説明

印字装置、印字方法、及びプログラム

【課題】装置内にテープ幅の狭い印字テープがセットされ、ユーザにより文字入力エリア内の狭い範囲に手書き入力が行われた場合であっても、印字テープに高い視認性の印字を行うことができる印字装置、印字方法、プログラムを提供する。
【解決手段】印字装置1は、タッチパネル入力部4の手書き文字入力エリアの接触検知信号を基に描画データ71を生成する描画データ生成部40bと、描画データ71を基に、行データ73、上余白、下余白を検出特定する余白検出部40cと、上余白及び下余白が規定値よりも広い場合に、上余白及び下余白を削除し、行データ73をテープ幅に対応してサイズ変換を行い印字データ72を生成する印字データ生成部40eと、印字データ72を基に印字処理を行う印字処理部40fと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字テープに印字を行う印字装置、印字方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印字テープであるテープ部材を収納したカセットを装置内にセットし、そのテープ部材に、キーボード等の入力手段から入力された或いは他の機器から出力された文字等を任意に印字することで、ラベル、付箋、メモ等を作成することができる印字装置が知られている。
【0003】
また、特許文献1には、入力手段としてタッチパネルを備え、手書き入力機能を有する印字装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−73336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような手書き入力機能を有する装置は、例えば、タッチパネルの文字入力エリアの接触検知信号を基に描画データを生成し、その描画データを印字テープの幅に合わせて縮小して、印字テープに印字を行う。
【0006】
しかしながら、上述した印字処理を行う装置は、例えば、テープ幅の狭い印字テープが装置内にセットされ、ユーザにより文字入力エリア内の狭い範囲に手書き入力が行われた場合、文字入力エリア内を単純にテープ幅に合わせて縮小するので、テープに印字された文字が小さく、視認性が低下する問題があった。また、その印字テープは、ラベル、付箋、メモ等としての機能が低下する場合があった。
【0007】
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、装置内にテープ幅の狭い印字テープがセットされ、ユーザにより文字入力エリア内の狭い範囲に手書き入力が行われた場合であっても、印字テープに高い視認性の印字を行うことができる印字装置、その印字装置の印字方法、その印字装置の印字方法を実現させるためのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る印字装置は、印字テープに印字する印字装置であって、タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する描画データ生成部と、前記描画データを基に手書き入力された行データ、および、入力のない余白データを検出特定する余白検出部と、前記描画データから前記余白データを削除し、前記行データを前記印字テープに対応してサイズ変換を行い印字データを生成する印字データ生成部と、前記印字データを基に印字処理を行う印字処理部とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る印字装置は、印字テープに印字する印字装置であって、タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する描画データ生成部と、前記描画データから複数行の描画パターンが特定された場合、前記描画パターンを単行に整列して前記印字テープに印字する印字制御部を有することを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明に係る印字方法は、印字テープに印字する印字装置の印字方法であって、タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する処理と、前記描画データを基に手書き入力された行データ、および入力のない余白データを検出特定する処理と、前記描画データから前記余白データを削除し、前記行データを前記印字テープに対応してサイズ変換を行い印字データを生成する処理と、前記印字データを基に印字する処理とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する処理と、前記描画データを基に手書き入力された行データ、および入力のない余白データを検出特定する処理と、前記描画データから前記余白データを削除し、前記行データを前記印字テープに対応してサイズ変換を行い印字データを生成する処理と、前記印字データを基に印字する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置内にテープ幅の狭い印字テープがセットされ、ユーザにより文字入力エリア内の狭い範囲に手書き入力が行われた場合であっても、印字テープに高い視認性の印字を行うことができる印字装置、その印字装置の印字方法、その印字装置の印字方法を実現させるためのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る印字装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る印字装置のタッチパネルの使用状態の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る印字装置の内部拡大図及びテープカセットの斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る印字装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る印字装置による印字処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る印字装置による印字データ生成処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る印字装置によるラベルを作成する処理の手順の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る印字装置による上余白、下余白、行間、及び行データの特定処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る印字装置によるラベルを作成する処理の手順の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る印字装置による前余白、後余白、及び行データの特定処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係る印字装置によるラベルを作成する処理の手順の一例を示す図である。
【図12】比較例に係る印字装置による印字結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳説する。図1は、本発明の実施形態に係る印字装置1の斜視図である。
【0014】
印字装置1は、筐体2の上面に液晶表示装置等で構成されているタッチパネル表示部3を有する。タッチパネル表示部3には、文字入力装置として表示画面の上面に透明な加圧スイッチ等で構成されたタッチパネル入力部4が重ねて配置されている。詳細には、タッチパネルは、タッチパネル表示部3とタッチパネル入力部4とを備える。
【0015】
筐体2の背面に用意される開閉蓋の内側には、後述するように、印字テープとしてのテープ部材31等を収容したテープカセットが装着可能に形成されている。筐体2の側面には、印字されたテープ部材31が繰り出されるテープ繰出部7が形成されている。
【0016】
図2は印字装置1のタッチパネル表示部3及びタッチパネル入力部4の使用状態の一例を示す図であり、詳細には、図2(a)はソフトウェアキーボード入力モード時の表示画面の一例を示す図、図2(b)は、手書き入力モード時の文字入力エリア等の表示画面の一例を示す図である。
【0017】
印字装置1は、入力モードとして、ソフトウェアキーボード入力モードと手書き入力モードとを有し、各モードが切替可能に構成されている。印字装置1は、ソフトウェアキーボード入力モード時、図2(a)に示すように、筐体2のタッチパネル表示部3にソフトウェアキーボード機能により仮想のキーボードを表示する。タッチパネル表示部3の表示画面には、アルファベット文字キー、数字キー、記号キー等の文字・記号入力キー(以下、これら総じて文字キーと呼称)や、漢字への変換キー、無変換キー、及び実行キー等々の制御キーを備える仮想のキーボードを表示するキーボード領域3a、及びそのキーボード領域3aから入力された文字を表示する文字編集領域3bが設けられている。キーボード領域3aは、タッチパネル入力部4の各キーを画像として表示するとともに、タッチパネル入力部4として表示画面上に表示される各キーの位置を押圧することにより、各キーの座標位置のデータを入力するように構成されている。これらタッチパネル表示部3とタッチパネル入力部4からソフトウェアキーボードが構成されている。
【0018】
また、印字装置1は、手書き入力モード時、図2(b)に示すように、タッチパネル表示部3の表示画面には、手書き文字入力部としての手書き文字入力エリア5と、細線設定キー、太線設定キー、小型消しゴム設定キー、大型消しゴム設定キー、消去キー、保存キー、印刷キー等の制御キーを備える仮想のキー領域6とが設けられている。印字装置1は、手書き文字入力エリア5において、例えばスタイラスペンであるタッチペン64や操作者の指等により、タッチパネル入力部4が押圧されることで、押圧された各座標位置のデータを基に、手書き文字としての描画データが形成される。キー領域6は、各制御キーを画像として表示するとともに、タッチパネル入力部4として表示画面上に表示される各キーの位置を押圧することにより、各キーの座標位置のデータを入力するように構成されている。
【0019】
本実施形態に係る印字装置1は、表面に印字面を備え、裏面が粘着剤による粘着面とされた印刷テープ層と、粘着面に貼付される剥離テープ層と、が積層されて形成された印字テープとしてのテープ部材31に文字等を印字する装置である。
【0020】
図3は、印字装置1の内部拡大図及びテープカセットの斜視図である。テープカセット21を装填させるために装置の筐体2の背面に用意される開閉蓋の内側には、図3に示すように、テープ部材31及びインクリボン35を収容したテープカセット21を装填するためのカセット装填部8が形成されている。カセット装填部8内には、テープ印字機構45と、テープカセット21を所定の位置に支持するためのカセット受部15と、が形成されている。
【0021】
このテープ印字機構45は、縦方向に配列された印字素子と、印字部としての印字ヘッドのサーマルヘッド11と、サーマルヘッド11との間でテープ部材31及びインクリボン35を挟み込んでこれを搬送するプラテンローラ12と、印字に使用したインクリボン35をテープカセット21内に巻取るリボン巻取軸13と、を備える。
【0022】
また、カセット装填部8の一端部に筐体2の外に通じるテープ繰出部7が形成されており、このテープ繰出部7には、テープ部材31の印刷テープ層及び剥離テープ層を幅方向に切断するフルカット手段としてのフルカット機構17と、テープ部材31の印字テープのみを切断するハーフカット手段としてのハーフカット機構18が組み込まれている。
【0023】
さらに、テープカセット21は、カセットケース22を備え、このカセットケース22の内部には、テープ部材31が巻装されたテープコア23、未使用のインクリボン35が巻装されたリボン供給コア24、使用済みのインクリボン35を巻取るリボン巻取コア25が夫々収納されている。また、テープカセット21のカセットケース22には、カセット装填部8内にテープカセット21を装填した場合にサーマルヘッド11が位置するヘッド配置部27が形成されている。
【0024】
また、カセットケース22の隅部には、カセット装填部8のカセット受部15と係合し、このカセット受部15によって支持される被係合部29が形成されている。そして、このカセットケース22の被係合部29には、図示しないがテープカセット21の種類に応じた所定の凹凸が形成されており、カセット装填部8のカセット受部15には、テープカセット21が装填された場合にカセットケース22の被係合部29に形成された凹凸を判別するテープ幅検出スイッチ16が形成されている。
【0025】
そして、印字装置1は、カセットケース22がカセット装填部8に装填されると、カセットケース22の被係合部29とカセット装填部8のカセット受部15に形成されたテープ幅検出スイッチ16の幾つか或いは全部が係合し、係合したテープ幅検出スイッチ16が押下されて、このオン状態となったテープ幅検出スイッチ16の組み合わせによってテープ部材31のテープ幅等の種類を判別できるようになっている。
【0026】
つまり、この印字装置1は、テープカセット21の種類が内蔵するテープ部材31の幅等によって異なるため、このテープカセット21の種類を判別することによって、印字対象物であるテープ部材31の幅等を識別することができ、制御部40がテープ幅に適合した印字データを作成することができるようになっている。
【0027】
この印字装置1は、印字の指示がされると、テープ部材31及びインクリボン35がテープカセット21から繰り出され、プラテンローラ12とサーマルヘッド11との間にこれらのテープ部材31及びインクリボン35が重ね合わされた状態で挟み込まれて搬送される。
【0028】
そして、サーマルヘッド11が印字データに基づいて発熱駆動され、インクリボン35のインクがテープ部材31の印刷テープ層に熱転写されて印刷テープ層に印字が行われ、印字が終了すると、設定によりフルカット機構17又はハーフカット機構18が作動してテープ部材31が幅方向に切断され、1枚のテープ状のラベルを作成する。
【0029】
次に、印字装置1の回路構成について述べる。この印字装置1は、図4に示すように、制御部40を備える。制御部40には記憶手段としてのROM41及びRAM42が接続されている。また、制御部40には、使用者のキー操作を受けた文字データやフォントサイズ、手書きされた文字や絵(以下、文字等)を入力する入力手段としてタッチパネル入力部4が接続されている。そして、制御部40には、入力された情報などの種々の情報を表示する表示手段であるタッチパネル表示部3を駆動させるタッチパネル表示部駆動回路63が接続されている。
【0030】
さらに、制御部40には、サーマルヘッド11を駆動するヘッド駆動回路51と、ステップモータである搬送用モータ46を駆動するステップモータ駆動回路としての搬送用モータ駆動回路52と、カッターモータ48を駆動するカッターモータ駆動回路53と、が接続されている。
【0031】
また、制御部40には、カートリッジの種別を判別するカートリッジ判別手段であるテープ幅検出スイッチ16が接続されている。
【0032】
また、制御部40は、CPUであって、タッチパネル入力部4からの入力信号に応じて、自動でROM41に予め記憶されているシステムプログラム、メモリカードに記憶された制御プログラム、外部機器から読み込まれた制御プログラム、本発明に係る機能を実現するプログラム(PRG)41c、等を実行して、RAM42をワークエリアであるワークメモリ42cとして回路各部の動作を制御する。
【0033】
ROM41には、設定された文字データ等を表示し印字するためのプログラムや印字フォント、塗り潰しに使用される斜線や網目、ドット模様等が記憶され、制御部40で読み取り可能なプログラムが記憶された記録媒体としても機能する。
【0034】
また、ROM41は、表示用のフォントのパターンデータを記憶する表示用CG(キャラクタージェネレータ)41a、印字用のパターンデータを記憶する印字用CG41b、及び上述したプログラム41cを有する。
【0035】
RAM42には、印刷情報である印字データ72を記憶する印字データメモリ領域42aと、タッチパネル表示部3に表示させるパターンデータが記憶される表示データメモリ領域42bと、描画データ71、描画データ71から抽出された行データ73、印字処理などに必要なデータを一時的に記憶するレジスタやカウンタ等も含めたワークエリアとしてのワークメモリ42cと、を有する。
【0036】
ヘッド駆動回路51は、印刷情報である印字データ72や書式設定の情報に従って印字手段であるサーマルヘッド11を制御し、テープ部材31に印刷を実行させる。搬送用モータ駆動回路52は、搬送手段を駆動させる回路であって、プラテンローラ12やリボン巻取軸を回転させる搬送用モータ46を制御し、所定の速度で長手方向にテープ部材31を搬送する。カッターモータ駆動回路53は、フルカット手段及びハーフカット手段等の切断手段を制御する駆動回路であり、フルカット機構17で使用されるカッターモータ48としてのステップモータやハーフカット機構18で使用されるカッターモータ48としてのDCモータ等を制御する。
【0037】
また、制御部40は、プログラム41cを実行することにより、テープ幅検出処理部40a、描画データ生成部40b、余白検出部40c、整列処理部40d、印字データ生成部40e、及び印字処理部40fの機能を印字装置1に実現する。
【0038】
上述したROM41に格納されるプログラム41cは、制御部40に、テープ幅検出処理部40aとして、テープ幅検出スイッチ16からの信号を基に、印字テープであるテープ部材31の幅を検出する処理を実現する。
【0039】
また、プログラム41cは、制御部40に、描画データ生成部40bとして、タッチパネル入力部4の手書き文字入力エリア5に所定の分解能を有する密度でマトリックス状に配設された接触検知センサ群の検知信号(以下、接触検知信号と呼ぶ)を基に描画データ71を生成する処理を実現する。尚、この描画データ71は、上記各接触検知センサの出力値に応じて生成され、ドット画像の集合からなる2値画像データに変換される。従って、以下、各接触検知センサ出力に対応して生成される、各ドット画像データの表す値を「画素値」と表現する。
【0040】
また、プログラム41cは、制御部40に、余白検出部40cとして、描画データ71の左右方向に沿ったライン毎の画素値を基に行データ73、上余白、及び下余白を検出特定する処理を実現する。また、余白検出部40cは、描画データ71中に複数の行データ73が抽出した場合、複数の行データ73の行間を特定する処理を行う。また、余白検出部40cは、描画データ71の上下方向に沿ったライン毎の画素値を基に、前余白、後余白、及び行データ73を特定する処理を行う。
【0041】
また、プログラム41cは、制御部40に、整列処理部40dとして、例えば、描画データ71から複数の行データ73及び行間が抽出された場合に、複数の行データ73を印字テープであるテープ部材31の搬送方向に沿うように横方向に並列に整列する処理を実現する。また、整列処理部40dは、整列された複数の行データ73の間に余白を設ける処理を行う。
【0042】
また、プログラム41cは、制御部40に、印字データ生成部40eとして、上余白及び下余白が規定値よりも広い場合に、描画データ71から上余白及び下余白を削除し、行データ73を印字テープであるテープ部材31のテープ幅に対応して拡大又は縮小するサイズ変換を行い印字データ72を生成する処理を実現する。制御部40は、規定値として、上余白及び下余白を削除しない場合と比較して、上余白及び下余白を削除して印字した際に視認性が良好となるような値、例えば手書き文字入力エリア5の上下幅の約10%程度に設定する。また、この規定値は、テープ幅に基づいて決定してもよく、詳細には、テープ幅が狭いほど小さい値に設定することで、テープ部材31のテープ幅が狭いほど、上余白及び下余白を削除しやすくなる。
【0043】
また、プログラム41cは、制御部40に、印字処理部40fとして、複数の行データ73が整列した印字データ72を基に、印刷手段としてのヘッド駆動回路51及びサーマルヘッド11を制御して印字処理を実現する。
【0044】
印字装置1は、制御部40がヘッド駆動回路51、搬送用モータ駆動回路52、及び、カッターモータ駆動回路53等を制御することにより、手書き入力文字や文字列をテープ部材31に印字し、そのテープ部材31を所定位置で切断することでラベルを作成することができる。
【0045】
次に、本発明の実施形態に係る印字装置1のラベルを作成する印字処理の動作について、図を用いて詳細に説明する。図5は、本発明の実施形態に係る印字装置1による印字処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【0046】
印字装置1において、ユーザの操作により、モード設定の中からラベル作成モードを選択したことを示す信号がタッチパネル入力部4から入力されると、制御部40は、ラベル作成モードとして各種処理を実行する。
【0047】
制御部40は、テープ幅検出処理部40aを実行することにより、テープ幅検出スイッチ16の状態を示す信号に基づいて、テープ部材31のテープ幅等の種類を判別して、印字テープであるテープ部材31の幅を検出する処理を行い(ステップS101)、検出したテープ幅に関するデータをRAM42のワークメモリ42cに記憶する。
【0048】
タッチパネル表示部3及びタッチパネル入力部4では、図2(a)、図2(b)に示すように、ソフトウェアキーボード入力モード、又は、手書き入力モードが選択可能となっている。
【0049】
次に、制御部40は、ユーザの操作により、ソフトウェアキーボード入力モード、又は、手書き入力モードを選択する信号がタッチパネル入力部4から入力されると、その信号に基づいて入力モードを設定する。本実施形態では、手書き入力モードが選択された場合を説明する。
【0050】
制御部40は、タッチパネル入力部4の手書き文字入力エリア5における手書き入力を検出する処理を行う(ステップS105)。詳細には、ユーザがスタイラスペン等のタッチペン64を操作することにより、図2(b)に示すように、タッチパネル入力部4の手書き文字入力エリア5に文字やメッセージが手書き入力されると、制御部40は、描画データ生成部40bを実行することにより、タッチパネル入力部4からの信号に基づいて手書き入力を検出し、タッチパネル入力部4からの信号により手書き文字入力エリア5内の接触検知信号を基に描画データ71を生成し、描画データ71をRAM42のワークエリアであるワークメモリ42cに記憶する(ステップS110)。
【0051】
この手書き文字入力エリア5は、予め横Wドット、縦Hドットに設定されている。本実施形態では、タッチパネル表示部3及びタッチパネル入力部4は、横の長さが76mm、縦の長さが51mm程度であり、画素数としては横240ドット、縦160ドットに設定されている。手書き文字入力エリア5の大きさは、横の長さが70mm、縦の長さ30mm程度であり、分解能としては横220ドット、縦95ドット程度に設定されている。
【0052】
次に、制御部40は、描画データ71から行データ73、上余白、下余白などを特定する等の処理を行った後、後述するように、前余白、及び後余白が規定値より大きい場合、この前余白、及び後余白を削除する処理等を行い、行データ73を印字テープであるテープ部材31のテープ幅に対応して拡大又は縮小するサイズ変換を行い印字データ72を生成する印字データ生成処理を行う(ステップS115)。このステップS115の処理の詳細については後述する。
【0053】
次に、制御部40は、印字データ72をRAM42の印字データメモリ領域42aに記憶して(ステップS120)、その印字データ72を基に印字処理を行う(ステップS125)。
【0054】
図6は、本発明の実施形態に係る印字装置による印字データ生成処理の一例を示すフローチャートである。図7は、印字装置1によるラベルを作成する処理の手順の一例を示す図である。ステップS115の印字データ生成処理について、図6、図7を参照しながら説明する。
【0055】
ステップS201において、制御部40は、図7(a)に示すように、タッチパネル入力部4の横Wドット×縦Hドットの手書き文字入力エリア5から抽出された描画データ71について、全ラインスキャンを行う。全ラインスキャンとは、図7(b)、図7(c)に示すように、描画データ71において、左右方向に沿った1ライン毎に画素値が「0」であるか「1」であるかを特定し、上端から下端のラインへ順に、全てのラインについて同様な処理を行うことである。本実施形態では、描画データ71の左上を始点に、左から右に1ライン毎に画素値「0」または「1」であるかを確認する処理を下端のラインまで行う。
【0056】
尚、本実施形態では、描画データ71の各画素(ドット)は、「0」又は「1」の画素値を有するが、この形態に限られるものではない。例えば、各画素の画素値として、「0」と「255」など任意の値をとるように設定してもよい。その際、文字部分と、背景としての余白部分と、を区別するために閾値を規定しておき、画素値が閾値以上の場合に文字部分、閾値より小さい場合に余白部分とする。
【0057】
次に、図6、図7(d)に示したように、制御部40は、余白検出部40cを実行することにより、描画データ71のうち左右方向に沿ったライン毎の画素値を基に、上余白74a、下余白74c、行データ73等を特定する処理を行う(ステップS205)。
【0058】
詳細には、制御部40は、図7(d)に示すように、画素値「0」のラインが最上段から連続して複数ラインだけ続くエリアを上余白74aとし、1ライン内に画素値が「1」以上のラインが連続して複数続くエリアを行データ73とする。また、制御部40は、複数の行データ73a、73bが検出された場合、複数の行データ73a、73bの間のエリアを行間74bとする。また、制御部40は、行データ73(73b)の次のラインから、画素値「0」のラインが最下段ラインまで連続して複数ライン続いた場合に、そのエリアを下余白74cとする。本実施形態では、図7(d)に示したように、2つの行データ73a、73bが特定され、この行データ73aは縦幅h1ドットであり、行データ73bは縦幅h2ドットである。
【0059】
次に、図6に示したステップS205の処理である上余白74a、下余白74c、行データ73等の特定処理について、図8を参照しながら詳細に説明する。
【0060】
ステップS301において、図8に示すように、制御部40は、描画データ71の画素値に基づいて、上余白条件を満たすか否かを判別する。詳細には、制御部40は、描画データ71の左右方向に沿ったライン毎の画素値に基づいて、画素値「0」のラインが最上段のラインから連続して複数ライン続いた場合に、上余白条件を満たすと判別し、その上余白条件を満たすエリアを上余白74aと特定して(ステップS305)、ステップS310の処理に進む。また、ステップS301において、上余白条件を満たしていない場合には、ステップS310の処理に進む。
【0061】
次に、制御部40は、行間余白の有無を確認する(ステップS310)。詳細には、制御部40は、描画データ71の左右方向に沿ったライン毎の画素値に基づいて、画素値「1」以上のラインが連続して複数ラインだけ続く行データ73を検出し、複数の行データ73が検出された場合には、その行数と、複数の行データ73の間の行間余白を行間74bと特定して(ステップS315)、ステップS320の処理に進む。また、制御部40は、ステップS310の処理において、1つの行データ73のみ検出され、行間余白が検出されない場合にステップS320の処理に進む。
【0062】
次に、制御部40は、下余白条件を満たすか否かを判別する(ステップS320)、詳細には、制御部40は、描画データ71の左右方向に沿ったライン毎の画素値に基づいて、画素値「0」のラインが最終ラインである最下段のラインまで連続して複数続いた場合に、下余白条件を満たすと判別して、そのエリアを下余白74cと特定し(ステップS325)、図6に示したステップS210の処理に進む。また、ステップS320の処理において、下余白条件を満たしていない場合には、図6に示したステップS210の処理に進む。
【0063】
ステップS210において、制御部40は、余白検出部40cを実行することにより、描画データ71の上下方向に沿ったライン毎の画素値を基に、前余白、後余白、及び行データ73を特定する処理を行う。
【0064】
図9は、印字装置1によるラベルを作成する処理の手順の一例を示す図である。図9(a)に示すように、制御部40は、描画データ71において行データ73として認識されたエリアについて、縦1ライン毎に各ライン内の画素値が「0」または「1」以上であるかを確認する処理を、左端から順に右端のラインまで行う。
【0065】
制御部40は、図9(b)に示すように、画素値「0」のラインが左端ラインから連続して複数ラインだけ続いた場合、左端ラインから画素値「1」以上のラインまでの間のエリアを前余白74d、描画データ71の画素値「0」のラインが連続して右端まで続くエリアを、その行の後余白74eとして特定する。本実施形態では、制御部40は、図9(b)に示すように、2つの行データ73a、73bのうち、1番目の行データ73aの横幅はw1ドットであり、2番目の行データ73bの横幅はw2ドットであると特定する。
【0066】
図10は、本発明の実施形態に係る印字装置による前余白74d、後余白74e、及び行データ73の特定処理の一例を示すフローチャートである。図6に示したステップS210の処理について、図10を参照しながら説明する。
【0067】
ステップS401において、制御部40は、描画データ71の画素値に基づいて、前余白条件を満たすか否かを判別する。詳細には、制御部40は、描画データ71の上下方向に沿ったライン毎の画素値を基に、例えば行データ73毎に、画素値「0」のラインが左端ラインから連続して複数ライン続いた場合に、前余白条件を満たすと判別し、前余白条件を満たすエリアを前余白74dであると特定して(ステップS405)、ステップS410の処理に進む。また、ステップS401において、前余白条件を満たさない場合には、ステップS410の処理に進む。
【0068】
次に、制御部40は、後余白条件を満たすか否かを判別する(ステップS410)。詳細には、制御部40は、描画データ71の左右方向に沿ったライン毎の画素値に基づいて、画素値「0」のラインが右端ラインまで連続して複数ライン続いた場合に後余白条件を満たすと判別し、後余白条件を満たすエリアを後余白とし(ステップS415)、図6に示したステップS215の処理に進む。
【0069】
図6に示したように、ステップS215において、制御部40は、上余白74a、下余白74cが規定値より広い場合に、描画データ71から上余白74a、及び下余白74cを削除する処理を行い、さらに必要に応じて前余白74d、及び後余白74eを削除する処理を行う。
【0070】
次に、ステップS220において、制御部40は、描画データ71から複数の行データ73を抽出したか否かを判別し、描画データ71から複数の行データ73が抽出されずに、1つの行データ73を抽出したと判別した場合、抽出した行データ73を、テープ部材31のテープ幅に合うようにサイズを変換する処理を行うことで印字データ72を生成し(ステップS223)、図5に示すステップS120の処理に進む。
【0071】
また、図6に示したステップS220において、制御部40は、描画データ71から複数の行データ73を抽出したと判別した場合、整列処理部40dを実行することにより、複数の行データ73を、印字テープであるテープ部材31の搬送方向に沿うように整列する処理を行う(ステップS225)。
【0072】
図11は、印字装置1によるラベルを作成する処理の手順の一例を示す図である。図6に示したステップS225において、整列処理部40dは、図11(a)に示すように、複数の行データ73a、73bを印字テープの搬送方向に沿うように整列する処理を行う。具体的には、描画データ71から複数の行データ73a、73bが抽出された場合に、上位の行データ73aの右に隣接して、下位の行データ73bを配置する。本実施形態の印字装置1では、複数の行データ73a、73bを右方向に順に整列したが、この形態に限られるものではなく、例えば、複数の行データ73a、73bを右方向又は左方向に整列するように切替え可能としてもよい。
【0073】
次に、図6に示したステップS230において、制御部40は複数の行データ73a、73bそれぞれについて、印字テープであるテープ部材31の幅に対応したサイズの印字データ72に変換する処理を行う。詳細には、図11(b)に示すように、各行データ73の縦の長さがテープ部材31の幅程度となるように、サイズ変換処理を行う。
【0074】
次に、図6に示したステップS235において、制御部40は、必要に応じて整列処理部40dを実行することにより、図11(b)に示したように、複数の行データ73の間に一定量の余白75を設ける処理等を行うことで、複数の行データ73の間隔の調整を行う処理を実行して印字データ72を生成する。尚、制御部40は、行間余白である余白75として、ユーザ操作によるタッチパネル入力部4からの信号により、余白の大きさを調整可能としてもよい。
【0075】
尚、ステップS220において、制御部40は、複数の行データ73を抽出したか否かを判別し、複数の行データ73を抽出した場合に自動的に所定の整列処理(ステップS225)を行ったが、この形態に限られるものではない。例えば、制御部40は、描画データ71から複数の行データ73を抽出した場合であっても、描画データ71から余白が削除された複数の行データ73を整列させずにそのままテープ幅に合わせてサイズ変更して印刷するか、又は、複数の行データ73を整列させる処理(ステップS225)等を行って印刷するかを選択可能な選択画面を、それぞれの印字イメージとともにタッチパネル表示部3に表示させ、タッチパネル入力部4からユーザによる上記選択を示す信号を受けて、その信号に応じた所定の処理を行うにしてもよい。
【0076】
そして、上述した図5に示したステップS120の処理に進み、制御部40は、上記処理により生成された印字データ72を印字データメモリ領域42aに格納する。
【0077】
次に、図5に示したステップS125において、制御部40は、印字処理部40fを実行することにより、図11(c)に示すように、印字データメモリ領域42aに格納された印字データ72に基づいて、印字手段であるサーマルヘッド11等を制御することで、印字テープであるテープ部材31に印字を行う。
【0078】
以上、説明したように、本発明の実施形態では、印字装置1が、テープ幅検出スイッチ16からの信号を基に、印字テープであるテープ部材31のテープ幅を検出する処理を行うテープ幅検出処理部40aと、タッチパネルに接触して手書き入力することによって、タッチパネルとしてのタッチパネル入力部4の手書き文字入力エリア5から供給される接触検知信号を基に描画データ71を生成する描画データ生成部40bと、描画データ71のうち左右方向に沿ったライン毎の画素値を基に、行データ73、上余白74a、下余白74cを検出特定する処理を行う余白検出部40cと、上余白74a及び下余白74cが規定値よりも広い場合に、描画データ71から上余白74a及び下余白74cを削除し、行データ73を印字テープであるテープ部材31のテープ幅に対応して拡大又は縮小するサイズ変換を行い印字データ72を生成する印字データ生成部40eと、印字データ72を基に印字処理を行う印字処理部40fと、を有する。
【0079】
すなわち、装置内にテープ幅の狭い印字テープであるテープ部材31がセットされ、ユーザにより手書き文字入力エリア5内の狭い範囲に手書き入力が行われた場合であっても、簡単な処理により短時間に、高い視認性の印字をテープ部材31に行うことができる印字装置1、その印字装置1の印字方法、その印字装置1の印字方法をコンピュータに実現させるためのプログラム41cを提供することができる。
【0080】
また、本発明の実施形態では、印字装置1の余白検出部40cは、描画データ71の上下方向に沿ったライン毎の画素値に基づいて、行データ73の前余白74d及び後余白74eを特定する処理を行い、印字データ生成部40eは、描画データ71から前余白74d及び後余白74eを削除して印字データ72を生成する処理を行うので、印字時、テープ部材31のテープ搬送方向に沿った余分な長さ部分を低減することができる印字装置1、その印字装置1の印字方法、その印字装置1の印字方法をコンピュータに実現させるためのプログラム41cを提供することができる。
【0081】
また、本発明の実施形態では、印字装置1は、余白検出部40cが描画データ71の左右方向に沿ったライン毎の画素値を基に、描画データ71から複数の行データ73及び行間74bを特定した場合、複数の行データ73を横方向に並列に整列する整列処理部40dをさらに有するので、ユーザにより手書き文字入力エリア5内に複数行の手書き入力が行われた場合であっても、テープ部材31に高い視認性の印字を行うことができる印字装置1、その印字装置1の印字方法、その印字装置1の印字方法を実現させるためのプログラム41cを提供することができる。
【0082】
例えば、比較例に係る装置では、幅の狭いテープ部材31が装置内にセットされ、タッチパネル入力部4の手書き文字入力エリア5に複数行の手書き入力が行われたとき、図12に示すように、テープ部材31のテープ幅に合わせて単純に縮小印刷してしまい、文字が小さく、視認性が低下する場合があった。本発明に係る印字装置1では、上述した処理を行うので、図11(c)に示すように、幅の狭いテープ部材31に複数の行データ73a、73bを並べて整列することで高い視認性の印字を行うことができる。
【0083】
また、本発明の実施形態によれば、整列処理部40dは、整列された複数の行データ73の間に余白75を設ける処理を行うので、例えば、複数の行データ73を隙間なく単純に整列した場合と比較して、高い視認性の印字を行うことが可能な印字装置1、その印字装置1の印字方法、その印字装置1の印字方法を実現させるためのプログラム41cを提供することができる。また、上記余白75の大きさは、ユーザにより調整可能となるように構成されていてもよい。
【0084】
さらに、本発明の実施形態におけるフローチャートに示した処理は、コンピュータに実現させることのできるプログラム41cとして、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に書き込んだ状態で各種装置に適用する、或いは、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。このように所望の記憶媒体に本実施形態で述べた各処理を記憶させ、他のコンピュータ等でプログラム41cを実行させることにより、本実施形態の装置を用いた場合と同様の作用効果が得られる。なお、コンピュータは、本実施形態で述べた装置に内蔵されたコンピュータに限定されるわけではなく、記憶媒体に記憶されたプログラム41cを読み取り可能であって、読み取った印字制御プログラムに従って制御動作を行うCPU等の演算装置を備えているあらゆるコンピュータを含む。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0086】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 印字テープに印字する印字装置であって、
タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する描画データ生成部と、
前記描画データを基に手書き入力された行データ、および、入力のない余白データを検出特定する余白検出部と、
前記描画データから前記余白データを削除し、前記行データを前記印字テープに対応してサイズ変換を行い印字データを生成する印字データ生成部と、
前記印字データを基に印字処理を行う印字処理部と、
を有することを特徴とする印字装置。
[2] 前記余白検出部は、前記描画データに基づいて、前記行データの上余白及び下余白を特定する処理を行い、
前記印字データ生成部は、前記描画データから前記上余白及び下余白を削除する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
[3] 前記余白検出部は、前記描画データに基づいて、前記行データの前余白及び後余白を特定する処理を行い、
前記印字データ生成部は、前記描画データから前記前余白及び後余白を削除する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
[4] 前記描画データから複数の前記行データ及び行間が特定された場合、前記複数の行データを横方向に並列に整列する整列処理部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の印字装置。
[5] 印字テープに印字する印字装置であって、
タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する描画データ生成部と、
前記描画データから複数行の描画パターンが特定された場合、前記描画パターンを単行に整列して前記印字テープに印字する印字処理部を有することを特徴とする印字装置。
[6] 印字テープに印字する印字装置の印字方法であって、
タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する処理と、
前記描画データを基に手書き入力された行データ、および入力のない余白データを検出特定する処理と、
前記描画データから前記余白データを削除し、前記行データを前記印字テープに対応してサイズ変換を行い印字データを生成する処理と、
前記印字データを基に印字する処理と、
を有することを特徴とする印字方法。
[7] 前記行データを特定する際に、前記描画データに基づいて、前記行データの上余白及び下余白を特定する処理を行った後、前記描画データから前記上余白及び下余白を削除する処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の印字方法。
[8] 前記行データを特定する際に、前記描画データに基づいて、前記行データの前余白及び後余白を特定する処理を行った後、前記描画データから前記前余白及び後余白を削除する処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の印字方法。
[9] 前記描画データから複数の前記行データ及び行間が特定された場合、前記複数の行データを横方向に並列に整列する処理を行うことを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載の印字方法。
[10] 文字を印字テープに印字する印字装置の印字方法をコンピュータに実現させるためのプログラムであって、
タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する処理と、
前記描画データを基に手書き入力された行データ、および入力のない余白データを検出特定する処理と、
前記描画データから前記余白データを削除し、前記行データを前記印字テープに対応してサイズ変換を行い印字データを生成する処理と、
前記印字データを基に印字する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
[11] 前記行データを特定する際に、前記描画データに基づいて、前記行データの上余白及び下余白を特定する処理を行った後、前記描画データから前記上余白及び下余白を削除する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
[12] 前記行データを特定する際に、前記描画データに基づいて、前記行データの前余白及び後余白を特定する処理を行った後、前記描画データから前記前余白及び後余白を削除する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0087】
1 印字装置 2 筐体
3 タッチパネル表示部 3a キーボード領域
3b 文字編集領域
4 タッチパネル入力部 5 手書き文字入力エリア
6 キー領域 7 テープ繰出部
8 カセット装填部 11 サーマルヘッド(印字手段)
12 プラテンローラ 13 リボン巻取軸
15 カセット受部 16 テープ幅検出スイッチ
17 フルカット機構 18 ハーフカット機構
21 テープカセット 22 カセットケース
23 テープコア 24 リボン供給コア
25 リボン巻取コア 27 ヘッド配置部
29 被係合部 31 テープ部材(印字テープ)
35 インクリボン 40 制御部(CPU)
40a テープ幅検出処理部 40b 描画データ生成部
40c 余白検出部 40d 整列処理部
40e 印字データ生成部 40f 印字処理部
41 ROM
41a 表示用CG(キャラクタージェネレータ)
41b 印字用CG(キャラクタージェネレータ)
41c プログラム
42 RAM 42a 印字データメモリ領域
42b 表示データメモリ領域 42c ワークメモリ
45 テープ印字機構 46 搬送用モータ(ステップモータ)
48 カッターモータ 51 ヘッド駆動回路
52搬送用モータ駆動回路(ステップモータ駆動回路)
53 カッターモータ駆動回路 63 タッチパネル表示部駆動回路
64 タッチペン(スタイラスペン)
71 描画データ 72 印字データ
73、73a、73b 行データ 74a 上余白
74b 行間 74c 下余白
74d 前余白 74e 後余白
75 余白(行間余白)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字テープに印字する印字装置であって、
タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する描画データ生成部と、
前記描画データを基に手書き入力された行データ、および、入力のない余白データを検出特定する余白検出部と、
前記描画データから前記余白データを削除し、前記行データを前記印字テープに対応してサイズ変換を行い印字データを生成する印字データ生成部と、
前記印字データを基に印字処理を行う印字処理部と、
を有することを特徴とする印字装置。
【請求項2】
前記余白検出部は、前記描画データに基づいて、前記行データの上余白及び下余白を特定する処理を行い、
前記印字データ生成部は、前記描画データから前記上余白及び下余白を削除する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
【請求項3】
前記余白検出部は、前記描画データに基づいて、前記行データの前余白及び後余白を特定する処理を行い、
前記印字データ生成部は、前記描画データから前記前余白及び後余白を削除する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
【請求項4】
前記描画データから複数の前記行データ及び行間が特定された場合、前記複数の行データを横方向に並列に整列する整列処理部をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の印字装置。
【請求項5】
印字テープに印字する印字装置であって、
タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する描画データ生成部と、
前記描画データから複数行の描画パターンが特定された場合、前記描画パターンを単行に整列して前記印字テープに印字する印字処理部を有することを特徴とする印字装置。
【請求項6】
印字テープに印字する印字装置の印字方法であって、
タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する処理と、
前記描画データを基に手書き入力された行データ、および入力のない余白データを検出特定する処理と、
前記描画データから前記余白データを削除し、前記行データを前記印字テープに対応してサイズ変換を行い印字データを生成する処理と、
前記印字データを基に印字する処理と、
を有することを特徴とする印字方法。
【請求項7】
前記行データを特定する際に、前記描画データに基づいて、前記行データの上余白及び下余白を特定する処理を行った後、前記描画データから前記上余白及び下余白を削除する処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の印字方法。
【請求項8】
前記行データを特定する際に、前記描画データに基づいて、前記行データの前余白及び後余白を特定する処理を行った後、前記描画データから前記前余白及び後余白を削除する処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の印字方法。
【請求項9】
前記描画データから複数の前記行データ及び行間が特定された場合、前記複数の行データを横方向に並列に整列する処理を行うことを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載の印字方法。
【請求項10】
文字を印字テープに印字する印字装置の印字方法をコンピュータに実現させるためのプログラムであって、
タッチパネルに接触して手書き入力することによって前記タッチパネルから供給される接触検知信号を基に描画データを生成する処理と、
前記描画データを基に手書き入力された行データ、および入力のない余白データを検出特定する処理と、
前記描画データから前記余白データを削除し、前記行データを前記印字テープに対応してサイズ変換を行い印字データを生成する処理と、
前記印字データを基に印字する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
前記行データを特定する際に、前記描画データに基づいて、前記行データの上余白及び下余白を特定する処理を行った後、前記描画データから前記上余白及び下余白を削除する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記行データを特定する際に、前記描画データに基づいて、前記行データの前余白及び後余白を特定する処理を行った後、前記描画データから前記前余白及び後余白を削除する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項10に記載のプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−63618(P2013−63618A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204488(P2011−204488)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】