説明

反射型マスク、露光装置、露光方法及びデバイス製造方法

【課題】汚染物質を効果的に減少させることができる反射型マスク、露光装置、露光方法及びデバイス製造方法を提供すること。
【解決手段】反射パターンが設けられたパターン領域(Ra)を有する反射型マスク(R)であって、入射した光をパターン領域(Ra)が反射する反射方向とは異なる方向に反射又は散乱させる非パターン領域(Rb)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型マスク、露光装置、露光方法及びデバイス製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路素子の微細化の進展に伴い、光の回折限界によって制限される光学系の解像力を向上させるために、露光光として紫外域の光に代わって、より波長の短いEUV(Extreme Ultra Violet:極紫外線)光を用いる手法が注目されている。この種の露光装置では、反射型のオプティカルインテグレータ、反射型のマスクおよび反射型の投影光学系が用いられている(例えば、特許文献1参照)。反射型マスクにおいては、マスク基板上に反射層(例えば多層膜反射層)を形成し、この反射層上にパターン形状に応じた形状の遮光部(光吸収体層)を形成している(例えば特許文献2参照)。
【0003】
露光装置は、例えば露光装置内に配置された部材等から有機物等の汚染物質が発生する場合がある。露光装置内で発生した汚染物質のうち、沸点が高い物質は、露光装置内の各種部材の表面に容易に付着する。汚染物質が光学素子の反射面に付着すると、光学素子の反射率が低下し、ウエハ等の基板に対する露光量が小さくなってしまい、スループットが落ちるという問題を生じさせる。特にEUV光は、光学素子の表面に、その近傍を浮遊しているカーボン系分子を固着させてしまう。また、光学素子以外の部材に付着した汚染物質は、光学素子以外の部材への付着と脱離を繰り返すうちに、やがて光学素子に付着する虞がある。
そのため、従来では、光学素子に付着するカーボン系分子を低減させるべく、露光装置内の真空度を上げる等の方策が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,452,661号公報
【特許文献2】特開平8−17716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術には、以下のような問題が存在する。
上記の真空度としては、一般にはカーボン系分子分圧(積算値)が10−7Pa以下であることが求められている。しかし、このような高真空度であってもカーボン系分子を完全に除去することは困難であり、汚染物質を効果的に減少させる技術の開発が望まれていた。
【0006】
そこで、本発明は、汚染物質を効果的に減少させることができる反射型マスク、露光装置、露光方法及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に従えば、反射パターンが設けられたパターン領域を有する反射型マスクであって、入射した光を前記パターン領域が反射する反射方向とは異なる方向に反射又は散乱させる非パターン領域を有する反射型マスクが提供される。
【0008】
本発明の第2の態様に従えば、反射型マスクに設けられたパターンを感光性基板に形成する露光装置であって、前記反射型マスクに露光光を照射する照明光学系と、前記パターンで反射した前記露光光で、前記感光性基板を露光する投影光学系と、前記露光光の少なくとも一部を反射又は散乱させて前記感光性基板とは異なる洗浄対象部に、前記反射又は散乱した前記露光光の少なくとも一部を照射する洗浄光学部とを有する露光装置が提供される。
【0009】
本発明の第3の態様に従えば、反射型マスクに設けられたパターンを感光性基板に形成する露光方法であって、上記の反射型マスクを用い、前記パターン領域に前記露光光を照射して前記感光性基板を露光することと、前記非パターン領域に前記露光光を照射して前記感光性基板と異なる洗浄対象部を光洗浄することと、を含む露光方法が提供される。
【0010】
本発明の第4の態様に従えば、反射型マスクに設けられたパターンを感光性基板に形成する露光方法であって、上記の露光装置を用い、前記反射型マスクに前記露光光を照射して前記感光性基板を露光することと、前記洗浄光学部に前記露光光を照射して前記洗浄対象部を光洗浄することと、を含む露光方法が提供される。
【0011】
本発明の第5の態様に従えば、上記の露光装置を用いて感光性基板を露光することと、露光された前記感光性基板を処理することとを含むデバイス製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の態様によれば、汚染物質の発生を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係る露光装置の一例を示す模式的な断面図である。
【図2】実施形態に係るレチクルの一例を示す模式的な斜視図である。
【図3】図2に示すレチクルの模式的な部分断面図である。
【図4】別の実施形態に係るウエハの一例を示す模式的な斜視図である。
【図5】別の実施形態に係る露光装置の要部を拡大した模式的な断面図である。
【図6】実施形態に係るデバイス製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図7】図6に示すウエハ処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の反射型マスク、露光装置、露光方法及びデバイス製造方法の実施形態を、図1ないし図7を参照して説明する。
【0015】
図1は、本実施形態の露光装置の全体構成を概略的に示す断面図である。
図1に示す露光装置100は、波長が100nm以下のEUV光(Extreme Ultraviolet Light)を用いるEUV露光装置である。露光装置100において用いるEUV光の波長は、例えば約3〜50nm程度の範囲内であってもよい。本実施形態の露光装置100は、波長が11nm〜14nmのEUV光を用いる。
【0016】
また、以下では露光に用いられるEUV光と、洗浄に用いられるEUV光とを区別するために、露光に用いられるEUV光を「露光光EL」、洗浄に用いられるEUV光を「洗浄用光EC」と表記する。なお、露光光ELと洗浄用光ECとは、互いに等しい波長のEUV光であってもよく、互いに異なる波長の光であってもよい。洗浄用光ECは、波長が例えば250nm以下であってもよく、より好ましくは波長が190nm以下の紫外光が用いられる。
【0017】
図1に示すように、露光装置100は、主に、真空チャンバ(筐体)1と、真空チャンバ1の内部に少なくとも一部が配置されたレチクル保持部4、ウエハ保持部5、レーザプラズマ光源10、照明光学系ILS、投影光学系PO、及び主制御系31を有している。
【0018】
真空チャンバ1は、隔壁によって外部の空間から隔離された気密容器である。真空チャンバ1の内部には、露光光ELの光路の真空度をより高めるために、複数の不図示のサブチャンバが設けられている。真空チャンバ1の内部の気圧は、例えば約10−5Pa程度、であり、真空チャンバ1の内部で投影光学系POを収納するサブチャンバの内部の気圧は、例えば約10−5〜10−8Pa程度である。真空チャンバ1には、排気管32Aaを介して真空ポンプ32Aが接続されるとともに、給気管32Baを介して酸化性ガスもしくは還元性ガスを供給するガス供給部32Bが接続されている。
【0019】
真空ポンプ32Aは、露光光ELの気体による吸収を防止するために、排気管32Aaを介して真空チャンバ1の内部の気体を排気して、真空チャンバ1の内部を所定の真空度に維持する。
ガス供給部32Bは、露光装置100において洗浄用光ECによる洗浄(光洗浄)を行う際に、洗浄の対象となる部分(洗浄対象部)の近傍に酸化性ガスもしくは還元性ガスを供給する。ガス供給部32Bが供給する酸化性ガスもしくは還元性ガスとしては、例えば、O、O、HO、H、CO、NOを用いることができる。これらのガスは混合して用いても単独で用いてもよい。
【0020】
レーザプラズマ光源10は、露光光ELを発生するガスジェットクラスタ方式の光源である。レーザプラズマ光源10は、露光光ELを射出する不図示のレーザー光源と、集光レンズ12と、ノズル14と、集光ミラー13とを備えている。
集光レンズ12は、不図示のレーザ光源から真空チャンバ1の窓部材15を介して照射された露光光ELを、集光ミラー13の内側に集光する。
集光ミラー13は、楕円球面状の反射面を有し、反射面の内側で発生したEUV光を反射面により反射して集光する。
ノズル14は、キセノン又はクリプトン等のガス状のターゲット、あるいはSn(錫)等のターゲットを供給する。
【0021】
照明光学系ILSは、レーザプラズマ光源10から射出された露光光EL(洗浄用光EC)を反射する複数のミラーを備え、レチクルステージRSTに保持されたレチクル(反射型マスク)Rに露光光ELを照射する光学系である。
照明光学系ILSは、露光光ELの照度分布を均一化するためのオプティカル・インテグレータ及びコンデンサ光学系と、開口絞りASとを備えている。
【0022】
オプティカル・インテグレータは、一対のフライアイ光学系22,23により構成されている。フライアイ光学系23は、多数の反射ミラー要素を有している。また、フライアイ光学系23の反射面の近傍の面は、照明光学系ILSの瞳面であり、この瞳面又はこの近傍の位置に開口絞りASが配置されている。
コンデンサ光学系は、曲面ミラー24と凹面ミラー25とにより構成され、フライアイ光学系23の多数の反射ミラー要素によって反射した露光光ELを反射し、レチクルRのパターン領域に重畳して照射する。
開口絞りASは、互いに異なる形状の開口を有するものがいくつか用意され、不図示の駆動装置により交換可能に設けられている。
【0023】
レチクルRは、露光光ELが照射される面に、例えば電子回路の回路パターンに対応する反射パターンが設けられたパターン領域を有している。すなわち、本実施形態のレチクルRは反射型レチクル(反射型マスク)である。
【0024】
レチクルRの露光光ELが照射される側には、ブラインド板26A,26Bが配置されている。ブラインド板26A,26Bは、例えば照明光学系ILS内のパターン領域との共役面の近傍に配置されている。
また、レチクルRの露光光ELが照射される側には、レチクルRのパターン領域に対して例えば斜めに計測光を照射して、レチクル面のZ方向の位置(Z位置)を計測する光学式のレチクルオートフォーカス系(不図示)が配置されている。
【0025】
レチクル保持部4は、レチクルRを保持して移動する駆動系である。レチクル保持部4は、レチクルステージRSTと、レチクルホルダ(マスクホルダ)RHと、パーティション8と、不図示の駆動装置と、を備えている。
レチクルホルダRHは、レチクルステージRST上に配置され、例えば静電チャックによってレチクルRを吸着して保持するようになっている。
【0026】
パーティション8は、真空チャンバ1の隔壁から露出したレチクルステージRSTを覆うように設けられている。パーティション8の内部は不図示の真空ポンプによって大気圧と真空チャンバ1の内部の気圧との間の気圧に維持されている。
レチクルステージRSTを駆動する不図示の駆動装置は、例えば磁気浮上型二次元リニアアクチュエータ等により構成される。
【0027】
投影光学系POは、レチクルRの反射パターンによって反射されたEUV光を反射する複数のミラーを備え、レチクルRに形成されたパターンの像をレジスト(感光材料)が塗布されたウエハ(感光性基板)Wに投影する光学系である。
投影光学系POは、例えば6枚のミラーM1〜M6を不図示の鏡筒で保持することによって構成されている。一例として、ミラーM1,M2,M4,M6は凹面鏡であり、他のミラーM3,M5は凸面鏡である。
投影光学系POは、レチクルR(物体)側に非テレセントリックで、ウエハW(像)側にテレセントリックの反射系であり、投影倍率は例えば1/4倍の縮小倍率である。
【0028】
ウエハ保持部5は、ウエハWを保持して移動する駆動系である。ウエハ保持部5は、ウエハを保持するウエハステージWSTと、ウエハステージWSTを駆動する不図示の駆動装置と、空間像計測系29と、パーティション7と、を備えている。
ウエハステージWSTを駆動する不図示の駆動装置は、例えば磁気浮上型二次元リニアアクチュエータ等により構成される。
空間像計測系29は、ウエハステージWSTのウエハWが保持される位置の近傍に設置され、例えばレチクルRのアライメントマークの像を検出する。
【0029】
パーティション7は、露光の際にウエハW上のレジストから生じるガスが投影光学系POのミラーM1〜M6に悪影響を与えないように、ウエハW及びウエハステージWSTを覆うように配置される。パーティション7には、露光光ELを通過させる開口が形成されている。パーティション7の内側の空間は、不図示の真空ポンプによって、所定の真空度になるように排気されている。
【0030】
主制御系31は、露光装置100の全体の動作を統括的に制御するコンピュータを含む制御系である。主制御系31は、レチクル保持部4の不図示の駆動装置及びウエハ保持部5の不図示の駆動装置を制御して、レチクルステージRST及びウエハステージを移動させる。
また、主制御系31は、照明光学系ILSの駆動装置を制御して開口絞りASを異なる形状の開口を有するものに交換することで、照明条件を通常照明、輪帯照明、2極照明、又は4極照明等に切り換える。
【0031】
また、主制御系31は、ウエハ保持部5のウエハステージWSTに設けられた空間像計測系29の検出結果から投影光学系POの光学特性(諸収差、あるいは波面収差等)を求めることができる。
また、主制御系31は、ミラーM1等の反射面の形状(面形状)を、不図示の駆動装置を用いてアクティブに制御することで、投影光学系POの光学特性を維持する。
また、主制御系31は、走査露光中に、レチクルRの近傍に設けられたレチクルオートフォーカス系の計測値に基づいて、例えばレチクルステージRSTの駆動装置を用いてレチクルRのZ方向の位置を許容範囲内に設定する。
【0032】
以下では、ウエハステージWSTのウエハWが載置される面の法線方向にZ軸を設定し、Z軸に垂直でレチクルステージRSTの走査方向と平行な方向にY軸を設定し、Z軸及びY軸に垂直な方向にX軸を設定したXYZ直交座標系を用いて説明する。
【0033】
レチクル保持部4の不図示の駆動装置は、不図示のレーザ干渉計の計測値及び主制御系31の制御情報に基づいて、レチクルステージRSTをY方向に所定のストロークで走査させる。また、レチクル保持部4の不図示の駆動装置は、レチクルステージRSTをX方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)にも移動させることができるようになっている。
ウエハ保持部5の不図示の駆動装置は、不図示のレーザ干渉計の計測値及び主制御系31の制御情報に基づいて、ウエハステージWSTをX方向及びY方向に所定ストロ−クで移動させる。また、ウエハ保持部5の不図示の駆動装置は、ウエハステージWSTを必要に応じてθz方向にも駆動させる。
【0034】
露光装置100よってウエハWを露光する際には、レチクルR及びウエハWをレチクル保持部4及びウエハ保持部5によって保持し、レーザプラズマ光源10の不図示のレーザー光源からレーザー光を射出する。不図示のレーザー光源から射出されたレーザー光は、集光レンズ12によって集光ミラー13の内側に集光され、ノズル14から供給されたターゲットに照射される。これにより、EUV光が発生し、集光ミラー13によって反射される。
【0035】
集光ミラー13によって反射された露光光ELは、集光ミラー13の焦点に集光された後、凹面ミラー21によって反射され、ほぼ平行な光束となる。
凹面ミラー21によって反射され、ほぼ平行な光束となった露光光ELは、フライアイ光学系22及び23からなるオプティカル・インテグレータに導かれ、開口絞りASを通過する。開口絞りASを通過した露光光ELは、一度集光した後に、コンデンサ光学系の曲面ミラー24及び凹面ミラー25で反射される。
【0036】
コンデンサ光学系の曲面ミラー24及び凹面ミラー25で反射された露光光ELは、ブラインド板26Aの例えば円弧状のエッジ部で−Y方向の端部が遮光された後、レチクルRのパターン領域に対して斜め下方から照射される。このとき、レチクルRのパターン領域には、フライアイ光学系22及び23の多数の反射ミラー要素によって反射された露光光ELが、コンデンサ光学系の曲面ミラー24及び凹面ミラー25によって重畳して照射される。
これにより、レチクルRのパターン領域の一部(照射領域27R)に、均一な照度分布を有する露光光ELが照射される。
【0037】
照射領域27Rに照射された露光光ELは、レチクルRのパターン領域に形成された反射パターンより反射される。反射パターンより反射された露光光ELは、ブラインド板26Bの例えば円弧状のエッジ部で+Y方向の端部が遮光された後、投影光学系POに入射する。投影光学系POに入射した露光光ELは、ミラーM1ないしミラーM6によって、順次、反射され、ウエハWの露光領域(照射領域27Rと共役な領域)27Wに照射される。
これにより、レチクルRの反射パターンの一部の縮小像が、ウエハWの露光領域27Wに投影される。
【0038】
本実施形態では、レチクルRの照射領域27R及びウエハWの露光領域27WはX方向に細長い円弧状である。
また、ウエハWの露光時には、レチクル保持部4及びウエハ保持部5の駆動装置を主制御系31により制御して、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを、投影光学系POの縮小倍率に応じて同期して駆動させる。すなわち、ウエハWの1つのショット領域(ダイ)を露光する際に、レチクルRとウエハWとは、投影光学系POに対して投影光学系POの縮小倍率に従った所定の速度比でY軸に平行な方向に同期して移動する(同期走査)。
【0039】
これにより、レチクルRのパターン領域に形成されたパターン(反射パターン)が、ウエハWの一つのショット領域に露光される。その後、ウエハステージWSTを駆動してウエハWをステップ移動した後、ウエハWの次のショット領域に対してレチクルRのパターンが走査露光される。このようにステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの複数のショット領域に対して、順次、レチクルRのパターンの像が露光される。
【0040】
次に、本実施形態のレチクルRについて、図2及び図3を用いて説明する。
図2は、レチクルRの模式的な斜視図である。図3は、レチクルRの非パターン領域Rbの模式的な断面図である。
図2に示すように、本実施形態のレチクルRは、露光光EL(洗浄用光EC)が入射する面に、パターン領域Raと、非パターン領域Rbとを有している。
【0041】
パターン領域Raには、上述のように、例えば電子回路の回路パターンに対応する反射パターンが形成されている。パターン領域Raの反射パターンは、図1に示すように、照明光学系ILSから射出した露光光ELを、投影光学系POのミラーM1に向けて反射する。すなわち、照明光学系ILSによってレチクルRのパターン領域Raに照射され、パターン領域Raの反射パターンによって反射された光は、投影光学系POに入射する方向に反射される。
【0042】
非パターン領域Rbは、照明光学系ILSから射出した洗浄用光EC(露光光EL)を、パターン領域Raが露光光ELを反射する反射方向とは異なる方向を含む様々な方向に反射(散乱)する。具体的には、図3に示すように、非パターン領域Rbには、例えば複数の半球状の凸部Rcが設けられている。凸部Rcは、例えば洗浄用光ECを反射する反射膜を有し、入射した洗浄用光ECを様々な方向に反射(散乱)するように設けられている。なお、本実施形態では、洗浄用光ECは、EUV光と同じ波長であるため、反射膜は、EUV光を反射する多層反射膜で形成される。
【0043】
多層反射膜としては、真空に対する屈折率が異なる2種類の物質、例えばモリブデン(Mo)とシリコン(Si)とを交互に積層した構成や、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)等の物質と、Si、ベリリウム(Be)、4ホウ化炭素(BC)等の物質とを組み合わせた構成のものを用いることができる。本実施形態の多層反射膜は、例えばSiとMoとを交互に約40〜70層程度積層し、表面にキャッピングレイヤが成膜された構成となっている。
【0044】
なお、非パターン領域Rbは、入射したEUV光を、パターン領域Raが反射する反射方向とは異なる方向に反射するものであれば、上記の構成と異なる構成を採用することが可能である。例えば、凸部の形状は半球状には限られず、EUV光を反射(散乱)可能であればよい。また、凸部の数は1つであってもよい。また、凸部ではなく凹部を形成してもよいし、凸部と凹部を組み合わせてもよい。また、凹部の数は、1つであっても、多数であってもよい。
【0045】
図2に示すように、本実施形態のレチクルRのパターン領域Ra及び非パターン領域Rbは、互いに隣接して配置されている。また、本実施形態では、レチクルRが図1に示す露光装置100のレチクル保持部4に保持された状態においては、レチクルRのパターン領域Ra及び非パターン領域Rbは、Y軸に沿う方向に隣接して配置される。
【0046】
露光装置100によってウエハWの1つのショット領域を露光する際には、レチクルRとウエハWとは、投影光学系POに対してY軸に平行な方向に同期して移動する。すなわち、Y軸に平行な方向は、レチクルRにおける露光光ELの走査方向である。したがって、レチクルRのパターン領域Ra及び非パターン領域Rbは、露光光ELの走査方向に沿う方向に互いに隣接して配置されることになる。
なお、パターン領域Ra及び非パターン領域Rbは、必ずしも互いに隣接して配置する必要はない。
【0047】
次に、露光装置100の光洗浄機能について説明する。
露光装置100においては、例えば真空チャンバ1の内部に配置された部材等から有機物等の汚染物質が発生する場合がある。
真空チャンバ1の内部において発生した汚染物質のうち、沸点が高いものは、真空チャンバ1の内部の各種部材の表面に容易に付着する。
【0048】
汚染物質が光学素子の反射面に付着すると、光学素子の反射率が低下するという問題を生じさせる。
特にEUV光は、光学素子の表面に、その近傍を浮遊しているカーボン系分子を固着させてしまう。また、光学素子以外の部材に付着した汚染物質は、光学素子以外の部材への付着と脱離を繰り返すうちに、やがて光学素子の表面に付着する虞がある。
【0049】
このような問題を解決するために、本実施形態の露光装置100は、真空チャンバ1の内部の汚染物質を除去する光洗浄機能を有している。
以下では、レチクルRの非パターン領域Rbが光洗浄を行うための洗浄光学部として機能する場合について説明する。
【0050】
光洗浄を行う際には、図1に示すように、レチクル保持部4の駆動装置によりレチクルステージRSTを移動させる。そして、照明光学系ILSから射出された洗浄用光EC(EUV光)が、レチクルRの非パターン領域Rbに入射するように、レチクルRを移動させる。
【0051】
また、ガス供給部32Bから、真空チャンバ1の内部に酸化性ガスあるいは還元性ガスを供給する。これにより、洗浄の対象となる部分(洗浄対象部)である真空チャンバ1の隔壁の一部の領域CAや照明光学系ILS及び投影光学系POの光学素子等の近傍を酸化性ガスあるいは還元性ガスの雰囲気にすることができる。なお、酸化性ガスあるいは還元性ガスは、真空チャンバ1の内部の汚染物質の状況により必要に応じて供給されればよく、場合よっては供給しなくてもよい。
ここで、酸化性ガスは、O、O、HO、H、CO、NOの中から選択される一種以上のガスを含み、また、還元性ガスは、Hを含む。
【0052】
その後、レーザプラズマ光源10により洗浄用光ECを発生させ、照明光学系ILSを介してレチクルRの非パターン領域に洗浄用光ECを照射する。
照明光学系ILSから射出され、レチクルRの非パターン領域Rbに入射した洗浄用光ECは、非パターン領域Rbの複数の凸部Rcにより反射(散乱)される。
【0053】
非パターン領域Rbの複数の凸部Rcにより反射(散乱)された洗浄用光ECは、パターン領域Raが反射する反射方向とは異なる方向を含む様々な方向に反射(散乱)される。これにより、洗浄対象部である真空チャンバ1の隔壁の一部の領域CAや照明光学系ILS及び投影光学系POの光学素子等に洗浄用光ECが照射される。また、洗浄用光ECは、その一部が投影光学系POに向かって反射され、さらにその一部が照明光学系ILSに向かって反射される。ただし、投影光学系POに入射する洗浄用EC及び照明光学系ILSに入射する洗浄用ECは、露光光ELの光路とは異なる光路に沿って、各ミラーに到達する。すると、これらの洗浄対象部に付着した汚染物質は、洗浄用光ECの作用により洗浄対象部からの脱離が促進される。具体的には、部材表面に吸着された物質から主として有機系のガスの脱離が促進される。また、汚染物質が断鎖されて、より低分子のより揮発性の高い分子となって気化する。
【0054】
また、酸化性ガスあるいは還元性ガスが洗浄対象部の近傍に配置されている場合には、洗浄対象部に付着した例えばカーボン膜等の汚染物質を酸化あるいは還元させることができる。これにより、洗浄対象部に付着した汚染物質を例えばCOやHO等、またはCHのように、より除去しやすい物質に変化させ、汚染物質を洗浄対象部から効果的に除去することができる。
【0055】
洗浄対象部から脱離、除去された汚染物質は、真空ポンプ32Aによって吸引され、真空チャンバ1の外部へと排出される。これにより、洗浄対象部から脱離、除去された汚染物質が再度真空チャンバ1の隔壁、照明光学系ILS及び投影光学系POの光学素子等に付着することが防止される。以上により、汚染物質が付着した洗浄対象部を光洗浄することができる。
【0056】
本実施形態の露光装置100は、光洗浄を行うための光洗浄光学部として、非パターン領域Rbを備えたレチクルRを有している。そのため、汚染物質が真空チャンバ1の隔壁や真空チャンバ1の内部の部材に付着した場合であっても、付着した汚染物質を脱離、除去し、真空チャンバ1の外部へ排出することができる。
【0057】
したがって、本実施形態の露光装置100によれば、真空チャンバ1の内部の汚染物質を減少させることができ、照明光学系ILS及び投影光学系POの光学素子に付着する汚染物質を減少させることができる。これにより、照明光学系ILS及び投影光学系POの光学素子の反射率の低下を防止し、また、光学素子の反射ムラの発生を抑制することができる。したがって、露光装置100の生産性を向上させ、露光装置100の寿命を長くすることができる。また、光学素子への汚染物質の付着が低減されるので、光学素子の熱膨張を低減し、また照度ムラの発生を抑制し、光学素子の光学性能の劣化を防止することができる。したがって、露光装置100の結像性能を長時間維持することができる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のレチクルR、露光装置100及び露光装置100を用いた露光方法によれば、光洗浄を行って、汚染物質の発生を効果的に抑制することができる。
また、レクチルRにパターン領域Raと非パターン領域Rbとが隣接して設けられているので、露光装置100における露光と洗浄の切替を容易に行うことができる。
また、パターン領域Raと非パターン領域Rbとが、レクチルRにおける露光光ELの走査方向(Y軸に沿う方向)に隣接して設けられているので、露光を行った後に連続して洗浄を行うことが可能になる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき適宜変更することできる。
例えば、上記の実施形態では、洗浄光学部がレチクルに設けられている場合について説明したが、洗浄光学部はウエハ(感光性基板)やウエハステージに設けられていてもよい。図4は、ウエハWに洗浄光学部Waが形成された場合の一例を示す斜視図である。
【0060】
図4に示すように、ウエハWの回路パターンが形成されない領域に、複数の洗浄光学部Waが形成されている。洗浄光学部Waは、例えば平坦な反射面であってもよく、上述の実施形態におけるレチクルの非パターン部と同様の構成を備えていてもよい。また、この洗浄光学部Waと同様の洗浄光学部をウエハステージ(基板ステージ)に設けてもよい。洗浄光学部Waは、ウエハW及びウエハステージの双方に設けてもよく、いずれか一方に設けてもよい。
【0061】
また、洗浄光学部は、上述の実施形態における露光装置と同様の構成を備えた露光装置において、レチクルホルダ及びレチクルステージに設けられていてもよい。また、洗浄光学部は、投影光学系の光学素子を保持するミラーホルダに設けられていてもよい。
図5は、レチクルホルダ、レチクルステージ、ミラーホルダ及び真空チャンバ1の隔壁に洗浄光学部を設けた露光装置の一例を示す拡大断面図である。なお、図5に示す露光装置は、図5に示される部分以外は、図1に示す露光装置と同様の構成を備えているので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
【0062】
図5に示す露光装置においては、レチクルホルダ(マスクホルダ)RH、レチクルステージ(マスクステージ)RSTにそれぞれ洗浄光学部RHa,RSTaが設けられている。また、ミラーM1を保持するミラーホルダM1Hにも、洗浄光学部M1aが設けられている。また、真空チャンバ1の隔壁にも洗浄光学部1a,1bが設けられている。洗浄光学部RHa,RSTa,M1a,1a,1bは、平坦なミラーであってもよく、上記の実施形態で説明した非パターン部と同様の構成を備えていてもよい。なお、洗浄光学部は、ミラーM1〜M6の一部に設けられていてもよい。また、洗浄用光学部RHa,RSTa,M1a,1a,1bの表面には、洗浄用光ECの波長に応じて、より高い反射率を得るために適した材質や構造の反射膜を形成することが好ましい。
【0063】
図5に示す露光装置によれば、レチクル保持部4に設けられた洗浄光学部RHa,RSTaにより、洗浄用光ECをレクチルRの反射パターンによる露光光ELの反射方向(反射角度α)とは異なる方向に反射(散乱)させ、洗浄対象部に付着した汚染物質を脱離させ、除去することができる。また、洗浄光学部RHa,RSTaにより反射させた洗浄用光ECを、ミラーホルダM1H(又はミラーM1)に設けられた洗浄光学部M1a、真空チャンバ1に設けられた洗浄光学部1a,1bによりさらに反射(散乱)させ、洗浄用光ECをより広い範囲に照射することが可能になる。したがって、真空チャンバ1や真空チャンバ1の内部に配置された部材に付着した汚染物質を効果的に脱離させ、除去し、真空チャンバ1の内部の汚染物質を減少させることができる。
【0064】
また、上記の実施形態における感光性基板としては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置としては、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを一括露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。また、本発明はウエハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6,611,316号に開示されているように、2つのレチクルのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。
露光装置の種類としては、ウエハWに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0065】
次に、本発明の実施形態による露光装置及び露光方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図6は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
【0066】
まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0067】
次に、ステップS13(ウエハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウエハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
【0068】
図7は、半導体デバイスの場合におけるステップS13の詳細を示す図である。
ステップS21(酸化ステップ)おいては、ウエハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においては、ウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においては、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においては、ウエハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0069】
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップS27(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0070】
上記のステップS26において、適宜光洗浄を行うことで、リソグラフィシステムにおける汚染物質の発生を効果的に抑制することができる。
なお、本発明は、半導体素子等のマイクロデバイスだけではなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置等で使用されるレチクル又はマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハ等ヘ回路パターンを転写する露光装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0071】
1…真空チャンバ(筐体)、1a…洗浄光学部、1b…洗浄光学部、32B…ガス供給部、100…露光装置、EC…洗浄用光(露光光)EL…露光光、ILS…照明光学系、M1…ミラー、M1a…洗浄光学部、M1H…ミラーホルダ、PO…投影光学系、R…レチクル(反射型マスク)、Ra…パターン領域、Rb…非パターン領域、Rc…凸部、RH…レチクルホルダ(マスクホルダ)、RHa…洗浄光学部、RHb…洗浄光学部、RST…レチクルステージ(マスクステージ)、W…ウエハ(感光性基板)、Wa…洗浄光学部、WST…ウエハステージ(基板ステージ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射パターンが設けられたパターン領域を有する反射型マスクであって、
入射した光を前記パターン領域が反射する反射方向とは異なる方向に反射又は散乱させる非パターン領域を有する反射型マスク。
【請求項2】
前記パターン領域及び前記非パターン領域は、互いに隣接して配置されている請求項1に記載の反射型マスク。
【請求項3】
前記パターン領域及び前記非パターン領域は、前記光の走査方向に沿う方向に互いに隣接して配置されている請求項2に記載の反射型マスク。
【請求項4】
前記非パターン領域は、少なくとも1つの凸部又は凹部を有する請求項1又は請求項2に記載の反射型マスク。
【請求項5】
前記非パターン領域は、さらに、入射した光を前記パターン領域が反射する反射方向と同じ方向に反射する請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の反射型マスク。
【請求項6】
反射型マスクに設けられたパターンを感光性基板に形成する露光装置であって、
前記反射型マスクに露光光を照射する照明光学系と、
前記パターンで反射した前記露光光で、前記感光性基板を露光する投影光学系と、
前記露光光の少なくとも一部を反射又は散乱させて前記感光性基板とは異なる洗浄対象部に、前記反射又は散乱した前記露光光の少なくとも一部を照射する洗浄光学部とを有する露光装置。
【請求項7】
前記反射型マスクを保持するマスクホルダと、前記マスクホルダを保持して移動するマスクステージと、を有し、
前記洗浄光学部は、前記反射型マスク、前記マスクホルダ、及び前記マスクステージの少なくともいずれかに設けられている請求項6に記載の露光装置。
【請求項8】
前記投影光学系は、前記露光光を反射させて前記感光性基板に導くミラーと、前記ミラーを保持するミラーホルダと、を有し、
前記洗浄光学部は、前記ミラー及び前記ミラーホルダの少なくともいずれかに設けられている請求項6又は請求項7に記載の露光装置。
【請求項9】
前記感光性基板を保持して移動する基板ステージを有し、
前記洗浄光学部は、前記感光性基板又は前記基板ステージの少なくともいずれかに設けられている請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の露光装置。
【請求項10】
前記洗浄対象部の近傍に酸化性ガスまたは還元性ガスを供給するガス供給部を有する請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の露光装置。
【請求項11】
前記洗浄対象部は、前記照明光学系及び前記投影光学系を収容する筐体の一部を含む請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の露光装置。
【請求項12】
反射型マスクに設けられたパターンを感光性基板に形成する露光方法であって、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の反射型マスクを用い、
前記パターン領域に前記露光光を照射して前記感光性基板を露光することと、
前記非パターン領域に前記露光光を照射して前記感光性基板と異なる洗浄対象部を光洗浄することと、
を含む露光方法。
【請求項13】
反射型マスクに設けられたパターンを感光性基板に形成する露光方法であって、
請求項6から請求項11のいずれか一項に記載の露光装置を用い、
前記反射型マスクに前記露光光を照射して前記感光性基板を露光することと、
前記洗浄光学部に前記露光光を照射して前記洗浄対象部を光洗浄することと、
を含む露光方法。
【請求項14】
前記洗浄対象部を光洗浄する際に、前記洗浄対象部の近傍に酸化性ガスまたは還元性ガスを供給すること
を含む請求項12又は請求項13に記載の露光方法。
【請求項15】
前記酸化性ガスは、O、O、HO、H、CO、NOの中から選択される一種以上のガスを含み、
前記還元性ガスは、Hを含む
請求項14に記載の露光方法。
【請求項16】
請求項6から請求項11のいずれか一項に記載の露光装置を用いて感光性基板を露光することと、
露光された前記感光性基板を処理することを含むデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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