説明

卵白蛋白質組成物

【課題】食感の改善性に優れ、且つ起泡性にも優れた卵白蛋白質組成物を提供すること。
【解決手段】高圧ホモジナイザー処理をすることにより、加熱凝固物のゲル強度が、原料として用いる卵白の加熱凝固物のゲル強度と比較して1.1倍以上であり、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α-オボムチン及びα-オボムチンが特定量検出されることを特徴とする卵白蛋白質組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品製造用に適する卵白蛋白質組成物に関する。より詳細には、加熱ゲル強度、起泡性などの物性が改善された、ハム、ソーセージ、練り製品、製菓、製パンなどの食品製造に用いる卵白蛋白質組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
卵白は、起泡性があるために製菓、製パン用の原料として用いられる。また、卵白は、食品の食感改善、品質向上などのためにも、ハム、ソーセージ、練り製品などの食品に多用されている。
卵白の起泡性や食感を改善する目的で、従来、卵白の粘度を調整する方法(特許文献1参照)や、卵白液を不完全に加熱変性して均質化処理する方法(特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、前者では、なお、泡立て時間の早さ、泡立て高さや固さが不十分であり、後者においては、卵白を水で希釈した上で加熱変性処理を行う必要があるために、水分含量が多く体積が増えるため、これを食品製造に用いる際、取り扱い・運搬がしにくい、コスト高になるという問題があった。
さらに、液状卵白は、スプレードライ等で乾燥粉末化した後、加湿・加温(70〜80℃)して「熱蔵」されることがある(特許文献3参照)。熱蔵は、乾燥卵白を殺菌するために行われるが、熱蔵をすることにより、乾燥卵白が水に溶けにくくなるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−173527号公報
【特許文献2】特公昭61−59697号公報
【特許文献3】特開平9−205984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決しようとするもので、食感の改善性に優れ、且つ起泡性にも優れた卵白蛋白質組成物を提供することを課題とする。さらにまた、本発明は、卵白蛋白質組成物から得た乾燥卵白を熱蔵しても、不溶化しにくい卵白蛋白質組成物を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、高圧ホモジナイザーを使用した蛋白変性処理によって、意外にも、卵白の物性・機能を改善できることを見出し、本発明によって、食感の改善性に優れ、且つ起泡性に優れた卵白蛋白質組成物を提供することができた。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
(1)加熱凝固物のゲル強度が、原料として用いる卵白の加熱凝固物のゲル強度と比較して1.1倍以上であり、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α-オボムチン及びα-オボムチンが検出され、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%であることを特徴とする卵白蛋白質組成物。
(2)超遠心分離したときの沈殿物の質量が卵白蛋白質組成物全質量の1〜2%である(1)記載の卵白蛋白質組成物。
(3)表面疎水性が980〜1200である(1)又は(2)記載の卵白蛋白質組成物。
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を用いて得た熱蔵乾燥卵白。
(5)卵白を高圧ホモジナイザー処理することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物の製造方法。
(6)(1)乃至(4)のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を用いた固形状加熱食品。
(7)(1)乃至(4)のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を起泡させてなる起泡食品。
(8)(1)乃至(4)のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を用いた液状加熱食品。
【発明の効果】
【0007】
本発明によって、加熱ゲル強度が高い卵白蛋白質組成物が得られた。また、本発明の卵白蛋白質組成物は、泡立て時間の早さ、泡立て高さや固さなどの起泡性も改善され、さらに、超遠心分離しても沈殿量が少なく、乾燥して熱蔵しても不溶化しにくいという効果も有する。
本発明の卵白蛋白質組成物は、加熱ゲル強度が高いために、ハム・ソーセージ等の畜肉加工食品や、水産物加工食品に配合され食感の改良に使用され、これらの製品に多彩なテクスチャーを付与することができる。また、本発明の卵白蛋白質組成物は、熱水への分散性が向上し、蛋白質補給飲料などへの使用も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】加熱ゲル強度
【図2】SDS−PAGE
【図3】表面疎水性
【図4】凝固開始温度
【図5】起泡性
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.卵白蛋白質組成物
【0010】
本発明は、卵白の物性・機能が改善された卵白蛋白質組成物であって、
加熱凝固物のゲル強度が、原料として用いる卵白の加熱ゲル強度と比較して1.1倍以上であり、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析したとき、α-オボムチン及びα-オボムチンが検出され、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%
であることを特徴とする卵白蛋白質組成物に関する。
【0011】
本発明の卵白蛋白質組成物は、トリの卵から得られる卵白蛋白質を原料とし、この卵白蛋白質を構造変化させ改質したものである。
原料として用いる卵白は、トリの種類によって異なるが鶏卵の場合、固形分を約12%含み、そのうち卵白蛋白質は約11%であり、その他、少量の糖類等を含む。
卵白蛋白質は、トリの種類によって、その組成が異なるが、通常、約54質量%のオボアルブミン、約12質量%のオボトランスフェリン、約11質量%のオボムコイド、約3.5質量%のオボムチン、その他からなっている。
オボムチンは、卵黄周囲の濃厚卵白の粘度の発現に関わっている糖蛋白質であり、α-オボムチン及びβ-オボムチンの重合体として卵白中に含まれている。すなわち、通常、オボムチンは、卵白中で、α-オボムチンとβ-オボムチンがジスルフィド結合を介して超巨大分子化しており、繊維状構造体を形成し、ゲル状組織をとっている。
【0012】
以下には、本発明者等によって見出された新規な卵白蛋白質組成物の特性、その製造方法について、より詳細に説明するが、本発明は、これに限定されるわけではない。
【0013】
1.1.ゲル強度
本発明者等は、卵白が高圧ホモジナイザーで特定条件により処理されることにより、意外にも、これを加熱して凝固させたゲル(加熱ゲル)のゲル強度が高められることを見出した。この加熱ゲル強度の改善は、卵白蛋白質の変性により生じるものであり、具体的には、高圧ホモジナイザー処理の圧力、流量又は処理回数に依存するが、原料として用いる卵白の加熱ゲルと比較して、1.1倍以上、最大1.5倍のゲル強度を示すことが確認された。
【0014】
すなわち、本実施形態に係る卵白蛋白質組成物の加熱凝固物のゲル強度は、原料として用いる卵白の加熱凝固物のゲル強度と比較して1.1倍以上、好ましくは1.2倍以上であり、ゲル強度の上限値としては好ましくは1.5倍である。
【0015】
本発明において、卵白蛋白質組成物の加熱凝固物の「ゲル強度」とは、卵白蛋白質の含有量が11%になるよう調整し、加熱凝固して得られた加熱凝固物の硬さを示す値である。したがって、ゲル強度の数値が大きいほど硬さに優れているといえる。
【0016】
ゲル強度は、以下の手順(a)〜(e)で測定された値である。
(a)卵白蛋白質濃度11質量%に調整した卵白蛋白質組成物を折径30mmのナイロン製のケーシングに充填して80℃で40分間加熱して加熱凝固物を製造する。
(b)加熱凝固物を5℃で24時間保存する。
(c)保存後の加熱凝固物を室温(20℃)に3時間放置して品温20℃にする。
(d)加熱凝固物をケーシングから取り出して、長さ方向に対して直角に厚さ3cmにカットする。
(e)カットされた加熱凝固物のゲル強度をFUDOH RHEO METER NRM-2010J-CW((株)レオテック製)で測定した値である。具体的には、ゲル強度は、加熱凝固物のカット品をカットした面のいずれか片方が底面となるように測定テーブルに置き、球形Φ8mmプランジャーを使用し、テーブル上昇速度6cm/分の条件でゲル強度(破断応力)を測定する。
【0017】
本実施形態に係る卵白蛋白質組成物のゲル強度は、具体的には、好ましくは160g以上、より好ましくは180g以上であり、ゲル強度の上限値としては好ましくは200gである。
【0018】
1.2.α-オボムチン及びα-オボムチンの含有量
本発明者等は、卵白が特定条件により高圧ホモジナイザーで処理されることにより、オボムチンの高次構造が変化するとともに重合体が分解され、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、単量体(α-オボムチンとα-オボムチン)のバンドのピーク面積が増加することを見出した。この卵白蛋白質の変性の程度は、高圧ホモジナイザーを用いた蛋白変性処理の強さ、具体的には、例えば、高圧ホモジナイザー処理の圧力、流量又は処理回数に依存する。そして、さらに、本発明者等は、この蛋白変性が特定の範囲である場合に上述したゲル強度の改善がされることを見出した。
【0019】
すなわち、本発明の卵白蛋白質組成物は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα-オボムチンのバンドのピーク面積が、同じ卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%、好ましくは20〜40%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα-オボムチンのバンドのピーク面積が、同じ卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%、好ましくは8〜17%であることにより、ゲル強度が改質されている。
【0020】
オボトランスフェリンのバンドのピーク面積に対するα-オボムチン及びα-オボムチンのバンドのピーク面積は、蛋白の変性の程度、具体的には、オボムチン重合体の高次構造のほぐれ度合い及び分解度を反映する。したがって、前記オボトランスフェリンのバンドのピーク面積に対するα-オボムチン及びα-オボムチンのバンドのピーク面積の割合が高いほど、本発明に係る卵白蛋白質組成物に含まれるオボムチン重合体の高次構造のほぐれ度合い及び分解度が高いといえる。
【0021】
オボトランスフェリンのバンドのピーク面積に対するα-オボムチン及びα-オボムチンのバンドのピーク面積は、具体的には、以下の方法で評価することができる。
【0022】
まず、高圧ホモジナイザー処理した卵白液を、遠心管に取り、152,000gで30分間超遠心分離処理し、上層液を除去後、沈殿物を回収する。
【0023】
得られた沈殿物にSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法用のサンプルバッファーを加えて希釈し、蛋白質濃度が0.1mg/mLになるよう調整後、沸騰水浴上で5分間加熱して電気泳動用サンプルとした。
【0024】
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動は、市販のポリアクリルアミドゲルである8%SDS−PAG mini(テフコ株式会社)と専用泳動槽(テフコ株式会社、STC−808)を使用して、20mAの定電流条件で行った。電気泳動用サンプルは、それぞれ10μLをポリアクリルアミドゲルに供した。なお、分子量測定用の標準蛋白質(分子量マーカー)は、分子量マーカーII(テフコ株式会社)を使用した。
【0025】
サンプルバッファー中の標識色素であるブロモフェノールブルーがゲルの下端から約5mmのところまで到達したところで泳動を終了し、ゲルを泳動槽から取り出し、クマシーブリリアントブルーR−250溶液で、室温で30分間染色した。ゲルは脱色液(25%エタノール、8%酢酸溶液)で背景が透明になるまで脱色した。この電気泳動パターンを図2に示す。
【0026】
次に、各バンドのピクセル強度分布を積分することにより各バンドのピーク面積を得る。
デジタルゲルイメージャーを用いることにより、ゲルのバンドをデジタルカメラで撮影して得られた画像を解析して、バンドの濃淡を数値化することにより、バンドの位置(Pixel Position)に対するピクセル強度(Pixel Intensity)を得ることができる。
デジタルゲルイメージャーを用いて、ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターン中のα-オボムチン及びα-オボムチンとオボトランスフェリンのバンドから、α-オボムチン及びα-オボムチンとオボトランスフェリンの量を相対的に比較することができる。
【0027】
なお、通常、殻付卵を常温で1週間程度保存すると、卵白は低粘度化するが、この場合であっても、蛋白質の変性はほとんど起こっておらず、このように古くなって低粘度化しただけの卵白は、加熱しても、ゲル強度は増加しない。
【0028】
1.3.沈殿物量
さらに、本発明者等は、高圧ホモジナイザーで処理された卵白蛋白質組成物は、未処理卵白と比べて、超遠心分離したとき、沈殿物の質量が顕著に減少していることを見出した。この卵白蛋白質の沈殿物の減少の程度は、高圧ホモジナイザーを用いた蛋白変性処理の強さに依存する。また、この沈殿物の減少の程度が特定の範囲である場合に上述したゲル強度の改善がされる。
【0029】
すなわち、卵白蛋白質組成物全質量に占める沈殿物の質量の割合は、好ましくは1〜2%、より好ましくは1.2〜2%、さらに好ましくは1.3〜2%である。卵白蛋白質組成物を超遠心分離したときの沈殿物量が、前記特定範囲に調整されていることにより、卵白蛋白質組成物の加熱凝固物のゲル強度が改質されている。
【0030】
ここで、沈殿物の質量は、以下の方法で測定することができる。すなわち、本発明において、沈殿物の質量は、卵白蛋白質組成物を、それぞれ約10gずつ遠心管に取り、152,000gで30分間超遠心分離処理した後、上層液を除去し、沈殿物の質量を測定した値である。このような条件の超遠心分離によって沈殿するのは、オボムチンなどの分子量が20万以上の物質である。本発明の卵白蛋白質組成物における、この沈殿物の量の減少は、高圧ホモジナイザー処理によって、オボムチンを中心とした蛋白質重合体が解離して低分子化したことを示唆している。
【0031】
1.4.表面疎水性
本発明者等は、さらにまた、卵白を高圧ホモジナイザー処理することによって、表面疎水性が僅かであるが増加すること、凝固開始温度が上昇することも見出した。表面疎水性が増加することは、高圧ホモジナイザー処理により卵白蛋白質が微変性し、高次蛋白質構造が開きほぐれたことを示唆している。また、本発明の卵白蛋白質組成物が乾燥して乾燥卵白にして熱蔵しても不溶化しないのは、高圧ホモジナイザー処理したことにより、卵白蛋白の凝固開始温度が高くなっているためであると推測される。この表面疎水性の増加は、高圧ホモジナイザーを用いた蛋白変性処理の強さに依存する。また、この表面疎水性の増加の程度が特定の範囲である場合に上述したゲル強度の改善がされる。
【0032】
すなわち、本発明の卵白蛋白質組成物においては、卵白蛋白質の表面疎水性が好ましくは980〜1200、より好ましくは980〜1100に調整されていることにより、卵白蛋白質組成物の加熱凝固物のゲル強度が改質されている。また、相対表面疎水性(原料卵白の表面疎水性を1とした場合の卵白蛋白質組成物の表面疎水性)で規定すると、本発明の卵白蛋白質組成物においては、卵白蛋白質の相対表面疎水性が好ましくは1.02〜1.2、より好ましくは1.02〜1.12に調整されていることにより、卵白蛋白質組成物の加熱凝固物のゲル強度が改質されている。
【0033】
本発明の表面疎水性の測定方法は以下のとおりである。
Hayakawa,S. and Nakai,S., Can. Inst. Food Sci. Technol. J. 18 No.4, 290-295(1985)の方法を一部変更して次のように表面疎水性を測定した。即ち、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に試料を溶解し、10,000×g、20分間の遠心分離で不溶物を除去し、これを50mMリン酸緩衝液(pH7.0)で希釈し、タンパク質濃度0.025%及び0.05%の試料溶液を調製した。
【0034】
試料溶液2mLに8mM 1-anilinonaphthalene-8-sulfonate溶液(前述の50mMリン酸緩衝液)10μLを添加し、試料溶液に励起光(波長390nm)を照射したときの蛍光強度Fs(波長470nm)を、日立製作所製F−2000型分光蛍光光度計を用いて測定した。また、試料溶液の蛍光強度F1と、50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に2mLに8mM 1-anilinonaphthalene-8-sulfonate溶液(50mMリン酸緩衝液)10μLを添加したものの蛍光強度F2もそれぞれ同様に測定し、Fs−F1−F2を試料の蛍光強度とした。
【0035】
縦軸を蛍光強度、横軸をタンパク質濃度(mg/mL)としたグラフにデータをプロットし、グラフの傾きを求め、傾きを表面疎水性とした。
【0036】
なお、タンパク質の定量はSigma社製ALBUMIN,CHICKEN EGG Grade V: Minimum98% を標準としてLowey法(Lowry,O.H., Rosebrough,N.J., Farr,A.L., and Randall,R.J, J.Biol.Chem., 193, 265-275(1951))で行った。
【0037】
1.5.起泡性
上述の構成を有する本発明の卵白蛋白質組成物は、このように従来の卵白蛋白質組成物にはない物性を有するものであるが、さらに、意外にも、泡立てたときの起泡特性が顕著に改善されていることが分かった。つまり、未処理の卵白と比べて、泡立ちが早く、且つ、固いことが分かった。
【0038】
1.6.分散性
上述の構成を有する本発明の卵白蛋白質組成物は、さらに、意外にも、熱水中に分散した際の特性が顕著に改質されていることが分かった。未処理の卵白は熱水中に分散した場合、熱変性して沈殿物を生成して熱水が白濁するが、本願発明に係る卵白蛋白質組成物は、例えば、100℃の熱水中に流し入れ、攪拌した場合、沈殿は生じず、且つ、透明感のある分散状態になることが分かった。あるいは、室温程度の水中に卵白蛋白質組成物を入れて分散させた後、当該溶液を100℃に加熱しても沈殿は生じず、且つ、熱水が白濁しないことが分かった。
【0039】
2.卵白蛋白質組成物の製造方法
本発明の一実施形態に係る卵白蛋白質組成物の製造方法は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%となるように原料卵白に高圧ホモジナイザーを使用して蛋白変性処理を施す工程からなる。
【0040】
2.1.高圧ホモジナイザーを使用して蛋白変性処理を施す工程
(1)原料卵白
本実施形態に係る卵白蛋白質組成物を製造するには、まず、液卵白を用意する。液卵白としては、例えば、卵を割卵して卵黄と分離した生液卵白、これにろ過、殺菌、冷凍、濃縮等の処理を施したものの他、本発明の効果を損なわない範囲で、卵白中の成分を除去する処理、例えば、糖分を除去する脱糖処理やリゾチームを除去する処理を行なったもの等を用いることができる。
また、後述する乾熱(熱蔵)処理中に卵タンパク質中のアミノ基と反応してメイラード反応を起こし、褐変、不快臭の発生等の品質の低下を防止することができる点で、脱糖処理を行った液卵白を用いるのが好ましい。脱糖処理は、酵母、酵素、細菌等を用いて常法により行えばよい。
【0041】
なお、本発明の卵白蛋白質組成物は、添加剤等を用いない場合でも改質効果が得られ、その結果、卵白本来の風味を有するものとすることができる。したがって、pH調整等の目的のために原料卵白以外の添加剤をわずかに添加してもよいが、好ましくは、卵白以外の添加剤の含有量は5%以下、より好ましくは1%以下である。また、このように添加剤の量が少ない風味のよい卵白蛋白組成物を得るため、最終的に得られる本発明の卵白蛋白質組成物の蛋白質含有量は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上である。
【0042】
(2)高圧ホモジナイザー
高圧ホモジナイザーとは、常圧下で高回転攪拌での均質化されるホモジナイザーではなく、均質クリアランス部に高圧力をかけて粒子を粉砕する装置を意味しており、例えば、処理液の流路が固定されたチャンバーを有するもの、処理液の流路の幅を調整しうる均質バルブを有するもの等が挙げられる。高圧ホモジナイザーを使用して高圧力をかけることで、卵白蛋白質を変性、具体的には、オボムチン重合体の高次構造がほぐれ、分解するとともに、高いゲル強度を発現する変性した卵白蛋白質を得ることができる。
【0043】
処理液の流路が固定されたチャンバーを有する高圧ホモジナイザーとしては、例えば、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製、商品名)、ナノマイザー(ナノマイザー社製、商品名)、アルティマイザー〔(株)スギノマシン製、商品名〕等が挙げられる。また、均質バルブを有する高圧ホモジナイザーとしては、高圧ホモジナイザー(ラニー社製、商品名)、高圧ホモジナイザー〔三丸機械工業(株)製、商品名〕、高圧ホモゲナイザー〔(株)イズミフードマシナリ社製、商品名〕等が挙げられる。
【0044】
高圧ホモジナイザーを使用して、蛋白変性処理を施す条件としては、α-オボムチン及びα-オボムチンのバンドのピーク面積は上述した特定範囲を満たすように、圧力、流量、処理回数、原料卵白の蛋白質濃度、品温等を適宜設定して行えばよい。
例えば、高圧ホモジナイザーで液卵白を処理する際の圧力は、処理に使用する高圧ホモジナイザーの種類、流量等にもよっても異なり、特に限定されるものではないが、所望のゲル強度を有する卵白蛋白質組成物を短時間で容易に得ることができることから、好ましくは10〜50MPa、より好ましくは10〜40MPaである。
このような範囲の圧力下において、液卵白を処理すると、卵白蛋白質に大きな衝撃力を付与することができ、卵白蛋白質を一層効率よく構造変化及び変性することができる。圧力が10MPa未満であると、卵白蛋白質に付与される衝突力が小さく、卵白蛋白質を変性させ難く、ゲル強度が1.1倍以上の卵白蛋白質組成物を得ることができない。また圧力が50MPaを超えると、卵白蛋白質が熱変性して不溶性の凝集物を生成しやすく、ゲル強度が1.1倍以上の卵白蛋白質組成物を得にくい。また、50MPaを超えると、卵白が熱変性するという問題も生じやすい。
【0045】
卵白蛋白質を構造変化及び変性をしやすくするため、蛋白変性処理を施す際の液卵白の蛋白質濃度は、9〜20質量%が好ましい。高圧ホモジナイザーによる処理時の液卵白は、加熱による変性を防ぐ点から、液温が5℃〜40℃の温度であることが好ましく、10〜30℃であることがより好ましい。また、高圧ホモジナイザーによる処理回数は、圧力にもよるが、2回以上行ってもよい。なお、高圧ホモジナイザー処理後、必要に応じて殺菌処理や冷凍処理等を施してもよい。
【0046】
3.熱蔵乾燥卵白
本発明の熱蔵乾燥卵白とは、液状の卵白蛋白質組成物を噴霧乾燥、パンドライ、凍結乾燥、真空乾燥等の種々の方法で乾燥して得られた粉末状又はフレーク状の卵白であって熱蔵処理を施したものをいう。本発明の卵白蛋白質組成物を乾燥して得た乾燥卵白は、熱蔵処理されているにもかかわらず、不溶物が少ないという利点がある。これは、高圧ホモジナイザーによる蛋白変性処理によって卵白蛋白の凝固開始温度が高くなっており、熱蔵処理時に蛋白質が熱変性しにくいためであると推測される。
【0047】
本発明の熱蔵乾燥卵白は、高圧ホモジナイザーによる蛋白変性処理を施した本発明の卵白蛋白質組成物を用いる以外は、常法により、乾燥、熱蔵処理を施すことによって得ることができるが、以下のような利点がある。すなわち、乾燥前の卵白蛋白質組成物をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって得られたバンドパターンにおいてα-オボムチン及びα-オボムチンのバンドのピーク面積を特定範囲に調整するとともに、超遠心分離したときの沈殿物量を減少させ、卵白蛋白質の表面疎水性を高めている。さらに、卵白蛋白の加熱凝固開始温度が高められている。したがって、熱蔵処理時の温度を高温に設定でき、短期間で熱蔵処理を終了することができる。
【0048】
4.食品
本実施形態に係る卵白蛋白質組成物は、添加剤を用いずにゲル強度等の点から改質されていることから、風味等の悪影響を与えずに種々の食品に利用することにより優れた品質改良効果が得られる。具体的には、例えば、以下の食品が挙げられる。
【0049】
本発明の卵白蛋白質組成物は、加熱ゲル強度が高いので、種々の固形状加熱食品のテクスチャー改善に有用である。本実施形態に係る卵白蛋白質組成物を利用する固形状加熱食品としては、ハム、ソーセージ、シュウマイ等の畜肉加工食品、かまぼこ、ちくわ、魚肉ソーセージ等の水産加工食品、中華麺、うどん、蕎麦等の麺類、カスタードクリーム、タマゴサラダ、スクランブルエッグ、卵焼き、オムレツ、茶碗蒸し、プリン等の卵加工食品、お好み焼き、たこ焼き等が挙げられる。更に、これらの冷凍食品が挙げられる。
【0050】
さらに、超遠心分離しても沈殿物量が少なく、沈殿物量が少ないために熱水への分散性が向上し、蛋白質補給飲料など液状加熱食品への使用が可能になる。液状加熱食品の具体例としては、各種ソース、たれ等の調味液、お粥、リゾット等の米飯加工品、スープ、シチュー、味噌汁等のスープ類、ココア、紅茶等の飲料、流動食、蛋白質補給飲料等の液状栄養食品、カスタードクリーム等が挙げられる。
【0051】
さらにまた、本発明の卵白蛋白質組成物では、泡立て時間の早さ、泡立て高さや固さなどの起泡性が改善され製造工程の効率化という利点も得られる。したがって、卵白蛋白質組成物を起泡させる起泡食品の製造方法への使用が可能になる。起泡食品の具体例としては、例えば、マドレーヌ、スポンジケーキ、エンゼルフードケーキ、ブッセ、ダックワーズ、フィナンシェ、タルト、バームクーヘン、パウンドケーキ及びシャルロットケーキ等のケーキ類、ムース、淡雪羹、ババロア、スフレオムレツ等が挙げられる。
【0052】
以下には、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0053】
<高圧ホモジナイザー処理>
400個の殻付卵を割り、全卵から卵白のみを分離して、10kgの未調整卵白を得た。未調整卵白(蛋白質濃度:11%)の品温を約25℃に調整し、高圧ホモジナイザーのインバータ周波数を60Hzに設定して、12.5、25、37.5、及び50MPaの圧力で高圧ホモジナイザー処理を1回行った。圧力が、12.5、25、37.5及び50MPaで処理したサンプルが本発明品に相当する。高圧ホモジナイザー処理を行わない卵白(未処理品)、5MPaの圧力でホモジナイザー処理をした卵白が対照品となる。高圧ホモジナイザー処理には、株式会社イズミフードマシナリ製ホモゲナイザー(型番HV−0H)を用いた。
【0054】
結果を表1及び図1に示す。
【表1】

【0055】
<SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法>
サンプル1〜3、対照品1及び未処理卵白を、それぞれSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法用のサンプルバッファーで希釈して蛋白質濃度が0.1mg/mLになるよう調整し、沸騰水浴上で5分間加熱して電気泳動用サンプルとした。
【0056】
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動は、市販のポリアクリルアミドゲルである8%SDS−PAG mini(テフコ株式会社)と専用泳動槽(テフコ株式会社、STC−808)を使用して、20mAの定電流条件で行った。電気泳動用サンプルは、それぞれ10μLをポリアクリルアミドゲルに供した。なお、分子量測定用の標準蛋白質(分子量マーカー)は、分子量マーカーII(テフコ株式会社)を使用した。
【0057】
サンプルバッファー中の標識色素であるブロモフェノールブルーがゲルの下端から約5mmのところまで到達したところで泳動を終了し、ゲルを泳動槽から取り出し、クマシーブリリアントブルーR−250溶液で、室温で30分間染色した。ゲルは脱色液(25%エタノール、8%酢酸溶液)で背景が透明になるまで脱色した。この電気泳動パターンを図2に示す。
【0058】
図2から、デジタルゲルイメージャーによる測定で得られたα-オボムチンのピーク面積及びα‐オボムチンのピーク面積と、オボトランスフェリンのピーク面積に対する各オボムチンのピーク面積の割合とを算出し、表2に示した。
【表2】

表2の結果から、本発明の卵白蛋白質組成物は、オボトランスフェリンを示すバンドのピーク面積に対し、α-オボムチンを示すバンドのピーク面積が20〜50%、好ましくは20〜40%、α-オボムチンを示すバンドのピーク面積が8〜25%、好ましくは8〜17%であることが分かった。
【0059】
<沈殿物量>
サンプル1〜4、及び未処理卵白を、それぞれ約10gずつ遠心管に取り、152,000gで30分間超遠心分離処理した。その後、上層液を除去し、前記の測定方法により沈殿物の質量を測定した。沈殿物質量の測定のために用いた超遠心機は日立工機株式会社製超遠心機(型番CS150NX)であった。結果を表3に示す。
【表3】

【0060】
<表面疎水性>
前記の方法により、表面疎水性及び相対表面疎水性を測定した。
結果を表4及び図3に示す。
【表4】

【0061】
<凝固開始温度>
37.5MPaでの高圧ホモジナイザー処理品(サンプル3)及び未処理品について、凝固開始温度を測定した。
試料を10mL容試験管に4mLずつ分注し、プログラム恒温機で55℃から80℃まで1℃/minの速度で昇温し、55、60、62.5、65、67.5、70及び80℃に達温後、氷水で冷却したものの物性を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
【0062】
<評価基準>
1:原料卵白(未処理品)と同等の物性
2:下方45度に傾けた時に素早く流動する
3:下方45度に傾けた時にゆっくり流動する
4:下方45度に傾けた時にプリプリと揺れるが流動しない
5:逆さまにしても全く動かない
これを基準に0.5刻みで評価した。大きい数字ほど固化していることを示す。
【0063】
結果を図4及び表5に示す。
【表5】

【0064】
<乾燥卵白の熱蔵後の不溶化率>
乾燥卵白は、液卵白を脱糖後、高圧ホモジナイザー処理し、スプレードラヤーを用いて噴霧乾燥した。その後、乾燥卵白の水分含量が約7%になるよう清水を噴霧し、アルミ袋に充填して密封後、75℃で16日間及び20日間それぞれ静置した。加熱処理した乾燥卵白35gに対して、清水245gを加えて撹拌混合した。その結果、熱蔵して16日目及び20日目の試料は、清水に一部溶解しないものが認められ、溶解液と不溶部分に分離したため、溶解液の容量を測定し、溶解液の割合を算出した。
【0065】
熱蔵後の結果を表6に示す。
【表6】

【0066】
<起泡性>
サンプル1〜4、及び未処理卵白の起泡性を測定した。
気泡高さと固さの測定方法は次のとおりである(加糖試験)。
各サンプルを600gずつ計量し、これにそれぞれ上白糖600gを溶解し、品温20℃に保持してミキサー(ホバート・コーポレーション社製、ホバートミキサー A−120型)にて、ホイッパーを用いて高速撹拌(380rpm)して、2分おきに泡の高さと固さを測定した。
【0067】
結果を表7及び図5に示した。
【表7】

【0068】
[応用例1]
卵白蛋白質組成物(サンプル2)を用いて、下記のようにタマゴスプレッドを製造した。すなわち、卵白蛋白組成物を折径57mmのケーシング袋に充填し、80℃のボイル槽で40分間加熱処理して製した加熱凝固卵白を約1cm四方にダイスカットしたもの40部、液卵黄を折径57mmのケーシング袋に充填し、80℃のボイル槽で40分間加熱処理して製した加熱凝固卵黄を約1cm四方にダイスカットしたもの40部、及びマヨネーズ20部を用意した。次いで、全原料を混合タンクに投入し、加熱凝固卵が崩れない程度の攪拌速度でゆっくり攪拌しながら混合してタマゴスプレッドを得た。得られたタマゴスプレッドを食したところ、加熱凝固卵白が適度な固さを有して食感がよく、食味も良好であった。
【0069】
[応用例2]
卵白蛋白質組成物(サンプル1)を用いて、下記のようにスポンジケーキを製造した。すなわち、卵白蛋白組成物700部に砂糖375部を加えてミキサーに投入し15分間撹拌して起泡させた。また、これとは別に、液卵黄300部に砂糖375部を加えて同様にミキサーで起泡させた。続いて、これらの起泡物と小麦粉750部を混合機で混ぜて生地を調製した。得られた生地を直径18cmのスポンジケーキ用の丸型に流し込み、170℃のオーブンで30分間焼成し、室温にてあら熱をとり、型からはずし、スポンジケーキを得た。得られたスポンジケーキは、外観状ふっくらとしてボリューム感があり食味も良好であった。
【0070】
[応用例3]
卵白蛋白質組成物(サンプル3)を用いて、下記のように中華スープを製造した。すなわち、卵白蛋白組成物5部、粉末鶏がらだし5部、清水90部を混合し、得られた混合液を鍋で品温90℃まで加熱することにより中華スープを得た。得られた中華スープを食したところ、卵白が略均一に分散しており、食味も良好であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱凝固物のゲル強度が、原料として用いる卵白の加熱凝固物のゲル強度と比較して1.1倍以上であり、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α-オボムチン及びα-オボムチンが検出され、
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα-オボムチンのバンドのピーク面積が、該卵白蛋白質組成物中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%
であることを特徴とする卵白蛋白質組成物。
【請求項2】
超遠心分離したときの沈殿物の質量が卵白蛋白質組成物全質量の1〜2%である請求項1記載の卵白蛋白質組成物。
【請求項3】
表面疎水性が980〜1200である請求項1又は2記載の卵白蛋白質組成物。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を用いて得た熱蔵乾燥卵白。
【請求項5】
卵白を高圧ホモジナイザー処理することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を用いた固形状加熱食品。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を起泡させてなる起泡食品。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれかに記載の卵白蛋白質組成物を用いた液状加熱食品。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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