説明

印刷装置

【課題】シュレッダを要することなく機密書類を処分できる印刷装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上書き印刷により印刷済み文字等の判別を困難にする上書き用画像データが格納されたメモリ5と、メモリ5の描画コマンドに基づいて画像データを描画するとともに上書き用画像データを展開する画像描画部7と、画像描画部7から転送される画像データを用紙に印刷記録するプリンタエンジン部8とを有し、プリンタエンジン部8は、印刷済みの用紙に上書き用画像データを上書きする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタや当該プリンタを備えた複合機等の印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機密事項など重要な情報が記載されている機密書類を処分するために、オフィス等にシュレッダを設置し、シュレッダでこのような機密書類を裁断していた。
【0003】
あるいは、プリンタやプリンタを備えた複合機等の印刷装置に着脱可能なシュレッダを取り付けて、このような機密書類を裁断していた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−63435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、従来においては、限られたオフィス等の環境空間の中で、プリンタ等の印刷装置のほかに、さらに、別途シュレッダを設置するためのスペースを確保しなければならないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、シュレッダを要することなく機密書類を処分することのできる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、本発明の印刷装置は、上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用画像データが格納されたデータ保持手段と、前記データ保持手段の上書き用画像データを展開する画像描画手段と、前記画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段とを有し、前記画像記録手段は、印刷済みの用紙に前記上書き用画像データを上書きするようにしたものである。
【0007】
本発明の好ましい形態において、前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形画像データである。
【0008】
本発明のさらに好ましい形態において、前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体に文字群を印刷する文字画像データである。
【0009】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字画像データは、複数の文字サイズの文字群で構成されている。
【0010】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字画像データは、複数の文字角度の文字群で構成されている。
【0011】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字画像データは、有意の文字列により構成されている。
【0012】
本発明のさらに好ましい形態において、前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体に線画群を印刷する画像データである。
【0013】
この課題を解決するために、本発明の印刷装置は、上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用描画コマンドが格納されたデータ保持手段と、前記データ保持手段の上書き用描画コマンドに基づいて画像データを描画する画像描画手段と、前記画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段とを有し、前記画像記録手段は、印刷済みの用紙に前記上書き用描画コマンドに基づいて描画した上書き用画像データを上書きするようにしたものである。
【0014】
本発明の好ましい形態において、前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形描画コマンドである。
【0015】
本発明のさらに好ましい形態において、前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体に文字群を印刷する文字描画コマンドである。
【0016】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字描画コマンドは、複数の文字サイズの文字群で構成されている。
【0017】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字描画コマンドは、複数の文字角度の文字群で構成されている。
【0018】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字描画コマンドは、有意の文字列により構成されている。
【0019】
本発明のさらに好ましい形態において、前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体に線画群を印刷する線画画像コマンドである。
【0020】
この課題を解決するために、本発明の印刷装置は、上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用画像データが格納されたデータ保持手段と、前記データ保持手段の上書き用画像データを展開する画像描画手段と、前記画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段と、廃トナーが収納された廃トナー収納手段とを有し、前記画像記録手段は、印刷済みの用紙に前記廃トナーを用いて前記上書き用画像データを上書きするようにしたものである。
【0021】
本発明の好ましい形態において、前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形画像データである。
【0022】
本発明のさらに好ましい形態において、前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体に文字群を印刷する文字画像データである。
【0023】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字画像データは、複数の文字サイズの文字群で構成されている。
【0024】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字画像データは、複数の文字角度の文字群で構成されている。
【0025】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字画像データは、有意の文字列により構成されている。
【0026】
本発明のさらに好ましい形態において、前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体に線画群を印刷する画像データである。
【0027】
この課題を解決するために、本発明の印刷装置は、上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用描画コマンドが格納されたデータ保持手段と、前記データ保持手段の上書き用描画コマンドに基づいて画像データを描画する画像描画手段と、前記画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段と、廃トナーが収納された廃トナー収納手段とを有し、前記画像記録手段は、印刷済みの用紙に前記上書き用描画コマンドに基づいて前記廃トナーを用いて描画した上書き用画像データを上書きするようにしたものである。
【0028】
本発明の好ましい形態において、前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形描画コマンドである。
【0029】
本発明のさらに好ましい形態において、前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体に文字群を印刷する文字描画コマンドである。
【0030】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字描画コマンドは、複数の文字サイズの文字群で構成されている。
【0031】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字描画コマンドは、複数の文字角度の文字群で構成されている。
【0032】
本発明のさらに好ましい形態において、前記文字描画コマンドは、有意の文字列により構成されている。
【0033】
本発明のさらに好ましい形態において、前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体に線画群を印刷する線画画像コマンドである。
【0034】
この課題を解決するために、本発明の印刷装置は、描画コマンドが書き込まれるデータ保持手段と、前記データ保持手段の前記描画コマンドに基づいて画像データを描画する画像描画手段と、前記画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段と、廃トナーが収納された廃トナー収納手段とを有し、前記画像記録手段は、印刷済みの用紙に感光体全面に形成した前記廃トナーを用いて前記用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷するようにしたものである。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、機密書類等の印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷し、記載されている内容を判別できなくするようにしているので、別途のシュレッダを要することなく機密書類を処分することが可能になるという有効な効果が得られる。
【0036】
これにより、オフィス等でシュレッダの設置スペースが不要になり、限られた環境空間を有効利用することができるという有効な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の請求項1に記載の発明は、上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用画像データが格納されたデータ保持手段と、データ保持手段の上書き用画像データを展開する画像描画手段と、画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段とを有し、画像記録手段は、印刷済みの用紙に上書き用画像データを上書きすることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0038】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、上書き用画像データは、用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形画像データであることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0039】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、上書き用画像データは、用紙の一面全体に文字群を印刷する文字画像データであることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0040】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、文字画像データは、複数の文字サイズの文字群で構成されていることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0041】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3または4記載の発明において、文字画像データは、複数の文字角度の文字群で構成されていることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0042】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項3、4または5記載の発明において、文字画像データは、有意の文字列により構成されていることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0043】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項3〜6の何れか一項に記載の発明において、上書き用画像データは、用紙の一面全体に線画群を印刷する画像データであることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0044】
本発明の請求項8に記載の発明は、上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用描画コマンドが格納されたデータ保持手段と、データ保持手段の上書き用描画コマンドに基づいて画像データを描画する画像描画手段と、画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段とを有し、画像記録手段は、印刷済みの用紙に上書き用描画コマンドに基づいて描画した上書き用画像データを上書きすることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0045】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項8記載の発明において、上書き用描画コマンドは、用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形描画コマンドであることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0046】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項8記載の発明において、上書き用描画コマンドは、用紙の一面全体に文字群を印刷する文字描画コマンドであることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0047】
本発明の請求項11に記載の発明は、請求項10記載の発明において、文字描画コマンドは、複数の文字サイズの文字群で構成されていることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0048】
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項10または11記載の発明において、文字描画コマンドは、複数の文字角度の文字群で構成されていることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0049】
本発明の請求項13に記載の発明は、請求項10、11または12記載の発明において、文字描画コマンドは、有意の文字列により構成されていることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0050】
本発明の請求項14に記載の発明は、請求項10〜13の何れか一項に記載の発明において、上書き用描画コマンドは、用紙の一面全体に線画群を印刷する線画画像コマンドであることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。
【0051】
本発明の請求項15に記載の発明は、上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用画像データが格納されたデータ保持手段と、データ保持手段の上書き用画像データを展開する画像描画手段と、画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段と、廃トナーが収納された廃トナー収納手段とを有し、画像記録手段は、印刷済みの用紙に廃トナーを用いて上書き用画像データを上書きすることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。また、上書き印刷は廃トナーを使用して行うようにしているので、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができ、廃トナー容器の小型化、ひいては印刷装置の小型化が可能になるという作用を有する。
【0052】
本発明の請求項16に記載の発明は、請求項15記載の発明において、上書き用画像データは、用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形画像データであることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0053】
本発明の請求項17に記載の発明は、請求項15記載の発明において、上書き用画像データは、用紙の一面全体に文字群を印刷する文字画像データであることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0054】
本発明の請求項18に記載の発明は、請求項17記載の発明において、文字画像データは、複数の文字サイズの文字群で構成されていることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0055】
本発明の請求項19に記載の発明は、請求項17または18記載の発明において、文字画像データは、複数の文字角度の文字群で構成されていることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0056】
本発明の請求項20に記載の発明は、請求項17、18または19記載の発明において、文字画像データは、有意の文字列により構成されていることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0057】
本発明の請求項21に記載の発明は、請求項17〜20の何れか一項に記載の発明において、上書き用画像データは、用紙の一面全体に線画群を印刷する画像データであることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0058】
本発明の請求項22に記載の発明は、上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用描画コマンドが格納されたデータ保持手段と、データ保持手段の上書き用描画コマンドに基づいて画像データを描画する画像描画手段と、画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段と、廃トナーが収納された廃トナー収納手段とを有し、画像記録手段は、印刷済みの用紙に上書き用描画コマンドに基づいて廃トナーを用いて描画した上書き用画像データを上書きすることを特徴とする印刷装置であり、印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷することにより、記載されている内容が判別できなくなるので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるという作用を有する。また、上書き印刷は廃トナーを使用して行うようにしているので、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができ、廃トナー容器の小型化、ひいては印刷装置の小型化が可能になるという作用を有する。
【0059】
本発明の請求項23に記載の発明は、請求項22記載の発明において、上書き用描画コマンドは、用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形描画コマンドであることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0060】
本発明の請求項24に記載の発明は、請求項22記載の発明において、上書き用描画コマンドは、用紙の一面全体に文字群を印刷する文字描画コマンドであることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0061】
本発明の請求項25に記載の発明は、請求項24記載の発明において、文字描画コマンドは、複数の文字サイズの文字群で構成されていることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0062】
本発明の請求項26に記載の発明は、請求項24または25記載の発明において、文字描画コマンドは、複数の文字角度の文字群で構成されていることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0063】
本発明の請求項27に記載の発明は、請求項24、25または26記載の発明において、文字描画コマンドは、有意の文字列により構成されていることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0064】
本発明の請求項28に記載の発明は、請求項24〜27の何れか一項に記載の発明において、上書き用描画コマンドは、用紙の一面全体に線画群を印刷する線画画像コマンドであることを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0065】
本発明の請求項29に記載の発明は、描画コマンドが書き込まれるデータ保持手段と、データ保持手段の描画コマンドに基づいて画像データを描画する画像描画手段と、画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段と、廃トナーが収納された廃トナー収納手段とを有し、画像記録手段は、印刷済みの用紙に感光体全面に形成した廃トナーを用いて用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷することを特徴とする印刷装置であり、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができるとともに、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができるという作用を有する。
【0066】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0067】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る印刷装置の構成を示すブロック図である。
【0068】
ここでは、外部に接続されたホストコンピュータ2から転送されるページ記述言語等のプリンタ言語を読み込んでこれを印刷出力するプリンタを本発明の一実施の形態に係る印刷装置の一例として挙げている。
【0069】
図1において、印刷装置1は、外部のホストコンピュータ2から転送されるプリンタ言語を受け取るためのホストインタフェース部3と、ホストインタフェース部3が受け取るプリンタ言語を解釈してこれを描画コマンドに変換し、メモリ(データ保持手段)5に書き込むプリンタ言語処理部4と、メモリ5内にある描画コマンドに基づいて画像データを描画したり、メモリ5内にある上書き用画像データ(既に印刷された用紙上に上書き印刷することにより文字の判別を困難にするような画像データ)5aを必要サイズに展開する画像描画部(画像描画手段)7と、印刷される用紙が供給される給紙口9および印刷された用紙が排出される排紙口10を伴ない、画像描画部7から転送される画像データを用紙に印刷記録するプリンタエンジン部(画像記録手段)8と、操作者(ユーザ)が印刷に必要な所要の操作を行う操作部6とから主に構成されている。そして、このような印刷装置1は、図示しない制御部によりその全体の動作を制御されている。
【0070】
なお、本実施の形態では、描画コマンドを格納するメモリ5には、通常の印刷用データと上書き用データとを一緒に格納する例を示しているが、各々別のメモリに格納しても構わない。他の実施の形態も同様である。
【0071】
図2は、図1の印刷装置において実行される印刷の動作手順を示すフローチャートである。
【0072】
ここで、上記印刷装置において実行される印刷動作を、図2を用いて詳細に説明する。
【0073】
まず、操作部6において、操作者により上書きモードが選択されているかどうかを判別する(ステップS11)。
【0074】
ステップS11において、上書きモードが選択されていない場合は、通常の印刷処理を行う(ステップS12)。すなわち、画像描画部7によりメモリ5内にある図示しない描画コマンドを取得して、そのコマンドに基づいて描画を行う。これを画像データとしてプリンタエンジン部8に転送し、給紙口9にある用紙をプリンタエンジン部8内の印刷記録位置にまで搬送させて当該画像データを印刷記録する。そして、印刷記録された用紙を排紙口10から排出する。
【0075】
一方、ステップS11において、上書きモードが選択されている場合には、まず、1ページ分の上書き用画像データを生成する(ステップS13)。すなわち、画像描画部7によりメモリ5内にある上書き用画像データ5aを取得して、1ページ分の上書き用画像データを生成する。
【0076】
次に、その画像データをプリンタエンジン部8に転送する(ステップS14)。すなわち、操作者があらかじめ給紙口9にセットした機密書類等の印刷済み用紙をプリンタエンジン部8内の印刷記録位置にまで搬送させ、上書き用画像データを上書き印刷記録させる上書き印刷処理を実行指示する(ステップS15)。そして、上書き印刷記録された用紙を排紙口10から排出する。
【0077】
以上が1ページ分の上書き印刷処理であり、操作者が操作部6において設定したページ数分かどうかを判定して(ステップS16)、必要ページ数分の上書き印刷処理を行う。
【0078】
以上説明したように、実施の形態1に係る印刷装置によれば、機密書類等の印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷し、記載されている内容を判別できなくするようにしているので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができる。
【0079】
なお、印刷装置に用いられる上書き用画像データ5aは、印刷済みの用紙に上書きすることにより既に印刷された文字の判別が困難になるような画像データであれば足り、矩形画像データ、すなわち機密書類等の印刷済み用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する画像データであってもよい。
【0080】
また、印刷装置に用いられる上書き用画像データ5aは、文字画像データ、すなわち機密書類等の印刷済み用紙の一面全体に文字群を上書きする画像データであってもよい。これにより、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報が判別しにくくなる。
【0081】
図3は、このような文字画像データを白紙に印字した一例であり、各文字が持つ直線、曲線の線分がさまざまな角度を向いているので、このような文字画像データを上書きすることにより、下地用紙に記載されている文字情報を判別しにくくする。
【0082】
なお、文字画像データは、複数の文字サイズの文字群で構成されていてもよい。これにより、上書きする文字と上書きされる下地用紙に記載されている文字のサイズの合致度合いが高まり易くなるので、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報がさらに判別しにくくなる。
【0083】
また、文字画像データは、複数の文字角度の文字群で構成されていてもよい。これにより、上書きする文字と上書きされる下地用紙に記載されている文字の向きの合致度合いが高まり易くなるので、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報がさらに判別しにくくなる。
【0084】
また、文字画像データは、複数の文字サイズで、且つ複数の文字角度の文字群で構成されていてもよい。これにより、文字サイズと文字角度との相乗効果により、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報がさらに判別しにくくなる。
【0085】
また、文字画像データは、有意の文字列により構成されていてもよい。これにより、上書きされた文字情報なのか、上書きされる下地用紙に記載されている文字情報なのかの錯乱度合いが高まり易くなるので、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報がさらに判別しにくくなる。なお、有意の文字列は、複数の文字サイズおよび複数の文字角度の少なくとも一つとの併用でもよい。これにより、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報がさらに判別しにくくなる。
【0086】
さらに、印刷装置に用いられる上書き用画像データ5aは、線画画像データ、すなわち機密書類等の印刷済み用紙の一面全体に線画群を上書きする画像データであってもよい。これにより、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている表情報、図情報、文字情報が判別しにくくなる。
【0087】
図4は、このような線画画像データの一例として、格子パターンを白紙に印字した例であり、種々の太さの線を組み合わせた格子が、上書きされる下地用紙に記載されている表情報、図情報、文字情報を判別しにくくする。
【0088】
なお、線画画像データは、直線に限るものではなく、波線、円等を用いてもよいことは言うまでもない。また、図4では、格子状に90度の角度で交差させているが、他の角度で交差させてもよいことは言うまでもない。
【0089】
また、線画画像データの使用は、上記の種々の文字画像データとの併用でもよい。これにより、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている表情報、図情報、文字情報がさらに判別しにくくなる。
【0090】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る印刷装置の構成を示すブロック図である。
【0091】
ここでは、外部に接続されたホストコンピュータ2から転送されるページ記述言語等のプリンタ言語を読み込んでこれを印刷出力するプリンタを本発明の一実施の形態に係る印刷装置の一例として挙げている。
【0092】
なお、図5は、実施の形態1の図1に示した構成におけるメモリ5内の上書き用画像データ5aを、上書き用描画コマンド5bに置き換えたものである。
【0093】
図5において、印刷装置1は、外部のホストコンピュータ2から転送されるプリンタ言語を受け取るためのホストインタフェース部3と、ホストインタフェース部3が受け取るプリンタ言語を解釈してこれを描画コマンドに変換し、メモリ(データ保持手段)5に書き込むプリンタ言語処理部4と、メモリ5内にある描画コマンドに基づいて画像データを描画したり、メモリ5内にある上書き用描画コマンド(既に印刷された用紙上に上書き印刷することにより文字の判別を困難にするような描画コマンド)5bを描画する画像描画部(画像描画手段)7と、印刷される用紙が供給される給紙口9および印刷された用紙が排出される排紙口10を伴ない、画像描画部7から転送される画像データを用紙に印刷記録するプリンタエンジン部(画像記録手段)8と、操作者(ユーザ)が印刷に必要な所要の操作を行う操作部6とから主に構成されている。そして、このような印刷装置1は、図示しない制御部によりその全体の動作を制御されている。
【0094】
図6は、図5の印刷装置において実行される印刷の動作手順を示すフローチャートである。
【0095】
ここで、上記印刷装置において実行される印刷動作を、図6を用いて詳細に説明する。
【0096】
まず、操作部6において、操作者により上書きモードが選択されているかどうかを判別する(ステップS21)。
【0097】
ステップS21において、上書きモードが選択されていない場合は、通常の印刷処理を行う(ステップS22)。すなわち、画像描画部7によりメモリ5内にある図示しない描画コマンドを取得して、そのコマンドに基づいて描画を行う。これを画像データとしてプリンタエンジン部8に転送し、給紙口9にある用紙をプリンタエンジン部8内の印刷記録位置にまで搬送させて当該画像データを印刷記録する。そして、印刷記録された用紙を排紙口10から排出する。
【0098】
一方、ステップS21において、上書きモードが選択されている場合には、まず、1ページ分の上書き用画像データを生成する(ステップS23)。すなわち、画像描画部7は、メモリ5内にある上書き用描画コマンド5bを取得して、その描画コマンドに基づき、1ページ分の上書き用画像データを生成する。
【0099】
次に、その画像データをプリンタエンジン部8に転送する(ステップS24)。すなわち、操作者があらかじめ給紙口9にセットした機密書類等の印刷済み用紙をプリンタエンジン部8内の印刷記録位置にまで搬送させ、上書き用画像データを上書き印刷記録させる上書き印刷処理を実行指示する(ステップS25)。そして、上書き印刷記録された用紙を排紙口10から排出する。
【0100】
以上が1ページ分の上書き印刷処理であり、操作者が操作部6において設定したページ数分かどうかを判定して(ステップS26)、必要ページ数分の上書き印刷処理を行う。
【0101】
以上説明したように、実施の形態2に係る印刷装置によれば、機密書類等の印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷し、記載されている内容を判別できなくするようにしているので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができる。
【0102】
なお、印刷装置に用いられる上書き用描画コマンド5bは、印刷済みの用紙に上書きすることにより既に印刷された文字の判別が困難になるような画像データであれば足り、矩形描画コマンド、すなわち機密書類等の印刷済み用紙の一面全体を塗りつぶすような描画コマンドであってもよい。
【0103】
また、印刷装置に用いられる上書き用描画コマンド5bは、文字描画コマンド(例えば、実施の形態1の図3に示したような文字画像データを描画させる文字描画コマンド)、すなわち機密書類等の印刷済み用紙の一面全体に文字群を上書きする描画コマンドであってもよい。これにより、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報が判別しにくくなる。
【0104】
なお、文字画像コマンドは、複数の文字サイズの文字群を描画させるコマンド群で構成されていてもよい。これにより、上書きする文字と上書きされる下地用紙に記載されている文字のサイズの合致度合いが高まり易くなるので、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報がさらに判別しにくくなる。
【0105】
なお、文字画像コマンドは、複数の文字サイズの文字群を描画させるコマンド群で構成されていてもよい。これにより、上書きする文字と上書きされる下地用紙に記載されている文字のサイズの合致度合いが高まり易くなるので、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報がさらに判別しにくくなる。
【0106】
また、文字画像コマンドは、複数の文字サイズで、且つ複数の文字角度の文字群を描画させるコマンド群で構成されていてもよい。これにより、文字サイズと文字角度との相乗効果により、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報がさらに判別しにくくなる。
【0107】
また、文字画像コマンドは、有意の文字列を描画させるコマンド群により構成されていてもよい。これにより、上書きされた文字情報なのか、上書きされる下地用紙に記載されている文字情報なのかの錯乱度合いが高まり易くなるので、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報がさらに判別しにくくなる。なお、有意の文字列は、複数の文字サイズおよび複数の文字角度の少なくとも一つとの併用でもよい。これにより、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている文字情報がさらに判別しにくくなる。
【0108】
さらに、印刷装置に用いられる上書き用描画コマンド5bは、線画画像コマンド、すなわち機密書類等の印刷済み用紙の一面全体に線画群を上書きする画像コマンド(例えば、実施の形態1の図4に示したような線画画像データを描画させる線画描画コマンド)であってもよい。これにより、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている表情報、図情報、文字情報が判別しにくくなる。
【0109】
また、線画画像コマンドの使用は、上記の種々の文字描画コマンドとの併用でもよい。これにより、機密書類等の印刷済み用紙に記載されている表情報、図情報、文字情報がさらに判別しにくくなる。
【0110】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る印刷装置の構成を示すブロック図である。
【0111】
ここでは、外部に接続されたホストコンピュータ2から転送されるページ記述言語等のプリンタ言語を読み込んでこれを印刷出力するプリンタを本発明の一実施の形態に係る印刷装置の一例として挙げている。
【0112】
図7において、印刷装置1は、外部のホストコンピュータ2から転送されるプリンタ言語を受け取るためのホストインタフェース部3と、ホストインタフェース部3が受け取るプリンタ言語を解釈してこれを描画コマンドに変換し、メモリ(データ保持手段)5に書き込むプリンタ言語処理部4と、メモリ5内にある描画コマンドに基づいて画像データを描画したり、メモリ5内にある上書き用画像データ(既に印刷された用紙上に上書き印刷することにより文字の判別を困難にするような画像データ)5aを必要サイズに展開する画像描画部(画像描画手段)7と、印刷される用紙が供給される給紙口9および印刷された用紙が排出される排紙口10を伴ない、画像描画部7から転送される画像データを用紙に印刷記録するプリンタエンジン部(画像記録手段)8と、操作者(ユーザ)が印刷に必要な所要の操作を行う操作部6とから主に構成されている。そして、このような印刷装置1は、図示しない制御部によりその全体の動作を制御されている。
【0113】
図8は、図7の印刷装置において実行される印刷の動作手順を示すフローチャートである。
【0114】
ここで、上記印刷装置において実行される印刷動作を、図8を用いて詳細に説明する。
【0115】
まず、操作部6において、操作者により上書きモードが選択されているかどうかを判別する(ステップS31)。
【0116】
ステップS31において、上書きモードが選択されていない場合は、通常の印刷処理を行う(ステップS32)。すなわち、画像描画部7によりメモリ5内にある図示しない描画コマンドを取得して、そのコマンドに基づいて描画を行う。これを画像データとしてプリンタエンジン部8に転送し、給紙口9にある用紙をプリンタエンジン部8内の印刷記録位置にまで搬送させて当該画像データを印刷記録する。そして、印刷記録された用紙を排紙口10から排出する。
【0117】
一方、ステップS31において、上書きモードが選択されている場合には、まず、1ページ分の上書き用画像データを生成する(ステップS33)。すなわち、画像描画部7によりメモリ5内にある上書き用画像データ5aを取得して、1ページ分の上書き用画像データを生成する。
【0118】
次に、プリンタエンジン部8に廃トナーの使用を指示し(ステップS34)、続いて、上書き用画像データをプリンタエンジン部8に転送する(ステップS35)。すなわち、操作者があらかじめ給紙口9にセットした機密書類等の印刷済み用紙をプリンタエンジン部8内の印刷記録位置にまで搬送させ、上書き用画像データを廃トナーを使用して上書き印刷記録させる上書き印刷処理を実行指示する(ステップS36)。そして、上書き印刷記録された用紙を排紙口10から排出する。
【0119】
以上が1ページ分の上書き印刷処理であり、操作者が操作部6において設定したページ数分かどうかを判定して(ステップS37)、必要ページ数分の上書き印刷処理を行う。
【0120】
ここで、図9は、図7の印刷装置におけるプリンタエンジン部の構成の一例を示すブロック図である。
【0121】
図9において、プリンタエンジン部8は、エンジン制御部11と、プリンタエンジン部8の外部より画像データを受け取り、帯電された図示しない感光体に対して露光を行って潜像を形成する露光部12と、トナー容器14に収納されているトナーを用いて潜像を現像する第1現像部13と、廃トナー容器(廃トナー収納手段)16に収納されている廃トナーを用いて潜像を現像する第2現像部15と、現像された画像を給紙口9から搬送される用紙に転写する転写部17と、用紙上に転写された画像を加熱してこれを用紙に定着させる定着部18とから主に構成されている。
【0122】
図10は、図9のプリンタエンジン部における印刷の動作手順を示すフローチャートである。
【0123】
図10を用いて、プリンタエンジン部8における印刷動作をより詳細に説明する。
【0124】
まず、プリンタエンジン部8に起動がかけられたら、図示しない帯電器で図示しない感光体を帯電する(ステップS41)。
【0125】
次に、露光部12は、帯電された感光体に対して、画像描画部7から受け取る画像データに応じた露光を施す(ステップS42)。すなわち、操作部6において、操作者により上書きモードが選択されていない場合は通常の印刷動作となるので、画像描画部7から転送される通常印刷用の画像データを使って露光が施され、感光体上に潜像が形成される。一方、操作者により上書きモードが選択されている場合には、画像描画部7から転送される上書き用の画像データを使って露光が施され、感光体上に上書き用潜像が形成される。
【0126】
次に、エンジン制御部11において、画像描画部7から廃トナー使用指示が出されているかどうかを判別する(ステップS43)。
【0127】
そして、ステップS43において、廃トナー使用指示が出されていない場合は、通常の印刷処理として、トナー容器14に収納されているトナーを用いて第1現像部13が感光体上の潜像の現像を行う(ステップS45)。
【0128】
一方、ステップS43において、廃トナーの使用指示が出されている場合は、上書き印刷処理として、廃トナー容器16に収納されている廃トナーを用いて第2現像部15が感光体上の上書き用潜像の現像を行う(ステップS44)。
【0129】
ステップS44またはステップS45において現像を行ったならば、転写部17が、現像された画像を給紙口9から転写位置まで搬送されてきた用紙に転写する(ステップS46)。すなわち、操作者により上書きモードが選択されている場合は、操作者があらかじめ給紙口9にセットした機密書類等の印刷済み用紙に、廃トナーを使って形成された上書き用画像を転写する。また、上書きモードが選択されていない場合は、給紙口9にセットした未使用の用紙に、未使用のトナーを使って形成された画像を転写する。
【0130】
次に、定着部18により、用紙上に転写された画像を加熱してこれを用紙に定着させる(ステップS47)。その後、画像が定着された用紙を排紙口10から排出する(ステップS48)。
【0131】
以上説明したように、実施の形態3に係る印刷装置によれば、機密書類等の印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷し、記載されている内容を判別できなくするようにしているので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができる。
【0132】
また、上書き印刷は廃トナーを使用して行うようにしているので、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができ、廃トナー容器の小型化、ひいては印刷装置の小型化が可能になる。
【0133】
なお、印刷装置に用いられる上書き用画像データは、実施の形態1で示した各種の上書き用画像データを用いればよい。そのようにすることにより、上書き処理される機密書類等の記載内容の判別性において、実施の形態1で示したものと同等の作用効果を得ることができる。
【0134】
また、実施の形態2で示した場合と同様、上書き用画像データは上書き用描画コマンドであってもよい。
【0135】
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4に係る印刷装置の構成を示すブロック図である。
【0136】
ここでは、外部に接続されたホストコンピュータ2から転送されるページ記述言語等のプリンタ言語を読み込んでこれを印刷出力するプリンタを本発明の一実施の形態に係る印刷装置の一例として挙げている。
【0137】
図11において、印刷装置1は、外部のホストコンピュータ2から転送されるプリンタ言語を受け取るためのホストインタフェース部3と、ホストインタフェース部3が受け取るプリンタ言語を解釈してこれを描画コマンドに変換し、メモリ(データ保持手段)5に書き込むプリンタ言語処理部4と、メモリ5内にある描画コマンドを描画する画像描画部(画像描画手段)7と、印刷される用紙が供給される給紙口9および印刷された用紙が排出される排紙口10を伴ない、画像描画部7から転送される画像データを用紙に印刷記録するプリンタエンジン部(画像記録手段)8と、操作者(ユーザ)が印刷に必要な所要の操作を行う操作部6とから主に構成されている。そして、このような印刷装置1は、図示しない制御部によりその全体の動作を制御されている。
【0138】
なお、実施の形態3における図7の印刷装置との違いは、メモリ5内に、上書き用画像データがないことである。
【0139】
図12は、図11の印刷装置において実行される印刷の動作手順を示すフローチャートである。
【0140】
ここで、上記印刷装置において実行される印刷動作を、図12を用いて詳細に説明する。
【0141】
まず、操作部6において、操作者により上書きモードが選択されているかどうかを判別する(ステップS51)。
【0142】
ステップS51において、上書きモードが選択されていない場合は、通常の印刷処理を行う(ステップS52)。すなわち、画像描画部7によりメモリ5内にある図示しない描画コマンドを取得して、そのコマンドに基づいて描画を行う。これを画像データとしてプリンタエンジン部8に転送し、給紙口9にある用紙をプリンタエンジン部8内の印刷記録位置にまで搬送させて当該画像データを通常のトナーを使用して印刷記録する。そして、印刷記録された用紙を排紙口10から排出する。
【0143】
一方、ステップS51において、上書きモードが選択されている場合には、プリンタエンジン部8に廃トナーの使用を指示する(ステップS53)。
【0144】
そして、操作者があらかじめ給紙口9にセットした機密書類等の印刷済み用紙をプリンタエンジン部8内の印刷記録位置にまで搬送させ、その印刷済み用紙の一面全体に、廃トナーを使用してベタ画像を上書き印刷処理指示をし(ステップS54)、排紙口10から排出する。
【0145】
以上が1ページ分の上書き印刷処理であり、操作者が操作部6において設定したページ数分かどうかを判定して(ステップS55)、必要ページ数分の上書き印刷処理を行う。
【0146】
ここで、図13は、図11の印刷装置におけるプリンタエンジン部の構成の一例を示すブロック図である。
【0147】
図13において、プリンタエンジン部8は、エンジン制御部11と、プリンタエンジン部8の外部より画像データを受け取り、帯電された図示しない感光体に対して露光を行って潜像を形成する露光部12と、トナー容器14に収納されているトナーを用いて潜像を現像する第1現像部13と、廃トナー容器(廃トナー収納手段)16に収納されている廃トナーを用いて潜像を現像する第2現像部15と、現像された画像を給紙口9から搬送される用紙に転写する転写部17と、用紙上に転写された画像を加熱してこれを用紙に定着させる定着部18とから主に構成されている。
【0148】
そして、図9との違いは、露光部12が第2現像部15に対して、上書き用潜像を供給しないことである。
【0149】
図14は、図13のプリンタエンジン部における印刷の動作手順を示すフローチャートである。
【0150】
図14を用いて、プリンタエンジン部8における印刷動作をより詳細に説明する。
【0151】
まず、プリンタエンジン部8に起動がかけられたら、エンジン制御部11において、画像描画部7から廃トナー使用指示が出されているかどうかを判別する(ステップS61)。
【0152】
ステップS61において、廃トナー使用指示が出されていない場合は、通常の印刷処理となるので、図示しない帯電器で図示しない感光体を帯電する(ステップS62)。次に、露光部12は、帯電された感光体に対して、画像描画部7から受け取る画像データに応じた露光を施し(ステップS63)、続いて、トナー容器14に収納されているトナーを用いて第1現像部13が感光体上の潜像の現像を行う(ステップS64)。
【0153】
一方、ステップS61において、廃トナーの使用指示が出されている場合は、上書き印刷処理として、廃トナー容器16に収納されている廃トナーを用いて第2現像部15が感光体上に上書き用の廃トナー像の形成を行う(ステップS65)。すなわち、帯電も露光もされない感光体の静電レベルが低いので、潜像形成プロセスを経ずとも、現像バイアスをかけることで、感光体全面に廃トナー像が形成される。そして、この廃トナー像を上書き印刷用に用いる。
【0154】
次に、転写部17が、現像された画像を給紙口9から転写位置まで搬送されてきた用紙に転写する(ステップS66)。すなわち、操作者により上書きモードが選択されている場合は、操作者があらかじめ給紙口9にセットした機密書類等の印刷済み用紙に、廃トナーを使って形成された上書き用廃トナー像を転写する。また、上書きモードが選択されていない場合は、給紙口9にセットした未使用の用紙に、未使用のトナーを使って形成された画像を転写する。
【0155】
次に、定着部18により、用紙上に転写された画像を加熱してこれを用紙に定着させる(ステップS67)。その後、画像が定着された用紙を排紙口10から排出する(ステップS68)。
【0156】
以上説明したように、実施の形態4に係る印刷装置によれば、機密書類等の印刷済み用紙に印刷装置により上書き用画像データを上書き印刷し、記載されている内容を判別できなくするようにしているので、別途のシュレッダを要することなく、機密書類等を処分することができる。
【0157】
また、上書き印刷は廃トナーを使用して行うようにしているので、印刷装置内部に溜まっている廃トナーを減少させることができ、廃トナー容器の小型化、ひいては印刷装置の小型化が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本発明に係る印刷装置は、廃トナーを用いる場合はレーザ記録方式の印刷装置に適用されるが、それ以外については、例えばインクジェット記録方式など、様々な記録方式の印刷装置に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明の実施の形態1に係る印刷装置の構成を示すブロック図
【図2】図1の印刷装置において実行される印刷の動作手順を示すフローチャート
【図3】図1の印刷装置における上書き用画像データの一例を示す図
【図4】図1の印刷装置における上書き用画像データの他の一例を示す図
【図5】本発明の実施の形態2に係る印刷装置の構成を示すブロック図
【図6】図5の印刷装置において実行される印刷の動作手順を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態3に係る印刷装置の構成を示すブロック図
【図8】図7の印刷装置において実行される印刷の動作手順を示すフローチャート
【図9】図7の印刷装置におけるプリンタエンジン部の構成の一例を示すブロック図
【図10】図9のプリンタエンジン部における印刷の動作手順を示すフローチャート
【図11】本発明の実施の形態4に係る印刷装置の構成を示すブロック図
【図12】図11の印刷装置において実行される印刷の動作手順を示すフローチャート
【図13】図11の印刷装置におけるプリンタエンジン部の構成の一例を示すブロック図
【図14】図13のプリンタエンジン部における印刷の動作手順を示すフローチャート
【符号の説明】
【0160】
1 印刷装置
2 ホストコンピュータ
3 ホストインタフェース部
4 プリンタ言語処理部
5 メモリ
5a 上書き用画像データ
5b 上書き用描画コマンド
6 操作部
7 画像描画部
8 プリンタエンジン部
9 給紙口
10 排紙口
11 エンジン制御部
12 露光部
13 第1現像部
14 トナー容器
15 第2現像部
16 廃トナー容器
17 転写部
18 定着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用画像データが格納されたデータ保持手段と、
前記データ保持手段の上書き用画像データを展開する画像描画手段と、
前記画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段とを有し、
前記画像記録手段は、印刷済みの用紙に前記上書き用画像データを上書きすることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形画像データであることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体に文字群を印刷する文字画像データであることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項4】
前記文字画像データは、複数の文字サイズの文字群で構成されていることを特徴とする請求項3記載の印刷装置。
【請求項5】
前記文字画像データは、複数の文字角度の文字群で構成されていることを特徴とする請求項3または4記載の印刷装置。
【請求項6】
前記文字画像データは、有意の文字列により構成されていることを特徴とする請求項3、4または5記載の印刷装置。
【請求項7】
前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体に線画群を印刷する画像データであることを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の印刷装置。
【請求項8】
上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用描画コマンドが格納されたデータ保持手段と、
前記データ保持手段の上書き用描画コマンドに基づいて画像データを描画する画像描画手段と、
前記画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段とを有し、
前記画像記録手段は、印刷済みの用紙に前記上書き用描画コマンドに基づいて描画した上書き用画像データを上書きすることを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形描画コマンドであることを特徴とする請求項8記載の印刷装置。
【請求項10】
前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体に文字群を印刷する文字描画コマンドであることを特徴とする請求項8記載の印刷装置。
【請求項11】
前記文字描画コマンドは、複数の文字サイズの文字群で構成されていることを特徴とする請求項10記載の印刷装置。
【請求項12】
前記文字描画コマンドは、複数の文字角度の文字群で構成されていることを特徴とする請求項10または11記載の印刷装置。
【請求項13】
前記文字描画コマンドは、有意の文字列により構成されていることを特徴とする請求項10、11または12記載の印刷装置。
【請求項14】
前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体に線画群を印刷する線画画像コマンドであることを特徴とする請求項10〜13の何れか一項に記載の印刷装置。
【請求項15】
上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用画像データが格納されたデータ保持手段と、
前記データ保持手段の上書き用画像データを展開する画像描画手段と、
前記画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段と、
廃トナーが収納された廃トナー収納手段とを有し、
前記画像記録手段は、印刷済みの用紙に前記廃トナーを用いて前記上書き用画像データを上書きすることを特徴とする印刷装置。
【請求項16】
前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形画像データであることを特徴とする請求項15記載の印刷装置。
【請求項17】
前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体に文字群を印刷する文字画像データであることを特徴とする請求項15記載の印刷装置。
【請求項18】
前記文字画像データは、複数の文字サイズの文字群で構成されていることを特徴とする請求項17記載の印刷装置。
【請求項19】
前記文字画像データは、複数の文字角度の文字群で構成されていることを特徴とする請求項17または18記載の印刷装置。
【請求項20】
前記文字画像データは、有意の文字列により構成されていることを特徴とする請求項17、18または19記載の印刷装置。
【請求項21】
前記上書き用画像データは、前記用紙の一面全体に線画群を印刷する画像データであることを特徴とする請求項17〜20の何れか一項に記載の印刷装置。
【請求項22】
上書き印刷により印刷済み文字の判別を困難にする上書き用描画コマンドが格納されたデータ保持手段と、
前記データ保持手段の上書き用描画コマンドに基づいて画像データを描画する画像描画手段と、
前記画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段と、
廃トナーが収納された廃トナー収納手段とを有し、
前記画像記録手段は、印刷済みの用紙に前記上書き用描画コマンドに基づいて前記廃トナーを用いて描画した上書き用画像データを上書きすることを特徴とする印刷装置。
【請求項23】
前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷する矩形描画コマンドであることを特徴とする請求項22記載の印刷装置。
【請求項24】
前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体に文字群を印刷する文字描画コマンドであることを特徴とする請求項22記載の印刷装置。
【請求項25】
前記文字描画コマンドは、複数の文字サイズの文字群で構成されていることを特徴とする請求項24記載の印刷装置。
【請求項26】
前記文字描画コマンドは、複数の文字角度の文字群で構成されていることを特徴とする請求項24または25記載の印刷装置。
【請求項27】
前記文字描画コマンドは、有意の文字列により構成されていることを特徴とする請求項24、25または26記載の印刷装置。
【請求項28】
前記上書き用描画コマンドは、前記用紙の一面全体に線画群を印刷する線画画像コマンドであることを特徴とする請求項24〜27の何れか一項に記載の印刷装置。
【請求項29】
描画コマンドが書き込まれるデータ保持手段と、
前記データ保持手段の前記描画コマンドに基づいて画像データを描画する画像描画手段と、
前記画像描画手段から転送される画像データを用紙に印刷記録する画像記録手段と、
廃トナーが収納された廃トナー収納手段とを有し、
前記画像記録手段は、印刷済みの用紙に感光体全面に形成した前記廃トナーを用いて前記用紙の一面全体を塗りつぶすよう印刷することを特徴とする印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−15327(P2007−15327A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201521(P2005−201521)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】