説明

印字貼付装置

【課題】本発明は、複雑な計算や通信モニタ、オシロスコープ等の専用の測定装置を用意せずに処理能力の計測を行うことができる印字貼付装置を提供することを課題とする。
【解決手段】CPU32による印字データ受信動作、印字制御部34の制御による印字発行動作および貼付制御部35の制御による貼付動作の動作時間を計測して出力する計測部37を設ける。また、一定時間間隔でカウントするカウント部36を設け、計測部37は、印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作が開始および終了されたそれぞれのタイミングでカウント部のカウント値を書き出し、書き出したカウント値に基づいて、印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作の動作時間を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホストから印字データを受信する印字データ受信動作と、受信した印字データをラベルに印字して発行する印字発行動作と、発行したラベルを荷物等の被貼付物に貼付する貼付動作とを行う印字貼付装置に関し、特にコンベア上を搬送される被貼付物に発行したラベルを貼付する印字貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルに印字を施して発行する印字発行手段と、コンベア上を搬送される被貼付物に貼付する貼付手段とを備えた印字貼付装置において、被貼付物の到着時間を演算で求めることで、印字発行手段による印字開始タイミングと貼付手段の動作タイミングとを制御し、印字開始後ラベルを貼付するまでの間にラベルを待機させることなくラベルを被貼付物に貼付させ、処理能力を向上させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような装置を実際に運用する場合には、印字発行手段による印字開始タイミングと貼付手段の動作タイミングとを決定するために、印字発行手段による印字動作時間および貼付手段の貼付動作時間、すなわち印字貼付装置の処理能力を確認する必要がある。
【0003】
また、印字貼付装置の処理能力は、毎分当たりの処理個数や1日当たりの処理ケース数といった工場や物流ラインの処理能力を求められており、工場や物流ラインの処理能力に対応することができるのか、また、どの程度の時間的余裕があるのかを判断するために、印字貼付装置の処理能力を確認する必要がある。
【0004】
従来、印字貼付装置の処理能力を確認するためには、ホストとの通信速度やラベルへの印字速度、貼付動作のシリンダ速度等をそれぞれ計算で求めるか、装置内部の信号をオシロスコープ等の測定装置を使って測定している。
【0005】
しかしながら、従来技術のように、計算で処理能力を求める場合には、外部インターフェース(外部I/F)の多様化や多種類の動作モードの搭載等に起因して動作時間にかかわる変数が変動し、単純計算で求めることが困難であると共に、測定装置を使った測定で処理能力を求める場合には、例えば印字データの通信では、外部I/FがRS232CかLANかで異なった通信モニタ等を用意する必要があり、通信データはラベルを1枚都度送るか一括して複数分送るかといった条件で通信時間の測定条件が異なったものになると共に、測定する範囲もデータ受信から貼付完了までの場合か、印字開始から貼付完了、吸着状態から貼り付け動作までの場合か等で測定条件が様々に異なり、複数の異なる測定装置を用意したり、測定箇所をその都度設定したりしなければならず、測定に多大な労力を費やさなければならないという問題点があった。
【0006】
【特許文献1】特開2004−131104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複雑な計算や通信モニタ、オシロスコープ等の専用の測定装置を用意せずに処理能力の計測を行うことができる印字貼付装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、ホストから印字データを受信する印字データ受信動作と、受信した印字データをラベルに印字して発行する印字発行動作と、発行した前記ラベルを被貼付物に貼付する貼付動作とを行う印字貼付装置であって、前記印字データ受信動作、前記印字発行動作および前記貼付動作の動作時間を計測して出力する計測手段を具備することを特徴とする印字貼付装置に存する。
また請求項2記載の発明の要旨は、一定時間間隔でカウントするカウント手段を具備し、
前記計測手段は、前記印字データ受信動作、前記印字発行動作および前記貼付動作が開始および終了されたそれぞれのタイミングで前記カウント手段のカウント値を書き出し、書き出したカウント値に基づいて、前記印字データ受信動作、前記印字発行動作および前記貼付動作の動作時間を計測することを特徴とする請求項1記載の印字貼付装置に存する。
また請求項3記載の発明の要旨は、前記計測手段は、計測結果を前記印字発行動作によって前記ラベルに出力させることを特徴とする請求項1又は2記載の印字貼付装置に存する。
また請求項4記載の発明の要旨は、前記計測手段は、前記印字データ受信動作の開始から前記貼付動作の終了までの動作時間と、前記印字発行動作の開始から前記貼付動作の終了までの動作時間とを計測して出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印字貼付装置に存する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の印字貼付装置は、印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作の動作時間を計測して出力する計測手段を設けることにより、複雑な計算や通信モニタ、オシロスコープ等の専用の測定装置を用意せずに印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作の動作時間を計測し、処理能力の計測を行うことができるため、装置を組み込んだコンベアシステムの処理能力が予想よりも劣るような場合に、処理に長時間を要している箇所各動作を簡単に調査して調整することができると共に、装置を組み込んだコンベアシステムの調整を簡単に行うことができるという効果を奏する。
【0010】
さらに、本発明の印字貼付装置は、一定時間間隔でカウントするカウント手段を設け、計測手段によって、印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作が開始および終了されたそれぞれのタイミングでカウント部のカウント値を書き出し、書き出したカウント値に基づいて、印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作の動作時間を計測するように構成することにより、実際の各動作に基づいて動作時間を正確に計測することができるため、装置を投入したコンベアラインの最適化の効果を容易に把握することができるという効果を奏する。
【0011】
さらに、本発明の印字貼付装置は、計測手段の計測結果を印字発行手段によってラベルに出力させるように構成することにより、表示手段の表示領域に左右されることなく、必要な計測結果を出力させることができるという効果を奏する。
【0012】
さらに、本発明の印字貼付装置は、計測手段によって、印字データ受信動作の開始から貼付動作の終了までの動作時間と、印字発行動作の開始から貼付動作の終了までの動作時間とを計測して出力するように構成することにより、ホストから制御部に1アイテム、すなわち印字して貼付するラベル毎に印字データを送信するように制御する場合の処理能力と、ホストから制御部に複数アイテムの印字データをまとめて送信するように制御する場合の処理能力とを比較して簡単に把握することができ、装置を組み込んだコンベアシステムの調整を簡単に行うという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る印字貼付装置の実施の形態の使用例を示す構成図であり、図2は、本発明に係る印字貼付装置の実施の形態の構成を示す構成図であり、図3は、図2に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【0015】
本実施の形態の印字貼付装置1は、図1を参照すると、パーソナルコンピュータ等のホスト2から印字データを受信する印字データ受信動作と、受信した印字データをラベル3に印字して発行する印字発行動作と、発行したラベル3を荷物等の被貼付物5に貼付する貼付動作とを行う装置であり、コンベア4の印字貼付装置1よりも上流側に配設された被貼付物検出センサ6によって、被貼付物5が検出されると、ホスト2から印字データが送信され、印字貼付装置1によって、印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作が実行され、コンベア4によって搬送されてくる被貼付物5に印字データが印字されたラベル3が貼付される。
【0016】
印字貼付装置1の処理能力については毎分当たりの処理個数や1日当たりの処理ケース数といった工場や物流ラインの処理能力を求められており、印字貼付装置1の処理能力、すなわち単位時間当たり何枚のラベル3を印字発行して貼付することができるかを判断する必要がある。そこで、本実施の形態の印字貼付装置1では、印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作を実際に実行して、各動作時間を計測する計測モードが設けられており、各動作時間の計測結果から処理能力を判断することができるようになっている。
【0017】
印字貼付装置1は、図2を参照すると、印字発行動作を実行する印字発行部10と、貼付動作を実行する貼付部20と、印字発行部10および貼付部20を制御する制御部30と、入力部40と、液晶ディスプレイ等の表示部41と、入力部40および表示部41と制御部30とを接続するインターフェース(I/F)42と、外部機器であるホスト2と制御部30とを接続する外部インターフェース(外部I/F)43とを備えている。
【0018】
印字発行部10は、ラベル3が帯状台紙7に間隔を置いて仮着されたラベル連続体8を回転可能に保持する供給軸11と、図示しないモータによって回転駆動されるプラテンローラ12と、複数の発熱体がプラテンローラ12に対向する面に形成されているサーマルヘッド13と、先端が鋭角に形成され剥離板14と、ラベル3が剥離された帯状台紙7を巻き取る台紙巻取軸15とを備えている。供給軸11から繰り出されたラベル連続体8は、プラテンローラ12とサーマルヘッド13とで挟持搬送されると共に、ホスト2から受信された印字データに基づいてサーマルヘッド13に形成された複数の発熱体を選択的に発熱させ、ラベル3に印字を行うと共に、剥離板14でラベル3が帯状台紙7から剥離され、印字データが印字されたラベル3が発行される。なお、本実施の形態では、印字発行部10として熱転写方式を採用したが、インクジェット方式等の他の印字方式を採用しても良く、また、ラベル連続体8としてラベル3のみが連続して形成された、所謂台紙なしラベルを採用するようにして良い。
【0019】
貼付部20は、印字発行部10から印字発行されたラベル3を吸引保持する吸着板21と、吸着板21を支持するロッド22と、ロッド22を伸縮させることで、コンベア4上を搬送される被貼付物5に向けて吸着板21を進退させるシリンダ23とを備えている。吸着板21は、図示しない真空装置に連通されており、真空装置の吸引作用により印字発行部10から印字発行されたラベル3を吸引保持する。次に、シリンダ23を駆動することでコンベア4上を搬送される被貼付物5の近傍まで吸着板21を移動させると共に、真空装置により吸着板21からエアー噴射させて、吸着板21に吸引保持していたラベル3をコンベア4上の被貼付物5に向けて吹き飛ばし、コンベア4上を搬送される被貼付物5にラベル3を貼付する。なお、本実施の形態では、貼付部20としてエアー噴射によってラベル3を貼付する方式を採用したが、ラベル3をシリンダ23で圧着して貼り付ける方式や、コンベア4上を搬送される被貼付物5上にラベル3を繰り出して圧接ローラで貼付する方式等の他の貼付方式を採用するようにしても良い。
【0020】
制御部30は、図3を参照すると、所定の制御プログラムとフォントデータとを記憶するROM(read only memory)31と、ROM31に記憶されている制御プログラムに従って動作し、各部を制御するCPU(central processing unit)32と、CPU32が動作する上で必要となる各種データを記憶するRAM(random access memory)33と、CPU32からの指示に基づいて、印字発行部10による印字発行動作を制御する印字制御部34と、貼付部20による貼付動作を制御する貼付制御部35と、電源投入により一定時間間隔(例えば1ms毎)でカウントするカウント部36と、CPU32によって制御される印字データ受信動作の開始時と終了時のカウント部36におけるそれぞれのカウント値、印字制御部34によって制御される印字発行動作の開始時と終了時のカウント部36におけるそれぞれのカウント値および貼付制御部35によって制御される貼付動作の開始時と終了時のカウント部36におけるそれぞれのカウント値を計測する計測部37と、計測部37によって計測されたカウント値が記憶されるカウント値記憶部38とを備えている。なお、カウント値記憶部38は、RAM33又はEEPROMに設けても良く適宜変更して構わない。
【0021】
次に、本実施の形態の計測動作について図4乃至図6を参照して詳細に説明する。
図4は、本発明に係る印字貼付装置の実施の形態の計測動作を説明するためのフローチャートであり、図5は、図2に示すカウント値記憶部に記憶されるカウント値を説明するための説明図であり、図6は、図3に示す計測部で計測された計測結果の出力例を示す図である。
【0022】
印字貼付装置1の電源が投入されると、カウント部36は、一定間隔でカウントを開始すると共に(ステップA1)、CPU32は、入力部40からの計測モード指示入力を監視しており(ステップA2)、入力部40からの計測モード指示入力をI/F42を介して受信すると、計測部37に各動作の計測を指示し、計測部37は、カウント値記憶部38への書き出しカウンタn1〜3および読み出しカウンタmに1をセットして(ステップA3)、計測を開始する。なお、カウント値記憶部38には、図5に示すように、各動作の開始時および終了時におけるカウント値が記憶される配列が設けられており、計測部37には、印字データ受信動作の開始時と終了時におけるそれぞれのカウント値を書き出す配列を指定する受信動作用書き出しカウンタnと、印字発行動作の開始時と終了時におけるそれぞれのカウント値を書き出す配列を指定する印字発行動作用書き出しカウンタnと、貼付動作の開始時と終了時におけるそれぞれのカウント値を書き出す配列を指定する貼付動作用書き出しカウンタnと、カウント値記憶部38からカウント値を読み出す配列を指定する読み出しカウンタmとが設けられている。
【0023】
計測部37は、CPU32によって制御される印字データ受信動作の開始を監視し(ステップA4)、CPU32によるホスト2からの印字データ受信動作が開始されると、印字データ受信動作が開始されたタイミングでカウント部36のカウント値を計測して、受信動作用書き出しカウンタnに基づいてカウント値記憶部38の「受信開始」欄のn列目に書き出す(ステップA5)。
【0024】
次に、計測部37は、CPU32によって制御される印字データ受信動作の終了を監視し(ステップA6)、CPU32によるホスト2からの印字データ受信動作が終了されると、印字データ受信動作が終了されたタイミングでカウント部36のカウント値を計測して、受信動作用書き出しカウンタnに基づいてカウント値記憶部38の「受信終了」欄のn列目に書き出す(ステップA7)。
【0025】
なお、CPU32は、受信した印字データに含まれる文字コードに対応するフォントデータをROM31から読み出し、ホスト2より送信されてきた印字データに対応するビットマップイメージデータをRAM33の描画領域に展開する印字イメージ編集動作を実行するが、印字イメージ編集動作は、印字データ受信動作に含めるようにしても良く、印字発行動作に含めるようにしても良く、さらに印字イメージ編集動作の開始時と終了時を単独で計測するようにしても良い。印字イメージ編集動作を印字データ受信動作に含める場合には、ステップA7で印字イメージ編集動作が終了されたタイミングでカウント部36のカウント値を計測して、カウント値記憶部38の「受信終了」欄のn列目に書き出すようにすると良い。
【0026】
次に、計測部37は、印字制御部34によって制御される印字発行動作の開始を監視し(ステップA8)、CPU32によってRAM33の描画領域に展開したビットマップイメージデータの印字が印字制御部34に指示され、印字発行動作が開始されると、印字発行動作が開始されたタイミング、すなわちCPU32によって印字制御部34に印字が指示されたタイミングでカウント部36のカウント値を計測して、印字発行動作用書き出しカウンタnに基づいてカウント値記憶部38の「印字開始」欄のn列目に書き出す(ステップA9)。なお、印字イメージ編集動作を印字発行動作に含める場合には、ステップA9で印字イメージ編集動作が開始されたタイミングでカウント部36のカウント値を計測して、カウント値記憶部38の「印字開始」欄のn列目に書き出すようにすると良い。
【0027】
次に、計測部37は、印字制御部34によって制御される印字発行動作の終了を監視し(ステップA10)、印字制御部34の制御に基づいて印字発行部10で実行される印字発行動作が終了すると、印字発行動作が終了されたタイミングでカウント部36のカウント値を計測して、印字発行動作用書き出しカウンタnに基づいてカウント値記憶部38の「印字終了」欄のn列目に書き出す(ステップA11)。なお、印字発行動作の終了のタイミングは、プラテンローラ12によるラベル連続体8の搬送量によって判断することができる。すなわち、印字制御部34は、CPU32によって印字が指示されと、供給軸11から繰り出されたラベル連続体8を、プラテンローラ12とサーマルヘッド13とで挟持搬送させると共に、RAM33の描画領域に展開されているビットマップイメージデータに基づいてサーマルヘッド13に形成された複数の発熱体を選択的に発熱させ、ラベル3に印字を行うと共に、剥離板14でラベル3を帯状台紙7から剥離させ、印字データが印字されたラベル3を発行させるが、ラベル連続体8の搬送量によって、ラベル3への印字が終了した第1タイミング、剥離板14でラベル3が剥離された第2タイミング、ラベル3が吸着板21によって吸引保持される位置まで排出された第3タイミングをそれぞれ判断することができ、第1タイミング、第2タイミングもしくは第3タイミングのいずれか、また、第1タイミングから第3タイミングの間のタイミングを印字発行動作の終了として設定することができる。また、ラベル3が発行されると、印字制御部34からCPU32に終了信号が送信されるが、印字制御部34からCPU32に終了信号が送信されるタイミングを印字発行動作の終了として設定しても良い。
【0028】
次に、計測部37は、貼付制御部35によって制御される貼付動作の開始を監視し(ステップA12)、CPU32によって貼付が貼付制御部35に指示され、貼付動作が開始されると、貼付動作が開始されたタイミング、すなわちCPU32によって貼付制御部35に貼付が指示されたタイミングでカウント部36のカウント値を計測して、貼付動作用書き出しカウンタnに基づいてカウント値記憶部38の「貼付開始」欄のn列目に書き出す(ステップA13)。
【0029】
次に、計測部37は、貼付制御部35によって制御される貼付動作の終了を監視し(ステップA14)、貼付制御部35の制御に基づいて貼付部20で実行される貼付動作が終了すると、貼付動作が終了されたタイミングでカウント部36のカウント値を計測して、貼付動作用書き出しカウンタnに基づいてカウント値記憶部38の「貼付終了」欄のn列目に書き出す(ステップA15)。なお、貼付動作の終了のタイミングは、吸着板21に吸引保持していたラベル3をコンベア4上の被貼付物5に向けて吹き飛ばすために、真空装置によって吸着板21からエアー噴射させるタイミングや、ラベル3が実際に被貼付物5に到達するまでの時間を勘案してエアー噴射から所定時間後のタイミングを設定することができる。
【0030】
次に、計測部37は、受信動作用書き出しカウンタnと、印字発行動作用書き出しカウンタnと、貼付動作用書き出しカウンタnとが最終配列か否かを判断し(ステップA16)、最終配列でない場合には、受信動作用書き出しカウンタnと、印字発行動作用書き出しカウンタnと、貼付動作用書き出しカウンタnとそれぞれインクリメントして(ステップA17)、ステップA4に戻り、次に実行される各動作の計測を行う。
【0031】
ステップA16で受信動作用書き出しカウンタnと、印字発行動作用書き出しカウンタnと、貼付動作用書き出しカウンタnとが最終配列である場合には、読み出しカウンタmを1から最終配列までインクリメントしながらカウント値記憶部38の1列目から最終列までのカウント値を読み出し、読み出したカウント値に基づいて印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作のそれぞれの動作時間を算出し(ステップA18)、算出した動作時間を計測結果として出力する(ステップA19)。なお、ステップA19での計測結果の出力は、表示部41に表示させるようにしても良いが、印字発行部10を用いてラベル3に印字して発行させるようにすると、表示部41の表示領域に左右されることなく、必要な計測結果を出力させることができ、好適である。
【0032】
本実施の形態では、ステップA18での動作時間の算出として、印字データ受信動作に費やされた通信時間(「通信終了」−「通信開始」)と、印字発行動作に費やされた印字時間(「印字終了」−「印字開始」)」と、貼付動作に費やされた貼付時間(「貼付終了」−「貼付開始」)」と、印字データ受信動作の開始から貼付動作の終了までの1アイテム時間(「貼付終了」−「通信開始」)」と、1アイテム時間に基づく単位時間当たりの処理量と、印字発行動作の開始から貼付動作の終了までの印字貼付時間(「貼付終了」−「印字開始」)と、印字貼付時間に基づく単位時間当たりの処理量とをそれぞれ算出するように構成されており、図6に示すような計測結果が出力される。なお、1アイテム時間は、ホスト2から制御部30に1アイテム、すなわち印字して貼付するラベル毎に印字データを送信するように制御する場合の処理能力の目安になり、印字貼付時間は、ホスト2から制御部30に複数アイテムの印字データをまとめて送信するように制御する場合の処理能力の目安になる。また、カウント値記憶部38において複数の配列が設定されている場合には、各動作時間の算出に際して、1つの欄に複数のカウント値が存在するが、平均、最小もしくは最大のカウント値のいずれを算出に用いるようにしても良く、ユーザが平均、最小もしくは最大のカウント値のいずれを算出に用いるように設定できるようにしても良い。
【0033】
また、本実施の形態では、ステップA16でn1〜3が最終配列である場合に、ステップA18およびステップA19を実行して計測動作を終了させるように構成したが、さらにステップA3に戻って、受信動作用書き出しカウンタnと、印字発行動作用書き出しカウンタnと、貼付動作用書き出しカウンタnとを1に戻し、計測動作を継続させるようにしても良い。なお、この場合には、受信動作用書き出しカウンタnと、印字発行動作用書き出しカウンタnと、貼付動作用書き出しカウンタnとが次に取る値が読み出しカウンタmの値と一致すると、読み出しカウンタmが加算されるまでのカウント値の保存は中止するように制御すると良い。
【0034】
さらに、印字貼付装置1の動作サイクルにかかわりなく、ホスト2から印字貼付装置1に印字データを送信する場合には、カウント値記憶部38における配列数を多く(4以上に)設定すると、蓄積されている印字データの印字を行う状態となり、通信時間は処理能力に影響を与えなくなるため、カウント値記憶部38における配列数を3にすると好適である。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態によれば、CPU32による印字データ受信動作、印字制御部34の制御による印字発行動作および貼付制御部35の制御による貼付動作の動作時間を計測して出力する計測部37を設けることにより、複雑な計算や通信モニタ、オシロスコープ等の専用の測定装置を用意せずに印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作の動作時間を計測し、処理能力の計測を行うことができるため、印字貼付装置1を組み込んだコンベアシステムの処理能力が予想よりも劣るような場合に、処理に長時間を要している箇所各動作を簡単に調査して調整することができると共に、印字貼付装置1を組み込んだコンベアシステムの調整を簡単に行うことができるという効果を奏する。
【0036】
さらに、本実施の形態によれば、一定時間間隔でカウントするカウント部36を設け、計測部37は、印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作が開始および終了されたそれぞれのタイミングでカウント部のカウント値を書き出し、書き出したカウント値に基づいて、印字データ受信動作、印字発行動作および貼付動作の動作時間を計測するように構成することにより、実際の各動作に基づいて動作時間を正確に計測することができるため、印字貼付装置1を投入したコンベアラインの最適化の効果を容易に把握することができるという効果を奏する。
【0037】
さらに、本実施の形態によれば、計測部37は、計測結果を印字発行部10によってラベル3に出力させるように構成することにより、表示部41の表示領域に左右されることなく、必要な計測結果を出力させることができるという効果を奏する。
【0038】
さらに、本実施の形態によれば、計測部37は、印字データ受信動作の開始から貼付動作の終了までの動作時間と、印字発行動作の開始から貼付動作の終了までの動作時間とを計測して出力するように構成することにより、ホスト2から制御部30に1アイテム、すなわち印字して貼付するラベル3毎に印字データを送信するように制御する場合の処理能力と、ホスト2から制御部30に複数アイテムの印字データをまとめて送信するように制御する場合の処理能力とを比較して簡単に把握することができ、印字貼付装置1を組み込んだコンベアシステムの調整を簡単に行うという効果を奏する。
【0039】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る印字貼付装置の実施の形態の使用例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る印字貼付装置の実施の形態の構成を示す構成図である。
【図3】図2に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る印字貼付装置の実施の形態の計測動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図2に示すカウント値記憶部に記憶されるカウント値を説明するための説明図である。
【図6】図3に示す計測部で計測された計測結果の出力例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 印字貼付装置
2 ホスト
3 ラベル
4 コンベア
5 被貼付物
6 被貼付物検出センサ
7 帯状台紙
8 ラベル連続体
10 印字発行部
11 供給軸
12 プラテンローラ
13 サーマルヘッド
14 剥離板
15 台紙巻取軸
20 貼付部
21 吸着板
22 ロッド
23 シリンダ
30 制御部
31 ROM
32 CPU
33 RAM
34 印字制御部
35 貼付制御部
36 カウント部
37 計測部
38 カウント値記憶部
40 入力部
41 表示部
42 インターフェース(I/F)
43 外部インターフェース(外部I/F)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストから印字データを受信する印字データ受信動作と、受信した印字データをラベルに印字して発行する印字発行動作と、発行した前記ラベルを被貼付物に貼付する貼付動作とを行う印字貼付装置であって、
前記印字データ受信動作、前記印字発行動作および前記貼付動作の動作時間を計測して出力する計測手段を具備することを特徴とする印字貼付装置。
【請求項2】
一定時間間隔でカウントするカウント手段を具備し、
前記計測手段は、前記印字データ受信動作、前記印字発行動作および前記貼付動作が開始および終了されたそれぞれのタイミングで前記カウント手段のカウント値を書き出し、書き出したカウント値に基づいて、前記印字データ受信動作、前記印字発行動作および前記貼付動作の動作時間を計測することを特徴とする請求項1記載の印字貼付装置。
【請求項3】
前記計測手段は、計測結果を前記印字発行動作によって前記ラベルに出力させることを特徴とする請求項1又は2記載の印字貼付装置。
【請求項4】
前記計測手段は、前記印字データ受信動作の開始から前記貼付動作の終了までの動作時間と、前記印字発行動作の開始から前記貼付動作の終了までの動作時間とを計測して出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印字貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−201452(P2008−201452A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40412(P2007−40412)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】