説明

印刷用両面塗工紙の製造方法

【課題】白紙外観および印刷適性共に同じ品質を有する表裏差のない印刷用両面塗工紙を効率良く製造する方法を提供するものである。
【解決手段】ギャップタイプのツインワイヤーフォーマー、次いで2基以上のシュープレスで脱水後、乾燥して抄紙された原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする顔料塗工層を設けてなる印刷用両面塗工紙の製造方法において、該原紙に対して塗工を行う際には、フィルムトランスファー方式により一方の面および他方の面を同時に塗工し、乾燥した後、さらに最外顔料塗工層がフィルムトランスファー方式により塗工形成され、かつ最外顔料塗工層塗工液を一方の面に塗工、乾燥後、他方の面を塗工、乾燥を行う順で塗工することを特徴とする印刷用両面塗工紙の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用両面塗工紙の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に印刷用両面塗工紙は、原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗工液を塗工、乾燥して製造されるが、塗工量や塗工紙の仕上げ方法によって、キャストコート紙、アート紙、コート紙、微塗工紙等に分類される。これらの塗工紙は、これに多色印刷又は単色印刷を施して、チラシ、パンフレット、ポスター等の商業用印刷物として、あるいは書籍、雑誌等の出版物として広く使用されている。近年、印刷物のビジュアル化、カラー化の進展と共に、印刷用両面塗工紙の高品質化の要求が高まっており、白紙光沢度、平滑度、白色度等の白紙品質、および印刷平滑性等の印刷仕上り等の品質が重要視されている。また、特に商業用印刷物のうちでもチラシやパンフレット等は、宣伝媒体としての目的から、低コストで印刷仕上がりのよいものが求められ、しかも使用される紙も薄物、軽量化に向かっている。
【0003】
印刷用両面塗工紙の製造方法としては、抄紙と塗工を別々の工程で行うオフマシン方式と、一台のマシンで抄紙と塗工を同時とぎれることのない一連の工程として行うオンマシン方式があり、オンマシン方式の方がより効率的な生産が可能であるため、特に軽量塗工紙を生産する設備としては、一般にオンマシン方式が採用されている。このオンマシン方式は、原紙の抄紙工程と顔料塗工液を塗工する工程および仕上げ工程が連続しており、塗工工程での塗工方式においては、フィルムトランスファー方式であるゲートロールコータやロッドあるいはブレードメタリングサイズプレスコータ、ファウンテン方式であるショートドウェルブレードコータなどが使用されている。
【0004】
抄紙機については、省力化・製造コスト削減を目的として広幅化・高速化が進んでおり、ワイヤーパートにおける高速化対策の1つとして、長網フォーマからオントップタイプのフォーマへの改造が数多く行われている。長網フォーマのワイヤー上にトップワイヤーを設置してオントップタイプ化することにより、高速化に伴って発生するワイヤーパートでの脱水能力の不足、原料表面の乱れによる地合の悪化、片面脱水の強化による紙表裏の特性差の増大を抑制することが可能となった。しかし、抄紙機の抄速が1200m/分を超えると、オントップタイプのフォーマにおいても初期の長網部における原料表面の乱れの増加による地合の悪化が発生し始め、製品の品質低下を引き起こすので、これ以上の増速は困難となっている。
【0005】
そこで、さらに高速での操業を可能にするために開発されたのが、ヘッドボックスを出た原料を直ちに2枚のワイヤーで挟み込むギャップタイプのフォーマである。ギャップフォーマでは、ヘッドボックスを出た原料を直ちに2枚のワイヤーで挟み込むため、高速化に伴う脱水能力の不足を補うことが可能となった。また、ワイヤー上での原料の自由表面をなくすことができると共に、ワイヤー間の原料に加える脱水圧力の最適化が可能となるため原紙の地合も向上して、特に新聞用紙の製造分野ではいち早くギャップフォーマが導入され、現在では主要な設備仕様となっている。
【0006】
しかし、ヘッドボックスを出た原料から直ちに両ワイヤー面側に強力な脱水を行うことは、湿紙表面における原料のリテンションの低下や、両ワイヤー面からの脱水比率の差によって表裏に特性の差が生じる欠点を持っている。そのため、ワイヤーパートにギャップフォーマを有する抄紙機で製造した原紙を用いて印刷用両面塗工紙を製造すると、製品の白紙および印刷品質の表裏差が生じる問題がある。これについて、表裏差を小さくする方法として、ツインワイヤーフォーマー部において、トップワイヤー側とボトムワイヤー側の両ワイヤーへの脱水比率を特定の範囲にする方法(特許文献1、2参照)が提案されているが、本方法は抄造条件が制限され、また広範囲な米坪に適用することが難しい点がある。
【0007】
また、ギャップフォーマを有する抄紙機に付設されて使用されるウェットプレス装置としては、1200m/分以上の高速操業においては、シュータイプの広幅ニップを有するウェットプレスが利用されるが、操業性の観点から、表裏に異なる用具を用いてプレスすることによる表裏差が発生する問題がある。この点について、塗工する前の原紙あるいは該原紙に下塗りした塗被紙をソフトカレンダーで処理して表裏差のない、高平滑な塗被紙を製造する方法(特許文献3参照)が提案されている。しかし、表裏の白紙および印刷品質双方が同じレベルに至っておらず、依然表裏差をなくす改善が強く望まれている。
【0008】
【特許文献1】特開平11−100788号公報
【特許文献2】特開平11−100789号公報
【特許文献3】特開平11−1891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、白紙外観および印刷適性共に同じ品質レベルを有する表裏差のない印刷用両面塗工紙を効率良く製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、上記の課題について鋭意研究を重ねた結果、白紙および印刷品質ともに表裏差のない印刷用両面塗工紙を効率よく製造できる本発明を完成するに至った。即ち、ギャップタイプのツインワイヤーフォーマー、次いで2基以上のシュープレスで脱水後、乾燥して抄紙された原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする顔料塗工層を設けてなる印刷用両面塗工紙の製造方法において、該原紙に対して塗工を行う際には、フィルムトランスファー方式により一方の面および他方の面を同時に塗工し、乾燥した後、さらに最外顔料塗工層がフィルムトランスファー方式により塗工形成され、かつ最外顔料塗工層塗工液を一方の面に塗工、乾燥後、他方の面を塗工、乾燥を行う順で塗工することを特徴とする印刷用両面塗工紙の製造方法である。
【0011】
前記最外顔料塗工層を塗工形成するフィルムトランスファー方式の塗工装置が、ロッドメタリングサイズプレスであることが好ましい。
【0012】
前記最外塗工層を設けた後、熱ソフトカレンダーに通紙して平滑化仕上げ処理を行うことが好ましい。
【0013】
さらに、前記最外顔料塗工層の一方の面と他方の面で配合の異なる顔料塗工液により顔料塗工層が塗工形成されることが好ましい。
【0014】
また、最外塗工層を形成する塗工装置が、抄紙から塗工工程までを連続して行うオンマシンコーターであり、塗工速度が1400m/分以上で効率のよい生産を行うことができ好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係わる印刷用両面塗工紙の製造方法によって、白紙および印刷仕上がり共同じ品質レベルを有する表裏差のない高品質な印刷用両面塗工紙が効率良く得られるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の詳細について述べる。
本発明において、原紙に使用するパルプとしては、特に限定されるものではなく、例えば、一般に使用されている広葉樹晒パルプ(LBKP)や針葉樹晒パルプ(NBKP)等の漂白化学パルプ、砕木パルプ(GP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、リファイナ砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、脱墨古紙パルプ(DIP)、損紙などが適宜混合使用される。近年、環境問題の観点から、DIPの配合が要望されるが、本発明においてDIPを配合した場合も、効率良く、高品質な印刷塗工紙を得ることができる。また、ケナフ等の非木材繊維原料から得られるパルプ繊維、合成パルプ、無機繊維等の1種又は2種以上を原紙に配合することもできる。機械パルプや脱墨古紙パルプは、必要に応じて漂白して使用することもでき、漂白の程度も任意に行うことができる。なお、パルプの漂白には、塩素ガスのような分子状塩素や二酸化塩素のような塩素化合物を使用しない漂白工程を採用することが、環境保全の観点から好ましく、このような漂白工程を経たパルプとしては、ECFパルプやTCFパルプを挙げることができる。
【0017】
原紙に内添される填料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏、タルク、クレー、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、デラミネーテッドカオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機顔料や尿素・ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子等の有機顔料等が例示でき、古紙や損紙等に含まれる填料も再使用できる。填料は2種以上の混合使用も可能である。填料の配合量は、一般に紙(原紙)灰分が3〜20質量%の範囲になるように添加される。
【0018】
また、原紙中にはパルプや填料の他に、内添サイズ剤、アニオン性、ノニオン性、カチ
オン性あるいは両性の歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤等の抄紙用内添助剤を、
必要に応じて添加することができる。内添サイズ剤の具体例としては、例えば、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系、ロジン系などのサイズ剤が挙げられる。また、歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤の具体例としては、例えば、アルミニウム等の多価金属化合物(具体的には、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性アルミニウム化合物等)、各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等が例示できる。また、本発明の所望する効果を妨げない範囲で、パルプ繊維間結合の阻害機能を有する嵩高剤、柔軟剤を使用することも可能である。嵩高剤、柔軟剤の具体例としては、例えば、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸エステル化合物のポリオキシアルキレン化合物、脂肪酸ポリアミドアミン、多価アルコール系界面活性剤、油脂系非イオン界面活性剤等が例示できる。かかる嵩高剤、柔軟剤の添加量は、一般に、パルプに対して0.05〜2.0質量%程度である。
【0019】
本発明は、上記の原材料で調成した紙料を、ギャップタイプのツインワイヤーを用いて、ヘッドボックスから2つのワイヤー間に吐出して紙層を形成させた後、2基以上のシュープレスで脱水後、乾燥して、原紙を抄造する。このギャップタイプのツインワイヤーフォーマーは、2枚のワイヤーで形成されるギャップにヘッドボックスから紙料を吐出することにより、当初より紙料が2枚のワイヤーに挟まれた状態で脱水、紙層が形成されていくので、長網抄紙機やオントップ型のハイブリッドフォーマーと比べて、ワイヤーパートにおける紙料の乱れが小さく、均一な紙層を高速で形成することができる。抄速については、特に限定されるものではないが、一般的に1400m/分以上が好ましい範囲であり、塗工紙の生産性を考えると、1500m/分以上であることがより好ましい。抄速の上限は、操業性および品質に問題をきたさない範囲では上限がないが、実質的には3000m/分程度が上限である。
【0020】
ギャップフォーマを有する抄紙機に付設されて使用されるウェットプレス装置としては、2基以上のシュープレスで脱水される。なお、脱水能力的には、2基のシュープレスで十分であり、抄紙機のスペースやコストの問題から、2基のシュープレスとすることが好ましい。また、断紙を防止するために、湿紙をストレートでニップする形態をとったタンデムシュープレスを用いることが好ましい。このタンデムシュープレスを使用する場合、第1プレスでは、トップ側をフェルト、ボトム側もフェルトとしたダブルフェルトが採用されるのに対して、第2プレスでは、再湿防止等の操業性を考慮して、ボトム側にトランスファーベルトを採用することが好ましい。
【0021】
原紙の抄紙条件については、ギャップタイプのツインワイヤーフォーマーで抄紙して、次いで2基のシュープレスで脱水することを除いて特に限定は無く、例えば、酸性抄紙、中性抄紙、弱アルカリ抄紙等のいずれの方式でも良い。ただ近年、紙の保存性が要求されることから、中性抄紙により抄紙された原紙が好ましい。
【0022】
また、本発明において、原紙に対する塗工工程として、表面強度や表面平滑性を向上させる目的で、水溶性接着剤を用いて、通常のサイズプレス処理を施すことができる。水溶性接着剤としては、例えば、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、デキストリン、冷水可溶性澱粉などの澱粉類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロ−ス誘導体、ポリビニルアルコールやその変性品などが使用できる。また、後述する水分散性接着剤も水溶性接着剤と併用することができる。
【0023】
また、本発明において、サイズプレス用水溶性接着剤に、表面サイズ剤を添加することで、原紙への塗工性改善をより向上させることができる。サイズプレス処理に使用できる表面サイズ剤としては、例えば、スチレン/アクリル系、オレフィン系、スチレン/マレイン酸系、スチレン/アクリル酸エステル系、スチレン/マレイン酸エステル系の共重合体等が挙げられる。
【0024】
また、本発明において、本発明の効果を妨げない範囲において、一般の塗工紙に使用される顔料をサイズプレス処理に使用することができる。サイズプレス処理に使用できる顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、焼成カオリン、二酸化チタン、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、ケイソウ土、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料のほか、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子等の有機顔料等、一般の塗工紙用として知られている顔料を単独あるいは併用で使用することができる。得られる両面印刷用塗工紙の品質向上のためには、サイズプレスに顔料を使用することが好ましく、なかでも粒子径が2μm以下の粒子割合が60質量%、より好ましくは90%以上の重質炭酸カルシウムや、微粒カオリン、デラミネーテッドカオリンを併用することがより好ましい様態である。また、顔料が併用される場合のサイズプレス塗工液の水溶性接着剤量として、乾燥重量比で顔料100質量部に対し、水溶性接着剤量の下限として5質量部以上、より好ましくは20質量部以上、上限としては1000質量部以下、より好ましくは200質量部以下が、好ましい様態である。
【0025】
本発明において、原紙に対して塗工を行う際には、高速塗工での紙切れが少なく、しかも軽量塗工を安定して行うことができるフィルムトランスファー方式により一方の面および他方の面が同時に塗工形成されたのち乾燥されることで、生産効率を低下させることなく本発明所望の印刷用両面塗工紙を得ることができる。さらに前記方式は、塗工機の設置スペースが小さくてすむという利点も併せ持っている。なお、本発明で言う、フィルムトランスファー方式で同時に塗工形成されるとは、例えば2つのロールによって形成されているロールニップを原紙が通過する際に、前記2つのロール双方の表面に所望量の塗工液を湿潤状態で存在させ、この塗工液を原紙上に転移させることで塗工が行われる工程で、1台目の塗工装置を通過した段階で原紙の一方の面および他方の面上に湿潤状態の塗工液層が形成されている状態をいい、一方の面および他方の面に対する塗工液の接触・転移が厳密な意味で同時でなくとも良い。
【0026】
前述の通り抄紙した原紙上に、サイズプレス工程等の1回以上の塗工工程を経たのちに最外塗工層用の顔料塗工液を塗工するが、最外塗工層用の顔料塗工液を塗工する前に、ソフトカレンダー等による平滑化仕上げ処理を施すことができ、最外塗工層形成後の平滑性等の品質を考慮すると、平滑化処理を施すことが好ましい。
【0027】
本発明の製造方法において、前述の通り抄紙した原紙上に、最外塗工層を形成するための顔料塗工液を、フィルムトランスファー方式の塗工装置で塗工する。この塗工装置の使用は、高速塗工で紙切れが少なく、しかも軽量塗工を安定して行うことができる利点がある。しかし、このフィルムトランスファー方式の塗工装置での塗工においては、通常原紙の両面に同一顔料塗工液を同時に塗工するが、アプリケーターロール出口において、紙離れが安定せず、片面あるいは両面とも紙表面に塗工ムラが発生し易く、この塗工ムラは塗工紙品質の低下に繋がる。この問題について発明者らが検討した結果、両面とも安定した紙離れをさせ、塗工ムラを発生しないように、顔料塗工液を一方の面に塗工、乾燥後、他方の面に塗工、乾燥する順で最外塗工層を塗工形成することで白紙外観および印刷適性共に同じ品質レベルを有する表裏差のない印刷用両面塗工紙が得られることの知見を得た。上記の最外塗工層の形成を片面ずつ行うことにより、例えばペーパーロールの位置変更等により原紙のロール抱き角、リリースポイントを任意に調整できることから、紙離れを安定化させることができるため、塗工ムラの発生を効果的に抑制することができるので、表裏差のない両面印刷用塗工紙の製造が可能となる。
【0028】
フィルムトランスファー方式の塗工装置としては、ゲートロール、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレスがあり、これらのうち、塗工量の調整や高速塗工適性に優れるロッドメタリングサイズプレスを使用することが好ましい。なお、最外塗工層を乾燥する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等の各種方式が採用できる。
【0029】
さらに、本発明の製造方法においては、白紙品質および印刷品質をさらに両立して表裏差を解消するために、フィルムトランスファー方式による塗工装置で、トップ側(表側)とボトム側(裏側)に異なる塗料配合の塗工液を塗工することが好ましい。ここで、異なる塗料配合とは、主成分である顔料および接着剤の種類、配合比率を変えた塗料のことで、例えば白紙光沢の差を調整するために光沢の出やすい顔料の量の増減を図り、あるいはインキ着肉性等の差を接着剤の増減で調整したものである。このようして異なる塗料配合の塗工液を採用することは、原紙の表裏差に合わせ、顔料および接着剤を選択し、配合比率の調整を行うことによって塗工液を調製して、そしてそれぞれの面に塗工液を塗工することによって、白紙および印刷品質ともに表裏差をなくすことが出来るため好ましい様態である。
【0030】
本発明の最外塗工層用顔料塗工液に使用する顔料は、特に限定されるものではなく、例えば、カオリン、タルク、クレー、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、サチンホワイト、二酸化チタン、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、ケイソウ土、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料のほか、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子等の有機顔料等、一般の塗工紙用として知られている顔料を併用することができる。
【0031】
本発明の最外塗工層用顔料塗工液に使用する接着剤としては、特に限定されるものではなく、所望の品質に合わせて適宜選択されるが、水溶性接着剤と水分散性接着剤を併用するのが一般的である。水溶性接着剤としては、例えば、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、デキストリン、冷水可溶性澱粉などの澱粉誘導体、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコールやその変性物などが使用できるが、その中でも、最外塗工層用顔料塗工液の流動性が良好であり、かつ原材料が安価であることから、澱粉誘導体であることが好ましい。水溶性接着剤としては、顔料100質量部あたり1〜15質量部、好ましくは3から10質量部配合する。
【0032】
また、水分散性接着剤としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレンーメチルメタクリレートーブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体ラテックス等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性した重合体または共重合体ラテックス等が挙げられ、顔料100質量部あたり5〜20質量部、好ましくは8〜12質量部配合する。
【0033】
また、本発明の最外塗工層用の顔料塗工液には、必要に応じて、増粘剤や保水剤、青系統あるいは紫系統の染料や有色顔料、蛍光染料、酸化防止剤、老化防止剤、導電剤、消泡剤、紫外線吸収剤、分散剤、pH調整剤、離型剤、耐水化剤、撥水剤等の各種助剤を適宜配合することができる。
【0034】
本発明において、最外塗工層用の顔料塗工液の顔料、水溶性接着剤等の接着剤、さらには必要に応じて使用される各種助剤を含む塗工液の固形分濃度は、25〜70質量%の範囲で選択できる。塗工量の調整や操業性を考慮すると、50〜65質量%の範囲であることが好ましい。
【0035】
本発明の最外塗工層の乾燥塗工量としては、片面当たり2〜12g/m2であり、好ましくは5〜10g/m2である。因みに塗工量が2g/m2未満の場合、光沢や平滑等、所望する品質が得られない。また、12g/m2を超えると、塗工操業上の問題が発生し、また塗工ムラが発生し易く好ましくない。
【0036】
さらに、本発明は、前記の最外塗工層をフィルムトランスファー方式により塗工形成した後、加熱した金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる熱ソフトカレンダーに通紙して平滑化仕上げ処理を行うことができる。金属ロールの温度については、特に限定されるものではなく、所望の品質に合わせるため、100〜380℃の範囲で適宜調整される。カレンダーのニップ圧、ニップ数等についても、特に限定されるのではなく、ニップ圧としては200〜450kN/m、ニップ数としては1〜10ニップの範囲で、所望とする品質に合わせて適宜調整する。熱ソフトカレンダーにおけるニップの構成方法としては、金属ロールと弾性ロールの組み合わせからなる1ニップのみを有するカレンダー装置を所望数となる複数で直列に配置する方法、あるいは複数の金属ロールと弾性ロールからなるロール群が鉛直方向、あるいは斜め方向に少なくとも一部が接して配置され、2ニップ以上のニップ数を有する装置を所望数配置する方法、単一のニップを有するカレンダー装置と複数のニップを有するカレンダー装置を組み合わせる方法が例示できる。中でも、全段が独立してニップ圧を調整可能である多段式カレンダーが最も好ましい形態である。また、金属ロールについては、特に表面を硬質クロムメッキ等で鏡面仕上げされたものを使用すると、より一層効果的である。また、熱ソフトカレンダーの金属ロールと対をなして使用される弾性ロールの材質については特に限定されるものではないが、一般にウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリレート樹脂等の高温高圧で耐久性を示す樹脂ロールが好ましく使用される。また、樹脂ロールの硬度としては、ショアD硬度で85度以上のものを使用すると優れた表面平滑性が得られる。
【0037】
なお、本発明においては、抄紙から塗工工程までをオンラインで行う所謂オンマシンコーターであることが、生産性に優れるため好ましいが、抄紙から熱ソフトカレンダーまでをオンラインで行うことが、より好ましい。
【実施例】
【0038】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、勿論、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ質量部および質量%を示す。また、使用した薬剤の添加量は、固形分換算の質量部を示す。
【0039】
実施例1
(最外塗工層用顔料塗工液Aの調製)
分散剤であるポリアクリル酸ナトリウムを、分散するカオリン100部に対して0.1部添加した水溶液に、微粒カオリン(商品名:ミラグロスJ、BASF社製)85部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)15部を添加し、コーレス分散機で分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、顔料100部に対して、酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)5部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ1000H、JSR社製)10部、および消泡剤、染料などの助剤を添加して、最終的に固形分濃度が58%の最外塗工層用顔料塗工液Aを調製した。
【0040】
(印刷用両面塗工紙の作製)
酸素−オゾン−水酸化ナトリウム−過酸化水素−二酸化塩素からなる工程で多段漂白されたLBKP50%(CSF500ml)と、酸素−オゾン−水酸化ナトリウム−過酸化水素−二酸化塩素からなる工程で多段漂白されたNBKP35%(CSF500ml)と、新聞古紙から製造したDIP(CSF180ml)15%からなるパルプスラリー100%に、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−121、奥多摩工業社製)を原紙灰分が10%となるように添加した後、パルプスラリーの全固形分に対して硫酸アルミニウム0.5%、カチオン澱粉(商品名:エースK−100、王子コーンスターチ社製)0.5%、アルキルケテンダイマーサイズ剤(商品名:サイズパインK−287、荒川化学工業社製)0.1%、ポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン851、荒川化学工業社製)0.02%を順次添加し、紙料を調製した。この紙料を抄速1500m/分でギャップフォーマによる抄紙を行った後、2基のシュープレスで脱水、乾燥し、40g/mの原紙を得た。この原紙上に、澱粉サイズ液(商品名:王子エースA、前出)を、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、片面塗工量が1.0g/m(固形分)となるように両面同時に塗工後、ソフトカレンダーで平滑化処理を施した。このようにして得られたサイズ原紙上に、最外塗工層用顔料塗工液Aを、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、片面塗工量が6.0g/m(固形分)となるように、トップ側の面に塗工、乾燥後、最外塗工層用顔料塗工液Aを、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、ボトム側の面に塗工、乾燥を行った。このようにして得られた両面塗工紙を、180℃に加熱した金属ロールと樹脂ロールよりなる熱ソフトカレンダーに、線圧200kN/cmの加圧条件で、片面が金属ロールと樹脂ロールにそれぞれ4回ずつ接触するように合計8ニップの通紙を行い、米坪54g/mの印刷用両面塗工紙を得た。
【0041】
実施例2
(最外塗工層用顔料塗工液Bの調製)
分散剤であるポリアクリル酸ナトリウムを、分散するカオリン100部に対して0.1部添加した水溶液に、微粒カオリン(商品名:ミラグロスJ、前出)90部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)10部を添加し、コーレス分散機で分散して顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに、顔料100部に対して、酸化澱粉(商品名:王子エースA、前出)5部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ1000H、前出)11部、および消泡剤、染料などの助剤を添加して、最終的に固形分濃度が58%の最外塗工層用顔料塗工液Bを調製した。
【0042】
(印刷用両面塗工紙の作製)
実施例1で得られたサイズ原紙上に、片面塗工量が6.0g/m(固形分)となるように、最外塗工層用顔料塗工液Aを、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、トップ側の面に塗工、乾燥後、最外塗工層用顔料塗工液Bを、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、ボトム側の面に塗工、乾燥を行った以外は、実施例1と同様にして米坪54g/mの印刷用両面塗工紙を得た。
【0043】
実施例3
(下塗り塗工層用顔料塗工液の調製)
重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ60、備北粉化工業社製)100部からなる顔料スラリーに、顔料100部に対して、接着剤として澱粉(商品名:エースA、前出)20部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ−1000H、前出)5部を添加し、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて、更に水を加えて固形分濃度30%の下塗り塗工層用顔料塗工液を得た。
【0044】
(印刷用両面塗工紙の作製)
酸素−オゾン−水酸化ナトリウム−過酸化水素−二酸化塩素からなる工程で多段漂白されたLBKP65%(CSF500ml)と、酸素−オゾン−水酸化ナトリウム−過酸化水素−二酸化塩素からなる工程で多段漂白されたNBKP35%(CSF500ml)からなるパルプスラリー100%に、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−121、前出)を原紙灰分が10%となるように添加した後、パルプスラリーの全固形分に対して硫酸アルミニウム0.5%、カチオン澱粉(商品名:エースK−100、前出)0.5%、アルキルケテンダイマーサイズ剤(商品名:サイズパインK−287、前出)0.1%、ポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン851、前出)0.02%を順次添加し、紙料を調製した。この紙料を抄速1500m/分でギャップフォーマによる抄紙を行った後、2基のシュープレスで脱水、乾燥し、40g/mの原紙を得た。この原紙上に、前記下塗り塗工層用顔料塗工液を、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、片面塗工量が3.0g/m(固形分)となるように両面同時に塗工後、ソフトカレンダーで平滑化処理を施した。このようにして得られたサイズ原紙上に、最外塗工層用顔料塗工液Aを、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、片面塗工量が7.0g/m(固形分)となるように、トップ側の面に塗工、乾燥後、最外塗工層用顔料塗工液Aを、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、ボトム側の面に塗工、乾燥を行った。このようにして得られた両面塗工紙を、180℃に加熱した金属ロールと樹脂ロールよりなる熱ソフトカレンダーに、線圧200kN/cmの加圧条件で、片面が金属ロールと樹脂ロールにそれぞれ4回ずつ接触するように合計8ニップの通紙を行い、米坪60g/mの印刷用両面塗工紙を得た。
【0045】
実施例4
実施例3で得られたサイズ原紙上に、片面塗工量が7.0g/m(固形分)となるように、最外塗工層用顔料塗工液Aを、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、トップ側の面に塗工、乾燥後、最外塗工層用顔料塗工液Bを、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、ボトム側の面に塗工、乾燥を行った以外は、実施例3と同様にして米坪60g/mの印刷用両面塗工紙を得た。
【0046】
比較例1
実施例1の印刷用両面塗工紙の作製において、サイズ原紙上に最外顔料塗工層塗工液Aを、トップ面とボトム側に対して同時に塗工した後乾燥を行って最外顔料塗工層を塗工形成した以外は、実施例1と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。
【0047】
比較例2
実施例2の印刷用両面塗工紙の作製において、ボトム側に塗工する塗工液を、トップ側と同じ最外塗工層用顔料塗工液Aに変更し、トップ側の塗工量を5.5g/m(固形分)、ボトム側の塗工量を6.5g/m(固形分)に変更して同時に塗工した後乾燥を行って最外顔料塗工層を塗工形成した以外は、実施例1と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。
【0048】
比較例3
実施例3の印刷用両面塗工紙の作製において、サイズ原紙上に最外顔料塗工層塗工液Aを、トップ面とボトム側に対して同時に塗工した後乾燥を行って最外顔料塗工層を塗工形成した以外は、実施例3と同様にして印刷用両面塗工紙を得た。
【0049】
比較例4
実施例4において、サイズ原紙上に、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、片面塗工量が7.0g/m(固形分)となるように、トップ側の面に最外塗工層用顔料塗工液Aを、ボトム側の面に最外塗工層用顔料塗工液Bを、同時に塗工したのち、乾燥を行った以外は、実施例4と同様にして米坪60g/mの印刷用両面塗工紙を得た。
【0050】
実施例および比較例で得た印刷用両面塗工紙を以下の方法で評価し、その結果を表1に示した。なお、以下の評価試験は、23℃,50%RHのISO環境下で行った。
【0051】
(白紙光沢度)
ISO 8254−1(1999)に準じて、75度光沢度計を用いて5箇所の測定を行い、その平均を求めた。
【0052】
(PPS平滑度)
パーカープリントサーフ(PPS)表面平滑度試験機(機種名:MODEL M−569型、MESSMER BUCHEL社製、英国)を用い、バッキングディスク:ソフトラバー、クランプ圧力:0.98MPaで5箇所の平滑度測定を行ない、その平均を求めた。
【0053】
(印刷光沢度)
RI印刷試験機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:FUSION−G墨Sタイプ、大日本インキ化学工業社製)を0.6ml使用して印刷を行い、23℃、50%RHの雰囲気下で48時間放置してインキを乾燥させ、光沢度計(型式:GM−26D、村上色彩技術研究所製)を用いて60°光沢度を測定した。
【0054】
(印刷平滑性)
印刷光沢度測定用サンプルを用いて、印刷平滑性を目視評価した。評価は次の5段階評価で行った。5(優)−1(劣)であり、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
【0055】
(インキ着肉性)
RI印刷試験機で、1色目に印刷インキ(商品名:TOYOKING TKU CC藍、東洋インキ製造社製)を0.5ml、2色目に印刷インキ(紙試験用インキ紅、東洋インキ製造社製)を0.3ml使用して、1色目印刷後2色目を15秒、30秒、60秒、90秒、120秒、180秒と時間を変えて重ね刷りした時の2色目紅インキの着肉ムラを目視評価した。なお、インキ着肉ムラの最も劣るところを5段階で評価した。
5(優)−1(劣)、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
【0056】
(表面強度)
RI印刷試験機で、印刷インキ(紙試験用インキ紅、東洋インキ製造社製)を0.4ml使用して印刷を行い、印刷面のピッキング程度を目視評価した。評価は次の5段階評価で行った。5(優)−1(劣)、評価が2以下のものは、実用上問題がある。
【0057】
(表裏差)
前記白紙光沢、PPS平滑度、印刷光沢度、印刷平滑性、インキ着肉性、表面強度結果を総合し、以下の基準に従って表裏差を判定した。判定結果が△以下のものは、実用上問題がある。
◎:表裏差が見られず、両面印刷用塗工紙として優れている。
○:表裏差がわずかに見られるが、両面印刷用塗工紙として問題ないレベルである。
△:表裏差が見られ、両面印刷用塗工紙としての適性は劣る。
×:表裏差が大きく、両面印刷用塗工紙としての適性は大きく劣る。
【0058】
【表1】

【0059】
表1から明らかなように、本発明による実施例1〜4は、表裏共白紙および印刷適性が同じ品質を有しているが、比較例1〜4では、白紙または/および印刷品質の表裏における品質差を解消するに至っていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギャップタイプのツインワイヤーフォーマー、次いで2基以上のシュープレスで脱水後、乾燥して抄紙された原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする顔料塗工層を設けてなる印刷用両面塗工紙の製造方法において、該原紙に対して塗工を行う際には、フィルムトランスファー方式により一方の面および他方の面を同時に塗工し、乾燥した後、さらに最外顔料塗工層がフィルムトランスファー方式により塗工形成され、かつ最外顔料塗工層塗工液を一方の面に塗工、乾燥後、他方の面を塗工、乾燥を行う順で塗工することを特徴とする印刷用両面塗工紙の製造方法。
【請求項2】
前記最外顔料塗工層を塗工形成するフィルムトランスファー方式の塗工装置が、ロッドメタリングサイズプレスであることを特徴とする請求項1に記載の印刷用両面塗工紙の製造方法。
【請求項3】
前記最外塗工層を設けた後、熱ソフトカレンダーに通紙して平滑化仕上げ処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用両面塗工紙の製造方法。
【請求項4】
前記最外顔料塗工層の一方の面と他方の面で配合の異なる顔料塗工液により顔料塗工層が塗工形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷用両面塗工紙の製造方法。
【請求項5】
前記最外塗工層を形成する塗工装置が、抄紙から塗工工程までを連続して行うオンマシンコーターであり、塗工速度が1400m/分以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷用両面塗工紙の製造方法。

【公開番号】特開2009−235617(P2009−235617A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83442(P2008−83442)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】