説明

印刷物及びその読取装置

【課題】 光学的変化素子と導電体印刷による共振タグを貼付した印刷物及び読取装置を提供する。
【解決手段】 有価証券または旅券冊子等の貴重印刷物1に、導電体の印刷3後、前記導電体の印刷3上に重なるように、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層5と前記樹脂層の凹凸面上に金属層7が含まれる一般的な箔から構成される光学的変化素子2を貼付する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物及びその読取装置に関する。特に、有価証券又は旅券冊子等の貴重印刷物に、真偽判別、券種判別、機械読み取り、偽変造の抑制効果を付与するための共振タグ機能を有する印刷物及びその読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有価証券又は旅券冊子等の貴重印刷物に、真偽判別、券種判別、偽変造の抑制効果等を付与するために光学的変化素子が貼付されている。これらの光学的変化素子の一部には機械読み取りの対応のため、光学的変化素子内に通常光では不可視の情報や、適切な方向に回折光が得られるかによって判別する手法等が行われている。
【0003】
また、一般的なLC共振回路の構造としては、コイルとコンデンサパターンを有する上層シートと同様にコイルとコンデンサパターンを有する下層シート間を導通部で導通させるようにした、共振ラベルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この場合は、単純なLC共振回路であり、ホログラムは脆性シールの用途として用いられていて、回路の一部として使用されているのではない。
【0004】
【特許文献1】特開2001−134733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光学的変化素子の機械読み取りには、レーザを照射し、光学的変化素子に照射され回折した光をセンサで読み取るのが一般的であり、その光学的変化素子が付与されている有価証券又は旅券冊子等の貴重印刷物が流通や取り扱い上で損傷した場合、光学的変化素子に凹凸や折れが生じてしまうため、その読み取りが困難になるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と前記樹脂層の凹凸面上に金属層が含まれる一般的な箔と、導電体を用いて印刷した印刷回路とを重ねることにより、前記金属層と前記導電体層に挟まれた非導電体層からなるコンデンサが2つ、コイルが1つのLC回路を構成することにより、層間の電気的な接続が不要で、共振により機械読み取りが可能な印刷物及びその読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述した課題を解決させるためになされたものであり、本発明の印刷物は、基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層とを有して構成される箔を前記印刷回路に重ね合わせて貼付することにより、前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない構造による共振回路を構成していることを特徴としている。
【0008】
本発明の印刷物は、基材上に導電体を用いて印刷により回を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層とを有して構成される箔を前記印刷回路に重ねあわせて貼付することにより、前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない印刷物であって、前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路との間で二つのコンデンサを形成し、前記箔の樹脂層の凹凸面上の金属層又は前記導電体の印刷回路にコイルのパターンを形成し、二つのコンデンサとコイルパターンにより共振回路を構成することを特徴としている。
【0009】
本発明の印刷物は、基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を前記印刷回路に重ね合わせて貼付することにより、前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない構造による共振回路を構成していることを特徴としている。
【0010】
本発明の印刷物は、基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を前記印刷回路に重ねあわせて貼付することにより、前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない印刷物であって、前記箔の表面の保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路との間で二つのコンデンサを形成し、又は前記箔の樹脂層の凹凸面上の金属層又は前記導電体の印刷回路にコイルのパターンを形成し、二つのコンデンサとコイルパターンにより共振回路を構成することを特徴としている。
【0011】
本発明の印刷物は、基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を、前記基材上の印刷回路と同一箇所の裏側に前記基材を介して重ね合わせて貼付することにより、前記基材及び前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない構造による共振回路を構成していることを特徴としている。
【0012】
本発明の印刷物は、基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を、前記基材上の印刷回路と同一箇所の裏側に前記基材を介して重ねあわせて貼付することにより、前記基材及び前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない印刷物であって、前記箔の表面の保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路との間で二つのコンデンサを形成し、又は前記箔の樹脂層の凹凸面上の金属層又は前記導電体の印刷回路にコイルのパターンを形成し、二つのコンデンサとコイルパターンにより共振回路を構成することを特徴としている。
【0013】
本発明の印刷物は、基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を、前記基材上の印刷回路と同一面又は反対面の折り曲げ線に対して、前記印刷回路と対称の位置に貼付することにより、前記保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記金属層と導電体層、又は前記基材及び前記保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない構造による共振回路を構成していることを特徴としている。
【0014】
本発明の印刷物は、基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を、前記基材上の印刷回路と同一面又は反対面の折り曲げ線に対して、前記印刷回路と対称の位置に貼付することにより、前記保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記金属層と導電体層、又は前記基材及び前記保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない印刷物であって、前記箔の表面の保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路との間で二つのコンデンサを形成し、又は前記基材及び前記保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記金属層と導電体との間で二つのコンデンサを形成し、前記樹脂層の凹凸面上の金属層又は前記導電体の印刷回路にコイルのパターンを形成し、二つのコンデンサとコイルパターンにより共振回路を構成することを特徴としている。
【0015】
本発明の印刷物は、前記樹脂層の凹凸面上に金属層を有するため、前記樹脂層の凹凸面と金属層とにより、色の変化や図柄の変化が観察され、前記接着層下の導電体の印刷形状の認識が困難となる。
【0016】
本発明の印刷物は、特定周波数の電波に対して共振することにより、真偽判別又は機械読み取りによる共振周波数の判別が可能となる。
【0017】
本発明の印刷物の読取装置であって、CPUによって前記電気的に接続されていない印刷物が共振する周波数の電波を送信するタイミングを制御するタイミング制御部と、送信アンプを介して電波を送信する送信アンテナと、前記電波を受信する受信アンテナと、前記受信アンテナにより受信アンプを介して前記受信した電波を入力する受信制御部と、前記タイミング制御部からの信号を基に受信信号成分を出力し、A/D変換部を介して前記CPUに入力され、前記印刷物の二つのコンデンサとコイルパターンによって、特定周波数の電波に対する共振を生じる共振回路の存在の有無及び共振周波数を判定し、印刷物の真偽判別又は機械読み取りによる共振周波数の判別を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明の印刷物及びその読取装置によれば、上層シートにコンデンサ2つとコイルまたはコンデンサ2つのみを有することで、上層シートと下層シート間を導通させることなくLC回路を構成しているので、現在、機械読み取り機能が普及していない、用紙に付与された光学的変化素子の読み取りを、光学的変化素子に導電体印刷を加えるだけで、共振タグ機能を付与することができるので、機械読み取りによる真偽判別又は機械読み取りによる共振周波数の判別が可能となる。また、コイルを光学的変化素子で隠蔽することや、印刷物を折り曲げることで共振タグ機能を持たせることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明において、導電体とは、導電性塗料又はインキであり、これらを用いて基材上に印刷画線を印刷したものを印刷回路という。
【0020】
本発明に係る印刷物及びその読取装置の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して説明する。本実施例で用いる一般的な箔の構成は、樹脂層と、前記樹脂層面上に金属層を有し、前記金属層面上に接着層を有して構成され、本実施例の印刷物は、基材上に導電体を用いて印刷を行い印刷回路を構成し、前記印刷回路上に、前記箔を重ね合わせて貼付することにより得られる。
【0021】
箔を構成している樹脂層は、ホログラム等の回折格子状パターンを熱と圧力によって型押し成形が可能な樹脂であり、この回折格子パターンによって、本発明の印刷物に貼付された箔が光学的に色や図柄が変化して見える。この樹脂層の厚みは数μm〜数十μm程度が望ましい。
【0022】
金属層は上記樹脂層の凹凸面上に設けられており、光学的変化素子の本来の色や模様が変化する効果はそのまま得られており、この金属層は一般的にアルミニウム等が用いられる。
【0023】
本実施例の印刷物が、前記金属層と前記導電体層に挟まれた非導電体層からなるコンデンサが2つ、コイルが1つのLC回路を構成することにより、共振するものであり、金属層の回路は、コイルの線幅を0.5〜2.0mm、ピッチを0.5〜2.0mm、コンデンサは、2つのコンデンサとも50〜400mm2、また、導電体層の回路は、2つのコンデンサとも50〜400mmが望ましい。
【0024】
前記金属層と前記導電体層のコンデンサ部分は、同位置に重なることにより、コンデンサの機能をなすものである。
【0025】
さらに、金属層の回路部分の周辺にも金属層を残すことで、導電体層の回路を隠蔽することができる。本実施例をさらにその作製方法及びその読取装置を含めて以下に詳細に説明する。
【0026】
(実施例) 以下、図面に基づいて本発明の印刷物及びその読取装置について詳細に説明をする。本発明は、本実施例に限定されるものではなく、導電体層の形状や誘電体層の厚みによって、本発明の真偽判別あるいは機械読み取りに用いる電波の周波数を任意に設定可能である。
【0027】
図1〜3は、本実施例を説明する図であり、有価証券または旅券冊子等の貴重印刷物1に光学的変化素子2の貼付または導電体の印刷3がなされているものである。
【0028】
図1は、有価証券または旅券冊子等の貴重印刷物1に、導電体の印刷3後、前記導電体の印刷3上に重なるように、光学的変化素子2を貼付したものであり、図2は、有価証券または旅券冊子等の貴重印刷物1に、導電体の印刷3後、前記導電体の印刷3の裏面上に重なるように、光学的変化素子2を貼付したもの、又は、光学的変化素子2を貼付した後、前記光学的変化素子2の裏面上に重なるように導電体の印刷3をしたものであり、図3は、有価証券または旅券冊子等の貴重印刷物1に、光学的変化素子2の貼付と導電体の印刷3を。同一面の異なる場所又は反対の面に施したものである。
【0029】
図4(a)、(b)はそれぞれ、図1のa−a’の断面図、図2のb−b’の断面図であり、光学的変化素子の表面から保護層4、エンボス層5、エンボス面6、金属層7、接着層8、導電体層9及び用紙10である。
【0030】
図5(a)、(b)はそれぞれ、図3のc−c’の断面図、図3のd−d’の断面図であり、図5(a)は、光学的変化素子の表面から保護層4、エンボス層5、エンボス面6、金属層7、接着層8、用紙10、図5(b)は、導電体層9、用紙10である。図5(c)は、図3のe−e’を折り目として折ったときの断面図であり、上から用紙10、導電体層9、保護層4、エンボス層5、エンボス面6、金属層7、接着層8、用紙10である。
【0031】
図6(a)は、金属層7の回路図を示す。本実施例の印刷物は、金属層と導電体層に挟まれた非導電体層からなるコンデンサが2つ、コイルが1つのLC回路を構成することで共振するものであり、対面する導電体層9のコイルの外側にあるコンデンサ11とそのコイルの内側にあるコンデンサ12間を導線13で接続している。金属層7は、エンボス層5のエンボス面6上に塗布、蒸着又は印刷等の方法により形成し、回路を構成するために必要な場合はさらに印刷及びエッチング処理を行う。また、金属層の回路の周辺にもコイル及びコンデンサを隠蔽するように金属層14を残し、さらにその周辺にも微小文字あるいは微細画線等15を施す。
【0032】
図6(b)は、導電体層9の回路図を示す。コイルの外側にあるコンデンサ11とコイルの内側にあるコンデンサ12間をコイル16で接続している。
【0033】
図6(a)の金属層7の回路は、対面する導電体層9のコイルの外側にあるコンデンサ11とコイルの内側にあるコンデンサ12とも約126mmで形成した。
【0034】
図6(b)の導電体層9の回路は、コイルパターンの半径を約26mm、巻き数を4巻き、コイルの線幅を約1.0mm、ピッチを約0.5mmで形成した。また、コンデンサは、コイルの外側にあるコンデンサ11とコイルの内側にあるコンデンサ12とも約126mmで形成した。
【0035】
上記の構成とした場合、約41MHzの周波数の電波によって共振が可能であった。
【0036】
図7は、本実施例の光学的変化素子の読取装置の一構成例を示すものである。CPU17によって本実施例の光学的変化素子が共振する周波数の電波を送信するタイミング制御部18でタイミングを制御し、送信アンプ19を介し、送信アンテナ20より電波を送信する。
【0037】
受信は受信アンテナ21によって行われ、受信アンプ22を介して、受信制御部23に入力され、タイミング制御部18からの信号を基に受信信号成分が出力される。その信号はA/D変換部24を介してCPU17に入力され、共振回路が存在するかしないかを判定する。判定結果はCPUに接続されたスピーカや発光素子によって、操作する者に知らせる等の方法をとることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る印刷物の一実施例を示す図である。
【図2】本発明に係る印刷物の一実施例を示す図である。
【図3】本発明に係る印刷物の一実施例を示す図である。
【図4】図1のa−a’及び図2のb−b’の断面を示す図である。
【図5】図3のc−c’、d−d’の断面を示す図、及び図3のe−e’を折り目として折ったときの断面図である。
【図6】本実施例のコイルとコンデンサの回路である。
【図7】本実施例の印刷物の読取装置の構成図である。
【符号の説明】
【0039】
1 貴重印刷物
2 光学的変化素子
3 導電体印刷
4 保護層
5 エンボス層
6 エンボス面
7 金属層
8 接着層
9 導電体層
10 用紙
11 コイルの外側にあるコンデンサ11
12 コイルの内側にあるコンデンサ12
13 導線
14 金属層
15 微小文字、微細画線部
16 コイル
17 CPU
18 タイミング制御部
19 送信アンプ
20 送信アンテナ
21 受信アンテナ
22 受信アンプ
23 受信制御部
24 A/D変換部











































【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層とを有して構成される箔を前記印刷回路に重ね合わせて貼付することにより、前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない構造による共振回路を構成していることを特徴とする印刷物。
【請求項2】
基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層とを有して構成される箔を前記印刷回路に重ねあわせて貼付することにより、前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない印刷物であって、前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路との間で二つのコンデンサを形成し、前記箔の樹脂層の凹凸面上の金属層又は前記導電体の印刷回路にコイルのパターンを形成し、二つのコンデンサとコイルパターンにより共振回路を構成することを特徴とする印刷物。
【請求項3】
基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を前記印刷回路に重ね合わせて貼付することにより、前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない構造による共振回路を構成していることを特徴とする印刷物。
【請求項4】
基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を前記印刷回路に重ねあわせて貼付することにより、前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない印刷物であって、前記箔の表面の保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路との間で二つのコンデンサを形成し、又は前記箔の樹脂層の凹凸面上の金属層又は前記導電体の印刷回路にコイルのパターンを形成し、二つのコンデンサとコイルパターンにより共振回路を構成することを特徴とする印刷物。
【請求項5】
基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を、前記基材上の印刷回路と同一箇所の裏側に前記基材を介して重ね合わせて貼付することにより、前記基材及び前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない構造による共振回路を構成していることを特徴とする印刷物。
【請求項6】
基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を、前記基材上の印刷回路と同一箇所の裏側に前記基材を介して重ねあわせて貼付することにより、前記基材及び前記接着層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない印刷物であって、前記箔の表面の保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路との間で二つのコンデンサを形成し、又は前記箔の樹脂層の凹凸面上の金属層又は前記導電体の印刷回路にコイルのパターンを形成し、二つのコンデンサとコイルパターンにより共振回路を構成することを特徴とする印刷物。
【請求項7】
基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を、前記基材上の印刷回路と同一面又は反対面の折り曲げ線に対して、前記印刷回路と対称の位置に貼付することにより、前記保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記金属層と導電体層、又は前記基材及び前記保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない構造による共振回路を構成していることを特徴とする印刷物。
【請求項8】
基材上に導電体を用いて印刷により回路を構成した印刷回路と、光を回折する微小な凹凸を有する樹脂層と、前記樹脂層の凹凸面上に設けられた金属層と、前記金属層面上に設けられた接着層と、前記樹脂層の凹凸面の裏側に保護層を有して構成される箔を、前記基材上の印刷回路と同一面又は反対面の折り曲げ線に対して、前記印刷回路と対称の位置に貼付することにより、前記保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記金属層と導電体層、又は前記基材及び前記保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路とは電気的に接続されていない印刷物であって、前記箔の表面の保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記箔の金属層と前記導電体の印刷回路との間で二つのコンデンサを形成し、又は前記基材及び前記保護層及び前記樹脂層を挟んでいる前記金属層と導電体との間で二つのコンデンサを形成し、前記樹脂層の凹凸面上の金属層又は前記導電体の印刷回路にコイルのパターンを形成し、二つのコンデンサとコイルパターンにより共振回路を構成することを特徴とする印刷物。
【請求項9】
前記印刷物は、前記樹脂層の凹凸面上に金属層を有するため、前記樹脂層の凹凸面と金属層とにより、色の変化や図柄の変化が観察され、前記接着層下の導電体の印刷形状の認識が困難となることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の印刷物。
【請求項10】
前記印刷物は、特定周波数の電波に対して共振することにより、真偽判別又は機械読み取りによる共振周波数の判別が可能となることを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の印刷物。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか記載の印刷物の読取装置であって、
CPUによって前記電気的に接続されていない印刷物が共振する周波数の電波を送信するタイミングを制御するタイミング制御部と、
送信アンプを介して電波を送信する送信アンテナと、
前記電波を受信する受信アンテナと、
前記受信アンテナにより受信アンプを介して前記受信した電波を入力する受信制御部と、
前記タイミング制御部からの信号を基に受信信号成分を出力し、A/D変換部を介して前記CPUに入力され、
前記印刷物の二つのコンデンサとコイルパターンによって、特定周波数の電波に対する共振を生じる共振回路の存在の有無及び共振周波数を判定し、印刷物の真偽判別又は機械読み取りによる共振周波数の判別を行うことを特徴とする印刷物の読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−272816(P2006−272816A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−97229(P2005−97229)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】