説明

印刷物の認識方法、印刷物の真贋判定方法

【課題】光の影響を受けることなく、印刷情報の色相と、その下地(背景)の色相が近い場合も、印刷情報を正確に認識することができる印刷物の認識方法および印刷物の真贋判定方法を提供する。
【解決手段】本発明の印刷物の認識方法は、基材および該基材の一面に設けられた印刷情報を備えた印刷物を認識するための印刷物の認識方法であって、二次元変位センサを用いて、前記印刷情報の縦方向または横方向に沿って、前記基材の一面を走査して前記印刷情報の縦方向または横方向の厚みを測定し、当該厚みに基づいて前記印刷情報の縦方向または横方向の断面形状を導出し、当該断面形状から、前記印刷情報の平面形状を導出することにより、前記印刷情報を識別することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の認識方法およびこれを用いた印刷物の真贋判定方法に関し、さらに詳しくは、印刷物の印刷情報の厚みを測定することにより、印刷情報を識別することが可能な印刷物の認識方法および印刷物の真贋判定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物の印刷情報を認識する方法としては、例えば、イメージスキャナなどの画像読取装置を用いる方法が用いられている。
このような画像読取装置による印刷情報の認識方法では、光源から読み取りの対象となる印刷情報に光を当てて、その反射光を光学レンズで集光し、その光をCCDなどの光センサで検知して、電気信号に変換している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−37012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の印刷情報の認識方法は、印刷情報の色相と、その下地(背景)の色相が近い場合、印刷情報を正確に認識することが難しいという問題があった。
具体的には、灰色地に黒の文字などを印刷した場合など、下地と文字の色相が近い場合、閾値の設定が非常に困難であるため、文字の読み取り率が悪かった。
従来の印刷情報の認識方法は、光の影響を受けやすいため、専用の照明を設ける必要があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、光の影響を受けることなく、印刷情報の色相と、その下地(背景)の色相が近い場合も、印刷情報を十分に認識することができる印刷物の認識方法および印刷物の真贋判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷物の認識方法は、基材および該基材の一面に設けられた印刷情報を備えた印刷物を認識するための印刷物の認識方法であって、二次元変位センサを用いて、前記印刷情報の縦方向または横方向に沿って、前記基材の一面を走査して前記印刷情報の縦方向または横方向の厚みを測定し、当該厚みに基づいて前記印刷情報の縦方向または横方向の断面形状を導出し、当該断面形状から、前記印刷情報の平面形状を導出することにより、前記印刷情報を識別することを特徴とする。
【0006】
本発明の印刷物の真贋判定方法は、基材および該基材の一面に設けられた印刷情報Aを備えた印刷物Bの真贋を判定する印刷物の真贋判定方法であって、二次元変位センサを用いて、前記印刷情報Aの縦方向または横方向に沿って、前記基材の一面を走査して前記印刷情報Aの縦方向または横方向の厚みを測定し、当該厚みに基づいて前記印刷情報Aの縦方向または横方向の断面形状Cを導出し、当該断面形状Cを、前記二次元変位センサを用いて、予め測定しておいた印刷物Eをなす印刷情報Fの縦方向または横方向の断面形状Gと照合するか、あるいは、前記断面形状Cから導出した前記印刷情報Aの平面形状Dを、予め測定しておいた前記印刷情報Fの平面形状Hと照合して、前記印刷物Aの真贋判定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の印刷物の認識方法は、基材および該基材の一面に設けられた印刷情報を備えた印刷物を認識するための印刷物の認識方法であって、二次元変位センサを用いて、前記印刷情報の縦方向または横方向に沿って、前記基材の一面を走査して前記印刷情報の縦方向または横方向の厚みを測定し、当該厚みに基づいて前記印刷情報の縦方向または横方向の断面形状を導出し、当該断面形状から、前記印刷情報の平面形状を導出することにより、前記印刷情報を識別するので、印刷物に背景画像などがある場合、印刷情報の色相と、その背景画像(下地)との色相が近い場合も、印刷情報と背景画像を混同することなく、印刷情報を正確に識別することができる。また、従来の光学的な画像読取装置による印刷物の認識方法のように、高価な光学レンズなどを必要としないので、低コストで実行することができる。
【0008】
本発明の印刷物の真贋判定方法は、基材および該基材の一面に設けられた印刷情報Aを備えた印刷物Bの真贋を判定する印刷物の真贋判定方法であって、二次元変位センサを用いて、前記印刷情報Aの縦方向または横方向に沿って、前記基材の一面を走査して前記印刷情報Aの縦方向または横方向の厚みを測定し、当該厚みに基づいて前記印刷情報Aの縦方向または横方向の断面形状Cを導出し、当該断面形状Cを、前記二次元変位センサを用いて、予め測定しておいた印刷物Eをなす印刷情報Fの縦方向または横方向の断面形状Gと照合するか、あるいは、前記断面形状Cから導出した前記印刷情報Aの平面形状Dを、予め測定しておいた前記印刷情報Fの平面形状Hと照合して、前記印刷物Aの真贋判定を行うので、複雑な方法や装置を必要とすることなく、信頼性に優れる印刷物の真贋判定が可能である。したがって、この印刷物の真贋判定方法によれば、証書、証券、金券などの印刷物の偽造防止や、複数の帳票の照合確認などを、効率的かつ厳格に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の印刷物の認識方法および印刷物の真贋判定方法の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0010】
図1は、本発明の印刷物の認識方法の対象となる印刷物の一例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
この例の印刷物10は、基材11と、基材11の一方の面11aに設けられ、印刷領域13,14からなる印刷情報12とから概略構成されている。
【0011】
基材11としては、少なくとも表層部には、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたものや、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合基材や、ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材や、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、または各種易接着処理などの表面処理を施したものなどの公知のものから選択して用いられる。これらの中でも、上述の印刷領域13,14の厚みを所定の大きさにするためには、これらの印刷層を形成するインクが内部に浸透しないプラスチック基材が好適に用いられる。
【0012】
印刷領域13,14を形成するインクとしては、一般的なインクジェットプリンタ用インクなどが挙げられる。
このインクジェットプリンタ用インクとしては、各種顔料を2〜5%含み、光重合開始剤などを含むアクリル酸エステル組成物(紫外線硬化型樹脂)からなるものが挙げられる。
【0013】
(印刷物の認識方法)
次に、図2,3を用いて、本発明の印刷物の認識方法の一実施形態を説明する。
図2は、本発明の印刷物の認識方法の一実施形態を示す概略図であり、(a)は印刷物の印刷情報を走査する様子を示す平面図、(b)〜(f)は(a)の走査線に対応する印刷情報の断面を示す断面図、(g)は(b)〜(f)の印刷情報の厚みの測定結果を示すグラフである。図3は、本発明の印刷物の認識方法の一実施形態を示す概略図であり、(a)は印刷物の印刷情報を走査する様子を示す平面図、(b)〜(f)は(a)の走査線に対応する印刷情報の断面を示す断面図、(g)は(b)〜(f)の印刷情報の厚みの測定結果を示すグラフである。
【0014】
この実施形態の印刷物の認識方法では、二次元変位センサを用いて、印刷物10の印刷情報12の横方向に沿って、基材11の一方の面11aを所定の間隔で走査して、印刷情報12の横方向の厚みを測定する。二次元変位センサとしては、高速・高精度ラインレーザ型 LJ−Gシリーズ(8ポイント同時測定(繰り返し精度1μm)、株式会社キーエンス製)が用いられる。
すなわち、この印刷情報12の厚みの測定では、図2(a)に示すように、走査線21Aに沿って、印刷領域13の厚みの測定を行い、その厚みに関する情報を電気信号に変換して、図2(g)に示すグラフ22Aの波形23Aで表される印刷領域13の断面形状を導出する。なお、図2(b)は、印刷物10の走査線21Aに沿う断面図である。
【0015】
同様に、この印刷情報12の厚みの測定では、図2(a)に示すように、走査線21Bに沿って、印刷領域13の厚みの測定を行い、その厚みに関する情報を電気信号に変換して、図2(g)に示すグラフ22Bの波形23Bで表される印刷領域13の断面形状を導出する。なお、図2(c)は、印刷物10の走査線21Bに沿う断面図である。
また、この印刷情報12の厚みの測定では、図2(a)に示すように、走査線21Cに沿って、印刷領域13の厚みの測定を行い、その厚みに関する情報を電気信号に変換して、図2(g)に示すグラフ22Cの波形23Cで表される印刷領域13の断面形状を導出する。なお、図2(d)は、印刷物10の走査線21Cに沿う断面図である。
【0016】
また、この印刷情報12の厚みの測定では、図2(a)に示すように、走査線21Dに沿って、印刷領域13の厚みの測定を行い、その厚みに関する情報を電気信号に変換して、図2(g)に示すグラフ22Dの波形23Dで表される印刷領域13の断面形状を導出する。なお、図2(e)は、印刷物10の走査線21Dに沿う断面図である。
また、この印刷情報12の厚みの測定では、図2(a)に示すように、走査線21Eに沿って、印刷領域13の厚みの測定を行い、その厚みに関する情報を電気信号に変換して、図2(g)に示すグラフ22Eの波形23Eで表される印刷領域13の断面形状を導出する。なお、図2(f)は、印刷物10の走査線21Eに沿う断面図である。
【0017】
なお、図2(g)に示すグラフ22A,22B,22C,22D,22Eにおいて、縦軸は印刷領域13の厚みを表し、横軸は印刷領域13の幅および基材11の一方の面11aにおける位置を表している。また、グラフ22A,22B,22C,22D,22Eにおいて、波形23A,23B,23C,23D,23Eのベースラインは、基材11の一方の面11aを表している。
【0018】
このようにして得られた印刷領域13の断面形状を表す波形23A,23B,23C,23D,23Eはそれぞれ、図2(b)〜(f)に示す印刷領域13の断面形状に相当するので、この断面形状を組み合わせて、印刷領域13の平面形状、すなわち、基材11の一方の面11a側から見た形状を導出する。特に、印刷領域13の形状が複雑な場合、基材11の一方の面11aを走査する間隔を狭くすることが好ましい。
【0019】
また、この印刷情報12の厚みの測定では、図3(a)に示すように、走査線24Aに沿って、印刷領域14の厚みの測定を行い、その厚みに関する情報を電気信号に変換して、図3(g)に示すグラフ25Aの波形26Aで表される印刷領域14の断面形状を導出する。なお、図3(b)は、印刷物10の走査線24Aに沿う断面図である。
【0020】
同様に、この印刷情報12の厚みの測定では、図3(a)に示すように、走査線24Bに沿って、印刷領域14の厚みの測定を行い、その厚みに関する情報を電気信号に変換して、図3(g)に示すグラフ25Bの波形26Bで表される印刷領域14の断面形状を導出する。なお、図3(c)は、印刷物10の走査線24Bに沿う断面図である。
また、この印刷情報12の厚みの測定では、図3(a)に示すように、走査線24Cに沿って、印刷領域14の厚みの測定を行い、その厚みに関する情報を電気信号に変換して、図3(g)に示すグラフ25Cの波形26Cで表される印刷領域13の断面形状を導出する。なお、図3(d)は、印刷物10の走査線24Cに沿う断面図である。
【0021】
また、この印刷情報12の厚みの測定では、図3(a)に示すように、走査線24Dに沿って、印刷領域14の厚みの測定を行い、その厚みに関する情報を電気信号に変換して、図3(g)に示すグラフ25Dの波形26Dで表される印刷領域14の断面形状を導出する。なお、図3(e)は、印刷物10の走査線24Dに沿う断面図である。
また、この印刷情報12の厚みの測定では、図3(a)に示すように、走査線24Eに沿って、印刷領域14の厚みの測定を行い、その厚みに関する情報を電気信号に変換して、図3(g)に示すグラフ25Eの波形26Eで表される印刷領域14の断面形状を導出する。なお、図3(f)は、印刷物10の走査線24Eに沿う断面図である。
【0022】
なお、図3(g)に示すグラフ25A,25B,25C,25D,25Eにおいて、縦軸は印刷領域14の厚みを表し、横軸は印刷領域14の幅および基材11の一方の面11aにおける位置を表している。また、グラフ25A,25B,25C,25D,25Eにおいて、波形26A,26B,26C,26D,26Eのベースラインは、基材11の一方の面11aを表している。
【0023】
このようにして得られた印刷領域14の断面形状を表す波形26A,26B,26C,26D,26Eはそれぞれ、図3(b)〜(f)に示す印刷領域14の断面形状に相当するので、この断面形状を組み合わせて、印刷領域14の平面形状、すなわち、基材11の一方の面11a側から見た形状を導出する。特に、印刷領域14の形状が複雑な場合、基材11の一方の面11aを走査する間隔を狭くすることが好ましい。
【0024】
このように、この実施形態の印刷物の認識方法では、二次元変位センサを用いて、印刷情報12の横方向に沿って、基材11の一方の面11aを走査して印刷情報12の横方向の厚みを測定し、この厚みに基づいて印刷情報12の横方向の断面形状を導出し、この断面形状から、印刷情報12の平面形状を導出することにより、印刷情報12を識別する。
【0025】
したがって、この実施形態の印刷物の認識方法によれば、印刷情報12の色相と、その下地(ここでは基材11の一方の面11a)との色相が近い場合も、印刷情報12と下地を混同することなく、印刷情報12を正確に識別することができる。また、従来の光学的な画像読取装置による印刷物の認識方法のように、高価な光学レンズなどを必要としないので、低コストで実行することができる。
【0026】
なお、この実施形態では、二次元変位センサを用いて、印刷情報12の横方向に沿って、基材11の一方の面11aを走査して印刷情報12の横方向の厚みを測定したが、本発明の印刷物の認識方法はこれに限定されない。本発明の印刷物の認識方法にあっては、印刷情報の縦方向に沿って、基材の一面を走査して印刷情報の縦方向の厚みを測定してもよい。
【0027】
また、この実施形態では、二次元変位センサを用いて、上記のような基材11の一方の面11aに、インクジェットプリンタにより形成(印刷)された印刷情報12の厚みを測定する場合を例示したが、本発明の印刷物の認識方法はこれに限定されない。
本発明の印刷物の認識方法にあっては、紙基材やプラスチック基材の一面に、エンボス加工、レーザーマーキングなどにより形成した文字の厚みや深さ(文字の凹凸の大きさ)も読み取ることができる。
【0028】
(印刷物の真贋判定方法)
次に、図4,5を用いて、本発明の印刷物の真贋判定方法の一実施形態を説明する。
図4は、本発明の印刷物の真贋判定方法の一実施形態を説明する概略図である。図5は、本発明の印刷物の真贋判定方法の一実施形態を説明する概略図である。
この実施形態の印刷物の真贋判定方法は、上述の印刷物の認識方法によって得られた、印刷領域13の断面形状を表す波形23A,23B,23C,23D,23Eと、印刷領域14の断面形状を表す波形26A,26B,26C,26D,26Eとを、上述した方法と同様にして二次元センサを用いて予め測定され、データベース30として保存されている、印刷物10とは別の印刷物の印刷情報の断面形状を表す波形31と照合して、印刷物10の真贋判定を行う。
この照合の結果、印刷物10の断面形状を表す波形と、データベース30として保存されている波形31が一致した場合、印刷物10を本物と判定し、一方、両者の波形が一致しなかった場合、印刷物10を偽物と判定する。
【0029】
また、この実施形態の印刷物の真贋判定方法は、上述の印刷物の認識方法によって得られた、印刷領域13の断面形状を表す波形23A,23B,23C,23D,23Eから印刷領域13の平面形状を導出(合成)し、その導出(合成)された平面形状と、上述した方法と同様にして二次元センサを用いて予め測定され、データベース30として保存されている印刷物10とは別の印刷物の印刷情報の平面形状、あるいは、従来の光学的な画像読取装置を用いて測定され、データベース30として保存されている印刷物10とは別の印刷物の印刷情報の平面形状と照合して、印刷物10の真贋判定を行う。
同様に、上述の印刷物の認識方法によって得られた、印刷領域14の断面形状を表す波形26A,26B,26C,26D,26Eから印刷領域14の平面形状を導出(合成)し、その導出(合成)された平面形状と、上述した方法と同様にして二次元センサを用いて予め測定され、データベース30として保存されている印刷物10とは別の印刷物の印刷情報の平面形状、あるいは、従来の光学的な画像読取装置を用いて測定され、データベース30として保存されている印刷物10とは別の印刷物の印刷情報の平面形状と照合して、印刷物10の真贋判定を行う。
この照合の結果、印刷物10の平面形状と、データベース30として保存されている印刷物10とは別の印刷物の印刷情報の平面形状が一致した場合、印刷物10を本物と判定し、一方、両者の波形が一致しなかった場合、印刷物10を偽物と判定する。
【0030】
この実施形態の印刷物の真贋判定方法によれば、複雑な方法や装置を必要とすることなく、信頼性に優れる印刷物の真贋判定が可能である。したがって、この印刷物の真贋判定方法によれば、証書、証券、金券などの印刷物の偽造防止や、複数の帳票の照合確認などを、効率的かつ厳格に行うことができる。また、この実施形態の印刷物の真贋判定方法は、従来の光学的な画像読取装置を用いて測定された印刷物の印刷情報の平面形状を利用することもできるので、従来のデータベースを有効に活用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の印刷物の認識方法およびこれを用いた印刷物の真贋判定方法は、複数帳票のマッチング確認などにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の印刷物の認識方法の対象となる印刷物の一例を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】本発明の印刷物の認識方法の一実施形態を示す概略図であり、(a)は印刷物の印刷情報を走査する様子を示す平面図、(b)〜(f)は(a)の走査線に対応する印刷情報の断面を示す断面図、(g)は(b)〜(f)の印刷情報の厚みの測定結果を示すグラフである。
【図3】本発明の印刷物の認識方法の一実施形態を示す概略図であり、(a)は印刷物の印刷情報を走査する様子を示す平面図、(b)〜(f)は(a)の走査線に対応する印刷情報の断面を示す断面図、(g)は(b)〜(f)の印刷情報の厚みの測定結果を示すグラフである。
【図4】本発明の印刷物の真贋判定方法の一実施形態を説明する概略図である。
【図5】本発明の印刷物の真贋判定方法の一実施形態を説明する概略図である。
【符号の説明】
【0033】
10・・・印刷物、11・・・基材、12・・・印刷情報、13,14・・・印刷領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材および該基材の一面に設けられた印刷情報を備えた印刷物を認識するための印刷物の認識方法であって、
二次元変位センサを用いて、前記印刷情報の縦方向または横方向に沿って、前記基材の一面を走査して前記印刷情報の縦方向または横方向の厚みを測定し、当該厚みに基づいて前記印刷情報の縦方向または横方向の断面形状を導出し、当該断面形状から、前記印刷情報の平面形状を導出することにより、前記印刷情報を識別することを特徴とする印刷物の認識方法。
【請求項2】
基材および該基材の一面に設けられた印刷情報Aを備えた印刷物Bの真贋を判定する印刷物の真贋判定方法であって、
二次元変位センサを用いて、前記印刷情報Aの縦方向または横方向に沿って、前記基材の一面を走査して前記印刷情報Aの縦方向または横方向の厚みを測定し、当該厚みに基づいて前記印刷情報Aの縦方向または横方向の断面形状Cを導出し、当該断面形状Cを、前記二次元変位センサを用いて、予め測定しておいた印刷物Eをなす印刷情報Fの縦方向または横方向の断面形状Gと照合するか、あるいは、前記断面形状Cから導出した前記印刷情報Aの平面形状Dを、予め測定しておいた前記印刷情報Fの平面形状Hと照合して、前記印刷物Aの真贋判定を行うことを特徴とする印刷物の真贋判定方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−254335(P2008−254335A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−99428(P2007−99428)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】