説明

印刷装置、印刷方法及び印刷プログラム

【課題】顔料ブラックインクと染料ブラックインクとを重ねて印刷するときに、良好な画質を得ることができる印刷装置、印刷方法及び印刷プログラムを提供する。
【解決手段】インクを吐出するノズル列の形成されたヘッド41と、媒体を搬送する搬送部と、を備え、ヘッド41のノズル列は、顔料ブラックインクを吐出するノズル列Kp1とノズル列Kp2、及び染料ブラックインクを吐出するノズル列Kdを含み、ノズル列Kp1は、ノズル列Kp2及びノズル列Kd列と媒体の搬送方向においてずれて配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷方法及び印刷プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に記載されているように、顔料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物と、染料を着色剤として含んでなるブラックインク組成物とを重ねて印刷するインクジェット記録方法が知られている。このようなインクジェット記録方法では、黒の濃度をより高くでき、かつ彩度の高い、再現範囲の良好な画質を得ることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−1647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット記録方法では、顔料ブラックインクと染料ブラックインクとを重ねて印刷するときに、良好な画質を得るための具体的な方法(ノズル配置、記録方法)が開示されていない。
【0005】
そこで、本発明では顔料ブラックインクと染料ブラックインクとを重ねて印刷するときに、良好な画質を得ることができる印刷装置、印刷方法及び印刷プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]インクを吐出するノズル列の形成されたヘッドと、媒体を搬送する搬送部と、を備え、前記ノズル列は、顔料ブラックインクを吐出する第1のノズル列と第2のノズル列、及び染料ブラックインクを吐出する第3のノズル列を含み、前記第1のノズル列は、前記第2のノズル列及び第3のノズル列に対して、前記媒体の搬送方向においてずれて配置されている、印刷装置。
【0008】
上記した印刷装置によれば、顔料ブラックインクを吐出する第1のノズル列が、顔料ブラックインクを吐出する第2のノズル列及び染料ブラックインクを吐出する第3のノズル列に対して、媒体の搬送方向においてずれて配置されている。これにより、顔料ブラックインクの吐出と染料ブラックインクの吐出との時間間隔を大きくすることができ、顔料ブラックインクと染料ブラックインクとを重ねて印刷するときに、良好な画質を得ることができる。
【0009】
[適用例2]前記ノズル列は、前記搬送方向と交差する方向に移動しながら前記顔料ブラックインクと前記染料ブラックインクとが重なったラスターラインを複数形成し、前記複数のラスターラインは、前記ノズル列が複数回移動しながらインクを吐出することにより形成される上記印刷装置。
【0010】
上記した印刷装置によれば、搬送方向と交差する方向にノズル列が複数回移動しながらインクを吐出し、複数のラスターラインを形成することにより、顔料ブラックインクと染料ブラックインクとを重ねたラスターラインを得ることができる。
【0011】
[適用例3]前記顔料ブラックインクにより形成される複数のドットの少なくとも一部は、前記染料ブラックインクにより形成される複数のドットの下に形成される上記印刷装置。
【0012】
上記した印刷装置によれば、顔料ブラックインクにより形成されるドットが、染料ブラックインクにより形成されるドットの下に形成されることにより、染料ブラックインクが媒体へ浸透することをより抑制でき、黒の印刷濃度を十分に高めることができる。
【0013】
[適用例4]前記第2のノズル列は前記第1のノズル列と前記第3のノズル列との間に配置されている上記印刷装置。
【0014】
上記した印刷装置によれば、双方向印刷の往路において、第1のノズル列及び第2のノズル列のそれぞれにより顔料ブラックインクのドットを形成した後、第2のノズル列により形成された顔料ブラックインクのドットの上に、第3のノズル列により染料ブラックインクのドットを形成することができる。また、復路において、第1のノズル列により往路において形成された顔料ブラックインクのドットの上に、第3のノズル列により染料ブラックインクのドットを形成することができる。これにより、染料ブラックインクが媒体へ浸透することをより抑制でき、黒の印刷濃度を十分に高めることができる。
【0015】
[適用例5]インクを吐出するノズル列の形成されたヘッドと、媒体を搬送する搬送部と、を備える印刷装置を用いた印刷方法であって、前記ノズル列は、顔料ブラックインクを吐出する第1のノズル列と第2のノズル列、及び染料ブラックインクを吐出する第3のノズル列を含み、前記第1のノズル列は、前記第2のノズル列及び第3のノズル列に対して、前記媒体の搬送方向においてずれて配置されており、前記ノズル列は、前記搬送方向と交差する方向に移動しながら前記顔料ブラックインクと前記染料ブラックインクとが重なったラスターラインを複数形成し、前記複数のラスターラインは、前記ノズルが複数回移動しながらインクを吐出することにより形成される印刷方法。
【0016】
上記した印刷方法によれば、顔料ブラックインクを吐出する第1のノズル列が、顔料ブラックインクを吐出する第2のノズル列及び染料ブラックインクを吐出する第3のノズル列に対して、媒体の搬送方向においてずれて配置されている。これにより、顔料ブラックインクの吐出と染料ブラックインクの吐出との時間間隔を大きくすることができ、顔料ブラックインクと染料ブラックインクとを重ねて印刷するときに、良好な画質を得ることができる。
【0017】
[適用例6]インクを吐出するノズル列の形成されたヘッドと、媒体を搬送する搬送部と、を備える印刷装置を制御する印刷プログラムであって、前記ノズル列は、顔料ブラックインクを吐出する第1のノズル列と第2のノズル列、及び染料ブラックインクを吐出する第3のノズル列を含み、前記第1のノズル列は、前記第2のノズル列及び第3のノズル列に対して、前記媒体の搬送方向においてずれて配置されており、前記ノズル列は、前記搬送方向と交差する方向に移動しながら前記顔料ブラックインクと前記染料ブラックインクとが重なったラスターラインを複数形成し、前記複数のラスターラインは、前記ノズルが複数回移動しながらインクを吐出することにより形成される制御をコンピューターに実行させる印刷プログラム。
【0018】
上記した印刷プログラムによれば、顔料ブラックインクを吐出する第1のノズル列が、顔料ブラックインクを吐出する第2のノズル列及び染料ブラックインクを吐出する第3のノズル列に対して、媒体の搬送方向においてずれて配置されている。これにより、顔料ブラックインクの吐出と染料ブラックインクの吐出との時間間隔を大きくすることができ、顔料ブラックインクと染料ブラックインクとを重ねて印刷するときに、良好な画質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1Aはプリンターとコンピューターが接続された印刷システムの全体構成ブロック図であり、図1Bはプリンターの概略斜視図である。
【図2】図2Aは一般的なノズル配列を示す図であり、図2Bは本実施形態のノズル配列を示す図である。
【図3】本実施形態の印刷方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、印刷装置をインクジェットプリンター(以下プリンター)とし、プリンターとコンピューターが接続された印刷システムを例に説明する。
【0021】
図1Aはプリンター1とコンピューター60が接続された印刷システムの全体構成ブロック図であり、図1Bはプリンター1の概略斜視図である。外部装置であるコンピューター60から印刷データを受信したプリンター1は、コントローラー10により、各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御し、用紙S(媒体)に画像を形成する。また、プリンター1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー10は各ユニットを制御する。
【0022】
コントローラー10(制御部)はプリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェイス部11は、外部装置であるコンピューター60とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12は、プリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12は、ユニット制御回路14により各ユニットを制御する。
【0023】
搬送ユニット20(搬送部)は、用紙S(媒体)を印刷可能な位置に送り込んだ後、印刷時に搬送方向に所定の搬送量で用紙Sを搬送するためのものである。キャリッジユニット30は、ヘッド41を搬送方向と交差する方向(以下、「移動方向」という)に移動させるためのものである。ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを吐出するためのものであり、ヘッド41を有する。
【0024】
図2Aは比較例としての顔料ブラックインクと染料ブラックインクを重ねて印刷するために採用される一般的なノズル配列を示す。各ノズルには、インクが入った圧力室(不図示)と、圧力室の容量を変化させてインクを吐出させるためのピエゾ素子(駆動素子)が設けられている。比較例のノズルは、ブラックの顔料インクと、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの染料インクを吐出可能である。
【0025】
各ノズル列は180個のノズル(#1〜#180)から構成されている。各ノズル列に属するノズルに対して搬送方向の下流側のノズルから順に小さい番号を付す(#1〜#180)。また各ノズル列において、ノズルは搬送方向に一定の間隔(180dpi)で並んでいる。さらに4色の染料インクノズル列(Cd、Md、Yd、Kd)及び顔料ブラックノズル列Kpは搬送方向の位置が等しくなっている。
【0026】
このようなプリンターでは、プリンターのホームポジションHPからFULL桁側に往復移動するヘッドからインクを断続的に吐出させ、用紙S上にヘッド移動方向に沿ったドット列(ラスターライン)を形成するドット形成処理と、用紙Sを搬送方向(ヘッド移動方向と交差する方向)に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返す。その結果、先のドット形成処理により形成されたドットの位置とは異なる位置にドットを形成することができ、用紙S上に2次元の画像を印刷することができる。以下、ヘッドが移動方向に移動しながら画像を形成する1回の動作(画像形成動作)を「パス(吐出動作)」という。
【0027】
比較例のノズル列を用いた印刷方法では、1回目のパス(パス1)においてはHPからFULL桁側へヘッド41が移動しながら顔料ブラックノズル列Kpと染料ブラックノズル列Kdを用いて印刷する。すると、ヘッド移動方向に先行している染料ブラックノズル列Kdから吐出された染料ブラックインク上に顔料ブラックノズル列Kpから吐出された顔料ブラックインクが吐出され、ラスターラインが180ライン形成される。
すなわち、比較例では顔料ブラックインクと染料ブラックインクとの重なったラインを1回のパスで完成させる。
【0028】
図2Bは本実施形態におけるヘッド41の下面のノズル配列を示す図である。前記した比較例と同様にヘッド41の下面にはインクを吐出する多数のノズルが設けられている。各ノズルには、インクが入った圧力室(不図示)と、圧力室の容量を変化させてインクを吐出させるためのピエゾ素子(駆動素子)が設けられている。本実施形態のプリンター1は、ブラックの顔料インクと、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの染料インクを吐出可能とする。そのため、図2Bに示すヘッド41の下面に、ブラックの顔料インクを吐出する顔料ブラックノズル列Kp1及びKp2と、シアンの染料インクを吐出するシアンノズル列Cdと、マゼンタの染料インクを吐出するマゼンタノズル列Mdと、イエローの染料インクを吐出するイエローノズル列Ydと、ブラックの染料インクを吐出する染料ブラックノズル列Kdが形成されている。ここで顔料ブラックノズル列Kp1及びKp2と染料ブラックノズル列Kdは、ヘッド41の移動方向において両端に位置している。
なお、顔料ブラックノズル列Kp1は本発明における第1のノズル列に相当する。顔料ブラックノズル列Kp2は本発明における第2のノズル列に相当する。染料ブラックノズル列Kdは本発明における第3のノズル列に相当する。
【0029】
各ノズル列は180個のノズル(#1〜#180)から構成されている。各ノズル列に属するノズルに対して搬送方向の下流側のノズルから順に小さい番号を付す(#1〜#180)。また各ノズル列において、ノズルは搬送方向に一定の間隔(180dpi)で並んでいる。さらに4色の染料インクノズル列(Cd、Md、Yd、Kd)及び顔料ブラックノズル列Kp2は搬送方向の位置が等しいが、4色の染料インクノズル列及び顔料ブラックノズル列Kp2と、顔料ブラックノズル列Kp1とは、4色の染料インクノズル列のノズルピッチに比べ搬送方向の位置がノズルピッチの半分(360dpi)だけずれている。例えば、染料ブラックノズル列Kdの最下流側のノズル#1に対して、顔料ブラックノズル列Kp1の最下流側のノズル#1は、4色の染料インクノズル列のノズルピッチの半分(半ノズルピッチ)だけ搬送方向の下流側に位置する。
【0030】
図3はパス毎の印刷方法を示す図である。ここではヘッド41の移動方向の印刷解像度と用紙Sの搬送方向の印刷解像度をともに360dpiとする。1回目のパス(パス1)においてはHPからFULL桁側へヘッド41が移動しながら顔料ブラックノズル列Kp1とKp2、及び染料ブラックノズル列Kdを用いて印刷する。すると、顔料ブラックノズル列Kp1と、顔料ブラックノズル列Kp2及び染料ブラックノズル列Kdとは360dpiずれているため、ラスターラインは全部で360ライン(R1〜R360)形成される。なお、図3では顔料ブラックノズル列Kp1またはKp2から吐出された顔料ブラックインクを黒い丸で示し、染料ブラックノズル列Kdから吐出された染料ブラックインクを白い丸で示している。同図に示すようにパス1では奇数番号のラスターライン(R1、R3、・・・R359)は顔料ブラックインクのみで形成され、偶数番号のラスターライン(R2、R4、・・・R360)は顔料ブラックインクと染料ブラックインクとで形成される。パス1により画像を形成した後、用紙Sを搬送方向に360dpiだけ搬送させる。
【0031】
2回目のパス(パス2)では、パス1で顔料ブラックインクのみで形成した奇数番号のラスターライン(R1、R3、・・・R359)上に染料ブラックノズル列Kdを用いて染料ブラックインクを吐出して顔料ブラックインクと染料ブラックインクから構成されるラスターラインを形成する。偶数番号のラスターライン(R2、R4、・・・R360)には顔料ブラックインク及び染料ブラックインクともに吐出しない。以上の画像形成方法により、2回のパスですべてのラスターライン(R1〜R360)を顔料ブラックインク及び染料ブラックインクで形成することができる。
【0032】
以上の印刷方法のように、パス1で顔料ブラックインクをすべてのラスターラインに印刷し、パス2で染料ブラックインクのみを印刷することで、顔料ブラックインクと染料ブラックインクとを印刷する時間間隔を、前記した比較例に較べ大きくすることができる。これにより、染料ブラックインクが印刷媒体へ浸透することをより抑制でき、黒の印刷濃度を十分に高めることができる。
【0033】
上述した実施形態では、ブラックインクに関して顔料インクと染料インクを吐出するプリンターを例に挙げているが、シアン、マゼンタ、イエロー等のカラーインクにおいて顔料インクと染料インクを有するプリンターに適用してもよい。カラーインクに適用すれば、顔料インクと染料インクの印刷にパス毎の時間差をつけることで、ぞれぞれのカラーの濃度を高めることができる。
【0034】
また上述した実施形態では、シアン、マゼンタ、イエローそれぞれの染料インクのノズル列を有したプリンターを例に挙げているが、シアン、マゼンタ、イエローが顔料インクでもよく、さらにはシアン、マゼンタ、イエロー等のカラーインクを有せずブラックインクのみを有したプリンターに適用してもよい。
【0035】
また上述した実施形態では、顔料ブラックノズル列を2列有しているが、3列以上有してもよい。ノズルピッチが180dpiで顔料ブラックノズル列をN列有している場合、顔料ブラックノズル列同士を搬送方向に(180×N)dpiずらして配置する。パス1ではラスターラインを(180×N)ライン形成でき、搬送方向の解像度も(180×N)dpiとなる。このとき顔料インクですべてのラスターラインが形成され、染料インクで(Nの整数倍)番号のラスターラインが形成される。パス2で(Nの整数倍−1)番号のラスターラインが形成され、パス3で(Nの整数倍−2)番号のラスターラインが形成される。最終的にはパスNですべてのラスターラインが顔料インクと染料インクで形成され、前述した実施形態と同じように黒の印刷濃度を十分に高めることができる。
【0036】
また上述した実施形態においてブラックインクのみを使用したモノクロ印刷時では、ユーザーが黒の印刷濃度よりも印刷速度を優先させたい場合、あえて染料ブラックインクを使用せずともよい。この場合、顔料ブラックノズル列を2列有しているため、染料ブラックインクを使用したときと比較して2倍の速度で印刷することができる。すなわち、印刷濃度あるいは印刷速度のどちらを優先するかをユーザーに選択させることも可能となる。
【0037】
また、ヘッド41がHPからFULL桁側へ移動する際にのみ印字が行われる様にしてもよく(単方向印字)、FULL桁側からHPへ移動する際にも印字が行われる様にしてもよい(双方向印字)。
【0038】
また、上述した実施形態では顔料ブラックインクと染料ブラックインクとを重ねて吐出(印刷)するためにヘッドが顔料ブラックインクを吐出する第1のノズル列(Kp1)と第2のノズル列(Kp2)、及び染料ブラックインクを吐出する第3のノズル列(Kd)から構成され、第1ノズル列と、第2及び第3ノズル列が搬送方向にずれて配置されている例を挙げて説明した。しかし、これらの例には限定されず、顔料ブラックインクと染料ブラックインクとが重なったラインが1回のパスではなく複数回のパスで形成されればどのようなノズル列配置、記録方法であってもよい。
【0039】
また、上述した実施形態では第1ノズル列と、第2及び第3ノズル列とが搬送方向にずれて配置されているとしたが、当該ノズル列は物理的にずれて配置されていなくとも吐出ノズルが実質的にずれて配置されていればよい。すなわち、ダミーノズル(不吐出ノズル)が形成されている場合でも当該実施例に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
1…プリンター、10…コントローラー、11…インターフェイス部、12…CPU、13…メモリー、14…ユニット制御回路、20…搬送ユニット、30…キャリッジユニット、40…ヘッドユニット、41…ヘッド、50…検出器群、60…コンピューター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するノズル列が形成されたヘッドと、
媒体を搬送する搬送部と、
を備え、
前記ノズル列は、顔料ブラックインクを吐出する第1のノズル列と第2のノズル列、及び染料ブラックインクを吐出する第3のノズル列を含み、
前記第1のノズル列は、前記第2のノズル列及び第3のノズル列に対して、前記媒体の搬送方向においてずれて配置されている、
印刷装置。
【請求項2】
前記ノズル列は、前記搬送方向と交差する方向に移動しながら前記顔料ブラックインクと前記染料ブラックインクとが重なったラスターラインを複数形成し、
前記複数のラスターラインは、前記ノズル列が複数回移動しながらインクを吐出することにより形成される、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記顔料ブラックインクにより形成される複数のドットの少なくとも一部は、前記染料ブラックインクにより形成される複数のドットの下に形成される、
請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第2のノズル列は前記第1のノズル列と前記第3のノズル列との間に配置されている、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
インクを吐出するノズル列の形成されたヘッドと、
媒体を搬送する搬送部と、
を備える印刷装置を用いた印刷方法であって、
前記ノズル列は、顔料ブラックインクを吐出する第1のノズル列と第2のノズル列、及び染料ブラックインクを吐出する第3のノズル列を含み、
前記第1のノズル列は、前記第2のノズル列及び第3のノズル列に対して、前記媒体の搬送方向においてずれて配置されており、
前記ノズル列は、前記搬送方向と交差する方向に移動しながら前記顔料ブラックインクと前記染料ブラックインクとが重なったラスターラインを複数形成し、
前記複数のラスターラインは、前記ノズルが複数回移動しながらインクを吐出することにより形成される印刷方法。
【請求項6】
インクを吐出するノズル列の形成されたヘッドと、
媒体を搬送する搬送部と、
を備える印刷装置を制御する印刷プログラムであって、
前記ノズル列は、顔料ブラックインクを吐出する第1のノズル列と第2のノズル列、及び染料ブラックインクを吐出する第3のノズル列を含み、
前記第1のノズル列は、前記第2のノズル列及び第3のノズル列に対して、前記媒体の搬送方向においてずれて配置されており、
前記ノズル列は、前記搬送方向と交差する方向に移動しながら前記顔料ブラックインクと前記染料ブラックインクとが重なったラスターラインを複数形成し、
前記複数のラスターラインは、前記ノズルが複数回移動しながらインクを吐出することにより形成される制御をコンピューターに実行させる印刷プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−67040(P2013−67040A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205678(P2011−205678)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】