインク残量検出処理を実行する。
【0087】
・カートリッジ判定処理:
図9〜図10を参照して、主制御回路40のカートリッジ判定部M50が実行するカートリッジ判定処理について説明する。図9は、カートリッジ判定処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。図10は、基板200における3種類の端子配線を説明する説明図である。
【0088】
カートリッジ判例処理に先立って、図10を参照して、基板200について補足説明する。上述した基板200には、第1の短絡検出端子210および第2の短絡検出端子240と、接地端子220との配線パターンによって、3つの種類がある。これらの3つの種類をそれぞれTypeA、TypeB、TypeCと呼ぶものとする。図10(a)に示すように、TypeAの基板200は、第1の短絡検出端子210と接地端子220とが導通線207によって電気的に接続され、第2の短絡検出端子240と接地端子220とは電気的に接続されないように、配線されている。図10(b)に示すように、TypeBの基板200は、第1の短絡検出端子210と第2の短絡検出端子240の両方が、接地端子220とが導通線207によって電気的に接続されるように、配線されている。図10(c)に示すように、TypeCの基板200は、第2の短絡検出端子240と接地端子220とが導通線207によって電気的に接続され、第1の短絡検出端子210と接地端子220とは電気的に接続されないように、配線されている。インクカートリッジ100には、例えば、インクの種類やインクの量によって予め決められた種類の基板200が配置される。具体例としては、インクカートリッジ100に収容されたインク量に応じて、インク量が多いLサイズのカートリッジには、typeAの基板200が配置され、インク量が標準的なMサイズのカートリッジには、TypeBの基板200が配置され、インク量が少ないSサイズのカートリッジには、TypeCの基板200が配置されることとしても良い。
【0089】
主制御回路40のカートリッジ判定部M50は、カートリッジ検出/短絡検出回路502からカートリッジ検出信号CS1およびCS2を、ホルダ4の4つの装着位置ごとに、常に受信しており、これら信号を用いて装着位置ごとにカートリッジ判定処理を実行する。
【0090】
カートリッジ判定部M50は、着目する装着位置(以下、着目装着位置という。)についてカートリッジ判定処理を開始すると、着目装着位置に対応するカートリッジ検出/短絡検出回路502からのカートリッジ検出信号CS1がロー信号であるか否かを判別する(ステップS102)。続いて、カートリッジ判定部M50は、着目装着位置におけるカートリッジ検出信号CS2がロー信号であるか否かを判別する(ステップS104またはS106)。この結果、カートリッジ検出信号CS1とカートリッジ検出信号CS2とが共にロー信号である場合(ステップS102:YES、かつ、ステップS104:YES)には、カートリッジ判定部M50は、着目装着位置に装着されているインクカートリッジ100は上述したTypeBの基板200を備えるカートリッジであると判断する(ステップS108)。
【0091】
同様に、カートリッジ判定部M50は、カートリッジ検出信号CS1がロー信号であり、カートリッジ検出信号CS2がハイ信号である場合(ステップS102:YES、かつ、ステップS104:NO)には、上述したTypeAの基板200を備えるカートリッジであると判断し(ステップS110)、カートリッジ検出信号CS1がハイ信号であり、カートリッジ検出信号CS2がロー信号である場合(ステップS102:NO、かつ、ステップS106:YES)には、上述したTypeCの基板200を備えるカートリッジであると判断する(ステップS112)。
【0092】
そして、カートリッジ検出信号CS1とカートリッジ検出信号CS2とが共にハイ信号である場合(ステップS102:NO、かつ、ステップS104:NO)には、カートリッジ判定部M50は、着目装着位置には、インクカートリッジ100が装着されていないと判断する(ステップS114)。このようにして、カートリッジ判定部M50は、4つの装着位置のそれぞれについて、インクカートリッジ100の種類および装着の有無を判定することができる。
【0093】
・インク残量検出処理:
図11および図12を参照して、主制御回路40のインク残量判定部M60が実行するインク残量検出処理について説明する。図11は、インク残量検出処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。図12は、インク残量検出処理実行中における短絡検出許可信号EN、および、センサ104に印加されている電圧(以下、センサ電圧という。)の時系列的な変化を示す説明図である。
【0094】
主制御回路40のインク残量判定部M60は、ホルダ4のいずれかの装着位置に装着されたインクカートリッジ100のインク残量を検出する場合、先ず、全てのカートリッジ検出/短絡検出回路502に対する短絡検出許可信号ENをハイ信号にする(ステップS202)。この結果、全てのカートリッジ検出/短絡検出回路502は、短絡検出機能を発揮し、上述した端子510および端子540に短絡検出電圧V_ref1(6.5V)以上の電圧が印加されると、ハイ信号を短絡検出信号AB1、AB2として出力可能な状態となる。言い換えれば、短絡検出許可信号ENをハイ信号にした状態は、端子510、端子540と、高電圧が出力され得る端子550、端子590との短絡を監視している状態である。
【0095】
次に、インク残量判定部M60は、センサ駆動回路503に指示して、端子550または端子590からセンサ104に対する駆動電圧を出力させインク残量を検出させる(ステップS204)。具体的に説明すると、センサ駆動回路503は、インク残量判定部M60の指示信号を受けると、端子550および端子590のいずれか一方から駆動電圧を出力し、インクカートリッジ100のセンサ104としての圧電素子に電圧を印加して充電し、逆圧電効果により圧電素子を歪ませる。その後、センサ駆動回路503は、印加した電圧を低下させて、圧電素子に充電した電荷を放電させ、圧電素子を振動させる。駆動電圧は、図12において、期間T1における電圧として図示されている電圧である。図12に示すように、駆動電圧は、基準電圧から最大電圧Vsまでの間で、略台形状を描くように変動する。最大電圧Vsは、比較的高い電圧(例えば、約36V)に設定されている。センサ駆動回路503は、圧電素子の振動の結果、圧電効果により発生する電圧(図12において、期間T2おける電圧として図示されている。)を、端子550または端子590を介して検出し、その振動周波数を測定することで、インク残量を検出する。すなわち、この振動周波数は、圧電素子と共に振動する周囲の構造体(筐体101やインク)の固有振動数を表し、インクカートリッジ100に残存するインク量に応じて変化するため、振動周波数を測定することによってインク残量を検出することができる。センサ駆動回路503は、検出結果を主制御回路40のインク残量判定部M60に出力する。
【0096】
インク残量判定部M60は、センサ駆動回路503から、検出結果を受信すると、上述したステップS202においてハイ信号にした短絡検出許可信号ENをロー信号に戻して(ステップS206)、本処理を終了する。本処理では、インク残量を検出している間は、短絡検出許可信号ENをハイ信号にして短絡検出可能な状態としている。言い換えれば、短絡の発生をカートリッジ検出/短絡検出回路502によって監視しながら、インク残量を検出している。
【0097】
・短絡検出時の処理:
ここで、インク残量の検出(ステップS204)を実行中に、インク残量判定部M60が、短絡検出信号AB1またはAB2として、ハイ信号を受信した場合(以下、短絡検出時という。)の処理について説明する。図11には、短絡検出時の割り込み処理ルーチンのフローチャートを合わせて示した。端子510または端子540と、端子550および590のうちのセンサ駆動電圧を出力している端子とに短絡が生じていると、センサ駆動電圧が短絡している端子510または端子540に印加される。すると、短絡検出許可信号ENがハイ信号にされているので、センサ駆動電圧が短絡検出電圧V_ref1(6.5V)を超えた瞬間に、ハイ信号が短絡検出信号AB1、AB2として、カートリッジ検出/短絡検出回路502から出力される。インク残量判定部M60は、この短絡検出信号AB1、AB2のいずれかを受信すると、インク残量の検出を中断して、短絡検出時の割り込み処理を実行する。
【0098】
短絡時の割り込み処理が開始されると、インク残量判定部M60は、直ちに、センサ駆動回路503に指示して、センサ駆動電圧の出力を遮断する(ステップS208)。
【0099】
続いて、インク残量判定部M60は、インク残量検出を最後まで実行せずに、短絡検出許可信号ENをロー信号に戻して(ステップS206)、本処理を終了する。主制御回路40は、例えば、ユーザーに対して短絡の発生を通知する等の対応処理をとることができる。
【0100】
図12(a)は、短絡検出許可信号ENの時系列的な変化を示している。図12(b)は、端子510または端子540と、端子550および590のうちのセンサ駆動電圧を出力している端子とに短絡が生じておらず、インク残量検出処理が正しく実行された場合(以下、正常時という。)におけるセンサ電圧を示している。図12(c)は、端子510または端子540と、端子550および590のうちのセンサ駆動電圧を出力している端子とに短絡が生じている場合(以下、短絡時)におけるセンサ電圧を示している。
【0101】
図12(a)に示すように、インク残量検出処理実行中は、短絡検出許可信号ENがハイ信号にされている。図12(b)に示すように、正常時においては、センサ104には、大きさVsの電圧が印加された後に、印加された電圧が低下され、その後に圧電効果による振動電圧が発生していることがわかる。なお、本実施例では、Vsは36Vに設定されている。
【0102】
一方、図12(c)に示すように、短絡時においては、センサ電圧は、短絡検出電圧V_ref1(6.5V)を超えた瞬間に低下する。これは、センサ電圧が短絡検出電圧V_ref1(6.5V)を超えた瞬間に、ハイ信号が短絡検出信号AB1またはAB2として、カートリッジ検出/短絡検出回路502からインク残量判定部M60に出力され、これを受信したインク残量判定部M60がセンサ駆動電圧を直ちに低下させたからである。
【0103】
図13は、短絡の態様を説明するための説明図である。ここで、センサ駆動電圧を出力する端子550および590と、他の端子とが短絡する態様として考えられるのは、例えば、図13に示すように、インクカートリッジ100の基板200に導電性のインク液滴S1または結露により発生した水滴S2が付着して、第1のセンサ駆動用端子250または第2のセンサ駆動用端子290と、基板200の他の端子がブリッジされて短絡するケースである。例えば、キャリッジ3の底面やインク供給針6に付着していたインク液滴S1が、インクカートリッジ100の脱着動作によって飛散し、図13に示すように付着する。かかる場合には、インクカートリッジ100が装着されたときに、例えば、センサ駆動電圧を出力する端子550は、第1のセンサ駆動用端子250と、インク液滴S1によって第1のセンサ駆動用端子250とブリッジされている端子(図13:端子210、220、260)を介して、キャリッジ回路500の他の端子510、520、560と短絡する。あるいは、センサ駆動電圧を出力する端子590は、第2のセンサ駆動用端子290と、水滴S2によって第2のセンサ駆動用端子290とブリッジされている第2の短絡検出端子240(図13)を介して、キャリッジ回路500の他の端子540と短絡する。このような短絡は、インク液滴や水滴の付着に起因するものに限らず、種々の態様が考えられる。例えば、短絡は、ユーザが端子に触れたときに、端子に伝導物質(例えば、油脂)が付着することによっても起こり得る。また、装着されたインクカートリッジ100の基板200付近にクリップや液体などの導電物質が挟まることや付着することによっても起こり得る。
【0104】
本実施例に係るインクカートリッジ100では、図3を参照して上述したように、センサに対する駆動電圧が印可される第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290は、端子群の両端部に配置されているので、隣り合う端子の数が少ない。この結果、第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290と、他の端子とが短絡する可能性が低くなる。
【0105】
基板200において、第1のセンサ駆動用端子250が、隣り合う端子(210および260)のうちの第1の短絡検出端子210と、短絡すると、上述のカートリッジ検出/短絡検出回路502によって、短絡が検出される。例えば、第1のセンサ駆動用端子250側から侵入したインク液滴S1による第1のセンサ駆動用端子250と他の端子との短絡をいち早く検出しできる。そうすると、センサ駆動電圧が遮断されて、係る短絡に起因する記憶装置203および印刷装置1000の回路(メモリ制御回路501やカートリッジ検出/短絡検出回路502)の損傷を防止または抑制することができる。
【0106】
さらに、第1の短絡検出端子210は、第1のセンサ駆動用端子250と隣り合うと共に、第1のセンサ駆動用端子250の最近接に位置する端子である。従って、第1のセンサ駆動用端子250と他の端子が、インク液滴S1や、水滴S2によって短絡している場合には、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210も短絡している可能性が高くなる。従って、第1のセンサ駆動用端子250と他の端子との短絡を、より確実に検出することができる。
【0107】
さらに、第1の短絡検出端子210は、上述したカートリッジ検出/短絡検出回路502により、短絡の検出に加えて、インクカートリッジ100の装着の有無およびインクカートリッジ100の種類の判定にも用いられる。この結果、基板200の端子数の増加を抑制でき、基板200の製作工程の削減や、基板200の部品点数の削減が可能になる。
【0108】
同様に、第2のセンサ駆動用端子290が、第2の短絡検出端子240と短絡すると、カートリッジ検出/短絡検出回路502によって、短絡が検出される。従って、第2のセンサ駆動用端子290側から侵入したインク液滴S1による第2のセンサ駆動用端子290と他の端子との短絡をいち早く検出することができる。その結果、係る短絡に起因する記憶装置203および印刷装置1000の回路の損傷を防止または抑制することができる。同様に、第2の短絡検出端子240は、第2のセンサ駆動用端子290の最近接に位置する端子である。従って、第2のセンサ駆動用端子290と他の端子が、インク液滴S1や、水滴S2によって短絡している場合には、第2のセンサ駆動用端子290と第2の短絡検出端子240も短絡している可能性が高くなる。従って、第1のセンサ駆動用端子250と他の端子との短絡を、より確実に検出することができる。
【0109】
また、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210、および、第2のセンサ駆動用端子290と第2の短絡検出端子240とは、他の端子(220、230、260〜270)を挟むように、端子群の両端に位置している。したがって、図13において矢印でしめすように、両端側から侵入する異物(インク液滴S1、水滴S2等)が端子群の中央付近に位置する他の端子(220、230、260〜270)まで侵入する前に、その侵入を検出できる。従って、異物の侵入に起因する記憶装置203および印刷装置1000の回路の損傷を防止または抑制することができる。
【0110】
さらに、第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290は、挿入方向R側の列(下側列)に配置されている。この結果、高電圧のセンサ駆動電圧が印加される端子250、290は、挿入方向の奥側になるので、インク滴や異物(例えば、クリップ)がこれらの端子250、290の位置まで侵入する可能性が低くなる。この結果、異物の侵入に起因する記憶装置203および印刷装置1000の回路の損傷を防止または抑制することができる。
【0111】
さらに、基板200の端子群は、千鳥状に配置されている。この結果、装着動作の途中において、インクカートリッジ100の端子と、印刷装置1000の端子(上述した接点形成部材403、404)との不必要な接触を防止することができる。
【0112】
B.変形例:
図14〜図16を参照して、インクカートリッジ100に装着される基板200の変形例について説明する。図14は、変形例に係る基板を例示する第1の図である。図15は、変形例に係る基板を例示する第2の図である。図16は、変形例に係る基板を例示する第3の図である。
【0113】
・第1変形例:
図14(a)に示す基板200bの第1の短絡検出端子210は、実施例に係る基板200の第1の短絡検出端子210の下端部に、下側列の下端部付近に至る延長部を有している。延長部は、下側列の第1のセンサ駆動用端子250とリセット端子260との間に配置されている。この結果、例えば、図14(a)に示すインク液滴S3が付着した場合であっても、第1の短絡検出端子210の延長部と第1のセンサ駆動用端子250との短絡が検出さる。このように、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210以外の端子が短絡している場合には、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210も短絡している可能性が高くなるので、センサ駆動電圧が遮断されて、第1のセンサ駆動用端子250と他の端子(図14(a)の例では、リセット端子260)との短絡に起因する不都合を防止または抑制することができる。
【0114】
図14(a)に示すように、基板200bの第2の短絡検出端子240も上述した第1の短絡検出端子210と同様の形状を有しており、第2のセンサ駆動用端子290と他の端子の短絡についても、より確実に検出される。
【0115】
・第2変形例:
図14(b)に示す基板200cは、上述した基板200bの構成に加えて、第1のセンサ駆動用端子250が、第1のセンサ駆動用端子250の上端側に、上側列の上端部付近に至る延長部を有している。この結果、図14(b)に示すインク液滴S4が付着した場合であっても、第1の短絡検出端子210と第1のセンサ駆動用端子250の延長部との短絡が検出される。第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210以外の端子が短絡している場合には、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210も短絡している可能性が高くなるので、センサ駆動電圧が遮断されて、第1のセンサ駆動用端子250と他の端子との短絡に起因する不都合を防止または抑制することができる。
【0116】
図14(b)に示すように、基板200cの第2のセンサ駆動用端子290も上述した第1のセンサ駆動用端子250と同様の形状を有しており、第2のセンサ駆動用端子290が配置された側の端部からの端部からのインク液滴の侵入もいち早く検出することができる。
【0117】
・第3変形例:
図14(c)に示す基板200dは、実施例における基板200と異なり、第2の短絡検出端子240が配置されていない。図10(a)に示すTypeAの基板200の場合、第2の短絡検出端子240は、カートリッジ検出/短絡検出回路502によって、接触の検出が行われない(接地端子220と短絡されていないため)。従って、TypeAの基板200の場合、第2の短絡検出端子240は、短絡検出のためにのみ用いられるので、省略され得る。係る場合であっても、第1のセンサ駆動用端子250に対して、第1の短絡検出端子210が最近接に隣り合っているので、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210以外の端子が短絡している場合には、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210も短絡している可能性が高くなる。また、第2のセンサ駆動用端子290側へのインク液滴の侵入も、ある程度は、検出される。図14(c)において、記号cpは、第2の短絡検出端子240がある場合に、第2の短絡検出端子240と接触する接点形成部材403(キャリッジ回路500の端子540に対応する接点形成部材403)の接触位置を表している。第2の短絡検出端子240が無い場合であっても、図14(c)に示すように、インク液滴S5によって、第2のセンサ駆動用端子290と、キャリッジ回路500の端子540に対応する接点形成部材403との短絡が生じれば、インク液滴S5の侵入が検出される。同様にして、TypeCの基板200の場合、第1の短絡検出端子210が省略されることがあり得る。
【0118】
・第4変形例:
図14(d)に示す基板200eは、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210とが、上側列の上端部付近から下側列の下端部付近までに至る細長い形状を有している。このような形状の端子であっても、図14(d)において接触位置を記号cpで示すように、千鳥状に配置された対応する接点形成部材403と接触することができる。基板200eの場合には、上述した基板200cと同様に、例えば、図14(d)に示すインク液滴S6が付着した場合であっても、第1の短絡検出端子210と第1のセンサ駆動用端子250の延長部との短絡が検出される。このように、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210以外の端子との間に第1の短絡検出端子210が挟まれるように配置されているので、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210以外の端子が短絡している場合には、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210も短絡している可能性が高くなる。
【0119】
基板200eの第2のセンサ駆動用端子290と第2の短絡検出端子240は、上述した第1のセンサ駆動用端子250および第1の短絡検出端子210と同様の形状を有しており、第2のセンサ駆動用端子290と第2の短絡検出端子240以外の端子が短絡している場合には、第2のセンサ駆動用端子290と第2の短絡検出端子240も短絡している可能性が高くなる。その結果、第2のセンサ駆動用端子290と第2の短絡検出端子240以外の端子が短絡している場合に、センサ駆動電圧が遮断されて、第1のセンサ駆動用端子250と他の端子との短絡に起因する不都合を防止または抑制できる可能性がより高くなる。
【0120】
・第5変形例:
図15(a)に示す基板200fは、実施例に係る基板200における第1の短絡検出端子210と接地端子220に相当する端子として、これら2つの端子が1つの部材で一体に形成された一体端子215を有している。このような基板200fは、第1の短絡検出端子210と接地端子220が短絡されているTypeAおよびTypeBの基板200(図10)に代えて用いられ得る。基板200fでは、実施例に係る基板200では必要であった、第1の短絡検出端子210と接地端子220との間の配線が不要になり、基板200の製造工程数および部品点数を低減することができる。
【0121】
・第6変形例:
図15(b)に示す基板200gにおいて、上側列の端子210〜240は、それぞれ、上述した基板200bの第1の短絡検出端子210と同様の形状を有している。すなわち、端子210〜240は、実施例に係る基板200の対応する端子の下端部に、下側列の下端部付近に至る延長部を有している。基板200gの下側列の端子250〜290は、それぞれ、上述した基板200cの第1のセンサ駆動用端子250と同様の形状を有している。すなわち、端子250〜290は、実施例に係る基板200の対応する端子の上端部に、上側列の上端部付近に至る延長部を有している。
【0122】
この結果、基板200gの端子210〜290は、上側列と下側列の2列に分けて配置されていると言うより、略しゃもじ型の端子が互い違いに配置された一列の端子群を形成するように配置される。そして、高電圧のセンサ駆動電圧が印加される第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290が、一列の端子群の両端部に配置され、第1の短絡検出端子210および第2の短絡検出端子240は、第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290の内側に、それぞれ、隣り合うように配置されている形になる。
【0123】
基板200gでは、両端部から侵入したインク液滴や異物等が、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210、または、第2のセンサ駆動用端子290と第2の短絡検出端子240とを短絡させた時点でいち早く、検出することができる。また、第1のセンサ駆動用端子250または第2のセンサ駆動用端子290と他の端子が、インク液滴等によって短絡される場合、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210、または、第2のセンサ駆動用端子290と第2の短絡検出端子240との短絡が同時に生じる可能性が極めて高い。従って、確実に第1のセンサ駆動用端子250または第2のセンサ駆動用端子290と他の端子との短絡を検出できる。この結果、係る短絡に起因する記憶装置203および印刷装置1000の回路(メモリ制御回路501やカートリッジ検出/短絡検出回路502)の損傷を防止または抑制することができる。
【0124】
・第7変形例:
図15(c)に示す基板200hにおいて、端子210〜290は、上述した200eの第1のセンサ駆動用端子250や第1の短絡検出端子210と同様に、実施例に係る基板200の2列分に亘る細長い形状を有している。このような形状の端子であっても、図15(c)において接触位置を記号cpで示すように、千鳥状に配置された対応する接点形成部材403と接触することができる。
【0125】
基板200hにおいて、端子210〜290は、上述した基板200gと同様に、挿入方向Rと略垂直方向に、一つの端子列を形成するように配置される。そして、基板200gと同様に、高電圧のセンサ駆動電圧が印加される第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290が、1つの端子列の両端部に配置され、第1の短絡検出端子210および第2の短絡検出端子240は、第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290の内側に、それぞれ、隣り合うように配置される。この結果、基板200hは、上述した200gと同様の作用・効果を奏する。
【0126】
・第8変形例:
図16(a)に示す基板200iの第1の短絡検出端子210は、実施例に係る基板200の第1の短絡検出端子210より、図における左側に長い形状を有している。さらに、基板200iの第1の短絡検出端子210は、左端部から下側列の下端部付近に至る延長部を有している。係る延長部は、下側列の第1のセンサ駆動用端子250より左側(端子群の中央から挿入方向Rに対して略垂直な方向に離れた側)に位置している。かかる場合には、端子全体をみると、第1の短絡検出端子210は、第1のセンサ駆動用端子250より外側(左側)に位置しているものの、端子の接触部cpの観点からみれば、実施例同様に、第1のセンサ駆動用端子250の接触部cpは、全端子210〜290の接触部cpの中で、最も外側(左端)に位置している。そして、第1のセンサ駆動用端子250の接触部cpと隣り合う接触部cpを含む第1の短絡検出端子210と、第1のセンサ駆動用端子250との短絡が検出される。従って、本変形例に係る200iは、実施例に係る基板200と同様の作用・効果を奏することができる。すなわち、端部からのインク液滴の侵入をいち早く検出して、係る短絡に起因する記憶装置203および印刷装置1000の回路の損傷を防止または抑制することができる。さらに、第1の短絡検出端子210が延長部を有していることにより、第1のセンサ駆動用端子250の外周縁のうち、第1の短絡検出端子210の外周縁と隣り合う部分(第1の部分と呼ぶ)の長さが長くなっている。図16(a)から解るように、第1のセンサ駆動用端子250の外周縁のうち、リセット端子260との外周縁と隣り合う部分(第2の部分と呼ぶ)の長さより、第1の部分の長さが長くなっている。この結果、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210以外の端子(例えば、リセット端子260)が短絡している場合には、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210も短絡している可能性が高くなる。その結果、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210以外の端子が短絡している場合に、センサ駆動電圧が遮断されて、第1のセンサ駆動用端子250と他の端子との短絡に起因する不都合を防止または抑制できる可能性がより高くなる。
【0127】
図16(c)に示す基板200pの第1の短絡検出端子210は、基板200iの第1の短絡検出端子210より、さらに長い延長部を有している。図16(c)に示すように、基板200pの第1の短絡検出端子210の延長部は、第1のセンサ駆動用端子250の外周縁に沿って、第1のセンサ駆動用端子250の左上から右下にまで延びている。この結果、第1の短絡検出端子210の外周縁と隣り合う部分(第1の部分)がさらに長くなっている。その結果、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210以外の端子している場合に、センサ駆動電圧が遮断されて、第1のセンサ駆動用端子250と他の端子との短絡に起因する不都合を防止または抑制できる可能性がより高くなる。
【0128】
図16(d)に示す基板200qの第1の短絡検出端子210は、基板200iおよび200qの第1の短絡検出端子210より、さらに長い延長部を有している。図16(d)に示すように、基板200qの第1の短絡検出端子210の延長部は、第1のセンサ駆動用端子250の外周縁に沿って、第1のセンサ駆動用端子250の左上から下を通って右上にまで延びている。すなわち、第1の短絡検出端子210は、第1のセンサ駆動用端子250の全体を囲むように形成されている。この結果、第1の短絡検出端子210の外周縁と隣り合う部分(第1の部分)がさらに長くなっている。その結果、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210以外の端子が短絡している場合に、センサ駆動電圧が遮断されて、第1のセンサ駆動用端子250と他の端子との短絡に起因する不都合を防止または抑制できる可能性がより高くなる。
【0129】
図16(a)、(c)、(d)に示すように、本変形例における基板200i、200p、200qは、第1の短絡検出端子210に延長部を設けることにより、第1のセンサ駆動用端子250の一部分と、第1の短絡検出端子210の一部分とが隣り合う方向を増やしている。例えば、基板200iでは、第1のセンサ駆動用端子250の左縁に、第1の短絡検出端子210の延長部が左方向(インクカートリッジ100の測縁部に向かう方向)に隣り合うと共に、第1のセンサ駆動用端子250の上縁に、第1の短絡検出端子210が上方向(挿入方向の反対方向)に隣り合っている。一方、基板200pでは、上記2方向に加えて、さらに、第1のセンサ駆動用端子250の下縁に、第1の短絡検出端子210の延長部が下方向(挿入方向)に隣り合っている。また、基板200qでは、さらに、第1のセンサ駆動用端子250の右縁に、第1の短絡検出端子210の延長部が右方向(インクカートリッジ100の測縁部から遠ざかる方向)に隣り合っており、結果的に、基板200qでは、第1のセンサ駆動用端子250からみて、あらゆる方向に第1の短絡検出端子210の少なくとも一部が隣り合っていることになる。
【0130】
第1のセンサ駆動用端子250の一部分と第1の短絡検出端子210の一部分とが隣り合う方向から侵入したインク滴や異物により第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210以外の端子が短絡している場合には、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210も短絡している可能性が非常に高くなる。したがって、そのように方向から侵入したインク滴や異物による第1のセンサ駆動用端子250と他の端子との短絡に起因する不都合を防止または抑制できる可能性がより高くなる。本変形例では、第1の短絡検出端子210に延長部を設けることにより、第1の短絡検出端子210と第1のセンサ駆動用端子250が隣り合う方向を増やし、より高い確率で、第1のセンサ駆動用端子250と他の端子との短絡に起因する不都合を防止または抑制できる。
【0131】
なお、本変形例に係る基板200i、200p、200qでは、左側の第1の短絡検出端子210のみが上述した延長部を有する構造を備えているが、第1の短絡検出端子210と共に、あるいは、第1の短絡検出端子210に代えて、右側の第2の短絡検出端子240が上述した延長部を有する構造を備えても良い。係る場合も、本変形例に係る基板200i、200p、200qと同様の作用・効果を奏することができる。
【0132】
・第9変形例:
図16(b)に示す基板200jは、第5変形例として上述した基板200fと同様に、実施例に係る基板200における第1の短絡検出端子210と接地端子220が1つの部材で一体に形成された一体端子215を有している。基板200jの一体端子215は、上述した基板200fの一体端子215と形状が異なる。具体的には、基板200jの一体端子215は、第8変形例として上述した基板200iの第1の短絡検出端子210と同様に、左側に長い形状と、左端部から下側列の下端部付近に至る延長部を有している。係る場合には、基板の製造工程数および部品点数を低減しつつ、第8変形例における基板200iと同様の作用・効果を奏することができる。
【0133】
上述した実施例および変形例では、全ての端子が基板200上に配置されているが、必ずしも全ての端子が基板200上に配置されていなくても良い。例えば、端子の一部をインクカートリッジ100の筐体101上に配置しても良い。以下、その具体例を図17〜図18を参照して、第10変形例および第11変形例として説明する。図17は、変形例に係るインクカートリッジ100の構成を基板200を中心に例示する図である。図18は、図17におけるA−A断面〜D−D断面をそれぞれ示す図である。
【0134】
・第10変形例:
図17(a)に示す基板200kは、実施例に係る基板200が備える9つの端子210〜290のうち、7つの端子210〜240、260〜280を備えている。一方で、基板200kは、実施例に係る基板200が備える9つの端子210〜290のうち、第1のセンサ駆動用端子250と、第2のセンサ駆動用端子290を備えていない。そして、本変形例に係る基板200kは、実施例に係る基板200において第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290を備えていた位置を含む領域に切り欠きNT1またはNT2が設けられている。切り欠きの形状は、図17(a)において、実線NT1で示す形状でも良いし、破線NT2で示す形状でも良い。そして、実施例に係る200における第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290と同様の機能を有する端子150および190は、基板200kの裏側に位置する筐体101に配置されている。当然であるが、これらの端子150および190は、ホルダ4にインクカートリッジ100が装着されたときに、対応する装置側端子450および490と接触する位置に配置されている。
【0135】
図18(a)には、図17(a)におけるA−A断面が示されている。図18(a)に示すように、端子150と、隣接する端子260、210(図18(a)には、リセット端子260が示されている。)との間には、基板200kの切り欠きNT1と端子150との隙間により形成される凹部DEが配置される。図示は省略するが、端子190と、隣接する端子280、240との間にも、同様に、凹部が配置される。
【0136】
本変形例によれば、実施例に係る基板200と同様の作用・効果に加えて、以下の効果を奏する。本変形例に係るインクカートリッジ100の端部からインク滴や異物が侵入すると、端子150および端子190の周囲に配置された凹部にトラップされるため、侵入したインク滴や異物によって、端子150および端子190と、他の端子との短絡を、さらに、防止または抑制することができる。
【0137】
・第11変形例:
図17(b)に示す基板200mは、第10変形例に係る切り欠きNT1またはNT2に代えて、実施例係る基板200において第1のセンサ駆動用端子250と第2のセンサ駆動用端子290が配置されている位置に対応する位置に貫通孔HLを備えている。第11変形例に係るインクカートリッジ100のその他の構成は、第10変形例に係るインクカートリッジ100の構成と同一である。本変形例においても、端子150、190と、隣接する端子との間に、凹部が配置される。従って、本変形例に係るインクカートリッジ100は、第10変形例に係るインクカートリッジ100と同様の作用・効果を奏することができる。
【0138】
・第12変形例:
上述した実施例および変形例における基板では、全ての端子が記憶装置203またはセンサ104に接続されているが、いずれにも接続されていないダミー端子を含んでも良い。以下、その具体例を、図19を参照して、第12変形例として説明する。図19は、変形例に係る基板を例示する第4の図である。
【0139】
図19(a)に示す基板200rは、実施例における基板200と同様に、4つの端子から形成される上側列と、5つの端子から形成される下側列とを備えている。上側列および下側列を形成する端子210〜290の配置や機能は、実施例における基板200(図3)と同様であるので、その説明を省略する。
【0140】
図19(a)に示す基板200rは、上側列と下側列との間と、下側列の下側(挿入方向側)ダミー端子DTを備えている。ダミー端子DTは、例えば、他の端子210〜290と同じ材質を用いて形成されている。図19(a)におけるダミー端子DTを含むE−E断面が、図19(c)に示されている。ダミー端子の厚さは、他の端子210〜290とほぼ同程度に形成されている。
【0141】
ダミー端子DTは、インクカートリッジ100の脱着時に、接点形成部材403に付着した塵などの異物を掻き取るために備えられている。これにより、インクカートリッジ100の装着時に、接点形成部材403が接触すべき端子(図19(c)では、第1のセンサ駆動用端子250)に異物が持ち込まれることを防ぎ、接点形成部材403と端子との接触不良が生じることを防ぐことができる。
【0142】
図19(a)示す基板200rでは、第1のセンサ駆動用端子250と、第1の短絡検出端子210との間に、ダミー端子DTが存在しているため、第1のセンサ駆動用端子250と、第1の短絡検出端子210とは隣り合っているとは言えない。しかし、ダミー端子DTは、記憶装置203と接続されていないし、印刷装置1000側の端子510〜590とも接続されていない。このため、第1のセンサ駆動用端子250とダミー端子DTとが短絡しても、何の問題も生じない。従って、基板200rにおいても、実施例における基板200と同様の作用・効果を奏することができる。すなわち、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210が隣り合っていなくても、第1のセンサ駆動用端子250の少なくとも一部分から、所定方向に向かって、第1の短絡検出端子210の少なくとも一部分に至るまでの間に、第1のセンサ駆動用端子250との短絡が問題になる端子(端子220、230、260〜280)が配置されていなければ良い。かかる場合には、1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210は、実質的には、当該所定方向に隣り合っていると言えるので、第1のセンサ駆動用端子250と、短絡が問題になる端子が、インク液滴S1や、水滴S2によって短絡している場合には、第1のセンサ駆動用端子250と第1の短絡検出端子210も短絡している可能性が高くなる。そうすると、センサ駆動電圧が遮断されて、係る短絡に起因する記憶装置203および印刷装置1000の損傷を防止または抑制することができる。
【0143】
・第13変形例:
実施例および変形例に係る基板は、図2に示すように、オンキャリッジタイプのプリンタに対して用いられるインクカートリッジ100に装着されるものとして説明したが、オフキャリッジタイプのプリンタに対して用いられるインクカートリッジに装着されても良い。図20および図21を参照して、オフキャリッジタイプのプリンタに対して用いられるインクカートリッジについて説明する。図20は、第13変形例におけるインクカートリッジの全体構成を示す斜視図である。図21は、第13変形例におけるインクカートリッジをプリンタに装着する際の様子を示す説明図である。
【0144】
第13変形例におけるインクカートリッジ100bは、インクカートリッジをキャリッジ上に備えない、いわゆる、オフキャリッジタイプのプリンタに対して装着されるための形態を有している。オフキャリッジタイプのプリンタは、一般的に、大型プリンタであることが多く、このような大型プリンタに用いられるインクカートリッジは、オンキャリッジタイプのプリンタに用いられるインクカートリッジを比較して大型である。
【0145】
インクカートリッジ100bは、印刷材を収容する筐体1001と、基板200を装着する基板装着部1050と、筐体1001内のインクをプリンタに対して供給するためのインク供給口1020と、インクの供給を円滑にするために筐体1001内に空気を送り込むための空気供給口1030と、プリンタに対して装着する際のガイド部1040を備えている。インクカートリッジ100bは、ガイド部1040等が形成されている辺(幅方向)に対して垂直な辺(奥行き方向)の長さが幅方向よりも長い外形寸法を有している。インクカートリッジ100bの奥行き寸法と基板200の幅寸法との関係を、両者の比で表した場合、例えば、その比は、15:1以上である。
【0146】
基板200は、実施例と同様に、ボス溝201およびボス穴202において位置決めされると共に、インクカートリッジ100bの基板装着部1050に対して固定されている。
【0147】
図21に示すように、インクカートリッジ100bがプリンタに装着される際には、インクカートリッジ100bのガイド部1040がプリンタ側のガイドピン2040を案内し、基板装着部1050、インク供給口1020、および空気供給口1030と、プリンタ側の接触ピン2050、インク供給口2020、および空気供給口2030とを適切に接触、接合させる。本変形例におけるインクカートリッジ100bの挿入方向は、図21において矢印Rで示す通りであり、基板200に対する挿入方向Rは、実施例と同様である。
【0148】
本変形例に係るオフキャリッジタイプのプリンタ用のインクカートリッジ100bに、おいても、上述した実施例および変形例と同様に、第1のセンサ駆動用端子250と他の端子との短絡に起因する記憶装置および印刷装置の損傷を防止または抑制することができる。
【0149】
・第14変形例:
図2に示すオンキャリッジタイプのプリンタ用のインクカートリッジの形状は、一例であり、これに限られない。オンキャリッジタイプのプリンタ用のインクカートリッジの他の形状を、図22〜図24を参照して説明する。図22は、第14変形例におけるインクカートリッジを示す第1の図である。図23は、第14変形例におけるインクカートリッジを示す第2の図である。図24は、第14変形例におけるインクカートリッジを示す第3の図である。
【0150】
図22〜23に示すように、第14変形例におけるインクカートリッジ100bは、筐体101bと、基板200と、センサ104bを備えている。筐体101bの底面には、実施例におけるインクカートリッジ100と同様に、ホルダ4bに装着されたときにインク供給針が挿入されるインク供給口110bが設けられている。基板200は、実施例におけるインクカートリッジ100と同様に、筐体101bの前面(Y軸の負方向側の面)の下側(Z軸の正方向側)に搭載されている。基板200の構成は、図3を参照して説明した実施例における基板200と同一である。センサ104bは、実施例におけるインクカートリッジ100と同様に、筐体101bの側壁に埋め込まれ、インク残量の検出に用いられる。筐体101の前面の上側には、ホルダ4bに装着されたときにホルダ4bの係合部(図示省略)と係合するフック120bが設けられている。フック120bにより、インクカートリッジ100bは、ホルダ4bに固定される。インクカートリッジ100bをホルダ4bに装着する際の挿入方向は、図22において矢印Rで示す方向(Z軸の正方向)であり、実施例におけるインクカートリッジ100と同様である。
【0151】
インクカートリッジ100bの筐体101bの側面(X軸の正および負方向側の面)における、基板200に近接した部分には、位置ずれ防止部PO1〜PO4が設けられている。位置ずれ防止部PO1〜PO4は、インクカートリッジ100bがホルダ4bに装着されたときに、ホルダ4bの側壁の対応する部分に近接または当接する。これにより、インクカートリッジ100bがホルダ4bにおける正しい装着位置からX軸方向にずれることを抑制する。具体的には、位置ずれ防止部PO1およびPO2は、基板200の上側(Z軸の負方向側)に位置し、インクカートリッジ100bの上側(Z軸の負方向側)が、インク供給口110bを回転の中心として、X軸方向に振れるのを防止する。位置ずれ防止部PO3およびPO4は、基板200における端子群210〜290(図3)の両端部に位置し、端子群210〜290を、対応する装置側端子410〜490と正確に接触するように、位置決めする。
【0152】
第14変形例におけるインクカートリッジ100bの電気的構成は、図7を参照して説明した実施例におけるインクカートリッジ100の電気的構成と同一であるので、その説明を省略する。
【0153】
以上説明した第14変形例におけるインクカートリッジ100bによれば、実施例におけるインクカートリッジ100と同様の作用・効果に加えて、以下のような作用・効果を奏する。インクカートリッジ100bは、位置ずれ防止部PO1〜PO4を備えるので、ホルダに装着された際における装着位置のずれを防止または低減することができる。特に、位置ずれ防止部PO3およびPO4は、基板200における端子群210〜290の両端部に位置するので、対応する装置側端子410〜490に対する端子群210〜290の位置決めが精度良く行われる。さらに、図3を参照して説明したように、基板200において、第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290は、端子群210〜290の両端に位置している。すなわち、第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290は、最も位置ずれ防止部PO3およびPO4に近接している。これにより、第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290の位置決め精度が向上するので、高電圧が印可される第1のセンサ駆動用端子250および第2のセンサ駆動用端子290が他の端子と誤って接触することを防止または低減することができる。
【0154】
なお、上記図22〜24に示すインクカートリッジ100bには、実施例における基板200が搭載されているが、これに代えて、図14〜図19に示す基板200b〜200sを搭載しても良い。
【0155】
・その他の変形例:
図17(c)、(d)および図18(c)、(d)に示すように、上述した第10変形例および第11変形例における凹部、すなわち、端子150、190と基板との間に、多孔体POを配置しても良い。こうすれば、端子150、190と、他の端子との短絡の原因となりやすい、インク滴や結露した水分を、多孔体POにより効果的に吸収できる。したがって、このような構成によっても、上述した第10変形例および第11変形例と同様の作用・効果を奏することができる。
【0156】
上記実施例では、インクカートリッジ100は、複数のデバイスとして、センサ104(圧電素子)と、記憶装置203が搭載されているが、インクカートリッジ100に搭載される複数のデバイスは、これらに限られない。例えば、センサ104は、インクカートリッジ100内のインクに電圧を印加して、その抵抗値を測定することによって、インクの性状や、量を検出するタイプのセンサであっても良い。また、本実施例では、複数のデバイスのうち、センサ104は筐体101に、記憶装置203は基板200にそれぞれ設けられているが、複数のデバイスの配置は、これに限られない。例えば、記憶装置203は、基板200とは別体にされ、筐体101に配置されても良い。さらには、複数のデバイスは、単一の基板上に配置されても良いし、単一のモジュール内に配置されても良い。そして、複数のデバイスを含む基板またはモジュールは、筐体101に配置されても良いし、基板200に配置されても良い。少なくとも複数のデバイスのうち、より高い電圧が印加されるデバイスの端子を、上述の端子250、290の位置に配置し、より低い電圧が印加されるデバイスの端子を、上述の端子220、230、260〜280の位置に配置すれば良い。こうすれば、より高い電圧が印加され得るデバイスの端子と、より低い電圧が印加されるデバイスの端子との短絡に起因する、インクカートリッジ100または印刷装置1000の損傷を防止または抑制することができる。また、本実施例では、記憶装置203用の端子が5つ(220、230、260〜280)、センサ104用の端子が2つ(250、290)であるが、これらの端子数は、デバイスの仕様によって異なっても良い。例えば、より高い電圧が印加されるデバイスの端子は、1つであっても良い。かかる場合は、その1つの端子は、上述の端子250、290のいずれかの位置に配置されれば良い。
【0157】
また、上記実施例では、インクカートリッジ100に、本発明を適用しているが、インクカートリッジに限らず、他の印刷材、例えば、トナーが収容された収容体についても同様に適用可能である。
【0158】
また、印刷装置1000における主制御回路40やキャリッジ回路500の構成は、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えてもよい。
【0159】
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0160】
2…キャリッジモータ
3…キャリッジ
4…ホルダ
5…印刷ヘッド
6…インク供給針
9…回動軸
10…ローラ
11…カバー
14…突起
16、18…鈎部
20…弾性部材
37…フレキシブルケーブル
40…主制御回路
100、100b…インクカートリッジ
101…筐体
102…蓋体
103…張り出し部
104…センサ(圧電素子)
105…凹部
107…リブ
108、109…ボス
110…インク供給口
200、200b〜200s…基板
201…ボス溝
202…ボス穴
203…記憶装置
207…導通線
210…第1の短絡検出端子
215…一体端子
220…接地端子
230…電源端子
240…第2の短絡検出端子
250…第1のセンサ駆動用端子
260…リセット端子
270…クロック端子
280…データ端子
290…第2のセンサ駆動用端子
400…接点機構
401、402…スリット
403、404…接点形成部材
500…キャリッジ回路
501…メモリ制御回路
502…カートリッジ検出/短絡検出回路
5021…第1検出回路
5022…第2検出回路
503…センサ駆動回路
510〜590…キャリッジ回路の端子
1000…印刷装置
M50…カートリッジ判定部
M60…インク残量判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着される印刷材収容体であって、
第1のデバイスと、
第2のデバイスと、
複数の第1の端子と、少なくとも1つの第2の端子と、少なくとも1つの第3の端子を含む端子群と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第1の接触部をそれぞれ含み、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第2の接触部をそれぞれ含み、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第3の接触部をそれぞれ含み、
前記少なくとも1つの第2の接触部と、前記複数の第1の接触部と、前記少なくとも1つの第3の接触部は、1または複数の列を形成するように配置され、
前記少なくとも1つの第2の接触部は、前記1または複数の列のうちの一の列の端に配置されている、印刷材収容体。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷材収容体において、
前記少なくとも1つの第3の接触部は、前記少なくとも1つの第2の接触部に隣接して配置されている、印刷材収容体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の印刷材収容体において、
前記端子群は、複数の前記第2の端子を含み、
複数の前記第2の端子の各前記第2の接触部は、前記1または複数の列のうちの一の列の両端にそれぞれ配置されている、印刷材収容体。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記端子群は、複数の前記第2の端子を含み、
複数の前記第2の端子の各前記第2の接触部と前記複数の第1の接触部のうちの一部は、第1の列を形成するように配置され、
複数の前記第2の端子の各前記第2の接触部は、前記第1の列の両端にそれぞれ配置され、
前記少なくとも1つの第3の接触部と前記複数の第1の接触部のうちの他の一部は、第2の列を形成するように配置され、
前記少なくとも1つの第3の接触部は、前記第2の列の両端のうちの少なくとも一方に配置されている、印刷材収容体。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷材収容体において、
前記端子群は、複数の前記第3の端子を含み、
複数の前記第3の端子の各前記第3の接触部は、前記第2の列の両端にそれぞれ配置されている、印刷材収容体。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の印刷材収容体において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、
前記第1の列は、前記第2の列よりも前記挿入方向側に配置されている印刷材収容体。
【請求項7】
請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、
前記第1の列を形成するように配置されている各接触部と、前記第2の列を形成するように配置されている各接触部は、千鳥状に配置されている印刷材収容体。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記隣接する第2の接触部より、前記端子群の中央から前記挿入方向に対して略垂直な方向側に離れた部分を含んでいる、印刷材収容体。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の印刷材収容体において、
複数の前記端子は、各前記接触部により形成される各前記列より外側に形成された部分を含む、印刷材収容体。
【請求項10】
複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着される印刷材収容体であって、
第1のデバイスと、
第2のデバイスと、
複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含み、前記複数の装置側端子に接続するための端子群と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、
前記少なくとも1つの第3の端子の少なくとも一部分から、少なくとも1つの方向に向かって、前記少なくとも1つの第2の端子の少なくとも一部分に至るまでの間には、前記第1の端子が配置されていない、印刷材収容体。
【請求項11】
複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着される印刷材収容体であって、
第1のデバイスと、
第2のデバイスと、
複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含み、前記複数の装置側端子に接続するための端子群と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、
前記少なくとも1つの第3の端子の少なくとも一部分と、前記少なくとも1つの第2の端子の少なくとも一部分とは、少なくとも1つの方向に隣り合う、印刷材収容体。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載の印刷材収容体において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記少なくとも1つの第2の端子に対し、前記挿入方向に略垂直な方向に最も近い端子は、前記少なくとも1つの第3の端子のいずれかである、印刷材収容体。
【請求項13】
請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記複数の第1の端子のうち、前記少なくとも1つの第2の端子に隣り合う端子の数は、前記複数の第1の端子のうち、前記少なくとも1つの第3の端子に隣り合う端子の数より少ない、印刷材収容体。
【請求項14】
請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記少なくとも1つの方向は、前記挿入方向である、または、前記挿入方向を方向成分として含む方向である、印刷材収容体。
【請求項15】
請求項10ないし請求項14のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記少なくとも1つの方向は、前記印刷材収容体の側縁部から遠ざかる方向である、または、前記側縁部から遠ざかる方向を方向成分として含む方向である、印刷材収容体。
【請求項16】
請求項10ないし請求項15のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記少なくとも1つの方向は、前記印刷材収容体の側縁部に向かう方向である、または、前記側縁部に向かう方向を方向成分として含む方向である、印刷材収容体。
【請求項17】
複数の第1の装置側端子と、複数の第2の装置側端子と、複数の第3の装置側端子とを含み、第1の列と第2の列とを形成するように配置されている装置側端子群であって、前記複数の第2の装置側端子は、前記第1の列の両端にそれぞれ配置され、前記第3の装置側端子は、前記第2の列の両端にそれぞれ配置され、前記第2の装置側端子と前記第3の装置側端子は、互いに隣り合う、前記装置側端子群を備える印刷装置に脱着可能に装着される印刷材収容体であって、
第1のデバイスと、
第2のデバイスと、
複数の第1の端子と、少なくとも1つの第2の端子と、少なくとも1つの第3の端子を含む端子群と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されると共に、前記複数の第1の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触し、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されると共に、前記複数の第2の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触し、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子との短絡の有無を検出するために用いられると共に、前記複数の第3の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触する、印刷材収容体。
【請求項18】
請求項17に記載の印刷材収容体において、
前記複数の第3の装置側端子にそれぞれ接触する複数の前記第3の端子を備える、印刷材収容体。
【請求項19】
請求項17または請求項18に記載の印刷材収容体において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記印刷装置において、前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、
前記第1の列を形成するように配置されている各装置側端子と、前記第2の列を形成するように配置されている各装置側端子は、千鳥状に配置されている、印刷材収容体。
【請求項20】
複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着される印刷材収容体であって、
第1のデバイスと、
第2のデバイスと、
複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含み、前記複数の装置側端子に接続するための端子群と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、
前記少なくとも1つの第2の端子の外周縁の第1の部分は、前記少なくとも1つの第3の端子の外周縁の一部分と隣り合い、
前記少なくとも1つの第2の端子の外周縁の第2の部分は、前記複数の第1の端子のいずれかの外周縁の一部分と隣り合い、
前記第1の部分の長さは、前記第2の部分の長さより長い、印刷材収容体。
【請求項21】
請求項1ないし請求項20のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記複数の第1の端子のいずれより、前記少なくとも1つの第2の端子に近接している印刷材収容体。
【請求項22】
請求項1ないし請求項21のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記少なくとも1つの第2の端子は、各前記第1の端子の少なくとも一部分より、前記印刷材収容体の測縁部に近く配置されている印刷材収容体。
【請求項23】
請求項1ないし請求項22のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記端子群は、少なくとも2つの前記第2の端子を含み、
各前記第1の端子の少なくとも一部分は、2つの前記第2の端子の間に配置されている、印刷材収容体。
【請求項24】
請求項1ないし請求項23のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記第1のデバイスは、前記印刷材収容体に収容された印刷材に関する情報を格納するためのメモリである、印刷材収容体。
【請求項25】
請求項1ないし請求項24のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記第2のデバイスは、前記印刷材収容体に収容された印刷材の残量を判定するためのセンサである、印刷材収容体。
【請求項26】
請求項1ないし請求項25のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記第2のデバイスは、前記第1のデバイスより高い電圧により動作する、印刷材収容体。
【請求項27】
請求項1ないし請求項26のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記印刷材収容体は、前記印刷装置に供給するための印刷材が収容されている、印刷材収容体。
【請求項28】
請求項1ないし請求項27のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記第3の端子は、前記第2の端子ごとに、1つずつ配置されている印刷材収容体。
【請求項29】
請求項1ないし請求項28のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記端子群は、1または複数の列を形成するように配置され、
前記第2の端子は、前記1または複数の列のうちの一の列の両端にそれぞれ配置されている、印刷材収容体。
【請求項30】
請求項1ないし請求項29のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記端子群は、第1の列と第2の列を形成するように配置され、
前記第2の端子は、前記第1の列の両端にそれぞれ配置され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記第2の列の両端のうち少なくとも一方に配置されている、印刷材収容体。
【請求項31】
請求項30に記載の印刷材収容体において、
前記端子群は、少なくとも2つの前記第3の端子を含み、
前記第3の端子は、前記第2の列の両端にそれぞれ配置されている、印刷材収容体。
【請求項32】
請求項30または請求項31に記載の印刷材収容体において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、
前記第1の列は、前記第2の列よりも前記挿入方向側に配置されている印刷材収容体。
【請求項33】
請求項30ないし請求項32のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、
前記第1の列を形成するように配置されている各端子と、前記第2の列を形成するように配置されている各端子は、千鳥状に配置されている印刷材収容体。
【請求項34】
請求項1ないし請求項29のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記端子群は、同一の列を形成するように配置され、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記同一の列の端に配置され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記端に配置された前記第2の端子の内側に隣り合うように配置されている、印刷材収容体。
【請求項35】
請求項1ないし請求項34のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子を囲んでいる、印刷材収容体。
【請求項36】
請求項1ないし請求項35のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記端子群は、少なくとも2つの前記第2の端子を含み、
各前記第1の端子は、2つの前記第2の端子の間に配置されている、印刷材収容体。
【請求項37】
請求項1ないし請求項36のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記第3の端子のうちの少なくとも1つの端子は、さらに、前記印刷装置に対する前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる、印刷材収容体。
【請求項38】
請求項37に記載の印刷材収容体において、
前記複数の第1の端子は、接地端子を含み、
前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる前記第3の端子は、前記接地端子と短絡されている、印刷材収容体。
【請求項39】
請求項38に記載の印刷材収容体において、
前記接地端子と前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる前記第3の端子は、同一の列を形成するように隣り合って配置されると共に、1つの部材で一体に形成されている、印刷材収容体。
【請求項40】
請求項37または請求項38に記載の印刷材収容体において、
前記端子群は、前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる1または複数の前記第3の端子を含み、
前記印刷装置によって、前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる第3の端子の数および位置に基づいて、前記印刷材収容体の種類が判定される、印刷材収容体。
【請求項41】
請求項1ないし請求項40のいずれかに記載の印刷材収容体は、さらに、
印刷材を収容するための筐体と、前記筐体に装着された基板とを有し、
前記端子群は、前記基板上に配置されている、印刷材収容体。
【請求項42】
請求項1ないし請求項40のいずれかに記載の印刷材収容体は、さらに、
印刷材を収容するための筐体と、前記筐体上に装着された基板とを有し、
前記端子群のうちの前記第1の端子と前記第3の端子は、前記基板上に配置され、
前記端子群のうちの前記第2の端子は、前記筐体上に配置されている、印刷材収容体。
【請求項43】
請求項41または請求項42に記載の印刷材収容体において、
前記第1のデバイスは、前記基板に装着されている、印刷材収容体。
【請求項44】
請求項1ないし請求項43のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記第2の端子と、前記第2の端子と隣接する他の端子との間には、凹部が設けられている、印刷材収容体。
【請求項45】
請求項1ないし請求項44のいずれかに記載の印刷材収容体において、
前記第2の端子と、前記第2の端子と隣接する他の端子との間には、多孔体が配置されている、印刷材収容体。
【請求項46】
複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板であって、
第1のデバイスと、
複数の第1の端子と、少なくとも1つの第2の端子と、少なくとも1つの第3の端子を含む端子群と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第1の接触部をそれぞれ含み、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第2の接触部をそれぞれ含み、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第3の接触部をそれぞれ含み、
前記少なくとも1つの第2の接触部と、前記複数の第1の接触部と、前記少なくとも1つの第3の接触部は、1または複数の列を形成するように配置され、
前記少なくとも1つの第2の接触部は、前記1または複数の列のうちの一の列の端に配置されている、基板。
【請求項47】
請求項46に記載の基板において、
前記少なくとも1つの第3の接触部は、前記少なくとも1つの第2の接触部に隣接して配置されている、基板。
【請求項48】
請求項46または請求項47に記載の基板において、
前記端子群は、複数の前記第2の端子を含み、
複数の前記第2の端子の各前記第2の接触部は、前記第1の列の両端にそれぞれ配置されている、基板。
【請求項49】
請求項46ないし請求項48のいずれかに記載の基板において、
前記端子群は、複数の前記第2の端子を含み、
複数の前記第2の端子の各前記第2の接触部と前記複数の第1の接触部のうちの一部は、第1の列を形成するように配置され、
複数の前記第2の端子の各前記第2の接触部は、前記第1の列の両端にそれぞれ配置され、
前記少なくとも1つの第3の接触部と前記複数の第1の接触部のうちの他の一部は、第2の列を形成するように配置され、
前記少なくとも1つの第3の接触部は、前記第2の列の両端のうちの少なくとも一方に配置されている、基板。
【請求項50】
請求項49に記載の基板において、
前記端子群は、複数の前記第3の端子を含み、
複数の前記第3の端子の各前記第3の接触部は、前記第2の列の両端にそれぞれ配置されている、基板。
【請求項51】
請求項49または請求項50に記載の基板において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、
前記第1の列は、前記第2の列よりも前記挿入方向側に配置されている基板。
【請求項52】
請求項49ないし請求項51のいずれかに記載の基板において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、
前記第1の列を形成するように配置されている各接触部と、前記第2の列を形成するように配置されている各接触部は、千鳥状に配置されている基板。
【請求項53】
請求項46ないし請求項52のいずれかに記載の基板において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記隣接する第2の接触部より、前記端子群の中央から前記挿入方向に対して略垂直な方向側に離れた部分を含んでいる、基板。
【請求項54】
請求項46ないし請求項53のいずれかに記載の基板において、
複数の前記端子は、各前記接触部により形成される各前記列より外側に形成された部分を含む、基板。
【請求項55】
複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板であって、
第1のデバイスと、
複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含み、前記複数の装置側端子に接続するための端子群と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、
前記少なくとも1つの第3の端子の少なくとも一部分から、少なくとも1つの方向に向かって、前記少なくとも1つの第2の端子の少なくとも一部分に至るまでの間には、前記第1の端子が配置されていない、基板。
【請求項56】
複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板であって、
第1のデバイスと、
複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含み、前記複数の装置側端子に接続するための端子群と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、
前記少なくとも1つの第3の端子の少なくとも一部分と、前記少なくとも1つの第2の端子の少なくとも一部分とは、少なくとも1つの方向に隣り合う、基板。
【請求項57】
請求項55または請求項56に記載の基板において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記少なくとも1つの第2の端子に対し、前記挿入方向に略垂直な方向に最も近い端子は、前記少なくとも1つの第3の端子のいずれかである、基板。
【請求項58】
請求項55ないし請求項57のいずれかに記載の基板において、
前記複数の第1の端子のうち、前記少なくとも1つの第3の端子に隣り合う端子の数は、前記複数の第1の端子のうち、前記少なくとも1つの第2の端子に隣り合う端子の数より少ない、基板。
【請求項59】
請求項55ないし請求項58に記載の基板において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記少なくとも1つの方向は、前記挿入方向である、または、前記挿入方向を方向成分として含む方向である、基板。
【請求項60】
請求項55ないし請求項59のいずれかに記載の基板において、
前記少なくとも1つの方向は、前記印刷材収容体の側縁部から遠ざかる方向である、または、前記側縁部から遠ざかる方向を方向成分として含む方向である、基板。
【請求項61】
請求項55ないし請求項60のいずれかに記載の基板において、
前記少なくとも1つの方向は、前記印刷材収容体の側縁部に向かう方向である、または、前記側縁部に向かう方向を方向成分として含む方向である、基板。
【請求項62】
複数の第1の装置側端子と、複数の第2の装置側端子と、複数の第3の装置側端子とを含み、第1の列と第2の列とを形成するように配置されている装置側端子群であって、前記複数の第2の装置側端子は、前記第1の列の両端にそれぞれ配置され、前記第3の装置側端子は、前記第2の列の両端にそれぞれ配置され、前記第2の装置側端子と前記第3の装置側端子は、互いに隣り合う、前記装置側端子群を備える印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板であって、
第1のデバイスと、
複数の第1の端子と、少なくとも1つの第2の端子と、少なくとも1つの第3の端子を含む端子群と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されると共に、前記複数の第1の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触し、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されると共に、前記複数の第2の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触し、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子との短絡の有無を検出するために用いられると共に、前記複数の第3の装置側端子のうちの対応する端子とそれぞれ接触する、基板。
【請求項63】
請求項62に記載の基板において、
前記複数の第3の装置側端子にそれぞれ接触する複数の前記第3の端子を備える、基板。
【請求項64】
請求項62または請求項63に記載の基板において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記印刷装置において、前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、
前記第1の列を形成するように配置されている各装置側端子と、前記第2の列を形成するように配置されている各装置側端子は、千鳥状に配置されている、基板。
【請求項65】
複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板であって、
第1のデバイスと、
複数の第1の端子と少なくとも1つの第2の端子と少なくとも1つの第3の端子を含み、前記複数の装置側端子に接続するための端子群と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、
前記少なくとも1つの第2の端子の外周縁の第1の部分は、前記少なくとも1つの第3の端子の外周縁の一部分と隣り合い、
前記少なくとも1つの第2の端子の外周縁の第2の部分は、前記複数の第1の端子のいずれかの外周縁の一部分と隣り合い、
前記第1の部分の長さは、前記第2の部分の長さより長い、基板。
【請求項66】
請求項46ないし請求項65のいずれかに記載の基板において、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記複数の第1の端子のいずれより、前記少なくとも1つの第2の端子に近接している基板。
【請求項67】
請求項46ないし請求項66のいずれかに記載の基板において、
前記少なくとも1つの第2の端子は、各前記第1の端子の少なくとも一部分より、前記基板の測縁部に近く配置されている基板。
【請求項68】
請求項46ないし請求項67のいずれかに記載の基板において、
前記端子群は、少なくとも2つの前記第2の端子を含み、
各前記第1の端子の少なくとも一部分は、2つの前記第2の端子の間に配置されている、基板。
【請求項69】
請求項46ないし請求項68のいずれかに記載の基板において、
前記第1のデバイスは、前記印刷材収容体に収容された印刷材に関する情報を格納するためのメモリである、基板。
【請求項70】
請求項46ないし請求項69のいずれかに記載の基板において、
前記第2のデバイスは、前記印刷材収容体に収容された印刷材の残量を判定するためのセンサである、基板。
【請求項71】
請求項46ないし請求項70のいずれかに記載の基板において、
前記第2のデバイスは、前記第1のデバイスより高い電圧により動作する、基板。
【請求項72】
請求項46ないし請求項71のいずれかに記載の基板において、
前記印刷材収容体は、前記印刷装置に供給するための印刷材が収容されている、基板。
【請求項73】
請求項46ないし請求項72のいずれかに記載の基板において、
前記第3の端子は、前記第2の端子ごとに、1つずつ配置されている基板。
【請求項74】
請求項46ないし請求項73のいずれかに記載の基板において、
前記端子群は、1または複数の列を形成するように配置され、
前記第2の端子は、前記1または複数の列のうちの一の列の両端にそれぞれ配置されている、基板。
【請求項75】
請求項46ないし請求項74のいずれかに記載の基板において、
前記端子群は、第1の列と第2の列を形成するように配置され、
前記第2の端子は、前記第1の列の両端にそれぞれ配置され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記第2の列の両端のうち少なくとも一方に配置されている、基板。
【請求項76】
請求項75に記載の基板において、
前記端子群は、少なくとも2つの前記第3の端子を含み、
前記第3の端子は、前記第2の列の両端にそれぞれ配置されている、基板。
【請求項77】
請求項75または請求項76に記載の基板において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、
前記第1の列は、前記第2の列よりも前記挿入方向側に配置されている基板。
【請求項78】
請求項75ないし請求項77のいずれかに記載の基板において、
前記印刷材収容体は、所定の挿入方向に挿入されることによって、前記印刷装置に装着され、
前記第1の列および前記第2の列は、前記挿入方向に対して略垂直に配置され、
前記第1の列を形成するように配置されている各端子と、前記第2の列を形成するように配置されている各端子は、千鳥状に配置されている基板。
【請求項79】
請求項46ないし請求項74のいずれかに記載の基板において、
前記端子群は、同一の列を形成するように配置され、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記同一の列の端に配置され、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記端に配置された前記第2の端子の内側に隣り合うように配置されている、基板。
【請求項80】
請求項46ないし請求項79のいずれかに記載の基板において、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子を囲んでいる、基板。
【請求項81】
請求項46ないし請求項80のいずれかに記載の基板において、
前記端子群は、少なくとも2つの前記第2の端子を含み、
各前記第1の端子は、2つの前記第2の端子の間に配置されている、基板。
【請求項82】
請求項46ないし請求項81のいずれかに記載の基板において、
前記第3の端子のうちの少なくとも1つの端子は、さらに、前記印刷装置に対する前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる、基板。
【請求項83】
請求項82に記載の基板において、
前記複数の第1の端子は、接地端子を含み、
前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる前記第3の端子は、前記接地端子と短絡されている、基板。
【請求項84】
請求項83に記載の基板において、
前記接地端子と前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる前記第3の端子は、同一の列を形成するように隣り合って配置されると共に、1つの部材で一体に形成されている、基板。
【請求項85】
請求項82または請求項83に記載の基板において、
前記端子群は、前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる1または複数の前記第3の端子を含み、
前記印刷装置によって、前記印刷材収容体の装着の有無を検出するために用いられる第3の端子の数および位置に基づいて、前記印刷材収容体の種類が判定される、基板。
【請求項86】
複数の装置側端子を有する印刷装置に脱着可能に装着されると共に第2のデバイスを有する印刷材収容体に搭載される基板であって、
第1のデバイスと、
複数の第1の端子と、少なくとも1つの第3の端子とを含む端子群と、
前記印刷材収容体に備えられた少なくとも1つの第2の端子のそれぞれが嵌るための少なくとも1つの切り欠き部と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記第1のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第1の接触部をそれぞれ含み、
前記少なくとも1つの第2の端子は、前記第2のデバイスに接続されると共に、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第2の接触部をそれぞれ含み、
前記少なくとも1つの第3の端子は、前記少なくとも1つの第2の端子と前記少なくとも1つの第3の端子との短絡を検出するための端子であり、前記複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する第3の接触部をそれぞれ含み、
前記印刷材収容体に搭載されたときに、前記少なくとも1つの第3の接触部は、前記少なくとも1つの第2の接触部に隣接して配置され、
前記印刷材収容体に搭載されたときに、前記少なくとも1つの第2の接触部と、前記複数の第1の接触部と、前記少なくとも1つの第3の接触部は、1または複数の列を形成するように配置され、
前記印刷材収容体に搭載されたときに、前記少なくとも1つの第2の接触部は、前記1または複数の列のうちの一の列の端に配置されている、基板。
【請求項87】
請求項46ないし請求項86のいずれかに記載の基板が搭載された印刷材収容体。
【請求項88】
請求項1ないし請求項45のいずれか、または、請求項87に記載の印刷材収容体が装着された印刷装置。
【請求項89】
請求項88に記載の印刷装置であって、
複数の第1の装置側端子と、複数の第2の装置側端子と、複数の第3の装置側端子と、を含む装置側端子群を備え、
前記装置側端子群に含まれる端子は、第1の端子列と、第2の端子列とを形成するように配置され、
前記複数の第2の装置側端子は、前記第1の端子列の両端にそれぞれ配置され、
前記複数の第3の装置側端子は、前記第2の端子列の両端にそれぞれ配置され、
前記複数の第2の装置側端子は、前記複数の第3の装置側端子のいずれかにそれぞれ隣り合い、
前記印刷材収容体の前記複数の第1の端子は、前記複数の第1の装置側端子のうちの対応する端子に接続され、
前記印刷材収容体の前記少なくとも1つの第2の端子は、前記複数の第2の装置側端子のうちの対応する端子に接続され、
前記印刷材収容体の前記少なくとも1つの第3の端子は、前記複数の第3の装置側端子のうちの対応する端子に接続される、印刷装置。
【請求項90】
印刷材収容体を準備する方法であって、
請求項46ないし請求項86のいずれかに記載の基板を印刷材収容体に搭載する工程を備える、方法。
【請求項91】
印刷材収容体を準備する方法であって、
請求項45ないし請求項85のいずれかに記載の基板有する請求項1ないし請求項44のいずれかに記載の印刷材収容体を用意する工程と、
用意された印刷材収容体に印刷材を充填して、前記第2のデバイスが前記印刷材収容体内の前記印刷を検出可能にする工程と、
を備える方法。
【請求項92】
請求項89または請求項90に記載の方法であって、
前記印刷材は、インクである、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2013−32026(P2013−32026A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−254936(P2012−254936)
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【分割の表示】特願2012−232624(P2012−232624)の分割
【原出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】