説明

厨芥処理装置

【課題】 厨芥に混じって破砕室内に投入された異物を、破砕室側面に設けた異物回収箱に取り込むようにした厨芥処理装置において、異物捕集箱への異物の飛び込みを円滑にする。
【解決手段】 水とともに厨芥を投入する破砕室12と、破砕室の底部に設けた回転刃板13をそなえ、前記破砕室の側壁に開口部14を設けて、その外側に異物捕集箱15を取り付け、開口部を開閉する閉塞板16と、閉塞板16を開閉する操作ハンドル18をそなえた厨芥処理装置において、前記操作ハンドル18により閉塞板16とともに移動する操作片19と、操作片19で動作するリミットスイッチ21を設ける。閉塞板16を操作して開口部14が開いている間は、リミットスイッチ21を動作させて、シンクに給水する調整弁4により供給水量を制限して破砕室内に流入する厨芥の量を少なくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厨芥に混じって破砕室内に投入された金属片や木片などの硬い異物を、破砕室側面に設けた異物回収箱に取り込むようにしたディスポーザーを用いた厨芥処理装置、とくに食堂の下膳シンクのように大量の厨芥を処理する厨芥処理装置における異物の取り込みを確実にする構成を提供する。
【背景技術】
【0002】
シンクの排水口に連結されたディスポーザーは、水とともに破砕室に投入された厨芥を、破砕室底部の回転刃板で受け、回転刃板の回転によって回転刃板上の打撃刃で破砕して跳ね飛ばし、遠心力により回転刃板外周とこの外周を囲む固定刃との間に送って粉砕するようにしている。
しかし、厨芥に混じってスプーンや王冠などの金属片、陶器片、木片などの硬い異物が投入されると、跳ね飛ばされて破砕室の内壁を傷つけたり、回転刃と固定刃との間に噛み込まれて刃を破損させるだけでなく、回転刃板がロックされてモータに過負荷を生じ焼損を招くなどの恐れがある。
【0003】
このため、破砕室の側壁に開口部(窓)を設けて異物を飛び込ませる捕集箱を設け、常時は前記開口部を弁体や扉などの閉塞板で塞いでおり、破砕室に異物が入って跳ね飛ばされる音を聞いた時は閉塞板を操作して開口部を開き、異物を捕集箱内に飛び込ませるようにした異物捕集装置が提案されている。(特許文献1、特許文献2などを参照)
【0004】
【特許文献1】実開昭59−53852号公報
【特許文献2】特開2002−59022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、シンクからディスポーザーに流入する厨芥は、多量の水とともに破砕室に流し込まれて回転刃板で跳ね飛ばされており、異物の混入を検知して閉塞板を開いている間は、水とともに破砕室内の厨芥も捕集箱内に飛び込み、捕集箱内を汚すだけでなく、破砕室内に飛び散っている多量の厨芥が、捕集箱に向かって飛び跳ねる異物の運動の邪魔になって円滑に捕集箱の開口部に入らず、捕集に要する時間が長くなっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため本発明は、シンクに厨芥をディスポーザーに流し込む水を供給する給水管に、給水管の水量を調整する調整弁を設け、ディスポーザーに、破砕室側壁の開口部と、前記開口部の外側に取り付けた異物捕集箱と、開口部を開閉する閉塞板と、閉塞板を開閉する操作装置をそなえ、厨芥に異物が混入したため閉塞板を開いている間は、前記調整弁を調整して給水管の水量を減少させ、破砕室に流れ込む厨芥の量を少なくし、破砕室内で飛び散っている厨芥を減らすようにしている。
【0007】
また、請求項2の発明では、操作装置に閉塞板の開動作とともに移動する操作片と、操作片の移動で動作するリミットスイッチをそなえ、閉塞板が開いている間は、リミットスイッチからの信号で調整弁を調整して給水管の水量を減少させ、破砕室に流れ込む厨芥を少なくするようにしている。
【発明の効果】
【0008】
このように本発明は、シンクの給水管に調整弁を設け、破砕室の側壁に閉塞板をそなえた開口部と異物捕集箱をそなえ、異物が投入された時は異物を捕集するため前記開口部を開くとともに、この動作に協働してシンクに供給する水を制限し、破砕室内の厨芥を少なくしているので、異物の飛び跳ねが厨芥によって邪魔されずに活発になり、異物捕集箱への飛び込みが円滑で短時間で確実に行われるとともに、異物捕集箱への厨芥の飛び込みによる汚損を減少させるなどの効果が得られる。
【実施例】
【0009】
以下、図に示す実施例について説明する。
1はディスポーザー、2はシンク、3はシンクに投入された厨芥をディスポーザー1に流し込む水を供給する給水管、4は給水管に設けた調整弁である。
11はディスポーザーの投入口、12は破砕室、13は回転刃板、14は破砕室内壁に設けた開口部、15は異物捕集箱、16は開口部の閉塞板、17は異物捕集箱15に軸支され閉塞板を開閉させる操作軸、18は操作軸の一方端に取り付けた操作ハンドル、19は操作軸の他方端に設けた操作片、20は厨芥溜り、21は前記操作片で動作するリミットスイッチで、取付板22に取り付けられ、閉塞板16が開口部14を塞いだ状態(図3の状態)になっているときの操作片19の位置(図1の実線位置)ではオフになり、前記調整弁4を十分な通水状態に保持させている。
【0010】
シンク2に厨芥が投入されると、常時は閉塞板16が開口部14を塞いでおり、リミットスイッチ21はオフ状態で調整弁4を介して給水管3から供給される水で厨芥をディスポーザー1の破砕室12に流し込み、回転刃板13の回転で厨芥の破砕を行う。
この厨芥に異物が混入していると、異物が回転刃板13で跳ね飛ばされ破砕室内壁に当たって異常音を発するので、図2に示されている操作ハンドル18を点線位置に操作し、閉塞板16を操作軸17を中心に回動させて開口部14を開くとともに操作片19を点線位置に回動させる。この回動によりリミットスイッチ21がオン状態になり、調整弁4を動作させて通水を止め、あるいは通水量を減らして厨芥の破砕室12への流れ込みを制限する。
このため、破砕室12内で飛び跳ねる厨芥の量が少なくなるので、厨芥の異物捕集箱15への飛び込みも少なく、厨芥の飛び跳ねによる邪魔が減少して異物の飛び跳ねが十分に行なわれ、円滑に異物捕集箱15に捕集される。
【0011】
異物が捕集され異常音がなくなると、操作ハンドル18を実線位置に戻して閉塞板16を閉じるとともに操作片19を実線位置に回動させ、リミットスイッチ21をオフ状態にして調整弁4を開き、通常の厨芥処理を行なわせる。
【0012】
なお、開口部14を開閉する閉塞板16を異物捕集箱15の軸方向に移動させようにした場合も、閉塞板16の移動でリミットスイッチ21を動作させることができ、操作片19は操作軸17の操作軸ハンドル18と同じ側に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例を示す側面図で、シンクの一部を省略している。
【図2】図1の反対側における異物捕集箱部分を示す側面図である。
【図3】図2の断面図である。
【符号の説明】
【0014】
1 ディスポーザー
2 シンク
3 給水管
4 調整弁
11 投入口
12 破砕室
13 回転刃板
14 開口部
15 異物捕集箱
16 閉塞板
17 操作軸
18 操作ハンドル
19 操作片
20 厨芥溜り
21 リミットスイッチ
22 取付板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンクと、シンクに連結したディスポーザーをそなえ、前記シンクに、厨芥をディスポーザーに流し込む水を供給する給水管と、この給水管の水量を調整する調整弁を設け、ディスポーザーに、破砕室の側壁に設けた開口部と、前記開口部の外側に取り付けた異物捕集箱と、開口部を開閉する閉塞板と、閉塞板を開閉する操作装置をそなえ、閉塞板が開いている間は、前記調整弁を調整して給水管の水量を減少させ、破砕室に流れ込む厨芥を少なくすることを特徴とする厨芥処理装置。
【請求項2】
前記操作装置が、閉塞板とともに移動する操作片と、操作片の移動で動作するリミットスイッチをそなえ、閉塞板が開いている間は、リミットスイッチの動作で調整弁を調整して給水管の水量を減少させる請求項1記載の厨芥処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−207715(P2010−207715A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56280(P2009−56280)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(593047552)株式会社フロム工業 (27)
【Fターム(参考)】