説明

収納棚における荷物の落下防止装置

【課題】荷物の落下を確実に防止でき、作業効率を向上できる荷物の落下防止装置の提供。
【解決手段】収納棚に設けられた荷収納部15は、荷物Wを支持する荷受台12と、荷物Wの出入が可能な開口部24と、開口部24からの荷物Wの落下を防止する荷物落下防止手段としての落下防止具18とを備えた収納棚における荷物の落下防止装置において、落下防止具18は、荷収納部15の側方の支軸21を支点に上下動する支持アーム19と、支持アーム19の前端に備えられ支持アーム19の揺動に伴って昇降する落下防止部材20と、支持アーム19に備えられる制御片23と、支持アーム19を支軸21を支点に上方に付勢する付勢部材としてのウェイト22とを有し、荷物Wによる制御片23の押動又は、押動の解除に伴い、落下防止部材20が荷物Wの前方に位置する作動位置又は、上方に退避した非作動位置に移動可能に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫等における収納棚における荷物の落下防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の収納棚には、地震発生時など揺れが原因で収納されている荷物が落下するのを防止するために、各収納棚の間口の中央部に棒状、板状、ロープ状等の落下防止装置を設けたものがある。このような落下防止装置が設けられた収納棚へ荷物を入出庫する場合において、入庫時にはフォーク等で収納棚に荷物を入庫した後で落下防止装置を手動で設定し荷物が落下しない状態にする必要があり、また出庫時には落下防止装置を手動で解除して荷物を取り出せるようにしてから出庫を行う必要があった。何れの場合においても、収納棚への荷物の入出庫動作に加えて、落下防止装置の手動による装着、解除の操作が必要となり、作業効率が低下する問題があった。
【0003】
このような問題に対処するために、特許文献1で開示された従来技術では、左右一対の荷受台3を備えた荷格納棚が開示されており、荷5はその底部左右両側がそれぞれ荷受台3に支持される状態で各荷受部1内に格納されている。荷受台3の前端部には、前側板7から上方に突出する荷係止部8と、前側板7から後方に連設された両側板9と、両側板9の後端に形成された被押下部10とから構成された荷落下防止具6が設けられており、荷落下防止具6は荷受台3に取り付けられた水平横軸11の周りを回動可能に支持されている。
【0004】
荷受台3に荷5が載置されていない状態においては、荷落下防止具6が自重により水平横軸11の周りを回動し、荷係止部8の上端は荷受台3の上面と略面一の位置にあり、被押下部10は荷受台3の上面より若干上方に突出している。荷受台3に荷5を載置した場合には、被押下部10が荷5の底部によって押し下げられ、荷落下防止具6は矢印13方向へ重力に抗して回動し、荷係止部8は荷受台3の上面から上方へ突出する。このことにより、荷5が前方へ移動するのを防止される。よって、荷受台3に荷5を載せるだけで、荷落下防止具6の荷係止部8が荷受台3より上方に突出し荷物の滑り落ちが防止されるので、荷落下防止具6を手動で設定する必要がなく、作業効率を向上できるとしている。
【特許文献1】実願昭56−39601号のマイクロフィルム(第1〜4頁、第1〜3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1で開示された従来技術においては、荷落下防止具6における荷係止部8の荷受台3より上方への突出量は非常に小さく、例えば、荷5が直接荷受台3に載置されている場合には、荷係止部8により荷5の下方先端部が係止されるが、地震発生時など揺れが大きい場合には荷5が前方へ倒れ落下してしまう恐れがある。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、荷物の落下を確実に防止でき、作業効率を向上できる収納棚における荷物の落下防止装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、荷物を収容する荷収納部を有する収納棚が設けられ、前記荷収納部は、該荷収納部内にて荷物を支持する荷受台と、前記荷収納部の前方に向けて開口され、前記荷物の出し入れが可能な開口部と、前記開口部からの前記荷物の落下を防止する荷物落下防止手段とを備えた収納棚における荷物の落下防止装置において、前記荷物落下防止手段は、前記荷収納部の側方に設けた支軸を支点として上下に揺動する支持アームと、該支持アームの前端に備えられ前記支持アームの揺動に伴って昇降する落下防止部材と、前記支持アームに備えられる制御片と、前記支持アームを前記支軸を支点として上方に移動する方向に付勢する付勢部材とを有し、前記制御片が前記荷物により押動されることにより、前記落下防止部材は、収容された前記荷物の前方で前記開口部からの荷物の落下を規制する作動位置に移動され、前記荷物による前記制御片の押動が解除されることにより、前記落下防止部材は前記開口部への荷物の出し入れを可能とする非作動位置に移動されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、荷物を荷収納部の前方の開口部より入庫する場合には、落下防止部材が開口部への荷物の出し入れを可能とする非作動位置に移動されているので、入庫の邪魔にならずに荷物を荷収納部に入庫することができる。荷収納部に収容された荷物により制御片が押動されることにより、支持アームは付勢部材の付勢力に抗して支軸を支点として回動され、支持アームの前端に備えられた落下防止部材は収容された荷物の前方で開口部からの荷物の落下を規制する作動位置に移動される。このことにより、荷物が荷収納部に収容された状態においては、荷物の前方側には落下防止部材が配置されていることになり、荷物の前方側への落下を確実に防止できる。
また、入庫された荷物を出庫する場合には、フォーク等により荷収納部に収容された荷物を持ち上げることにより、荷物による制御片の押動が解除され、支持アームは付勢部材の付勢力により支軸を支点として上方に回動され、落下防止部材は荷物の上方側に退避した非作動位置に移動する。このことにより、フォーク等により持ち上げられた荷物をそのまま前方の開口部より出庫することが可能となる。
このように、荷収納部への荷物の入出庫に応じて、落下防止手段が作動位置、非作動位置に自動的に配置されるので、手動で設定する場合と比較して作業効率の向上を図ることができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の収納棚における荷物の落下防止装置において、
前記支持アームを荷収納部の両側方に設け、前記落下防止部材が両側方の前記支持アームを連結することを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、支持アームが荷収納部の両側方に設けられ落下防止部材で連結されているので、落下防止手段の機械的強度を高めることが可能となる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の収納棚における荷物の落下防止装置において、前記支持アームは、前記支軸よりも前方の本体部と、該本体部から前記支軸よりも後方へ向けて延設された延設部とを有し、前記付勢部材は前記延設部に設けられたウェイトとすることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、支持アームに付勢部材として機能するウェイトを支持アームに延設するだけで良いので、落下防止装置の構造を簡素化できる。
【発明の効果】
【0010】
支持アームに落下防止部材を取り付け、上下方向に移動可能に軸支することにより、荷収納部への荷物の入出庫に応じて、落下防止装置が作動位置及び非作動位置に自動的に配置されるので、荷物の落下を確実に防止でき、作業効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この実施形態の収納棚における荷物の落下防止装置について図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示されるように、自動倉庫における収納棚10は、前後左右に立設される支柱11(図1では、左右方向の支柱11のみを示す)と、各支柱11に上下方向に所定間隔で設けられ左右に突出する腕木13と、腕木13の左右の端部間に設けられ前後の腕木13間に架設された連結部材14とで構成されている。尚、図1において、紙面の左右方向を収納棚10における左右方向とし、紙面の表面より裏面に向かう方向を前後方向とし、紙面の上下方向を収納棚10における上下方向とする。
【0012】
収納棚10には、前後左右の支柱11と上下の腕木13により区画された矩形の空間に、荷物Wを収容するための荷収納部15が形成されている。図1では、6箇所の荷収納部15を示している。
荷収納部15内には、荷収納部15内の下方に、左右の支柱11から内側に突出する腕木13と前後の腕木13間に架設された連結部材14とで荷物Wを支持する荷受台12が形成されている。荷物Wは左右より突出する荷受台12によって、荷物Wの底面の両端部が支持されるようになっている。尚、図1においては、荷物Wはパレット17を介して左右一対の荷受台12に載置されている。
荷収納部15は、前方に向けて開口され、荷物の出し入れが可能な開口部24を備えている。(図3参照)
【0013】
自動倉庫には、図示しないが収納棚10の前方を左右方向に走行し、また上下方向に昇降することにより収納棚10の各荷収納部15に対して荷物Wの入出庫を行うスライドフォーク16を備えたスタッカクレーンが設けられている。左右一対の荷受台12間は、スライドフォーク16の上下方向の移動を許容するフォーク通過間隔に設定されている。即ち、スライドフォーク16は、各荷収納部15に対して荷物Wの入出庫を行う時には、左右一対の荷受台12間に位置され、一対の荷受台12間の隙間距離i0は、スライドフォーク16の左右方向の幅距離i1よりも大きくとってある(i0>i1)。(図2参照)
図1では、6箇所の荷収納部15の内、3箇所の荷収納部15に荷物Wが収容された状態を示している。
【0014】
荷収納部15には、開口部24からの荷物Wの落下を防止する荷物落下防止手段としてのコの字型をした落下防止具18が設けられている。
図2及び図3に示されるように、落下防止具18は、荷収納部15の両側方に設けた支軸21を支点として上下に揺動する左右一対の支持アーム19と、両支持アーム19の前端に取り付けられ支持アーム19の揺動に伴って昇降する落下防止部材20とを備えている。支軸21は、荷受台12における連結部材14の後方寄りの場所に軸心を左右方向にして取り付けられている。
長尺状の支持アーム19は、支持アーム19の後方寄りの場所が支軸21により軸支されており、支軸21を支点として上下に揺動(回動)可能となっている。支持アーム19は、支軸21よりも前方の本体部19aと、本体部19aから支軸21よりも後方へ向けて延設された延設部19bとを有し、延設部19bの後端部にウェイト22が取り付けられている。尚、ウェイト22は、支持アーム19を支軸21を支点として上方に移動する方向に付勢する付勢部材に相当する。
【0015】
落下防止部材20は、左右一対の支持アーム19間に水平状態で固定され棒状部材により形成されている。落下防止部材20は、支持アーム19が支軸21を支点として上下に揺動するに伴い、上昇したり下降したりする。
また、支持アーム19には、荷物Wにより押動される制御片23が備えられている。制御片23は、L字型をした小片で、支持アーム19における支軸21寄りにおいて本体部19aと一体形成されている。制御片23は、本体部19aと接続される垂直部材と、垂直部材の下端から水平方向に延びる水平部材を有する。水平部材の一端は荷収納部15の内側に突出され、他端は垂直部材と接続されている。左右一対の支持アーム19においては、図2に示すように、制御片23はそれぞれの支持アーム19から内側に突出するように形成されている。荷物Wにより制御片23が押動されると、制御片23は下方に押し下げられる。
【0016】
図2及び図3では、落下防止具18が非作動位置に配置された状態を実線で示し、作動位置に配置された状態を仮想線で示している。ここで、作動位置とは、落下防止部材20が荷収納部15に収容された荷物Wの前方の位置に配置され、開口部24からの荷物Wの落下を規制することのできる位置を指している。また、非作動位置は、落下防止部材20が上方に移動して退避位置に配置され、開口部24を介して荷収納部15への荷物Wの出し入れが可能な位置を指している。
ここで、図2に示すように、左右一対の支持アーム19間の左右方向の幅距離g0は、パレット17及び荷物Wの左右方向の幅距離g1より大きく取られている(g0>g1)。また、図3に示すように、落下防止具18が非作動位置に配置されている時に、落下防止部材20の下端と制御片23の上端間の上下方向の高さ距離h0は、パレット17に載置された荷物Wの上下方向の高さ距離h1より大きく取られている(h0>h1)。
【0017】
荷物Wを荷収納部15の前方の開口部24より入庫する場合には、落下防止部材20が開口部24への荷物Wの出し入れを可能とする非作動位置に移動されているので、入庫の邪魔にならずに荷物Wを荷収納部15に入庫することができる。荷物W及びパレット17をスライドフォーク16で荷収納部15に入庫させて荷受台12に載置させることにより、パレット17の底部が制御片23を押動し、支持アーム19はウェイト22の付勢力に抗して支軸21を支点として下方に回動され、落下防止部材20は収容された荷物Wの前方に位置する作動位置に移動される。このことにより、荷物Wが荷収納部15に収容された状態においては、荷物Wの前方側には落下防止部材20が配置されていることになり、荷物Wの落下を確実に防止できる。
【0018】
また、入庫された荷物W及びパレット17を出庫する場合には、スライドフォーク16により荷収納部15に収容された荷物W及びパレット17を持ち上げることにより、荷物W及びパレット17による制御片23の押動が解除され、支持アーム19はウェイト22の付勢力により支軸21を支点として上方に回動され、落下防止部材20は非作動位置に移動する。このことにより、スライドフォーク16により持ち上げられた荷物W及びパレット17をそのまま前方の開口部24より出庫することが可能となる。
尚、荷収納部15の背面(前方の開口部24とは反対側)には、図示しないが、背面よりの荷物Wの落下を防止する部材が予め取り付けられているものとする。
【0019】
以上の構成を持つ収納棚10における荷物Wの落下防止装置についてその作用説明を図4に基づき行う。
図4(a)では、パレット17に載置された荷物Wをスライドフォーク16に載せた状態で、収納棚10における入庫される荷収納部15の前方まで移動される。この時、荷収納部15に設置されている落下防止部材20は、非作動位置にある。ここで、パレット17及び荷物Wが落下防止具18の内側を通過できるように、スライドフォーク16の位置調整が行われる。即ち、パレット17及び荷物Wが、落下防止部材20と制御片23の間に位置するようにスライドフォーク16の上下方向の位置調整が行われ、また、パレット17及び荷物Wが、左右一対の支持アーム19間に位置するようにスライドフォーク16の左右方向の位置調整が行われる。
【0020】
次に図4(b)では、スライドフォーク16は、パレット17及び荷物Wを載せた状態のまま前方の開口部24より後方に移動し、荷収納部15の前後方向の適切な位置までパレット17及び荷物Wを搬送する。この時、h0>h1で且つ、g0>g1なので、落下防止具18が荷物W及びパレット17と干渉することはない。また、スライドフォーク16は、左右一対の荷受台12間に位置され、i0>i1となっているので、左右一対の荷受台12と干渉することなく移動可能である。
【0021】
次に図4(c)では、スライドフォーク16は下方に移動し、荷物W及びパレット17を荷受台12に載置させる。この時、パレット17の底部が制御片23を押し下げることにより、支持アーム19は図4(c)において支軸21を支点として右回りに回動され、落下防止部材20は下方に移動される。このことにより、落下防止部材20は、荷物Wの前方側に位置する作動位置に配置され、地震発生時など揺れが大きい場合においても荷物Wの前方への移動、落下を防止できる。つまり、パレット17及び荷物Wを荷受台12に置くだけで、落下防止部材20が降下し、自動的に落下防止具18の設定を行うことができる。
加えて、左右一対の支持アーム19により、荷物Wは左右方向への移動を規制された状態にあり、荷物Wの左右方向への移動、落下の防止もできる。
スライドフォーク16は、荷物W及びパレット17を荷受台12に載置させた後、前方に移動し、次の入出庫動作に移行する。尚、スライドフォーク16の上記一連の動作は、図示しないスタッカクレーンに備えられている制御装置により自動的に行われる。
【0022】
収納棚10の荷収納部15に収容されている荷物Wを出庫する場合には、上記入庫の場合とは逆の動作となる。まず、図4(c)の状態にある荷物W及びパレット17に、前方よりスライドフォーク16が差し込まれ、パレット17に対する前後方向の適切な位置まで移動される。
【0023】
次に、図4(b)に示すように、スライドフォーク16は上方に移動し、荷物W及びパレット17を荷受台12より持ち上げる。この時、制御片23に作用していた下方への押し下げる力がなくなり、支持アーム19は、ウェイト22の自重により、図4(c)において支軸21を支点として左回りに回動し、落下防止部材20は上方に移動される。このことにより、落下防止部材20は、荷物Wの上方側に退避した非作動位置に配置される。
【0024】
落下防止部材20が非作動位置に移動することにより、荷物W及びパレット17の前方には荷物W及びパレット17を取り出せるだけの通路が確保され、図4(a)に示すように、スライドフォーク16は荷物W及びパレット17を載せた状態で前方に移動し、開口部24より荷物Wの出庫を行うことができる。
つまり、パレット17をスライドフォーク16で持ち上げるだけで、自動的に落下防止具18の設定が解除され、荷物Wを取り出すことが可能となる。
【0025】
この実施形態に係る収納棚10における荷物Wの落下防止装置によれば以下の効果を奏する。
(1)荷物W及びパレット17をスライドフォーク16で荷収納部15に入庫させ、荷物W及びパレット17を荷受台12に載置させることにより、パレット17の底部が制御片23を押動し、支持アーム19はウェイト22の付勢力に抗して支軸21を支点として下方に回動され、落下防止部材20は収容された荷物Wの前方で開口部24からの荷物Wの落下を規制する作動位置に移動される。このことにより、荷物Wが荷収納部15に収容された状態においては、荷物Wの前方側には落下防止部材20が配置されていることになり、地震発生時など揺れが大きい場合においても荷物Wの落下を確実に防止できる。
(2)スライドフォーク16により荷収納部15に収容された荷物W及びパレット17を持ち上げることにより、荷物W及びパレット17による制御片23の押動が解除され、支持アーム19はウェイト22の付勢力により支軸21を支点として上方に回動され、落下防止部材20は荷物Wの上方側に退避した非作動位置に移動する。このことにより、スライドフォーク16により持ち上げられた荷物W及びパレット17をそのまま前方の開口部24より出庫することが可能となる。
(3)パレット17及び荷物Wを荷受台12に置くだけで、落下防止部材20が作動位置に降下し、自動的に落下防止具18の設定を行うことができ、また、パレット17及び荷物Wを荷受台12より持ち上げるだけで、落下防止部材20が非作動位置に上昇し、自動的に落下防止具18の設定の解除を行うことができる。従って、荷収納部15への荷物Wの入出庫に応じて、落下防止具18が作動位置、非作動位置に自動的に配置されるので、手動による設定、解除の場合と比較して作業効率の向上を図ることができる。
(4)落下防止具18は、左右一対の支持アーム19と支持アーム19間に連結された落下防止部材20と荷物Wにより押動される制御片23及び支持アーム19を上方に移動する方向に付勢するウェイト22とを備え、支持アーム19の側方を支軸21により軸支された構造なので、構造が簡単であり、モータとか油圧装置等を用いる必要がなく、安価に実装可能である。
(5)支持アーム19が荷収納部15の左右両側方に設けられているので、落下防止部材20は両支持アーム19の前端間に横架支持され、また、両支持アーム19の後方寄り位置が支軸21に両持ち支持されていることになり、落下防止具18の機械的強度を高めることが可能となる。
(6)支持アーム19に延設部19bを設けウェイト22を取り付けることにより、落下防止部材20を支軸21を支点として上方に移動する方向に付勢することが可能となっており、落下防止装置の構造を簡素化できる。
(7)荷物Wが荷受台12に載置され、落下防止具18が作動位置に配置された時には、左右一対の支持アーム19により荷物Wは左右方向への移動を規制された状態にあり、このことにより荷物Wの左右方向への移動、落下の防止も可能となる。
【0026】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ この実施形態では、自動倉庫における収納棚として説明したが、自動倉庫以外の一般に用いられる収納棚に本発明を適用しても構わない。この場合には、フォークリフトなどで荷物の入出庫が行われる。
○ この実施形態では、支持アームが荷収納部の両側方に設けられているとして説明したが、支持アームは片方だけに設けても良い。
○ この実施形態では、付勢部材としてウェイトを用いるとして説明したが、ウェイトに代えてスプリングを用いても良い。
○ この実施形態では、支持アームと落下防止部材を別体形成した後、一体的に結合するとして説明したが、初めから一体物として鋳造或いは、切削等の製造方法により作成しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係る自動倉庫における収納棚の全体構成を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る収納棚における荷物の落下防止装置の要部拡大正面図である。
【図3】図2のA−A線側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る落下防止装置の作用説明用の側面図である。(a)荷物の入庫前の状態、(b)荷物の入庫位置に移動した状態、(c)荷受台に荷物を載置させた状態。
【符号の説明】
【0028】
10 収納棚
12 荷受台
15 荷収納部
18 落下防止具
19 支持アーム
20 落下防止部材
21 支軸
22 ウェイト
23 制御片
24 開口部
W 荷物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を収容する荷収納部を有する収納棚が設けられ、前記荷収納部は、該荷収納部内にて荷物を支持する荷受台と、前記荷収納部の前方に向けて開口され、前記荷物の出し入れが可能な開口部と、前記開口部からの前記荷物の落下を防止する荷物落下防止手段とを備えた収納棚における荷物の落下防止装置において、
前記荷物落下防止手段は、前記荷収納部の側方に設けた支軸を支点として上下に揺動する支持アームと、該支持アームの前端に備えられ前記支持アームの揺動に伴って昇降する落下防止部材と、前記支持アームに備えられる制御片と、前記支持アームを前記支軸を支点として上方に移動する方向に付勢する付勢部材とを有し、
前記制御片が前記荷物により押動されることにより、前記落下防止部材は、収容された前記荷物の前方で前記開口部からの荷物の落下を規制する作動位置に移動され、前記荷物による前記制御片の押動が解除されることにより、前記落下防止部材は前記開口部への荷物の出し入れを可能とする非作動位置に移動されることを特徴とする収納棚における荷物の落下防止装置。
【請求項2】
前記支持アームを荷収納部の両側方に設け、前記落下防止部材が両側方の前記支持アームを連結することを特徴とする請求項1記載の収納棚における荷物の落下防止装置。
【請求項3】
前記支持アームは、前記支軸よりも前方の本体部と、該本体部から前記支軸よりも後方へ向けて延設された延設部とを有し、前記付勢部材は前記延設部に設けられたウェイトとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の収納棚における荷物の落下防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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