説明

印影照合プログラム、印影照合装置及び印影照合方法

【課題】2個印が押印されている場合であっても、取消し線が重ね書きされた印影ではなく、押印し直した印影を正しい照合印影画像として抽出することで、印影照合の照合率を向上させることが可能な印影照合プログラム、印影照合装置及び印影照合方法を提供すること。
【解決手段】画像読取装置で読み取った媒体上に押印された印鑑の印影を印影画像データとして入力し、前記入力した印影画像データから、円形状検出処理を用いて印鑑枠相当部分を抽出し、前記入力した印影画像データから、前記抽出した印鑑枠相当部分の外周に接続する印鑑枠外周接続線を抽出し、印鑑枠外周接続線を抽出した場合、前記入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行等の金融機関又は行政機関における顧客等の印鑑の印影照合を行うための印影照合プログラム、印影照合装置及び印影照合方法に関し、特に、押印された2個以上の印影の中から照合対象である印影を適切に判断することが可能な印影照合プログラム、印影照合装置及び印影照合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙文書の真正性を保証する手段として、印鑑の押印によって得られる印影(印章)が用いられている。例えば銀行において顧客が小切手などによる払い戻しを求める場合、小切手に押印されている印影が予め登録された登録印の印影と一致しているか否かを照合することにより、その小切手の真正性を確認する。
【0003】
近年、この照合には、コンピュータを利用した印影照合装置を使用している。このような印影照合装置は、スキャナ等の入力装置から読み込んだ画像データから印鑑の印影部分を照合印影画像として抽出する(例えば、特許文献1、2、3参照。)。そして、照合印影画像と予めデータベース等に登録した登録印影画像とを比較することで、照合印影画像と登録印影画像とが同一の印鑑から得られた印影であるか否かを判別している(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
ところで、押印された印影が不鮮明であった場合等、ボールペン等の筆記具を用いて印影に×(バツ印)や二重線等の取消し線を重ね書きし、鮮明な印影を新たに押印し直すことがある。このような場合、印影が2個又は2個以上押印さているので「2個印」と言うことがある。
【0005】
2個印が押印された場合に上述のような印影照合装置で印影照合を行うと、登録印影画像の照合対象である照合印影画像として、取消し線が重ね書きされた印影を含む2個又は2個以上の印影が抽出される。そして、抽出した全ての照合印影画像の印鑑枠の画素を順に登録印影画像の印鑑枠の画素と比較し、画素の一致率の最も高い照合印影画像を登録印影画像と印影照合を行う照合印影画像として出力(画面表示)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平06−290302号公報
【特許文献2】特開2005−092543号公報
【特許文献3】特開2009−217308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、2個印が押印された場合に上述のような印影照合装置で印影照合を行うと、印鑑枠の画素の一致率の最も高い照合印影画像を登録印影画像と印影照合を行う照合印影画像として出力するので、取消し線の重ね書きされた印影が照合印影画像として抽出されてしまうことがあり、正しい印影照合が行われないことがある、という問題点があった。
【0008】
このように誤った印影、すなわち、取消し線の重ね書きされた印影が照合印影画像として抽出されてしまった場合には、印影照合装置のオペレータが正しい印影、すなわち、押印し直した印影を照合印影画像として指示する必要が生じてしまっていた。
【0009】
本発明は、上述のような実状に鑑みたものであり、2個印が押印されている場合であっても、取消し線が重ね書きされた印影ではなく、押印し直した印影を正しい照合印影画像として抽出することで、印影照合の照合率を向上させることが可能な印影照合プログラム、印影照合装置及び印影照合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。
すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の印影照合プログラムは、印影照合装置のコンピュータを、画像読取装置で読み取った媒体上に押印された印鑑の印影を印影画像データとして入力する印影入力手段、前記印影入力手段が入力した印影画像データから、円形状検出処理を用いて印鑑枠相当部分を抽出する印鑑枠抽出手段、前記印影入力手段が入力した印影画像データから、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分の外周に接続する印鑑枠外周接続線を抽出する印鑑枠外周接続線抽出手段、前記印鑑枠外周接続線抽出手段が印鑑枠外周接続線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断する判断手段として機能させるための印影照合プログラムである。
【0011】
また、本発明の印影照合プログラムは、前記コンピュータを、前記印影入力手段が入力した印影画像データから、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分の内周に接続する印鑑枠内周接続線を抽出する印鑑枠内周接続線抽出手段として更に機能させ、前記判断手段が、前記印鑑枠外周接続線抽出手段が印鑑枠外周接続線を抽出し、前記印鑑枠内周接続線抽出手段が印鑑枠内周接続線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することが望ましい。
【0012】
また、本発明の印影照合プログラムは、前記コンピュータを、前記印鑑枠外周接続線抽出手段が抽出した印鑑枠外周接続線と前記印鑑枠内周接続線抽出手段が抽出した印鑑枠内周接続線とによって、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分を貫通する印鑑枠貫通線を抽出する印鑑枠貫通線抽出手段として更に機能させ、前記判断手段が、前記印鑑枠貫通線抽出手段が印鑑枠貫通線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することが望ましい。
【0013】
また、本発明の印影照合プログラムは、前記コンピュータを、前記印鑑枠貫通線抽出手段が抽出した2本の印鑑枠貫通線を互いに延長することにより、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分を横断する1本の印鑑枠貫通線を形成する印鑑枠横断線形成手段として更に機能させ、前記判断手段が、前記印鑑枠横断線形成手段が印鑑枠貫通線を形成した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することが望ましい。
【0014】
また、本発明の印影照合プログラムは、前記印鑑枠横断線形成手段が、互いに交差しない又は互いに交差する2本の印鑑枠横断線を形成することが望ましい。
【0015】
また、本発明の印影照合プログラムは、前記コンピュータを、前記判断手段が適切でないと判断しなかった照合印影画像と前記データベースに登録された登録印影画像とを照合する照合手段として更に機能させることが望ましい。
【0016】
また、本発明の一態様によれば、本発明の印影照合装置は、画像読取装置で読み取った媒体上に押印された印鑑の印影を印影画像データとして入力する印影入力手段と、前記印影入力手段が入力した印影画像データから、円形状検出処理を用いて印鑑枠相当部分を抽出する印鑑枠抽出手段と、前記印影入力手段が入力した印影画像データから、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分の外周に接続する印鑑枠外周接続線を抽出する印鑑枠外周接続線抽出手段と、前記印鑑枠外周接続線抽出手段が印鑑枠外周接続線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断する判断手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の印影照合装置は、前記印影入力手段が入力した印影画像データから、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分の内周に接続する印鑑枠内周接続線を抽出する印鑑枠内周接続線抽出手段を更に備え、前記判断手段が、前記印鑑枠外周接続線抽出手段が印鑑枠外周接続線を抽出し、前記印鑑枠内周接続線抽出手段が印鑑枠内周接続線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することが望ましい。
【0018】
また、本発明の印影照合装置は、前記印鑑枠外周接続線抽出手段が抽出した印鑑枠外周接続線と前記印鑑枠内周接続線抽出手段が抽出した印鑑枠内周接続線とによって、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分を貫通する印鑑枠貫通線を抽出する印鑑枠貫通線抽出手段を更に備え、前記判断手段が、前記印鑑枠貫通線抽出手段が印鑑枠貫通線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することが望ましい。
【0019】
また、本発明の印影照合装置は、前記印鑑枠貫通線抽出手段が抽出した2本の印鑑枠貫通線を互いに延長することにより、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分を横断する1本の印鑑枠貫通線を形成する印鑑枠横断線形成手段を更に備え、前記判断手段が、前記印鑑枠横断線形成手段が印鑑枠貫通線を形成した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することが望ましい。
【0020】
また、本発明の一態様によれば、本発明の印影照合方法は、印影照合装置のコンピュータによって実行される印鑑照合方法であって、画像読取装置で読み取った媒体上に押印された印鑑の印影を印影画像データとして入力し、前記入力した印影画像データから、円形状検出処理を用いて印鑑枠相当部分を抽出し、前記入力した印影画像データから、前記抽出した印鑑枠相当部分の外周に接続する印鑑枠外周接続線を抽出し、印鑑枠外周接続線を抽出した場合、前記入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、2個印が押印されている場合であっても、取消し線が重ね書きされた印影ではなく、押印し直した印影を正しい照合印影画像として抽出することで、印影照合の照合率を向上させることできる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を適用した印影照合装置を備えるシステム構成図である。
【図2】本発明を適用した印鑑照合装置のハードウェア構成図である。
【図3】本発明を適用した印鑑照合装置の機能ブロック図である。
【図4】本発明を適用した印影照合処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】印影照合処理のサブルーチン「印鑑枠外周接続線抽出処理」の流れを示すフローチャートである。
【図6】「印鑑枠外周接続線抽出処理」の具体例を説明するための図である。
【図7】印影照合処理のサブルーチン「印鑑枠内周接続線抽出処理」の流れを示すフローチャートである。
【図8】「印鑑枠内周接続線抽出処理」の具体例を説明するための図である。
【図9】印影照合処理のサブルーチン「印鑑枠貫通線抽出処理」の流れを示すフローチャートである。
【図10】「印鑑枠貫通線抽出処理」の具体例を説明するための図である。
【図11】印影照合処理のサブルーチン「印鑑枠横断線形成処理」の流れを示すフローチャートである。
【図12】「印鑑枠横断線形成処理」の具体例を説明するための図である。
【図13】2個印が押印された帳票の例を示す図である。
【図14】印影画像データとして切り出された2個印の例を示す図である。
【図15】取消し線の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した印影照合装置を備えるシステム構成図である。
【0024】
図1において、印影照合システム1は、印影照合装置10、印影照合装置10と接続された画像読取装置20及び登録印影データベース30を備える。ここで、本発明の印影照合システム1は、例えば金融機関の届印の照合などに用いられている。
【0025】
印影照合装置10は、例えば、ワークステーション、サーバ、パーソナルコンピュータ等のコンピュータの機能を備えており、本発明を適用した印影照合処理を実行する。印影照合処理については、詳細を後述する。画像読取装置20は、例えば、画像スキャナであり、印鑑の押印により印影が形成された印鑑票等を光学的に読み取り、読み取った画像データを印影照合装置10に出力する。登録印影データベース30は、例えば、ハードディスク装置であり、印影照合装置10の印影照合処理によって照合する登録印影画像を口座番号等と対応づけて格納する。
【0026】
図2は、本発明を適用した印鑑照合装置のハードウェア構成図である。
図2において、印鑑照合装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、入力装置12、出力装置13、ROM(Read Only Memory)14、RAM(Random Access Memory)15、インターフェース(I/F)16がバス17に接続されて構成されている。入力装置12は、例えば、キーボード、ジョイスティック、ライトペン、マウス、タッチパッド、タッチパネル、トラックボール等、各種のデータや信号等を入力する。出力装置13は、例えば、LCD(Liquid Cristal Display)等の各種ディスプレイ、プリンタ等、画像やその他の情報を出力する。ROM14は、印鑑照合装置10において実行する処理を実行するプログラムの他、印鑑照合装置10の各機能を制御し実行するための制御プログラム及びテーブルデータなどを収納する。RAM15は、出力装置13用のフレームバッファや一部のアプリケーションプログラム等を格納する。インターフェース16は、USB(Universal Serial Bus)等のシリアルインターフェースやイーサネット(登録商標)等のパラレルインターフェース等、外部機器と接続するためのユニットである。CPU11は、これらの各部を制御している。
【0027】
図3は、本発明を適用した印鑑照合装置の機能ブロック図である。
図3において、印鑑照合装置10は、画像入力部101、印影抽出部102、印影出力部103、印鑑枠抽出部104、印鑑枠外周接続線抽出部105、印鑑枠内周接続線抽出部106、印鑑枠貫通線抽出部107、印鑑枠横断線形成部108、判断部109、照合部110、登録印影読出部111及び登録印影出力部112を備える。
【0028】
画像入力部101は、画像スキャナ等で読み取った画像データを印影照合装置10に入力する。印影抽出部102は、画像入力部101で入力された画像データから、印鑑票の押印枠等の印影以外の画像データを、公知の印影抽出処理を用いて除去し、印影のみの画像データを抽出する。これらの画像入力部101及び印影抽出部102が印影入力部として機能することで、画像読取装置20で読み取った媒体上に押印された印鑑の印影を、印影画像データとして印影照合装置10に入力する。なお、印影入力部は、既に押印枠等が除去され印影のみが抽出された画像データを、メモリから読み込んで印影照合装置10に入力するようにしてもよい。
【0029】
印影出力部103は、印影入力部によって入力した印影の画像データを、出力装置13に出力する。例えば、ディスプレイの画面に表示する。
【0030】
印鑑枠抽出部104は、スキャナ等の画像読取装置20で読み取った画像データであって、帳票等の媒体に押印された読取印画像データから、前述のように押印枠を除去した画像データを対象にして、公知の円形状検出処理等の外枠検出処理を用いて印鑑枠相当部分を抽出する。すなわち、前記印影入力部によって入力した読取印画像データを対象にして、公知の円形状検出処理等の外枠検出処理を用いて印鑑枠相当部分を抽出する。抽出した印鑑枠相当部分の画像データは、RAM15に格納しておく。
【0031】
印鑑枠外周接続線抽出部105は、前記印影入力部が入力した印影画像データから、前記印鑑枠抽出部104が抽出した印鑑枠相当部分の外周に接続する線を抽出する。この線を印鑑枠外周接続線と称する。
【0032】
印鑑枠内周接続線抽出部106は、前記印影入力部が入力した印影画像データから、前記印鑑枠抽出部104が抽出した印鑑枠相当部分の内周に接続する線を抽出する。この線を印鑑枠内周接続線と称する。
【0033】
印鑑枠貫通線抽出部107は、前記印鑑枠外周接続線抽出部105が抽出した印鑑枠外周接続線と前記印鑑枠内周接続線抽出部106が抽出した印鑑枠内周接続線とによって、前記印鑑枠抽出部104が抽出した印鑑枠相当部分を貫通する線を抽出する。この線を印鑑枠貫通線と称する。
【0034】
印鑑枠横断線形成部108は、前記印鑑枠貫通線抽出部107が抽出した2本の印鑑枠貫通線を互いに延長することにより、前記印鑑枠抽出部104が抽出した印鑑枠相当部分を横断する1本の線を形成する。この線を印鑑枠貫通線と称する。前記印鑑枠貫通線抽出部107の抽出した印鑑枠貫通線が4本の場合、前記印鑑枠横断線形成部108は、2本の印鑑枠横断線を形成する。これら2本の印鑑枠横断線は、互いに交差しない略平行線のような場合もあれば、互いに交差する×(バツ)印のような場合もある。
【0035】
そして、判断部109は、前記印鑑枠外周接続線抽出部105が印鑑枠外周接続線を抽出した場合、前記印影入力部が入力した印影画像データを、登録印影データベース30に登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断する。ここで、登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないとは、押印された印影が不鮮明であった場合等、ボールペン等の筆記具を用いて印影に×(バツ印)や二重線等の取消し線を重ね書きした印影の画像のことをいう。
【0036】
また、前記判断部109は、前記印鑑枠外周接続線抽出部105が印鑑枠外周接続線を抽出し、更に前記印鑑枠内周接続線抽出部106が印鑑枠内周接続線を抽出した場合、前記印影入力部が入力した印影画像データを、登録印影データベース30に登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断する。若しくは、前記判断部109は、前記印鑑枠貫通線抽出部107が印鑑枠貫通線を抽出した場合、前記印影入力部が入力した印影画像データを、登録印影データベース30に登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断する。若しくは、前記判断部109は、前記印鑑枠横断線形成部108が印鑑枠貫通線を形成した場合、前記印影入力部が入力した印影画像データを、登録印影データベース30に登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断する。
【0037】
照合部110は、前記判断部109が適切でないと判断しなかった印影画像データと前記登録印影データベース30に登録された登録印影画像とを照合する。その際、登録印影読出部111は、対応づけて格納された口座番号等に基づいて、登録印影データベース30に登録された登録印影画像を読み出し、照合部110へ登録印影画像を渡す。
【0038】
登録印影出力部112は、登録印影読出部111が読み出した登録印影画像を、照合部110とは別に出力装置13に出力(例えば、ディスプレイの画面に表示)する。
【0039】
次に、前述のような構成の印影照合装置10のコンピュータが実行する印影照合処理について詳細を説明する。
【0040】
図4は、本発明を適用した印影照合処理の流れを示すフローチャートである。
印影照合処理は、上述したように抽出した印影のみの画像データを対象に実行するが、このような印影画像データが複数抽出された場合には、抽出した印影画像データ(候補画像)に対して繰り返し処理を実行する。
【0041】
本印影照合処理の特徴は、2個印が押印されている場合であっても、取消し線が重ね書きされた印影を照合印影画像の対象から外し、押印し直した印影を正しい照合印影画像として抽出することである。よって、これから説明するサブルーチン「印鑑枠外周接続線抽出処理」、「印鑑枠内周接続線抽出処理」、「印鑑枠貫通線抽出処理」及び「印鑑枠横断線形成処理」のうち全てを実行する必要はなく、「印鑑枠外周接続線抽出処理」のみで照合印影画像の抽出を終了してもよいし、「印鑑枠外周接続線抽出処理」に続き「印鑑枠内周接続線抽出処理」を実行してから照合印影画像の抽出を終了してもよい。更に、引き続き「印鑑枠貫通線抽出処理」を実行してから照合印影画像の抽出を終了してもよい。
【0042】
まず、ステップS401において、サブルーチン「印鑑枠外周接続線抽出処理」を実行する。「印鑑枠外周接続線抽出処理」は、印影画像データから公知の印影抽出処理を用いて印鑑枠相当部分を抽出し、その印鑑枠相当部分の外周に接続する印鑑枠外周接続線を抽出する。「印鑑枠外周接続線抽出処理」の詳細について、図5及び図6を用いて説明する。
【0043】
図5は、印影照合処理のサブルーチン「印鑑枠外周接続線抽出処理」の流れを示すフローチャートであり、図6は、「印鑑枠外周接続線抽出処理」の具体例を説明するための図である。
【0044】
「印鑑枠外周接続線抽出処理」は、印鑑枠相当部分601の外周を1周するまで図5のステップS501乃至ステップS504を繰り返すことにより、外周に接続する印鑑枠外周接続線602を抽出する。
【0045】
まず、図5のステップS501において、図6に示したように、外周に接続する所定数の連続ドット、例えば5ドット以上の連続したドット列が存在するか否かを、外周の線上を1ドットずつサーチする。
【0046】
そして、図5のステップS502において、外周に接続する所定数の連続したドット列が存在すると判断された場合(ステップS502:Yes)、ステップS503において、図6に示したように、上記連続したドット列のサーチの進行方向に、所定数の連続ドット、例えば2ドット以上の連続したドット列が存在するか否かを判断する。
【0047】
図5のステップS503で所定数の連続したドット列が存在すると判断された場合(ステップS503:Yes)、ステップS504において、これらのドット列を印鑑枠外周接続線602として位置情報、方向情報、長さ情報等の印鑑枠外周接続線情報をRAM15に格納しておく。
【0048】
次に、図4のステップS403において、サブルーチン「印鑑枠内周接続線抽出処理」を実行する。「印鑑枠内周接続線抽出処理」は、印鑑枠相当部分601の内周に接続する印鑑枠内周接続線801を抽出する。「印鑑枠内周接続線抽出処理」の詳細について、図7及び図8を用いて説明する。
【0049】
図7は、印影照合処理のサブルーチン「印鑑枠内周接続線抽出処理」の流れを示すフローチャートであり、図8は、「印鑑枠内周接続線抽出処理」の具体例を説明するための図である。
【0050】
「印鑑枠内周接続線抽出処理」は、印鑑枠相当部分601の内周を1周するまで図7のステップS701乃至ステップS704を繰り返すことにより、内周に接続する印鑑枠内周接続線801を抽出する。
【0051】
まず、図7のステップS701において、図8に示したように、内周に接続する所定数の連続ドット、例えば8ドット以上の連続したドット列が存在するか否かを、内周の線上を1ドットずつサーチする。
【0052】
そして、図7のステップS702において、内周に接続する所定数の連続したドット列が存在すると判断された場合(ステップS702:Yes)、ステップS703において、図8に示したように、上記連続したドット列のサーチの進行方向に、所定数の連続ドット、例えば3ドット以上の連続したドット列が存在するか否かを判断する。
【0053】
図7のステップS703で所定数の連続したドット列が存在すると判断された場合(ステップS703:Yes)、ステップS704において、これらのドット列を印鑑枠内周接続線801として位置情報、方向情報、長さ情報等の印鑑枠内周接続線情報をRAM15に格納しておく。
【0054】
次に、図4のステップS405において、サブルーチン「印鑑枠貫通線抽出処理」を実行する。「印鑑枠貫通線抽出処理」は、ステップS401で抽出された印鑑枠外周接続線602とステップS403で抽出された印鑑枠内周接続線801とによって、印鑑枠相当部分601を貫通する線を抽出する。「印鑑枠内周接続線抽出処理」の詳細について、図9及び図10を用いて説明する。
【0055】
図9は、印影照合処理のサブルーチン「印鑑枠貫通線抽出処理」の流れを示すフローチャートであり、図10は、「印鑑枠貫通線抽出処理」の具体例を説明するための図である。
【0056】
まず、図9のステップS901において、図4のステップS401で抽出した印鑑枠外周接続線602とステップS403で抽出した印鑑枠内周接続線801とに基づいて、印鑑枠相当部分601を貫通する印鑑枠貫通線1001を抽出する。すなわち、図10に示すように、図5のステップS504及び図7のステップS704でRAM15に格納された印鑑枠外周接続線情報と印鑑枠内周接続線情報に基づいて、印鑑枠貫通線1001を抽出する。例えば、印鑑枠外周接続線602と印鑑枠内周接続線801の位置情報から、印鑑枠外周接続線602と印鑑枠内周接続線801が印鑑枠相当部分601を貫通する印鑑枠貫通線1001であることを判断することができる。
【0057】
そして、ステップS902において、ステップS901で抽出した印鑑枠貫通線1001の位置情報、方向情報、長さ情報等の印鑑枠貫通線情報をRMA15に格納しておく。
【0058】
次に、図4のステップS407において、サブルーチン「印鑑枠横断線形成処理」を実行する。「印鑑枠横断線形成処理」は、ステップS405で抽出した2本の印鑑枠貫通線1001を互いに延長することにより、印鑑枠相当部分601を横断する1本の線を形成する。「印鑑枠横断線形成処理」の詳細について、図11及び図12を用いて説明する。
【0059】
図11は、印影照合処理のサブルーチン「印鑑枠横断線形成処理」の流れを示すフローチャートであり、図12は、「印鑑枠横断線形成処理」の具体例を説明するための図である。
【0060】
まず、図11のステップS1101において、図4のステップS405で抽出した2本の印鑑枠貫通線1001に基づいて、印鑑枠相当部分601を横断する1本の線を形成する。例えば、2本の印鑑枠貫通線1001の位置情報及び方向情報から、図12に示すように、これらの印鑑枠貫通線1001を互いに延長することにより、印鑑枠相当部分601を横断する1本の印鑑枠横断線1201を形成することを判断することができる。
【0061】
そして、ステップS1102において、ステップS1101で形成した印鑑枠横断線1201の位置情報、方向情報、長さ情報等の印鑑枠横断線をRAM15に格納しておく。
【0062】
そして、図4のステップS408において、取消し線が重ね書きされた印影画像データであるか否かを判断する。すなわち、図5のステップS504で「印鑑枠外周接続線情報が記憶」されているか、又は図7のステップS704で「印鑑枠内周接続線情報が記憶」されているか、又は図9のステップS902で「印鑑枠貫通線情報が記憶」されているか、又は図11のS1102で「印鑑枠横断線情報が記憶」されていれば、その印影画像データは取消し線が重ね書きされた印影画像データである。このステップS408は、ステップS401の「印鑑枠外周接続線抽出処理」のみで照合印影画像の抽出を終了した場合(ステップS402:Yes)、ステップS403の「印鑑枠内周接続線抽出処理」で照合印影画像の抽出を終了した場合(ステップS404:Yes)、ステップS405の「印鑑枠貫通線抽出処理」で照合印影画像の抽出を終了した場合(ステップS406:Yes)、ステップS407の「印鑑枠横断線形成処理」まで実行して照合印影画像の抽出を終了した場合の何れであっても実行される。
【0063】
そして、ステップS408で取消し線が重ね書きされた印影画像データであると判断されなかった場合(ステップS408:No)、言い換えればその印影画像データは、押印し直した正しい照合印影画像であるので、ステップS409において、その印影画像データを照合印影画像の候補としてRAM15に格納しておく。
【0064】
このようにしてステップS401乃至ステップS409の処理を、抽出した印影画像データ(候補画像)に対して繰り返し実行する
次に、ステップS410において、照合印影画像として格納された印影画像データをRAM15から読み出し、ステップS411において、登録印影データベース30に登録された登録印影画像と照合する。ここでの照合は、従来の照合と同様である。
【0065】
以上のようにして本実施の形態の印影照合装置10のコンピュータは、印刷照合処理を実行する。
【0066】
図13は、2個印が押印された帳票の例を示す図であり、図14は、印影画像データとして切り出された2個印の例を示す図である。
【0067】
図13において、「払戻請求書」の「お届け印」欄に2個印が押印されている。本実施の形態の印影照合装置10は、このような「払戻請求書」の「お届け印」欄から、図14の(A)及び(B)のような2個の印影画像データを抽出する。そして、印影照合装置10は、図14の(A)の印影画像データを、取消し線が重ね書きされた印影を照合印影画像の対象から外し、図14の(B)の印影画像データを、押印し直した印影を正しい照合印影画像として抽出する。
【0068】
図15は、取消し線の他の例を示す図である。
上述の実施の形態の説明では、2本の線が互いに交差する×(バツ)印を取消し線として説明してきたが、図15の(A)のように、2本の線が互いに交差しない略平行線のような取消し線でもよいし、図15の(B)のように、途中でループを形成するような1本の曲線でもよい。
【0069】
以上、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、上述してきた本発明の実施の形態は、印影照合装置の一機能としてハードウェアまたはDSP(Digital Signal Processor)ボードやCPUボードでのファームウェアもしくはソフトウェアにより実現することができる。
【0070】
また、本発明が適用される印影照合装置は、その機能が実行されるのであれば、上述の実施の形態に限定されることなく、単体の装置であっても、複数の装置からなるシステムあるいは統合装置であっても、LAN、WAN等のネットワークを介して処理が行なわれるシステムであってもよいことは言うまでもない。
【0071】
また、バスに接続されたCPU、ROMやRAMのメモリ、入力装置、出力装置、外部記録装置、媒体駆動装置、ネットワーク接続装置で構成されるシステムでも実現できる。すなわち、前述してきた実施の形態のシステムを実現するソフトェアのプログラムを記録したROMやRAMのメモリ、外部記録装置、可搬記録媒体を、印影照合装置に供給し、その印影照合装置のコンピュータがプログラムを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0072】
この場合、可搬記録媒体等から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した可搬記録媒体等は本発明を構成することになる。
【0073】
プログラムを供給するための可搬記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAM、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROMカード、電子メールやパソコン通信等のネットワーク接続装置(言い換えれば、通信回線)を介して記録した種々の記録媒体などを用いることができる。
【0074】
また、コンピュータ(情報処理装置)がメモリ上に読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施の形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現される。
【0075】
さらに、可搬型記録媒体から読み出されたプログラムやプログラム(データ)提供者から提供されたプログラム(データ)が、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施の形態の機能が実現され得る。
【0076】
すなわち、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 印影照合システム
10 印影照合装置
11 CPU(Central Processing Unit)
12 入力装置
13 出力装置
14 ROM(Read Only Memory)
15 RAM(Random Access Memory)
16 インターフェース(I/F)
17 バス
20 画像読取装置
30 登録印影データベース
101 画像入力部
102 印影抽出部
103 印影出力部
104 印鑑枠抽出部
105 印鑑枠外周接続線抽出部
106 印鑑枠内周接続線抽出部
107 印鑑枠貫通線抽出部
108 印鑑枠横断線形成部
109 判断部
110 照合部
111 登録印影読出部
112 登録印影出力部
601 印鑑枠相当部分
602 印鑑枠外周接続線
801 印鑑枠内周接続線
1001 印鑑枠貫通線
1201 印鑑枠横断線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印影照合装置のコンピュータを、
画像読取装置で読み取った媒体上に押印された印鑑の印影を印影画像データとして入力する印影入力手段、
前記印影入力手段が入力した印影画像データから、円形状検出処理を用いて印鑑枠相当部分を抽出する印鑑枠抽出手段、
前記印影入力手段が入力した印影画像データから、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分の外周に接続する印鑑枠外周接続線を抽出する印鑑枠外周接続線抽出手段、
前記印鑑枠外周接続線抽出手段が印鑑枠外周接続線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断する判断手段、
として機能させるための印影照合プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、前記印影入力手段が入力した印影画像データから、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分の内周に接続する印鑑枠内周接続線を抽出する印鑑枠内周接続線抽出手段として更に機能させ、
前記判断手段は、前記印鑑枠外周接続線抽出手段が印鑑枠外周接続線を抽出し、前記印鑑枠内周接続線抽出手段が印鑑枠内周接続線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することを特徴とする請求項1に記載の印影照合プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、前記印鑑枠外周接続線抽出手段が抽出した印鑑枠外周接続線と前記印鑑枠内周接続線抽出手段が抽出した印鑑枠内周接続線とによって、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分を貫通する印鑑枠貫通線を抽出する印鑑枠貫通線抽出手段として更に機能させ、
前記判断手段は、前記印鑑枠貫通線抽出手段が印鑑枠貫通線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することを特徴とする請求項2に記載の印影照合プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、前記印鑑枠貫通線抽出手段が抽出した2本の印鑑枠貫通線を互いに延長することにより、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分を横断する1本の印鑑枠貫通線を形成する印鑑枠横断線形成手段として更に機能させ、
前記判断手段は、前記印鑑枠横断線形成手段が印鑑枠貫通線を形成した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することを特徴とする請求項3に記載の印影照合プログラム。
【請求項5】
前記印鑑枠横断線形成手段は、互いに交差しない又は互いに交差する2本の印鑑枠横断線を形成することを特徴とする請求項4に記載の印影照合プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、前記判断手段が適切でないと判断しなかった照合印影画像と前記データベースに登録された登録印影画像とを照合する照合手段として更に機能させるための請求項1乃至5の何れか1項に印影照合プログラム。
【請求項7】
画像読取装置で読み取った媒体上に押印された印鑑の印影を印影画像データとして入力する印影入力手段と、
前記印影入力手段が入力した印影画像データから、円形状検出処理を用いて印鑑枠相当部分を抽出する印鑑枠抽出手段と、
前記印影入力手段が入力した印影画像データから、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分の外周に接続する印鑑枠外周接続線を抽出する印鑑枠外周接続線抽出手段と、
前記印鑑枠外周接続線抽出手段が印鑑枠外周接続線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断する判断手段と、
を備えることを特徴とする印影照合装置。
【請求項8】
前記印影入力手段が入力した印影画像データから、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分の内周に接続する印鑑枠内周接続線を抽出する印鑑枠内周接続線抽出手段を更に備え、
前記判断手段は、前記印鑑枠外周接続線抽出手段が印鑑枠外周接続線を抽出し、前記印鑑枠内周接続線抽出手段が印鑑枠内周接続線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することを特徴とする請求項7に記載の印影照合装置。
【請求項9】
前記印鑑枠外周接続線抽出手段が抽出した印鑑枠外周接続線と前記印鑑枠内周接続線抽出手段が抽出した印鑑枠内周接続線とによって、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分を貫通する印鑑枠貫通線を抽出する印鑑枠貫通線抽出手段を更に備え、
前記判断手段は、前記印鑑枠貫通線抽出手段が印鑑枠貫通線を抽出した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することを特徴とする請求項8に記載の印影照合装置。
【請求項10】
前記印鑑枠貫通線抽出手段が抽出した2本の印鑑枠貫通線を互いに延長することにより、前記印鑑枠抽出手段が抽出した印鑑枠相当部分を横断する1本の印鑑枠貫通線を形成する印鑑枠横断線形成手段を更に備え、
前記判断手段は、前記印鑑枠横断線形成手段が印鑑枠貫通線を形成した場合、前記印影入力手段が入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断することを特徴とする請求項9に記載の印影照合装置。
【請求項11】
印影照合装置のコンピュータによって実行される印鑑照合方法であって、
画像読取装置で読み取った媒体上に押印された印鑑の印影を印影画像データとして入力し、
前記入力した印影画像データから、円形状検出処理を用いて印鑑枠相当部分を抽出し、
前記入力した印影画像データから、前記抽出した印鑑枠相当部分の外周に接続する印鑑枠外周接続線を抽出し、
印鑑枠外周接続線を抽出した場合、前記入力した印影画像データを、データベースに登録された登録印影画像と照合するための照合印影画像として適切でないと判断する、
ことを特徴とする印影照合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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