説明

危険物マルチ検出システム

【課題】安全検査の精度を妥協することなく、旅客が適度な速度で安全検査の検問所を通過するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】危険物が存在することを効率的に検査するための方法及びシステムである。システムは、物体を保持するように作られた物体用ユニット及び2つ以上の検査を組合せて物体の検査を行うような設備を備える検査ユニットを含んでいる。物体用ユニットにセンサが配置され、各センサは物体を検査して得たデータを読み取り、出力信号を生成する。計算ユニットは、各センサからの出力信号を受信し、2つ以上の検査からもたらされたパラメータに基づいて危険因子を判別するべく、並行して出力信号を処理する。出力信号の並行取得及び処理は、精度を向上させる。複数の物体を一度に検査することによって、システムは処理能力を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に危険物の存在を検出するためのシステムに関している。更に詳しくは、複数の検査を並行して実行することによって、危険物の存在を検出するシステムである。
【0002】
関連出願に対する相互参照
【0003】
本特許出願は、2004年9月10日付出願の米国特許仮出願第60/608,689号及び2005年5月13日付出願の米国特許仮出願第60/680,313号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張し、あらゆる面においてここに言及したことで本願の一部とする。
【背景技術】
【0004】
今日、空港又は政府庁舎のような公共の場所における安全検査の検問所は、通常、画像検査、金属探知検査及び化学検査のいくつかを併用して検査を行っている。化学検査は、通常、卓上の爆発物探知(Explosive Trace Detection:ETD)装置を使用し、物体(例えば、バッグ)から標本或いは大気試料を採取して、爆発物を探知するための検査を行う。
【0005】
残念ながら、現在使用されている安全検査システムは、本来の信頼性が発揮できていない。例として、X線検査は物体密度に基づいて危険物を同定するが、多くの無害の物体は、一部の危険物と類似した密度を有している。このため、偽陰性の割合が高くなる。X線或いはCTスキャンを用いる画像検査では、検査の精度は、バッグをスキャンした画像を監視する検査員の力量及び判断に大きく依存する。複数のシステムは、疑わしい物体の画像の分類を自動で行うが、これらのシステムにおける人間の力量及び判断への依存はいまだに大きい。不注意、疲労及び人間の注意持続時間の本質的な限界により、人間の判断に大きく依存する検査システムは、最適な水準の精度を達成することができない。更に、検査される物体の外観に大きく依存する画像検査は、旅客が有害な危険物を偽装する或いは隠すことができ、画像検査による検出を避けることができる。
【0006】
画像検査、金属探知検査及び化学検査のような検査を組合せて、安全検査の検問所の精度を向上させる試みが行われてきた。通常、検査は互いに近接して配置された3つの別々の設備を用いて実行される。物体は、1つの検査から次の検査へと、個々の設備によって別々に、順次検査される。例として、空港の安全検査システムは、X線画像検査を採用していることがあり、X線画像検査で疑わしい表示がされたバッグだけに化学検査を受けさせる。同様に、旅客の場合、まず予備的な金属検出装置のポータル部を通過するように求められ、予備的な検査で警報が発生した場合のみ、検査員によって、より厳しい金属探知検査が実行される。
【0007】
この複数の検査を連続的に組合わせて行うことによる問題は、全体の精度が各検査の精度に大きく依存することであり、場合によっては最初の検査の精度に大きく依存する。例として、バッグがX線画像検査で疑わしいと判別されない限り化学検査が実施されない場合、化学検査が役に立つのは、X線画像検査で正確に疑わしいバッグを同定した場合のみである。X線画像を監視する検査員が、危険物であり得る物体を見逃した場合、化学検査がすぐ使用できるとはいえ、危険物であり得る物体が安全検査システムを通過してしまうという事実は変わらない。
【0008】
各旅客及び荷物に複数の検査を実施することは、安全検査の精度を高める方法であることは明らかだが、そのような解決策は、旅客が安全検査を受けるのに過度の時間を費やす結果となるため、実用的ではない。更に、そのようなシステムは非常に費用がかかるであろう。実用的な実施において、旅客が適度な速度でシステムを進めるように、安全検査の精度は釣合がとられる及び妥協される。また、X線検査のように偽陽性が高率で生じる検査が第1の検査として使用される場合、旅客の流れは余計に遅くなる。何故なら、危険物を含まない多くのバッグが第2の検査を受けなければならないからである。
【0009】
安全検査の精度を妥協することなく、旅客が適度な速度で安全検査の検問所を通過するためのシステム及び方法が求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様として、本発明は危険物を検知することを目的として物体を検査するためのシステムである。システムは、物体を保持するように作られた物体用ユニット及び2つ以上の検査を組合わせて物体を検査するような設備を含む検査ユニットを備えている。物体用ユニット及び検査ユニットの1つ或いは両者にセンサが配置されており、各センサは物体の検査結果からデータを読み取り、出力信号を生成することを特徴とする。計算ユニットは、各センサから出力信号を受信し、パラメータ値を生成するように出力信号を個別に処理し、危険因子を判別するためにパラメータ値を組合わせる。危険因子は、物体に危険物が存在する可能性を表すことを特徴とする。
【0011】
別の態様として、システムは、2つ以上の検査を組合わせて物体に検査を行うような設備を備える検査ユニット及び検査ユニットに結合されたモジュール式の物体用ユニットを含んでいる。各物体用ユニットは、物体を保持するように作られており、検査ユニットは、各物体用ユニットに保持された物体を検査する。計算ユニットは、物体用ユニット及び検査ユニットの1つ或いは両者からの出力信号を受信し、各物体用ユニットに保持された各物体が危険因子であるかを判別する。
【0012】
また別の態様として、本発明は、危険物の検知を目的とする物体の検査方法である。その方法は物体の特性を同定するため、複数のセンサが内部に配置された物体用ユニットに保持された物体を確認し、複数の検査を組合せて物体に検査を行うことを必要とする。物体用ユニットに配置された複数のセンサからの出力信号が読み取られ、出力信号はパラメータ値を生成するように個別に処理される。パラメータ値は、物体に危険物が存在する可能性を表す危険因子を判別するように組合わせられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施態様は、ここでは安全検査の検問所の状況を用いて記載される。しかしながら、その実施態様は典型的な実施態様として提供するものであり、本発明の範囲が、ここで開示される適用用途或いは実施態様に限定されるものではないことを理解されたい。例として、本発明のシステムは、特に、小包及び郵便物の自動検査及び梱包された消費財(例えば、食品、薬品)の自動検査に有用であり得る。
【0014】
本発明の危険物マルチ検出システムは、様々な危険物の存在を検出することに役立つ。「危険物」という用語は、安全検査システムに関係し得る様々な物質及び/又は物質の組合せ、及び物体のことであり、爆発物、爆破装置、改良爆破装置、化学兵器、有害と見なされる工業用化学薬品及びその他化学薬品、生物剤、密輸品、薬物、武器及び放射性物質を含むが、これらに限定されるわけではない。本発明は、複数の危険物を高速に検査するべく、様々な検査を実行するための自動システムを提供し、複数の物体を比較的短時間で検査し得る。更に、本発明のシステムは、検査員に代わって、様々な検査結果の並行取得及び処理に基づいて危険因子を判別する計算ユニットを使用することにより、検査員への依存を減らす。従って、本発明のシステムは、処理能力について妥協することなく、安全検査の精度を向上するような切望されていた方法を提供する。
【0015】
ここで使用される「電離放射線検査」という用語は、放射線、X線或いはガンマ線放射のような電離放射線を放射する様々な形式の検査が含まれる。X線による方法の実施例は、標準的なX線放射、後方散乱方法或いはCTスキャンに加えてデュアル或いはマルチエネルギ方法によるCTスキャンを含む。放射線源による検査の実施例は、特に、熱中性子分析、パルス速中性子分析、後方散乱及びテラヘルツ検査のような方法を含んでいる。「非電離検査」という用語は、非電離の電磁放射線源を使用する方法であり、パルス電磁場に材料を露出し、リターンパルスを取得するような方法を含む。この方法は、特に、高ミリメートル波、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)分光法、電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance:ESR)及び核四重極共鳴(Nuclear Quadrapole Resonance:NQR)の使用を含む。更に可能性のある非電離源として、テトラヘルツを含む。また、「非電離検査」という用語は、導電材料の検出に使用される方法も含み、連続波或いはパルス波のどちらかの電磁場に物体をおき、その電磁場における対応する変化の方向を検出する。「化学分析」という用語は、特に、イオン移動度分光分析(Ion Mobility Spectroscopy:IMS)、イオントラップ移動度分光分析(Ion Trap Mobility Spectroscopy:ITMS)、キャプチャ検出、化学発光、ガスクロマトグラフィ/弾性表面波、熱酸化還元、分光法、選択的ポリマセンサ及びMEMに基づくセンサを含む物質検出方法を含む。
【0016】
「生物学上の分類」という用語は、毒、生体制御剤及び流行性の危険な有機体(例えば、ウイルス、バクテリア及び菌類)に関し、危険であり得る水準を表す指針に従って、生物学的危険物(例えば、有機体、分子)を分類する。「生体上の分類による検査」という用語は、指紋のような標準的なディスクリート方式の生体測定法に加えて、疑わしい行動を表す物理的行動パラメータを含む。
【0017】
ここで使用される「同時に」という用語は、同一或いは異なる期間の2つ以上のイベントの、一部の或いは完全な時間の重複を意味している。例として、イベントAが時間0に開始して時間10で終了し、イベントBが時間2に開始して時間10で終了する場合、イベントA及びイベントBは同時に発生している。同様に、共に時間0に開始して時間7で終了するイベントC及びイベントDも、同時に発生している。反対に、「連続的に」という用語は、2つ以上のイベント間で、時間の重複がない。イベントEが時間0に開始して時間6で終了し、イベントFが時間7に開始して時間10で終了する場合、イベントE及びFは連続的に発生している。
【0018】
ここで使用される「パラメータ」という用語は、静的或いは動的どちらかの、1つのデータ及び複数のデータ、及び関数を含んでいる。
【0019】
ここで使用される「危険物判別関数」という用語は、危険物の存在を表す条件を規定する1つの関数或いは複数の関数を含んでいる。これら関数は、静的値、複数の静的値或いは動的計算であって良い。その関数は、規則に基づいた関数或いは神経回路網のような非ヒューリスティックな方法に基づいた関数の、どちらかであって良い。
【0020】
「危険因子」という用語は、物体に危険物が存在する可能性を表す。一連の危険因子が、1つ以上の危険因子を含んでいて良い。
【0021】
図1は、本発明に基づく危険物マルチ検出システム10の主要な構成要素を示すブロック図である。図示されているように、危険物マルチ検出システム10は、互いに結合された検査ユニット20、計算ユニット40及び物体用ユニット60を含んでいる。物体用ユニット60は、検査される物体(例えば、バッグ或いは荷物)を保持するように作られた機構を有している。検査ユニット20は、様々な検査源及び/又は設備を含んでおり、例えばX線検査用の放射線源、科学的検査用の化学分析ユニット、非電離検査用のRFコイル及び/又は別の磁場誘導等を含む。計算ユニット40は、プロセッサ及びメモリを有し、検査ユニット20及び物体用ユニット60からの入力を受信するように配置され、危険因子を生成するように入力が処理される。危険因子は、物体用ユニット60に保持された物体が危険物を含む可能性を表す。任意で、計算ユニット40に結合されたユーザインタフェースユニット(図示なし)を含む通信ユニットを用いることがあり、危険因子及び対応する警報が危険物マルチ検出システムの検査員に伝達されて良い。
【0022】
検査ユニット20で実施される検査は、危険物を検査するための、周知の様々な検査であって良く、ここに記載される実施例に限定されるわけではない。複数の物体用ユニットが、検査ユニット20及び計算ユニット40に結合されることがあり、複数の物体を略同時に検査し得る。
【0023】
図2は、危険物マルチ検出システム10の典型的な実施態様のブロック図である。
【0024】
物体用ユニット60は、1つ以上のドア61を有しており、様々な検査を受けられるように、物体62は、そのドアを介して物体用ユニット60に配置される。一部の実施態様において、物体62は、物体用ユニット60のプラットフォームに静止した状態を保つ。別の実施態様において、物体62は、移動機構67を介して物体用ユニット60に対して移動する。移動機構67は、物体62を保持可能なロボット機構のような把持機構64に結合されていることがあり、所望の検査角度で所望の配置に物体を移動及び回転させる。図示されている実施態様において、移動機構67は、プーリシステムの一種、x−yポジショナシステム65或いはその2つの組合せであり、把持機構64に結合される。別の実施態様において、移動機構は物体62を異なる検査ステージに搬送するコンベヤベルトであり得る。
【0025】
物体用ユニット60は、物体62の所有者に関する追加情報を自動的に提供するような自動受信機69を含む。一部の実施態様において、追加情報は発券情報を含む。別の実施態様において、例えば、所有者に関する名前、市民権、旅行先等の追加情報が自動受信機69によって提供され得る。自動受信機69は、物体の所有者/運搬人を特定するデジタル/磁気タグ、RFタグ或いは別のスマートカードのスキャンによって実施されることがある。物体62及びその所有者/運搬人の、この自動相関は、危険物が発見された場合に責任者を確認しやすくする。物体用ユニット60は、1つ以上のドア61を有しており、それを介して物体は取除かれて良い。一部の実施態様において、安全運用手順の一部として、危険物を確認するとドア61が自動的にロックされる。
【0026】
この典型的な実施態様において、電離放射線検査ユニット20は、X線源サブユニット22、化学分析サブユニット30及び非電離源サブユニット36を有している。X線検査は、ビームを生成し、それを物体62に照射するX線源24によって行われる。X線源24は、好ましくはビームを異なる方向に向けられるような回転機構26によって支持され、物体62のサイズ及び位置に従って、ビームの方向を調整することが望ましい。複数のセンサ66が物体用ユニット60に備えられ、X線ビームが物体62を通過した後、X線ビームを受信するように配置される。同様に、追加のセンサ66が後方散乱線をとらえるために配置されても良い。ビームは、物体62を通過した後、センサ66によって受信される。センサ66は、受信されたビームに基づいて出力信号を生成し、計算ユニット40にその出力信号を供給する。検査の1つとしてX線が使用される場合、X線サブユニット22及び物体用ユニット60の壁は、放射線を物体用ユニット60内部に封じ込めるべくシールドされる。
【0027】
化学分析は、物体62から試料を取り出し、その試料を化学分析サブユニット30にかけることによって実行され得る。回転フローデバイス32のようなフローデバイスが提供された経路は、把持機構64を化学分析サブユニット30に連通させ、物体62からの試料を、化学分析サブユニット30に搬送し得る。化学分析は、例えば、イオン移動度分光分析或いは、選択的ポリマ又はMEMに基づくセンサのような新規方法に基づくことがある。イオン移動度分光分析が使用される場合、化学分析サブユニット30は、イオン化反応チャンバ28を含む。物体用ユニット60からガス試料を取得するように、空気流が真空ポンプ33によって生成される。ガス試料は、調整可能な閉塞パイプ32を通過する。ガス試料を取得するように、閉塞パイプ32は物体に近接する粒子採取孔63を有している。回転フローデバイス32及び粒子採取孔63は、物体が別の検査のために物体用ユニット60内を移動する間、絶え間なくガスを攪拌するための手段及び連続分析用に粒子を採取するための手段を提供する。粒子採取孔63は、物体を物体用ユニット60に対して移動させる上述のロボットアーム或いはコンベヤベルトのような把持機構64に配置されることがある。ガス試料は、化学分析サブユニット30に進入する。IMS方法を使用する典型的な実施態様において、ガス試料は回転フローデバイス32を介してイオン化反応チャンバ28に進入し、電離源によってイオン化される。イオン化ガス分子は、イオン化反応チャンバ28内の電場によって、そのチャンバ28に配置された収集板(図示なし)に導かれる。時間に応じて収集板に到達したイオンの数量が測定され、1つ以上の出力信号の形式にて計算ユニット40に送信される。化学分析サブユニット30のマイクロプロセッサは、計算ユニット40に電流を送信する前に、イオンの数量を電流に変換し得る。IMSは定評のある方法である。
【0028】
任意で、化学分析サブユニット30は、生物学的検出システムのためのインタフェースモジュール35を含む。生物学的検出システムが、検査ユニット20に組込まれている場合、物体の生物学上の分類が得られて良い。分子材料を検出する生物学的検出システムは、化学分析方法の1つを活用し得る。システムは、炭疽菌のような有機体を同定することを目的とし、現状の技術に従って、自動化ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく自動化DNA検査を活用し得る。
【0029】
非電離源サブユニット36は、NQR検査及び/又は渦電流検査用のRFコイル38及びアンテナのような高周波(RF)源及び/又は磁気源を含み得る。これらの検査は、物体の化学成分に関する情報及び/又は、金属及び別の導電材料の存在に関する情報を提供する。磁気源は、サイズ及び強度が異なる複数の磁気源であることがあり、危険物の存在に加えて、危険物の位置が検出されて良い。高周波及び/又は磁場は物体62に向けられ、高周波及び/又は磁場が物体62を通過した後、センサ66が高周波及び/又は磁場を受信する。例えば、サブユニット36が金属探知機である場合、その金属探知機は低強度の磁場を送信し、物体が磁場を通過する際に物体を調査する。トランスミッタは、金属物体と反応するような磁場を生成し、センサ66はこの反応から応答を測定する。センサ66は、測定結果を計算ユニット40に送信する。
【0030】
図2の実施態様で使用されるX線検査、イオン移動度分光分析及び非電離源検査に加えて、特定の用途に役立つと考えられる場合、様々な別の検査が危険物マルチ検出システム10で採用されることがある。また、X線検査、イオン移動度分光分析及び非電離源検査は、当業者が適切と考えるような別の検査に置換されることがある。好ましくは、各サブユニット22、30、36は、他のサブユニットとは無関係に交換可能に作られている。従って、ある検査を別の検査に置換することは、あるサブユニットを別のサブユニットに置換することである。
【0031】
センサ66は、ヒューズ付アレイセンサであることがあり、複数の情報を並行に或いは複合方法で収集することが可能である。ヒューズ付アレイセンサは周知である。収集された情報は、X線、テラヘルツ線、ガンマ線、RJF、化学物質、放射線及び電流のような様々な検査結果を含んで良い。
【0032】
計算ユニット40は、プロセッサ42、メモリ44及び電源46を含んでいる。図3を参照して以下に記載されるようなマルチバリアント方法を使用すると、計算ユニット40は危険因子を判別し、物体が危険物を含む可能性を示す。計算ユニット40は、通信インタフェース50を有しており、物体が危険物を含む可能性が高い場合、それを介して様々な通信方法、好ましくは無線で、視覚的及び/又は音声の警報を送信できる。少なくとも1つのオープンインタフェース95があり、計算ユニット40が、人間用のシステムのポータル部のプラットフォーム或いは生体測定入力用のプラットフォームのような別の装置と通信できるようにする。オープンインタフェース95は、これら別の装置と有線或いは無線接続が可能であって良い。
【0033】
化学分析の検査結果は、化学分析サブユニット30の収集板から直接計算ユニット40に送信されることがある。しかしながら、所望であれば、収集板からのデータは物体用ユニット60の1つ以上のセンサ66に送信され、センサ66から間接的に計算ユニット40に送信され得る。パッシブセンサのような別の方法を使用するとき、粒子はセンサ66に直接送られて良い。X線データのような別のデータは、センサ66によって収集され、計算ユニット40に送信される。ここで使用されているような「センサ」は、物理的或いは電気的測定を行い、計算ユニット40のための出力信号を生成できるような様々な種類のデバイスを含んでおり、例えば物体用ユニット20のセンサ66及び化学分析サブユニット30の収集板等がある。
【0034】
図2は、検査ユニット20、計算ユニット40及び物体用ユニット60を、3つの別々の構成要素として示しているが、その分離は概念的なものであり、物理的なユニットを、その概念的な分離と一致させる必要性はない。例として、3つの全てのユニットが1つの筐体に収容されることがある、或いは検査ユニット20及び物体用ユニット60が同じ筐体に収容され、計算ユニット40は遠隔配置されることがある。
【0035】
図3は、危険物同定方法を実施するための計算ユニット40のモジュールを示すブロック図である。上述のとおり、計算ユニット40は、検査ユニット20及び/又は物体用ユニット60から入力を受信する。これら入力は、センサ66及び/又はイオン移動度分光分析の収集板(又は、別の化学物質センサ)によって収集された未加工データである。ブロック図に示されているように、本発明の方法は、一連の関数モジュール116、118、120、122、124、126、128、206及び208を使用し、センサ66及び検査ユニット20のセンサ(例えば、収集板)からの様々な入力を処理する。これらモジュールを使用すると、物体62の組織、密度、電気伝導度、分子レベルの分類、配置による分類、放射線分類、視覚的分類、生物学上の分類及び生体上の分類のような様々なパラメータによって、値が計算される。物体62が複数の構成要素を含むバッグのようなものである場合、構成要素は、組織、密度、伝導度等に従って自動的に分けられ、各構成要素が別々に分類される。
【0036】
図3に示されている危険物同定方法の特定の実施態様において、動作中の放射線(例えば、X線)の検出結果は、組織分類、密度分類、形状コンテキストによる分類、配置による分類及び視覚的分類の決定に使用される。物体の放射能の強さは、放射線分類の決定に使用されることがある。電流データ或いは誘導電磁場応答は、組織分類、伝導度分類及び配置による分類のようなパラメータに使用される。磁気応答は、分子レベルの分類、密度分類及び配置による分類のようなパラメータを計算するために使用される。様々な化学分析結果は、分子レベルの分類に使用される。センサ66からの出力信号及び化学分析サブユニット30からの出力信号は、様々なモジュールに並行に供給され、組織、密度等の分類項目の全パラメータ値は、実質的に同時に決定されて良い。
【0037】
これら各分類項目の値及び関数に基づいてパラメータが決定された後、危険因子を生成するため、値はマルチバリアントデータマトリクスモジュール300で、集合的に処理される。マルチバリアントデータマトリクス300は、関数マトリクス116、118、120、122、124、126、128、206、208、210からの複数の分類パラメータを、n次元のデータマトリクスに配列する。即ち、視覚的分類の関数マトリクス124は、(1...n)の数の測定回数及び把持機構64によって実施される回転の回数に依存する角度の関数(Φ)として、複数の視覚化データ[V]を生成する。データの1つの形式は、V=f(Φ)nである。更に、各角度Φにおける密度パラメータ[D]に関連する一連の視覚化データ[V]は、一連のパラメータV=f(D,Φ,n)を生成する。マルチバリアントデータマトリクス300に供給される別の一連のパラメータは、伝導度分類の関数マトリクス120からの伝導度分類であり、相関パラメータの配列を同様に生成する。例えば、配置(l)の関数として可変強度(i)を有する伝導度[Z]は、一組のZ=f(i,l)を生成する。これら3つの典型的な関数V=f(Φ,n)、V=f(D,Φ,n)及びZ=f(i,l)は、検査される物体の全体的な特性に加えて、特定の3次元配置で複数の特性を提供するように、マルチバリアントデータマトリクス300に配列される。更に一般に、ブロック310において処理を行うためのn次元のパラメータマトリクスが生成されるように、全ての分類関数マトリクスのブロックは、複数のパラメータセットを生成し得る。
【0038】
ブロック310で発生したn次元のパラメータマトリクスは、ブロック310において、依存及び相互依存パラメータの複数の計算及び処理を実行させる。マルチバリアントデータマトリクスモジュール300からのパラメータは、複数の混成計算を実行することを含む危険物判別関数が与えられる。混成計算は、規則に基づく方法及び非ヒューリスティックな方法(例えば、神経回路網或いはその他の人工知能(AI)に基づくアルゴリズム)の組合わせを含み、実際の知識基準及び条件に対してその結果を比較することを含む(ブロック310)。実施態様によって、規則に基づく判別の実施例は、スレショルドに対して一部或いは全てのパラメータを組合わせて検査し得る。例として、例えば「組織分類T(Φ,L)n>3、密度分類D(Φ,L)n>4、伝導度分類Z(i,l)n>4、配置による分類>3及び放射線分類>1である場合」というような条件が、1つの危険因子を判別し、場合によっては警報を生成するための条件として使用され得る。計算は、個々のパラメータ値の単純な或いは複雑な、様々な組合せであることがあり、複数の危険因子を判別するように検査ブロック310によって計算される。一連の危険因子は、様々なカテゴリの、物体に存在しそうな危険物を表す。即ち、あるカテゴリに対する危険因子を生成し得る生物学的事象の可能性に関連する、そのカテゴリの危険物関数があり得る。また、爆発物カテゴリに対する危険因子を生成し得る爆発物の可能性に関連する、あるカテゴリの危険物関数があり得る。更に、材料の種類を特定する必要のない特性の組合わせによって生じる一般的な可能性に関連する、あるカテゴリの危険物関数があり得る。様々な計算が、各カテゴリ内の複数の危険因子を生成し得る。危険物関数は、検査条件を含み、危険物を同定する信号及び信号の組合わせに、既知の実際の知識に基づく基準を適用する。
【0039】
実施態様によって、所定の危険物スレショルドの設定が満足されるような十分に高い危険因子が判別された場合、危険物の配置、数量及び種類が推定され(ブロック320)、警報が発生されることがある(ブロック330)。危険因子が、警報を発生させるのに十分に高いかどうかは、システム内部の感度調整に依存する。システムはデフォルト設定を有しているが、使用者によって再構成可能である。「警報」は、危険物を同定した可能性を検査員に知らせるための視覚或いは音声による信号を含んで良く、物体用ユニット60のドア61の閉鎖/ロックのような別の操作行為をとることを含んでも良い。任意で、物体が危険物を含んでいないことを示すため、信号(例えば、青信号)が発生されることがある(ブロック325)。
【0040】
図4は、1つの検査ユニット20及び複数の物体用ユニット60a−60eを含む危険物マルチ検出システム10の典型的な実施態様である。図示されているように、検査ユニット20は物体用ユニット60に対して中央に配置され、どの物体用ユニットに物体があろうと検査ユニット20によって検査されて良い。好ましくは、検査ユニット20に回転機構があり、検査される物体によって、検査用ビームの方向等が調整されることを可能にする。全ての物体用ユニットが満たされると、検査ユニットは各物体用ユニット60の間を、矢印で示されるように徐々に回転することにより、物体の検査を実行する。一部の検査は、連続的に実行される。例として、X線検査が実行される場合、X線ビームは連続的に、例えば、所定の順番で検査ユニット20から複数の物体用ユニット60a−60eに向けられる。しかしながら、別の検査は、複数の物体用ユニット60a−60eで同時に実行される。例として、化学分析検査が実行される場合、複数の物体用ユニット60a−60eにある各物体の試料は、同時に取出されて良い。何故なら、各物体用ユニットは、各々が回転フローデバイス32、把持機構64及び粒子採取孔63を有しているからである。従って、特定の実施態様に含まれる検査によっては、全体の検査が、複数の物体用ユニット60a−60eで、一部は連続的に及び一部は同時に行われることがある。すべての検査データは、計算ユニット40に送信される。好ましくは、それらデータが得られるとすぐに送信される。
【0041】
センサ66(及び、該当する場合は化学分析サブユニット30の収集板)からの出力信号は、1つの計算ユニット40或いは複数の計算ユニット40によって処理され得る。1つの計算ユニット40が使用される場合、計算ユニット40は物体を別々に扱い、物体62毎に5つの異なる結果を生成する。
【0042】
図4の実施態様は、旅客が1つの列を形成し、物体(例えば、バッグ)が1つずつ処理されるような現在の安全検査システムと比較して、迅速に複数の物体が処理されることを可能にする。従って、旅客の流れを犠牲にすることなく、検査ユニット20に組込まれた全ての検査が、物体用ユニット60a−60eの各物体に実行されて良い。
【0043】
図4の危険物マルチ検出システム10は、物体用ユニットの数量が調整できるように、モジュラユニットとして作られることがある。従って、第1のエリアが混雑して、第2のエリアの流れが悪くなった場合、第2のエリアのいくつかの物体用ユニットが第1のエリアで使用されて良く、単純に一方の検査ユニット20から複数の物体用ユニットを取り外し、もう一方の検査ユニット20に取り付けるだけである。このフレキシビリティは、危険物マルチ検出システム10を使用する公共団体に追加のコスト削減をもたらす。物体用ユニット60a−60eは、実質的に各々同一なユニットである。
【0044】
更に、物体62を載せるプラットフォームが物体用ユニット60に配置され、特定の物体用ユニット60が使用されているか否かを検査ユニット20に信号で知らせる重量センサのようなセンサを有して良い。従って、何らかの理由で物体用ユニット60a、60b、60d及び60eだけが使用されている場合、検査ユニット20は、空の物体用ユニット60cに検査ビームを送信し、試料を収集するような時間の無駄をなくし、システム10はその検査プロトコルを自動的に最適化する。
【0045】
特定の実施態様は、ユニットがハニカム構造のような6角形の形状を有することを示しているが、これは単なる実施例であり、本発明がこれに制限されるわけではない。
【0046】
図5は、検査ユニット20及び物体用ユニット60a−60eを示すブロック図である。特定の実施態様において、1つの計算ユニット40が全ての物体用ユニット60a−60eに対して使用される。各物体用ユニット60a−60eは、図2を参照して上述されたように、機械的機構、マルチ軸線マニピュレータ、ロボット機構或いはコンベヤベルト及びセンサアレイのような移動装置を含んでいる。検査ユニット20は、4つのサブユニット、電離放射線源サブユニット、化学分析サブユニット、非電離放射線源サブユニット及び磁場誘導サブユニットを有している。各物体用ユニット60a−60eは、検査ユニット20及び計算ユニット40に接続されている。
【0047】
図6は、物体が人間(又は、様々な別の動物)であることを特徴とする、危険物マルチ検出システム10の別の典型的な実施態様である。図示されているような特定の実施態様において、検査ユニット20は、2つの物体用ユニット60a、60bが取り付けられている。当然ながら、放射線を用いる検査は、検査される「物体」が人間のときは、適切な放射線パラメータを選択して慎重に使用される。所望であれば、生体上の分類を得るため及び/又は検査員に画像を送信するため、物体の画像を取得するように、検査ユニット20或いは物体用ユニット60a及び/又は60bのどこかにカメラが設置されることがある。
【0048】
図7は、無生物及び人間を検査するための危険物マルチ検出システム10のまた別の典型的な実施態様である。特定の実施態様は、無生物を検査するための5つの物体用ユニット60a−60e及び人間或いは動物が通過するためのポータル部60fを備える検査ユニット20を有している。検査ユニット20は、各物体用ユニット60a−60f内の物体及び人間を検査する。場合によっては、物体用ユニット60fが検査ユニット20より極端に離れて配置され、物体用ユニット60fのための別の検査ユニットが使用されることがある。しかしながら、そのような場合でも、全ての物体用ユニット及び検査ユニットは1つの計算ユニット40に信号を供給する。
【0049】
本発明は、現在使用されているシステムと比較して、危険物の検出精度を向上することを可能にする。現在使用されているシステムは、一連の別々の設備を使用し、各設備は1つの検査だけに使用し、その1つの検査だけに基づいた検査結果を生成するが、本発明のシステムは、複数のパラメータの組合せを利用する。従って、爆発物及び導電材料が、共にスレショルドの水準以下の量で存在している場合、低水準の爆発物及び少量の導電材料を有する爆弾は、現在のシステムでは検出を免れることがある。それに対して、本発明のシステムは、指標となる材料及び近似パラメータの特定の組合わせが存在して、危険物判別関数に含まれており、警報を発生し得るため、その物体を検出し得る。パラメータの組合わせを使用することは、危険物の存在を検出することにおいて、より大きなフレキシビリティ及び精度の向上を可能にする。
【0050】
本発明は、一般の危険物の検出も可能にする。これは、爆発物、薬物、武器等の特定の品目/材料を対象とする現在のシステムとは異なっている。本発明のシステムは、有害な材料であり得る一般的な組合せの存在を検出するので、安全検査システムを通過するような新規の危険な装置を作り出すことをより難しくさせる。
【0051】
本発明の特定の実施態様を用いて上述の説明を行ってきたが、本発明の原理及び精神を逸脱することなく、これらの実施態様に様々な変更を加えられることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に基づく危険物マルチ検出システムの主要な構成要素を示すブロック図である。
【図2】危険物マルチ検出システムの典型的な実施態様のブロック図である。
【図3】危険物同定方法を実行するための計算ユニットのモジュールを示すブロック図である。
【図4】1つの検査ユニット及び複数の物体用ユニットを含む危険物マルチ検出システムの典型的な実施態様を示す図である。
【図5】検査ユニット及び物体用ユニットを示すブロック図である。
【図6】物体が人間(又は、様々な別の動物)であることを特徴とする、危険物マルチ検出システムの別の典型的な実施態様を示す図である。
【図7】無生物及び人間を検査するための危険物マルチ検出システムのまた別の典型的な実施態様を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
危険物を検知することを目的として、物体を検査するためのシステムであって、
該システムが、
前記物体を保持するように作られた物体用ユニットと、
2つ以上の検査を組合せて、前記物体の検査を行うような設備を備える検査ユニットと、
前記物体用ユニット及び前記検査ユニットの、少なくとも1つに配置され、前記物体を検査して得られたデータを読み取り、前記データに対応する出力信号を生成するセンサと、
前記センサからの前記出力信号を受信し、パラメータ値を生成するように前記出力信号を個別に処理し、一連の危険因子を判別するために前記パラメータ値を組合わせる計算ユニットとを含み、
前記一連の危険因子が、前記物体に危険物が存在する可能性を表すことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記2つ以上の検査は、同時に実行されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記2つ以上の検査は、連続的に実行されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記計算ユニットは、様々なセンサからの前記出力信号を同時に処理することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記検査は、電離放射線検査、化学分析及び非電離検査から選択されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記センサは、ヒューズ付センサアレイであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記計算ユニットは、前記各センサからの前記出力信号に基づいて、組織、密度、電気伝導度、分子レベルの分類、配置、視覚的分類、放射能をもつ可能性、生物学上の分類及び生体上の分類の内の1つ以上のパラメータを含む、前記物体の一連のパラメータを決定することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記センサの1つからの出力信号は、複数のパラメータの値を決定するために使用されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記計算ユニットは、前記一連の危険因子を判別する条件を含む危険物判別関数を有し、
前記システムは、前記一連の危険因子に含まれる1つ以上の危険因子を検出した場合、警報を発生させるためのインタフェースユニットを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記物体用ユニットにおいて前記物体を所望の位置に移動するため、前記物体用ユニットは移動機構を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記物体用ユニットが回転機構を更に含み、
前記回転機構は、前記物体を保持し、検査のために前記物体の角度を調整するように、前記物体を回転することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記物体用ユニットは第1の物体用ユニットであり、前記物体は第1の物体であり、
第2の物体を保持するように作られた第2の物体用ユニットを更に含み、前記検査ユニットは、前記第1の物体及び前記第2の物体を検査することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2の物体用ユニットは、前記検査ユニットから取外し可能なモジュラユニットであることを特徴とする請求項12に記載のユニット。
【請求項14】
前記検査ユニットは、前記第1の物体及び前記第2の物体を連続的に検査することを可能にする機構を備えていることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記計算ユニットは、前記第1の物体及び前記第2の物体を同時に検査することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の物体は無生物であり、前記第2の物体は人間であることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記物体用ユニットは第1の物体用ユニットであり、前記物体は第1の物体であり、前記検査ユニットは第1の検査ユニットであり、
前記第2の物体を保持するように作られた第2の物体用ユニットと、
2つ以上の検査を組合せて、前記第2の物体の検査を行うような設備を備える第2の検査ユニットとを含み、
前記計算ユニットは、前記第1の物体用ユニット及び前記第1の検査ユニットからの出力信号に加えて、前記第2の物体用ユニット及び前記第2の検査ユニットからの出力信号を受信することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記検査ユニットはサブユニットを含み、
前記各サブユニットは、固有の検査設備を備え、個々に別のサブユニットと交換可能であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記検査ユニット或いは前記物体用ユニットのどちらかに、前記物体の画像を取得するためのカメラを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記物体は人間であることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記物体用ユニットは、前記物体の所有者を確認し、前記所有者に関する情報を提供するような自動受信機を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
危険物を検知することを目的として、物体を検査するためのシステムであって、
該システムが、
2つ以上の検査を組合せて、前記物体の検査を行うような設備を備える検査ユニットと、
各々が1つの物体を保持するように作られ、前記各物体が前記検査ユニットで検査されるように、前記検査ユニットに結合された複数の物体用ユニットと、
前記物体用ユニット及び前記検査ユニットの、少なくとも1つから出力信号を受信し、前記複数の物体用ユニット内の前記各物体の危険因子を判別する計算ユニットとを含むことを特徴とするシステム。
【請求項23】
前記検査ユニットは、前記検査の1つを、前記複数の物体用ユニット内の前記各物体に同時に実行することを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記検査ユニットは、前記検査の1つを、前記物体用ユニット内の前記各物体に所定の順番で連続的に実行することを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記検査の一部は、前記各物体に同時に実行され、
それ以外の検査は、前記各物体に所定の順番で連続的に実行されることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記組合せた2つ以上の検査は、前記物体の1つに同時に実行されることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
前記組合せた2つ以上の検査は、前記物体の1つに連続的に実行されることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項28】
前記各物体用ユニットは、前記各物体用ユニット内部で前記物体を移動させるための移動機構を含むことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項29】
前記各物体用ユニットは、一連のセンサを含むことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項30】
前記一連のセンサは、ヒューズ付センサアレイであることを特徴とする請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記検査ユニットに結合されたポータル部を更に含み、
前記ポータル部は、人間が通過し、前記検査ユニットによって検査されるように作られていることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項32】
前記検査ユニットは第1の検査ユニットであり、
前記人間を検査するための前記ポータル部に結合された第2の検査ユニットを更に含み、
前記計算ユニットは、前記物体用ユニット、前記第1の検査ユニット、前記ポータル部及び前記第2の検査ユニットから出力信号を受信することを特徴とする請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
危険物を検知することを目的として、物体を検査する方法であって、
該方法が、
複数のセンサが内部に配置された物体用ユニット内の物体を同定する過程と、
前記物体の特性を同定するため、複数の検査を組合せて物体の検査を行う過程と、
前記複数のセンサからの出力信号を読み取る過程と、
パラメータ値を生成するように、前記出力信号を個別に処理する過程と、
前記物体に危険物が存在する可能性を表す危険因子を判別するために、前記パラメータ値を組合わせる過程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
前記組合せた検査は、前記物体に同時に行われる過程を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記組合せた検査は、前記物体に連続的に行われる過程を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
様々な出力信号を処理する過程は、前記出力信号を同時に処理する過程を含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記組合せた検査は、電離放射線検査、化学分析及び非電離検査から選択する過程を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記出力信号に基づいて一連のパラメータの値を決定する過程を更に含み、
前記一連のパラメータは、組織、密度、電気伝導度、視覚的分類、分子レベルの分類、配置、放射能をもつ可能性、生物学上の分類及び生体上の分類の内の1つ以上のパラメータを含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記出力信号の1つを用いて、複数のパラメータの値を決定する過程を更に含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
既存の危険物判別関数に従って、前記一連のパラメータの値を組合わせることによって危険因子を判別する過程を更に含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記危険因子に基づいて警報を発生する過程を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記物体用ユニット内部で、別の検査のために前記物体を適切な位置に移動する過程を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記物体は第1の物体であり、前記物体用ユニットは第1の物体用ユニットであり、
前記第1の物体用ユニットにおいて前記第1の物体を検査した後、第2の物体用ユニットにおいて第2の物体を検査する過程を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記物体は第1の物体であり、前記物体用ユニットは第1の物体用ユニットであり、
前記第1の物体が検査されている間に、第2の物体用ユニットにおいて第2の物体を検査する過程を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記物体の画像を取得する過程を更に含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−512689(P2008−512689A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531460(P2007−531460)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/032690
【国際公開番号】WO2007/013879
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(507077628)キラー・セキュリティー・システムズ (1)
【氏名又は名称原語表記】QYLUR SECURITY SYSTEMS
【住所又は居所原語表記】202 Rinconada Avenue,Palo Alto,CA 94301 U.S.A.
【Fターム(参考)】