説明

印刷機能付きプロジェクタ

【課題】印刷画像の品質の低下を防止することが可能な印刷機能付きプロジェクタを提供する。
【解決手段】外部から入力される画像データを取得する画像データ入力部15、16と、画像データ入力部15、16が取得した画像データを、投影部10で投影する投影用画像データに変換する投影用画像データ変換手段19bと、画像データ入力部15、16が取得した画像データを、印刷部11で印刷する印刷用画像データに変換する印刷用画像データ変換手段19cと、前記画像データ、前記印刷用画像データが保存される保存部18を有することを特徴とする。なお、画像データ入力検出手段19eが、画像入力部15、16への画像データの入力を検出した場合に、画像データを、印刷用画像データ変換手段19cで、印刷用画像データに変換することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影画像を印刷することができる印刷機能付きプロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に示されるような、印刷機能付きプロジェクタが提案されている。このような印刷機能付きプロジェクタは、コンピュータ装置に保存されている画像データを印刷機能付きプロジェクタに出力し、前記画像データを印刷機能付きプロジェクタで投影し、印刷するものである。
【0003】
投影用画像データと印刷用画像データとは、解像度(画素数)や色空間等のデータ形式等の違いから、コンピュータ装置から印刷機能付きプロジェクタに前記画像データを出力する際に、どちらかのデータ形式に合わせると、投影画像もしくは印刷画像の品質が低下してしまうという問題があった。つまり、図6に示されるように、投影用の画像データに合わせて、コンピュータ装置に保存されている画像データを、印刷機能付きプロジェクタに出力する場合には、プロジェクタの画面解像度(例えばXGA(1024×768)やVGA(640×480)等)に合わせて、オリジナルの画像データをコンピュータ装置で画素を縮小処理してから、印刷機能付きプロジェクタに出力するようにしていた。このため、投影用の画像データは、印刷用の画像データに比べて画素数が少なく、投影用の画像データを印刷すると、印刷品質が大幅に低下してしまうという問題があった。
【0004】
また、図7に示されるように、印刷用の画像データに合わせて、コンピュータ装置に保存されている画像データを、印刷機能付きプロジェクタに出力する場合には、コンピュータ装置で、オリジナルの画像データの色空間をCMYKに変換するとともに、色深度を2値化してから、印刷機能付きプロジェクタに送信することとしていた。このため、画像を投影する際に、印刷用の画像データを印刷機能付きプロジェクタで再びRGBの色空間に変換し、色深度を多値化してから投影する必要があり、投影画像の画質が劣化してしまうという問題があった。また、印刷用の画像データを、印刷機能付きプロジェクタでRGBの色空間に変換し、色深度を多値化し、更に、プロジェクタの画像解像度に縮小処理することから、表示速度が遅くなるという問題があった。
【0005】
一方で、コンピュータ装置と印刷機能付きプロジェクタとを2本のケーブルで接続して、この2本のケーブルを、それぞれ投影用及び印刷用画像データ出力用の専用線することも考えられる。しかしながら、この方法では、コンピュータ装置と印刷機能付きプロジェクタとを接続する際に、2本のケーブルをそれぞれコンピュータ装置及び印刷機能付きプロジェクタの接続口に接続する必要があり、接続作業が繁雑になってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、特許文献2に示されるような、プリンタ部・ディスプレー部一体装置が提案されている。この装置は、接続された機器が予め画像処理して生成した印刷用画像データ及び投影用画像データが混在したデータ入力を可能とするインターフェースを備えていて、表示部に画像を表示しながら表示画像を高解像度で印刷することができる装置である。しかしながら、接続される機器で予め印刷用画像データ及び投影用画像データを生成する必要があることから、接続される機器に画像処理をするためのプログラムをインストールする必要があり、直ぐに使用することができないという問題があった。
【特許文献1】特開2006−243672号公報
【特許文献2】特開2004−234168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
接続作業が繁雑とならずに、印刷画像の品質の低下を防止することが可能な印刷機能付きプロジェクタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、画像データを印刷する印刷部と、画像データを投影面に投影する投影部を有する印刷機能付きプロジェクタにおいて、
外部から画像データが入力される画像データ入力部と、
前記画像データ入力部に入力された画像データを、前記投影部で投影する投影用画像データに変換する投影用画像データ変換手段と、
前記画像データ入力部に入力された画像データを、前記印刷部で印刷する印刷用画像データに変換する印刷用画像データ変換手段と、
前記印刷用画像データを保存する保存部とを有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、操作ボタンの押下を検出する操作ボタン押下検出手段を有し、
前記操作ボタン押下検出手段が操作ボタンの押下を検出した場合に、画像データ入力部に入力された画像データを、印刷用画像データ変換手段で、印刷用画像データに変換することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、画像データ入力部への画像データの入力を検出する画像データ入力検出手段を有し
前記画像データ入力検出手段が、画像入力部への画像データの入力を検出した場合に、
画像データ入力部に入力された画像データを、印刷用画像データ変換手段で、印刷用画像データに変換することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、画像データ入力検出手段は、画像入力部に入力される画像データの差分を検出して、画像データの入力を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、画像データを印刷する印刷部と、画像データを投影面に投影する投影部を有する印刷機能付きプロジェクタにおいて、外部から画像データが入力される画像データ入力部と、前記画像データ入力部に入力された画像データを、前記投影部で投影する投影用画像データに変換する投影用画像データ変換手段と、前記画像データ入力部に入力された画像データを、前記印刷部で印刷する印刷用画像データに変換する印刷用画像データ変換手段と、前記印刷用画像データを保存する保存部とを有するので、
取得した画像データから、投影用画像データとは別に、印刷用画像データを生成することから、印刷画像の品質の低下を防止することが可能となった。
【0013】
また、請求項2に記載の発明によれば、操作ボタンの押下を検出する操作ボタン押下検出手段を有し、前記操作ボタン押下検出手段が操作ボタンの押下を検出した場合に、画像データ入力部に入力された画像データを、印刷用画像データ変換手段で、印刷用画像データに変換することとしたので、
ユーザが、操作ボタン部の「印刷ボタン」を押下しない限り、印刷用画像データを生成しないので、印刷機能付きプロジェクタを制御するCPUの負荷がかからず、また、印刷機能付きプロジェクタのバスが混雑することを抑制することが可能となり、長大なCPUやバスを構築する必要がなく、製造コストを削減することが可能となり、更に消費電力を低減することが可能となった。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によれば、画像データ入力部への画像データの入力を検出する画像データ入力検出手段を有し前記画像データ入力検出手段が、画像入力部への画像データの入力を検出した場合に、画像データ入力部に入力された画像データを、印刷用画像データ変換手段で、印刷用画像データに変換することとしたので、
前記画像データ入力部への画像データの入力を検出した場合にのみ、印刷用画像データ生成するので、印刷機能付きプロジェクタを制御するCPUの負荷がかからず、また、印刷機能付きプロジェクタのバスが混雑することを抑制することが可能となり、長大なCPUやバスを構築する必要がなく、製造コストを削減することが可能となり、更に消費電力を低減することが可能となった。
【0015】
また、請求項4に記載の発明によれば、画像データ入力検出手段は、画像入力部に入力される画像データの差分を検出して、画像データの入力を検出することとしたので、新たに入力された画像データの入力を検出することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は本発明の実施の形態を示す印刷機能付きプロジェクタの斜視図を示し、図2に、本発明の印刷機能付きプロジェクタのブロック図を示す。1は本発明の印刷機能付きプロジェクタである。13は操作ボタン部であり、本発明の印刷機能付きプロジェクタの各種設定を行ったり、各種操作を行ったりするためのものである。
【0017】
15は通信部であり、外部から送信される送信データを受信して、この送信データに含まれる「画像データ」を取得するためのものである。この通信部15のインターフェースとして、LAN(Local Area Networkの略)や、USB(Unversal Serial Busの略、USB1.0、USB1.1、USB2.0を含む)、IEEE1394、RS232、RS422その他通信インターフェースを含めることができる。あるいは通信部15として、無線を用いたものであってもよく、この場合のインターフェースとしては、IEEE802に規定されているいわゆる無線LANやBluetooth、その他の無線インターフェースを含めることができる。この通信部15により、コンピュータ装置、デジタルカメラ、FAX、スキャナー等から出力される「画像データ」を取得する。なお、コンピュータ装置には、ウインドウズ(登録商標)、マッキントッシュ(登録商標)、リナックス(登録商標)、MS−DOS(登録商標)等のOS(オペレーティングシステム)を用いた、いわゆるパーソナルコンピュータや、PDA(Personal Digital Assistantの略、携帯情報端末)、ワークステーション、大型汎用コンピュータ等が含まれる。
【0018】
また、「画像データ」のフォーマットとしては、JPEG(Joint Photographic Experts Groupの略)、BMP(Bitmapの略)、TIFF(Tagged Image File Formatの略)、PNG(Portable Network Graphicsの略)、GIF(Graphics Inerchange Formatの略)等の画像ファイルや、ビジネスソフトやグラフィカルソフトのファイル形式も含まれる。
【0019】
16は記憶媒体入力部であり、この記憶媒体入力部16に、外部より記憶媒体50を接続することにより、記憶媒体50に保存されている「画像データ」を取得するようになっている。なお、記憶媒体50には、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリーカード(登録商標)、メモリースティック(登録商標)等の不揮発性メモリーや、CD(コンパクトディスク)、DVD、フロッピー(登録商標)ディスク、MO(Magneto Optical Discの略、光磁気ディスク)等のリムーバブルディスクを含めることができ、記憶媒体入力部16は、これらの記憶媒体50に対応したインターフェースとして選択可能になっている。
【0020】
前記通信部15及び記憶媒体入力部16は、外部から「画像データ」が入力される「画像データ入力部」として機能する。なお、本発明の印刷機能付きプロジェクタ1は、通信部15及び記憶媒体入力部16のどちらか1つだけを備えた構成であっても差し支えない。
【0021】
10は印刷機能付きプロジェクタ1に設けられた投影部である。この投影部10は主に、光源、照明光学系、LCD、レンズとから構成されている。投影部10は、「画像データ」をスクリーン等の投影面80に投影する。11は印刷部であり、紙に「画像データ」を印刷するものである。
【0022】
17はCPU(Central Processing Unitの略)であり、18はRAM(Random Access Memoryの略)、19はROM(Read Only Memoryの略)である。CPU17は、RAM18、ROM19と協動して、各種演算、処理をする。RAM18は、CPU17が処理するデータを一時的に保存するためのものである。
【0023】
ROM19には、画像データ取得手段19a、投影用画像データ変換手段19b、印刷用画像データ変換手段19c、ボタン押下検出手段19d、画像データ入力検出手段19e等のアプリケーションソフトが保存されている。これらのアプリケーションソフトは、CPU17で処理されることにより、各種機能を実現している。
【0024】
画像データ取得手段19aは、「画像データ入力部」である通信部15や記憶媒体入力部16に入力された「画像データ」取得して、「保存部」であるRAM18に保存するものである。なお、画像データ取得手段19aが取得した「画像データ」を保存する「保存部」は、RAM18に限定されず、ハードディスク等の記憶媒体や、不揮発性メモリー等であっても差し支えない。
【0025】
投影用画像データ変換手段19bは、画像データ取得手段19aに入力された「画像データ」を「投影用画像データ」に変換する手段である。具体的には、前記「画像データ」に、必要に応じて解像度変更、階調変換、色変換、サイズ変換、シャープネス補正、ガンマ補正、ホワイトバランス補正、歪み補正、台形補正等の投影用の画像処理を行い、「投影用画像データ」を生成する処理を行う。
【0026】
印刷用画像データ変換手段19cは、画像データ取得手段19aに入力された「画像データ」を「印刷用画像データ」に変換する手段である。具体的には、前記「画像データ」に、必要に応じて、解像度変更、階調変換(2値化)、色変換(RGB→CMYK)、サイズ変換、シャープネス補正、ガンマ補正等の印刷用の画像処理を行い、「印刷用画像データ」を生成する処理を行う。
【0027】
操作ボタン押下検出手段19dは、ユーザが操作ボタン部13の操作ボタンを押下したことを検出する手段である。
【0028】
画像データ入力検出手段19eは、「画像データ入力部」に、「画像データ」の入力を検出する手段である。なお、「画像データ」の入力には、「画像データ」の更新も含まれる。「画像データ入力部」に、「画像データ」の入力を検出する方法の一例として、「画像データ入力部」に入力された「画像データ」の差分を検出し、この差分の検出により「画像データ」の入力を検出する方法がある。なお、前記「画像データ」の差分が所定の閾値を超えた場合に、「画像データ」の入力を検出することとしても差し支えない。
【0029】
前記した、投影部10、印刷部11、操作ボタン部13、通信部15、記憶媒体入力部16、CPU17、RAM18、ROM19は、バス30により相互に接続されている。
【0030】
(第1の実施形態の画像データの投影処理フロー)
図3に第1の実施形態の画像データの投影処理のフロー図を示し、第1の実施形態の画像データの投影処理フローの説明をする。
「画像データ入力部」に、「画像データ」が入力されて、第1の実施形態の画像データの投影処理フローが開始すると、S22「画像データ取得」の処理において、画像データ取得手段19aが、「画像データ入力部」から「画像データ」を取得して、「保存部」に「画像データ」を保存する処理を行う。S22の処理が終了すると、S23「投影用画像データに変換」の処理に進む。
【0031】
S23「投影用画像データに変換」の処理において、投影用画像データ変換手段19bは、S22の処理で取得し、「保存部」に保存された「画像データ」に前述した投影用の画像処理を行い、「投影用画像データ」を生成し、「保存部」に保存する処理を行う。S23の処理が終了すると、S24「投影部で投影」の処理に進む。
【0032】
S24「投影部で投影」の処理において、CPU17は、S23の処理で生成した「投影用画像データ」を投影部10に出力する処理を行い、投影部10が前記「投影用画像データ」を投影面80に投影する。新たに、「画像データ入力部」に、「画像データ」が入力される度に、前述したS22〜S24の処理を繰り返す。
【0033】
(第1の実施形態の画像データの印刷処理フロー)
図4に第1の実施形態の画像データの印刷処理のフロー図を示し、第1の実施形態の画像データの印刷処理フローの説明をする。「画像データ入力部」に、「画像データ」が入力されて、第1の実施形態の画像データの投影処理フローが開始すると、S32「画像データ取得」の処理において、画像データ取得手段19aが、「画像データ入力部」から「画像データ」を取得して、「保存部」に保存する処理を行う。なお、図4のS32の処理は、図3のS22の処理と同一の処理である。S32の処理が終了すると、S33「操作ボタン押下?」の判断に進む。
【0034】
S33「操作ボタン押下?」の判断において、ユーザが操作ボタン部13の「印刷ボタン」を押下して、操作ボタン押下検出手段19dが「印刷ボタン」の押下を検出した場合には、S34「印刷用画像データに変換」の処理に進む。
【0035】
S34「印刷用画像データに変換」の処理において、印刷用画像データ変換手段19bは、S33の処理で取得して、「保存部」に保存された「画像データ」に、前述した印刷用の画像処理を行い、「印刷用画像データ」を生成して、「保存部」に保存する。S34の処理が終了すると、S35「印刷部で印刷」の処理に進む。
【0036】
S35「印刷部で印刷」の処理において、CPU17は、S34の処理で生成して、「保存部」に保存された「印刷用画像データ」を印刷部11に出力する処理を行い、印刷部11が前記「印刷用画像データ」を印刷する。新たに、「画像データ入力部」に、「画像データ」が入力される度に、前述したS32〜S35の処理を繰り返す。
【0037】
このように第1の実施形態では、ユーザが、操作ボタン部13の「印刷ボタン」を押下しない限り、「印刷用画像データ」を生成しないので、CPU17の負荷がかからず、また、バス30が混雑することがない。また、取得した「画像データ」から、「投影用画像データ」とは別に、「印刷用画像データ」を生成することから、印刷画像の品質の低下することがない。
【0038】
(第2の実施形態の画像データの印刷・投影処理フロー)
図5に第2の実施形態の画像データの印刷処理・投影処理のフロー図を示し、第2の実施形態の画像データの印刷処理・投影処理フローの説明をする。「画像データ入力部」に、「画像データ」が入力されて、第2の実施形態の画像データの投影処理のフローが開始すると、S42「画像データ取得」の処理において、画像データ取得手段19aが、「画像データ入力部」から「画像データ」を取得して、「保存部」に保存する処理を行う。S42の処理が終了すると、S43「差分有り?」の判断に進む。
【0039】
S43「差分有り?」の判断において、新たな「画像データ」が、「画像データ入力部」に入力されたり、「画像データ」が更新されたりすることにより、画像データ入力検出手段19eが、「画像データ入力部」に入力された「画像データ」の差分を検出した場合には、S44「印刷用画像データへ変換」の処理に進む。一方で、S43の判断において、画像データ入力検出手段19eが、「画像データ入力部」に入力される「画像データ」の差分を検出しない場合には、S45「投影用画像へ変換」の処理に進む。
【0040】
S44「印刷用の画像データへ変換」の処理において、印刷用画像データ変換手段19bは、S42の処理で取得して、「保存部」に保存された「画像データ」に、前述した印刷用の画像処理を行い、「印刷用画像データ」を生成して、「保存部」に保存する処理を行う。S44の処理が終了すると、S45「投影用画像データへ変換」の処理に進む。
【0041】
S45「投影用画像データに変換」の処理において、投影用画像データ変換手段19bは、S42の処理で取得して、「保存部」に保存された「画像データ」に前述した投影用の画像処理を行い、「投影用画像データ」を生成する。S45の処理が終了すると、S46「投影部で投影用画像データを投影」の処理に進む。
【0042】
S46「投影部で投影用画像データを投影」の処理において、CPU17は、S45の処理で生成した「投影用画像データ」を投影部10に出力する処理を行い、投影部10が前記「投影用画像データ」を投影面80に投影する。新たに、「画像データ入力部」に、「画像データ」が入力される度に、前述したS42〜46の処理を繰り返す。一方で、ユーザが、操作ボタン部13の「印刷ボタン」を押下した場合には、S44の処理で生成して「保存部」に保存された「印刷用画像データ画像」を、CPU17が印刷部11に出力して、印刷部11が「印刷用画像データ画像」を印刷する。
【0043】
このように第2の実施形態では、画像入力検出手段19eが、「画像データ入力部」に「画像データ」が入力されたと検出した場合にのみ、「印刷用画像データ」生成するので、CPU17の負荷がかからず、また、バス30が混雑することがない。また、予め「印刷用画像データ」を生成して、「保存部」に保存することとしたので、ユーザが操作ボタン部13の「印刷ボタン」を押下した場合に、タイムラグがなく、素早く「印刷用画像データ画像」を印刷することが可能となる。更に、取得した「画像データ」から、「投影用画像データ」とは別に、「印刷用画像データ」を生成することから、印刷画像の品質の低下することがない。
【0044】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う印刷機能付きプロジェクタもまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態を示す印刷機能付きプロジェクタの斜視図である。
【図2】本発明の印刷機能付きプロジェクタのブロック図である。
【図3】第1の実施形態の画像データの投影処理のフロー図である。
【図4】第1の実施形態の画像データの印刷処理のフロー図である。
【図5】第2の実施形態の画像データの印刷処理・投影処理のフロー図である。
【図6】従来の画像データの投影・印刷方法を示す説明図である。(投影用の画像データに合わせた場合)
【図7】従来の画像データの投影・印刷方法を示す説明図である。(印刷用の画像データに合わせた場合)
【符号の説明】
【0046】
1 印刷機能付きプロジェクタ
10 投影部
11 印刷部
13 操作ボタン部
15 通信部
16 記憶媒体入力部
17 CPU
18 RAM
19 ROM
19a 画像データ取得手段
19b 投影用画像データ変換手段
19c 印刷用画像データ変換手段
19d 操作ボタン押下検出手段
19e 画像データ入力検出手段
30 バス
50 記憶媒体
80 投影面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを印刷する印刷部と、画像データを投影面に投影する投影部を有する印刷機能付きプロジェクタにおいて、
外部から画像データが入力される画像データ入力部と、
前記画像データ入力部に入力された画像データを、前記投影部で投影する投影用画像データに変換する投影用画像データ変換手段と、
前記画像データ入力部に入力された画像データを、前記印刷部で印刷する印刷用画像データに変換する印刷用画像データ変換手段と、
前記印刷用画像データを保存する保存部とを有することを特徴とする印刷機能付きプロジェクタ。
【請求項2】
操作ボタンの押下を検出する操作ボタン押下検出手段を有し、
前記操作ボタン押下検出手段が操作ボタンの押下を検出した場合に、画像データ入力部に入力された画像データを、印刷用画像データ変換手段で、印刷用画像データに変換することを特徴とする請求項1に記載の印刷機能付きプロジェクタ。
【請求項3】
画像データ入力部への画像データの入力を検出する画像データ入力検出手段を有し、
前記画像データ入力検出手段が、画像入力部への画像データの入力を検出した場合に、
画像データ入力部に入力された画像データを、印刷用画像データ変換手段で、印刷用画像データに変換することを特徴とする請求項1に記載の印刷機能付きプロジェクタ。
【請求項4】
画像データ入力検出手段は、画像入力部に入力される画像データの差分を検出して、画像データの入力を検出することを特徴とする請求項3に記載の印刷機能付きプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−63851(P2009−63851A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232134(P2007−232134)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】