説明

印刷紙の乾燥における熱風温度制御

【課題】 印刷紙は、乾燥の消費エネルギを少なくし、高品質にする。
【解決手段】 印刷紙aは、乾燥室1の複数の加熱区域8、9を順次通過し、各加熱区域8、9でそれぞれその加熱区域の熱風中を走行して印刷インキを乾燥する印刷紙の乾燥装置において、各加熱区域は、それぞれ、その加熱区域の出口での印刷紙の紙面温度を検出する温度センサ22を乾燥室1の外側に設け、その温度センサが検出する紙面温度が設定温度になるように、その加熱区域の熱風の温度を制御する装置31を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷紙を乾燥させる熱風の温度を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
巻取紙の印刷ラインにおいて、帯状の印刷紙は、印刷機を通過して印刷され、乾燥装置の熱風中を走行して印刷インキが乾燥し、冷却装置を通過して冷却される。
【0003】
乾燥装置は、前後方向に長い箱形の乾燥室を設けている。乾燥室は、前端壁に横長の入口を、後端壁に横長の出口を設け、入口から出口にかけて印刷紙通路を形成している。乾燥室は、入口と出口の間を複数の区域に分けている。例えば、入口側の上流側区域と出口側の下流側区域の2区域に分けている。
上流側区域は、印刷紙通路に向けて熱風を吹き出すノズルを、印刷紙通路を挟んで上下に設けている。また、空気を加熱してノズルに供給する熱風供給路を設けている。熱風供給路は、送風機の吸込口を区域内に開放し、送風機の吐出口を加熱装置の入口に接続し、加熱装置の出口をノズルに接続している。加熱装置は、加熱量を増減可能にしている。その加熱量の増減で、ノズルに供給する熱風の温度を調整する。下流側区域も、上流側区域と同様に、ノズルと熱風供給路を設けている。上流側区域と下流側区域の熱風温度を制御する装置を設けている。
【0004】
特許文献1の熱風温度制御装置は、乾燥室の出口外側に、走行中の印刷紙の紙面温度を非接触で検出する紙面温度センサを設けている。下流側区域は、紙面温度センサが検出する紙面温度が設定温度、例えば120℃、になるように、ノズルに供給する熱風の温度を制御する装置を設けている。また、ノズルに供給する熱風の温度を検出する熱風温度センサを設けている。
上流側区域は、ノズルに供給する熱風の温度を検出する熱風温度センサを設けている。この熱風温度センサが検出する熱風温度が下流側区域の熱風温度センサの検出温度より設定温度差分、例えば20℃、高くなるように、ノズルに供給する熱風の温度を制御する装置を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−192652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[課 題]
印刷紙の乾燥は、印刷紙の品質と熱エネルギの消費量に影響を与える。印刷紙が高品質で、消費エネルギが少量であることが望まれる。
【0007】
[考察と実験]
上記の熱風温度制御装置において、乾燥室の熱風温度は、上流側区域で下流側区域より高くしている。このことは、「印刷紙の乾燥に必要な熱量は、乾燥初期である上流側区域では、乾燥終期である下流側区域より多い」との想定に基いているものと推察される。この想定の適否を検証した。
【0008】
乾燥室の加熱区域を走行する印刷紙の紙面温度を測定する技術を開発した。乾燥室は、下流側の加熱区域では、出口での紙面温度が適正温度の120℃になるように熱風温度を制御した。上流側の加熱区域では、熱風温度が下流側の加熱区域の熱風温度より20℃高くなるように熱風温度を制御した。この状態で、印刷紙の紙面温度を、乾燥室の入口(≒上流側加熱区域の入口)、上流側加熱区域の中央位置、上流側加熱区域の出口(=下流側加熱区域の入口)と、下流側加熱区域の中央位置の各点で測定した。すると、紙面温度は、図4に示すように、上流側の加熱区域の出口では最大温度の130℃強になって適正温度を超える、ことが判明した。紙面温度が適正温度を超える区域があると、高温のため印刷紙の品質が低下するおそれが強い。また、消費エネルギが多い。
【0009】
[着想と実験]
乾燥室の各加熱区域では、それぞれ、その加熱区域の出口での印刷紙の紙面温度を検出し、その紙面温度が設定温度になるように、熱風温度を制御することにした。
【0010】
乾燥室は、上流側の加熱区域では、出口での紙面温度を120℃弱に設定し、出口での紙面温度がその設定温度になるように、熱風の温度を制御した。下流側の加熱区域では、出口での紙面温度を120℃強に設定し、出口での紙面温度がその設定温度になるように、熱風の温度を制御した。すると、紙面温度は、図3に示すように、上流側の加熱区域では、その出口での設定温度を超えなかった。下流側の加熱区域では、その出口での設定温度を超えなかった。消費エネルギが多くなかった。また、印刷紙は、品質の低下が認められなかった。
【0011】
[乾燥室の加熱区域での紙面温度の検出]
乾燥室は、加熱区域の温度が最大200℃位になる。走行中の印刷紙の紙面温度を非接触で測定する放射温度センサは、使用温度が最高50〜60℃位である。加熱区域に放射温度センサを配置することができない。
【0012】
放射温度センサは、乾燥室の外側、乾燥室の下側又は上側に配置して乾燥室内を走行する印刷紙の下面又は上面の紙面温度を検出する。具体的には、乾燥室は、床板又は天板に検出筒を貫通して取り付ける。検出筒は、内端の開口が走行中の印刷紙の下面又は上面に対面する位置に配置する。検出筒の外端の開口には、放射温度センサを配置する。すると、放射温度センサは、走行中の印刷紙の下面又は上面が放射する輻射線を検出筒を経て受ける。この輻射線に基いて紙面温度を検出する。輻射線は、遠赤外線や赤外線が例示される。
【0013】
検出筒は、中間位置に空気供給路を接続する。検出筒の中間位置に供給した空気は、検出筒の内端側と外端側に二分し、内端の開口と外端の開口からそれぞれ流出する。検出筒の内端側に流れる空気は、検出筒に乾燥室の熱風やゴミが流入するのを阻止する。乾燥室の熱風やゴミが放射温度センサに到達するのを防止する。検出筒の外端側に流れる空気は、放射温度センサに衝突してゴミを吹き飛ばし、また、放射温度センサの周囲に流れて熱を持ち去る。即ち、検出筒に供給する空気で、放射温度センサは、乾燥室の熱風で過熱されるのが防止されると共に、ゴミの付着による検出精度の低下が防止される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1.印刷紙は、乾燥室の複数の加熱区域を順次通過し、各加熱区域でそれぞれその加熱区域の熱風中を走行して印刷インキを乾燥する印刷紙の乾燥方法において、
乾燥室の各加熱区域では、それぞれ、その加熱区域の出口での印刷紙の紙面温度を検出し、その検出紙面温度が設定温度になるように、その加熱区域の熱風の温度を制御することを特徴とする印刷紙の乾燥における熱風温度制御方法。
2.印刷紙は、乾燥室の複数の加熱区域を順次通過し、各加熱区域でそれぞれその加熱区域の熱風中を走行して印刷インキを乾燥する印刷紙の乾燥装置において、
乾燥室の各加熱区域は、それぞれ、その加熱区域の出口での印刷紙の紙面温度を検出する温度センサを設け、その温度センサが検出する紙面温度が設定温度になるように、その加熱区域の熱風の温度を制御する装置を設けたことを特徴とする印刷紙の乾燥における熱風温度制御装置。
3.上記2の印刷紙の乾燥における熱風温度制御装置において、
温度センサは、印刷紙の下面又は上面が放射する輻射線を受けて紙面温度を検出する放射温度センサにし、乾燥室の下側又は上側に配置したことを特徴とする。
4.上記3の印刷紙の乾燥における熱風温度制御装置において、
乾燥室は、床板又は天板に検出筒を貫通して設け、
検出筒は、内端の開口が走行中の印刷紙の下面又は上面に対面する位置に配置し、検出筒の外端の開口に放射温度センサを配置して、走行中の印刷紙の下面又は上面が放射する輻射線を検出筒を経て放射温度センサが受ける構成にしたことを特徴とする。
5.上記4の印刷紙の乾燥における熱風温度制御装置において、
検出筒は、中間位置に空気供給路を接続し、内端の開口と外端の開口からそれぞれ空気が流出する構成にし、
検出筒の内端側に流れる空気は検出筒に乾燥室の熱風やゴミが流入するのを阻止すると共に、検出筒の外端側に流れる空気は放射温度センサに衝突してゴミを吹き飛ばし放射温度センサの周囲に流れて熱を持ち去る構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
印刷紙の乾燥は、消費エネルギが少なくなる。印刷紙が高品質になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態における熱風温度制御装置を備えた印刷紙の乾燥装置の概略縦断側面図。
【図2】同熱風温度制御装置の検出筒と放射温度センサの部分の部分破断拡大側面図。
【図3】同乾燥装置の各点での印刷紙の紙面温度を示す線図。
【図4】背景技術の熱風温度制御装置を備えた乾燥装置の各点での印刷紙の紙面温度を示す線図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施形態の熱風温度制御装置を備えた印刷紙の乾燥装置は、図1に示すように、細長い箱形の乾燥室1を設けている。乾燥室は、前端壁に横長の入口2を、後端壁に横長の出口3を設け、入口2から出口3にかけて印刷紙通路4を形成している。乾燥室1は、入口側の2/3位を加熱室5にし、出口側の1/3位を冷却室6にしている。加熱室5と冷却室6の間の仕切壁には、印刷紙通路4が貫通する横長の通過口7を設けている。加熱室5は、入口2側の上流側の加熱区域8と出口3側の下流側の加熱区域9に2等分している。
【0018】
上流側の加熱区域8と下流側の加熱区域9は、同様に構成している。両加熱区域8、9は、それぞれ、印刷紙通路4に向けて熱風を噴出すノズル11を印刷紙通路4の上側と下側に設けている。また、空気を加熱して上側ノズル11と下側ノズル11に供給する熱風供給路を設けている。熱風供給路は、送風機12と加熱装置13を上側ノズル11の上側に設けている。送風機12は、吸込口を加熱区域内に開放し、吐出口を加熱装置13の入口に接続している。加熱装置13の出口は、上側ノズル11と下側ノズル11に接続している。加熱装置13は、気体燃料や液体燃料の流体燃料を燃焼するバーナ装置にしている。このバーナ装置13は、燃料供給路に接続している。燃料供給路は、途中に流量制御弁14を介在している。流量制御弁14は、バーナ装置13に供給する燃料の流量を調整して火力、加熱量を増減する。
【0019】
上流側の加熱区域8と下流側の加熱区域9では、それぞれ、その加熱区域8、9の加熱装置13の加熱量の増減で、その加熱区域8、9の上側ノズル11と下側ノズル11に供給する熱風の温度を調整する。
【0020】
また、両加熱区域8、9は、図1に示すように、それぞれ、その加熱区域8、9の出口位置に検出筒21を設けている。検出筒21は、図1と図2に示すように、乾燥室1の加熱室5の断熱性床板に上下方向に貫通して取り付けている。また、検出筒21は、上端の内端の開口が走行中の印刷紙aの下面に対面する位置に配置している。検出筒21の下端は、乾燥室1の加熱室5の下側に突出している。検出筒21の下端の外端には、放射温度センサ22を取り付けている。放射温度センサ22は、検出端を検出筒21の下端の外端の開口に臨ませている。この放射温度センサ22は、走行中の印刷紙aの下面が放射する輻射線を検出筒21を経て受ける。この輻射線に基いて紙面温度を検出する。輻射線は、実施例では遠赤外線にしている。
【0021】
上流側の加熱区域8と下流側の加熱区域9では、それぞれ、その加熱区域8、9の出口位置を通過する印刷紙aの下面の紙面温度をその加熱区域8、9の出口位置の放射温度センサ22で検出する。
【0022】
検出筒21は、加熱室5下側の中間位置に空気供給路23を接続している。空気供給路23は、途中に開閉弁24を介在している。空気供給路23から検出筒21の中間位置に空気が供給されると、その空気は、検出筒21の内端側と外端側に二分し、検出筒21の内端の開口と外端の開口からそれぞれ流出する。検出筒21の内端側に流れる空気は、検出筒21に加熱室5の熱風やゴミが流入するのを阻止する。加熱室5の熱風やゴミが放射温度センサ22に到達するのを防止する。検出筒21の外端側に流れる空気は、放射温度センサ22の検出端に衝突してゴミを吹き飛ばし、また、放射温度センサ22の周囲に流れて熱を持ち去る。即ち、検出筒21に供給する空気で、放射温度センサ22は、検出端に付着するゴミによる検出精度の低下が防止されると共に、加熱区域8、9の熱風に基づく過熱が防止される。
【0023】
上流側の加熱区域8の熱風温度と下流側の加熱区域9の熱風温度を制御する制御装置31を設けている。制御装置31は、入力端に設定部32、上流側加熱区域8の出口位置の放射温度センサ22と下流側加熱区域9の出口位置の放射温度センサ22をそれぞれ接続している。制御装置31の出力端は、上流側加熱区域8の流量制御弁14と下流側加熱区域9の流量制御弁14にそれぞれ接続している。
【0024】
制御装置31は、設定部32に上流側加熱区域8の出口での設定紙面温度と下流側加熱区域9の出口での設定紙面温度をそれぞれ入力する。上流側の加熱区域8では、その出口位置の放射温度センサ22が検出する紙面温度がその加熱区域8出口での設定紙面温度になるように、その加熱区域8のノズル11に供給する熱風の温度を制御する。また、下流側の加熱区域9では、その出口位置の放射温度センサ22が検出する紙面温度がその加熱区域9出口での設定紙面温度になるように、その加熱区域9のノズル11に供給する熱風の温度を制御する。
【0025】
乾燥室1の冷却室6は、印刷紙通路4に向けて非加熱の空気を噴出すノズル36を印刷紙通路4の上側と下側に設けている。冷却室6の空気を加熱せずにノズル36に供給する非加熱空気供給路を設けている。非加熱空気供給路は、送風機37の吸込口を冷却室6内に開放し、送風機37の吐出口を上側ノズル36と下側ノズル36に接続している。
【0026】
乾燥室1の上側には、排気の浄化装置を設けている。浄化装置は、送風機41、熱交換器42の受熱通路、脱臭装置43と熱交換器42の放熱通路を順次接続している。送風機41の吸込口は、加熱室5に接続している。熱交換器42の放熱通路は、大気に開放している。脱臭装置43は、加熱装置と酸化触媒を備えている。この浄化装置は、乾燥室1の溶剤蒸気を含む空気の一部を脱臭して大気に放出する。
【0027】
乾燥装置を運転するときは、浄化装置41〜43を作動する。設定部32に上流側加熱区域8の出口での紙面温度と下流側加熱区域9の出口での紙面温度をそれぞれ設定する。上流側加熱区域8の熱風供給路の送風機12と加熱装置13及び下流側加熱区域9の熱風供給路の送風機12と加熱装置13をそれぞれ作動する。冷却室6の非加熱空気供給路の送風機37を作動する。上流側加熱区域8の出口位置の検出筒21と下流側加熱区域9の出口位置の検出筒21にそれぞれ空気供給路23から空気を供給する。
【0028】
前工程の印刷機を通過した帯状の印刷紙aは、印刷紙通路4を走行し、入口2、上流側の加熱区域8、下流側の加熱区域9、通過口7、冷却室6と出口3を順次通過する。
【0029】
上流側の加熱区域8を走行する印刷紙aは、その加熱区域8の上下のノズル11から加熱空気を受け、上面と下面に付着した印刷インキが乾燥する。また、紙面温度が上昇する。上流側加熱区域8の出口位置の放射温度センサ22は、その出口位置を通過する印刷紙aの下面の温度を検出する。上流側の加熱区域8では、その出口位置の放射温度センサ22が検出する紙面温度がその加熱区域8の出口での設定紙面温度になるように、上下のノズル11に供給する熱風の温度を制御する。
【0030】
下流側の加熱区域9を走行する印刷紙aは、その加熱区域9の上下のノズル11から加熱空気を受け、上面と下面に付着した印刷インキが乾燥する。下流側加熱区域9の出口位置の放射温度センサ22は、その出口位置を通過する印刷紙aの下面の温度を検出する。下流側の加熱区域9では、その出口位置の放射温度センサ22が検出する紙面温度がその加熱区域9の出口での設定紙面温度になるように、上下のノズル11に供給する熱風の温度を制御する。
【0031】
冷却室6を走行する印刷紙aは、上下のノズル36から非加熱の空気を受け、上面と下面の紙面温度が低下する。乾燥装置を通過した印刷紙aは、次工程の冷却装置を通過する。
【0032】
[実験例]
上流側の加熱区域8では出口での紙面温度を120℃弱に設定し、下流側の加熱区域9では出口での紙面温度を120℃強に設定した。印刷紙aの下面の紙面温度を、乾燥室1の入口2(≒上流側加熱区域8の入口)、上流側加熱区域8の中央位置、下流側加熱区域9の中央位置と、冷却室6の中央位置と乾燥室1の出口3の各点で測定した。すると、紙面温度は、図3に示すように、上流側区域8ではその出口での設定紙面温度を超えず、下流側区域9ではその出口での設定紙面温度を超えなかった。消費エネルギが多くなかった。また、印刷紙は、品質の低下が認められなかった。
【0033】
[変形例]
1.上記の実施形態において、検出筒21と放射温度センサ22は、乾燥室1の加熱室5の床板側に取り付けているが、乾燥室1の加熱室5の天板側に取り付ける。
2.上記の実施形態において、乾燥室1の加熱室5は、上流側の加熱区域8と下流側の加熱区域9に2分しているが、上流、中流と下流の加熱区域に3分する。又は、4分する。
3.上記の実施形態において、乾燥室1は、冷却室6を設けているが、冷却室を設けない。
【符号の説明】
【0034】
a 印刷紙
1 乾燥室
2 入口
3 出口
4 印刷紙通路
5 加熱室
6 冷却室
7 通過口
8 上流側の加熱区域
9 下流側の加熱区域
11 ノズル
12 送風機
13 加熱装置、バーナ装置
14 流量制御弁
21 検出筒
22 放射温度センサ
23 空気供給路
24 開閉弁
31 制御装置
32 設定部
36 ノズル
37 送風機
41 送風機
42 熱交換器
43 脱臭装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷紙は、乾燥室の複数の加熱区域を順次通過し、各加熱区域でそれぞれその加熱区域の熱風中を走行して印刷インキを乾燥する印刷紙の乾燥方法において、
乾燥室の各加熱区域では、それぞれ、その加熱区域の出口での印刷紙の紙面温度を検出し、その検出紙面温度が設定温度になるように、その加熱区域の熱風の温度を制御することを特徴とする印刷紙の乾燥における熱風温度制御方法。
【請求項2】
印刷紙は、乾燥室の複数の加熱区域を順次通過し、各加熱区域でそれぞれその加熱区域の熱風中を走行して印刷インキを乾燥する印刷紙の乾燥装置において、
乾燥室の各加熱区域は、それぞれ、その加熱区域の出口での印刷紙の紙面温度を検出する温度センサを設け、その温度センサが検出する紙面温度が設定温度になるように、その加熱区域の熱風の温度を制御する装置を設けたことを特徴とする印刷紙の乾燥における熱風温度制御装置。
【請求項3】
温度センサは、印刷紙の下面又は上面が放射する輻射線を受けて紙面温度を検出する放射温度センサにし、乾燥室の下側又は上側に配置したことを特徴とする請求項2に記載の印刷紙の乾燥における熱風温度制御装置。
【請求項4】
乾燥室は、床板又は天板に検出筒を貫通して設け、
検出筒は、内端の開口が走行中の印刷紙の下面又は上面に対面する位置に配置し、検出筒の外端の開口に放射温度センサを配置して、走行中の印刷紙の下面又は上面が放射する輻射線を検出筒を経て放射温度センサが受ける構成にしたことを特徴とする請求項3に記載の印刷紙の乾燥における熱風温度制御装置。
【請求項5】
検出筒は、中間位置に空気供給路を接続し、内端の開口と外端の開口からそれぞれ空気が流出する構成にし、
検出筒の内端側に流れる空気は検出筒に乾燥室の熱風やゴミが流入するのを阻止すると共に、検出筒の外端側に流れる空気は放射温度センサに衝突してゴミを吹き飛ばし放射温度センサの周囲に流れて熱を持ち去る構成にしたことを特徴とする請求項4に記載の印刷紙の乾燥における熱風温度制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−107211(P2013−107211A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251542(P2011−251542)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(511279597)共立印刷株式会社 (2)
【出願人】(593081246)近藤工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】