説明

収納ケース

【課題】ケース本体内を二方向に仕切れて、収納空間部を細かく区分けすることができる収納ケースを提供すること。
【解決手段】ケース本体1と、このケース本体1内を仕切る仕切り体2と、この仕切り体2の仕切り方向と直交する方向を仕切る第二仕切り体4とを備えた収納ケース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばCDやDVDや書籍などの小物を収納する収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種収納ケースには、ケース本体内に装着可能な仕切り体(板)を備えて、この仕切り体によってケース本体内を複数の収納空間部に区分けできるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3897294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のような仕切り体を具備する収納ケースは、仕切り体でケース本体内を一方向にしか仕切ることができなかった。
【0005】
本発明は、この点、仕切り体と直交する方向を仕切ることができる第二仕切り体を備えてケース本体内を二方向に仕切れるようにし、これによりケース本体内の収納空間部を更に細かく区分けすることができる収納ケースを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
上部が開口する箱形のケース本体1と、このケース本体1内を仕切る板状の仕切り体2とから成り、前記仕切り体2の両端部に、前記ケース本体1の対向上縁部に上方から着脱自在に嵌合可能であって且つケース本体1の対向上縁部に対する嵌合位置を変更可能な嵌合部3を設けて、この嵌合部3を、前記ケース本体1の対向上縁部に嵌合することによりこの仕切り体2をケース本体1の対向上縁部間に架設状態に装着し得るように構成した収納ケースにおいて、前記仕切り体2の上縁部に上方から着脱自在に掛止可能であって且つ仕切り体2の上縁部に対する掛止位置を変更可能な掛止部5に、この掛止部5を仕切り体2の上縁部に掛止した際に仕切り体2の上縁部の長さ方向と直交する方向に突出する仕切り板6を突設して成る第二仕切り体4を備えたことを特徴とする収納ケースに係るものである。
【0008】
また、前記嵌合部3は、下部が開放する断面コ字状に形成することにより、この嵌合部3を前記ケース本体1の対向上縁部に上方から着脱自在に嵌合可能であって且つケース本体1の対向上縁部に対する嵌合位置を変更可能な構成とし、前記掛止部5は、下部が開放する断面コ字状に形成することにより、この掛止部5を前記仕切り体2の上縁部に上方から着脱自在に掛止可能であって且つ仕切り体2の上縁部に対する掛止位置を変更可能な構成としたことを特徴とする請求項1記載の収納ケースに係るものである。
【0009】
また、前記ケース本体1の対向上縁部に、この対向上縁部の長さ方向に間隔を置いて複数並設状態に係合用溝部7若しくは係止凸部8を設け、この対向上縁部に前記嵌合部3を嵌合した際に前記係合用溝部7若しくは係止凸部8と係脱自在に係止する係止凸部8若しくは係合用溝部7を前記嵌合部3に設けて、この嵌合部3の係止凸部8若しくは係合用溝部7を、前記ケース本体1の対向上縁部に複数並設する係合用溝部7若しくは前記係止凸部8に選択係止することにより前記仕切り体2のケース本体1に対する装着位置を変更し得るように構成し、前記仕切り体2の上縁部に、この仕切り体2上縁部の長さ方向に間隔を置いて複数並設状態に位置決め用溝部9若しくは係止突起10を設け、この仕切り体2の上縁部に前記第二仕切り体4の掛止部5を掛止した際に前記位置決め用溝部9若しくは係止突起10と係脱自在に係止する係止突起10若しくは位置決め用溝部9を前記掛止部5に設けて、この掛止部5の係止突起10若しくは位置決め用溝部9を、仕切り体2の上縁部に複数並設する前記位置決め用溝部9若しくは係止突起10に選択係止することにより前記第二仕切り体4の仕切り体2に対する掛止位置を変更し得るように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の収納ケースに係るものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述のように構成したから、仕切り体と第二仕切り体とで、ケース本体内を二方向に仕切ることができるので、仕切り体によって形成される収納空間部と第二仕切り体によって形成される収納細空間部とに色々な収納物を整理収納でき、しかも、仕切り体はケース本体に対する架設装着位置を自由に変更できるし、第二仕切り体も仕切り体の上縁部に対する掛止位置を自由に変更できるため、収納空間部の大きさも収納細空間部の大きさも自由に設定変更可能で収納物の種類や使い勝手に合わせた様々な収納の仕方に対応できるなど、極めて実用性に優れた収納ケースとなる。
【0011】
また、請求項2記載の発明においては、ケース本体の対向上縁部に上方から着脱自在に嵌合可能であって且つケース本体の対向上縁部に対する嵌合位置を変更可能な嵌合部を簡易に設計実現可能となると共に、仕切り体の上縁部に上方から着脱自在に掛止可能であって且つ仕切り体の上縁部に対する掛止位置を変更可能な掛止部を簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の収納ケースとなる。
【0012】
また、請求項3記載の発明においては、仕切り体も第二仕切り体も、ケース本体若しくは仕切り体に対して容易に位置変更できると共に、ケース本体若しくは仕切り体に対して位置決め状態に装着できるので、この仕切り体と第二仕切り体とが不用意に移動してしまうようなことはなく、この仕切り体と第二仕切り体とでケース本体内を確実に仕切れると共に収納物を立った状態に支持するようなことも確実に行われることになる一層実用性に優れた構成の収納ケースとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施例の使用状態を示す斜視図である。
【図2】本実施例の使用状態を示す平面図である。
【図3】本実施例の要部を示す部分拡大斜視図である。
【図4】本実施例の、ケース本体から仕切り体を分解した状態を示す説明部分拡大斜視図である。
【図5】本実施例の、ケース本体に装着された仕切り体から第二仕切り体を分解した状態を示す説明部分拡大斜視図である。
【図6】本実施例の要部を示す説明部分拡大平断面図である。
【図7】本実施例の、仕切り体をケース本体の最も端側に装着した状態を示す部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0015】
箱形のケース本体1の対向上縁部に、仕切り体2の両端部の嵌合部3を上方から嵌合することでこの仕切り体2をケース本体1の対向上縁部間に架設状態に装着すると、この仕切り体2でケース本体1内が仕切られてケース本体1内が複数の収納空間部S1に区分けされることになる。
【0016】
また、嵌合部3は、ケース本体1の対向上縁部に対する嵌合位置を変更でき、この嵌合部3の嵌合位置変更によって仕切り体2のケース本体1への架設装着位置を変更できるため、収納物11の数や量などに応じてケース本体1内の複数の収納空間部S1の大きさを容易に調整変更可能である。
【0017】
従って、この仕切り体2で仕切られたケース本体1内の複数の収納空間部S1に例えば異なる種類の収納物11を種別毎に分けて整理収納することが可能であり、また、例えばCD11AやDVD11Bや書籍などの背表紙12を有する収納物11をその背表紙12が上になるようにしてケース本体1内に収納した際、これらのジャケット面若しくは表紙に沿設状態となるように仕切り体2をケース本体1の対向上縁部間に架設装着することによって、これらを仕切り体2で倒れないように支持してその背表紙12(タイトルなど)を確認し易い状態で収納することもできる。
【0018】
また、本発明は、第二仕切り体4を備えている。
【0019】
この第二仕切り体4は、その掛止部5を前記仕切り体2の上縁部に上方から掛止することによって仕切り体2に装着することができ、この第二仕切り体4によってケース本体1内の前記収納空間部S1を更に細かく区分けすることができる。
【0020】
具体的には、この第二仕切り体4の仕切り板6が仕切り体2の上縁部の長さ方向と直交する方向に突出して、この仕切り板6によってケース本体1内の前記収納空間部S1を仕切り体2と直交する方向に仕切ることができる。即ち、収納空間部S1が仕切り板6によって更に細かい複数の収納細空間部S2に区分けされることになる。
【0021】
また、この第二仕切り体4の掛止部5は、仕切り体2の上縁部に対する掛止位置を変更でき、この掛止部5の掛止位置変更によって第二仕切り体4(仕切り板6)のケース本体1内(収納空間部S1)での装着位置を変更できるため、収納物11の数や量に応じて複数の収納細空間部S2の大きさを容易に調整変更可能である。
【0022】
従って、この第二仕切り体4で仕切られたケース本体1内の複数の収納細空間部S2に例えば異なる種類の収納物11を種別毎に分けて整理収納することが可能であり、また、例えば、CD11AやDVD11Bや書籍などの背表紙12を有する収納物11をその背表紙12が上になるようにして収納細空間部S2に収納した際、これらのジャケット面若しくは表紙に仕切り板6が沿設状態となるように第二仕切り体4を仕切り体2の上縁部に掛止装着することによって、これらを仕切り体2で倒れないように支持してその背表紙12(タイトルなど)を確認し易い状態で収納することもできる。
【0023】
よって、本発明によれば、仕切り体2と第二仕切り体4とでケース本体1内を二方向に仕切ることが可能であり、これによってケース本体1内に複数の前記収納空間部S1と複数の収納細空間部S2とを形成でき、しかもこの複数の前記収納空間部S1と複数の収納細空間部S2とは、その大きさを自由に変更できるため、収納物11の種類や使い勝手などに合わせた様々な収納の仕方に対応可能となる。
【0024】
また、本発明によれば、CD11Aの収納に適した形状のケース本体1にCD11AとトールケースのDVD11Bを一緒に収納する場合に、仕切り体2で仕切られた一側の収納空間部S1にCD11Aをその背表紙12を上にして且つジャケット面を仕切り体2と平行にして立てて収納し、仕切り体2で仕切られた他側の収納空間部S1にDVD11Bをその背表紙12を上にして且つジャケット面を仕切り体2と直交する方向に向けて立てて収納するようにすることで、CD11Aは仕切り体2によって倒れない状態に支持され、DVD11Bは第二仕切り体4の仕切り板6によって倒れない状態に支持されて、大きさの異なるCD11AとDVD11Bの双方を夫々の背表紙12(タイトルなど)を確認し易い状態にして収納することが可能である(図1,図2参照。)。
【0025】
また、例えば、前記嵌合部3と前記掛止部5とを、下部が開放する断面コ字状の部材に形成すれば、この下部が開放する嵌合部3を、前記ケース本体1の対向上縁部の適所に上方から容易に嵌合して仕切り体2をケース本体1に装着できると共に、この嵌合部3はケース本体1の対向上縁部に対する嵌合位置の変更も容易に行われることとなり、同様に下部が開放する前記掛止部5は、前記仕切り体2の上縁部の適所に上方から容易に掛止して第二仕切り体4を仕切り体2に装着できると共に、この掛止部5は仕切り体2の上縁部に対する掛止位置の変更も容易に行われることとなる。
【0026】
また、例えば、前記ケース本体1の対向上縁部に、この対向上縁部の長さ方向に間隔を置いて複数並設状態に係合用溝部7若しくは係止凸部8を設け、この対向上縁部に前記嵌合部3を嵌合した際に前記係合用溝部7若しくは係止凸部8と係脱自在に係止する係止凸部8若しくは係合用溝部7を前記嵌合部3に設ければ、この嵌合部3(仕切り体2)は、その係止凸部8若しくは係合用溝部7を、前記ケース本体1の対向上縁部の係合用溝部7若しくは係止凸部8に係止するとケース本体1に対して位置決め状態となり、また嵌合部3の係止凸部8若しくは係合用溝部7を、ケース本体1の対向上縁部の複数の係合用溝部7若しくは係止凸部8に選択係止することによって仕切り体2のケース本体1に対する架設装着位置を変更することができる。
【0027】
また、例えば、前記仕切り体2の上縁部に、この仕切り体2上縁部の長さ方向に間隔を置いて複数並設状態に位置決め用溝部9若しくは係止突起10を設け、この仕切り体2の上縁部に前記第二仕切り体4の掛止部5を掛止した際に前記位置決め用溝部9若しくは係止突起10と係脱自在に係止する係止突起10若しくは位置決め用溝部9を前記掛止部5に設ければ、この掛止部5は、その係止突起10若しくは位置決め用溝部9を、前記仕切り体2の上縁部の位置決め用溝部9若しくは係止突起10に係止すると仕切り体2に対して位置決め状態となり、また掛止部5の係止突起10若しくは位置決め用溝部9を、仕切り体2の複数の位置決め用溝部9若しくは係止突起10に選択係止することによって第二仕切り体4の仕切り体2に対する掛止装着位置を変更することができる。
【実施例】
【0028】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0029】
本実施例の収納ケースは、上部が開口する箱形のケース本体1と、このケース本体1の上部開口部を開閉自在に閉塞する蓋体13と、前記ケース本体1の対向上縁部に取り付けられてケース本体1内を仕切る板状の仕切り体2(第一仕切り体2)と、この仕切り体2に取り付けられてこの仕切り体2と直交する方向を仕切る第二仕切り体4とから成り、このケース本体1と蓋体13と仕切り体2と第二仕切り体4とは、いずれも合成樹脂製としている。
【0030】
本実施例のケース本体1は、図1,図2に示すように、平面視で略長方形状をなす箱形体に構成(樹脂成形)している。
【0031】
また、このケース本体1は、その短手方向の幅寸法を収納物11としてのCD11A(のプラケース)のジャケット面の上下幅よりやや大きい幅寸法に設定して、この短手方向とジャケット面が平行となるようにして且つCD11Aの背表紙12が上になるようにしてCD11Aをケース本体1内に立てて収納することにより、複数のCD11Aをケース本体1の長手方向にそのジャケット面同士を重合状態にして並設収納できるように構成している(図1,図2参照。)。即ち、本実施例のケース本体1は、CD11Aの収納に適する形状に構成した場合を示している。
【0032】
また、このケース本体1は、上部開口部の対向長縁部(上縁部)を、その両端部の小範囲を残して薄厚な縦板状に成形し、この薄板状の対向長縁部に後述する嵌合部3を嵌合し得るように構成している。
【0033】
本実施例の蓋体13は、図1に示すように、ケース本体1と同様に平面視略長方形状をなす板状体に構成(樹脂成形)すると共に、その対向短縁部にバックル14を設けて、このバックル14をケース本体1上部開口部の対向短縁部に係脱自在に係止することによって、蓋体13をケース本体1に対し閉塞固定できる構成としている。
【0034】
本実施例の仕切り体2は、図3〜図5に示すように、前記ケース本体1の上部開口部の対向長縁部(対向上縁部)間の間隔幅と略合致する長さを有する横長の帯板体に構成(樹脂成形)し、この仕切り体2の板面を例えばCD11Aのジャケット面に沿設状態にしてケース本体1内に装着すると、CD11Aを立った状態に支持できる構成としている。
【0035】
また、この仕切り体2の長さ方向の両端部には、前記ケース本体1の上部開口部の薄板状の対向長縁部に上方から着脱自在に嵌合可能であって且つケース本体1の対向長縁部に対する嵌合位置を変更可能な嵌合部3を一体的に設けている(嵌合部3を仕切り体2とともに一体成形している。)。
【0036】
ここで嵌合部3について説明すると、図3〜図5に示すように、立設状態の横長の仕切り体2に対して下部が開放する断面コ字形体であって、そのコ字溝の溝長が仕切り体2の長さ方向と直交する方向に存する形状に構成(樹脂成形)している。
【0037】
従って、このコ字形の各嵌合部3を前記ケース本体1の対向長縁部に上方から着脱自在に被嵌合でき、これにより仕切り体2をケース本体1の対向長縁部間に架設状態に装着できる構成としている。即ち、この両端部の嵌合部3をケース本体1の対向上縁部(長縁部)に嵌合すると、仕切り体2の板面が鉛直方向に存してケース本体1内をその長手方向に仕切る(二分する)こととなり、ケース本体1内が二つの収納空間部S1に区分けされることになる構成としている。尚、図面では、仕切り体2を一体だけ備えて、ケース本体1内を二つの収納空間部S1に区分けできるようにした場合を示しているが、仕切り体2を二体以上備えて三つ以上の収納空間部S1が形成されるようにしても良い。
【0038】
また、この嵌合部3は、ケース本体1の対向長縁部から上方へ持ち上げるだけで容易に嵌脱できるので、ケース本体1の対向長縁部に対する嵌合位置を適宜変更可能であり、これにより例えばケース本体1内に収納する収納物11の数や量に応じて簡単に且つ自由に仕切り体2の架設装着位置(仕切り位置)を変更できる(二つの収納空間部S1の大きさを変更できる)ように構成している。
【0039】
また、この嵌合部3は、仕切り体2の一側板面に対しこの一側板面の外方に向けて突設状態に設け(樹脂成形し)ている。従って、この嵌合部3の突出先端側をケース本体1の対向長縁部の中央側に向けて嵌合部3をケース本体1の対向長縁部の端部に嵌合すると、この仕切り体2の他側板面がケース本体1の対向長縁部の長さ方向と直交する方向に存する側壁部(ケース本体1の短手方向に存する側壁部)の内面に沿設配設することになる構成としている(図7参照。)。即ち、この仕切り体2が不要な場合にも、この仕切り体2を短手方向の内面に沿設させて邪魔になりにくい状態(ケース本体1内を仕切らない状態)でケース本体1内に装着しておくことができる構成としている。
【0040】
また、本実施例では、前記ケース本体1の対向長縁部に、この対向長縁部の長さ方向に間隔を置いて複数並設状態に係合用溝部7を設け、この対向長縁部に前記嵌合部3を嵌合した際に前記係合用溝部7に係脱自在に係止する係止凸部8を前記嵌合部3に設けて、この嵌合部3の係止凸部8を、前記ケース本体1の対向上縁部に複数並設する前記係合用溝部7に選択係止し得るように構成している。
【0041】
具体的には、ケース本体1の薄板状の対向長縁部の外面に、上下方向に長さを有するリブ15をこの対向長縁部の長さ方向に間隔を置いて多数並設状態に設け(一体成形し)、この複数のリブ15間に存する溝凹部を前記係合用溝部7としている(図3〜図7参照。)。即ち、係合用溝部7は、上下方向に溝長を有する構成としている。
【0042】
一方、図4,図6に示すように、嵌合部3の外側の遊離端部の内面に、上下方向に長さを有するリブ8をこの嵌合部3のコ字溝の溝長さ方向に間隔を置いて複数並設状態に設け(一体成形し)、この複数のリブ8を前記係止凸部8としている。
【0043】
従って、嵌合部3をケース本体1の対向長縁部に被嵌合する際、嵌合部3の係止凸部8を、ケース本体1の対向長縁部に多数並設する前記係合用溝部7に選択係止することにより仕切り体2のケース本体1に対する架設装着位置を変更し得るように構成すると共に、係止凸部8と係合用溝部7の係止作用により仕切り体2のケース本体1に対する架設装着位置を位置決めできる構成としている。
【0044】
尚、ケース本体1の対向長縁部に係止凸部8を設け、嵌合部3に係合用溝部7を設けるようにしても良い。
【0045】
本実施例の第二仕切り体4は、前記仕切り体2の上縁部に上方から着脱自在に掛止可能であって且つ仕切り体2の上縁部に対する掛止位置を変更可能な掛止部5に、この掛止部5を仕切り体2の上縁部に掛止した際に仕切り体2の上縁部の長さ方向と直交する方向に突出する仕切り板6を一体に突設した構成としている。
【0046】
更に具体的には、掛止部5は、図5に示すように、下部が開放する断面コ字形体に構成(樹脂成形)したものであり、この掛止部5を、前記仕切り体2の上縁部に上方から着脱自在に掛止(被嵌合)でき、これにより第二仕切り体4を仕切り体2に装着できる構成としている。
【0047】
また、この掛止部5は、仕切り体2の上縁部から上方へ持ち上げるだけで容易に掛脱(嵌脱)できるので、仕切り体2の上縁部に対する掛止(嵌合)位置を適宜変更可能であり、これにより例えばケース本体1内に収納する収納物11の数や量に応じて簡単に且つ自由に第二仕切り体4の仕切り位置を変更し得るように構成している。
【0048】
また、仕切り板6は、図5に示すように、掛止部5のコ字溝の溝長と直交する方向に短く突設する方形板状体に構成(掛止部5とともに一体成形)している。即ち、掛止部5を仕切り体2の上縁部に掛止すると、仕切り板6の板面が鉛直方向に存すると共に仕切り板6が仕切り体2に対し直交状態に突設してケース本体1内の前記収納空間部S1を、ケース本体1の長手方向と直交する方向に仕切る(二分する)こととなり、収納空間部S1が更に二つに細分化される(二つの収納細空間部S2に区分けされる)ことになる構成としている。尚、図面では、第二仕切り体4を一体だけ備えて収納空間部S1を二つの収納細空間部S2に区分けできるようにした場合を示しているが、第二仕切り体4を二体以上備えて三つ以上の収納細空間部S2が形成されるようにしても良い。
【0049】
また、この仕切り板6の突出長は、前記ケース本体1の長さ幅の1/10〜1/22程度(更に好ましくは1/15〜1/19程度)に設定し、このように仕切り板6の突出長を短くしたことにより、第二仕切り体4が掛止装着されたままでも仕切り体2をケース本体1に対して位置変更することが可能となるようにしている。尚、請求項1中の「第二仕切り体」なる構成要件は、収納空間部S1を完全に区切れるものだけを指すのではなく、本実施例のように部分的に区切れるようなものも含む意味合いで用いている。
【0050】
また、この仕切り板6は、その上縁部を掛止部5の上部と面一に形成する一方、下縁部は掛止部5の下部より低い位置まで垂下する形状に形成している。
【0051】
また、本実施例では、前記仕切り体2の上縁部に、この仕切り体2上縁部の長さ方向に間隔を置いて複数並設状態に位置決め用溝部9を設け、この仕切り体2の上縁部に前記第二仕切り体4の掛止部5を掛止した際に前記位置決め用溝部9に係脱自在に係止する係止突起10を前記掛止部5に設けて、この掛止部5の係止突起10を、仕切り体2上縁部に複数並設する前記位置決め用溝部9に選択係止し得るように構成している。
【0052】
具体的には、図3〜図7に示すように、仕切り体2の上部側の表裏両面に、上下方向に長さを有するリブ15をこの仕切り体2の長さ方向に間隔を置いて多数並設状態に設け(一体成形し)、この複数のリブ15間に存する凹溝部を前記位置決め用溝部9としている。即ち、位置決め用溝部9は、上下方向に溝長を有する構成としている。
【0053】
一方、図6に示すように、掛止部5の遊離両端部の内面夫々に、上下方向に長さを有するリブ10をこの掛止部5のコ字溝の溝長さ方向に間隔を置いて複数並設状態に設け(一体成形し)、このリブ10を前記係止突起10としている。
【0054】
従って、掛止部5を仕切り体2の上縁部に掛止する際、掛止部5の係止突起10を、仕切り体2の上縁部に多数並設する前記位置決め用溝部9に選択係止することにより第二仕切り体4の仕切り体2に対する装着位置を変更し得るように構成すると共に、係止突起10と位置決め用溝部9の係止作用により第二仕切り体4の仕切り体2に対する装着位置を位置決めできる構成としている。
【0055】
尚、仕切り体2の上縁部に係止突起10を設け、掛止部5に位置決め用溝部9を設けるようにしても良い。
【0056】
このように構成した本実施例によれば、箱形のケース本体1の対向長縁部に、仕切り体2の両端部の嵌合部3を上方から嵌合することでこの仕切り体2をケース本体1の対向上縁部間に架設装着してケース本体1内を長手方向に仕切って二つの収納空間部S1を形成することができる。
【0057】
また、仕切り体2の上縁部に、第二仕切り体4の掛止部5を上方から掛止することで、この第二仕切り体4の仕切り板6が仕切り体2の上縁部の長さ方向と直交する方向に突出して、この仕切り板6でケース本体1内の前記収納空間部S1を仕切り体2と直交する方向に仕切ることができる。即ち、収納空間部S1に第二仕切り体4(仕切り板6)によって更に細分化された収納細空間部S2を形成することができる。
【0058】
また、図1,図2は、本実施例の収納態様の一例を示している。具体的には、仕切り体2で仕切られた一側の収納空間部S1にCD11Aをその背表紙12を上にして且つジャケット面を仕切り体2と平行にして立てて収納し、仕切り体2で仕切られた他側の収納空間部S1に、トールケースのDVD11Bをその背表紙12を上にして且つジャケット面を仕切り体2と直交する方向を向くように立てて収納し、更に一側の収納空間部S1のCD11Aの収納数を調整して他側の収納空間部S1が丁度DVD11Bの収納に適した空間になるようにした場合を示しており、この収納態様ではCD11Aは仕切り体2によって倒れない状態に支持され、DVD11Bは第二仕切り体4の仕切り板6によって倒れない状態に支持されて、大きさの異なるCD11AとDVD11Bの双方を夫々の背表紙12(タイトルなど)を確認し易い状態で収納できている。
【0059】
また、仕切り体2と第二仕切り体4とをケース本体1から取り外して使用することも可能である。
【0060】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0061】
1 ケース本体
2 仕切り体
3 嵌合部
4 第二仕切り体
5 掛止部
6 仕切り板
7 係合用溝部
8 係止凸部
9 位置決め用溝部
10 係止突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口する箱形のケース本体と、このケース本体内を仕切る板状の仕切り体とから成り、前記仕切り体の両端部に、前記ケース本体の対向上縁部に上方から着脱自在に嵌合可能であって且つケース本体の対向上縁部に対する嵌合位置を変更可能な嵌合部を設けて、この嵌合部を、前記ケース本体の対向上縁部に嵌合することによりこの仕切り体をケース本体の対向上縁部間に架設状態に装着し得るように構成した収納ケースにおいて、前記仕切り体の上縁部に上方から着脱自在に掛止可能であって且つ仕切り体の上縁部に対する掛止位置を変更可能な掛止部に、この掛止部を仕切り体の上縁部に掛止した際に仕切り体の上縁部の長さ方向と直交する方向に突出する仕切り板を突設して成る第二仕切り体を備えたことを特徴とする収納ケース。
【請求項2】
前記嵌合部は、下部が開放する断面コ字状に形成することにより、この嵌合部を前記ケース本体の対向上縁部に上方から着脱自在に嵌合可能であって且つケース本体の対向上縁部に対する嵌合位置を変更可能な構成とし、前記掛止部は、下部が開放する断面コ字状に形成することにより、この掛止部を前記仕切り体の上縁部に上方から着脱自在に掛止可能であって且つ仕切り体の上縁部に対する掛止位置を変更可能な構成としたことを特徴とする請求項1記載の収納ケース。
【請求項3】
前記ケース本体の対向上縁部に、この対向上縁部の長さ方向に間隔を置いて複数並設状態に係合用溝部若しくは係止凸部を設け、この対向上縁部に前記嵌合部を嵌合した際に前記係合用溝部若しくは係止凸部と係脱自在に係止する係止凸部若しくは係合用溝部を前記嵌合部に設けて、この嵌合部の係止凸部若しくは係合用溝部を、前記ケース本体の対向上縁部に複数並設する係合用溝部若しくは前記係止凸部に選択係止することにより前記仕切り体のケース本体に対する装着位置を変更し得るように構成し、前記仕切り体の上縁部に、この仕切り体上縁部の長さ方向に間隔を置いて複数並設状態に位置決め用溝部若しくは係止突起を設け、この仕切り体の上縁部に前記第二仕切り体の掛止部を掛止した際に前記位置決め用溝部若しくは係止突起と係脱自在に係止する係止突起若しくは位置決め用溝部を前記掛止部に設けて、この掛止部の係止突起若しくは位置決め用溝部を、仕切り体の上縁部に複数並設する前記位置決め用溝部若しくは係止突起に選択係止することにより前記第二仕切り体の仕切り体に対する掛止位置を変更し得るように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の収納ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−162301(P2012−162301A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24705(P2011−24705)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(592141835)ニラサワ製販株式会社 (13)
【Fターム(参考)】