説明

印刷装置

【課題】ネットワークを介して複数のホスト機器が接続された印刷装置に関し、特に優先順位の高い印刷データに対してはRAMを使用し、優先順位があまり高くない印刷データに対してはハードディスクを使用する印刷装置を提供する。
【解決手段】複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、印刷データに応じて出力を行う印刷装置であって、記憶容量は小さいがデータアクセス速度が早い第1の記憶装置と、記憶容量は大きいがデータアクセス速度が遅い第2の記憶装置と、複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信装置と、前記第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断装置と、前記第1の記憶装置が利用可能であると判断した場合、前記第1の記憶装置に前記印刷データを格納し、前記第1の記憶装置が利用可能でないと判断した場合、前記第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して複数のホスト機器が接続された印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、ホストコンピュータ等のホスト機器と、プリンタ装置や所謂複合機等の印刷装置がネットワークを介して接続された印刷システムが使用されている。このようなシステムにおいて、印刷装置はネットワークに接続された複数のホスト機器から印刷データを受信し、印刷処理を行っている。
【0003】
このような印刷装置では、例えばインターフェースコントローラ(以下、I/Fコントローラで示す)によって、ホスト機器から受信した印刷データ(PDL(Page Description Language))をプリンタエンジンに転送可能な形式、例えばラスタイメージデータに変換している。
【0004】
このラスタイメージデータへの変換処理に、RIP(Raster Image Processor)を使用するが、この処理はラスタイメージデータを生成し、リアルタイムにピクセル単位のデータを出力する処理であり、負荷が大きく、CPUの能力の大半が使用されてしまう。
【0005】
このため、複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信可能な印刷装置では、CPUがパワー不足となり、プリンタエンジンの性能に対応できない。
【0006】
このため、同時に受信する印刷データのうち1つの印刷データに対してRIP処理を行い、他の印刷データについては受信のみを行い、この受信データは印刷装置内部の受信バッファに保持する制御を行っている。
【0007】
また、印刷装置のI/Fコントローラでは、データ受信とRIP処理を効率よく行うため、データ受信プロセスとRIP処理プロセスを非同期で動作させ、プロセス間に受信データバッファを設け、印刷データの受け渡しを行うことも行われている。
尚、特許文献1は、画像を印刷するプリンタ装置や、画像を読み取るスキャナ装置、メモリ送信/メモリ受信を行うファクシミリ装置等の周辺機器がネットワークを介して接続されたシステムにおいて、高速性が必要で容量があまり必要でない場合にはRAMを使用し、高速性よりも容量が必要な場合にはハードディスクを使用し、上記周辺機器間のデータ授受を行うシステムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−331530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、受信バッファとしてRAMを使用する場合、データアクセスのスピードには優れているが、印刷装置内の利用可能なRAM容量は印刷データサイズに比べて十分ではなく、データを保持しきれない問題がある。
【0010】
また、受信データバッファとしてハードディスクを用いる場合、利用可能な記憶容量は印刷データサイズと比べて十分に大きいが、データアクセスのスピードが遅く、印刷速度が劣化する問題がある。
【0011】
そこで、本発明は効率よく記憶装置を使用し、例えばRAMに空きがある場合や優先順位の高い印刷データに対してはRAMを使用して印刷データを記憶し、迅速な印刷処理を行い、優先順位があまり高くない印刷データに対してはハードディスクを使用して印刷データを記憶し、効率よい印刷処理を行う印刷装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は本発明によれば、ホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置において、データアクセス速度が早い第1の記憶装置と、データアクセス速度が遅い第2の記憶装置と、複数の前記ホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信装置と、前記第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断装置と、前記第1の記憶装置が利用可能であると判断した場合、前記第1の記憶装置に前記印刷データを記憶し、前記第1の記憶装置が利用可能でないと判断した場合、前記第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する記憶処理制御装置とを有する印刷装置を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、現在印刷を実行している印刷データや割り込み印刷の指示等があった優先順位の高い印刷データについては、RAM等で構成される第1の記憶装置を受信バッファとして使用し、迅速な印刷処理を行い、一方優先順位があまり高くない印刷データや、大量の印刷データについては大きな容量のハードディスク等の第2の記憶装置を受信バッファとして使用し、効率よく印刷処理を行う印刷装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1のプリンタ装置のシステム構成を示す図である。
【図2】複数のホストコンピュータから出力される印刷データを同時受信する場合を説明する図である。
【図3】実施形態1における状態テーブルのデータ構成を示す図である。
【図4】実施形態1における印刷処理動作を説明する際の状態テーブルのデータ構成を示す図である。
【図5】実施形態1における受信部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】実施形態1における制御部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】実施形態1におけるRIP部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図8】実施形態2のプリンタ装置のシステム構成を示す図である。
【図9】実施形態2における状態テーブルのデータ構成を示す図である。
【図10】実施形態2における印刷処理動作を説明する際の状態テーブルのデータ構成を示す図である。
【図11】実施形態2における受信部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図12】実施形態2における制御部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図13】実施形態2における制御部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図14】実施形態2におけるRIP部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図15】実施形態2における受信データのバッファ切換え通知後の状態テーブルのデータ構成を示す図である。
【図16】実施形態3のプリンタ装置のシステム構成を示す図である。
【図17】実施形態3における状態テーブルのデータ構成を示す図である。
【図18】実施形態3における印刷処理動作を説明する際の状態テーブルのデータ構成を示す図である。
【図19】実施形態3における受信部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図20】実施形態3における制御部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図21】実施形態3における制御部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図22】実施形態3における制御部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図23】実施形態3におけるRIP部の処理動作を説明するフローチャートである。
【図24】実施形態3における割り込み処理の指示が行われた後の状態テーブルのデータ構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は本実施形態のプリンタ装置のシステム構成を示す図である。
同図において、プリンタ装置1にはLAN等のネットワークを介して、例えば3台のホストコンピュータPC1〜PC3に接続されている。プリンタ装置1は受信部2、制御部3、RIP(Raster Image Processor)部4、転送部5、プリンタエンジン6、ハードディスク(HDD)7、RAM8、状態テーブル9、及び画像メモリ10で構成されている。
また、ホストコンピュータPC1〜PC3は、アプリケーションに従って作成した印刷データをプリンタドライバによってPDLデータに変換し、プリンタ装置1に送信する。プリンタ装置1は、受信部2において、ホストコンピュータPC1〜PC3から送信された印刷データを受信すると、受信開始信号を制御部3に送信する。また、受信部2は複数のホストコンピュータから送信される印刷データを同時に受信可能である。
【0016】
受信部2はホストコンピュータPC1〜PC3から送信された印刷データを受信し、ハードディスク7又はRAM8に送信する。RAM8は、例えば数頁分の印刷データの格納領域を有し、受信部2を介して入力する印刷データを格納する。また、ハードディスク7は複数の印刷データ(ジョブファイル)を記憶可能な記憶領域を有し、受信部2を介して入力する印刷データを記憶する。
制御部3は受信部2から受信開始信号を受信すると、受信部2への印刷データ受信開始許可の応答を行った後、状態テーブル9の全レコードを検索し、後述する各種制御を行なう。
【0017】
ここで、本実施形態のプリンタ装置1は、上記のように複数のホストコンピュータから印刷データを同時受信することが可能であり、その一例を以下に説明する。図2は、例えば上記ホストコンピュータPC1とPC2から出力される印刷データを同時受信する場合を説明する図である。
この場合、ホストコンピュータPC1はアプリケーションに従って印刷データaを作成し、ネットワーク(LAN)を介して送信する際、印刷データaをa1〜anのパケットに分割し、プリンタ装置1に送信する。このパケットa1〜anには実データの他、パケット結合時に必要な送信元ホストコンピュータの情報や、パケット配列順等の情報も含まれている。また、ホストコンピュータPC2においても、アプリケーションに従って印刷データbを作成し、ネットワーク(LAN)を介して送信する際、印刷データbをb1〜bnのパケットに分割し、プリンタ装置1に送信する。
【0018】
受信部2はネットワーク(LAN)上を混在して送信される印刷データ(パケットa1〜an、b1〜bn)を受信し、送信元情報、及びパケット配列順の情報に従って結合し、印刷データa、及びbを再生する。このようにして、同時に受信された印刷データa、及びbは、前述のハードディスク7又はRAM8に送信される。
【0019】
図3は状態テーブル9のデータ構成を説明する図である。状態テーブル9はホストコンピュータPC1〜PC3から出力された印刷データの情報を記憶し、ホスト情報記憶エリア9a、バッファ状態記憶エリア9b、アドレス/ファイル名記憶エリア9c、データサイズ記憶エリア9d、及びRIP状態記憶エリア9eで構成され、レコード番号に対応して各情報が記憶される。
【0020】
例えば、ホスト情報記憶エリア9aには、印刷データを送信したホストコンピュータPC1〜PC3の情報が記憶され、バッファ状態記憶エリア9bには、印刷データが格納されたハードディスク7又はRAM8の情報が記憶される。また、アドレス/ファイル名記憶エリア9cには印刷データのアドレス又はファイル名が記憶され、データサイズ記憶エリア9dには印刷データのデータサイズが記憶される。さらに、RIP状態記憶エリア9eにはRIP部4の駆動状態が記憶され、例えばRIP部4が駆動中であれば、「RIP中」の情報が記憶され、RIP部4が駆動中でなければ、「なし」の情報が記憶される。
【0021】
尚、状態テーブル9の初期時においては、図3に示すように、ホスト情報記憶エリア9aは全て「空き」状態にリセットされ、バッファ状態記憶エリア9bも全て「空き」状態にリセットされ、アドレス/ファイル名記憶エリア9cは全て「なし」状態にリセットされ、データサイズ記憶エリア9dは全て「−1」にリセットされ、RIP状態記憶エリア9eも全て「なし」状態にリセットされている。
【0022】
制御部3は受信部2から受信開始信号を受信すると、上記状態テーブル9のレコード番号1から順次検索し、ホスト情報記憶エリア9aが「空き」状態である最初のレコードにホスト情報を記憶する。
【0023】
RIP部4は制御部3の指示に従ってハードディスク7又はRAM8から印刷データを読み出し、コマンド解析を行い、描画データに変換する。RIP部4によって変換された描画データは画像メモリ10に展開される。
【0024】
転送部5は画像メモリ10に所定量の描画データが展開されると、画像メモリ10から描画データを読み出し、プリンタエンジン6に転送する。プリンタエンジン6では転送部5から転送される描画データに基づいて記憶媒体(例えば、用紙)に印刷処理を行う。
【0025】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
尚、本例の処理動作を説明する際、前述の状態テーブル9には既に図4に示す情報が記憶されているものとする。例えば、レコード番号1のホスト情報記憶エリア9aには印刷データがホストコンピュータPC1から送信されたことを示す「PC1」の情報が記憶され、バッファ状態記憶エリア9bには当該印刷データがRAM8に格納中であることを示す「RAM」の情報が記憶され、アドレス/ファイル名記憶エリア9cには当該印刷データのアドレス「0x8000A064」であることを示す情報が記憶され、データサイズ記憶エリア9dには当該印刷データのサイズが「2478158」であることを示す情報が記憶されている。
【0026】
したがって、状態テーブル9のレコード番号1には、ホストコンピュータPC1から送信された印刷データの情報が記憶され、例えば当該印刷データがRAM8に格納中であり、またレコード番号1のRIP状態記憶エリア9eには「RIP中」の情報が記憶されていることから、RIP部4が現在駆動中であり、RAM8に格納された印刷データがRIP部4によって解析処理されている状態であることを示す。
【0027】
同様に、レコード番号2のホスト情報記憶エリア9aには対応する印刷データがホストコンピュータPC2から送信されたことを示す「PC2」の情報が記憶され、バッファ状態記憶エリア9bには当該印刷データがハードディスク7に記憶されていることを示す「HDD」が記憶され、アドレス/ファイル名記憶部9cには当該印刷データのファイル名が「゛RCV00001゛」であることを示す情報が記憶され、データサイズ記憶部9dには未だデータサイズ情報が設定されていないことを示す「−1」の情報が記憶されている。したがって、状態テーブル9のレコード番号2は、ファイル名「゛RCV00001゛」の印刷データがホストコンピュータPC2から送信され、ハードディスク7に記憶処理中であることを示す。
尚、本例の処理を開始する時点では、状態テーブル9の他のレコードは初期状態に設定されているものとして説明する。
【0028】
図5は本例の受信部2の処理動作を説明するフローチャートであり、図6は制御部3の処理動作を説明するフローチャートであり、図7はRIP部4の処理動作を説明するフローチャートである。
【0029】
受信部2は図5に示すフローチャートに従って、先ずネットワークに接続されたホストコンピュータPC1〜PC3から印刷データを受信するか判断する(ステップ(以下、図4においてSで示す)1)。そして、受信部2はホストコンピュータPC1〜PC3から印刷データを受信するまで待ち(S1がNO)、その後ホストコンピュータPC1〜PC3から印刷データを受信すると(S1がYES)、制御部3に印刷データの受信開始を通知する(S2)。すなわち、受信部2は制御部3に受信開始信号を出力し、制御部3から受信開始許可応答が送信されるまで待つ(S3)。
尚、上記図4に示すように、受信部2にはホストコンピュータPC1及びPC2から既に印刷データが入力しており、新たな印刷データがホストコンピュータPC3から入力するものとして説明する。
【0030】
制御部3は受信部2から上記受信開始信号を受信すると、図6に示すフローチャートに沿って処理を開始し、先ず外部から通知があるか判断する(ステップ(以下、図6においてST)で示す)1)。この場合、受信開始信号が入力しており(ST1がYES)、状態テーブル9を検索し(ST2)、RAM3の利用が可能であるか判断する(ST3)。この判断は、図4に示す状態テーブル9のバッファ状態記憶エリア9bを参照して行う。
【0031】
図4に示す例では、レコード番号1のバッファ状態記憶エリア9bに「RAM」の情報が記憶されており、前述のようにホストコンピュータPC1から供給された印刷データが既にRAM8に格納されている。
【0032】
したがって、現在RAM8を使用中であり(ST3がNO)、ハードディスク7に新たな印刷データのファイル名を生成し(ST4)、状態テーブル9の対応するエリアにファイル名の設定を行う(ST5)。例えば、図4に示す例では、レコード番号3のホスト情報記憶エリア9aに、例えばホストコンピュータPC3からの印刷データであることを示す「PC3」を記憶し、バッファ状態記憶エリア9bに「HDD」を記憶し、アドレス/ファイル名記憶エリア9cにファイル名「゛RCV00002゛」の情報を記憶する。
【0033】
その後、制御部3は受信部2に対して受信開始許可の応答を行う(ST6)。受信部2は制御部3から受信開始許可の応答を受信すると(S3がYES)、累積データ格納サイズの初期化を行う(S4)。
【0034】
その後、受信部2は受信データの判断を行い(S5)、最初のこの判断では受信データ、即ち印刷データがあり(S5がYES)、バッファ状態を判断し(S6)、印刷データの書き込み処理を行う。尚、上記図4に示す状態テーブル9の例では、この時レコード番号3のバッファ状態記憶エリア9bには「HDD」の情報が記憶されており(S6がHDD)、ホストコンピュータPC3から送信された新たな印刷データはハードディスク7の新たな領域に記憶される(S7)。また、ハードディスク7の累積データ格納サイズの更新処理を行う(S8)。
【0035】
その後、受信部2に印刷データが入力する間(S5がYES)、ハードディスク7に印刷データを順次格納し(S5〜S8)、受信部2への印刷データの入力が完了すると(S5がNO)、制御部3に印刷データの受信完了を通知する(S9)。
【0036】
制御部3はこの受信完了の通知を受信すると(ST1がYES)、状態テーブル9の設定を行う(ST11)。例えば、前述のレコード番号3のデータサイズ記憶エリア9dに上記累積データ格納サイズのデータを登録する。
【0037】
また、制御部3は受信部2に前述の受信開始許可の応答(ST6)を行った後、状態テーブル9を検索し(ST7)、RIP部4によるRIP処理が可能であるか判断する(ST8)。この判断は、図4に示す状態テーブル9のRIP状態記憶エリア9eを参照して行ない、この時レコード番号1のRIP状態記憶エリア9eに「RIP中」の情報が登録されており、この場合新たな印刷データのRIP処理は行われない(ST8がNO)。
【0038】
すなわち、この時RIP部4はレコード番号1に対応する印刷データのRIP処理を行っており、図7に示すフローチャートに従って、外部から通知があるか判断し(ステップ(以下、図7においてSTPで示す)1)、RIP処理を開始する。図4に示す例では、制御部3からRIP部4にレコード番号1に対応する印刷データのRIP処理の開始指示が既に行われており、累積データ読出しサイズの初期化を行ない(STP2)、印刷データのRIP処理を行なっている。
【0039】
具体的には、読み出し処理を行っていないデータ(未RIPデータ)があるか判断する(STP3)。レコード番号1に登録されている印刷データがRAM8に残っている場合(STP3がYES)、バッファ状態を判断し(STP4)、印刷データをRAM8から読み出し、コマンド解析処理を行う(STP5)。
【0040】
また、累積データ読出しサイズの更新処理を行い(STP7)、例えば1ページ分の画像データが完成したか判断し(STP8)、1ページ分の画像データが完成していなければ(STP8がNO)、上記処理を繰り返す(STP3〜STP5、STP7〜STP9)。
【0041】
この処理によって順次画像メモリ10には画像データが展開され、1ページ分の画像データが完成すると(STP8がYES)、転送部5にデータ転送を通知する(STP9)。その後、RAM8に残る印刷データを判断し(STP3)、RAM8に残る印刷データが無くなると(STP3がNO)、制御部3にRIP処理の完了を通知する(STP10)。
【0042】
制御部3はRIP部4から上記RIP処理の完了通知を受信すると(ST1がYES)、状態テーブル9を確認する(ST12)。そして、RIP処理完了を判断し(ST13)、対応するレコード情報の削除処理を行う(ST14)。例えば、図4に示すレコード1の情報を削除する。すなわち、レコード1に対応するホスト情報記憶エリア9aや、バッファ状態記憶エリア9b等に記憶された情報を削除する。
【0043】
尚、RAM8に新たな印刷データが入力した場合等を考慮して、RAM8のRIP処理が完了していない場合にはRIP部4にRIP処理の継続を通知する(ST13が未完了、ST13´)。
【0044】
その後、RIP処理が可能であるか判断し(ST15)、RIP部4によるRIP処理が可能であれば(ST15がYES)、状態テーブル9を検索し(ST16)、バッファ状態が空きではないレコードがあるか判断する(ST17)。ここで、バッファ状態が空きではないレコードがある場合、例えばレコード2に示すように、バッファ状態記憶エリア9bに「HDD」の登録がある場合(ST17がYES)、状態テーブル9に設定を行い(ST18)、RIP部4にRIP処理開始を通知する(ST19)。すなわち、レコード番号2のRIP状態記憶エリア9eに「RIP中」の記憶を行い、RIP部4にRIP処理開始を通知する。
【0045】
この場合、レコード2に登録されているハードディスク7に記憶されたファイル名「゛RCV00001゛」の印刷データがRIP部4に読み出され、コマンドの解析処理が行われる。すなわち、バッファ状態の判断(STP4)において、ハードディスク7が指示され(STP4がHDD)、ハードディスク7から印刷データが読み出され、RIP部4において印刷データのコマンド解析処理が行われる(STP6)。
尚、RIP部4がRIP処理を行なうことができない場合(ST15がNO)、又はバッファ状態が全て空きである場合(ST17がNO)、次のRIP処理は行わず、外部からの通知待ち状態に移行する(ST1)。
【0046】
以上のように、本実施形態はRAM8に既に印刷データが格納されている場合、新たに入力する印刷データはハードディスク7に記憶する。この間、RAM8が空き状態になったとしても、一旦ハードディスク7に印刷データを記憶し始めた場合には、そのままハードディスク7への印刷データの記憶を継続するものである。
尚、RAM8が空き状態であり、バッファ状態記憶部9bに「RAM」の登録が無い場合には、制御部3は受信部2から受信開始信号が入力した場合(ST1がYES)、状態テーブル9を検索し(ST2)、RAM8が利用可能であると判断し(ST3がYES)、RAM8の領域を確保し(ST20)、状態テーブル21の設定を行う(ST21)。この場合、状態テーブル9の対応するレコード番号のバッファ状態記憶部9bに「RAM」の記憶を行い、受信部2に受信開始許可の応答を行う(ST6)。以後受信部2は制御部3から受信開始許可の応答を受信し(S3がYES)、RAM8への受信データの格納処理を行う(S6がRAM、S10)。この場合も、一旦RAM8に印刷データの格納を開始した後は、そのままRAM8への印刷データの格納処理を継続する。
【0047】
したがって、本実施形態によれば、RAM8が空き状態ではない場合、新たな印刷データはハードディスク7に記憶し、RAM8が空き状態である場合、新たな印刷データはRAM8に格納し、印刷データの受信中、ハードディスク7からRAM8へ記憶先の変更や、RAM8からハードディスク7への記憶先の変更を行うことなく、複数の印刷データが入力する場合でもCPUの負荷を軽減しつつ、効率よい印刷処理を行うことができる。
【0048】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
図8は本実施形態のプリンタ装置のシステム構成を示す図である。尚、本実施形態2においても、基本的な構成は前述の実施形態1と同様であり、プリンタ装置11はLAN等のネットワークを介して、例えば3台のホストコンピュータPC1〜PC3に接続されている。プリンタ装置11は受信部12、制御部13、RIP部14、転送部15、プリンタエンジン16、ハードディスク17、RAM18、状態テーブル19、及び画像メモリ20で構成されている。
【0049】
また、ホストコンピュータPC1〜PC3は、アプリケーションに従って作成した印刷データをプリンタドライバによって印刷データ(PDLデータ)に変換し、プリンタ装置11に送信する。プリンタ装置11は、前述と同様、受信部12において、ホストコンピュータPC1〜PC3から送信された印刷データを受信すると、受信開始信号を制御部13に送信する。受信部13はホストコンピュータPC1〜PC3から送信された印刷データを受信し、ハードディスク17又はRAM18に送信する。また、受信部12は複数のホストコンピュータから送信される印刷データを同時に受信可能である。すなわち、前述の図2において説明した、例えば印刷データa、bの同時受信が可能である。
【0050】
制御部13は受信部12から受信開始信号を受信すると、受信部12への印刷データ受信開始許可の応答を行った後、状態テーブル19の全レコードを検索し、後述する各種制御を行なう。
【0051】
図9は本実施形態2において使用する状態テーブル19のデータ構成を説明する図である。本例で使用する状態テーブル19は、前述の状態テーブル9と異なり、ホスト情報記憶エリア19a、RAMバッファ状態記憶エリア19b、HDDバッファ状態記憶エリア19c、RAMアドレス記憶エリア19d、HDDファイル名記憶エリア19e、RAMデータサイズ記憶エリア19f、HDDデータサイズ記憶エリア19g、及びRIP状態記憶エリア19hで構成され、対応するレコード番号のエリアに各情報が記憶される。
【0052】
例えば、ホスト情報記憶エリア19aには印刷データを送信したホストコンピュータPC1〜PC3の情報が記憶され、RAMバッファ状態記憶エリア19bには印刷データがRAM18に格納されたことを示す情報が記憶され、HDDバッファ状態記憶エリア19cには印刷データがハードディスク17に記憶されたことを示す情報が記憶される。また、RAMアドレス記憶エリア19dにはRAM18に格納される印刷データのアドレス情報が記憶される。
【0053】
また、HDDファイル名記憶エリア19eにはハードディスク17に記憶される印刷データのファイル名が記憶され、RAMデータサイズ記憶エリア19fにはRAM18に格納されるファイルのデータサイズが記憶され、HDDデータサイズ記憶エリア19gにはハードディスク17に記憶されるファイルのデータサイズが記憶される。さらに、RIP状態記憶エリア19hにはRIP部14の駆動状態が記憶され、例えばRIP部14が駆動中であれば、「RAM RIP中」又は「HDD RIP中」の情報が記憶される。
【0054】
尚、図9に示すように、状態テーブル19の初期時においては、ホスト情報記憶エリア9aは全て「空き」状態にリセットされ、RAMバッファ状態記憶エリア19bは全て「データなし」状態にリセットされ、HDDバッファ状態記憶エリア19cも全て「データなし」状態にリセットされ、RAMアドレス記憶エリア19dも全て「なし」状態にリセットされ、HDDファイル名記憶エリア19eも全て「なし」状態にリセットされ、RAMデータサイズ記憶エリア19fは全て「−1」にリセットされ、HDDデータサイズ記憶エリア19gも全て「−1」にリセットされ、RIP状態記憶エリア19eも全て「なし」状態にリセットされている。
【0055】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
尚、本例の印刷処理動作を開始する際、前述の状態テーブル19には既に図10に示す情報が記憶されているものとする。例えば、レコード番号1のホスト情報記憶エリア19aには対応する印刷データがホストコンピュータPC1から送信されたことを示す「PC1」の情報が記憶され、RAMバッファ状態記憶エリア19bには当該印刷データが格納されていることを示す「データあり」の情報が記憶され、RAMアドレス記憶エリア19dには当該印刷データが格納されたアドレスとして「0x8000A064」の情報が記憶され、RAMデータサイズ記憶エリア19fには当該印刷データのサイズが「2478158」であることを示す情報が記憶されている。
【0056】
したがって、状態テーブル19のレコード番号1には、ホストコンピュータPC1から送信された印刷データの情報は記憶され、またレコード番号1のRIP状態記憶エリア19hには「RAM RIP中」の情報が記憶されており、RIP部14が現在駆動中であり、RAM18に格納された印刷データがRIP部14によって解析処理中であることが分かる。
【0057】
同様に、レコード番号2のホスト情報記憶エリア9aには対応する印刷データがホストコンピュータPC2から送信されたことを示す「PC2」の情報が記憶され、HDDバッファ状態記憶エリア19cには当該印刷データがハードディスク17に記憶されていることを示す「データあり」の情報が記憶され、HDDファイル名記憶エリア19eには当該印刷データのファイル名が「゛RCV00001゛」であることを示す情報が記憶されている。
【0058】
尚、本例の処理を開始する時点では、状態テーブル19の他のレコードは初期状態に設定されているものとする。
【0059】
図11は本例の受信部12の処理動作を説明するフローチャートであり、図12及び図13は制御部13の処理動作を説明するフローチャートであり、図14はRIP部14の処理動作を説明するフローチャートである。
【0060】
受信部12は上記図11に示すフローチャートに従って、先ずネットワークに接続されたホストコンピュータPC1〜PC3の何れかのコンピュータから印刷データを受信するか判断する(ステップ(以下、図11においてXで示す)1)。受信部12はホストコンピュータPC1〜PC3から印刷データが送信されるまで待ち(X1がNO)、その後ホストコンピュータPC1〜PC3の何れかのコンピュータから印刷データを受信すると(X1がYES)、制御部13に印刷データの受信開始を通知し(X2)、制御部13から受信開始許可の応答を待つ(X3)。
【0061】
尚、本実施形態の説明においても、図10に示すように受信部12にはホストコンピュータPC1及びPC2から既に印刷データが入力しており、新たな印刷データがホストコンピュータPC3から入力するものとして説明する。
制御部13は受信部12から上記受信開始信号を受信すると、図12に示すフローチャートに従って、先ず外部から通知があるか判断する(ステップ(以下、図12においてYで示す)1)。この場合、上記受信開始信号が受信部12から出力されており(Y1がYES)、状態テーブル19を検索し(Y2)、RAM13の利用が可能であるか判断する(Y3)。この判断は、前述と同様、図10に示す状態テーブル19のRAMバッファ状態記憶エリア19bを参照して行う。
【0062】
図10に示す例では、レコード番号1のRAMバッファ状態記憶エリア19bに「データあり」の情報が登録されており、前述のようにホストコンピュータPC1から供給された印刷データが既にRAM18に格納されている。
【0063】
したがって、現在RAM18は利用中であり(Y3がNO)、この場合、HDDファイル名を生成し(Y4)、状態テーブル19の対応するエリアにファイル名の設定を行う(Y5)。例えば、図10に示す例では、レコード番号3のホスト情報記憶エリア19aに、ホストコンピュータPC3に対応する「PC3」の情報を記憶し、HDDバッファ状態記憶エリア19cに「データあり」の情報を記憶し、HDDファイル名記憶エリア19eにファイル名「゛RCV00002゛」の情報を記憶する。そして、制御部13は受信部12に対してハードディスク17への受信開始許可の応答を行う(Y6)。
【0064】
受信部12では、上記制御部13から受信開始許可の応答を受信すると(X3がYES)、RAM18への受信開始許可であるか、又はハードディスク17への受信開始許可であるか判断し、この場合ハードディスク17への受信開始許可であり、ハードディスク17の累積データ格納サイズの初期化を行う(X4)。
【0065】
その後、受信部12は受信データの判断を行い(X5)、最初のこの判断では受信データ、即ち印刷データがあり(X5がYES)、受信データのバッファ切換え通知があるか判断する(X6)。ここで、受信データのバッファ切換え通知は、例えば印刷データをハードディスク17に記憶している途中でRAM18が空き状態になった場合、受信データのバッファ切換え通知が出力される。
【0066】
ここで、上記受信データのバッファ切換え通知がなければ(X6がNO)、印刷データをハードディスク17に書き込む(X7)。また、ハードディスク17の累積データ格納サイズの更新処理を行う(X8)。その後、上記処理を繰り返し(X5がYES、X6がNO、X7、X8)、印刷データをハードディスク17に書き込み、ハードディスク17へ書き込むべき印刷データの入力が無くなると(X5がNO)、制御部13に印刷データの受信完了を通知する(X9)。尚、上記処理は、この間受信データのバッファ切換え通知が無かった場合の処理である。
【0067】
実際には制御部13が同時に以下の制御も行なっており、RAM18が空き状態になる場合もある。すなわち、制御部13は受信部12に前述の受信開始許可の応答(Y6)を行なった後、状態テーブル19を検索し(Y7)、RIP部14によるRIP処理が可能であるか判断する(Y8)。この判断は、図10に示す状態テーブル19のRIP状態記憶エリア19hを参照して行う。ここで、図10に示す例では、レコード番号1のRIP状態記憶エリア19hには「RAM RIP中」の情報が登録されており(Y8はNO)、RAM18に記憶された印刷データのRIP処理が行われている。
【0068】
尚、上記判断(Y8)において、RIP状態記憶エリア19hに「RAM RIP中」の情報が記憶されていない場合にも(Y8はYES)、RAM18にはデータが格納されており(Y9がYES)、状態テーブル19のRIP状態記憶エリア19hに「RAM RIP中」の記憶を行い(Y10)、RIP部14にRAM18に記憶されている印刷データのRIP処理の開始を通知する(Y11)。また、RAM18に印刷データが格納されていない場合でも(Y9がNO)、ハードディスク17に印刷データが記憶されていれば、RIP状態記憶エリア19hに「HDD RIP中」の記憶を行い(Y31)、当該印刷データのRIP処理の開始を通知する(Y32)。
【0069】
RIP部14は図14に示すフローチャートに従って、外部から通知があるか判断し(ステップ(以下、図14においてZで示す)1)、RIP処理を開始する。上記例ではRAM8に記憶された印刷データのRIP処理を開始しており、先ず累積データ読出しサイズの初期化を行い(Z2)、その後、未だRIPデータがあるか判断する(Z3)。
【0070】
この場合、レコード番号1に登録されている印刷データがRAM18に残っており(Z3がYES)、印刷データをRAM18から読み出し、RIP処理を行う(Z4)。そして、累積データ読出しサイズの更新処理を行い(Z5)、例えば1ページ分の画像データが完成したか判断し(Z6)、1ページ分の画像データが完成していなければ(Z6がNO)、上記処理を繰り返す(Z3〜Z6)。
【0071】
この処理によって順次画像メモリ20には画像データが展開され、1ページ分の画像データが完成すると(Z6がYES)、転送部15にデータ転送を通知する(Z7)。その後、RAM18に残る印刷データを判断し(Z3)、RAM18に残る印刷データが無くなると(Z3がNO)、制御部13にRIP処理の完了を通知する(Z8)。
【0072】
一方、上記処理によって、RAM18に格納された印刷データが、RAM18から読み出され、RAM18に空きエリアが発生すると、前述のように受信部12からハードディスク17に記憶させていた印刷データをRAM18の空きエリアに格納することができる。
【0073】
そこで、制御部13はRIP制御部14から上記RAM18のRIP処理の完了通知を受信すると、図12に示す処理Bを実行する(具体的には図13に示す処理Bを実行する)。すなわち、状態テーブル19を確認し(Y12)、RAM18のRIP処理完了の判断を行ない(Y13がYES)、状態テーブル19のレコード番号1に登録されていた情報を削除する(Y14)。尚、前述と同様、RAM18に印刷データが未だ残っている場合を考慮して、RAM18のRIP処理が完了していない場合にはRIP部14にRIP処理の継続を通知する(Y13が未完了、Y13´)。
【0074】
その後、RIP処理が可能であるか判断し(Y15)、RIP処理が可能であれば(Y15がYES)、状態テーブル19を検索し(Y16)、RAM18にデータがあれば(Y17がYES)、対応する状態テーブル19の設定を行ない(Y18)、RIP部14にRAM18に格納された印刷データのRIP処理の開始を通知する(Y19)。
【0075】
また、RAM18にデータがなければ(Y17がNO)、ハードディスク17にデータがあるか判断し(Y20)、ハードディスク17にデータがあれば(Y20がYES)、対応する状態テーブル19の設定を行なう(Y21)。図10に示す例では、次のレコード番号2にハードディスク17に登録されたデータがあり、状態テーブル19の設定が行なわれる。この場合、RIP部14にハードディスク17に記憶された印刷データのRIP処理の開始を通知する(Y22)。
【0076】
さらに、制御部13は状態テーブル19を検索し(S23)、受信バッファの切り替えが可能であるか判断する(S24)。この場合、既にRAM18に格納されていた印刷データは読み出され、受信データバッファの切換えが可能である(Y24がYES)。したがって、この場合状態テーブル19の設定を行い(Y25)。状態テーブル19の状態を前述の図10から図15に状態に設定する。すなわち、既に印刷処理が完了したレコード番号1のエリアにレコード番号2の情報を繰り上げて記憶する。また、レコード番号3の情報はレコード番号2のエリアに繰り上げて記憶する。したがって、レコード番号1にはホストコンピュータPC2から送信され、ハードディスク17に記憶されたファイル名「゛RCV00001゛」の印刷データの情報が記憶される。また、レコード番号2にはホストコンピュータPC3から送信され、ハードディスク17に記憶されたファイル名「゛RCV00002゛」の印刷データの情報が記憶される。
【0077】
次に、制御部13は受信部12に上記受信データバッファの切換えを通知する(Y26)。すなわち、RAM18が空き状態になったので、RAM18への印刷データの格納が可能であり、受信データのバッファ切換え通知を受信部12に行なう。
受信部12はこの受信データのバッファ切換え通知を受信すると、例えば前述のホストコンピュータPC3からの印刷データの受信が未だ継続中であれば、判断(X6)がYESとなり、それまで行っていたハードディスク17への印刷データの受信処理を一旦停止する(X10)。そして、制御部13に受信完了通知を行い(X11)、制御部13はこの受信完了通知を受信すると状態テーブル19の設定を行う(Y27)。
【0078】
次に、受信部12は印刷データの再開通知を制御部13に通知する(X12)。この通知により、制御部13は状態テーブル19を検索し(Y2)、RAM13の利用が可能であると判断し(Y3がYES)、RAM18の領域を確保し(Y28)、状態テーブル19の設定を行い(Y29)、受信部12にRAM18への受信開始許可を応答する(Y30)。
【0079】
受信部12は上記応答を受信すると(X3がYES)、以後の受信データをRAM18に書き込むためRAM18の累積データ格納サイズの初期化処理を行い(X14)、以後受信データをRAM18に書き込む(X15がYES、X16)。そして、累積データ格納サイズの更新処理を行い(X17)、受信データが無くなると(X15がNO)、制御部13に受信完了通知を行う(X18)。
【0080】
したがって、例えばホストコンピュータPC3から当初ハードディスク17に記憶されていた印刷データは、上記のように途中からRAM18に変更され、以後RAM18に残りの印刷データが格納される。
【0081】
以上のように本例によれば、印刷データを一旦ハードディスク17に記憶する処理を開始した後、RAM18に格納された印刷データが、RAM18から読み出され、RAM18に空きエリアが発生すると、以後の印刷データをRAM18の空きエリアに格納することができ、RIP部14に印刷データを送信する処理を高速に行うことができる。
【0082】
以上の処理を行うことによって、例えばホストコンピュータPC3から出力された印刷データはハードディスク17及びRAM18に格納された状態であり、以後制御部13からのハードディスク17に対するRIP処理の開始通知に基づき、RIP処理が行われる。
【0083】
尚、上記図15に示す状態テーブル19の状態では、現在レコード番号1に登録されたパーソナルコンピュータ(PC2)からの印刷データのRIP処理が行われており、累積データ読出しサイズの初期化し(Z9)、RIPデータが有る間(Z10がYES)、印刷データをハードディスク17から読み出し、RIP処理を行う(Z11)。そして、累積データ読出しサイズの更新処理を行い(Z12)、例えば1ページ分の画像データが完成したか判断し(Z13)、1ページ分の画像データが完成していなければ(Z13がNO)、上記処理を繰り返す(Z10〜Z13)。
【0084】
その後、1ページ分の画像データが完成すると(Z13がYES)、転送部15にデータ転送を通知し(Z14)、ハードディスク17に残る印刷データを判断し(Z10)、ハードディスク17に残る印刷データが無くなると(Z10がNO)、制御部13にRIP処理の完了を通知する(Z15)。
【0085】
上記処理が完了すると、図12に示す処理Cが実行される(具体的には図13に示す処理Cを実行する)。すなわち、状態テーブル19を確認し(Y33)、ハードディスク17に印刷データがあるか判断する(Y34)。
【0086】
本例の場合、前述のようにホストコンピュータ(PC3)からの印刷データをハードディスク17とRAM18に格納しており、RIP部14にハードディスク17からのRIP処理の継続を通知する(Y35)。RIP部14はハードディスク17から印刷データを読み出し、ホストコンピュータPC3からハードディスク17に格納された最初の印刷データを読み出し、前述と同様RIP処理を行って転送部15からプリンタエンジン16に出力する(Z9〜Z14)。
【0087】
その後、上記RIP処理が完了すると(Z10がNO、Z15)、制御部13はRIP部14からのRIP処理完了通知に基づき、ハードディスク17のRIP処理が完了したか判断し(Y34)、ハードディスク17のRIP処理が完了していれば(Y34がYES)、RAM18に印刷データがあるか判断する(Y36)。本例の場合、前述のようにホストコンピュータ(PC3)の残りの印刷データがRAM18に格納されており、RAM18にも印刷データがある(Y36がYES)。
【0088】
したがって、制御部13は状態テーブル19の設定を行い(Y37)、RIP部14にRAM18のRIP処理の指示を行う(Y38)。RIP部14は以後RAM18に残る印刷データのRIP処理を行い(Z2〜Z7)、RAM18のRIP処理を完了すると(Z3がYES)、制御部13にRIP処理の完了通知を行う(Z8)。
【0089】
以上のように本例によれば、印刷データを一旦ハードディスク17に記憶する処理を開始した後、RAM18に格納された印刷データのRIP処理が完了し、RAM18が空き状態になると、以後の印刷データをRAM18の空きエリアに格納することができ、RIP処理等において処理を高速に行うことができ、迅速な印刷処理が可能となる。
【0090】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
図16は本実施形態のプリンタ装置のシステム構成を示す図である。本実施形態のプリンタ装置21もLAN等のネットワークを介して、例えば3台のホストコンピュータPC1〜PC3に接続されている。プリンタ装置21は受信部22、制御部23、RIP部24、転送部25、プリンタエンジン26、ハードディスク27、RAM28、状態テーブル29、及び画像メモリ30で構成され、更に表示操作部31を備え、表示操作部31は表示部31aと操作ボタン31bで構成されている。
【0091】
前述と同様、ホストコンピュータPC1〜PC3は、アプリケーションに従って作成した印刷データをプリンタドライバによって印刷データ(PDLデータ)に変換し、プリンタ装置21に送信する。プリンタ装置21は、受信部22において、ホストコンピュータPC1〜PC3から送信された印刷データを受信すると、受信開始信号を制御部23に送信する。受信部23はホストコンピュータPC1〜PC3から送信された印刷データを受信し、ハードディスク27又はRAM28に送信する。また、受信部22は複数のホストコンピュータから送信される印刷データを同時に受信可能である。
【0092】
制御部23は受信部22から受信開始信号を受信すると、受信部22への印刷データ受信開始許可の応答を行った後、状態テーブル29の全レコードを検索し、後述する各種制御を行なう。
【0093】
図17は状態テーブル29のデータ構成を示す図である。状態テーブル29は、ホストコンピュータPC1〜PC3からの印刷データの情報を登録する。本例で使用する状態テーブル29は、前述の実施形態2と同様、ホスト情報記憶エリア29a、RAMバッファ状態記憶エリア29b、HDDバッファ状態記憶エリア29c、RAMアドレス記憶エリア29d、HDDファイル名記憶エリア29e、RAMデータサイズ記憶エリア29f、HDDデータサイズ記憶エリア29g、及びRIP状態記憶エリア29hで構成され、印刷データに対応する情報が記憶される。
【0094】
例えば、ホスト情報記憶エリア29aには印刷データを送信したホストコンピュータPC1〜PC3の情報が記憶され、RAMバッファ状態記憶エリア29bにはRAM28に印刷データが格納されているか否かの情報が記憶され、HDDバッファ状態記憶エリア29cにはハードディスク27に印刷データが格納されているか否かの情報が記憶される。また、RAMアドレス記憶エリア29dにはRAM28に格納される印刷データのアドレス情報が記憶される。
【0095】
また、HDDファイル名記憶エリア29eにはハードディスク27に記憶される印刷データのファイル名が記憶され、RAMデータサイズ記憶エリア29fにはRAM28に格納されるファイルのデータサイズが記憶され、HDDデータサイズ記憶エリア29gにはハードディスク27に記憶されるファイルのデータサイズが記憶される。さらに、RIP状態記憶エリア29hにはRIP部24の駆動状態が登録され、例えばRIP部24が駆動中であれば、「RAM RIP中」又は「HDD RIP中」の情報が登録される。
【0096】
尚、図17に示すように、状態テーブル29の初期時においては、前述の図9と同様ホスト情報記憶エリア29aは全て「空き」状態にリセットされ、RAMバッファ状態記憶エリア29bは全て「データなし」状態にリセットされ、HDDバッファ状態記憶エリア29cも全て「データなし」状態にリセットされ、RAMアドレス記憶エリア29dも全て「なし」状態にリセットされ、HDDファイル名記憶エリア29eも全て「なし」状態にリセットされ、RAMデータサイズ記憶エリア29fは全て「−1」にリセットされ、HDDデータサイズ記憶エリア29gも全て「−1」にリセットされ、RIP状態記憶エリア29eも全て「なし」状態にリセットされている。
【0097】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
尚、本例の印刷処理動作を開始する際、前述の状態テーブル29には既に図18に示す情報が登録されているものとする。例えば、レコード番号1のホスト情報記憶エリア29aには印刷データがホストコンピュータPC1から送信されたことを示す「PC1」の情報が記憶され、RAMバッファ状態記憶エリア29bにはRAM28に当該印刷データが格納されていることを示す「データあり」の情報が登録され、RAMアドレス記憶エリア29dには当該印刷データが格納されたアドレスが「0x8000A064」であることを示す情報が記憶されている。
【0098】
したがって、状態テーブル29のレコード番号1には、ホストコンピュータPC1から送信された印刷データの情報が記憶され、またレコード番号1のRIP状態記憶エリア29hには「RAM RIP中」の情報が記憶されており、RIP部24がRAM28に格納された印刷データの解析処理を行なっていることが分る。
【0099】
同様に、レコード番号2のホスト情報記憶エリア29aには印刷データがホストコンピュータPC2から送信されたことを示す「PC2」の情報が記憶され、HDDバッファ状態記憶エリア29cには当該印刷データがハードディスク27に記憶されていることを示す「データあり」の情報が記憶され、HDDファイル名記憶エリア29eには当該印刷データのファイル名が「゛RCV00001゛」であることを示す情報が記憶されている。
【0100】
尚、本例の処理を開始する時点では、状態テーブル29の他のレコードは初期状態に設定されているものとする。
【0101】
図19は本例の受信部22の処理動作を説明するフローチャートであり、図20乃至図22は制御部23の処理動作を説明するフローチャートであり、図23はRIP部24の処理動作を説明するフローチャートである。
【0102】
前述と同様、先ず受信部22は図19に示すフローチャートに従って、ネットワークに接続されたホストコンピュータPC1〜PC3の何れかのコンピュータから印刷データを受信するか判断する(ステップ(以下、図19においてUで示す)1)。そして、受信部22はホストコンピュータPC1〜PC3から印刷データを受信するまで待ち(U1がNO)、その後ホストコンピュータPC1〜PC3の何れかのコンピュータから印刷データを受信すると(U1がYES)、制御部23に印刷データの受信開始を通知し(U2)、制御部23から受信開始許可の応答を待つ(U3)。
【0103】
尚、本実施形態の説明においても、図18に示すように受信部22にはホストコンピュータPC1及びPC2から既に印刷データが入力しており、新たな印刷データがホストコンピュータPC3から入力するものとして説明する。
制御部23は受信部22から上記受信開始信号を受信すると、図20に示すフローチャートに従って処理を開始し、先ず外部から通知があるか判断する(ステップ(以下、図20においてVで示す)1)。この場合、上記受信開始信号が受信部22から出力されており(V1がYES)、状態テーブル29を検索し(V2)、RAM23の利用が可能であるか判断する(V3)。この判断は、図18に示す状態テーブル29のRAMバッファ状態記憶エリア29bを参照して行う。
【0104】
図18に示す例では、レコード番号1のRAMバッファ状態記憶エリア29bに「データあり」の情報が記憶されており、前述のようにホストコンピュータPC1から供給された印刷データが既にRAM18に格納されている。
【0105】
したがって、現在RAM28は利用中であり(V3がNO)、この場合、HDDファイル名を生成し(V4)、状態テーブル29の対応するエリアにファイル名の設定を行う(V5)。例えば、図18に示す例では、レコード番号3のホスト情報記憶エリア29aに、ホストコンピュータPC3に対応する「PC3」を記憶し、HDDバッファ状態記憶エリア29cに「データあり」を記憶し、HDDファイル名記憶エリア29eにファイル名「゛RCV00002゛」の情報を記憶する。そして、制御部23は受信部22に対してハードディスク27への受信開始許可の応答を行う(V6)。
【0106】
受信部22では、上記制御部23から受信開始許可の応答を受信すると(U3がYES)、ハードディスク27への受信開始許可であるか、又はRAM28への受信開始許可であるか判断し、この場合ハードディスク27への受信開始許可であり、累積データ格納サイズの初期化を行う(U4)。
【0107】
その後、受信部22は受信データの判断を行い(U5)、更に受信データのバッファ切換え通知があるか判断する(U6)。ここで、受信データのバッファ切換え通知は、本例の場合、例えば後述する割り込み処理の指示があった場合に出力される。
【0108】
ここで、上記受信データのバッファ切換え通知がなければ(U6がNO)、印刷データをハードディスク27に書き込み(U7)、ハードディスク27の累積データ格納サイズの更新処理を行う(U8)。その後、上記処理を繰り返し(U5がYES、U6がNO、U7、U8)、ハードディスク27に印刷データを書き込み、受信部22への印刷データの入力が完了すると(U5がNO)、制御部23に印刷データの受信完了信号を出力する(U9)。制御部23では受信完了通知を受信すると(V12)、状態テーブル29の設定を行う。
尚、上記処理はこの間、受信データのバッファ切換え通知が無かった場合、即ち割り込み処理の指示が無かった場合の処理である。
【0109】
一方、ホストコンピュータPC1からRAM28への印刷データの入力処理も同時に行われており、この入力処理は、受信開始許可の応答を受信した際、RAM28の累積データ格納サイズの初期化を行い(U10)、受信データを判断し(U11)、更に受信データのバッファ切換え通知があるか判断し(U12)、RAM28に印刷データを書き込んでいる状態である(U13)。また、RAM28の累積データ格納サイズの更新処理を行い(U14)、上記処理を繰り返し(U11がYES、U12がNO、U13、U14)、RAM28に印刷データを書き込み、RAM28への印刷データの入力が完了すると(U11がNO)、制御部23に印刷データの受信完了信号を出力する(U15)。尚、この処理も、この間、受信データのバッファ切換え通知が無かった場合の処理である。
【0110】
さらに、制御部23は受信部22に前述の受信開始許可の応答(V6)を行なった後、状態テーブル29を検索し(V7)、RIP部24によるRIP処理が可能であるか判断する(V8)。この判断は、前述と同様図18に示す状態テーブル29のRIP状態記憶エリア29hを参照して行う。ここで、図18に示す例では、レコード番号1のRIP状態記憶エリア19hには「RAM RIP中」の情報が登録されており(V8はNO)、RAM28に記憶された印刷データのRIP処理が行われている。
【0111】
尚、上記判断(V8)において、RIP状態記憶エリア29hに「RAM RIP中」の情報が記憶されていない場合(V8はYES)、RAM28にはデータが格納されており(V9がYES)、状態テーブル29のRIP状態記憶エリア29hに「RAM RIP中」の記憶を行い(V10)、RIP部24にRIP処理の開始を通知する(V11)。また、RAM28に印刷データが格納されていない場合でも(V9がNO)、ハードディスク27に印刷データが記憶されていれば、RIP状態記憶エリア29hに「HDD RIP中」の記憶を行い(V13)、当該印刷データのRIP処理の開始を通知する(V14)。
【0112】
RIP部24は図23に示すフローチャートに従ってRIP処理を行い、外部から通知があるか判断し(ステップ(以下、図23において、Wで示す)1)、RIP処理を開始する。先ず、累積データ読出しサイズの初期化を行う(W2)。すなわち、図18に示す例では、「RAM RIP中」であり、RAM28の累積データ読出しサイズの初期化を行う。
【0113】
その後、未だRIPデータがあるか判断し(W3)、印刷データをRAM28から読み出し、RIP処理を行う(W4)。そして、累積データ読出しサイズの更新処理を行い(W5)、例えば1ページ分の画像データが完成したか判断し(W6)、1ページ分の画像データが完成していなければ(W6がNO)、上記処理を繰り返す(W3〜W6)。
【0114】
この処理によって順次画像メモリ30には画像データが展開され、1ページ分の画像データが完成すると(W6がYES)、転送部25にデータ転送を通知する(W7)。その後、RAM28からのRIP処理の停止通知があるか判断する(W8)。このRIP処理の停止通知は、前述と同様、割り込み処理の指示があった場合に行なわれる通知である。したがって、RIP処理の停止通知が無ければ(W8がNO)、そのままRIP処理を継続し、RAM28に残る印刷データが無くなると(W3がYES)、制御部23にRIP処理の完了を通知する(W9)。
【0115】
一方、表示操作部31の表示部31aには前述の図18に示す状態テーブル29の各レコード番号に対応する印刷データの情報が表示されている。ここで、利用者が表示部31aの表示を確認し、割り込み印刷を指示すべく操作ボタン31bを操作すると、この操作信号は表示操作部31から制御部23に入力する。
【0116】
例えば、割り込み印刷の指示により、レコード番号3に登録された情報の印刷データを先に印刷させる場合、制御部23は優先順位変更処理を行なう(V1がYES、V15)。そして、状態テーブル29を設定し(V16)、状態テーブル29のレコード情報を並べ代える。
【0117】
図24は状態テーブル29の状態図であり、この処理を説明する図である。上記の割り込み印刷の指示があり、例えばレコード番号3の情報に対応する印刷データを割り込み処理により先に印刷出力する場合、レコード番号3に記憶されていた情報をレコード番号1のエリアに移動し、レコード番号1に記憶されていた情報をレコード番号2のエリアに移動する。また、レコード番号2に記憶されていた情報をレコード番号3のエリアに移動する。
【0118】
次に、RIP部24にRIP処理の停止を通知し(V17)、状態テーブル29の設定を行う(V18)。この処理により、図24に示すレコード番号2のRIP状態記憶エリア19hには「RAM RIP停止中」の設定が行われる。
【0119】
RIP部24は上記制御部23からのRIP処理の停止通知に基づいてRIP処理を停止する(W8がYES、W10)。そして、制御部23から後に出力されるRIP処理の再開通知を待つ(W11)。
【0120】
次に、制御部23は受信部22に受信バッファの切換え通知を行う(V19)。すなわち、前述の処理(U10〜U14)によってRAM28に記憶していたホストコンピュータPC1からの印刷データのバッファ切換え通知を受信部22に対して行う。そして、状態テーブル29の設定を行う(V20)。
【0121】
受信部22は上記制御部23からの受信データのバッファ切換え通知によって印刷データの受信処理を一旦停止し(U12がYES、U16)、制御部23に受信完了を通知し(U17)、再度印刷データの受信処理を再開し(U18)、ハードディスク27の累積データ格納サイズの初期化処理を行う(U19)。
【0122】
また、制御部13は受信部22から上記受信処理の再開通知を受信すると(V1がYES)、状態テーブル29を検索し、RAM23の利用が可能であるか判断し(V3)、この場合、それまでRAM28に格納していたホストコンピュータPC1からの印刷データをハードディスク27に記憶するので(V3がNO)、HDDファイル名を生成し(V4)、状態テーブル29の対応するエリアにファイル名の設定を行う(V5)。例えば、図24に示す例では、レコード番号2のHDDファイル名記憶エリア19eに、例えばファイル名「゛RCV00003゛」の情報を記憶する。そして、制御部23は受信部22に対してハードディスク27への受信開始許可の応答を行う(V6)。
したがって、以後ホストコンピュータPC1からの印刷データはファイル名「゛RCV00003゛」としてハードディスク27に記憶される。
【0123】
さらに、制御部23は受信部22に対して、ホストコンピュータPC3から入力している印刷データの受信バッファの切換え通知を行う(V21)。すなわち、前述の処理(U4〜U8)によってハードディスク27に記憶していた印刷データのバッファ切換え通知を受信部22に対して行う。そして、状態テーブル29の設定を行い(V22)、RIP部24にRIP処理開始の通知を行う(V23)。
【0124】
受信部22は上記制御部23からの受信データのバッファ切換え通知によって印刷データの受信処理を一旦停止し(U6がYES、U20)、制御部29に受信完了を通知し(U21)、再度印刷データの受信処理を再開し(U22)、RAM28の累積データ格納サイズの初期化処理を行う(U23)。
【0125】
制御部13は受信部22から受信処理の再開通知を受信すると(V1がYES)、状態テーブル29を検索し、RAM23の利用が可能であるか判断し(V3)、この場合、RAM28が利用可能であり(V3がYES)、RAM28の領域を確保し(V24)、状態テーブル29の設定を行い(V25)、受信部22にRAM28への受信開始許可を応答する(V26)。
【0126】
受信部22は、以後ホストコンピュータPC3からの印刷データをRAM28に格納し(U11〜U14)、印刷データが無くなると(U11がNO)、制御部23に受信完了通知を行う(U15)。
【0127】
上記処理によって、ハードディスク27に記憶されていた、例えばホストコンピュータPC3からの印刷データは、割り込み処理の指示によって以後RAM28に記憶され、割り込み処理の指示前にRAM28に格納されていたホストコンピュータPC1からの印刷データは以後ハードディスク27に記憶される。したがって、割り込み処理の指示が行われた場合でも、迅速に互いの印刷データの格納先を切り換えて、入力する印刷データを対応するハードディスク27又はRAM28に記憶させることができる。
【0128】
尚、この場合、割り込み処理の指示前にRAM28に格納されていたデータのRIP処理は中断した状態であり、先ず割り込み処理が指示された印刷データを先に印刷出力するため、RIP処理を行う。
【0129】
したがって、以後RIP部24によるRIP処理は、先ず割り込み処理の指示が行われたホストコンピュータPC3からの印刷データに対して行い、制御部23からのRIP部24へのRIP処理開始指示に基づき(V23)、RIP部24はハードディスク27のRIP処理を開始する。
【0130】
先ず、ハードディスク27に記憶しているホストコンピュータPC3からの印刷データを読み出すため、累積データ読出しサイズの初期化し(W12)、RIPデータが有る間(W13がYES)、印刷データをハードディスク27から読み出し、RIP処理を行う(W14)。そして、累積データ読出しサイズの更新処理を行い(W15)、例えば1ページ分の画像データが完成したか判断し(W16)、1ページ分の画像データが完成していなければ(W16がNO)、上記処理を繰り返す(W13〜W16)。
【0131】
その後、1ページ分の画像データが完成すると(W16がYES)、転送部25にデータ転送を通知し(W17)、ハードディスク27からの印刷データのRIP処理の停止通知があるまで上記処理を繰り返す(W13〜W18)。その後、ハードディスク27に残る印刷データを判断し(W13)、ハードディスク27に残る印刷データが無くなると(W13がNO)、制御部23にハードディスク27に対するRIP処理の完了を通知する(W21)。
【0132】
制御部23ではハードディスク27に対するRIP処理の完了通知を受信すると図20に示す処理Jを実行する(具体的には、図21に示す処理Jを実行する)。すなわち、状態テーブル29を確認し(V27)、上記ハードディスク27に対するRIP処理完了の判断を行うと(V28が完了)、更にRAM28に印刷データがあるか判断する(V29)。本例の場合、前述のようにホストコンピュータPC3からの印刷データをハードディスク27に記憶すると共に、RAM28にも印刷データを切り換えて格納しており、RAM28にも印刷データが存在する(V29がYES)。尚、この場合にも、ハードディスク27に印刷データが未だ残っている場合を考慮して、ハードディスク27にデータが残っている場合にはRIP部24にRIP処理の継続を通知する(V28がYES、V28´)。
【0133】
したがって、次に制御部23は状態テーブル29の設定を行い(V30)、RIP部24にRAM28のRIP処理の指示を行う(V31)。RIP部24は以後RAM28に残るホストコンピュータPC3からの印刷データのRIP処理を行い(W2〜W9)、RAM28のRIP処理を完了すると制御部23にRIP処理の完了通知を行う(W9)。以上の処理によってホストコンピュータPC3からの印刷データの割り込み処理に基づくRIP処理が完了する。
【0134】
制御部23は上記RIP処理の完了に基づいて処理Hに移行し、図21に示す状態テーブル29を確認し(V32)、上記RAM28に対するRIP処理の完了の判断を行うと(V33が完了)、更にハードディスク27に印刷データがあるか判断する(V34)。本例の場合、前述のように割り込み処理の指示前にレコード番号1に登録されたホストコンピュータPC1からの印刷データがRAM28に残っており(V34がNO)、処理Lに移行して、図22に示すフローチャートの処理を行う。尚、ハードディスク27に印刷データが残っている場合には(V34がYES)、状態テーブル29の設定を行い(V35)、RIP部24にRIP処理の開始を通知する(V36)。
【0135】
先ず、制御部23は割り込み処理の指示に従って処理したレコード番号1のホストコンピュータPC3からの印刷データに関する登録情報を削除する(V37)。次に、状態テーブル29を確認し(V38)、RIP状態が「RAM RIP停止中」になっているレコードがあるか判断する(V39)。図24に示す例では、レコード番号2のRIP状態記憶エリア19hに「RAM RIP停止中」のレコードがあり(V39がYES)、状態テーブル29の設定を行い(V40)、RIP部24に処理再開通知を行う(V41)。
【0136】
次に、RIP処理が可能であるか判断し(V42)、状態テーブル29を検索すると(V43)、前述のようにレコード番号1のホストコンピュータPC3からの印刷データに関する情報が既に削除されており、RIP処理は可能である。したがって、RAM28に印刷データがあることを確認して(V44がYES)、対応する状態テーブル29の設定を行ない(V45)、RAM28に格納されたホストコンピュータPC1からの残りの印刷データのRIP処理の開始を通知する(V46)。
【0137】
RIP部24では上記RIP処理の再開通知に基づいて(W11がYES)、以後ホストコンピュータPC1からの残りの印刷データのRIP処理を再開し(W3〜W8)、RIP処理が完了すると(W3がYES)、制御部23にRAM28に対するRIP処理の完了通知を行う(W9)。
【0138】
尚、制御部23はその後、状態テーブル29を検索し(V47)、受信データのバッファ切換えが可能か否かの判断を行い(V48)、例えば更なる割り込み処理の指示があると(V48がYES)、状態テーブル29の設定を行い(V49)、受信部22に受信データのバッファ切換え通知を行う(V50)。
【0139】
尚、本実施形態の説明では、RIP部24がRAM28に格納されたホストコンピュータPC1からの印刷データのRIP処理中に割り込み処理の指示が行われたため、前述のようにRAM28に格納された印刷データのRIP処理を一旦停止し(W8がYES、W10)、上記割り込み処理を行った。しかし、例えばRIP部24がハードディスク27に記憶されていた印刷データのRIP処理中に割り込み処理の指示が行われた場合には、ハードディスク27からの印刷データのRIP処理を一旦停止し(W18がYES、W19)、割り込み処理の指示があったレコードの印刷データの印刷処理を先に行った後、制御部23は以下の処理を行う。
【0140】
すなわち、制御部23は「HDD RIP停止中」のレコードがあると判断し(V51がYES)、状態テーブル29の設定を行い(V52)、RIP部24に処理再開通知を行う(V53)。その後、RIP処理が可能であるか判断し(V42)、状態テーブル29を検索し(V43)、この場合ハードディスク27に印刷データが残っているので(V54がYES)、状態テーブル29の設定を行い(V55)、RIP部24に処理開始通知を行う(V56)。
【0141】
RIP部24では上記RIP処理の再開通知に基づいて(W20がYES)、以後ハードディスク27に残る印刷データのRIP処理を再開し(W13〜W19)、RIP処理が完了すると(W13がYES)、制御部23にRAM28に対するRIP処理の完了通知を行う(W21)。
【0142】
以上のように処理することによって、ハードディスク27又はRAM28への印刷データの受信処理中、割り込み処理の指示があった場合でも、直ちに印刷データの割り込み処理の指示に対する状態テーブル29の組み換え処理を行い、以後割り込み処理の指示があった印刷データを先に印刷出力し、その後のRIP処理を一時停止した印刷データの印刷処理を行い、割り込み処理の指示に対して迅速、かつ効率よく印刷処理を行うことができる。
【0143】
尚、上記実施形態1乃至3で使用するRAM8、18、28は、固定サイズのリングバッファとしてもよく、またリングバッファでなく、例えばダブルバッファなど、他のバッファ方式を採用することもできる。
【0144】
また、上記実施形態1乃至3の説明では、受信バッファとして、記憶容量は小さいがデータアクセス速度が早いRAM8、18、28を使用し、記憶容量は大きいがデータアクセス速度が遅いハードディスク7、17、27を使用したが、相対的に記憶容量は小さいが相対的にデータアクセス速度が早い受信バッファと、相対的に記憶容量は大きいが相対的にデータアクセス速度が遅い受信バッファの組み合わせであれば、どのようなデバイスでも使用することができる。
【0145】
また、上記実施形態1乃至3の説明では、RAM8、18、28を単一として説明したが、利用可能なRAMサイズに応じて、RAMを複数使用してもよい。
【0146】
さらに、状態テーブル9、19、29内の各レコードの制御方法として、テーブル上位(レコード番号の小さい方)を優先する制御としたが、別途、レコード毎の優先順位を管理するようしてもよい。また、状態テーブル9、19、29のレコード数は5レコードとしたが、もっと大きいレコード数を使用してもよい。
【0147】
さらに、実施形態3の説明において、表示操作部31は一定時間間隔で状態テーブルを監視してもよく、又は制御部23が状態テーブルを変更した際、表示操作部31に通知を行い、表示操作部31はその通知により表示を行う構成としてもよい。
【0148】
また、実施形態3の説明において、ホスト情報以外の情報、例えばユーザ名や、印刷日時等の情報も状態テーブル29で管理し、これらの情報を表示操作部31に表示するようにしてもよい。
【0149】
また、実施形態3の説明において、表示操作部31に表示されているホスト情報の印刷を行う優先順位を変更する操作に、操作ボタン31bを用いるものとしたが、操作ボタン31bでなく、タッチパネル式のデバイスでもよく、また音声入力など、別の入力デバイスを使用する構成としてもよい。
【0150】
また、実施形態3の説明において、ボタン操作で指定されたホスト情報に対応するレコードの印刷を行う優先順位を最優先に変更するものとしたが、優先順位の変更は最優先にするものだけでなく、他の優先順位の変更であってもよい。
【0151】
本発明はいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下、本件特許出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0152】
付記1
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置において、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置と、
データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置と、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能であると判断した場合、前記第1の記憶装置に前記印刷データを格納し、他のホスト機器から印刷データの入力により前記第1の記憶装置が利用可能でないと判断した場合、前記第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する記憶処理制御装置と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【0153】
付記2
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置において、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置と、
データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置と、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能であると判断した場合、前記第1の記憶装置に前記印刷データを格納し、他のホスト機器から印刷データの入力により前記第1の記憶装置が利用可能でないと判断した場合、前記第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する記憶処理制御装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能でない状態から利用可能である状態に変化したことを判断し、前記第2の記憶装置への印刷データを格納している途中において、第1の記憶装置が利用可能でない状態から利用可能である状態に変化したと判断した場合、印刷データの格納先を前記第2の記憶装置から前記第1の記憶装置に変更する制御装置と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【0154】
付記3
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置において、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置と、
データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置と、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断装置と、
印刷データを前記第1の記憶装置に格納し、また前記印刷データを第2の記憶装置に記憶する記憶処理制御装置と、
複数の印刷データを印刷する優先順位を判断する優先順位判断装置と、
複数の印刷データを印刷する優先順位を変更する変更装置と、
前記優先順位に従い前記印刷データの格納先を判断する格納先判断装置と、
前記第2の記憶装置への印刷データを記憶している途中で、前記印刷データの格納先を変更する判断を行った場合、前記印刷データの格納先を第2の記憶装置から第1の記憶装置に変更し、前記第1の記憶装置への印刷データを格納している途中で、前記印刷データの格納先を変更する判断を行った場合、印刷データの格納先を前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に変更する制御装置と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【0155】
付記4
前記制御装置は割り込み処理の指示があった場合、前記印刷データの格納先を変更する判断を行うことを特徴とする付記3に記載の印刷装置。
【0156】
付記5
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置の印刷方法において、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信処理と、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断処理と、
前記第1の記憶装置が利用可能であると判断した場合、前記第1の記憶装置に前記印刷データを格納し、他のホスト機器から印刷データの入力により前記第1の記憶装置が利用可能でないと判断した場合、データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する記憶処理と、
を行うことを特徴とする印刷方法。
【0157】
付記6
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置の印刷方法において、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信処理と、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断処理と、
前記第1の記憶装置が利用可能であると判断した場合、前記第1の記憶装置に前記印刷データを格納し、他のホスト機器から印刷データの入力により前記第1の記憶装置が利用可能でないと判断した場合、データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する記憶処理と、
前記第1の記憶装置が利用可能でない状態から利用可能である状態に変化したことを判断し、前記第2の記憶装置への印刷データを格納している途中において、第1の記憶装置が利用可能でない状態から利用可能である状態に変化したと判断した場合、印刷データの格納先を前記第2の記憶装置から前記第1の記憶装置に変更する制御処理と、
を行うことを特徴とする印刷方法。
【0158】
付記7
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置の印刷方法において、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信処理と、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置に前記印刷データを記憶する処理と、
データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する処理と、
前記第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断処理と、
複数の印刷データを印刷する優先順位を変更する優先順位変更処理と、
前記優先順位に従い前記印刷データの格納先を判断する格納先判断処理と、
前記第2の記憶装置への印刷データを記憶している途中で、前記印刷データの格納先を変更する判断を行った場合、前記印刷データの格納先を第2の記憶装置から第1の記憶装置に変更し、前記第1の記憶装置への印刷データを格納している途中で、前記印刷データの格納先を変更する判断を行った場合、印刷データの格納先を前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に変更する制御処理と、
を行うことを特徴とする印刷方法。
【符号の説明】
【0159】
1、11、21・・プリンタ装置
2、12、22・・受信部
3、13、23・・制御部
4、14、24・・RIP部
5、15、25・・転送部
6、16、26・・プリンタエンジン
7、17、27・・ハードディスク(HD)
8、18、28・・RAM
9、19、29・・状態テーブル
10、20、30・・画像メモリ
31・・表示操作部
31a・・表示部
31b・・操作ボタン
PC1〜PC3・・ホスト機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置において、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置と、
データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置と、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能であると判断した場合、前記第1の記憶装置に前記印刷データを格納し、他のホスト機器からの印刷データの入力により前記第1の記憶装置が利用可能でないと判断した場合、前記第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する記憶処理制御装置と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置において、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置と、
データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置と、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能であると判断した場合、前記第1の記憶装置に前記印刷データを格納し、他のホスト機器からの印刷データの入力により前記第1の記憶装置が利用可能でないと判断した場合、前記第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する記憶処理制御装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能でない状態から利用可能である状態に変化したことを判断し、前記第2の記憶装置への印刷データを格納している途中において、第1の記憶装置が利用可能でない状態から利用可能である状態に変化したと判断した場合、印刷データの格納先を前記第2の記憶装置から前記第1の記憶装置に変更する制御装置と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置において、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置と、
データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置と、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信装置と、
前記第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断装置と、
印刷データを前記第1の記憶装置に格納し、また前記印刷データを第2の記憶装置に記憶する記憶処理制御装置と、
複数の印刷データを印刷する優先順位を判断する優先順位判断装置と、
複数の印刷データを印刷する優先順位を変更する変更装置と、
前記優先順位に従い前記印刷データの格納先を判断する格納先判断装置と、
前記第2の記憶装置への印刷データを記憶している途中で、前記印刷データの格納先を変更する判断を行った場合、前記印刷データの格納先を第2の記憶装置から第1の記憶装置に変更し、前記第1の記憶装置への印刷データを格納している途中で、前記印刷データの格納先を変更する判断を行った場合、印刷データの格納先を前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に変更する制御装置と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
前記制御装置は割り込み処理の指示があった場合、前記印刷データの格納先を変更する判断を行うことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置の印刷方法において、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信処理と、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断処理と、
前記第1の記憶装置が利用可能であると判断した場合、前記第1の記憶装置に前記印刷データを格納し、他のホスト機器からの印刷データの入力により前記第1の記憶装置が利用可能でないと判断した場合、データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する記憶処理と、
を行うことを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置の印刷方法において、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信処理と、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断処理と、
前記第1の記憶装置が利用可能であると判断した場合、前記第1の記憶装置に前記印刷データを格納し、他のホスト機器からの印刷データの入力により前記第1の記憶装置が利用可能でないと判断した場合、データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する記憶処理と、
前記第1の記憶装置が利用可能でない状態から利用可能である状態に変化したことを判断し、前記第2の記憶装置への印刷データを格納している途中において、第1の記憶装置が利用可能でない状態から利用可能である状態に変化したと判断した場合、印刷データの格納先を前記第2の記憶装置から前記第1の記憶装置に変更する制御処理と、
を行うことを特徴とする印刷方法。
【請求項7】
複数のホスト機器から送信される印刷データを受信し、該印刷データに応じて出力を行う印刷装置の印刷方法において、
前記複数のホスト機器から送信される印刷データを同時に受信する受信処理と、
受信された印刷データを記憶する第1の記憶装置に前記印刷データを記憶する処理と、
データアクセス速度が前記第1の記憶装置より遅い第2の記憶装置に前記印刷データを記憶する処理と、
前記第1の記憶装置が利用可能であるか否かを判断する判断処理と、
複数の印刷データを印刷する優先順位を判断する優先順位判断処理と、
複数の印刷データを印刷する優先順位を変更する変更処理と、
前記優先順位に従い前記印刷データの格納先を判断する格納先判断処理と、
前記第2の記憶装置への印刷データを記憶している途中で、前記印刷データの格納先を変更する判断を行った場合、前記印刷データの格納先を第2の記憶装置から第1の記憶装置に変更し、前記第1の記憶装置への印刷データを格納している途中で、前記印刷データの格納先を変更する判断を行った場合、印刷データの格納先を前記第1の記憶装置から前記第2の記憶装置に変更する制御処理と、
を行うことを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−1038(P2013−1038A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136543(P2011−136543)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】