説明

卵母細胞受容能の評価

受精および着床についての卵母細胞の評価方法が提供される。例えば、染色体が正常および染色体が異常な卵母細胞の間で示差的に発現されると同定されるマーカーの一群の1種若しくはそれ以上を卵母細胞が発現するか若しくは発現しないかの決定方法が提供される。例えば、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞の間で示差的に発現されると同定されるマーカーの一群の1種若しくはそれ以上を卵丘細胞が発現するか若しくは発現しないかの決定方法もまた提供される。RNAレベルならびにタンパク質レベルでの示差的に発現される遺伝子のマーカー発現の検出方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表への言及
コンパクトディスクで提出された配列表は引用することによりここに組み込まれる。該ディスク上のファイルは047162−5031−00WO.txtと命名される。該ファイルは1657kbでありかつ創製の日付は2007年11月2日である。
【背景技術】
【0002】
染色体異常は彼らの30代早期の女性から得た卵母細胞の20%超を冒し、そしてこの頻度は女性が彼らの40代に入る際に2倍以上になる。これらの染色体異常はほとんど常に発達中の胚に対し致死的であり、そしてそれらの高頻度は多くの失敗した体外受精(IVF)処置の原因である。結果、染色体が正常の卵母細胞の同定はIVF処置に非常に重要である。
【0003】
多様な細胞遺伝学的技術を使用する多数の臨床(例えば着床前遺伝子診断(PGD)および着床前遺伝子スクリーニング(PGS))ならびに科学的研究が、PGDおよびPGSの適応症をもつ患者でヒト着床前胚の少なくとも2/3が異数体細胞を含有することを示した(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7)。in vitroで製造されかつ子宮に移される胚の85%が乳児に発達することに失敗し、生存出生になるよう運命付けられたごく少数のみを残すこともまた示されている(非特許文献8)。この低適格性率を取り扱うため、通常は複数の卵母細胞および胚をIVFの間に製造する。しかし、高次の多胎妊娠(例えば三つ子、四つ子など)の危険性を最小限にするために、通常は2若しくは3個の胚を子宮に移す。内科医にとって大きな一課題は、どの胚が妊娠をもたらすことがもっともありそうであるかを同定しかつこれらの胚が子宮への移行に選択される制限された数の1つであることを確実にすることである。
【0004】
形態学的評価に基づく健康な卵母細胞および胚の同定方法はほとんど成功裏しなかった(総説については非特許文献9を参照されたい)。形態学的評価に加え、若干の診察室は細胞遺伝学的評価もまた使用する。卵母細胞は、第一および第二極体の生検ならびにそれらを細胞遺伝学的分析にかけることにより異数性について試験し得る。極体中の余分な若しくは欠けている染色体の検出は、対応する卵母細胞中の染色体の相互の(reciprocal)喪失若しくは獲得を示す。染色体が正常の卵母細胞由来の胚は生殖補助の間の移行に対する優先性を与えられ得、有害な異数性を運搬する胚の移行を回避することにより結果を潜在的に改善する。しかし、古典的細胞遺伝学的技術は高質の染色体スプレッドを得るという問題により極体に適用することが困難である。この理由から、極体で実施される大多数の染色体試験は蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を使用してきた。FISHを使用して、染色体の形態に関係なく個々の極体/卵母細胞中の5〜12染色体を評価することが可能である(非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12)。しかしながらこの方法は染色体の半分未満のみ検査する。加えて細胞の除去は胚を損傷しうる侵襲的処置である。
【0005】
より最近、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)が極体および卵母細胞中の染色体のコピー数を評価するのに使用されているとは言え、今日まで大部分の分析は研究の情況で実施されている(非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16)。CGHは、FISHを使用して評価される制限されたサブセットよりむしろすべての染色体が分析されるという大きな利点を有するが、しかし、それは、着床前試験に利用可能な制限された時間内で実施することが困難である、時間がかかりかつ労働集約的な
方法である。
【0006】
逆転写、次いでリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用する遺伝子発現分析を実施する研究は、特定の遺伝子が卵母細胞若しくは胚の質および能力に関係しうる活性の変化を表すこと(非特許文献17;非特許文献18;非特許文献19)、ならびに形態学的に異常な着床前胚が非定型の遺伝子発現パターンを頻繁に表すこと(非特許文献17)を見出した。リアルタイムPCRの正確性および感度にもかかわらず、該方法は各卵母細胞若しくは胚について評価し得る遺伝子の制限された数(一般に10遺伝子未満)により制限される。
【0007】
生殖医学は、卵母細胞の能力および卵母細胞の無能と関連するマーカー発現のレベルを測定することにより成功裏の受精および着床をもたらすことがもっともありそうな卵母細胞若しくは胚の非侵襲的特徴付けおよび同定が可能な方法から、大きく恩恵を受けるとみられる。本発明はこの必要性を満たす。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Delhantyら、1997、Human Genetics 99:755−760
【非特許文献2】MunneとCohen、1998、Human Reproduction Update 4:842−855
【非特許文献3】WellsとDelhanty 2000、Mol Hum Repro 6:1055−1062
【非特許文献4】Voullaireら、2002、Mol Hum Repro 8:1035−1041
【非特許文献5】Voullaireら、2000、Hum Gen 106:210−217
【非特許文献6】Coonenら、2001、Hum Repro 19:316−324
【非特許文献7】Baartら、2007、Prenatal Diag 27:55−63
【非特許文献8】KovalevskyとPatrizio、2005、Fertility and Sterility 84:325−330
【非特許文献9】Patrizioら、2007、Repro BioMedicine Online 15:346−353
【非特許文献10】Verlinskyら、1998、J Assisted Repro & Gen 15:285−289
【非特許文献11】Kulievら、2003、Repro Biomed Online 6:54−59
【非特許文献12】Pujolら、2003、Eur J Hum Gen 11:325−326
【非特許文献13】Wellsら、2002、Fertility and Sterility 78:543−549
【非特許文献14】Gutierrez−Mateoら、2004、Hum Repro 19:2118−2125
【非特許文献15】Fragouliら、2006、Cyto Gen Res 114:30−38
【非特許文献16】Fragouliら、2006、Hum Repro 21:2319−2328
【非特許文献17】Wellsら、2005、Fertility and Sterility 84:343−355
【非特許文献18】Dodeら、2006、Mol Repro Devel 73:288−297
【非特許文献19】Russellら、2006、Mol Repro Devel 73:1255−1270
【発明の概要】
【0009】
[発明の要約]
本発明は、受精若しくは着床または双方に対する哺乳動物卵母細胞の受容能の評価方法を企図している。一態様において、該方法は、配列番号1−92および183−292により例示される核酸の群から選択される最低1核酸のマーカー発現のレベルをサンプル中で測定すること、ならびにサンプル中のマーカー発現のレベルを対照若しくは参照標準と比較することを含んでなり、サンプルと対照の間の示差的マーカー発現を検出することは、受精若しくは着床または双方についての卵母細胞の受容能を示す。
【0010】
サンプルが卵母細胞、卵胞液、卵丘細胞若しくは培地由来でありうることが本発明の一局面である。対照若しくは参照標準は、着床の能力のある卵母細胞、着床の能力のない卵母細胞、受精の能力のある卵母細胞、受精の能力のない卵母細胞、染色体が正常な卵母細胞、染色体が異常な卵母細胞、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵胞液、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵胞液、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵胞液、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵胞液、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵胞液、染色体が異常な卵母細胞と関連する卵胞液、着床の能力のある卵母細胞と関連する培地、着床の能力のない卵母細胞と関連する培地、受精の能力のある卵母細胞と関連する培地、受精の能力のない卵母細胞と関連する培地、染色体が正常な卵母細胞と関連する培地、染色体が異常な卵母細胞と関連する培地、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞、染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地若しくはそれらの組合せ由来でありうる。
【0011】
一局面において、サンプルで測定されるマーカー発現のレベルは、対照若しくは参照標準で測定されるマーカー発現のレベルと最低20%異なる。一局面において、マーカー発現のレベルは核酸マイクロアレイ、ノーザンブロット若しくは逆転写PCRにより検出しうる。別の局面において、マーカー発現のレベルは、ウエスタンブロット、酵素結合免疫吸着検定法、タンパク質マイクロアレイ若しくはFACS分析により検出しうる。
【0012】
卵母細胞および卵丘細胞がヒトであることが本発明の一局面であるが、しかし卵母細胞および卵丘細胞は家畜化された哺乳動物のものでもまたありうる。
【0013】
別の局面において、本発明は固体支持体上に固定される核酸プローブのアレイを含んでなり、該プローブ組は複数のプローブを含んでなり、各プローブは一組の参照標準の下位配列(subsequence)に正確に相補的な最低20ヌクレオチドのセグメントを
含んでなり、参照配列の該組は配列番号1−92を含んでなる。
【0014】
別の局面において、本発明は固体支持体上に固定される核酸プローブのアレイを含んでなり、該プローブ組は複数のプローブを含んでなり、各プローブは一組の参照配列の下位配列に正確に相補的な最低20ヌクレオチドのセグメントを含んでなり、参照配列の該組は配列番号183−282を含んでなる。
【0015】
[発明の詳細な記述]
本発明は、マーカー発現の分析による成功裏の受精および着床を経験することがより少なくありそうな卵母細胞および胚からの成功裏の受精および着床を経験することがよりありそうな卵母細胞および胚の識別方法を提供する。一態様において、該方法は非侵襲的であり、ならびに、成功裏の受精および着床を経験することがよりありそうと同定された卵母細胞若しくは胚は着床のため生育可能のままである。一態様において、該方法は非損傷的であり、ならびに、成功裏の受精および着床を経験することがよりありそうと同定された卵母細胞若しくは胚は、着床のため生育可能のままである。
【0016】
一態様において、卵母細胞、卵丘細胞、卵胞液若しくは培地中のマーカー発現の評価を着床について卵母細胞の能力を評価するのに使用する。該評価は、染色体が正常な胚の着床を最大限にすることにおいて補助するため、若しくは染色体が異常な胚の着床を最小限にすることにおいて補助するために着床前に実施しうる。
【0017】
一態様において、卵母細胞、卵丘細胞、卵胞液若しくは培地中のマーカー発現の評価を受精について卵母細胞の能力を評価するのに使用する。該評価は、染色体が正常な胚の生成を最大限にすることにおいて補助するため、若しくは染色体が異常な胚の生成を最小限にすることにおいて補助するために受精前に実施しうる。
【0018】
一態様において、卵母細胞、卵丘細胞、卵胞液若しくは培地中のマーカー発現の評価を、受精、着床、若しくは例えば凍結による後の使用のための長期保存について卵母細胞の質を評価するのに使用する。
【0019】
一態様において、示差的に発現されるマーカーの産物を卵母細胞の異数性のin vitro評価に使用する。一態様において、マーカー、遺伝子産物、RNA、タンパク質および代謝物を、卵胞液、卵母細胞、極体、卵母細胞、胚、または卵母細胞、卵丘細胞若しくは胚を培養する培地中で評価する。
【0020】
一局面において、示差的発現を表すマーカーは染色体異常を診断するのに使用する。卵母細胞若しくは卵丘細胞中のマーカー発現の評価は、卵巣刺激方法を最適化するのに使用する。卵母細胞若しくは卵丘細胞中のマーカー発現の評価は、in vitro成熟培地を改変若しくは最適化するのにもまた使用する。さらに、卵母細胞若しくは卵丘細胞中のマーカー発現の評価はヒト卵母細胞に対する毒物の影響をアッセイするのに使用する。
【0021】
好ましくは、卵母細胞、卵丘細胞および胚はヒトである。しかしながら、卵母細胞、卵丘細胞および胚は他のヒト以外の動物、好ましくは家畜化された動物から得ることができる。
【0022】
卵母細胞若しくは卵丘細胞中のマーカー発現の評価は、例えば卵巣刺激を最適化するように培地中の成分の濃度を改変することにより影響を受ける遺伝子発現経路の適正な機能を補助するのに使用しうる。
【0023】
卵母細胞若しくは卵丘細胞中のマーカー発現の評価は、例えば卵巣刺激を最適化するた
めの適正な染色体分離を支援しかつ染色体/染色分体の不均衡を最小限にする培地の設計を導くのに使用しうる。
【0024】
卵母細胞若しくは卵丘細胞中のマーカー発現の評価は、例えば、栄養補助食品の設計を導くため、形成される異常な卵母細胞の機会を減少させるため、受精率を向上させるため、雌性が繁殖性のまま留まる年数を増大させるため、および例えばダウン症候群のような染色体状態の危険性を低下させるために使用しうる。
【0025】
本発明は、染色体正常性および異常性の示差的に発現されるマーカーならびに卵母細胞の能力および無能の示差的に発現されるマーカーの同定方法、ならびに染色体の正常性および異常性の示差的に発現されるマーカーならびに卵母細胞の能力および無能の示差的に発現されるマーカーの発現産物の検出方法の使用を企図している。
【0026】
本発明は、着床の能力のある卵母細胞と着床の能力のない卵母細胞の間で示差的に発現されるマーカーを同定するための全ゲノム核酸マイクロアレイによる示差的に発現されるマーカーの同定を企図している。本発明は、RNAおよびタンパク質のような示差的に発現されるマーカー発現産物を検出かつそのレベルを測定するため、卵母細胞、ならびに卵胞液、卵丘細胞および卵母細胞と関連する培地中の1種若しくはそれ以上の示差的に発現されるマーカー発現産物のレベルを測定するため、卵母細胞の染色体および遺伝子の能力ならびに着床のその可能性を評価するための、当業者に既知の方法を使用することをさらに企図している。
【0027】
本発明の実務は、別の方法で示されない限り、当該技術の熟練内にある有機化学、ポリマー技術、分子生物学(組換え技術を包含する)、細胞生物学、生化学および免疫学の慣習的技術および記述を使用しうる。こうした慣習的技術は、ポリマーアレイ合成、ハイブリダイゼーション、ライゲーションおよび標識を使用するハイブリダイゼーションの検出を包含する。適する技術の特定の具体的説明は下の本明細書の実施例に言及することにより有し得る。しかしながら他の同等の慣習的手順ももちろんまた使用し得る。こうした慣習的技術および記述は、Genome Analysis:A Laboratory Manual Series(第I〜IV巻)、Using Antibodies:A
Laboratory Manual、Cells:A Laboratory Manual、PCR Primer:A Laboratory Manual、およびMolecular Cloning:A Laboratory Manual(全部Cold Spring Harbor Laboratory Pressから);Stryer、L.、1995、Biochemistry(第4版)Freeman、ニューヨーク;Gait、1984、”Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach”、IRL Press、ロンドン、Nelson and Cox;Lehninger、Principles of Biochemisty 第3版、W.H.Freeman Pub.、ニューヨーク州ニューヨーク;ならびにBergら、2002、Biochemisty、第5版、W.H.Freeman Pub.、ニューヨーク州ニューヨーク(それらの全部は全部の目的上引用することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)のような標準的実験室手順書に見出し得る。
【0028】
本発明で有用である核酸アレイは、Affymetrix(カリフォルニア州サンタクララ)(例のアレイはwww.affymetrix.comのウェブサイトで示される)、およびApplied Biosystems(カリフォルニア州フォスターシティ)(例のアレイはwww2.appliedbiosystems.comのウェブサイトで示される)、ならびにAgilent Technologies(カリフォルニア州サンタクララ)(例のアレイはwww.home.agilent.comのウェブサ
イトで示される)などから商業的に入手可能なもののようなアレイを包含する。
【0029】
本発明はある態様においてサンプル調製法もまた企図している。マーカー発現分析の前若しくは同時に、発現産物サンプルを多様な機構(それらのいくつかはPCRを使用しうる)を使用して増幅しうる。例えば、PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification(H.A.Erlich編、Freeman Press、ニューヨーク州ニューヨーク、1992);PCR Protocols:A Guide to Methods
and Applications(Innisら編、Academic Press、カリフォルニア州サンディエゴ、1990);Mattilaら、Nucleic Acids Res.19、4967(1991);Eckertら、PCR Methods and Applications 1、17(1991);PCR(McPhersonら編、IRL Press、オックスフォード);ならびに米国特許第4,683,202号、同第4,683,195号、同第4,800,159号 同第4,965,188号および同第5,333,675号明細書(それらのそれぞれは全部の目的上そっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0030】
他の適する増幅方法は、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば、WuとWallace、Genomics 4、560(1989)、Landegrenら、Science
241、1077(1988)およびBarringerら Gene 89:117(1990))、転写増幅(Kwohら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86、1173(1989)および第WO88/10315号明細書)、自家持続配列複製法(Guatelliら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA、87、1874(1990)および第WO90/06995号明細書)、標的ポリヌクレオチド配列の選択的増幅(米国特許第6,410,276号明細書)、コンセンサス配列プライムドPCR(primed PCR)(CP−PCR)(米国特許第4,437,975号明細書)、任意プライムドPCR(arbitrarily primed PCR)(AP−PCR)(米国特許第5,413,909号、同第5,861,245号明細書)、変性オリゴヌクレオチドプライムドPCR(degenerate oligonucleotide primed PCR)(DOP−PCR)(Wellsら、1999、Nuc Acids Res 27:1214−1218)および核酸に基づく配列増幅(nucleic acid based sequence amplification)(NABSA)を包含する。(米国特許第5,409,818号、同第5,554,517号および同第6,063,603号(それらのそれぞれは引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。使用しうる他の増幅法は、米国特許第5,242,794号、同第5,494,810号、同第4,988,617号明細書および米国第09/854,317号明細書(それらのそれぞれは引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述されている。
【0031】
付加的なサンプル調製方法および核サンプルの複雑さを低下させるための技術は、Dongら、Genome Research 11、1418(2001)、米国特許第6,361,947号、同第6,391,592号明細書、ならびに米国第09/916,135号、同第09/920,491号(米国特許出願公開第20030096235号)、同第09/910,292号(米国特許出願公開第20030082543号)および同第10/013,598号明細書に記述されている。
【0032】
限定されるものでないがノーザンブロット、サザンブロットおよび核酸マイクロアレイを挙げることができるポリヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイの実施方法は当該技術分野で開発されている。ハイブリダイゼーションアッセイの手順および条件は応用に依存して変動することができ、そしてManiatisら Molecular Cl
oning:A Laboratory Manual(第2版 ニューヨーク州コールドスプリングハーバー、1989);BergerとKimmel Methods in Enzymology、Vol.152、Guide to Molecular Cloning Techniques(Academic Press,Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ、1987);YoungとDavism,P.N.A.S、80:1194(1983)に言及されるものを包含する既知の一般的結合法に従って選択される。反復および制御ハイブリダイゼーション反応を実施するための方法および装置が米国特許第5,871,928号、同第5,874,219号、同第6,045,996号および同第6,386,749号、同第6,391,623号(それらのそれぞれは引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述されている。
【0033】
本発明はある好ましい態様においてリガンド間のハイブリダイゼーションのシグナル検出もまた企図している。米国特許第5,143,854号、同第5,578,832号;同第5,631,734号;同第5,834,758号;同第5,936,324号;同第5,981,956号;同第6,025,601号;同第6,141,096号;同第6,185,030号;同第6,201,639号;同第6,218,803号;および同第6,225,625号明細書、米国第10/389,194号明細書、ならびにPCT出願第PCT/US99/06097号明細書(第WO99/47964号として公開される)(それらのそれぞれもまた全部の目的上そっくりそのまま引用することによりここに組み込まれる)を参照されたい。
【0034】
シグナル検出および強度データの処理のための方法および装置は、例えば米国特許第5,143,854号、同第5,547,839号、同第5,578,832号、同第5,631,734号、同第5,800,992号、同第5,834,758号;同第5,856,092号、同第5,902,723号、同第5,936,324号、同第5,981,956号、同第6,025,601号、同第6,090,555号、同第6,141,096号、同第6,185,030号、同第6,201,639号;同第6,218,803号;および同第6,225,625号明細書、米国第10/389,194号、同第60/493,495号明細書、ならびにPCT出願第PCT/US99/06097号明細書(第WO99/47964号として公開される)(それらのそれぞれもまた全部の目的上そっくりそのまま引用することによりここに組み込まれる)に開示されている。
【0035】
本発明の実務はソフトウェアおよびシステムもまた使用しうる。本発明のコンピュータソフトウェア製品は、典型的に、本発明の方法の論理的段階を実施するためのコンピュータで実行可能な命令を有するコンピュータで読み出し可能な媒体を包含する。適するコンピュータで読み出し可能な媒体は、フロッピーディスク、CD−ROM/DVD/DVD−ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、ROM/RAM、磁気テープなどを包含する。コンピュータで実行可能な命令は、適するコンピュータ言語若しくは数種の言語の組合せで書かれうる。基礎的なコンピュータによる生物学の方法が、例えばSetubalとMeidanisら、Introduction to Computational Biology Methods(PWS Publishing Company、ボストン、1997);Salzberg、Searles、Kasif(編)、Computational Methods in Molecular Biology、(Elsevier、アムステルダム、1998);RashidiとBuehler、Bioinformatics Basics:Application in Biological Science and Medicine(CRC Press、ロンドン、2000)およびOuelette and Bzevanis Bioinformatics:A Practical Guide for Analysis of Gene and Proteins(Wiley & Sons, Inc.、第2版、2001)に記述されている。米国特許第6,420,108号明細
書を参照されたい。
【0036】
本発明は、プローブ設計、データの管理、分析および装置操作のような多様な目的上の多様なコンピュータプログラム製品およびソフトウェアもまた利用しうる。米国特許第5,593,839号、同第5,795,716号、同第5,733,729号、同第5,974,164号、同第6,066,454号、同第6,090,555号、同第6,185,561号、同第6,188,783号、同第6,223,127号、同第6,229,911号および同第6,308,170号明細書を参照されたい。加えて、本発明は、米国第10/197,621号、同第10/063,559号(米国公開第20020183936号)、同第10/065,856号、同第10/065,868号、同第10/328,818号、同第10/328,872号、同第10/423,403号および同第60/482,389号明細書に示されるところのインターネットのようなネットワークでの遺伝子情報の提供方法を包含する好ましい態様を有しうる。
【0037】
本開示を通じて本発明の多様な局面をある範囲の形式で提示し得る。範囲の形式の記述は単に便宜性および明瞭性のためでありかつ本発明の範囲に対する柔軟性のない制限と解釈されるべきでないことが理解されるべきである。従って、ある範囲の記述は、とりわけ開示される全部の可能な部分的範囲、ならびにその範囲内の個々の数値を有するとみなされるべきである。例えば、1から6までのような範囲の記述は、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6までなどのような具体的に開示される部分的範囲、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば1、2、3、4、5および6を有するとみなされるべきである。これは該範囲の幅に関係なく当てはまる。
【0038】
一態様において、ハイブリダイズされた核酸はサンプル核酸に結合された1種若しくはそれ以上の標識を検出することにより検出する。標識は当業者に公知の多数の手段のいずれによっても取り込みうる。一態様において、標識はサンプル核酸の調製の増幅段階の間に同時に取り込まれる。従って、例えば標識プライマー若しくは標識ヌクレオチドを用いるPCRが標識増幅産物を提供することができる。別の態様において、標識ヌクレオチド(例えば蛍光標識UTPおよび/若しくはCTP)を使用する上述されたところの転写増幅は転写された核酸に標識を取り込む。別の態様において、PCR増幅産物は末端デオキシトランスフェラーゼおよび標識dNTPにより断片化されかつ標識される。あるいは、標識は元の核酸サンプル(例えばmRNA、ポリA mRNA、cDNAなど)に、若しくは増幅が完了した後に増幅産物に直接付加しうる。核酸に標識を結合する手段は当業者に公知であり、そして、例えばニックトランスレーション、若しくは核酸をキナーゼ処理すること(kinasing)、およびサンプル核酸を標識(例えばフルオロフォア)に結合する核酸リンカーのその後の結合(ライゲーション)による(例えば標識RNAでの)末端標識を包含する。別の態様において、標識は末端デオキシトランスフェラーゼを使用してフラグメントの端に付加する。
【0039】
本発明での使用に適する検出可能な標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的若しくは化学的手段により検出可能ないかなる組成物も包含する。本発明における有用な標識は、限定されるものでないが、標識ストレプトアビジン複合体で染色するためのビオチン;抗ビオチン抗体、磁性ビーズ(例えばDynabeadsTM);蛍光色素(例えばフルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質など);放射標識(例えばH、125I、35S、C若しくは32P);リン光標識;酵素(例えばワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびELISAで一般に使用される他者);ならびにコロイド状金または着色ガラス若しくはプラスチック(例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズのような比色標識を挙げることができる。こうした標識の使用を教示する特許は、米国特許第3,817,837号、同第3,850,752号、同第3,939,350号、同第3,996,345
号、同第4,277,437号、同第4,275,149号および同第4,366,241号明細書(それらのそれぞれは全部の目的上そっくりそのまま引用することによりここに組み込まれる)を包含する。
【0040】
こうした標識を検出する手段は当業者に公知である。従って、例えば、放射標識は写真フィルム若しくはシンチレーションカウンターを使用して検出することができ;蛍光マーカーは発射光を検出するための光検出器を使用して検出しうる。酵素標識は、典型的に、酵素に基質を提供すること、および該基質に対する該酵素の作用により産生される反応生成物を検出することにより検出し、ならびに、比色標識は着色標識を単純に可視化することにより検出する。
【0041】
競合および非競合イムノアッセイ形式、抗原捕捉アッセイ、2抗体サンドイッチアッセイおよび3抗体サンドイッチアッセイを包含する多様なイムノアッセイ形式が本発明の有用な方法である(Selfら、1996、Curr.Opin.Biotechnol.7:60−65)。本発明はいずれか1つの型の既知の若しくは現在のところ未知のイムノアッセイに制限されると解釈されるべきでない。
【0042】
一態様において、本発明の方法は1種若しくはそれ以上の抗原捕捉アッセイに頼る。こうした一抗原捕捉アッセイにおいて、抗体を固体支持体に結合し、そして抗原が該抗体により結合されるようなサンプルを添加する。未結合のタンパク質を洗浄により除去した後に、結合した抗原の量を所望の場合は例えば限定されるものでないが放射アッセイ(Harlowら、1989、Antibodies:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory、ニューヨーク)を使用して定量し得る。
【0043】
酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)は本発明の方法で有用である。限定されるものでないがワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、β−ガラクトシダーゼ若しくはウレアーゼを挙げることができる酵素を、例えば本発明の方法での使用のため抗原抗体若しくは二次抗体に結合し得る。ワサビペルオキシダーゼ検出系を、例えば、450nmで検出可能である過酸化水素の存在下で可溶性産物を生じる色素生産性基質テトラメチルベンジジン(TMB)とともに使用しうる。他の便宜的酵素結合系は、例えば、405nmで容易に検出可能な可溶性産物を生じるために色素生産性基質p−ニトロフェニルリン酸とともに使用しうるアルカリホスファターゼ検出系を包含する。同様に、β−ガラクトシダーゼ検出系は、410nmで検出可能な可溶性産物を生じるために色素生産性基質o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド(ONPG)とともに使用しうる。あるいは、ウレアーゼ検出系は尿素ブロモクレゾールパープル(Sigma Immunochemicals、ミズーリ州セントルイス)のような基質とともに使用しうる。有用な酵素結合一次および二次抗体をいずれかの数の商業的供給源から得ることができる。
【0044】
化学発光検出もまた本発明の方法により抗原を検出若しくは抗原の量を測定するのに有用である。化学発光二次抗体はいずれかの数の商業的供給源から得ることができる。蛍光検出もまた本発明の方法で抗原を検出若しくは抗原のレベルを測定するのに有用である。有用な蛍光色素は、限定されるものでないがDAPI、フルオレセイン、Hoechst
33258、R−フィコシアニン、B−フィコエリトリン、R−フィコエリトリン、ローダミン、テキサスレッドおよびリサミン、フルオレセイン若しくはローダミン標識抗原特異的抗体を挙げることができる。
【0045】
ラジオイムノアッセイ(RIA)もまた本発明の方法で有用である。こうしたアッセイは当該技術分野で公知であり、そして例えばBrophyら(1990、Biochem
.Biophys.Res.Comm.167:898−903)およびGuechotら(1996、Clin.Chem.42:558−563)に記述されている。ラジオイムノアッセイは、例えばヨウ素125標識一次若しくは二次抗体を使用して実施する(Harlowら、上記、1999)。
【0046】
検出可能な抗体から発射されるシグナルは、例えば色素生産性基質からの色を検出するための分光光度計;ヨウ素−125の検出のためのガンマカウンターのような放射を検出するための放射カウンター;若しくはある波長の光の存在下で蛍光を検出するための蛍光計を使用して分析する。酵素結合アッセイを使用する場合、抗原の量の定量的分析は分光光度計を使用して実施する。本発明のアッセイは手動で実施し得るか、若しくは、所望の場合は自動化し得ること、および複数のサンプルから発射されるシグナルは商業的に入手可能な多くの装置で同時に検出し得ることが理解される。
【0047】
本発明の方法は、所望の場合に自動化し得るキャピラリー電気泳動に基づくイムノアッセイ(CEIA)の使用もまた包含する。イムノアッセイは例えばSchmalzingら(1997、Electrophoresis 18:2184−2193)およびBao(1997、J.Chromatogr.B.Biomed.Sci.699:463−480)に記述されるところのレーザー誘起蛍光とともにもまた使用しうる。フローインジェクションリポソームイムノアッセイおよびリポソーム免疫センサーのようなリポソームイムノアッセイもまた本発明の方法により抗原を検出するのに使用しうる(Rongenら、1997、J.Immunol.Methods 204:105−133)。
【0048】
サンドイッチ酵素イムノアッセイもまた本発明の方法で有用でありうる。2抗体サンドイッチアッセイにおいて、第一の抗体を固体支持体に結合し、そして抗原を該第一の抗体に結合させる。抗原の量は、抗原および第一の抗体の複合体に結合する検出可能な第二の抗体の量を検出かつ測定することにより定量する。3抗体サンドイッチアッセイにおいて、第一の抗体を固体支持体に結合し、そして抗原を該第一の抗体に結合させる。その後第二の抗体を添加し、そして第一の抗体に結合されている抗原に結合させる。抗原の量は、第二の抗体に結合する検出可能な第三の抗体の量を検出かつ測定することにより定量する。
【0049】
定量的ウエスタンブロッティングもまた本発明の方法で抗原を検出若しくは抗原のレベルを測定するのに使用しうる。ウエスタンブロットはスキャニングデンシトメトリー(Parraら、1998、J.Vasc.Surg.28:669−675)のような公知の方法を使用して定量する。蛍光標示式細胞分取(FACS)分析もまた本発明の方法で抗原を検出若しくは抗原のレベルを測定するのに使用しうる。FACS分析を使用して、目的の細胞成分に特異的な1種若しくはそれ以上の蛍光色素で細胞を染色することができ、そして各細胞の蛍光をそれが励起ビーム(レーザー若しくは水銀アーク灯)を迅速に横断する際に測定する。蛍光は細胞の多様な生化学的および生物学的特性の量的尺度、ならびに細胞分取の根拠を提供する。他の測定可能な光学的パラメータは光吸収および光散乱を包含し、後者は細胞の大きさ、形状、密度、粒度および染色の取り込みの測定に応用可能である(Darzynkiewiczら、2004、Cytometry(第4版)、Academic Press、マサチューセッツ州バーリンゲームを参照されたい)。
【0050】
定義
冠詞「ある(a)」および「ある(an)」は該冠詞の文法上の目的語の1若しくは1以上(すなわち最低1)を指すのに本明細書で使用する。例として「ある要素(an element)」は1要素若しくは1以上の要素を意味している。
【0051】
本明細書で使用されるところの「相同な」は、2種のポリマー分子間、例えば2核酸分子、例えば2DNA分子若しくは2RNA分子間、または2ポリペプチド分子間のサブユニット配列類似性を指す。該2分子の双方中の1サブユニット位置が同一単量体サブユニットにより占有される場合、例えば2DNA分子のそれぞれ中の1位置がアデニンにより占有される場合には、それらはその位置で相同である。2配列間の相同性は適合する若しくは相同な位置の数の直接の関数であり、例えば、2化合物の配列の位置の半分(例えば長さ10サブユニットのポリマーの5位置)が相同である場合には該2配列は50%相同であり、位置の90%、例えば10のうち9が適合若しくは相同である場合、該2配列は90%の相同性を共有する。例として、DNA配列3’ATTGCC5’および3’TATGGCは50%相同性を共有する。
【0052】
本明細書で使用されるところの「相同性」は「同一性」と同義に使用する。加えて、「相同性」という用語が核酸およびタンパク質を指すのに本明細書で使用される場合、それは核酸およびアミノ酸双方のレベルの相同性に適用されると解釈されるべきである。2種のヌクレオチド若しくはアミノ酸配列間のパーセント同一性の決定は数学的アルゴリズムを使用して達成し得る。例えば、2配列を比較するのに有用な数学的アルゴリズムは、KarlinとAltschul(1993、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5877)でのとおり改変されたKarlinとAltschul(1990、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264−2268)のアルゴリズムである。このアルゴリズムはAltschulら(1990、J.Mol.Biol.215:403−410)のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組み込まれ、そして、例えばURL www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/を有する国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI、National Center for Biotechnology Information)のワールドワイドウェブでアクセスし得る。BLASTヌクレオチド検索は、本明細書に記述される核酸に相同なヌクレオチド配列を得るため、以下のパラメータ、すなわちギャップペナルティ(gap penalty)=5;ギャップ伸長ペナルティ(gap extention penalty)=2;ミスマッチペナルティ(mismatch penalty)=3;マッチリウォード(match reward)=1;期待値(expectaion value)10.0;および語長(word size)=11を使用するNBLASTプログラム(NCBIウェブサイトで「blastn」と呼称される)を用いて実施し得る。BLASTタンパク質検索は、本明細書に記述されるタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得るため、以下のパラメータすなわち期待値(expectaion value)10.0、BLOSUM62スコアリングマトリックス(scoring matrix)を使用してXBLASTプログラム(NCBIウェブサイトで「blastn」と呼称される)若しくはNCBI「blastp」プログラムを用いて実施し得る。
【0053】
比較の目的上ギャップを付けたアライメントを得るため、Altschulら(1997、Nucleic Acids Res.25:3389−3402)に記述されるところのGapped BLASTを利用し得る。あるいは、PSI−Blast若しくはPHI−Blastを使用して、分子間の遠隔関係(distant relationship)(同上)、および共通パターンを共有する分子間の関係を検出する反復検索を実施し得る。BLAST、Gapped BLAST、PSI−BlastおよびPHI−Blastプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えばXBLASTおよびNBLAST)のデフォルトのパラメータを使用し得る。www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。2配列間のパーセント同一性は、ギャップを許容することを伴う若しくは伴わない上述されたものに類似の技術を使用して決定し得る。パーセント同一性の計算において、典型的には正確な適合を計数する。
【0054】
本明細書で使用されるところの「抗体」という用語は、抗原上の特定の1エピトープに特異的に結合することが可能である免疫グロブリン分子を指す。抗体は天然の供給源若しくは組換え供給源由来の無傷の免疫グロブリンであり得、および無傷の免疫グロブリンの免疫反応性部分であり得る。抗体は典型的には免疫グロブリン分子の四量体である。本発明の抗体は、例えばポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、Fv、FabおよびF(ab)2、ならびに一本鎖抗体およびヒト化抗体を包含する多様な形態で存在しうる(Harlowら、1999、Using Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ニューヨーク;Harlowら、1989、Antibodies:A Laboratory Manual、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー;Houstonら、1988 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883;Birdら、1988、Science 242:423−426)。
【0055】
本明細書で使用されるところの「特異的に結合する(specifically bind)」若しくは「特異的に結合する(specifically binds)」という用語により、抗体が特定の1抗原エピトープに優先的に結合するがしかし必ずしもその特定の抗原エピトープにのみ結合するわけではないことを意味している。
【0056】
本明細書で使用されるところの「単離された抗体」という用語は、それがある生物体中で天然に会合するものから分離された抗体を指す。
【0057】
本明細書で使用されるところの「合成抗体」という用語は、例えば本明細書に記述されるところのバクテリオファージにより発現される抗体のような組換えDNA技術を使用して生成される抗体を指す。該用語は、抗体をコードするDNA分子の合成により生成される抗体を意味するともまた解釈されるべきであり、そしてそのDNA分子は抗体タンパク質若しくは該抗体を指定するアミノ酸配列を発現し、該DNA若しくはアミノ酸配列は当該技術分野で利用可能かつ公知である合成DNA若しくはアミノ酸配列技術を使用して得られている。
【0058】
本明細書で使用されるところの「H鎖抗体(1若しくは複数)」という用語は、抗原での免疫化および血清のその後の単離、若しくはこうした抗体をコードする核酸配列のクローニングおよび発現のいずれかによる新世界ラクダ類(camelid)種由来の免疫グロブリン分子を含んでなる。「H鎖抗体(1若しくは複数)」という用語は、H鎖疾患を伴う動物から単離された、若しくは動物からのV(可変H鎖免疫グロブリン)遺伝子のクローニングおよび発現により製造される免疫グロブリン分子をさらに包含する。
【0059】
本明細書で使用されるところの「プローブ」は、1若しくはそれ以上の型の化学結合、通常は水素結合形成により、通常は相補塩基対形成により相補配列の標的核酸に結合することが可能な核酸と定義する。本明細書で使用されるところのプローブは天然の(すなわちA、G、U、C若しくはT)または修飾塩基(7−デアザグアノシン、イノシンなど)を包含しうる。加えて、ホスホジエステル結合以外の結合が、それがハイブリダイゼーションを妨害しない限りはプローブ中の塩基を結合しうる。従って、プローブは、構成塩基がホスホジエステル結合よりむしろペプチド結合により結合されているペプチド核酸でありうる。
【0060】
「適合」、「完全一致」、「完全一致プローブ」若しくは「完全一致対照」という用語は、特定の1標的配列に完全に相補的である配列を有する核酸を指す。該核酸は典型的には標的配列の一部分(下位配列)に完全に相補的である。完全一致(PM)プローブは「試験プローブ」、「正規化対照」プローブ、発現レベル対照プローブなどであり得る。完全一致対照若しくは完全一致は、しかしながら「ミスマッチ」若しくは「ミスマッチプロ
ーブ」と識別される。
【0061】
「ミスマッチ」、「ミスマッチ対照」若しくは「ミスマッチプローブ」という用語は、その配列が特定の1標的配列に完全には相補的でない核酸を指す。制限しない一例として、高密度プローブアレイ中の各ミスマッチ(MM)対照について、典型的に、同一の特定の標的配列に完全に相補的である対応する完全一致(PM)プローブが存在する。ミスマッチは1若しくはそれ以上の塩基を含みうる。ミスマッチ(1若しくは複数)はミスマッチプローブのいずれの場所にも位置しうる一方、末端ミスマッチは標的配列のハイブリダイゼーションを予防することがより少なくありそうであるため、末端ミスマッチはより少なく望ましい。特定の好ましい一態様において、ミスマッチは、ミスマッチが試験ハイブリダイゼーション条件下で標的配列との二重鎖を不安定化することが最もありそうであるようなプローブの中心若しくはその近くに配置される。
【0062】
ホモミスマッチは、チミン(T)の代わりにアデニン(A)(および逆もまた同じ)、ならびにシトシン(C)の代わりにグアニン(G)(および逆もまた同じ)を用いる。例えば、標的配列がAGGTCCAであった場合、中央すなわち第四の位置に単一ホモミスマッチを伴い設計されるプローブは、以下の配列すなわちTCCTGGTをもたらすとみられる。
【0063】
一態様において、対は完全一致およびミスマッチ対で存在し、各対の一方のプローブは標的配列に対する完全一致でありかつ他方のプローブは中央塩基がホモミスマッチであることを除き完全一致プローブに同一である。ミスマッチプローブは、該プローブが向けられる標的以外のサンプル中の核酸への非特異的結合若しくは交差ハイブリダイゼーションの対照を提供する。従って、ミスマッチプローブはハイブリダイゼーションが特異的であるか若しくは非特異的であるかを示す。例えば、標的が存在する場合、完全一致プローブは、蛍光強度若しくは輝度が結合親和性に対応するためにミスマッチプローブより一貫してより明るいはずである。(例えば米国特許第5,324,633号明細書(全部の目的上本明細書に組み込まれる)を参照されたい)最後に、完全一致とミスマッチプローブ間の強度の差違(I(PM)−I(MM))はハイブリダイズされた物質の濃度の良好な尺度を提供する。PCT第WO 98/11223号明細書(全部の目的上引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0064】
本発明の核酸は、ピリミジンおよびプリン塩基、好ましくはそれぞれシトシン、チミンおよびウラシル、ならびにアデニンおよびグアニンのいかなるポリマー若しくはオリゴマーも包含しうる。(Albert L.Lehninger、Principles of Biochemisty、793−800(Worth Pub.1982)(全部の目的上そっくりそのまま本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。事実、本発明はいかなるデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド若しくはペプチド核酸成分、およびこれらの塩基のメチル化、ヒドロキシメチル化若しくはグルコシル化形態などのようなそれらのいかなる化学的バリアントも企図している。該ポリマー若しくはオリゴマーは組成が不均一であっても若しくは均一であってもよく、そして天然に存在する供給源から単離しうるか、若しくは人工的にすなわち合成で製造しうる。加えて、核酸はDNA若しくはRNAまたはそれらの混合物であることができ、そして、永続的に若しくは一過性にのいずれかで一本鎖、若しくはホモ二重鎖、ヘテロ二重鎖およびハイブリッド状態を包含する二本鎖の形態で存在しうる。
【0065】
「オリゴヌクレオチド」若しくは「ポリヌクレオチド」は、長さが最低2、好ましくは最低8、15若しくは25ヌクレオチドからの範囲にわたる核酸であるが、しかし50、100、1000若しくは5000ヌクレオチド長まで、またはポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする化合物であることができる。ポリヌクレオチドはデオキシリボ核
酸(DNA)若しくはリボ核酸(RNA)、または、天然の供給源から単離されうるか、組換え製造されうるか若しくは人工的に合成されうるそれらの模倣物の配列を包含する。本発明のポリヌクレオチドのさらなる一例はペプチド核酸(PNA)でありうる。(米国特許第6,156,501号明細書(そっくりそのまま引用することによりここに組み込まれる)を参照されたい。)本発明は、ある種のtRNA分子中で同定されおよび三重らせんで存在すると仮定されているフーグスティーン塩基対形成のような非伝統的塩基対形成が存在する状況もまた包含する。「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は本開示中で互換性に使用する。
【0066】
「ゲノム」は1生物体の全遺伝物質である。いくつかの例において、ゲノムという用語は染色体DNAを指すことがある。ゲノムは、DNAが複数の個々の染色体のあいだで細胞で分布されているような多染色体(multichromosomal)であることができる。例えば、ヒトでは22対の染色体および性に関連するXX若しくはXY対が存在する。特定の1生物体の染色体中の遺伝物質由来のDNAがゲノムDNAである。ゲノムという用語は染色体構造を有しない生物体からの遺伝物質もまた指すことがある。加えてゲノムという用語はミトコンドリアDNAを指すことがある。ゲノムライブラリーはゲノムの全部若しくは一部分を表すDNAフラグメントの集合物である。頻繁に、ゲノムライブラリーは、生物体のゲノム全体若しくはゲノムの一部分を表す一組の無作為に生成された、ときに重複するDNAフラグメントから作成されるクローンの集合物である。
【0067】
「染色体」という用語は、クロマチン由来でありかつDNAおよびタンパク質成分(具体的にはヒストン)を含んでなる細胞の遺伝を担う遺伝子担体を指す。慣習的な国際的に認識される個々のヒトゲノム染色体番号付け体系を本明細書で使用する。個々の染色体の大きさは、所定の多染色体ゲノム内で型ごとおよびゲノムごとに変動し得る。ヒトゲノムの場合、所定の染色体の全DNA質量は通常約100,000,000bpより大きい。例えば、全ヒトゲノムの大きさは約3×10bpである。最大の染色体すなわち第1染色体は約2.4×10bpを含有する一方、最小の染色体すなわち第22染色体は約5.3×10bpを含有する。
【0068】
「染色体領域」は染色体の一部分である。いずれかの個々の染色体領域の実際の物理的大きさ若しくは広がりは大きく変動し得る。「領域」という用語は、1領域が個別の1遺伝子の特定のコーディングセグメント(エキソン)を特に考慮する必要がないため、特定の1若しくはそれ以上の遺伝子を必ずしも定義しない。
【0069】
「対立遺伝子」は、1細胞、1個体若しくは1集団内の(遺伝子のような)遺伝子配列の特定の一形態を指し、該特定の形態は、該遺伝子の配列内の最低1および頻繁には1以上の変異部位の配列が同一遺伝子の他の形態と異なる。異なる対立遺伝子間で異なるこれらの変異部位の配列は「バリアント」、「多型」若しくは「突然変異」と命名される。
【0070】
多型は、1集団中の2若しくはそれ以上の遺伝子的に決定された代替配列若しくは対立遺伝子の存在を指す。多型マーカー若しくは部位は相違が存在する遺伝子座である。多型は1若しくはそれ以上の塩基変化、挿入、反復若しくは欠失を含みうる。多型遺伝子座は1塩基対くらい小さいことができる。第一の同定された対立遺伝子形態を参照形態と任意に呼称し、そして他の対立遺伝子形態は代替若しくはバリアント対立遺伝子と呼称する。選択された1集団に最も頻繁に存在する対立遺伝子形態はときに野生型形態と称される。二対立遺伝子多型は2形態を有する。三対立遺伝子多型は3形態を有する。2核酸間の多型は天然に起こり得るか、あるいは、化学物質、酵素、若しくは他の剤への曝露若しくはそれらとの接触、または核酸に対し損傷を引き起こす剤、例えば紫外放射、変異原若しくは発癌物質への曝露により引き起こされ得る。
【0071】
一塩基多型(SNP)は、所定の1集団中で2個の代替塩基が認識可能な頻度(約最低1%)で存在する位置である。SNPは多型部位での1ヌクレオチドの代わりの別のものの使用により生じうる。転移は、1種のプリンの別のプリンによる、若しくは1種のピリミジンの別のピリミジンによる置換である。塩基転換はピリミジンによるプリンの置換若しくはその逆である。SNPは、参照対立遺伝子に関して1ヌクレオチドの欠失若しくは1ヌクレオチドの挿入からもまた生じ得る。
【0072】
「遺伝子型同定」という用語は、個体がゲノム中の1若しくはそれ以上の位置に保有する遺伝情報の決定を指す。例えば、遺伝子型同定は、単一のSNPについて個体がどの対立遺伝子(1個若しくは複数)を保有するかの決定、または複数のSNPについて個体がどの対立遺伝子(1個若しくは複数)を保有するかの決定を含みうる。例えば、ゲノム中の特定の1ヌクレオチドは若干の個体でAかつ他の個体でCでありうる。該位置にAを有する個体はA対立遺伝子を有しかつCを有する者はC対立遺伝子を有する。多型の位置は2若しくはそれ以上の可能な対立遺伝子を有することができ、また、アレイは全部の可能な組合せを識別するように設計しうる。
【0073】
本明細書で使用されるところの「マーカー発現」という用語は、1遺伝子でコードされる情報のRNA若しくはタンパク質への変換の全部の局面を包含する、1遺伝子の転写、翻訳、翻訳後修飾および表現型出現を包含する。制限しない例として、マーカー発現は、メッセンジャーRNA(mRNA)への転写およびタンパク質への翻訳、ならびにタンパク質に翻訳されない転移RNA(tRNA)およびリボソームRNA(rRNA)のような型のRNAへの転写を包含する。
【0074】
「マーカー発現のレベルを測定すること」という句により、検出されるマーカー発現産物の十分な部分が付随する配列表で本明細書に列挙される配列のいずれか1種の発現を示すような、付随する配列表で本明細書に列挙される配列のいずれか1種の(核酸およびタンパク質を包含する)いずれかのマーカー発現産物の十分な一部分を検出するために当業者に利用可能な技術を使用する、サンプル中のマーカーの発現の程度の核酸若しくはタンパク質のレベルでの評価を意味している。
【0075】
「対照若しくは参照標準」という用語は、サンプルを比較し得る比較体(comparator)として対照若しくは参照標準がはたらきうるような、なし、または正常、低若しくは高レベルの付随する配列表で本明細書に列挙される1種若しくはそれ以上の配列のマーカー発現産物の1種若しくはそれ以上を含んでなる物質を記述する。制限しない例として、対照若しくは参照標準は、着床の能力のある卵母細胞、着床の能力のない卵母細胞、受精の能力のある卵母細胞、受精の能力のない卵母細胞、染色体が正常の卵母細胞、染色体が異常な卵母細胞、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵胞液、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵胞液、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵胞液、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵胞液、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵胞液、染色体が異常な卵母細胞と関連する卵胞液、着床の能力のある卵母細胞と関連する培地、着床の能力のない卵母細胞と関連する培地、受精の能力のある卵母細胞と関連する培地、受精の能力のない卵母細胞と関連する培地、染色体が正常な卵母細胞と関連する培地、染色体が異常な卵母細胞と関連する培地、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞、染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、若しくはそれらの組合せのいずれかの全部若しくは一部を包含しうる。
【0076】
「アレイ」は支持体に結合された核酸プローブを伴う支持体、好ましくは固体を含んでなる。好ましいアレイは、典型的に、異なる既知の場所で支持体(substrate)の表面に結合されている複数の多様な核酸プローブを含んでなる。「マイクロアレイ」若しくは口語的に「チップ」ともまた記述されるこれらのアレイは、全般として、当該技術分野、例えば米国特許第5,143,854号、同第5,445,934号、同第5,744,305号、同第5,677,195号、同第5,800,992号、同第6,040,193号、同第5,424,186号明細書、およびFodorら、1991、Science、251:767−777(それらのそれぞれは全部の目的上そっくりそのまま引用することにより組み込まれる)に記述されている。アレイは、一般に、機械合成法、若しくはフォトリソグラフィー法および固相合成法の組合せを組み込む光に指図される合成法のような多様な技術を使用して製造しうる。機械合成法を使用するこれらのアレイの合成技術は、例えば米国特許第5,384,261号および同第6,040,193号明細書(全部の目的上そっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述される。平坦なアレイ表面が好ましいとは言え、アレイは事実上いかなる形状の表面、若しくはなお複数の表面上でさえ製作しうる。アレイは、ビーズ、ゲル、ポリマー表面、光ファイバーのようなファイバー、ガラス若しくはいずれかの他の適切な支持体上の核酸でありうる。(米国特許第5,770,358号、同第5,789,162号、同第5,708,153号、同第6,040,193号および同第5,800,992号明細書(全部の目的上そっくりそのまま引用することによりここに組み込まれる)を参照されたい。)
【0077】
既知配列の増幅についてのアッセイもまた開示される。例えば、ロングレンジPCRのためのプライマーを配列の領域を増幅するように設計しうる。RNAについては、一本鎖RNAから二本鎖DNAを生成するのに第一の逆転写酵素段階を使用しうる。該アレイは、ゲノム全体;またはゲノムの1若しくはそれ以上の領域、例えば目的のタンパク質若しくはRNAをコードするもののようなゲノムの選択された1領域;または複数のゲノムからの保存された領域;または複数のゲノムからの配列を検出するように設計しうる。アレイおよびアレイを使用する遺伝子分析方法はCutlerら、2001、Genome Res.11(11):1913−1925およびWarringtonら、2002、Hum Mutat 19:402−409ならびに米国特許公開第20030124539号明細書(それらのそれぞれはそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述される。
【0078】
アレイは、診断的使用を見込むような様式で包装しうるか、若しくは包括的装置であり得る(例えば米国特許第5,856,174号および同第5,922,591号明細書(全部の目的上引用することによりそっくりそのまま組み込まれる))。アレイは例えばAffymetrix(カリフォルニア州サンタクララ)およびApplied Biosystems(カリフォルニア州フォスターシティ)から商業的に入手可能であり、そして多様な真核生物および原核生物の遺伝子型同定、診断薬、突然変異分析、マーカー発現および遺伝子発現モニタリングを包含する多様な目的に向けられる。固体支持体上のプローブの数は個々の特徴(feature)の大きさを変えることにより変動させうる。一態様において、特徴の大きさは20×25平方ミクロンであり、他の態様において、特徴は例えば約2,600,000、6,600,000若しくは18,000,000の個々のプローブの特徴をもたらす8×8、5×5若しくは3×3平方ミクロンでありうる。
【0079】
ハイブリダイゼーションプローブは、核酸の相補鎖に塩基特異的様式で結合することが可能なオリゴヌクレオチドである。こうしたプローブは、Nielsenら、1991、Science 254、1497−1500に記述されるところのペプチド核酸、ならびに他の核酸アナログおよび核酸模倣物を包含する。米国特許第6,156,501号明細書を参照されたい。
【0080】
ハイブリダイゼーションという用語は、2本の一本鎖核酸が非共有結合して二本鎖核酸を形成する過程を指し;三本鎖ハイブリダイゼーションもまた理論上可能である。核酸中の相補配列は相互と対形成して二重らせんを形成する。生じる二本鎖核酸は「ハイブリッド」である。ハイブリダイゼーションは例えば2本の相補若しくは部分的相補配列間でありうる。ハイブリッドは二本鎖領域および一本鎖領域を有しうる。ハイブリッドは、例えばDNA:DNA、RNA:DNA若しくはDNA:RNAでありうる。ハイブリッドはまた修飾核酸間でも形成されうる。核酸の一方若しくは双方を固体支持体上に固定しうる。ハイブリダイゼーション技術を使用して、特定の配列を検出かつ単離し、相同性を評価し、または一方若しくは双方の鎖の他の特徴を定義しうる。
【0081】
ハイブリッドの安定性は、相補性の長さ、相補領域内のミスマッチの存在、反応中の温度および塩の濃度を包含する多様な因子に依存する。ハイブリダイゼーションは通常緊縮条件下、例えば1Mを超えない塩濃度および最低25℃の温度で実施する。例えば、5×SSPE(750mM NaCl、50mMリン酸ナトリウム、5mM EDTA、pH7.4)若しくは100mM MES、1M Na、20mM EDTA、0.01% Tween−20および25〜50℃の温度の条件が対立遺伝子特異的プローブのハイブリダイゼーションに適する。とりわけ好ましい一態様において、ハイブリダイゼーションは40〜50℃で実施する。アセチル化BSAおよびサケ精子DNAをハイブリダイゼーション反応に添加しうる。
【0082】
本明細書で使用されるところの「標識」という用語は発光標識、光散乱標識若しくは放射活性標識を指す。蛍光標識は、限定されるものでないが、Fluoreprime(Pharmacia)、Fluoredite(Millipore)およびFAM(ABI)のような商業的に入手可能なフルオレセインホスホルアミダイトを挙げることができる。米国特許第6,287,778号明細書を参照されたい。
【0083】
本明細書で使用されるところの「固体支持体」、「支持体(support)」および「支持体(substrate)」という用語は互換性に使用され、そして剛性若しくは半剛性の表面(1若しくは複数)を有する1物質若しくは物質の一群を指す。一態様において、固体支持体の最低1表面が実質的に平坦であることができるとは言え、いくつかの態様において、例えば壁、隆起領域、ピン、食刻溝などで異なる化合物の合成領域を物理的に分離することが望ましいことができる。他の態様によれば、固体支持体(1若しくは複数)はビーズ、樹脂、ゲル、マイクロスフェア若しくは他の幾何学的形状をとることができる。例示的支持体(substrate)については米国特許第5,744,305号明細書を参照されたい。
【0084】
本明細書で使用されるところの「標的」という用語は所定のプローブに対する親和性を有する分子を指す。標的は天然に存在する若しくは人工の分子でありうる。また、それらはそれらの変えられない状態で若しくは他の種との凝集物として使用し得る。標的は、直接若しくは特定の結合物質を介してのいずれかで結合部材に共有若しくは非共有結合しうる。本発明により使用し得る標的の例は、限定されるものでないが、オリゴヌクレオチド、核酸、抗体、細胞膜受容体、モノクローナル抗体および(ウイルス、細胞若しくは他の物質上のような)特定の抗原決定基と反応性の抗血清、薬物、ペプチド、補助因子、レク
チン、糖、多糖、細胞、細胞膜およびオルガネラを挙げることができる。標的はときに抗プローブと当該技術分野で称される。標的という用語が本明細書で使用される際に、意味の差違は意図していない。
【0085】
「プローブ標的対」は2巨大分子が分子認識により複合して複合体を形成する場合に形成される。
【0086】
米国特許第5,800,992号および同第6,040,138号明細書は、特定のヌクレオチド配列を含有する核酸の存在を検出するのに使用し得る核酸プローブのアレイの作成方法を記述する。最小数の合成段階を伴う核酸、ペプチドおよび他のポリマー配列の高密度アレイの形成方法は既知である。核酸アレイは、限定されるものでないが光指向化学的結合および機械的に指図される(mechanically directed)カップリングを挙げることができる多様な方法により固体支持体上で合成し得る。アレイに関する付加的な記述および方法については、米国特許出願第10/658,879号、同第60/417,190号、同第09/381,480号、同第60/409,396号、同第5,861,242号、同第6,027,880号、同第5,837,832号、同第6,723,503号明細書およびPCT公開第03/060526号明細書(それらのそれぞれはそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1A】染色体が正常および染色体が異常な卵母細胞の間で示差的に発現されるマーカーの一覧を描く。GeneIDはEntrez Geneの記録に割り当てられる独特の識別子である。Entrez Geneは遺伝子のこれらの追跡される独特の識別子を提供し、および、制限されない公的使用のためのそれらの識別子と関連する情報をwww.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=geneに報告する。Ensembl Gene IDはwww.ensembl.orgで公的に利用可能なEnsemblデータベースの独特な安定な遺伝子識別子である(Hubbardら、2006、Nucleic Acids Res 00:D1を参照されたい)。
【図1B】染色体が正常および染色体が異常な卵母細胞の間で示差的に発現されるマーカーの一覧を描く。GeneIDはEntrez Geneの記録に割り当てられる独特の識別子である。Entrez Geneは遺伝子のこれらの追跡される独特の識別子を提供し、および、制限されない公的使用のためのそれらの識別子と関連する情報をwww.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=geneに報告する。Ensembl Gene IDはwww.ensembl.orgで公的に利用可能なEnsemblデータベースの独特な安定な遺伝子識別子である(Hubbardら、2006、Nucleic Acids Res 00:D1を参照されたい)。
【図1C】染色体が正常および染色体が異常な卵母細胞の間で示差的に発現されるマーカーの一覧を描く。GeneIDはEntrez Geneの記録に割り当てられる独特の識別子である。Entrez Geneは遺伝子のこれらの追跡される独特の識別子を提供し、および、制限されない公的使用のためのそれらの識別子と関連する情報をwww.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=geneに報告する。Ensembl Gene IDはwww.ensembl.orgで公的に利用可能なEnsemblデータベースの独特な安定な遺伝子識別子である(Hubbardら、2006、Nucleic Acids Res 00:D1を参照されたい)。
【図1D】染色体が正常および染色体が異常な卵母細胞の間で示差的に発現されるマーカーの一覧を描く。GeneIDはEntrez Geneの記録に割り当てられる独特の識別子である。Entrez Geneは遺伝子のこれらの追跡される独特の識別子を提供し、および、制限されない公的使用のためのそれらの識別子と関連する情報をwww.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=geneに報告する。Ensembl Gene IDはwww.ensembl.orgで公的に利用可能なEnsemblデータベースの独特な安定な遺伝子識別子である(Hubbardら、2006、Nucleic Acids Res 00:D1を参照されたい)。
【図2A】染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞の間で示差的に発現されるマーカーの一覧を描く。GeneIDはEntrez Geneの記録に割り当てられる独特の識別子である。Entrez Geneは遺伝子のこれらの追跡される独特の識別子を提供し、および、制限されない公的使用のためのそれらの識別子と関連する情報をwww.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=geneに報告する。Ensembl Gene IDはwww.ensembl.orgで公的に利用可能なEnsemblデータベースの独特な安定な遺伝子識別子である(Hubbardら、2006、Nucleic Acids Res 00:D1を参照されたい)。
【図2B】染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞の間で示差的に発現されるマーカーの一覧を描く。GeneIDはEntrez Geneの記録に割り当てられる独特の識別子である。Entrez Geneは遺伝子のこれらの追跡される独特の識別子を提供し、および、制限されない公的使用のためのそれらの識別子と関連する情報をwww.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=geneに報告する。Ensembl Gene IDはwww.ensembl.orgで公的に利用可能なEnsemblデータベースの独特な安定な遺伝子識別子である(Hubbardら、2006、Nucleic Acids Res 00:D1を参照されたい)。
【図2C】染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞の間で示差的に発現されるマーカーの一覧を描く。GeneIDはEntrez Geneの記録に割り当てられる独特の識別子である。Entrez Geneは遺伝子のこれらの追跡される独特の識別子を提供し、および、制限されない公的使用のためのそれらの識別子と関連する情報をwww.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=geneに報告する。Ensembl Gene IDはwww.ensembl.orgで公的に利用可能なEnsemblデータベースの独特な安定な遺伝子識別子である(Hubbardら、2006、Nucleic Acids Res 00:D1を参照されたい)。
【図2D】染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞の間で示差的に発現されるマーカーの一覧を描く。GeneIDはEntrez Geneの記録に割り当てられる独特の識別子である。Entrez Geneは遺伝子のこれらの追跡される独特の識別子を提供し、および、制限されない公的使用のためのそれらの識別子と関連する情報をwww.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=geneに報告する。Ensembl Gene IDはwww.ensembl.orgで公的に利用可能なEnsemblデータベースの独特な安定な遺伝子識別子である(Hubbardら、2006、Nucleic Acids Res 00:D1を参照されたい)。
【実施例】
【0088】
実験実施例
本発明は以下の実験実施例への言及により詳細にさらに記述される。これらの実施例は具体的説明のみの目的上提供され、そして別の方法で明記されない限り制限することを意図していない。従って、本発明は以下の実施例に制限されると決して解釈されるべきでなく、しかしむしろ、本明細書に提供される教示の結果として明らかになるいかなるおよび全部の変形も包含すると解釈されるべきである。
【実施例1】
【0089】
卵母細胞で示差的に発現されるマーカーの同定
卵母細胞の処理は専用のDNAを含まないクリーンルーム環境で実施した。7個の単独卵母細胞(3個の遺伝子正常および4個の遺伝子異常)ならびにそれぞれ未知の染色体状態の5個のプールされた卵母細胞よりなる4個のプールされたサンプルを包含する合計27個の卵母細胞を分析した。
【0090】
卵母細胞は無菌のRNアーゼを含まない条件下で収集し、そしてマーカー発現の変化を最小限にするため迅速に処理した。透明帯を除去してサンプルからの全卵丘細胞の突出を確実にし、そして極体を卵母細胞から分離した。卵母細胞を微小遠心管に移し、そしてその後直ちに凍結した一方、極体は別個の微小遠心管への移動前に徹底的に洗浄していかなるDNA汚染物質も除去した。
【0091】
極体DNAは細胞を溶解することにより放出した。極体をリン酸緩衝生理的食塩水−0.1%ポリビニルアルコールの10μLの滴で洗浄し、2μLのプロテイナーゼk(125μg/mL)および1μLのドデシル硫酸ナトリウム(17μM)を含有する微小遠心管に移し、そして油で覆った。37℃で1時間、次いで95℃で15分のインキュベーションを行ってDNAを放出した。(Wellsら、2002、Fertility and Sterility 78:543を参照されたい)。
【0092】
極体DNAをその後、縮重オリゴヌクレオチドプライムドPCR(DOP−PCR)と呼ばれる全ゲノム増幅法を使用して増幅した。極体DNAは以前に報告された方法(Wellsら、1999、Nuc Acids Res 27:1214−1218)の改変を使用して増幅した。増幅は以下すなわち0.2mM dNTP;2.0μM 縮重オリゴヌクレオチドプライマーCCGACTCGAGNNNNNNATGTGG;1×SuperTaq Plus緩衝液、および2.5UのSuperTaq Plusポリメラーゼ(Ambion、テキサス州オースチン)を含有する50μL反応容量中で起こった。熱循環条件は後に続くとおりであった。すなわち、94℃4.5分間;95℃30秒間、30℃1分間、72℃までの1℃/sの傾斜、および72℃3分間の8周期;95℃30秒間、56℃1分間および72℃1.5分間の35周期;ならびに最後に72℃8分間。増幅が完了した後、増幅したDNAの5μLアリコートを新たなPCRチューブに移し、そして単一遺伝子試験のため保持した。
【0093】
増幅DNAを、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)(サンプル中のすべての染色体のコピー数を示す方法)の目的上使用した。極体内の染色体は卵母細胞中のものの鏡像である(例えば、極体が1コピーの第21染色体を非常に少なく有する場合、卵母細胞は1コピーの第21染色体を非常に多く有することができる)。従って、極体の分析は卵母細胞が異常であるかどうかを示す。増幅DNAサンプル(全ゲノム増幅産物)を沈殿させ、そしてニックトランスレーションにより蛍光標識した。極体DNAをSpectrum Green−dUTP(Vysis、イリノイ州ダウナーズグローブ)で標識した一方、46すなわちXX(正常雌性)DNAはSpectrum Red−dUTP(Vysis)で標識した。双方の標識DNAを30μgのCot1 DNAで沈殿させた。沈殿したDNAを、50%ホルムアミド;2×生理的食塩水クエン酸ナトリウム[SSC;20×SSCは150mM NaClおよび15mMクエン酸ナトリウム、pH7であ
る];ならびに10%デキストラン硫酸から構成されるハイブリダイゼーション混合物に再懸濁した)。ハイブリダイゼーション混合物に溶解した標識DNAサンプルを75℃で10分間変性させ、その後下述されるところの変性正常染色体スプレッドに適用する前に室温で2分間冷却させた。
【0094】
正常雄性(46、XY;Vysis)からの中期スプレッドを一連のアルコール(70%、85%および100%エタノール各3分間)により脱水しかつ風乾した。スライドガラスをその後70%ホルムアミド、2×SSC中75℃で5分間変性した。このインキュベーション後にスライドガラスに−20℃で一連のアルコールを通過させかつその後乾燥した。標識DNAプローブをスライドガラスに添加し、そしてカバーガラスをハイブリダイゼーション領域の上に置きかつラバーセメントで封止した。スライドガラスをその後加湿チャンバー中37℃で25〜30時間インキュベートした。ハイブリダイゼーション後にスライドガラスを2×SSC(73℃)、4×SSC(37℃)、4×SSC+0.1%Triton−X(37℃)、4×SSC(37℃)および2×SSC(室温)で順次洗浄し;各洗浄は5分持続した。スライドガラスをその後蒸留水に浸漬し、別の一連のアルコールを通過させ、乾燥し、そして最後にジアミドフェニルインドールを含有する抗退色媒体(DAPI II、Vysis)中でマウントして染色体および核を対染色した。
【0095】
蛍光顕微鏡分析は、ハイブリダイズされた極体(緑色)DNAが各染色体の長さに沿って正常雌性(赤色)DNAの量と比較されることを可能にした。コンピュータソフトウェア(Applied Imaging、カリフォルニア州サンタクララ)がこれらのデータを各染色体の単純な赤色−緑色比に変換し;1:1比からの逸脱は染色体物質の喪失若しくは獲得を示した。この分析に基づき、卵母細胞を染色体が正常若しくは染色体が異常と同定した。
【0096】
染色体が正常と同定された卵母細胞および染色体が異常と同定されたものからRNAを抽出した。これは製造元の説明書に従ってAbsolutely RNA Nanoprepキット(Stratagene)を使用して達成した。正常および異常細胞からのRNAを2回のin vitro転写手順を使用して増幅した。この目的上、抽出されたRNAを逆転写(RT)にかけ、その5’端にファージT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を含有するオリゴ(dT)プライマーを使用してプライミングした。第一鎖cDNA合成はSuperScriptTM III逆転写酵素(Invitrogen)により触媒され、そしてRNA二次構造を減少させるように上昇された温度で実施した。RTの間に製造されたcDNA:RNAハイブリッドのRNAを、RNアーゼH酵素を使用して小RNAフラグメントに消化した。該RNAフラグメントが第二鎖cDNA合成をプライミングした。生じる二本鎖cDNAは、その後のin vitro転写反応の間にアンチセンスRNA(aRNA;cRNAともまた呼ばれる)を生成することができる向きにT7転写プロモーターを含有した。T7 RNAポリメラーゼおよび前の段階で製造された二本鎖cDNAを利用した迅速in vitro転写反応で高収量のaRNAが製造された。製造されたaRNAをその後スピンカラムクロマトグラフィーにより精製した。この初回の逆転写およびin vitro RNA合成はTargetAmpキット(Epicentre Biotechnologies)を使用して着手した。
【0097】
第2回の逆転写、第二鎖cDNA合成およびin vitro転写は、製造元の推奨されるプロトコルに従いNanoAmp RT−IVT標識キット(Applied Biosystems)を使用して達成した。第2回の増幅の間に標識ヌクレオチドがRNAに取り込まれ、マイクロアレイへのハイブリダイゼーション後のその後の化学発光検出を可能にした。該増幅過程は卵母細胞あたり21μgまでのRNAを製造した。製造されたフラグメントは大きさが10kbまで(平均のフラグメント大きさ約500bp)であった。
【0098】
Applied BiosystemsのHuman Genome Surveryマイクロアレイを使用してRNA発現を分析した。本マイクロアレイは29,098遺伝子の照合のための32,878プローブを有する。本マイクロアレイの化学発光検出系は、まれな転写物の検出および発現レベルのわずかな変動の信頼できる同定を見込む大きなダイナミックレンジを提供する。本マイクロアレイおよび本特定のマイクロアレイについての情報は、Applied Biosystemsからwww2.appliedbiosystems.comで入手可能である。発現分析はPantherソフトウェア(Applied Biosystems、カリフォルニア州)およびSpotfireを使用して実施した。
【0099】
ヒト卵母細胞は12,400を超えるマーカーを発現することが見出された。これらのうち、6,226マーカーは一貫して発現されているようであり、そして評価した全サンプルで検出された。染色体が正常な卵母細胞の染色体が異常な卵母細胞との比較は、発現レベルの有意の差違を表す合計308マーカーを示した(46マーカー p<0.01;262マーカー p<0.05)。染色体が正常な卵母細胞と染色体が異常な卵母細胞の間で発現の統計学的に有意の差違を表すマーカーのうち、発現の最大相違倍数を示すものを図1A、1B、1Cおよび1Dに列挙する。
【0100】
チェックポイント遺伝子および微小管モータータンパク質を包含する示差的に発現されるマーカーのいくつかは、正確な染色体分離の維持に関与することが既知であるか若しくは疑われ、そして、ヒト卵母細胞での異数性の生成で基礎的な役割を有しうる。例えば、TUBA1の異常な発現されたが異数体卵母細胞で観察された。この遺伝子中の突然変異は紡錘体微小管を不安定化し、潜在的に染色体分離異常につながる。ダイニンおよびキネシン遺伝子(例えばDNCL2BおよびKIF2B遺伝子)の異常発現もまた観察され、そして染色体の動きの促進におけるこうした遺伝子のタンパク質産物の役割を考えれば重要でありうる。
【0101】
関与する経路のいくつかは減数分裂染色体異常の起源に関与することが示唆されているとは言え、驚くことに、同定された特定の示差的に発現されるマーカーのいずれも減数分裂染色体異常の研究の主題でなかった。例えば、ミトコンドリア機能異常はおそらくATP枯渇により染色体分離を伴う問題に至る可能性があることが推測されている。しかしながら、本研究で強調されるミトコンドリア(若しくはミトコンドリア関連)遺伝子(例えばMTCH2、HMGCS2)は異数性においてある役割を有することが以前に示唆されていない。
【0102】
減数分裂染色体分離異常を調節するための潜在的候補として最も大きな興味を伝統的に引いてきたマーカーは、この分析によりより少なく重要であるようである。例えば、中期−後期(紡錘体)チェックポイントで機能する十分に特徴付けられた遺伝子(例えばBUB1およびMAD2)は異数体卵母細胞で変えられた機能を示すことが見出されなかった一方、ASP(異常な紡錘体様、小頭症関連)およびUBE2V2のような細胞周期制御において潜在的役割をもつより少なく研究された遺伝子が、遺伝子発現の有意の差違を表した。
【0103】
PRPSAP2およびCYP3A4を包含するヌクレオシド代謝およびコレステロール生合成に関与する数種のマーカーは、染色体が正常および染色体が異常な卵母細胞の間で示差的に発現された。これは、これらの過程が雌性減数分裂の間に染色体分離異常と直接若しくは間接的に関与しうることを示唆する。
【0104】
数種のマーカーは細胞表面に位置するか、若しくは排出されるタンパク質であるか、ま
たは排出される代謝物のレベルに影響を及ぼす生合成経路に関与するは、染色体が正常なおよび染色体が異常な卵母細胞の間で示差的に発現された。例えば、細胞表面受容体タンパク質の遺伝子、TNFRSF21、PTPRM、ESRRA、GPR103およびTHRA。
【実施例2】
【0105】
卵丘細胞で示差的に発現されるマーカーの同定
卵丘細胞の処理は専用のDNAを含まないクリーンルーム環境で実施した。合計6個の卵丘細胞(3個の染色体が正常および3個の染色体が異常)を分析した。
【0106】
卵丘細胞を無菌のRNアーゼを含まない条件で収集した。卵丘細胞を卵母細胞から機械的に分離し、そしてマーカー発現の変化を最小限にするため迅速に処理した。透明帯を対応する卵母細胞から除去しそして極体を分離した。卵母細胞を微小遠心管に移しかつその後の直ちに凍結した一方、極体は別個の微小遠心管への移行の前に徹底的に洗浄していかなるDNA汚染物質も除去した。
【0107】
極体DNAは細胞を溶解することにより放出した。極体をリン酸緩衝生理的食塩水−0.1%ポリビニルアルコールの10μLの滴で洗浄し、2μLのプロテイナーゼk(125μg/mL)および1μLのドデシル硫酸ナトリウム(17μM)を含有する微小遠心管に移し、そして油で覆った。37℃で1時間、次いで95℃で15分のインキュベーションを行ってDNAを放出した。(Wellsら、2002、Fertility and Sterility 78:543を参照されたい)。
【0108】
極体DNAをその後、縮重オリゴヌクレオチドプライムドPCR(DOP−PCR)と呼ばれる全ゲノム増幅法を使用して増幅した。極体DNAは以前に報告された方法(Wellsら、1999、Nuc Acids Res 27:1214−1218)の改変を使用して増幅した。増幅は以下すなわち0.2mM dNTP;2.0μM 縮重オリゴヌクレオチドプライマーCCGACTCGAGNNNNNNATGTGG;1×SuperTaq Plus緩衝液、および2.5UのSuperTaq Plusポリメラーゼ(Ambion、テキサス州オースチン)を含有する50μL反応容量中で起こった。熱循環条件は後に続くとおりであった。すなわち、94℃4.5分間;95℃30秒間、30℃1分間、72℃までの1℃/sの傾斜、および72℃3分間の8周期;95℃30秒間、56℃1分間および72℃1.5分間の35周期;ならびに最後に72℃8分間。増幅が完了した後、増幅したDNAの5μLアリコートを新たなPCRチューブに移し、そして単一遺伝子試験のため保持した。
【0109】
増幅DNAを、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)(サンプル中のすべての染色体のコピー数を示す方法)の目的上使用した。極体内の染色体は卵母細胞中のものの鏡像である(例えば、極体が1コピーの第21染色体を非常に少なく有する場合、卵母細胞は1コピーの第21染色体を非常に多く有することができる)。従って、極体の分析は卵母細胞が異常であるかどうかを示す。増幅DNAサンプル(全ゲノム増幅産物)を沈殿させ、そしてニックトランスレーションにより蛍光標識した。極体DNAはSpectrum Green−dUTP(Vysis、イリノイ州ダウナーズグローブ)で標識した一方、46すなわちXX(正常雌性)DNAはSpectrum Red−dUTP(Vysis)で標識した。双方の標識DNAを30μgのCot1 DNAで沈殿させた。沈殿したDNAを、50%ホルムアミド;2×生理的食塩水クエン酸ナトリウム[SSC;20×SSCは150mM NaClおよび15mMクエン酸ナトリウム、pH7である];ならびに10%デキストラン硫酸から構成されるハイブリダイゼーション混合物に再懸濁した)。ハイブリダイゼーション混合物に溶解した標識DNAサンプルを75℃で10分間変性させ、その後下述されるところの変性正常染色体スプレッドに適用する前に
室温で2分間冷却させた。
【0110】
正常雄性(46、XY;Vysis)からの中期スプレッドを一連のアルコール(70%、85%および100%エタノール各3分間)により脱水しかつ風乾した。スライドガラスをその後70%ホルムアミド、2×SSC中75℃で5分間変性した。このインキュベーション後にスライドガラスに−20℃で一連のアルコールを通過させかつその後乾燥した。標識DNAプローブをスライドガラスに添加し、そしてカバーガラスをハイブリダイゼーション領域の上に置きかつラバーセメントで封止した。スライドガラスをその後加湿チャンバー中37℃で25〜30時間インキュベートした。ハイブリダイゼーション後にスライドガラスを2×SSC(73℃)、4×SSC(37℃)、4×SSC+0.1%Triton−X(37℃)、4×SSC(37℃)および2×SSC(室温)で順次洗浄し;各洗浄は5分持続した。スライドガラスをその後蒸留水に浸漬し、別の一連のアルコールを通過させ、乾燥し、そして最後にジアミドフェニルインドールを含有する抗退色媒体(DAPI II、Vysis)中でマウントして染色体および核を対染色した。
【0111】
蛍光顕微鏡分析は、ハイブリダイズされた極体(緑色)DNAが各染色体の長さに沿って正常雌性(赤色)DNAの量と比較されることを可能にした。コンピュータソフトウェア(Applied Imaging、カリフォルニア州サンタクララ)がこれらのデータを各染色体の単純な赤色−緑色比に変換し;1:1比からの逸脱は染色体物質の喪失若しくは獲得を示した。この分析に基づき、卵母細胞およびそこで関連する卵丘細胞を染色体が正常若しくは染色体が異常と同定した。
【0112】
RNAを、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞および染色体が異常であった卵母細胞と関連するものから抽出した。これは製造元の説明書に従ってAbsolutely RNA Nanoprepキット(Stratagene)を使用して達成した。RNAは2回のin vitro転写手順を使用して増幅した。この目的上、抽出されたRNAを逆転写(RT)にかけ、その5’端にファージT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を含有するオリゴ(dT)プライマーを使用してプライミングした。第一鎖cDNA合成はSuperScriptTM III逆転写酵素(Invitrogen)により触媒され、そしてRNA二次構造を減少させるように上昇された温度で実施した。RTの間に製造されたcDNA:RNAハイブリッドのRNAはRNアーゼH酵素を使用して小RNAフラグメントに消化した。該RNAフラグメントが第二鎖cDNA合成をプライミングした。生じる二本鎖cDNAは、その後のin vitro転写反応の間にアンチセンスRNA(aRNA;cRNAともまた呼ばれる)を生成することができる向きにT7転写プロモーターを含有した。T7 RNAポリメラーゼおよび前の段階で製造された二本鎖cDNAを利用した迅速in vitro転写反応で高収量のaRNAが製造された。製造されたaRNAをその後スピンカラムクロマトグラフィーにより精製した。この初回の逆転写およびin vitro RNA合成はTargetAmpキット(Epicentre Biotechnologies)を使用して着手した。
【0113】
第2回の逆転写、第二鎖cDNA合成およびin vitro転写は、製造元の推奨されるプロトコルに従いNanoAmp RT−IVT標識キット(Applied Biosystems)を使用して達成した。第2回の増幅の間に、標識ヌクレオチドがRNAに取り込まれ、マイクロアレイへのハイブリダイゼーション後のその後の化学発光検出を可能にした。該増幅過程は卵丘細胞あたり154μgまでのRNAを製造した。製造されたフラグメントは大きさが10kbまで(平均のフラグメント大きさ約500bp)であった。
【0114】
Applied BiosystemsのHuman Genome Surveryマイクロアレイを使用してRNA発現を分析した。本マイクロアレイは29,098遺伝
子の照合のための32,878プローブを有する。本マイクロアレイの化学発光検出系は、まれな転写物の検出および発現レベルのわずかな変動の信頼できる同定を見込む大きなダイナミックレンジを提供する。本マイクロアレイおよび本特定のマイクロアレイについての情報は、Applied Biosystemsからwww2.appliedbiosystems.comで入手可能である。発現分析はPantherソフトウェア(Applied Biosystems、カリフォルニア州)およびSpotfireを使用して実施した。
【0115】
ヒト卵丘細胞は8,000を超えるマーカーを発現することが見出された。これらのうち3,350マーカーが一貫して発現されているようであり、そして評価した全サンプルで検出された。染色体が正常な卵丘細胞の染色体が異常な卵丘細胞との比較は発現レベルの有意の差違を表す752マーカーを示した(125マーカー p<0.01;627マーカー p<0.05)。
【0116】
染色体が正常な卵丘細胞と染色体が異常な卵丘細胞の間で発現の統計学的に有意の差違を表すマーカーのうち、発現の最大相違倍数を伴うものを図2A、2B、2Cおよび2Dに列挙する。
【0117】
本明細書で引用される各およびすべての特許、特許出願および刊行物の開示はここにそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる。
【0118】
本発明は特定の態様に関して開示された一方、本発明の他の態様および変形が本発明の技術思想および範囲から離れることなく当業者により考案されうることが明らかである。付随する請求の範囲は全部のこうした態様および同等の変形を包含すると解釈されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)配列番号1−92により例示される核酸の群から選択される最低1核酸のマーカー発現のレベルをサンプル中で測定すること、および
(ii)該サンプル中のマーカー発現のレベルを対照若しくは参照標準と比較することであって、サンプルと対照の間の示差的マーカー発現を検出することが着床についての卵母細胞の受容能を示す、
を含んでなる、着床についての哺乳動物卵母細胞の受容能の評価方法。
【請求項2】
サンプルが卵母細胞由来である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
対照若しくは参照標準が、着床の能力のある卵母細胞、染色体が正常な卵母細胞、着床の能力のない卵母細胞、および染色体が異常な卵母細胞よりなる群の1種由来である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
サンプルが卵胞液由来である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
対照若しくは参照標準が、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵胞液、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵胞液、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵胞液、および染色体が異常な卵母細胞と関連する卵胞液よりなる群の1種由来である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
サンプルが培地由来である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
対照若しくは参照標準が、着床の能力のある卵母細胞と関連する培地、染色体が正常な卵母細胞と関連する培地、着床の能力のない卵母細胞と関連する培地、および染色体が異常な卵母細胞と関連する培地よりなる群の1種由来である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
サンプルで測定されるマーカー発現のレベルが、対照若しくは参照標準で測定されるマーカー発現のレベルと最低20%異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
マーカー発現のレベルが、核酸マイクロアレイ、ノーザンブロットおよび逆転写PCRよりなる群の最低1種により検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
マーカー発現のレベルが、ウエスタンブロット、酵素結合免疫吸着検定法、タンパク質マイクロアレイおよびFACS分析よりなる群の最低1種により検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
哺乳動物卵母細胞が家畜化された哺乳動物のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
哺乳動物卵母細胞がヒトのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
(i)配列番号183−282により例示される核酸の群から選択される最低1核酸のマーカー発現のレベルをサンプル中で測定すること、および
(ii)該サンプル中のマーカー発現のレベルを対照若しくは参照標準と比較することであって、サンプルと対照の間の示差的マーカー発現を検出することが着床についての卵母細胞の能力を示す、
を含んでなる、着床についての哺乳動物卵母細胞の能力の評価方法。
【請求項14】
サンプルが卵丘細胞由来である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
対照若しくは参照標準が、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞、および染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞よりなる群の1種由来である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
サンプルが卵胞液由来である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
対照若しくは参照標準が、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、および染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液よりなる群の1種由来である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
サンプルが培地由来である、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
対照若しくは参照標準が、着床の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、着床の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、および染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地よりなる群の1種由来である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
サンプルで測定されるマーカー発現のレベルが、対照若しくは参照標準で測定されるマーカー発現のレベルと最低20%異なる、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
マーカー発現のレベルが、核酸マイクロアレイ、ノーザンブロットおよび逆転写PCRよりなる群の最低1種により検出される、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
マーカー発現のレベルが、ウエスタンブロット、酵素結合免疫吸着検定法、タンパク質マイクロアレイおよびFACS分析よりなる群の最低1種により検出される、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
哺乳動物卵母細胞が家畜化された哺乳動物のものである、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
哺乳動物卵母細胞がヒトのものである、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
(i)配列番号1−92により例示される核酸の群から選択される最低1核酸のマーカー発現のレベルをサンプル中で測定すること、および
(ii)該サンプル中のマーカー発現のレベルを対照若しくは参照標準と比較することであって、サンプルと対照の間の示差的マーカー発現を検出することが着床についての卵母細胞の能力を示す、
を含んでなる、受精についての哺乳動物卵母細胞の能力の評価方法。
【請求項26】
サンプルが卵母細胞由来である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
対照若しくは参照標準が、受精の能力のある卵母細胞、染色体が正常な卵母細胞、受精の能力のない卵母細胞および染色体が異常な卵母細胞よりなる群の1種由来である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
サンプルが卵胞液由来である、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
対照若しくは参照標準が、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵胞液、染色体が正常
な卵母細胞と関連する卵胞液、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵胞液、および染色体が異常な卵母細胞と関連する卵胞液よりなる群の1種由来である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
サンプルが培地由来である、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
対照若しくは参照標準が、受精の能力のある卵母細胞と関連する培地、染色体が正常な卵母細胞と関連する培地、受精の能力のない卵母細胞と関連する培地、および染色体が異常な卵母細胞と関連する培地よりなる群の1種由来である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
サンプルで測定されるマーカー発現のレベルが、対照若しくは参照標準で測定されるマーカー発現のレベルと最低20%異なる、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
マーカー発現のレベルが、核酸マイクロアレイ、ノーザンブロットおよび逆転写PCRよりなる群の最低1種により検出される、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
マーカー発現のレベルが、ウエスタンブロット、酵素結合免疫吸着検定法、タンパク質マイクロアレイおよびFACS分析よりなる群の最低1種により検出される、請求項25に記載の方法。
【請求項35】
哺乳動物卵母細胞が家畜化された哺乳動物のものである、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
哺乳動物卵母細胞がヒトのものである、請求項25に記載の方法。
【請求項37】
(i)配列番号183−282により例示される核酸の群から選択される最低1核酸のマーカー発現のレベルをサンプル中で測定すること、および
(ii)該サンプル中のマーカー発現のレベルを対照若しくは参照標準と比較することであって、サンプルと対照の間の示差的マーカー発現を検出することが受精についての卵母細胞の能力を示す、
を含んでなる、受精についての哺乳動物卵母細胞の能力の評価方法。
【請求項38】
サンプルが卵丘細胞由来である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
対照若しくは参照標準が、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞、および染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞よりなる群の1種由来である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
サンプルが卵胞液由来である、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
対照若しくは参照標準が、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液、および染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する卵胞液よりなる群の1種由来である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
サンプルが培地由来である、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
対照若しくは参照標準が、受精の能力のある卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、染色体が正常な卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、受精の能力のない卵母細胞と関連する卵丘細胞と関連する培地、および染色体が異常な卵母細胞と関連する卵丘
細胞と関連する培地よりなる群の1種由来である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
サンプルで測定されるマーカー発現のレベルが、対照若しくは参照標準で測定されるマーカー発現のレベルと最低20%異なる、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
マーカー発現のレベルが、核酸マイクロアレイ、ノーザンブロットおよび逆転写PCRよりなる群の最低1種により検出される、請求項37に記載の方法。
【請求項46】
マーカー発現のレベルが、ウエスタンブロット、酵素結合免疫吸着検定法、タンパク質マイクロアレイおよびFACS分析よりなる群の最低1種により検出される、請求項37に記載の方法。
【請求項47】
哺乳動物卵母細胞が家畜化された哺乳動物のものである、請求項37に記載の方法。
【請求項48】
哺乳動物卵母細胞がヒトのものである、請求項37に記載の方法。
【請求項49】
固体支持体に固定された核酸プローブのアレイであって、該アレイが
複数のプローブを含んでなるプローブ組であって、各プローブが一組の参照配列の下位配列に正確に相補的な最低20ヌクレオチドのセグメントを含んでなり、参照配列の該組が配列番号1−92を含んでなる、
を含んでなる、上記アレイ。
【請求項50】
固体支持体に固定された核酸プローブのアレイであって、該アレイが
複数のプローブを含んでなるプローブ組であって、各プローブが一組の参照配列の下位配列に正確に相補的な最低20ヌクレオチドのセグメントを含んでなり、参照配列の該組が配列番号183−282を含んでなる、
を含んでなる、上記アレイ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【公表番号】特表2010−508815(P2010−508815A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535340(P2009−535340)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/023216
【国際公開番号】WO2008/066655
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(504026203)イエール・ユニバーシテイ (7)
【Fターム(参考)】