説明

危機生徒ケアシステムおよび危機生徒ケア方法

【課題】 教育機関からの脱落危機状態の生徒を確実に見つけ、迅速に対応できるようにする。
【解決手段】 生徒行動情報記憶部12は生徒の行動情報、例えば出欠および遅刻の情報を記憶する。ケア対象検出部16は、生徒の行動情報に基づき、脱落危機生徒行動パターンと一致する生徒行動パターンをもつ生徒をケア対象生徒として検出する。ケア対応処理部20は、ケア対象生徒に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行う。ケア対象処理部20は例えば電話連絡を推進する。さらに教育提供情報記憶部14は生徒に対する教育提供情報、例えば臨時講師配置の情報を記憶する。そして、ケア対象検出部16は、脱落危機教育提供パターンをもつ生徒、例えば臨時講師が連続配置された生徒を、ケア対象生徒として検出する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、教育機関からの脱落の危機要因をもつ生徒を検出してケアするシステムおよび方法に関する。教育機関は例えば塾であるが、本発明はこれに限定されず、学校等の任意の教育機関に本発明を適用可能である。また教育機関は、語学、芸事、スポーツなどを対象としてもよい。
【0002】
【従来の技術】教育機関の一つである塾は、生徒の学力を最大限に伸ばすことを目的としている。最近は少数、例えば1人または2人の生徒に対して1人の講師を割り当てる個別指導方式が普及している。個別指導方式は、生徒に適した講師を割り当てることができ、これにより教育効果が増大する。
【0003】塾は生徒の学力を伸ばすのに適した環境を用意している。生徒が塾の教育についていけば、学力の増大が確実に期待できる。しかし、塾の教育から脱落してしまうと、生徒は塾の利点を得られない。本明細書において、脱落とは、典型的には教育機関からの脱退、例えば塾からの退会である。脱落は、教育カリキュラムに追従できなくなることを意味してもよい。
【0004】生徒の脱落を未然に防ぐために、多くの塾は、脱落しそうな生徒を見つけ、そのような生徒をケアしている。ケアは、脱落要因をなくすための対応である。ケアでは、例えば、生徒との交流により脱落危機要因が解消され、また、教育者である講師が変更される。こうしたケアは、従来は主として講師の裁量に任されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、塾は複数の講師を採用しているので、講師の経験のばらつきがあり、また、生徒の脱落危機状態を感じ取るセンスのばらつきがある。経験が浅いために、生徒の危機状態を講師が迅速に見つけられない可能性がある。また、危機状態に対するセンスのばらつきが、脱落危機の発見時期を遅らせる可能性がある。勉強を教える高い能力をもつにも拘わらず、危機状態を感じるセンスが弱い講師もいる。したがって、脱落危機の生徒を確実に見つけられるようにすることが望まれる。
【0006】また従来は、危機状態の生徒を見つけた後、生徒のケアは講師に任されることが多い。講師はスケジュールに余裕ができるのを待ち、それから危機状態の生徒と話し合う、といったこともあり得た。しかし、脱落危機の生徒に対するケアでは、迅速な対応が重要である。迅速な対応は、より多くの生徒の脱落を防止できると考えられる。
【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、脱落危機状態の生徒を確実に見つけ、迅速に対応できるようにする技術を提供し、より多くの生徒を脱落から守ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の危機生徒ケアシステムは、教育機関における生徒の行動情報を記憶する生徒行動情報記憶手段と、前記行動情報に基づき、教育機関から生徒が脱落するときの行動パターンである脱落危機生徒行動パターンと一致する生徒行動パターンをもつ生徒をケア対象生徒として検出するケア対象検出手段と、前記ケア対象生徒に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理手段と、を含む。
【0009】本発明によれば、生徒の行動情報を基に、生徒の行動が、脱落危機状態行動パターンと比較される。生徒の行動が危機状態のパターンをもつとき、その生徒が脱落危機状態にあると判定される。そして、脱落危機状態にある生徒を対象として、ケア対応処理が行われる。ケア対応は、例えば、後述する電話連絡のための処理であり、また例えば、適切な講師の検索である。
【0010】このように、本発明によれば、講師の経験およびセンスに頼らなくとも、脱落しそうな生徒を確実に見つけ、迅速にケアすることができる。これにより、生徒の脱落を回避することができる。生徒は脱落せずに教育に追従するので、学力の増大が期待できる。
【0011】好ましくは、前記生徒行動情報記憶手段が記憶する行動情報は、生徒の出欠情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態連続欠席回数の連続欠席である。例えば教育機関が塾の場合、1回だけ無断欠席した生徒が脱落する可能性は低い。しかし、2回連続して無断欠席した生徒が脱落する可能性は、1回の無断欠席と比べて格段に高い。このような生徒は直ぐには塾を辞めないかもしれない。しかし欠席の数ヶ月後のデータを見ると違いが顕著である。無断欠席1回の生徒と連続2回の生徒を比較した場合、後者の脱会の確率が大幅に大きい。本発明によれば、このような脱落の可能性の高い生徒を確実に検出できる。
【0012】好ましくは、前記生徒行動情報記憶手段が記憶する行動情報は、生徒の遅刻情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態遅刻時間以上の遅刻が所定の危機状態連続遅刻回数以上継続するパターンである。例えば教育機関が塾の場合、生徒の遅刻が連続しても、遅刻時間が5分以内であれば、脱会の確率は小さい。一方、10分以上の遅刻が連続する場合、5分遅刻の連続の場合と比較して、脱会の確率が格段に大きい。本発明によれば、行動パターンとして連続遅刻回数に加えて遅刻の程度を利用することにより、脱落の可能性の高い生徒を確実に検出できる。
【0013】好ましくは、前記生徒行動情報記憶手段が記憶する行動情報は、生徒の宿題達成状態の情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の宿題未達成状態が所定の危機状態連続未達成回数以上継続するパターンである。生徒の宿題が未達成な状態が継続する場合、生徒の脱落の危険性が高い。本発明によれば、宿題の達成状態の記憶情報を用いて、所定の宿題未達成状態が所定の危機状態連続未達成回数以上連続するか否かを判定することにより、講師の経験などに頼らずに、危機状態の生徒を検出できる。
【0014】好ましくは、前記宿題達成状態の情報は、宿題の回答量を示す情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態回答量以下の回答量が所定の危機状態回答量連続回数以上継続するパターンを含む。好ましくは、回答量を表す情報として回答率が用いられる。生徒の回答量が少ない状態が継続する場合、生徒の脱落の危険性が高い。本発明によれば、回答量の情報を用いることにより、危機状態の生徒を適切に検出できる。
【0015】好ましくは、前記宿題達成状態の情報は、宿題に対する正答量を示す情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態正答量以下の正答量が所定の危機状態正答量連続回数以上継続するパターンを含む。好ましくは、正答量を表す情報として正答率が用いられる。生徒の正答量が少ない状態が継続する場合、生徒の脱落の危険性が高い。本発明によれば、回答量の情報を用いることにより、危機状態の生徒を適切に検出できる。
【0016】例えば、回答量が高くとも正答量が低いことがある。このようなとき、回答量を見ていても、生徒の危機状態は検出されない。本発明によれば、正答量を用いることにより、適切に危機状態の生徒を検出できる。
【0017】好ましくは、本発明の装置では、宿題未達成レベルに応じて危機状態連続未達成回数が異なって設定されており、ケア対象検出手段は、ある宿題未達成レベルがそのレベルに対応する危機状態未達成回数以上継続したときに、該当する生徒をケア対象生徒として検出する。宿題未達成レベルは、例えば、上述の回答量または正答量である。本発明によれば、宿題未達成レベルに応じて異なって設定された危機状態連続未達成回数を用いることにより、適切にケア危機状態の生徒を検出できる。
【0018】例として、宿題未達成レベルが回答量で表される場合を考える。回答量が0または比較的少ない状態が比較的少ない回数連続したとき、生徒は危機状態にあると考えられる。しかし、回答量がより多かったとしても、その状態が比較的長く続いたときは、生徒が危機状態にあると考えられる。前者の場合の検出も重要であるが、後者の場合の検出も同様に重要である。そして、後者の場合の検出は、講師の経験等に頼ることは特に容易でない、と考えられる。本発明によれば、このような宿題未達成レベルが比較的低い場合(例えば回答量が比較的多い場合)でも、危機状態の生徒の適切に検出できる。
【0019】(2)本発明の別の態様は、教育機関における生徒に対する教育提供情報を記憶する教育提供情報記憶手段と、前記教育提供情報に基づき、教育機関から生徒が脱落するときの教育提供パターンである脱落危機教育提供パターンと一致する教育提供パターンが与えられた生徒をケア対象生徒として検出するケア対象検出手段と、前記ケア対象生徒に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理手段と、を含む。
【0020】本発明によれば、教育提供情報を基に、生徒への教育提供が、脱落危機状態の要因になる教育提供パターンと比較される。そのようなパターンが生徒に与えられたとき、その生徒が脱落危機状態にあると判定される。そして、脱落危機状態にある生徒を対象として、ケア対応処理が行われる。ケア対応は、例えば、後述する電話連絡のための処理であり、また例えば、適切な講師の検索である。
【0021】このように、本発明によれば、講師の経験およびセンスに頼らなくとも、脱落しそうな生徒を確実に見つけ、迅速にケアすることができる。これにより、生徒の脱落を回避することができる。生徒は脱落せずに教育に追従するので、学力の増大が期待できる。
【0022】好ましくは、前記教育提供情報記憶手段が記憶する教育提供情報は、生徒に対して配置された教育者を示す教育者配置情報を含み、前記脱落危機教育提供パターンは、生徒に対して継続的に配置されたレギュラー教育者と異なる臨時教育者の配置が所定の危機状態臨時教育者継続回数以上にわたって継続するパターンである。例えば教育機関が塾の場合、臨時講師が連続した後は生徒が脱落する可能性が高くなる傾向がある。生徒の不安および生徒と臨時講師の相性などが要因として考えられる。こうした臨時講師の連続は回避すればよいと考えられる。しかし、臨時講師が連続してしまうこともあり得る。特に、個別指導タイプの塾の場合、少人数の生徒に1人の講師が配置されるので、講師の数が多く、講師の配置スケジュールは複雑である。このような状況が臨時講師の連続配置を招く可能性がある。本発明によれば、臨時講師の連続配置によって生徒が脱落してしまうことを確実に防止することができる。
【0023】(3)好ましくは、本発明のシステムにおいて、前記ケア対応処理手段は、ケア対象生徒に対する連絡を指示する連絡指示手段を含む。本発明によれば、ケア対象生徒が検出されたときに、連絡指示手段がケア対象生徒との連絡を指示する。したがって、本発明は、生徒の危機要因を迅速に取り除くように図ることができる。
【0024】好ましくは、本発明のシステムは、生徒の連絡先情報を記憶する連絡先情報記憶手段と、前記連絡指示手段による連絡の指示に応えて連絡者がケア対象生徒への連絡を要求したときに、ケア対象生徒と自動的に通信するために前記連絡先情報を提供する連絡先情報提供手段と、を含む。好ましくは連絡の通信は電話であり、これにより連絡者が生徒と直接コンタクトできる。通信は電子メールなどの他の手段でもよい。本発明によれば、連絡者は、連絡指示手段の指示に応えて生徒と容易に連絡できる。
【0025】好ましくは、前記連絡指示手段は、生徒リストを連絡者に提示するとともに、生徒リスト中のケア対象生徒を他の生徒と判別可能に提示し、前記連絡先情報提供手段は、前記連絡者により生徒リスト中のケア対象生徒が選択されたときに、前記ケア対象生徒との通信を接続するために前記連絡先情報を提供する。本発明によれば、連絡者は、生徒リスト中に示されたケア対象生徒を選択するだけでよく、これに応えて自動的に生徒との通信を確立させることができる。したがって連絡者は、一層容易に生徒と連絡できる。
【0026】(4)好ましくは、前記ケア対応処理手段は、前記ケア対象検出手段が前記ケア対象生徒を検出したときに、前記ケア対象生徒の通信装置に対して自動的にケアメッセージを提供するケア通信を行う自動ケア連絡手段を含む。本発明によれば、自動的にケアメッセージが送られるので、確実に生徒のケアを遂行できる。
【0027】自動ケア連絡手段は、電子メールを送ってもよく、また、電話をかけてもよい。電話の場合、好ましくは、音声合成装置によってケアメッセージが読み上げられる。
【0028】好ましくは、本発明の装置は、生徒の通信装置の連絡先情報を記憶する連絡先情報記憶手段と、前記ケア対象生徒について検出される危機パターンに応じたケアメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、を含み、前記自動ケア連絡手段は、前記メッセージ記憶手段に記憶されたケアメッセージを、前記連絡先情報記憶手段に記憶された連絡先へと送る。連絡先は、例えば電子メールアドレスまたは電話番号である。好ましくは、ケアメッセージは、ケア対象生徒を脱落危機状態から回復させる内容をもったメッセージである。本発明によれば、予め記憶されている連絡先とケアメッセージを利用することで、自動的なケアメッセージの提供ができる。そして、危機パターンに応じたケアメッセージを送ることで、より大きな回復効果が得られる。
【0029】(5)好ましくは、本発明のシステムは、生徒のプロフィールを記憶する生徒プロフィール記憶手段と、教育者のプロフィールを記憶する教育者プロフィール記憶手段と、を含み、前記ケア対応処理手段は、ケア対象生徒のプロフィールと教育者のプロフィールに基づいてケア対象者に適した教育者を検索する適合教育者検索手段を含む。
【0030】この態様では、ケア対応手段は、ケア対象者に適した教育者を検索する。このとき、教育者のプロフィールと生徒のプロフィールが利用される。例えば、生徒の将来の希望職業に関する知識をもった教育者が検索される。このような適切な教育者を配置することにより、生徒の脱落を回避できる。
【0031】(6)本発明の別の態様は危機構成員ケアシステムである。このシステムは、団体に属する構成員の行動情報を記憶する構成員行動情報記憶手段と、前記行動情報に基づき、前記団体から構成員が脱落するときの行動パターンである脱落危機構成員行動パターンと一致する構成員行動パターンをもつ構成員をケア対象構成員として検出するケア対象検出手段と、前記ケア対象構成員に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理手段と、を含む。本発明は、教育機関およびその他の団体に適用できる。そして、脱落危機状態にある構成員を確実に検出し、迅速にケアして、脱落を回避することができる。
【0032】(7)本発明の別の態様は危機構成員ケアシステムである。このシステムは、団体における構成員に対する団体活動提供情報を記憶する団体活動提供情報記憶手段と、前記団体活動提供情報に基づき、前記団体から構成員が脱落するときの団体活動提供パターンである脱落危機団体活動提供パターンと一致する団体活動提供パターンが与えられた構成員をケア対象構成員として検出するケア対象検出手段と、前記ケア対象構成員に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理手段と、を含む。本発明は、教育機関およびその他の団体に適用できる。そして、脱落危機状態にある構成員を確実に検出し、迅速にケアして、脱落を回避することができる。
【0033】本発明は上記の態様には限定されない。本発明の別の態様は、例えば、コンピュータを用いた危機生徒ケア方法および危機構成員ケア方法であり、また例えば、それら方法を実現するプログラムを記録した媒体である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。本実施形態では、教育機関の一形態である塾、特に個別指導タイプの塾に本発明が適用される。
【0035】図1は、本実施形態の生徒ケアシステムを示している。生徒ケアシステム10は、塾の生徒、講師および塾が提供する教育の情報を管理する塾情報集中管理コンピュータシステムに組み込まれている。
【0036】生徒ケアシステム10は、支部教室端末40および生徒出退管理端末50と通信可能に接続されている。支部教室端末40および生徒出退管理端末50は、塾を構成する多数の支部教室の各々に設置されている。したがって、図には示されていないが、生徒ケアシステム10は複数の支部教室端末40および複数の生徒出退管理端末50と接続されている。
【0037】支部教室端末40は、生徒ケアシステム10にアクセスして各種の情報を送り、また生徒ケアシステム10から情報の提供を受ける。生徒出退管理端末50は、生徒ケアシステム10に対して、生徒の出退の情報を送る。生徒出退管理端末50は、いわゆるタイムカード読取装置の機能をもつ。そして、生徒出退管理端末50は、生徒が教室に来た時刻と、生徒が教室から帰った時刻の情報を生徒ケアシステム10に送る。
【0038】また生徒ケアシステム10において、支部教室端末40は生徒電話60と、公衆回線を通じて通信する。生徒電話60は、生徒の家の電話でもよく、携帯電話でもよい。また支部教室端末40は生徒端末70とも接続されている。生徒端末70は、生徒の家のコンピュータでもよく、この場合は、好ましくはインターネットを介して支部教室端末40と生徒端末70が接続される。支部教室端末40は生徒ケアシステム10(塾情報集中管理コンピュータシステム)を介して生徒端末70と接続されてもよい。さらに、生徒端末70は携帯端末、携帯電話でもよい。その他、生徒が利用できる端末が支部教室に設置され、生徒端末として機能してもよい。
【0039】さらに、生徒電話60および生徒端末70は、それぞれ公衆回線およびインターネット等を通じて、生徒ケアシステム10とも通信する。
【0040】生徒ケアシステム10は、生徒行動情報記憶部12および教育提供情報記憶部14を含む。生徒行動情報記憶部12は、生徒の行動情報を記憶している。本実施形態では、生徒行動情報記憶部12は、生徒出退管理端末50から送られてきた生徒の出退時刻情報を記憶している。この情報から、生徒の欠席および遅刻の状況(遅刻時間を含む)が分かる。
【0041】生徒行動情報記憶部12は、欠席が無断欠席か否かの情報も記憶している。支部教室が、生徒から前もって欠席の電話連絡を受けたとする。このとき、生徒の欠席が生徒出退管理装置50に入力され、生徒ケアシステム10に送信される。塾組織の他の部門が欠席の電話連絡を受けてもよい。この場合も欠席情報が生徒ケアシステム10に送られる。生徒ケアシステム10の端末18から欠席情報が入力されてもよい。さらに、生徒は電子メールを利用して欠席を支部教室40に送ってもよく、これにより欠席の情報が生徒ケアシステム10に伝達される。電子メールは生徒ケアシステム10に直接送られてもよい。このようにして入手された欠席連絡が生徒行動情報記憶部12に記憶される。生徒行動情報記憶部12に記憶されている欠席のうちで、欠席連絡がない欠席が、無断欠席である。
【0042】教育提供情報記憶部14は、生徒に対する教育提供情報を記憶している。本実施形態では、教育提供情報記憶部14は、生徒出退管理端末50から送られてきた講師配置の情報を記憶している。講師配置の情報とは、生徒に対する講師の配置(割当て)である。個別指導タイプの塾では、少人数、好ましくは1人または2人の生徒に1人の講師が割り当てられる。この講師配置の情報が支部教室端末40で入力され、生徒ケアシステム10に送られて、教育提供情報記憶部14に格納される。
【0043】講師配置では、各生徒に対してレギュラー講師が設定されている。レギュラー講師は、生徒に対して継続的に配置される。しかし、生徒または講師のスケジュールなどの理由で、レギュラー講師と異なる臨時講師が配置されることがある。この臨時講師の配置の情報も支部教室端末40から生徒ケアシステム10に送られ、教育提供情報記憶部14に格納される。
【0044】生徒ケアシステム10はさらにケア対象検出部16を含む。ケア対象検出部16は、生徒行動情報記憶部12および教育提供情報記憶部14の情報を基に、塾から脱落する可能性の高い生徒を検出する。脱落は、典型的には教育機関からの脱退、例えば塾からの退会である。脱落は、教育カリキュラムに追従できなくなることでもよい。
【0045】ケア対象検出部16は、生徒行動情報記憶部12の情報を用いて、生徒行動パターンが脱落危機生徒行動パターンと一致するか否かを判定する。脱落危機生徒行動パターンとは、塾から生徒が脱落するときの行動パターンである。本実施形態は、以下の2つのパターンが用いられる。
【0046】(1−1)所定の危機状態連続欠席回数以上の連続欠席のパターン。好ましくは、所定の連続回数以上の無断欠席のパターンが適用される。無断欠席の連続は、生徒の危機状態をより典型的に示す。例えば、2回以上の連続無断欠席である。
【0047】(1−2)所定の危機状態遅刻時間以上の遅刻が所定の危機状態連続遅刻回数以上継続するパターン。例えば、10分以上の遅刻の2回以上の連続である。
【0048】ケア対象検出部16は、生徒行動情報記憶部12から生徒の出欠情報と遅刻の情報を求める。そしてケア対象検出部16は、(1−1)(1−2)の少なくとも一方と一致する行動パターンをもつ生徒を、ケア対象生徒として検出する。
【0049】また、ケア対象検出部16は、教育提供情報記憶部14の情報を用いて、教育提供パターンが脱落危機教育提供パターンと一致するか否かを判定する。脱落危機教育提供パターンは、塾から生徒が脱落するときの教育提供パターンである。本実施形態では、脱落危機教育提供パターンとして、以下のパターンが用いられる。
【0050】(2)生徒に対して継続的に配置されたレギュラー講師と異なる臨時講師の配置が所定の危機状態臨時教育者回数以上にわたって継続するパターン。例えば、臨時講師の2回連続配置である。
【0051】ケア対象検出部16は、生徒行動情報記憶部12から講師配置の情報を求める。そしてケア対象検出部16は、(2)と一致する教育提供パターンをもつ生徒を、ケア対象生徒として検出する。
【0052】生徒ケアシステム10はさらにケア対応処理部20を含む。ケア対応処理部20は、ケア対象生徒に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行う。本実施形態では、ケア対応処理として、生徒との連絡推進、および、適合講師検索が行われる。
【0053】ケア対応処理部20は、ケア対象生徒との連絡のために、連絡指示部22、連絡要求受付部24、連絡先情報提供部26および連絡先情報記憶部28を含む。本実施形態では、ケア対象生徒との連絡に電話が用いられる。
【0054】連絡指示部22は、連絡者に対して、ケア対象生徒との連絡を指示する。連絡者は、例えば支部教室の講師である。講師が支部教室端末40を操作して生徒ケアシステム10にアクセスしたとき、連絡指示部22が端末40の画面に、連絡の指示を表示する。
【0055】連絡者(講師)は、連絡指示部22の指示に応えて、ケア対象生徒ととの連絡を要求する。連絡要求受付部24が、支部教室端末40から連絡要求を受け付ける。これに応えて、連絡先情報提供部26がケア対象生徒と自動的に通信するための処理を行う。連絡先情報記憶部28は、生徒の連絡先情報を記憶している。連絡先情報提供部26は、連絡先情報記憶部28から生徒の連絡先情報を読み出して、その連絡先を支部教室端末40に伝える。支部教室端末40は連絡通信手段としての電話機を備え、教えられた連絡先との通信を確立する。
【0056】本実施形態では、電話が用いられる。したがって、連絡先情報提供部26は、ケア対象生徒の電話番号を連絡先情報記憶部28から読み出し、支部教室端末40に伝える。支部教室端末40は、教えられた番号に自動的に電話をかける。電話がつながると、講師は、ケア対象生徒と、ケアのための会話をする。
【0057】また好ましくは、上述の連絡指示部22は、生徒リストを連絡者に提示するとともに、生徒リスト中のケア対象生徒を他の生徒と判別可能に提示する。
【0058】図2は、生徒リストの例を示している。このリストは、講師が支部教室端末40を用いて生徒ケアシステム10にアクセスしたときに、支部教室端末40に提示される。図2では、生徒名が配列されている。そして、ケア対象生徒には、電話マークが付けられている。このマークにより、講師は、ケア対象生徒を他の生徒と容易に判別できる。
【0059】講師は電話マークをクリックする。この操作を示す情報が、連絡要求として、連絡要求受付部24に受け付けられる。連絡先情報提供部26はケア対象生徒の電話番号を支部教室端末40に送る。支部教室端末40は、教えられた電話番号に電話をかける。電話が終わると、リスト上の電話マークが消去される。あるいはマークの色、形等の形態が変更され、電話連絡遂行が示される。
【0060】本実施形態では、通信手段としての電話が支部教室端末40に備えられている。しかし、電話機は、塾情報集中コンピュータシステム(生徒ケアシステム10を備えている)内の端末18に備えられてもよい。塾センタ内の人間が連絡者となって生徒と連絡する。
【0061】また電話以外の通信手段が用いられてもよい。例えば電子メールが好適に用いられる。この場合、連絡先情報は電子メールアドレスである。そして、生徒端末70との間で通信が行われる。
【0062】また、連絡指示部22、連絡要求受付部24、連絡先情報提供部26および連絡先情報記憶部28の一部または全部を支部教室端末40に設ける構成が採用されてもよい。この例に見られるように、本発明の構成要素は、複数のコンピュータに分散配置されてもよい。
【0063】図1の説明に戻り、ケア対応処理部20はさらに適合教育者検索部30を含む。また、生徒ケアシステム10には生徒プロフィール記憶部32および教育者プロフィール記憶部34が設けられている。生徒プロフィール記憶部32は生徒のプロフィールを記憶する。教育者プロフィール記憶部34は講師のプロフィールを記憶する。適合教育者検索部30は、ケア対象生徒のプロフィールと講師のプロフィールに基づいてケア対象者に適した講師を検索する。検索された講師は、新たな講師としてケア対象生徒に割り当てられる。
【0064】例えば、生徒のプロフィールが、生徒の将来の希望職業を含んでいるとする。この希望職業に関連するプロフィールをもつ講師が、適合講師として検索される。講師の職業が生徒の希望と一致してもよく、また、講師の通う学校が生徒の希望に関連してもよく、また、講師の家族の職業は生徒の希望と一致または関連してもよい。プロフィールを用いているので、このような多くの情報が検索範囲になり、生徒の多様な希望に応えられる。検索処理では、このように特定の項目をキーに用いる検索が行われてもよい。また、生徒および講師のプロフィール全体を比較して、相性の合う講師が検索されてもよい。
【0065】図3は、ケア対象生徒の検出処理の一例を示している。ケア対象検出部16は、生徒行動情報記憶部12から、判定対象の生徒の行動情報を取得し(S10)、生徒の行動が脱落危機生徒行動パターンと一致するか否かを判定する(S12)。(1−1)連続欠席、および、(1−2)所定時間以上の遅刻の連続が調べられる。
【0066】S12がYESの場合には、着目している生徒がケア対象生徒である。そこで、ケア対象検出部16はS18に進み、着目している生徒を、ケア対象生徒として登録する。
【0067】S18がNOの場合にはS14に進む。そして、ケア対象検出部16は、生徒への教育提供情報を教育提供情報記憶部14から取得し(S14)、生徒への教育提供が脱落危機教育提供パターンと一致する否かが判定される(S16)。臨時講師の連続配置が調べられる。S16がNOの場合は、判定対象の生徒についての処理を終了する。
【0068】S16がYESの場合には、着目している生徒がケア対象生徒である。そこで、ケア対象検出部16はS18に進み、着目している生徒を、ケア対象生徒として登録する。
【0069】図4は、ケア対応処理の一例を示している。ケア対応処理部20は、支部教室端末40から生徒リストの提示要求を受け付け(S20)、要求に応えてリストを提示する(S22)。連絡者(例えば講師または支部教室責任者)は、リストを見て、ケア対象生徒との連絡を要求する。連絡要求受付部24は連絡要求を受け付け(S24)、連絡先情報提供部26が連絡先情報を提供する(S26)。この連絡先情報を用いて自動的にケア対象生徒との通信が行われる(S28)。支部教室端末40の電話機能が利用される。
【0070】ケア対象生徒との通信において、例えば生徒が、より適切な講師を希望したとする。一例としては、生徒が、自分の希望職業に関連した講師を希望する。連絡者は、適当な講師の検索を要求する。
【0071】適合教育者検索部30、検索要求を受け付け(S30)、生徒プロフィール記憶部32および教育者プロフィール記憶部34を用いて適切な講師を検索し(S32)、検索結果を通知する(S34)。これを受けて、講師配置が変更される。
【0072】上述の図3および図4の処理は、塾に属する全生徒のそれぞれについて行われる。また、図3および図4の処理は、例えば定期的に行われる。1日1回行われてもよい。また、生徒の行動情報または教育提供情報が新しく得られたときに、図3の処理が開始されてもよい。
【0073】以上、本発明の好適な実施形態を説明した。本発明によれば、生徒の行動情報を基に、生徒の行動が、脱落危機状態行動パターンと比較される。生徒の行動が危機状態のパターンをもつとき、その生徒が脱落危機状態にあると判定される。
【0074】また本発明によれば、教育提供情報を基に、生徒への教育提供が、脱落危機状態の要因になる教育提供パターンと比較される。そのようなパターンが生徒に与えられたとき、その生徒が脱落危機状態にあると判定される。
【0075】そして、本発明によれば、脱落危機状態にある生徒を対象として、ケア対応処理が行われる。ケア対応は、例えば、電話連絡のための処理であり、また例えば、適切な講師の検索である。
【0076】したがって、本発明によれば、講師の経験およびセンスに頼らなくとも、脱落しそうな生徒を確実に見つけ、迅速にケアすることができる。これにより、生徒の脱落を回避することができる。生徒は脱落せずに教育に追従するので、学力の増大が期待できる。
【0077】一つの脱落危機行動パターンは、所定の危機状態連続欠席回数の連続欠席である。例えば教育機関が塾の場合、1回だけ無断欠席した生徒が脱落する可能性は低い。しかし、2回連続して無断欠席した生徒が脱落する可能性は、1回欠席と比べて格段に高い。このような生徒は直ぐには塾を辞めないかもしれない。しかし欠席の数ヶ月後のデータを見ると違いが顕著である。欠席1回の生徒と連続2回の生徒を比較した場合、後者の脱会の確率が大幅に大きい。本発明によれば、このような脱落の可能性の高い生徒を確実に検出できる。
【0078】もう一つの脱落危機行動パターンは、所定の危機状態遅刻時間以上の遅刻が所定の危機状態連続遅刻回数以上継続するパターンである。例えば教育機関が塾の場合、生徒の遅刻が連続しても、遅刻時間が5分以内であれば、脱会の確率は小さい。一方、10分以上の遅刻が連続する場合、5分遅刻の連続と比較して、脱会の確率が大きい。本発明によれば、行動パターンとして連続遅刻回数に加えて遅刻の程度を利用することにより、脱落の可能性の高い生徒を確実に検出できる。
【0079】また、一つの脱落危機教育提供パターンは、生徒に対して継続的に配置されたレギュラー教育者と異なる臨時教育者の配置が所定の危機状態臨時教育者継続回数以上にわたって継続するパターンである。例えば教育機関が塾の場合、臨時講師が連続した後は生徒が脱落する可能性が高くなる傾向がある。生徒の不安および生徒と臨時講師の相性などが要因として考えられる。こうした臨時講師の連続は回避すればよいと考えられる。しかし、臨時講師が連続してしまうこともあり得る。特に、個別指導タイプの塾の場合、少人数の生徒に1人の講師が配置されるので、講師の数が多く、講師の配置スケジュールは複雑である。このような状況が臨時講師の連続配置を招く可能性がある。本発明によれば、臨時講師の連続配置によって生徒が脱落してしまうことを確実に防止することができる。
【0080】また本発明によれば、検出されたケア対象生徒に対する連絡を指示する連絡指示手段を設けたので、生徒の危機要因を迅速に取り除くように図ることができる。
【0081】また本発明によれば、連絡先情報記憶手段および連絡先情報提供手段を設けたことにより、連絡者は、連絡指示手段の指示に応えて容易に生徒と連絡できる。
【0082】また本発明は、生徒リストを連絡者に提示するとともに、生徒リスト中のケア対象生徒を他の生徒と判別可能に提示する。そして生徒リスト中のケア対象生徒が選択されたときに、連絡先情報が自動的に提供される。連絡者は、生徒リスト中に示されたケア対象生徒を選択するだけでよく、これに応えて自動的に生徒との通信が確立する。したがって連絡者は、一層容易に生徒と連絡できる。
【0083】また本発明によれば、生徒のプロフィールと教育者のプロフィールを用いて、ケア対象者に適した教育者が検索される。例えば、生徒の将来の希望職業に関する知識をもった教育者が検索される。このような適切な教育者を配置することにより、生徒の脱落を回避できる。
【0084】なお、上述の実施形態では、本発明が、教育機関の一形態である塾に適用された。しかし本発明はこれに限定されない。学校等の任意の教育機関に本発明を適用可能である。また教育機関は、語学、芸事、スポーツなどを対象としてもよい。
【0085】また本発明は、教育機関以外の団体に適用されてもよい。この場合、教育機関が団体に対応する。生徒が、団体に属する構成員に相当する。構成員行動情報記憶部および団体活動提供情報記憶部が設けられる。そして、ケア対象検出部16はケア対象構成員を検出する。ケア対応処理手段は、ケア対象構成員に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行う。このように本発明は、教育機関およびその他の団体に適用できる。そして、脱落危機状態にある構成員を確実に検出し、迅速にケアして、脱落を回避することができる。
【0086】そのほか、当業者により本発明の範囲内で上述の実施形態を変形可能なことはもちろんである。また、本発明は、上記のシステムまたは方法の態様に限定されない。本発明の別の態様は、例えば、上記のシステムおよび方法を実現するプログラム、およびそのプログラムを記録した媒体である。
【0087】上述の各種の変形例は、下記に説明する別の実施形態においても同様に適用可能である。
【0088】次に、図5は、本発明のもう一つの実施形態を示している。本システムは、図1と比較して、ケア対応処理部100が異なる。本システムは、ケア対象生徒に対する自動連絡を実現し、これにより迅速かつ確実なケアを可能とする。本システムでは、特に、ケア対象生徒に電子メールが送られる。
【0089】図5に示されるように、本システムでは、ケア対応処理部100が、連絡先情報記憶部102、メッセージ記憶部104、ケアメッセージ作成部106および自動ケア連絡部108を含む。図5に示される他の構成要素は、図1のシステムと基本的に同様でよいので、それら構成要素の説明は省略する。
【0090】連絡先情報記憶部102は、生徒の通信装置の連絡先情報を記憶する。本実施形態では、記憶部102は、生徒端末70へ電子メールを送信するための電子メールアドレスを記憶している。記憶部102は、塾に属する複数の生徒のアドレスを記憶している。
【0091】メッセージ記憶部104は、ケアメッセージを記憶する。ケアメッセージは、生徒を脱落の危機状態から回復させる内容をもったメッセージである。例えば、ケアメッセージは生徒を癒す文を含む。ケアメッセージは生徒を激励する文を含んでもよい。
【0092】メッセージ記憶部104は、複数の危機パターンにそれぞれ対応する複数のケアメッセージを記憶している。本実施形態では、連続欠席、連続遅刻、連続臨時講師の3つの危機パターンが用いられる。記憶部104は、各パターンに対応するケアメッセージを記憶している。例えば、連続欠席パターンに対応するケアメッセージは、「欠席しないで勉強に励んで成績を上げよう」といった趣旨の激励文を含む。
【0093】ケアメッセージ作成部106は、メッセージ記憶部104に記憶されたケアメッセージを基に、ケア対象生徒の専用ケアメッセージを作成する。ケアメッセージ作成部106は、ケア対象生徒の危機パターンに対応するケアメッセージをメッセージ記憶部104から読み出す。ケアメッセージ作成部106は、読み出されたケアメッセージに、ケア対象生徒の名前を付加する。メッセージ中の名前が付加される場所は予め決められている。生徒の名前を付加することで、ケアメッセージが生徒に与える印象が強くなり、ケア効果を増大させることができる。
【0094】自動ケア連絡部108は、ケアメッセージ作成部106により作成された専用ケアメッセージ(すなわち、メッセージ記憶部104から読み出されたケアメッセージであって、生徒の名前が付加されたもの)を生徒端末70に送信する。ここでは、ケアメッセージが電子メールに書き込まれる。そして、電子メールが、連絡先情報記憶部102に記憶された電子メールアドレスへと送られる。
【0095】ケアメッセージは、文章に限定されない。ケアメッセージは画像でもよい。またケアメッセージは音声データでもよい。画像または音声は、例えば、電子メールに添付される。
【0096】またメッセージは、典型的には、ケア対象生徒が検出されたときに即座に送信される。ただし、メッセージの送信タイミングはこれに限定されない。例えば、送信タイミングは、ケア対象生徒の検出から所定の期間が経過した時点でもよい。メッセージの効果が最も高いと考えられる適当な期間が設定される。さらに、送信時刻が適当に定められていてもよい。
【0097】また、メッセージには、適合教育者検索部によって検索された適当な講師が付加されてもよい。例えば、検索された講師を、新しい講師の候補として紹介する内容を含むメッセージが適用される。
【0098】以上に説明したように、本実施形態によれば、ケア対象生徒が検出されたときに、生徒に自動的にケアメッセージが送られる。したがって確実にケアを遂行できる。さらに、連絡担当者が連絡を遅らせることによりケアが遅れる、といったことがない。したがって、確実かつ迅速にケアを遂行できる。
【0099】また本実施形態によれば、予め記憶されている連絡先とケアメッセージを利用することで、自動的なケアメッセージの提供ができる。そして、危機パターンに応じたケアメッセージを送ることで、より大きな回復効果が得られる。
【0100】また本実施形態の変形例として、メッセージ記憶部104は、基本ケアメッセージ部分と個別危機パターンメッセージ部分とを記憶する。記憶部104は、複数の危機パターンにそれぞれ対応する複数の個別危機パターンメッセージ部分を記憶している。ケアメッセージ作成部106は、基本ケアメッセージに、生徒の危機パターンに対応する個別危機パターンメッセージ部分を付加する。さらにケアメッセージ作成部106は、生徒の名前をメッセージに付加する。
【0101】ここで、生徒が複数の危機パターンに対応することがある。このような場合、上記構成によれば、複数の危機パターンに対応する複数の個別危機パターンメッセージ部分が基本パターンに付加される。したがって、複合要因がある場合に柔軟な対応が可能であり、適切なメッセージをつくれる。
【0102】また本実施形態では、ケアメッセージが電子メールのかたちで提供された。これに対し、ケアメッセージは電話で送られてもよい。この場合、好ましくは、連絡先情報記憶部は生徒の電話番号(家の電話でも携帯電話でもよい)を記憶している。メッセージ作成部は、メッセージ記憶部から読み出したメッセージの音声データを作成する。音声合成技術が用いられる。自動ケア連絡部は、連絡先情報記憶部に記憶された電話番号に電話をかける。そして、自動ケア連絡部は、音声データを出力する。
【0103】さらに好ましくは、生徒の声を認識する音声認識部が設けられる。音声認識部は、音声メッセージに対する生徒の応答を認識する。そして、認識された応答に対応するさらなる応答メッセージが送られる。ここでも音声合成による音声メッセージが送られる。この処理を繰り返すことにより、生徒とシステムの間で会話が行われる。
【0104】次に、本発明のもう一つの実施形態を説明する。本システムの構成は、基本的には図1または図5と同様でよい。本システムは、さらに、生徒の行動情報としての宿題達成状態に基づいて、ケア対象生徒を検出する。
【0105】図1または図5を参照すると、生徒行動情報記憶部12は、生徒の欠席および遅刻の情報に加えて、宿題達成状態の情報を記憶している。宿題達成状態の情報は、例えば、支部教室端末40に対して講師により入力される。ここでは、毎回の授業の後に宿題が生徒に与えられるとする。講師は、次の授業のときに、宿題の回答を受け取る。そして、授業の後に、回答を採点し、採点結果を支部教室端末40に入力する。講師は、採点結果の一部として、宿題達成状態の情報を入力する。この宿題達成状態の情報が、生徒ケアシステム10に送られ、生徒行動情報記憶部12に格納される。
【0106】本実施形態では、宿題達成状態の情報として回答量および正答量を用いる。さらに、本実施形態では、回答量を示す情報として回答率が用いられ、正答量を示す情報として正答率が用いられる。回答率は、全問題数に対する、回答数(生徒が回答した問題の数)の割合である。正答率は、回答数に対する、正答数の割合である。正答率は、全問題数に対する正答数でもよい。これら回答率および正答率が、支部教室端末40から生徒ケアシステム10に送られ、生徒行動情報記憶部12に記憶される。
【0107】ケア対象生徒検出部16は、前述のように、生徒行動情報記憶部12に記憶された行動情報に基づき、脱落危機生徒行動パターンと一致する生徒行動パターンをもつ生徒をケア対象生徒として検出する。脱落危機生徒行動パターンは、教育機関から生徒が脱落するときの行動パターンである。
【0108】本実施形態では、特に、脱落危機行動パターンは、所定の宿題未達成状態が所定の危機状態連続未達成回数以上継続するパターンである。本実施形態では、宿題達成状態の情報として回答量および正答量を用いているので、脱落危機行動パターンは以下のように設定されている。
【0109】(1)所定の危機状態回答率以下の回答率が所定の危機状態回答率連続回数以上継続するパターン。例えば、30%以下の回答率が2回以上連続。
【0110】(2)所定の危機状態正答率以下の正答率が所定の危機状態正答率連続回数以上継続するパターン。例えば、50%以下の正答率が3回以上連続。
【0111】ケア対象検出部16は、生徒行動情報記憶部12から生徒の回答率と正答率の情報を求める。そしてケア対象検出部16は、(1)(2)の少なくとも一方と一致する行動パターンをもつ生徒を、ケア対象生徒として検出する。
【0112】以降の処理は、上述の図1または図5に関して説明された実施形態と同様である。ケア対応処理部は、ケア対象生徒との連絡を指示する(図1)。あるいは、ケア対応処理部は、ケア対象生徒に自動的にメッセージを送る(図5)。ケア対応処理部は、必要に応じて生徒に適合する講師を検索する。
【0113】図6は、宿題達成状態に基づくケア対象生徒の検出処理の一例を示している。ケア対象生徒検出部16は、生徒行動情報記憶部12から、行動情報として宿題達成状態の情報を取得する(S40)。ここでは、過去複数回の宿題の各々における回答率および正答率の情報が取得される。ケア対象生徒検出部16は、回答率の情報に基づき、所定の危機状態回答率以下の回答率が所定の危機状態回答率連続回数以上継続しているか否かを判定する(S42)。YESであれば、S46に進み、着目している生徒をケア対象生徒として登録する。
【0114】S42がNOの場合、S44で、ケア対象生徒検出部16は、正答率の情報に基づき、所定の危機状態正答率以下の正答率が所定の危機状態正答率連続回数以上継続しているか否かを判定する(S44)。YESであれば、S46に進み、着目している生徒をケア対象生徒として登録する。S44がNOであれば、処理を終了する。
【0115】図6の処理は、図3のステップS10、S12およびS18に組み込まれてもよい。S40がS10の一部であり、行動情報として欠席、遅刻および宿題の情報が取得される。S42およびS44がS12の一部であり、欠席、遅刻とともに宿題達成状態に基づく判定が行われる。そして、S46がS18の一部であり、欠席、遅刻のパターンから検出された生徒とともに、宿題達成状態のパターンから検出された生徒が登録される。
【0116】上述のように、本実施形態では、宿題達成状態の情報として、回答率および正答率が用いられている。回答率および正答率は、回答の量および正答の量を示すパラメータの一つである。回答率および正答率以外の情報が用いられてもよい。例えば、回答数および正答数が用いられてもよい。また、回答量および正答量のレベルを示す複数のランクが用いられてもよい。
【0117】さらに、本実施形態は、回答量および正答量の両方を用いている。しかし、回答量および正答量の一方のみが用いられてもよい。さらに、宿題達成状態の情報は回答量および正答量に限定されない。他の情報が用いられてもよい。他の情報、回答量および正答量が用いられてもよい。
【0118】本実施形態では、回答量(回答率)および正答量(正答率)の情報が講師により支部教室端末40に入力され、生徒ケアシステム10に送られた。変形例としては、講師は、宿題の採点結果を入力してもよい。この情報から回答量および正答量が支部端末40で算出され、生徒ケアシステム10に送られる。あるいは、採点結果が生徒ケアシステム10に送られ、生徒ケアシステム10で回答量および正答量が求められ、その情報が生徒行動情報記憶部12に格納される。あるいは、採点結果の情報がそのまま生徒行動情報記憶部12に格納される。ケア対象生徒を検出するときに、採点結果の情報から回答量および正答量が算出される。要するに、採点結果のような情報、あるいは、宿題の回答の生データのような情報も、それら情報から宿題達成状態が分かるのでので、本発明の宿題達成状態の情報である。
【0119】以上、本実施形態の宿題達成状態に基づくケア対象生徒の検出技術を説明した。本実施形態によれば、宿題の達成状態の記憶情報を用いて、所定の宿題未達成状態が所定の危機状態連続未達成回数以上連続するか否かを判定することにより、講師の経験などに頼らずに、危機状態の生徒を検出できる。
【0120】また本実施形態は、宿題達成状態の情報として回答量の情報を用いている。生徒の回答量が少ない状態が継続する場合、生徒の脱落の危険性が高い。本実施形態によれば、回答量の情報を用いることにより、危機状態の生徒を適切に検出できる。
【0121】また本実施形態は、宿題達成状態の情報として正答量の情報を用いている。生徒の正答量が少ない状態が継続する場合、生徒の脱落の危険性が高い。本実施形態によれば、正答量の情報を用いることにより、危機状態の生徒を適切に検出できる。
【0122】ここで、生徒の回答量が多くとも正答量が少ないことがある。このようなとき、回答量を見ていても、生徒の危機状態は検出されない。本実施形態によれば、正答量を用いることにより、適切に危機状態の生徒を検出できる。さらには、生徒の正答量が比較的多くとも、回答量が少ないことがある。このような場合でも本実施形態によれば、適切に危機状態の生徒を検出できる。そして、両情報を用いることで、危機状態の生徒をより確実に検出できる。
【0123】なお、本実施形態の変形例として、宿題達成状態の情報が以下のようにして入手されてもよい。すなわち、生徒ケアシステム10は、通信装置を介して生徒端末70に宿題を送信する。宿題に対する回答が生徒によって生徒端末70に入力される。この回答が生徒ケアシステム10に送信される。受信された回答は、生徒の宿題達成状態の情報として生徒行動情報記憶部12に記憶される。
【0124】より詳細には、例えば、インターネットを利用して宿題が提供される。講師は支部教室端末40を用いて、生徒の宿題を入力する。予め設定された宿題群の中から適当な宿題が選択されてもよい。入力情報が支部教室端末40から生徒ケアシステム10に送信され、これにより生徒の宿題が生徒ケアシステム10に記憶される。生徒ケアシステム10はWWWサーバの機能をもつ。生徒は、生徒端末70を用いて生徒ケアシステム10のWebページにアクセスする。生徒がIDを入力すると、その生徒に対応する宿題がWebページ上で提示される。この宿題は、上述のように、講師の指定に基づいて予め用意されている。生徒が回答を生徒端末70に入力すると、その回答が生徒ケアシステム10に送信される。
【0125】生徒ケアシステム10では、生徒の回答が生徒行動情報記憶部12に記憶される。全問題数に対する回答数の割合を算出することにより、回答率が求められる。この回答率も生徒行動情報記憶部12に記憶される。さらに、予め記憶されている正しい答えを回答と比較することにより、採点が行われ、正答数が求められる。回答数に対する正答数を算出することにより、正答率が求められる(正答率は、全問題数に対する正答数の比率でもよい)。正答率の情報も生徒行動情報記憶部12に記憶される。そして、これら回答率および正答率の情報が、ケア対象生徒の検出処理に利用される。
【0126】なお、ここでも、回答率は回答量の一形態であり、回答率の代わりに例えば回答数が用いられてもよい。また正答率は正答量の一形態であり、正答率の代わりに例えば正答数が用いられてもよい。また、記憶部12は、宿題達成状態の情報として、生徒から送られてきた回答を記憶していてもよい。この回答から、後に、回答量および正答量が算出されてもよい。
【0127】また、上記構成によれば、生徒が問題を解くのに要する時間を入手することができる。問題の提示から回答受信までの時間が求められる。各問題に要した時間が入手されてもよい。この回答に要した時間の情報も生徒行動情報記憶部12に記憶され、生徒の行動情報として、行動パターンの解析に利用されてもよい。
【0128】図7および図8は、本発明のもう一つの実施形態におけるケア生徒検出処理を説明するための図面である。本実施形態では、上述の実施形態と同様に、生徒の宿題達成状態に基づいてケア対象生徒が検出される。本実施形態でも、所定の宿題未達成状態が所定の危機状態連続未達成回数以上継続したときに、着目している生徒がケア対象生徒として検出される。ただし、本実施形態の特徴として、宿題未達成レベルに応じて危機状態連続未達成回数が異なって設定される。
【0129】図7を参照すると、横軸は回答率であり、縦軸は宿題回数である。そして、ラインL1は、危機状態回答率に応じた危機状態回答率連続回数を示している。図示のように、回答率が高くなるほど、回数が大きく設定されている。図7は、好ましくはマップまたはテーブルの形式で、生徒ケアシステム10に記憶されている(図示しない判定基準記憶部が設けられる)。ケア対象検出部16は、図7のマップまたはテーブルを参照して、ケア対象生徒を検出する。図7のラインL1以上の状態が発生したとき、ケア対象生徒が検出される。
【0130】すなわち、ケア対象検出部16は、過去の複数回の宿題における生徒の回答率を生徒行動情報記憶部12から読み出す。例えば、回答率が30%以下の状態が2回継続すると、生徒の状態(回答率とその連続回数の組合せ)が図7のラインL1以上になる。また回答率が40%以下の状態が4回以上継続すると、生徒の状態が図7のラインL1以上になる。ある回答率レベル以下の状態が、その回答率レベルに応じて設定された判定回数以上継続するとき、ケア対象検出部16は、生徒をケア対象生徒と認める。
【0131】次に、図8を参照すると、横軸は正答率であり、縦軸は宿題回数である。そして、ラインL2は、危機状態正答率に応じた危機状態正答率連続回数を示している。図示のように、正答率が高くなるほど、回数が大きく設定されている。図8は、好ましくはマップまたはテーブルの形式で、生徒ケアシステム10に記憶されている(図示しない判定基準記憶部が設けられる)。ケア対象検出部16は、図8のマップまたはテーブルを参照して、ケア対象生徒を検出する。図8のライン以上の状態が発生したとき、ケア対象生徒が検出される。
【0132】図8を用いる処理は、基本的に図7と同様でよい。回答率の代わりに正答率が用いられる。ケア対象検出部16は、過去の複数回の宿題における生徒の正答率を生徒行動情報記憶部12から読み出す。ある正答率レベル以下の状態が、その正答率レベルに応じて設定された判定回数以上継続するとき、ケア対象検出部16は、生徒をケア対象生徒と認める。
【0133】ケア対象生徒が検出された後の処理、すなわちケア対応処理は、上述の実施形態と同様でよく、説明は省略する。
【0134】以上、本実施形態のケア対象検出処理を説明した。本実施形態によれば、宿題未達成レベルに応じて異なって設定された危機状態連続未達成回数を用いることにより、適切にケア危機状態の生徒を検出できる。
【0135】例えば図7において、回答率が比較的小さい状態が比較的少ない回数連続したとき、生徒は危機状態にあると判定される。しかし、回答率がより大きかったとしても、その状態が長く続いたときは、生徒が危機状態にあると判定される。前者の場合の検出も重要であるが、後者の場合の検出も同様に重要である。そして、後者の場合の検出は、講師の経験等に頼ることは特に容易でない、と考えられる。本実施形態によれば、このような宿題未達成レベルが比較的低い場合(例えば回答率が比較的大きい場合)でも、危機状態の生徒の適切に検出できる。
【0136】上記の点は、図8を用いて正答率に基づきケア対象生徒を検出するときも同様である。
【0137】なお、本実施形態では、宿題達成状態を示す情報として回答率および正答率を用いたが、前述のように、他の情報が用いられてもよい。宿題達成レベルが高くなるほど(宿題未達成レベルが低くなるほど)、危機状態連続未達成回数が大きく設定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の生徒ケアシステムを示す図である。
【図2】生徒リストおよびそこに示されるケア対象生徒を示す図である。
【図3】ケア対象生徒の検出処理を示すフローチャートである。
【図4】ケア対象生徒に対するケア対応処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の別の実施形態の生徒ケアシステムを示す図である。
【図6】本発明の別の実施形態におけるケア対象生徒の検出処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の別の実施形態におけるケア対象生徒の検出処理を説明する図である。
【図8】本発明の別の実施形態におけるケア対象生徒の検出処理を説明する図である。
【符号の説明】
10 生徒ケアシステム
12 生徒行動情報記憶部
14 教育提供情報記憶部
16 ケア対象検出部
20 ケア対応処理部
22 連絡指示部
24 連絡要求受付部
26 連絡先情報提供部
28 連絡先情報記憶部
30 適合教育者検索部
32 生徒プロフィール記憶部
34 教育者プロフィール記憶部
40 支部教室端末
50 生徒出退管理端末
60 生徒電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】 教育機関における生徒の行動情報を記憶する生徒行動情報記憶手段と、前記行動情報に基づき、教育機関から生徒が脱落するときの行動パターンである脱落危機生徒行動パターンと一致する生徒行動パターンをもつ生徒をケア対象生徒として検出するケア対象検出手段と、前記ケア対象生徒に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理手段と、を含むことを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項2】 請求項1に記載の危機生徒ケアシステムにおいて、前記生徒行動情報記憶手段が記憶する行動情報は、生徒の出欠情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態連続欠席回数以上の連続欠席であることを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項3】 請求項1に記載の危機生徒ケアシステムにおいて、前記生徒行動情報記憶手段が記憶する行動情報は、生徒の遅刻情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態遅刻時間以上の遅刻が所定の危機状態連続遅刻回数以上継続するパターンであることを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項4】 請求項1に記載の危機生徒ケアシステムにおいて、前記生徒行動情報記憶手段が記憶する行動情報は、生徒の宿題達成状態の情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の宿題未達成状態が所定の危機状態連続未達成回数以上継続するパターンであることを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項5】 請求項4に記載の危機生徒ケアシステムにおいて、前記宿題達成状態の情報は、宿題の回答量を示す情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態回答量以下の回答量が所定の危機状態回答量連続回数以上継続するパターンを含むことを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項6】 請求項5に記載の危機生徒ケアシステムにおいて、回答量を表す情報として回答率が用いられることを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項7】 請求項4に記載の危機生徒ケアシステムにおいて、前記宿題達成状態の情報は、宿題に対する正答量を示す情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態正答量以下の正答量が所定の危機状態正答量連続回数以上継続するパターンを含むことを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項8】 請求項7に記載の危機生徒ケアシステムにおいて、正答量を表す情報として正答率が用いられることを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項9】 請求項4〜8のいずれかに記載の危機生徒ケアシステムにおいて、宿題未達成レベルに応じて危機状態連続未達成回数が異なって設定されており、ケア対象検出手段は、ある宿題未達成レベルがそのレベルに対応する危機状態未達成回数以上継続したときに、該当する生徒をケア対象生徒として検出することを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項10】 教育機関における生徒に対する教育提供情報を記憶する教育提供情報記憶手段と、前記教育提供情報に基づき、教育機関から生徒が脱落するときの教育提供パターンである脱落危機教育提供パターンと一致する教育提供パターンが与えられた生徒をケア対象生徒として検出するケア対象検出手段と、前記ケア対象生徒に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理手段と、を含むことを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項11】 請求項10に記載の危機生徒ケアシステムにおいて、前記教育提供情報記憶手段が記憶する教育提供情報は、生徒に対して配置された教育者を示す教育者配置情報を含み、前記脱落危機教育提供パターンは、生徒に対して継続的に配置されたレギュラー教育者と異なる臨時教育者の配置が所定の危機状態臨時教育者回数以上にわたって継続するパターンであることを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の危機生徒ケアシステムにおいて、前記ケア対応処理手段は、ケア対象生徒に対する連絡を指示する連絡指示手段を含むことを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項13】 請求項12に記載の危機生徒ケアシステムにおいて、生徒の連絡先情報を記憶する連絡先情報記憶手段と、ケア対象生徒と自動的に通信するために前記連絡先情報を提供する連絡先情報提供手段と、を含むことを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項14】 請求項13に記載の危機生徒ケアシステムにおいて、前記連絡指示手段は、生徒リストを連絡者に提示するとともに、前記生徒リスト中のケア対象生徒を他の生徒と判別可能に提示し、前記連絡先情報提供手段は、前記連絡者により前記生徒リスト中のケア対象生徒が選択されたときに、前記ケア対象生徒との通信を接続するために前記連絡先情報を提供することを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項15】 請求項1〜11のいずれかに記載の危機生徒ケアシステムにおいて、前記ケア対応処理手段は、前記ケア対象検出手段が前記ケア対象生徒を検出したときに、前記ケア対象生徒の通信装置に対して自動的にケアメッセージを提供するケア通信を行う自動ケア連絡手段を含むことを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項16】 請求項15に記載の危機生徒ケアシステムにおいて、生徒の通信装置の連絡先情報を記憶する連絡先情報記憶手段と、前記ケア対象生徒について検出される危機パターンに応じたケアメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、を含み、前記自動ケア連絡手段は、前記メッセージ記憶手段に記憶されたケアメッセージを、前記連絡先情報記憶手段に記憶された連絡先へと送ることを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項17】 請求項1〜16のいずれかに記載の危機生徒ケアシステムにおいて、生徒のプロフィールを記憶する生徒プロフィール記憶手段と、教育者のプロフィールを記憶する教育者プロフィール記憶手段と、を含み、前記ケア対応処理手段は、ケア対象生徒のプロフィールと教育者のプロフィールに基づいてケア対象者に適した教育者を検索する適合教育者検索手段を含むことを特徴とする危機生徒ケアシステム。
【請求項18】 団体に属する構成員の行動情報を記憶する構成員行動情報記憶手段と、前記行動情報に基づき、前記団体から構成員が脱落するときの行動パターンである脱落危機構成員行動パターンと一致する構成員行動パターンをもつ構成員をケア対象構成員として検出するケア対象検出手段と、前記ケア対象構成員に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理手段と、を含むことを特徴とする危機構成員ケアシステム。
【請求項19】 団体における構成員に対する団体活動提供情報を記憶する団体活動提供情報記憶手段と、前記団体活動提供情報に基づき、前記団体から構成員が脱落するときの団体活動提供パターンである脱落危機団体活動提供パターンと一致する団体活動提供パターンが与えられた構成員をケア対象構成員として検出するケア対象検出手段と、前記ケア対象構成員に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理手段と、を含むことを特徴とする危機構成員ケアシステム。
【請求項20】 教育機関における生徒の行動情報を取得するステップと、前記行動情報に基づき、教育機関から生徒が脱落するときの行動パターンである脱落危機生徒行動パターンと一致する生徒行動パターンをもつ生徒をケア対象生徒として検出するケア対象検出ステップと、前記ケア対象生徒に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理ステップと、を含むことを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項21】 請求項20に記載の危機生徒ケア方法において、前記行動情報は、生徒の出欠情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態連続欠席回数の連続欠席であることを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項22】 請求項20に記載の危機生徒ケア方法において、前記行動情報は、生徒の遅刻情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態遅刻時間以上の遅刻が所定の危機状態連続遅刻回数以上継続するパターンであることを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項23】 請求項20に記載の危機生徒ケア方法において、前記行動情報は、生徒の宿題達成状態の情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の宿題未達成状態が所定の危機状態連続未達成回数以上継続するパターンであることを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項24】 請求項23に記載の危機生徒ケア方法において、前記宿題達成状態の情報は、宿題の回答量を示す情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態回答量以下の回答量が所定の危機状態回答量連続回数以上継続するパターンを含むことを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項25】 請求項24に記載の危機生徒ケア方法において、回答量を表す情報として回答率が用いられることを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項26】 請求項23に記載の危機生徒ケア方法において、前記宿題達成状態の情報は、宿題に対する正答量を示す情報を含み、前記脱落危機行動パターンは、所定の危機状態正答量以下の正答量が所定の危機状態正答量連続回数以上継続するパターンを含むことを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項27】 請求項26に記載の危機生徒ケア方法において、正答量を表す情報として正答率が用いられることを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項28】 請求項23〜27のいずれかに記載の危機生徒ケア方法において、宿題未達成レベルに応じて危機状態連続未達成回数が異なって設定されており、ケア対象検出ステップは、ある宿題未達成レベルがそのレベルに対応する危機状態未達成回数以上継続したときに、該当する生徒をケア対象生徒として検出することを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項29】 教育機関における生徒に対する教育提供情報を取得するステップと、前記教育提供情報に基づき、教育機関から生徒が脱落するときの教育提供パターンである脱落危機教育提供パターンと一致する教育提供パターンが与えられた生徒をケア対象生徒として検出するケア対象検出ステップと、前記ケア対象生徒に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理ステップと、を含むことを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項30】 請求項29に記載の危機生徒ケア方法において、前記教育提供情報は、生徒に対して配置された教育者を示す教育者配置情報を含み、前記脱落危機教育提供パターンは、生徒に対して継続的に配置されたレギュラー教育者と異なる臨時教育者の配置が所定の危機状態臨時教育者回数以上にわたって継続するパターンであることを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項31】 請求項20〜30のいずれかに記載の危機生徒ケア方法において、前記ケア対応処理ステップは、ケア対象生徒に対する連絡を指示する連絡指示ステップを含むことを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項32】 請求項31に記載の危機生徒ケア方法において、生徒の連絡先情報を取得する連絡先情報取得ステップと、ケア対象生徒と自動的に通信するために前記連絡先情報を提供する連絡先情報提供ステップと、を含むことを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項33】 請求項32に記載の危機生徒ケア方法において、前記連絡指示ステップは、生徒リストを連絡者に提示するとともに、前記生徒リスト中のケア対象生徒を他の生徒と判別可能に提示し、前記連絡先情報提供ステップは、前記連絡者により前記生徒リスト中のケア対象生徒が選択されたときに、前記ケア対象生徒との通信を接続するために前記連絡先情報を提供することを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項34】 請求項20〜30のいずれかに記載の危機生徒ケア方法において、前記ケア対応処理ステップは、前記ケア対象検出ステップで前記ケア対象生徒が検出されたときに、前記ケア対象生徒の通信装置に対して自動的にケアメッセージを提供するケア通信を行う自動ケア連絡ステップを含むことを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項35】 請求項34に記載の危機生徒ケア方法において、生徒の通信装置の連絡先情報を取得する連絡先情報取得ステップと、前記ケア対象生徒について検出される危機パターンに応じたケアメッセージを取得するメッセージ取得ステップと、を含み、前記自動ケア連絡ステップは、前記メッセージ取得ステップで取得されたケアメッセージを、前記連絡先情報取得ステップで取得された連絡先へと送ることを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項36】 請求項20〜35のいずれかに記載の危機生徒ケア方法において、生徒のプロフィールを取得するステップと、教育者のプロフィールを取得するステップと、を含み、前記ケア対応処理ステップは、ケア対象生徒のプロフィールと教育者のプロフィールに基づいてケア対象者に適した教育者を検索する適合教育者検索ステップを含むことを特徴とする危機生徒ケア方法。
【請求項37】 団体に属する構成員の行動情報を取得するステップと、前記行動情報に基づき、前記団体から構成員が脱落するときの行動パターンである脱落危機構成員行動パターンと一致する構成員行動パターンをもつ構成員をケア対象構成員として検出するケア対象検出ステップと、前記ケア対象構成員に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理ステップと、を含むことを特徴とする危機構成員ケア方法。
【請求項38】 団体における構成員に対する団体活動提供情報を取得するステップと、前記団体活動提供情報に基づき、前記団体から構成員が脱落するときの団体活動提供パターンである脱落危機団体活動提供パターンと一致する団体活動提供パターンが与えられた構成員をケア対象構成員として検出するケア対象検出ステップと、前記ケア対象構成員に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理ステップと、を含むことを特徴とする危機構成員ケア方法。
【請求項39】 コンピュータにて実行可能なプログラムを格納した記録媒体であって、前記プログラムは、教育機関における生徒の行動情報を取得するステップと、前記行動情報に基づき、教育機関から生徒が脱落するときの行動パターンである脱落危機生徒行動パターンと一致する生徒行動パターンをもつ生徒をケア対象生徒として検出するケア対象検出ステップと、前記ケア対象生徒に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理ステップと、を前記コンピュータに実行せしめることを特徴とする、コンピュータにて読取可能な記録媒体。
【請求項40】 コンピュータにて実行可能なプログラムを格納した記録媒体であって、前記プログラムは、教育機関における生徒に対する教育提供情報を取得するステップと、前記教育提供情報に基づき、教育機関から生徒が脱落するときの教育提供パターンである脱落危機教育提供パターンと一致する教育提供パターンが与えられた生徒をケア対象生徒として検出するケア対象検出ステップと、前記ケア対象生徒に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理ステップと、を前記コンピュータに実行せしめることを特徴とする、コンピュータにて読取可能な記録媒体。
【請求項41】 コンピュータにて実行可能なプログラムを格納した記録媒体であって、前記プログラムは、団体に属する構成員の行動情報を取得するステップと、前記行動情報に基づき、前記団体から構成員が脱落するときの行動パターンである脱落危機構成員行動パターンと一致する構成員行動パターンをもつ構成員をケア対象構成員として検出するケア対象検出ステップと、前記ケア対象構成員に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理ステップと、を前記コンピュータに実行せしめることを特徴とする、コンピュータにて読取可能な記録媒体。
【請求項42】 コンピュータにて実行可能なプログラムを格納した記録媒体であって、前記プログラムは、団体における構成員に対する団体活動提供情報を取得するステップと、前記団体活動提供情報に基づき、前記団体から構成員が脱落するときの団体活動提供パターンである脱落危機団体活動提供パターンと一致する団体活動提供パターンが与えられた構成員をケア対象構成員として検出するケア対象検出ステップと、前記ケア対象構成員に対して脱落を回避するためのケア対応処理を行うケア対応処理ステップと、を前記コンピュータに実行せしめることを特徴とする、コンピュータにて読取可能な記録媒体。

【図2】
image rotate


【図1】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate