説明

卵検査装置

【課題】反射光に阻害されることなく透過光画像を観察して卵の品質を検査することができる卵検査装置を提供する。
【解決手段】卵4を搬送方向に沿って列状に搬送する搬送装置1と、搬送装置1の上の卵4に近接する位置から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射する光源2と、搬送装置1の上方から光源2の光軸と非平行な方向で卵の透過光画像を撮影する撮像装置3を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は卵検査装置に関し、卵の品質を検査する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては目視検査方式があり、検卵台に卵を配置し、検卵台の下方から蛍光灯によって照明を照射し、検査員が目視によって卵の品質を検査するものである。
【0003】
また、音響診断方式として、卵を叩いたときに生じる音で卵のひび割れの有無を検査するものである。
また、特許文献1に記載するものでは、最初のコマ画像において第1の画像特定位置にある鶉卵の上面及び両側面を撮影した3つの画像を抽出し、2番目のコマ画像において第2の画像特定位置T2にある90度回転した状態を撮影した上面の1個の画像を抽出し、3番目のコマ画像において第3の画像特定位置にある180度回転した状態を撮影した上面の1個の画像を抽出し、4番目のコマ画像において第4の画像特定位置にある270度回転した状態を撮影した上面の1個の画像を抽出する分割撮像処理を行なうものであり、この分割撮像処理により360度周面及び両側面を撮像終了し、6つの画像を参照して等階級を決定する。
【0004】
また、特許文献2に記載するものでは、生卵を回転させながら搬送するコンベアの通路の一部に暗箱を配置し、暗箱内に、コンベア上の生卵に光を照射する光源と、照射された生卵を撮影するカメラとを配置し、撮影された画像を分析して生卵の良否を判定する画像処理装置をカメラに接続している。
【0005】
また、特許文献3に記載するものでは、卵を搬送する搬送装置が搬送方向を横断して延びるローラを有するエンドレスコンベヤを備えており、使用時にローラが回転してローラ上に載っている卵を回転状態にし、固定位置に配置した複数のレーザからレーザビームを移動中の卵に照射し、卵の表面の光透過率を光学的観察手段によって観察し、光透過率に基づいて卵が亀裂を有しているか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−118628公報
【特許文献2】特開平7−209209公報
【特許文献3】特表2009−537422公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、音響診断方式では、その特性上、卵に探触子を接触させて振動を与える必要があり、探触子が卵に接触することで卵に傷が生じる懸念がある。また、外観検査では間接照明の光が卵の表面で反射する状態で卵を撮影して行なうが、品質の測定対象項目の1つである亀裂(ひび)を検知するためには、照射光が卵を透過する状態でその透過光画像を観察する検査方法が検知精度で優れている。
【0008】
しかしながら、透過光画像を観察する方式においても、卵からの反射光に対する配慮がなされていない場合には、反射光に因って透過光画像に明暗差が生じて検査性能の低下を引き起こす。
【0009】
本発明は上記課題を解決するものであり、反射光に阻害されることなく透過光画像を観察して卵の品質を検査することができる卵検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の卵検査装置は、卵を搬送方向に沿って列状に搬送する搬送装置と、搬送装置上の卵に近接する位置から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射する光源と、搬送装置の上方から前記光源の光軸と非平行な方向で卵の透過光画像を撮影する撮像装置を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の卵検査装置において、搬送装置は、卵の鋭端部と鈍端部間の卵軸を横向きにして、かつ鋭端部と鈍端部が搬送軌道の両側に位置する姿勢で、卵を卵軸廻りに回転させながら複数の撮影位置に搬送し、光源は各撮影位置に配置し、卵の鋭端部側の透過光画像または鈍端部側の透過光画像を撮像装置で撮影可能に反射画像として映す第1のミラーと第2のミラーは、それぞれ別々に異なる撮影位置に、かつ搬送軌道の両側のうちの一方に第1のミラーを配置し、他方に第2のミラーを配置し、第1のミラーを配置した撮影位置および第2のミラーを配置した撮影位置にある各光源は、それぞれの撮影位置にあるミラーと搬送軌道を介して反対側の位置にあることを特徴とする。
【0012】
本発明の卵検査装置において、撮影装置は、各撮影位置に在る複数の卵の側面部の透過光画像と、第1のミラーに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像と、第2のミラーに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像を一度に撮影することを特徴とする。
【0013】
本発明の卵検査装置において、搬送軌道の両側の何れかの側に共存する光源とミラーは、当該光源を配置した撮影位置にある卵の卵軸を介して双方が相反する側に位置することを特徴とする。
【0014】
本発明の卵検査装置において、撮影装置は、複数の撮影位置に在る卵の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラーの反射画像の撮影領域および第2のミラーの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光する遮光板を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の卵検査装置において、搬送装置は、卵を載置する搬送面が各撮影位置に向けて上り勾配の傾斜面をなし、搬送方向後方において卵を受け止める支持部材が卵を搬送方向へ移送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように本発明によれば、光源が卵に近接する位置から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射することで、卵の大きさの如何に拘らず安定光量を卵殻内に入射することができ、一つの光源で鋭端部と鈍端部のいずれかと側面部の透過光画像とを得ることができる。光源から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射するので、卵殻表面で反射する反射光が撮影画像に写り込むことを抑制でき、撮影時に撮影位置に卵が無い場合にも、光源からの照射光が直接に撮像装置に入射せず、撮影不良となることを防止できる。
【0017】
さらに、第1および第2のミラーを、双方のミラーが卵軸方向で対向することがない何れかの撮影位置にそれぞれ配置し、第1のミラーを配置した撮影位置および第2のミラーを配置した撮影位置にある各光源は、それぞれの撮影位置にあるミラーと搬送軌道を介して反対側の位置にあるので、卵からの反射光がミラーの反射画像に写り込むことを防止できる。
【0018】
搬送装置が卵を卵軸廻りに回転させながら複数の撮影位置に搬送し、撮影装置が各撮影位置に在る複数の卵の側面部の透過光画像と、第1のミラーの鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像と、第2のミラーの鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像とを一度に撮影して、個々の卵を各撮影位置で繰り返し撮影することができるので、1台の撮像装置で、かつ1方向からの撮影において、1個の卵の全面を死角が無い状態に撮影することができる。
【0019】
さらに、搬送軌道の両側の何れかの側に共存する光源とミラーは、当該光源を配置した撮影位置にある卵の卵軸を介して双方が相反する側に位置するので、一方の撮影位置にある卵からの反射光が他方の撮影位置にあるミラーの反射画像に写り込むことを防止できる。
【0020】
撮影装置は、複数の撮影位置に在る卵の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラーの反射画像の撮影領域および第2のミラーの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光する遮光板を有するので、直接光や反射光等の外乱光が撮影画像に影響することを防止できる。
【0021】
搬送装置が傾斜面をなす搬送面上で卵を支持部材で受け止めることにより卵の姿勢が安定するので、安定した照明効果を実現でき、反射光の方向が限定的となって反射画像へ反射光が写り込むことを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態における卵検査装置を示す正面図
【図2】同卵検査装置を示す側面図
【図3】同卵検査装置を示す上面図
【図4】同卵検査装置の遮光板を示す上面図
【図5】同卵検査装置の搬送状態を示す模式図
【図6】同卵検査装置の搬送状態を示す拡大図
【図7】同卵検査装置の光源の照射位置を示す拡大図
【図8】同卵検査装置の光照射方向を示す模式図
【図9】同卵検査装置の卵の搬送作用を示す模式図
【図10】同卵検査装置の卵の撮影位置を示す模式図
【図11】同卵検査装置のマスク状態を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図11において、卵検査装置は、搬送装置1と光源2と撮像装置3とからなる。搬送装置1は卵4を搬送方向に沿って列状に搬送するものであり、卵4を載置する搬送面5を形成する搬送レール6と、卵4を搬送方向後方において受け止めて搬送方向へ移動する複数の爪部7と、爪部7を駆動する駆動装置(図示省略)を備えている。搬送レール6の途中には撮影ステージ8を設定しており、撮影ステージ8に複数の撮影位置8a、8b、8cを設けている。
【0024】
搬送軌道をなす搬送レール6は、卵4を載置する搬送面5が搬送方向へ向けて上り勾配の傾斜面をなし、かつ図7に示すように、搬送軌道の幅方向の両側から中央に向けて下り勾配をなす傾斜面を有しており、卵4の鋭端部4aと鈍端部4bの間の卵軸を横向きにして、かつ鋭端部4aと鈍端部4bが搬送軌道の両側に位置する姿勢で卵4を搬送面5に保持し、爪部7で卵4を搬送方向へ押して卵軸廻りに回転させながら卵4を搬送する。搬送レール6は搬送軌道の全路程において傾斜する必要はなく、撮影ステージ8において少なくとも傾斜面を有すればよい。
【0025】
光源2は、搬送装置1の搬送軌道の裏面側の近傍位置に配置しており、搬送レール6の上の卵4に近接する位置から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射するものである。光源2の照射光を発する照射端面は、透過光の光量低減、反射光の拡がりを考慮してできるだけ卵表面に近接する位置に配置してあり、その距離は10mm以内、望ましくは6mm以内とする。また、照射光が上方へ漏れることがないように、光源2の照射端面は、平面視で卵に隠れる位置にあり、卵の下方投影面の範囲内に配置してある。
【0026】
図3、図10に示すように、光源2は各撮影位置8a、8b、8cに配置してある。撮影ステージ8の第1の撮影位置8aにおいて搬送装置1の搬送軌道の傍には第1のミラー9aが配置してあり、第1のミラー9aは搬送軌道を介して光源2の照射光の照射位置と反対側の位置にある。第3の撮影位置8cにおいて搬送装置1の搬送軌道の傍には第2のミラー9bが配置してあり、第2のミラー9bは搬送軌道を介して光源2の照射光の照射位置と反対側の位置にある。
【0027】
第1のミラー9aおよび第2のミラー9bは、卵4の鋭端部4aの側の透過光画像または卵4の鈍端部bの側の透過光画像を撮像装置で撮影可能に反射画像として映すものであり、第1のミラー9aと第2のミラー9bは、それぞれ別々に異なる撮影位置に、かつ搬送軌道の両側のうちの一方に第1のミラー9aを配置し、他方に第2のミラー9bを配置し、双方のミラーが卵軸方向で対向することがない撮影位置にそれぞれ配置してある。
【0028】
各光源2は、図3および図10に示すように、その光軸が各撮影位置にある卵4の卵軸と平面視において異なる位置にある。また、撮影位置8a、8bに在る光源2と、他の撮影位置8cにある第2のミラー9bとが搬送軌道の両側のうちの一方の側に共存し、かつ撮影位置8a、8bにある光源2と他の撮影位置8cにある第2のミラー9bは、各光源2を配置した撮影位置8a、8bにある卵4の卵軸を介して相反する側に位置する。また、撮影位置8cにある光源2と他の撮影位置8aにある第1のミラー9aとが搬送軌道の両側のうちの他方の側に共存し、かつ撮影位置8cにある光源2と他の撮影位置8aにある第1のミラー9aは、当該光源2を配置した撮影位置にある卵4の卵軸を介して相反する側に位置する。
【0029】
したがって、撮影位置8a、8bに在る光源2が照射する卵表面は、これらの光源2とともに搬送軌道の両側のうちの一方の側に共存する他の撮影位置8cにある第2のミラー9bと卵軸を介して反対側の領域となる。また、撮影位置8cに在る光源2が照射する卵表面は、この光源2とともに搬送軌道の両側のうちの他方の側に共存する他の撮影位置8aにある第1のミラー9aと卵軸を介して反対側の領域となる。
【0030】
撮像装置3は、搬送装置1の上方から光源2の光軸と非平行な方向で卵4の透過光画像を撮影するものであり、各撮影位置8a、8b、8cに在る複数の卵4の側面部の透過光画像と第1のミラー9aの鋭端部4aの透過光画像および第2のミラー9bの鈍端部4bの透過光画像を一度に撮影する。撮像装置3には、複数の撮影位置8a、8b、8cに在る卵4の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラー9aの反射画像の撮影領域および第2のミラー9bの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光する遮光板10を有している。
【0031】
撮像装置3はCCDのエリアカメラからなり、CCDの配置方向に特徴がある。一般的な現象として、撮影位置8a、8b、8cに卵4が無い場合には、CCDに飽和状態の入光が生じてブルーミング現象を起こす。しかしながら、本実施の形態では、CCDスキャン方向が卵4の搬送方向に対して直交する方向となるようにCCDカメラを配置しており、撮影位置8a、8b、8cの何れに卵4が無くて対応するCCDの撮影画像においてブルーミング現象が生じても、他の撮影位置8a、8b、8cに対応するCCDの撮影画像には影響がない。
【0032】
上記した構成により、卵検査装置は、搬送装置1の爪部7で卵4を搬送方向へ押して卵軸廻りに回転させながら卵4を搬送方向に沿って列状に搬送し、各卵4を順次に撮影ステージ8の各撮影位置8a、8b、8cに送り込む。
【0033】
各卵4は第1の撮影位置8aから第2の撮影位置8bへ、第2の撮影位置8bから第3の撮影位置8cへ進行する毎に大凡120°ずつ回転し、撮影ステージ8に入口から出口までの間に1回転する。
【0034】
各撮影位置8a、8b、8cでは各光源2から卵殻内に向けて斜め上方に照射光をスポット的に照射する。
撮像装置3は卵4が第1の撮影位置8aから第2の撮影位置8bへ、第2の撮影位置8bから第3の撮影位置8cへ進行する毎にコマ撮りし、各撮影位置8a、8b、8cに在る複数の卵4の側面部の透過光画像と、第1のミラー9aに映る鋭端部4aの透過光画像または鈍端部4bの透過光画像と、第2のミラー9bに映る鋭端部4aの透過光画像または鈍端部4bの透過光画像を一度に撮影する。
【0035】
この撮影は、複数の撮影位置8a、8b、8cに在る卵4の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラー9aの反射画像の撮影領域および第2のミラー9bの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光板10で遮光して行なう。
【0036】
そして、撮影画像に基づいて卵4の品質を測定対象項目毎、例えば亀裂(ひび)等を検知する。測定対象項目の検査は目視で行うことも可能であり、画像処理装置(図示省略)によって自動的に行なうことも可能である。
【0037】
撮像装置3による撮影では、光源2が卵4に近接する位置から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射することで、卵4の大きさの如何に拘らず安定光量を卵殻内に入射することができ、一つの光源2で鋭端部4aと鈍端部4bのいずれかと側面部の透過光画像とを得ることができる。光源2から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射するので、卵殻表面で反射する反射光が撮影画像に写り込むことを抑制でき、撮影時に撮影位置に卵4が無い場合にも、光源2からの照射光が直接に撮像装置に入射せず、撮影不良となることを防止できる。
【0038】
また、CCDスキャン方向が卵4の搬送方向に対して直交する方向となるようにCCDカメラを配置することで、何れかの撮影位置8a、8b、8cに卵4が無い場合にも、隣接する撮影位置8a、8b、8cの撮影画像に影響を与えずに検査を行える。また、ブルーミング現象が生じた撮影位置8a、8b、8cに卵4が無いことを検知できる。さらに、別途に設ける対象物有無センサの情報と組み合わせることで、光源2の劣化や照明部の汚れ等による光量低下を検知できる。
【0039】
次ぎに、第1のミラー9aおよび第2のミラー9bを、それぞれ別々に異なる撮影位置に、かつ搬送軌道の両側のうちの一方に第1のミラー9aを配置し、他方に第2のミラー9bを配置して、双方のミラーが卵軸方向で対向することがない撮影位置8a、8cにそれぞれ配置し、さらに光源2を第1のミラー9aおよび第2のミラー9bと搬送軌道を介して反対側に配置し、光源2が卵4に向けて斜め上方に照射するので、対向する光源2による卵表面の反射光がミラーに映る反射画像に写り込むことを防止できる。
【0040】
また、撮影位置8a、8bに在る光源2と、他の撮影位置8cにある第2のミラー9bとが搬送軌道の両側のうちの一方の側に共存し、かつ撮影位置8a、8bに在る光源2と他の撮影位置8cにある第2のミラー9bが、各光源2を配置した撮影位置8a、8bにある卵4の卵軸を介して相反する側に位置し、撮影位置8cにある光源2と他の撮影位置8aにある第1のミラー9aとが搬送軌道の両側のうちの他方の側に共存し、かつ撮影位置8cにある光源2と他の撮影位置8aにある第1のミラー9aが、当該光源2を配置した撮影位置にある卵4の卵軸を介して相反する側に位置することで、撮影位置8a、8bに在る光源2が照射する卵表面が、これらの光源2とともに搬送軌道の両側のうちの一方の側に共存する他の撮影位置8cにある第2のミラー9bと卵軸を介して反対側の領域となり、撮影位置8cに在る光源2が照射する卵表面が、この光源2とともに搬送軌道の両側のうちの他方の側に共存する他の撮影位置8aにある第1のミラー9aと卵軸を介して反対側の領域となる。よって、卵表面の反射光が、図10に示す点線矢印のように、他の撮影位置にあるミラーと反対側の方向に向くことになり、各撮影位置にある光源2による卵4からの反射光が、搬送軌道の両側の何れかの側に当該光源2と共存する他方の撮影位置にあるミラーの反射画像に写り込むことを防止できる。
【0041】
搬送装置1が卵4を卵軸廻りに回転させながら複数の撮影位置8a、8b、8cに搬送し、撮像装置3が各撮影位置8a、8b、8cに在る複数の卵4の側面部の透過光画像と第1のミラー9aの鋭端部4aの透過光画像および第2のミラー9bの鈍端部4bの透過光画像を一度に撮影するので、各撮影位置で繰り返し撮影することで、1台の撮像装置1で、かつ1方向からの撮影において、1個の卵4の全面を死角が無い状態に撮影することができる。
【0042】
撮像装置3は、複数の撮影位置8a、8b、8cに在る卵4の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラー9aの反射画像の撮影領域および第2のミラー9bの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光する遮光板10を有するので、直接光や反射光等の外乱光が撮影画像に影響することを防止できる。
【0043】
搬送装置1が傾斜面をなす搬送面上で卵を爪部7で受け止めることにより卵4の姿勢が安定するので、安定した照明効果を実現でき、反射光の方向が限定的となって反射画像へ反射光が写り込むことを確実に防止できる。
【0044】
尚、上記の実施の形態では、図3に示すように、搬送装置1を流れる全ての卵4が、その鋭端部4aが第1のミラー9aに対向する方向に向く例を示している。しかしながら、搬送装置1によって搬送する卵4の向きが一様でなく、鋭端部4aと鈍端部4bの向きが揃っていなくてもよく、第1のミラー9aが鈍端部4bを映し、第2のミラー9bが鋭端部4aを映すものであってもよい。
【0045】
また、各光源2は、図10に示すように、その光軸が各撮影位置にある卵4の卵軸と平面視において異なる位置で、光軸が平面視において卵軸と平行となる位置に設けてあるが、光軸が平面視において卵軸に対して傾斜する位置に設けてもよい。
【0046】
また、中央の光源2は第2のミラー9bの側に配置したが、第1のミラー9aの側であってもよい。
また、第1のミラー9aと第2のミラー9bは、卵1つ分だけ空けた位置に配置したが、相互に対向する位置でなければよく、隣接する位置に配置してもよい。
【0047】
また、撮影ステージでは側面画像を3画像撮影するようにしたが、これに限らず、2画像であってもよく、4画像以上としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 搬送装置
2 光源
3 撮像装置
4 卵
4a 鋭端部
4b 鈍端部
5 搬送面
6 搬送レール
7 爪部
8 撮影ステージ
9a 第1のミラー
9b 第2のミラー
10 遮光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵を搬送方向に沿って列状に搬送する搬送装置と、搬送装置上の卵に近接する位置から照射光を卵殻内に向けて斜め上方に照射する光源と、搬送装置の上方から前記光源の光軸と非平行な方向で卵の透過光画像を撮影する撮像装置を備えることを特徴とする卵検査装置。
【請求項2】
搬送装置は、卵の鋭端部と鈍端部間の卵軸を横向きにして、かつ鋭端部と鈍端部が搬送軌道の両側に位置する姿勢で、卵を卵軸廻りに回転させながら複数の撮影位置に搬送し、光源は各撮影位置に配置し、卵の鋭端部側の透過光画像または鈍端部側の透過光画像を撮像装置で撮影可能に反射画像として映す第1のミラーと第2のミラーは、それぞれ別々に異なる撮影位置に、かつ搬送軌道の両側のうちの一方に第1のミラーを配置し、他方に第2のミラーを配置し、第1のミラーを配置した撮影位置および第2のミラーを配置した撮影位置にある各光源は、それぞれの撮影位置にあるミラーと搬送軌道を介して反対側の位置にあることを特徴とする請求項1に記載の卵検査装置。
【請求項3】
撮影装置は、各撮影位置に在る複数の卵の側面部の透過光画像と、第1のミラーに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像と、第2のミラーに映る鋭端部の透過光画像または鈍端部の透過光画像を一度に撮影することを特徴とする請求項2に記載の卵検査装置。
【請求項4】
搬送軌道の両側の何れかの側に共存する光源とミラーは、当該光源を配置した撮影位置にある卵の卵軸を介して双方が相反する側に位置することを特徴とする請求項2に記載の卵検査装置。
【請求項5】
撮影装置は、複数の撮影位置に在る卵の側面部の透過光画像の撮影領域と第1のミラーの反射画像の撮影領域および第2のミラーの反射画像の撮影領域を除く他の撮影領域を遮光する遮光板を有することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の卵検査装置。
【請求項6】
搬送装置は、卵を載置する搬送面が各撮影位置に向けて上り勾配の傾斜面をなし、搬送方向後方において卵を受け止める支持部材が卵を搬送方向へ移送することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の卵検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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