説明

収納棚管理システム及び収納管理方法

【課題】好ましい管理状態を維持することができる収納棚管理システムを提供する。
【解決手段】書類21を所定の収納順で並べて収納する収納部2を有する収納棚1と、この収納棚1における前記書類21の管理の制御を行う制御手段とを備えている。制御手段は、前記収納順に収納されている書類21の順位についての順位情報を記憶する記憶部と、収納部2から書類が取り出された際に、当該取り出された書類よりも前記収納順で下位の書類21の順位を繰り上げて前記順位情報を更新する更新部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品を収納する収納棚における収納棚管理システム及び収納管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
収納棚には多数の物品(例えば書類)が収納されていることから、目的とする書類を取り出すために、例えば特許文献1のような管理システムが提案されている。この管理システムでは、作業者が管理用コンピュータに特定書類のID番号を入力し、さらに、副制御手段の表示スイッチを操作することにより、特定書類が入ったファイルケースのランプが点灯する。これにより、作業者は、入力したID番号に対応した特定書類を見つけて取り出すことができる。そして、取り出された書類は、収納棚の元にあった位置や、その他の位置に収納することができる。
【0003】
【特許文献1】特開平9−86614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような管理システムを用いても、従来の収納棚では書類が雑然と並んで収納されているため、特に書類が多数になると、その管理状態は好ましいものであるとは言えない。
そこで、好ましい管理状態を維持することができる収納棚管理システム及び収納管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するためのこの発明の収納棚管理システムは、物品を所定の収納順で並べて収納する収納部を有する収納棚と、この収納棚における前記物品の管理の制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記収納順に収納されている前記物品の順位についての順位情報を記憶する記憶部と、前記収納部から前記物品が取り出された際に、当該取り出された物品よりも前記収納順で下位の物品の順位を繰り上げて前記順位情報を更新する更新部とを備えている。
【0006】
また、この収納棚管理システムにおいて行われる収納管理方法は、物品を所定の収納順で並べて収納する収納部における当該物品の管理の制御を制御手段によって行う収納管理方法であって、前記制御手段は、前記収納順に収納されている前記物品の順位についての順位情報を記憶し、この収納部から前記物品が取り出された際に、当該取り出された物品よりも前記収納順で下位の物品の順位を繰り上げて前記順位情報を更新する。
【0007】
この収納棚管理システム及び収納管理方法によれば、収納部から物品の取り出しがあると、当該収納部に残る物品のうち、取り出された物品よりも収納順で下位であった物品の順位が制御手段によって繰り上げられて順位情報が更新される。このため、収納部から物品が取り出されても、前記所定の収納順が維持され、制御手段は、再びこの所定の収納順で並べて物品を管理することができ、好ましい管理状態が得られる。なお、前記所定の収納順とは、例えば、日付順である。日付順とした場合、収納部に物品を収納した時間が古い側から新しい側へと一方向に向かって物品を並ばせている順となる。
【0008】
なお、収納部に物品が前記収納順にならって収納された際、前記更新部は、当該物品の順位を、収納されている物品の順位の最下位として追加して順位情報を更新するように構成されている。
このように、収納部に物品が追加的に収納された場合、所定の収納順にならって物品が収納されることにより、その物品の順位を、既に収納されている物品の順位の最下位とし、この順位を順位情報に追加する更新を行う。したがって、収納部に物品が収納されても、前記所定の収納順が維持され、制御手段は、再びこの所定の収納順で並べて物品を管理することができる。
【0009】
また、前記記憶部は、収納する前記物品の厚さ情報及び前記収納部の収納空間の幅情報を更に記憶し、前記制御手段は、前記収納部に収納されている前記物品の厚さ情報及び前記幅情報から、当該収納部において前記物品を更に収納可能とする残り幅についての残り幅情報を求める残り検知部を有し、前記更新部は、前記物品が取り出された際に、前記残り幅についての残り幅情報を更新するように構成されているのが好ましい。
これによれば、残り検知部は、収納部の残り幅を求めることができ、また、収納部から物品が取り出されると、更新部は当該収納部の残り幅を更新することができる。
【0010】
また、前記収納棚は、前記収納部を少なくとも一つ有する第1領域と、この第1領域とは別の領域であって前記収納部を少なくとも一つ有する領域又は前記収納棚以外で前記物品を収納可能な領域からなる第2領域とを有し、前記第1領域から取り出すべき前記物品を抽出する抽出情報を入力する入力手段を更に備え、前記制御手段は、前記抽出情報に基づいて取り出すべき前記物品を前記第1領域から抽出しかつ取り出す指示を行う抽出部を有し、前記制御手段は、取り出された前記物品を前記第2領域で管理するように構成されているのが好ましい。
これによれば、第1領域から取り出すべき物品についての抽出情報を、入力手段に入力すると、抽出部によって、取り出すべき物品が第1領域から抽出され、取り出す指示が行われる。そして、取り出された物品は、制御手段によって第2領域において管理することができる。
【0011】
また、この場合において、前記制御手段は、取り出された前記物品を収納するための前記収納部を前記第2領域から特定しかつ収納する指示を行う特定部を有しているのが好ましい。
これによれば、特定部によって、取り出された物品を収納する収納部が第2領域から特定され、収納する指示が行われる。
【0012】
また、前記収納棚管理システムにおいて、前記第1領域は、所定の優先順位が付けられた複数の前記収納部を有しており、前記抽出部は、取り出すべき前記物品を、前記優先順位の上位の前記収納部から順に抽出しかつ取り出す指示を行うように構成されているのが好ましい。
この場合、第1領域において、取り出すべき物品を、前記所定の優先順位の上位にある収納部から順に取り出すことができる。
【0013】
または、前記第1領域は複数の前記収納部を有しており、前記記憶部は、前記収納部に収納されている物品と当該物品が当該収納部に収納された時間とを関連付けた時間情報を記憶し、前記抽出部は、この時間情報に基づいて、取り出すべき前記物品を、前記収納部に収納した時間が古い順から抽出しかつ取り出す指示を行うように構成されているのが好ましい。
この場合、第1領域において、取り出すべき物品を、収納した時間が古い順に取り出すことができる。
【0014】
また、前記収納棚管理システムにおいて、前記制御手段は、前記抽出部による前記物品の取り出す指示を複数回繰り返してから、取り出された物品について前記特定部による前記収納部の特定及び収納する指示を複数回繰り返して行わせる連続収納制御部を有しているのが好ましい。
この場合、第1領域から取り出すべき物品を複数取り出してから、これらを第2領域に収納することができる。
【0015】
または、前記制御手段は、前記抽出部による前記物品の取り出す指示を行う毎に、取り出された物品について前記特定部による前記収納部の特定及び収納する指示を行わせる個別収納制御部を有しているのが好ましい。
この場合、第1領域から取り出すべき物品を一つ取り出す毎に、これを第2領域に収納することができる。
【0016】
また、制御手段が前記抽出部及び前記特定部を有するものにおいて、前記収納棚は、前記収納部毎に設けられた扉と、この扉の開けるための開操作手段とを有し、前記抽出部による前記取り出す指示は、取り出すべき前記物品が収納された前記収納部の前記扉を前記開操作手段によって開くための動作指令であり、前記特定部による前記収納する指示は、取り出された前記物品を収納するための前記収納部の前記扉を前記開操作手段によって開くための動作指令であるのが好ましい。
これによれば、抽出部による前記取り出す指示は、取り出すべき物品が収納されている収納部の扉が開くことにより行われ、また、特定部による前記収納する指示は、収納するための収納部の扉が開くことで行われる。このため、作業者は、扉が開いた収納部に対して物品の出し入れ作業を行えばよく、物品の出し入れの間違いを防止することができる。
【0017】
また、前記収納棚管理システムにおいて、前記第2領域は、所定の優先順位が付けられた複数の前記収納部を有しており、前記特定部は、前記優先順位の上位の第1収納部から順に、取り出された前記物品が収納可能であるか否かを判定するとともに、収納不可能と判定された前記物品については優先順位が次に上位である第2収納部に収納可能であるか否かを判定するのが好ましい。
これによれば、取り出された物品が、第2領域において優先順位の上位の第1収納部に収納できないと、優先順位が次に上位である第2収納部に収納可能であるか否かを判定する。収納可能である場合、特定部は当該第2収納部を特定し、収納する指示を行うことができる。なお、収納可能であるか否かの判定は、物品の前記厚さ情報と収納部の前記残り幅情報とに基づいて行うことができる。
【0018】
さらに、この収納棚管理システムにおいて、前記特定部は、前記優先順位の上位の第1収納部から順に、取り出された複数の前記物品が収納可能であるか否かを、一つの物品ずつ、当該第1収納部に収納不可能と判定されるまで繰り返して判定するとともに、収納不可能と判定された際の物品よりも前の物品については当該第1収納部を特定しかつ収納する指示を行うのが好ましい。
これによれば、収納する物品が複数あり、このうち優先順位が上位である第1収納部に収納できない物品があると、収納可能である物品については、当該第1収納部に収納することができる。すなわち、できるだけ優先順位が上位である収納部に物品を詰めて収納することができる。なお、前記判定は、複数の物品について繰り返し判定を行う際に、当該物品の厚さを加算しながら得た合計の厚さ情報と、収納部の前記幅情報とに基づいて判定することができる。
【0019】
また、前記収納棚管理システムにおいて、前記第2領域は、所定の優先順位が付けられた複数の前記収納部を有しており、前記特定部は、取り出された複数の前記物品を収納するために必要な前記収納部の必要数を求め、当該必要数についての前記収納部を、空となっている前記収納部であって前記優先順位の上位の収納部から順に特定しかつ収納する指示を行うのが好ましい。
これによれば、取り出した書類を、第2領域において優先順位が上位である収納部に、収納していくことができる。
【0020】
また、前記収納棚管理システムにおいて、前記収納棚は、所定の優先順位が付けられた複数の前記収納部を有し当該優先順位の上位の前記収納部から所定の第1収納順で前記物品を収納する第1領域と、この第1領域とは別の領域であって所定の優先順位が付けられた複数の前記収納部を有し当該優先順位の上位の前記収納部から所定の第2収納順で前記物品を収納する第2領域と、を有し、前記制御手段は、前記第1領域から取り出された前記物品を収納するための前記収納部を、当該物品の収納順が前記第2収納順に従ったものとなるように、前記第2領域から特定しかつ収納する指示を行う特定部を有しているのが好ましい。
これによれば、第1領域から取り出された物品を、第2領域において第2収納順にならって収納することができる。
【0021】
また、この場合において、前記制御手段は、前記第1領域の前記収納部のうち、前記物品を収納可能とする前記残り幅のある収納部を、前記優先順位の上位から順に見つける探索部と、この探索部によって見つけた第1収納部の前記残り幅に基づいて、前記第1収納部へと移動させる物品を、次に優先順位の高い第2収納部から抽出しかつ当該物品の移動を指示する移動指示部と、前記探索部による探索及び前記移動指示部による指示を繰り返して行わせるとともに、前記第1領域における前記物品の移動により空となった収納部を検知し、この空となった収納部を第2領域の収納部として更新する領域更新部とを有しているのが好ましい。
これによれば、第1領域において、物品を優先順位の高い収納部へと詰めるように移動させることができ、この移動によって生じた空の収納部を第2領域として更新することができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、収納部から物品が取り出されても、当該収納部において所定の収納順が維持され、制御手段は、再びこの所定の収納順で物品を管理することができ、好ましい管理状態が得られ、これを維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔収納棚について〕
図1はこの発明の収納棚管理システムが備えている収納棚の実施の一形態を示す斜視図である。図2はこの収納棚管理システムのブロック図である。この収納棚管理システムは、収納棚1と、この収納棚1における物品の管理の制御を行う制御手段10(コンピュータ10a及びコントローラ10b)とを備えている。収納棚1は、物品を収納する複数の収納部(収納ボックス)2を有している。物品としては様々なものを採用することができるが、以下の実施形態では、図3に示しているように、物品をファイル20に入ったカルテ等の書類21として説明する。
【0024】
図1において、収納棚1は、縦横に複数の収納部2を有しており(縦に5段、横に8列)、収納部2毎に扉3が設けられている。図4は、収納棚1の一部(左上の収納部2a及びその右隣りの収納部2b)を示しており、上図は、書類21の取り出し前であり、下図は取り出し後の説明図である。なお、図4において前記扉は省略している。
【0025】
そして、この収納棚1では、各々の収納部2において、書類21(ファイル20)は所定の収納順で並べて収納されている。この所定の収納順とは、例えば日付順であり、収納部2に書類21を収納した時間が古い側から新しい側へと一方向(図4では左から右)に向かって書類21を並ばせている順である。図4では、古いものから順に左詰めとして書類21を収納しており、この順を収納順としている。また、図4の収納部2aにおいて、7冊の書類21(ファイル20数が7)が収納されていることから、前記収納順にならって各書類21の順位として、一方(左)から他方(右)へ向かって1,2,3,4,5,6及び7番目と設定されている。この順位は、各書類21の位置を表しており、順位は前記収納順の先頭から数えた位置となる。そして、新たな書類(図示せず)をこの収納部2aに収納する場合、収納順が左詰めであることから、一番右に収納することとなる。
【0026】
収納部2のそれぞれにおいて、扉3は開閉可能な構成であり、図示しないが、閉状態の扉3を施錠する施錠手段と、扉3を開けるためにこの施錠を解除する開操作手段と、扉3が開く方向へ付勢する弾性部材とが設けられている。
施錠手段は収納部2側に設けられた爪部材を有し、爪部材は扉3の裏面に設けた受け部材に係合する。開操作手段は、この爪部材を動作させるソレノイドを有している。これにより、爪部材が扉3の裏面に設けた受け部材に係合することで、扉3は施錠され閉状態に維持される。そして、前記制御手段10(10b)の制御信号に基づいて、ソレノイドが爪部材を動作させると、爪部材と扉3との間の係合が解け、前記弾性部材が扉3を開方向へ付勢し、自動的に扉3が開いた状態となる。なお、開いた状態にある扉3を閉じる操作は、作業者の手動によるものであり、扉3を閉じることによって、自動的に扉3は施錠状態となる。
さらに、収納部2のそれぞれにおいて、扉3の開状態又は閉状態を検知できる扉センサ(図示せず)が設けられている。この扉センサの信号は制御手段10へ送信される。
【0027】
〔制御手段10について〕
図2において、制御手段10は、CPU、及び記憶装置(記憶部11)を有するプログラマブルなコンピュータ10a、及び、扉3の開閉を制御するコントローラ10bよりなり、収納棚1からの書類21の出し入れの操作及びその書類21の管理の制御処理を行う。制御手段10は、所定の各機能を実行するプログラムを記憶装置に格納しており、このプログラムが実行する機能部として、更新部12、残り検知部13、抽出部14、特定部15、連続収納制御部16、個別収納制御部17、探索部36、移動指示部37及び領域更新部38を備えている。なお、制御手段10によるこれらの機能部については、後に説明する。
【0028】
〔収納部における書類の出し入れ及び収納の処理について〕
図4の収納部2aにおいて、前記のとおり、書類21は所定の収納順にならって順位付けられて収納されていることから、制御手段10の記憶部11にあるデータベースには、この順位付けられて収納されている書類21の順位についての順位情報が記憶される。この順位情報は、書類21を収納部2aに収納する際に、制御手段10が備えている読み取り装置(図示せず)を利用して記憶部11に記憶させる。読み取り装置としては、例えばバーコードリーダがあり、書類21のファイル20にはバーコード等の認識部19(図3参照)が付されている。そこで、この書類21のファイル20を収納部2aに収納する際、バーコードリーダによってファイル20のバーコード(識別情報)を読ませ、制御手段10によって扉3が開かれ、作業者は、このファイル20を前記収納順にならって収納部2aに左詰めで収納する。そして、作業者は扉3を閉じる。
また、制御手段10(更新部12)は、書類21を取り出すために前記読みとり装置によって認識部19を読み込んだこと、書類21を取り出すために扉3が開かれたこと、又は書類21を収納し扉3が閉じられたことを検知し、これに基づいて書類が取り出されたことを認識することができる。
さらに、制御手段10(更新部12)は、前記読みとり装置によって認識部19を読み込んだこと、前記扉3が開かれたこと、又は前記扉3が閉じられたことを検知し、これに基づいて書類が収納されたことを認識することができる。
【0029】
これにより、順位(位置)についての情報を作業者が入力する作業を行わなくても、この書類21(ファイル20)の識別情報と、収納部2a内における順位(位置)とを関連付けて記憶させることができる。なお、図4の上図の場合では、新たに追加して収納する書類21(ファイル20)の順位として「8番目」が、当該書類21(ファイル20)の識別情報と対応付けられて、記憶部11に記憶される。なお、前記読み取り装置(及び認識部19)は、RFIDによるもの、磁気カードを採用したものとすることができる。
【0030】
また、記憶部11は、前記データベース中に、収納する書類21の厚さ情報及び収納部2aの収納空間の幅情報を更に記憶する。
厚さ情報は各書類21の厚さについての情報であり、前記読み取り装置の識別情報と共に記憶部11に記憶させる。厚さ情報は、書類21を収納する際に、制御手段10が有している測定具(ノギス)によって測定され入力される。この測定具によって書類21を挟むことで自動的にその厚さが制御手段10に入力され、厚さ情報が記憶部11に記憶される。または、制御手段10の入力手段としてキーボードがあり、作業者が書類21の厚さの値をキーボードから入力してもよい。また、一つの収納部2aにおける各書類21の厚さ情報に基づいて、その収納部2aにある全書類21の合計厚さについての厚さ情報についても、制御手段10は求めることができる。
また、前記幅情報は固定値であり、例えば収納部2aの収納空間の幅が100mmである場合、幅情報は100mmとして記憶部11に記憶させてある。
【0031】
また、記憶部11は、前記データベース中に、収納部2aに収納されている書類21と、当該書類21が当該収納部2aに収納された時間とを関連付けた時間情報を記憶している。各書類21を収納するために、前記のとおり読み取り装置によって識別情報が読まれ、これが記憶部11に記憶される。この読み込みの処理の際に、その処理の際の時間情報についても識別情報と共に関連付けられて記憶される。これにより、書類21が収納棚1に戻された時間についての情報を記憶部11は記憶することができる。なお、時間情報は、日付けのみの場合、日付けと時間(時刻)とを含む場合がある。
【0032】
制御手段10の前記残り検知部13は、収納部2aに既に収納されている書類21の厚さ情報及び固定値である前記幅情報から、当該収納部2aにおいて、別の書類21を更に収納可能とする残り幅についての残り幅情報を求める。例えば、図4の上図において、収納部2aの収納空間の幅が100mmであり、各書類21の厚さが10mmであると、残り検知部13は、全7冊の書類21によって合計厚さが70mmであることを認識することができ、残り幅情報として30mmを求めることができる。
【0033】
制御手段10の前記更新部12は、収納部2からある書類21(ファイル20)が取り出された際に、その取り出された書類21よりも前記収納順で下位の書類21の順位を、上位に繰り上げて前記順位情報を更新する。また、この収納部2aに書類21が前記収納順にならって収納された際、更新部12は、その書類21の順位を、収納されている書類21の順位の最下位として追加して前記順位情報を更新する。さらに、更新部12は、書類21が取り出された際及び書類が新たに収納された際に、収納部2aにおける前記残り幅についての残り幅情報を更新する。
【0034】
具体的に説明すると、図4において、収納部2aから書類21の取り出しがあると、更新部12は、当該収納部2aに残る書類21のうち、取り出された書類21よりも収納順で下位であった書類21の順位を繰り上げて順位情報を更新する。つまり、図4の上図において、収納部2aには7冊の書類21が所定の収納順で並べて収納されてあり、この収納順で左から4つ目にある書類21の順位は「4番目」である。そして、図4の下図のように、この4番目の書類21の取り出しがあると、更新部12は、収納部2aに残る書類21のうち、取り出された書類21よりも下位(順位が「5番目」〜「7番目」)であった書類21の順位を、繰り上げて新たな順位として「4番目」〜「6番目」に更新する。そして、この更新された順位情報が記憶部11に新たに記憶される。これにより、制御手段10は、この収納部2aにおいて、順位を「1番目」〜「6番目」として書類21を管理することとなる。
【0035】
また、更新部12は、収納部2aから書類21が取り出されると、当該収納部2aの前記残り幅を更新する。すなわち、図4の上図において、前記のとおり、収納部2aにおいて残り幅が30mmであったが、厚さが10mmである4番目の書類21の取り出しがあると、更新部12は、残り幅(残り幅情報)を40mmに更新する。そして、更新された残り幅情報が記憶部11に記憶される。
【0036】
一方、図4の上図において、収納部2aに作業者によって前記読み取り装置が使用され、書類が追加的に収納された場合、作業者が前記収納順にならってこの書類を収納することにより、つまり、収納順の最後(一番右側)に収納することにより、更新部12は、その追加した書類21の順位を、既に収納されている書類21の順位の最下位として追加する更新を行う。つまり、追加した書類の順位を「8番目」として順位情報が新たに記憶される。
以上のように、収納部2aから書類21が取り出されても、また、収納部2aに書類21が収納されても、前記所定の収納順(日付順)が維持され、制御手段10は、再びこの所定の収納順で並べて書類21を管理することができ、好ましい管理状態が得られる。また、収納部では、前記所定の収納順として、書類21の取り出し収納があった日付順を得ることができ、日付ロケーションが維持される。
【0037】
さらに、更新部12は、収納部2aに書類21が追加的に収納されると、当該収納部2aの前記残り幅を更新することができ、図4の上図において、前記のとおり、収納部2aにおいて残り幅が30mmであったが、厚さが10mmである書類21の収納があると、更新部12は、残り幅(残り幅情報)を20mmに更新する。そして、更新された残り幅情報が記憶部11に記憶される。
【0038】
〔書類の移動について(第1実施形態)〕
この発明の収納棚管理システムにより、書類21をある収納部から他の収納部へ移動させて収納する方法について説明する。
図5は収納棚1の正面図である。この収納棚1は、前記収納部2を少なくとも一つ有する第1領域A1と、この第1領域A1とは別の領域であって前記収納部2を少なくとも一つ有する第2領域A2とを有している。なお、この場合の第2領域A2は、収納棚1内の領域であり、棚内第2領域A2である(以下、単に第2領域A2とある場合は、この棚内領域A2を意味する)。図5では、最下段(5段目)の収納部2を第2領域A2とし、これ以外を第1領域A1としている。
【0039】
通常(日常)の取り出し・収納の処理は、第1領域A1においてのみ行うことができる。これにより、既に説明したように第1領域A1の収納部2では、前記所定の収納順として、書類21の取り出し収納があった日付順を得ることができ、日付ロケーションは維持される。
しかし、この収納棚1を使用し、追加した書類21の数が増加すると収納許容量に達することがある。そこで、この収納棚管理システムでは、収納棚1を第1領域A1と第2領域A2とに区画して管理し、第1領域A1の収納量が増加すると、例えば定期的に、第1領域A1にある書類21のうち古い書類(収納した日が過去である書類)を第2領域A2に移動させる処理を行う。つまり、第1領域A1を通常の使用領域とし、第2領域A2を休眠領域としている。
【0040】
なお、この収納棚管理システムは、図示しないが、第2領域A2として、棚内第2領域A2以外に収納棚1以外の領域である棚外第2領域をさらに備えていてもよい。この棚外第2領域は、例えば、別の収納棚又は倉庫(倉庫内の棚や箱)とすることができ、この場合、棚内第2領域A2を休眠前領域とし、棚外第2領域を休眠領域とする。そして、前記のとおり日付ロケーションによる管理が行われていると、第1領域において、使用されない書類がたまっていく。そこで、一定期間が経過した時点で、後述する制御手段10の処理により、第1領域の書類を棚内第2領域へ移動させることができる。これにより、棚内第2領域に古い書類をためることができる。この棚内第2領域において、さらに一定期間が経過した時点で、棚内第2領域から古い書類を取り出し、棚外第2領域に移動させることができる。この移動は、第1領域から棚内第2領域へ移動させるために書類を取り出す処理と同様の処理により行うことができる。また、この際、棚外第2領域の倉庫内の棚番号や箱番号を、前記記憶部11に記憶させ、これにより、制御手段10は、書類を棚外第2領域に移動させたことについての管理(ロケーション管理)を行うことができる。このため、棚外第2領域から書類を再び第1又は棚内第2領域に戻すことができる。
また、他の形態として、第2領域を棚外第2領域のみとし、第1領域A1から取り出した(古い)書類を、直接、棚外第2領域に移動させる処理をおこなってもよい。
【0041】
〔取り出しについて〕
以下、第1領域A1から書類21を取り出し、これを棚内第2領域A2(以下、単に第2領域A2という)に移動させて収納する場合を説明する。
この収納棚管理システムは、第1領域A1から取り出すべき書類21についての抽出情報を入力する入力手段4(図2参照)を備えている。入力手段4としては、制御手段10に情報を入力するためのキーボードとすることができる。抽出情報は、収納部2から取り出したい書類21を抽出する条件についての情報である。抽出情報としては、各書類が収納された時間についての時間情報(日付情報)、書類の厚さ情報、過去に取り出された回数についての使用回数情報、及びこれらの組み合わせによる情報がある。
【0042】
また、制御手段10の前記抽出部14は、前記抽出情報に基づいて、取り出すべき書類21を、第1領域A1にある収納部2から抽出し、かつ、これを取り出す指示を行う。さらに、制御手段10の前記特定部15は、抽出部14によって抽出され取り出された書類21を収納するための収納部2を、第2領域A2から特定し、かつ、これを収納する指示を行う。なお、これらの具体例は後に説明する。
また、前記入力手段4又は前記読み取り装置によって前記書類21(ファイル20)の識別情報を制御手段10に入力することで、当該識別情報に該当する書類21を、抽出部14は抽出し、特定部15が、この書類21が収納されている収納部2を特定し、取り出す指示を行うことができ、作業者に取り出しの作業を行わせることができる。
【0043】
図6は、この発明の収納棚管理システムにより、書類をある収納部から他の収納部へ移動させて収納する方法のフロー図である。この方法では、前記抽出情報として時間情報(日付情報)が入力された場合である。なお、記憶部11の前記データベース中には、前記のとおり、書類が収納部に収納された時間についての時間情報、及び、当該書類の厚さ情報が記憶されている。
【0044】
図6において、第1領域A1から取り出したい(取り出すべき)書類21を抽出するための抽出情報(日付)を、入力手段4に入力すると(ステップS1)、第1領域A1の収納部2にある全ての書類21の中から、抽出部14は、抽出情報に該当する該当書類21を抽出する(ステップS2)。例えば、現時点である作業時よりも6月以前に収納棚1に戻された(収納された)書類を抽出する場合、抽出情報として6月前の日付を入力する。これにより、抽出部14は、最終戻し日時が作業時から6月前である書類を、記憶部11のデータベースから抽出する。そして、抽出部14が該当書類21を抽出すると、抽出部14は、これら該当書類21の厚さ情報から、該当書類21の厚さの合計である合計厚さ情報を求める。さらに、第2領域A2にある各収納部2の前記残り幅情報に基づいて、抽出部14は、第2領域A2の全体における合計の残り幅の値を求める。なお、第2領域A2にある各収納部2の残り幅情報は、制御手段10の前記残り検知部13によって検知されており、記憶部11に記憶されている。
【0045】
そして、この合計の残り幅の値と、該当書類21の前記合計厚さ情報による値とに基づいて、第2領域A2の収納部2に、前記該当書類21の全部が収納可能であるか否かを、抽出部14は判定する(ステップS3)。収納不可能であると判定すると(ステップS3の「<書類厚さ合計」の場合)、収納棚1の上部にある液晶パネル等による表示部5に、「(抽出件数が多いため)抽出情報として時間情報(日付情報)の再入力」又は「倉庫移動処理」を行う旨の報知(表示)が行われる(ステップS4)。なお、倉庫移動処理とは、既に説明したように、第2領域A2にある書類をさらに他の領域(前記棚外第2領域)に移動させる処理である。
【0046】
ステップS3において、抽出部14が収納可能であると判定すると(「>書類厚さ合計」の場合)、抽出部14は、該当書類21を取り出す指示を行う(ステップS5、ステップS6及びステップS7)。
なお、この場合において、第1領域A1の複数の収納部2は、図5の矢印に示しているように、所定の優先順位に並べられている。そして、抽出部14は、取り出すべき書類(該当書類)21を、この優先順位の上位の収納部2から順に抽出し、かつ、取り出す指示を行う。
【0047】
すなわち、ステップS2(図6)において抽出された該当書類21が複数あり、これら該当書類21が第1領域A1の複数の収納部2に散らばって収納されている場合、抽出部14は、該当書類21が収納されている収納部2の扉3を、優先順位が上位にある収納部2から順に、前記開操作手段によって開かせる(ステップS5)。そして、抽出部14は、前記表示部5に、扉3が開いている収納部3から該当書類21を取り出す旨を報知(表示)を行う。これにより、第1領域A1において、取り出すべき書類21を、所定の優先順位の上位にある収納部2から順に取り出すことができる。
【0048】
前記表示部5では、図7に示しているように、該当書類21の前記順位(順位情報)が表示される。図7では、ある収納部2において二冊の該当書類21a,21bがあり、一つ目の書類21aは、その順位が左から(L→)9番目であり右から(←R)4番目である旨の表示が行われる。また、表示部5には、該当書類21がある収納部2の位置についても表示しており、図7では、上から1段目でかつ左から2列目の(優先順位が第二位の)収納部2である旨の表示がなされている。そして、この表示と共に、この1段目でかつ2列目の収納部2の扉3が開操作手段によって開かれている。
【0049】
これにより、作業者は簡単に該当書類21aを取り出すことができる(図6のステップS6)。なお、この順位(順位情報)は、抽出部14によって記憶部11のデータベースから抽出することができる。また、表示部5はタッチパネル式である。
そして、扉3が開いている収納部2から該当書類21(の全て)が取り出されると、作業者は扉3を閉じる(ステップS7)。このような抽出部14による取り出す指示(ステップS5、ステップS6及びステップS7)の誘導により、作業者は該当書類21を簡単に取り出すことができる。
【0050】
また、このステップS5、ステップS6及びステップS7の動作は、制御手段10が有している前記連続収納制御部16(図2)によって順に行われている。この連続収納制御部16は、抽出部14による該当書類21の前記取り出す指示(ステップS5、ステップS6及びステップS7)を複数回繰り返してから、これら取り出された該当書類21について、(後述するが)特定部15による収納部2の特定(ステップS8(又はS8a))、及び、収納する指示(ステップS9)を複数回繰り返して行わせている。これによれば、第1領域A1から取り出すべき書類21を先ず複数取り出してから、次にこれらを第2領域A2に収納することができる。
【0051】
また、前記のように、抽出部14による前記取り出す指示(ステップS5、ステップS6及びステップS7)は、取り出すべき該当書類21が収納された収納部2の扉3を開くための開操作手段に対する動作指令、及び、前記表示部5において前記順位情報に基づく該当書類21の順位の報知(表示)である。これによれば、作業者は扉3が開いた収納部2から該当書類21を取り出せばよく、該当書類21の取り出し間違いを防止することができる。
以上より、第1領域A1から該当書類21が全て取り出された状態となる。
【0052】
〔戻し位置特定について(その1)〕
取り出された該当書類21を第2領域A2に収納する操作(戻す操作)を説明する。
制御手段10の前記特定部15は、該当書類21を収納すべき収納部2を、第2領域A2から特定し、収納する指示を行う(ステップS8及びステップS9)。ステップS8aは後述の(その2)において説明する。なお、後にも説明するが、特定部15による前記収納する指示は、(前記取り出す指示と同様に)取り出された該当書類21を収納するための収納部2の扉3を開くための開操作手段に対する動作指令である。これにより、作業者は扉3が開いた収納部2に対して該当書類21を収納すればよく、該当書類21の収納の間違いを防止することができる。そして、この収納する指示の誘導により、作業者は、該当書類21を簡単に収納することができる。
【0053】
図6において、ステップS8及びステップS9の場合を説明する。図8は、図6のステップS8における戻し位置特定Aを説明するフロー図である。なお、図5において、第2領域A2は、所定の優先順位が付けられた(優先順位に並べられた)複数の収納部21を有しており、最下段の最も左の収納部2が優先順位の最上位のものである。
特定部15は、図8において、収納する前記該当書類21の「書類厚さ合計Σ」を初期値としてゼロ(Σ=0)としている(ステップS11)。取り出された複数の該当書類21(ファイル20)の識別情報(バーコード)を、前記バーコードリーダによって順に読ませる操作が作業者によって開始され(ステップS12)、一つの該当書類21に対する読み込みの回数が一回である場合(ステップS13の「1回」の場合)、特定部15は、記憶部11の前記データベースから識別情報に基づいてこの書類21の厚さ情報に基づく厚さの値を、前記書類厚さ合計Σに加算する(ステップS14)。この書類厚さ合計Σは、収納しようとする書類21の厚さ情報(Σ)となる。
【0054】
そして、特定部15は、第2領域A2における前記優先順位の上位の(図5左下の)第1収納部2から順に、取り出された書類21が収納可能であるか否かを、前記厚さ情報(Σ)と、この第1収納部の残り幅情報とに基づいて、判定する(ステップS15)。なお、残り幅情報は、すでに説明したように、書類を更に収納可能とする残り幅の値についての情報であり、前記残り検知部13によって検知されているものである。
【0055】
例えば、第1収納部2の残り幅の値が24mmであり、バーコードリーダによって読み込んだ該当書類21の厚さが10mmである場合(書類厚さ合計Σ=10mmとなる)、特定部15によって、第1収納部2の残り幅の値(24mm)が厚さ情報(Σ)の値(10mm)よりも大きいと判定すると(ステップS15のNoの場合)、特定部15は、さらに、この書類21を第1収納部2に戻したと仮定するとその残り幅が、所定値αよりも大きいか否かについての判定を行う(ステップS16)。この所定値αは、予め設定され記憶部11に記憶させた値であり、例えば書類の収納が不可能であると予想される隙間の値であり、6mmと設定することができる。具体例を説明すると、特定部15は、前記該当書類21を第1収納部2に戻したと仮定すると、当該第1収納部2における残り幅が14mm(24mm−10mm)であると求め、これは所定値α(6mm)よりも大きいことから、この第1収納部2にはまだ収納空間が残っていると判定して(ステップS16のYesの場合)、次の該当書類21に対してバーコードリーダによる読み込みを行わせる(ステップS12)。なお、この時点では、前記第1収納部2の扉3はまだ開いておらず、作業者による前記該当書類21の収納は行われない。
【0056】
そして、次の該当書類21に対してバーコードリーダによる読み込みが行われると(ステップS12)、当該次の該当書類21の厚さ情報の値を、前記書類厚さ合計Σに加算する(ステップS14)。具体例としては、次の該当書類21の厚さが12mmであると、Σ=10+12=22mmとなる。そして、ステップS15において、特定部15が、書類厚さ合計Σ(22mm)と、前記第1収納部2の前記残り幅の値(24mm)との比較を行う。なお、前記一冊目の該当書類21は未だ収納されていないため、前記残り幅の値は24mmのままである。
【0057】
そして、特定部15によって、第1収納部2の残り幅の値(24mm)が厚さ情報(Σ)の値(22mm)よりも大きいと判定され(ステップS15のNo)、特定部15は、さらに、前記次の該当書類21を第1収納部2に戻したと仮定するとその残り幅が、所定値αよりも大きいか否かについての判定を行う(ステップS16)。具体例として、特定部15は、当該次の書類21を第1収納部2に戻したと仮定すると、当該第1収納部2における残り幅が2mmであると求め、これは所定値α(6mm)よりも小さいことから、第1収納部2には収納空間が残っていないと判定して(ステップS16のNoの場合)、第1収納部2の扉3を開かせる(ステップS17)。これにより、図6のステップS8が終了し、作業者によって、これまでの二冊の該当書類21が第1収納部2に収納され、扉3が閉じられる(ステップS9)。そして、取り出されている該当書類21のうちの残りについても、前記と同様の戻し位置特定の処理(図8)が行われる。なお、次のこの処理では、第2領域A1のうち、最上位の前記第1収納部2は、収納空間がなくなっているため、特定部15は、図8のステップS15において、次に上位である収納部2を対象とする。
【0058】
また、図8の前記ステップS15において、一冊目の書類21については第1収納部2に収納可能であるが(1回目のステップS15でNo)、二冊目の書類21については第1収納部2に収納不可能であると判定された場合(2回目のステップS15でYES)について説明する。この場合、バーコードリーダによって読みとった書類21の数が二冊以上であると特定部15が判定(ステップS18の「二冊以上」)することができ、バーコードリーダによって読みとった書類21のうちの最後の一冊前までの書類21、すなわち、二冊目を除く一冊目の書類21を前記第1収納部2に収納させるべく、特定部15は、その旨の報知を前記表示部15によって行い(ステップS19)、第1収納部2の扉3を開く(ステップS17)。
【0059】
また、ステップS18において、バーコードリーダによって読みとった書類21の数が一冊であると特定部15が判定した場合、第2領域A2において優先順位で次に上位である第2収納部2の残り幅の値(残り幅情報)と、当該一冊の書類21による書類厚さ合計Σとの比較を行い(ステップS20)、残り幅の値が合計Σよりも大きいと(ステップS20のNo)、前記ステップS16へと進み、以降前記と同様の処理が行われる。また、残り幅の値が合計Σよりも小さいと(ステップS20のYes)、優先順位でさらに次に上位である第3収納部2において収納可能であるか判定し(ステップS20)、この書類21が収納可能な収納部2が見つかるまで同じ処理が繰り返される。
【0060】
以上のように、図8の処理において、特定部15は、第2領域A2における優先順位の上位の第1収納部2から順に、取り出された複数の該当書類21が収納可能であるか否かを判定する(ステップS15)。さらに、この処理では、一つの書類21ずつ第1収納部2に収納不可能と判定されるまで(ステップS15のYesとなるまで)繰り返して、当該物品の厚さを加算しながら得た(ステップS14)合計の厚さ情報(Σ)と、第1収納部2の幅情報とに基づいて、判定している(ステップS15)。
【0061】
また、ステップS15及びステップS20のように、特定部15は、収納不可能と判定された書類21については優先順位が次に上位である第2収納部2に収納可能であるか否かの判定を行い、収納可能であると判定されると、ステップS16及びステップS17のように、特定部15は収納する指示を行う。また、ステップS19及びステップS17のように、収納不可能と判定された際の該当書類21よりも一つ前の該当書類21については第1収納部2を特定し、かつ、収納する指示を行う。
以上のように、収納する該当書類21が複数あり、このうち優先順位が上位である第1収納部2に収納できない該当書類21があると、収納可能である該当書類21については、第1収納部2に収納することができ、収納不可能であった該当書類21は、次に上位の第2収納部2に収納させようとする。これにより、できるだけ優先順位が上位である収納部2に書類21を詰めて収納させることができる。
【0062】
〔戻し位置特定について(その2)〕
第1領域A1から取り出された該当書類21を第2領域A2に収納する別の操作(戻す操作)を説明する。前記の場合と同様に、制御手段10の特定部15は、取り出された該当書類21を収納すべき収納部2を、第2領域A2から特定し、収納する指示を行う(図6のステップS8a)。図9は、図6のステップS8aにおける戻し位置特定Bを説明するフロー図である。この場合においても、図5の第2領域A2は、所定の優先順位に並べられた複数の収納部2を有している。
【0063】
図9において、特定部15は、取り出された複数の該当書類21を収納するために必要な収納部2の必要数を求める(ステップS31)。これは、取り出された複数の該当書類21の厚さ情報(これらの和)と、第2領域A2の一つの収納部2の収納空間の幅情報に基づいて求められる。なお、第2領域A2の収納部2の収納空間はそれぞれ同じ幅(例えば100mm)である。
【0064】
そして、特定部15は、必要数が1以上であることを判定すると(ステップS32)、当該必要数についての収納部2を、空となっている収納部2であって前記優先順位の上位の収納部2から順に特定し、かつ、収納する指示を行う(ステップS33)。なお、収納する指示は、前記の場合と同様に、取り出された書類21を収納するための収納部2の扉3を開操作手段によって開くための動作指令である。これにより、優先順位が上位である収納部2の扉3が開く。そして、作業者は、この収納部2に収納可能である書類21を収納し、扉3を閉じる(ステップS34)。
【0065】
特定部15は、既に求めていた前記必要数を1減ずる処理を行い(ステップS35)、特定部15は、必要数が1以上であるか否かを判定し(ステップS32)、必要数がゼロとなるまで、つまり、全ての該当書類21が収納されるまで、これらの処理が繰り返されることとなる。これによれば、取り出した書類21を、第2領域A2において優先順位が上位である収納部2から順に収納していくことができる。また、複数の書類21を同時に収納することができる。
【0066】
図10は、書類の移動方法(図6)の変形例のフロー図である。図6(タイプ1という)ではステップS5において、抽出部14は、第1領域A1において、取り出すべき該当書類21が収納されている収納部2の扉3を、優先順位が上位にある収納部2から順に開かせていた。しかし、図10(タイプ2という)の場合、前記記憶部11は、第1領域A1の収納部2に収納されている書類21と、当該書類が当該収納部2に収納された時間とを関連付けた時間情報を記憶していることから、ステップS5−2において、抽出部14は、この時間情報に基づいて、取り出すべき書類21を、収納部2に収納された時間が古い順から抽出し、かつ、取り出す指示を行うものである。この場合、第1領域A1において、取り出すべき書類21を、収納棚1に収納した時間が古い順に取り出すことができる。これにより、取り出された該当書類21は古いものから順に並べることができ、この順で第2領域A2に収納すると、第2領域A2では、古い書類から順に並ばせて管理することができる。つまり、第2領域A2において、日付ロケーションが成立する。
【0067】
また、図11は、書類の移動方法(図6)の変形例のフロー図である。図6(タイプ1)では、制御手段10の連続収納制御部16によって、抽出部14が取り出す指示(ステップS5〜ステップS7)を複数回繰り返してから、これら取り出された該当書類21について、特定部15による収納部2の特定(ステップS8)、及び、収納する指示(ステップS9)を複数回繰り返して行わせていた。しかし、図11(タイプ3という)では、制御手段10の前記個別収納制御部17によって、抽出部14が書類21の取り出す指示(ステップS5〜ステップS7)を順に行う毎に、取り出された書類21について特定部15による収納部2の特定(ステップS8)、及び、収納する指示(ステップS9)を行わせる。この場合、第1領域A1から取り出すべき書類21を一つ取り出す毎に、これを第2領域A2の収納部2に収納することができる。
【0068】
さらに、図12は、書類の移動方法(図6)の変形例のフロー図である。図6(タイプ1)に対する図10(タイプ2)の異なる点、及び、図6(タイプ1)に対する図11(タイプ3)の異なる点の両者を含むものが、図12(タイプ4という)である。すなわち、この図12において、ステップS5−2では、抽出部14は、(図10と同様に)時間情報に基づいて、取り出すべき書類21を、収納部2に収納された時間が古い順から抽出し、かつ、取り出す指示を行う。そして、(図11と同様に)前記個別収納制御部17によって、抽出部14が書類21の取り出す指示(ステップS5〜ステップS7)を行う毎に、取り出された該当書類21について特定部15による収納部2の特定(ステップS8)、及び、収納する指示(ステップS9)を行わせている。これにより、取り出された該当書類21は古いものから順に並べることができ、この順で第2領域A2に収納すると、第2領域A2では、古い書類から順に並ばせて管理することができる。つまり、第2領域A2において、日付ロケーションが成立する。
【0069】
さらに、図13〜図16(それぞれタイプ5〜タイプ8という)はそれぞれ、書類の移動方法(図6)の変形例のフロー図である。これらの戻し位置特定の処理のそれぞれは、第1領域A1から取り出したい(取り出すべき)書類21を抽出するための抽出情報が、「移動書類の厚さ」についての情報である。この情報は、移動させたい書類21の総量についての値であり、図6のステップS1と同様に、入力手段4に入力される(ステップS1−2)。図13〜図16では、第2領域A2における空きスペースの有無を先に判定している(ステップS3)。
【0070】
そして、第1領域A1の収納部2にある全ての書類21の中から、抽出部14は、抽出情報に該当する該当書類21を抽出する(ステップS2−2)。例えば、取り出したい書類21の合計厚さが200mmである場合、抽出情報として「200mm」を入力する。これにより、抽出部14は、書類厚さが「200mm」以下となるように、かつ、前記タイプ(図6)と同様に、日付順に古い書類21を、記憶部11のデータベースから抽出する。
なお、図13に対して、図14、図15及び図16が異なる点は、前記図6に対して、図7、図8及び図9が異なる点と同じである。
【0071】
さらに、図17〜図20(タイプ9〜タイプ12という)はそれぞれ、書類の移動方法(図6)の変形例のフロー図である。これらの戻し位置特定の処理のそれぞれは、第1領域A1から取り出したい(取り出すべき)書類21を抽出するための抽出情報が、「使用回収」についての情報である。この情報は、過去に使用した回数(取り出した回数)であり、この収納棚管理システムにおいて、書類21が取り出されると、その回数(使用回数)の情報が前記データベース(前記記憶部11)に記憶されていく。この使用回数の情報に基づいて、抽出部14は前記抽出が可能となる。
なお、この場合において、図17に対して、図18、図19及び図20が異なる点は、前記図6に対して、図7、図8及び図9が異なる点と同じである。
【0072】
また、前記のような戻し位置の特定の処理において、抽出情報として複数の情報(条件)を入力手段4に入力し、両者の抽出情報を満足するものを、抽出部14は抽出することができる。この例が、図21〜図24(タイプ13〜タイプ16という)のフロー図であり、図6の書類の移動方法の変形例である。この場合、抽出情報は、「使用回収(図17と同様)及び日付情報(図6と同様)」についての情報である。なお、その他の処理については、前記形態と同様である。このように、抽出情報は、前記タイプ1〜タイプ12で説明したもののうちの少なくとも一つであればよく、二つ以上とすることができる。
【0073】
〔書類の移動について(第2実施形態)〕
この発明の収納棚管理システムにより、書類21をある収納部から他の収納部へ移動させて収納する別の方法について説明する。
この収納棚管理システムでは、図25に示しているように、収納棚1を第1領域A1と第2領域A2とに区画して管理し、通常(日常)の使用において、第1領域A1から取り出した書類21を、第2領域A2に収納する処理を行う。
【0074】
図25は収納棚1の正面図である。この収納棚1は、図4で示した収納部2を少なくとも一つ有する第1領域A1と、この第1領域A1とは別の領域であって前記収納部2を少なくとも一つ有する第2領域A2とを有している。
第1領域A1において、図25の矢印で示しているように、所定の優先順位に並べられた複数の収納部2を有しており、さらに、この優先順位の最上位(左上)の収納部2から下位へ向かって所定の「第1収納順」で書類21を収納している。この第1収納順は、前記形態の収納順と同様に日付順である。つまり、書類の作成日時が古い、又は、収納した日時が古い書類21から順に、書類21は、第1収納順にならって第1領域A1に収納されている。これにより、最も古い書類21が最上位である左上の収納部2の最も左端に存在している。このため、第1領域A1では日付ロケーションが成立している。
【0075】
また、第2領域A2において、図25の矢印で示しているように、所定の優先順位に並べられた複数の収納部2を有しており、さらに、この優先順位の最上位(右下)の収納部2から下位へ向かって所定の「第2収納順」で並べて書類21を収納する。初期においては、第2領域A2の収納部2はすべて空である。したがって、第1領域A1から最初取り出された書類21は、第2領域A2において最上位である右下の収納部2の最も右端に収納することとなる。なお、第2収納順は、第1収納順と同様に日付順としている。
図25の形態では、第1領域A1の優先順位は、第2領域A2に向かって下位となるように設定され、第2領域A2の優先順位は、第1領域A2に向かって下位となるように設定されている。なお、図示しないが、これら領域A1、A2をそれぞれ別の収納棚としてもよい。
【0076】
この収納棚管理システムの制御手段10は、図4において、前記実施形態と同様に記憶部11、更新部12、残り検知部13、抽出部14及び特定部15の他に、その機能部として探索部36、移動指示部37及び領域更新部38を有している。
【0077】
前記実施形態と同様に、キーボードなどの前記入力手段4によって制御手段10に、書類21(ファイル20)の識別情報、又は、抽出情報が入力されると、抽出部14は第1領域A1において該当する書類21を抽出し、かつ、取り出す指示を行う。これにより、作業者は所望の書類21を取り出すことができる。
そして、この書類21を第2領域A2に収納するために、制御手段10の特定部15は、取り出された該当書類21を収納するための収納部を、当該該当書類21の収納順が前記「第2収納順」に従ったものとなるように、第2領域A2から特定し、かつ、収納する指示を行う。具体的に説明すると、特定部15は、第2領域A2において優先順位が上位である収納部2から扉3を開く。そして、上位の収納部2が一杯となると、次に上位の収納部2の扉3を開く。なお、特定部15による前記収納する指示は、前記実施形態と同様に、取り出された書類21を収納するための収納部2の扉3を前記開操作手段によって開くための動作指令である。
【0078】
これにより、第1領域A1から取り出された書類21を、第2領域A2において「第2収納順」にならって収納することができ、第2領域A2において、日付ロケーションが成立する。
このように、第1領域A1から取り出された該当書類21を第2領域A2に収納する処理が繰り返し行われることで、第1領域A1の収納部2のそれぞれにおいては、残り幅が生じる一方で、第2領域A2の収納部2においては、前記第2収納順にしたがって書類21が埋まっていく。そこで、例えば、定期的に現状の収納状態を整理する処理が制御手段10によって行われる。
【0079】
図26は収納状態を整理する処理のフロー図である。
制御手段10の前記探索部36は、第1領域A1の収納部2(図25)のうち、書類21を収納可能とする前記残り幅のある収納部2を、前記優先順位の上位から順に見つける(ステップS41)。この探索部36による処理は、予め設定した所定値α(例えば6mm)と、制御手段10の前記残り検知部13が検知した各収納部2における残り幅(空きスペース)に基づいて判定を行う。なお、この所定値αは、予め設定され記憶部11に記憶させた値であり、例えば書類の収納が不可能であると予想される隙間の値であり、6mmと設定することができる。
例えば、第1領域A1の最上位(左上)の収納部2における残り幅が、所定値αよりも小さい場合(ステップS41の「空スペースなし」の場合)、優先順位が次に上位である収納部2において残り幅の判定を行い(ステップS50)、前記設定値αよりも大きい残り幅のある収納部2が見つかるまで、この処理が行われる。
【0080】
優先順位で上位(又は最上位(左上))の収納部2における残り幅が、所定値αよりも大きいと判定された場合(ステップS41の「空スペースあり」の場合)、特定部15は、その収納部2の扉3を開け(ステップS42)、さらに、その次に優先順位が上位である収納部2の扉3を開ける(ステップS43)。この場合において、図4の上図により、上位の収納部を第1収納部2aとし、この次に上位である収納部を第2収納部2bとして説明する。
さらに、制御手段10の前記移動指示部37は、探索部36によって見つけた第1収納部2aの残り幅に基づいて、この第1収納部2aへと移動させる書類21を、次に優先順位の高い第2収納部2bから抽出し、かつ、当該書類21の移動を指示する(ステップS44)。
【0081】
図27は、この移動指示部37によって行われる書類21の抽出及び移動の指示(ステップS44)を説明するフロー図である。図4と図27において、移動指示部37は、第1収納部2aの残り幅(空きスペース)と、第2収納部2bにある書類21の厚さの比較を行う(ステップS44−1)。この比較は、第2収納部2bにおいて第1収納順が上位にある書類21(図4の上図において順位が1番目の書類)から順に、当該書類21の厚さが、第1収納部2aの残り幅よりも小さいか否かによって行われる。小さいと判定された場合、移動指示部37は、この書類21を移動可能な書類21と判定する(ステップS44−2)。
また、この比較及び判定は、第2収納部2において前記第1収納順の上位から順に、次の書類21(図4の上図において順位が2番目以降の書類)の厚さを加算していくことにより繰り返して行われる。そして、加算して得られた書類21の合計厚さが、第1収納部2aの残り幅よりも大きいと判定されると、最後の書類21以外が、移動可能な書類21であると移動指示部37は判定することができ(ステップS44−2)、移動指示部37は、前記表示部5において、これら書類21を作業者に報知する(ステップS44−2)。
【0082】
これにより、作業者は、第2収納部2bから該当する書類21を取り出し(ステップS45)、上位の第1収納部2aに移動させ(ステップS46)、第1収納部2aの扉3を閉じる(ステップS47)。なお、この際、第2収納部2bの扉3は開いた状態にある。これにより、空きスペースが存在した第1収納部2aに、書類21が詰められて収納し直され、空きスペースが無くなった状態となる。
そして、移動指示部37は、さらに次に優先順位が上位である第3収納部2の扉3を開ける(ステップS48)。
【0083】
以下、同様に、第2収納部2bに生じた空きスペースに、第3収納部(図示せず)の書類21を可能な限り移動させる前記処理が移動指示部37によって行われ、さらに、この処理が第1領域A1について繰り返して行われる。これにより、第1領域A1において前記優先順位(第1収納順)に詰められて書類21は収納された状態となる。この処理が行われることで、第1領域A1の下位において、書類数がゼロとなる収納部2が存在することとなる。
【0084】
そこで、制御手段10の前記領域更新部38は、第2領域A2(戻しゾーン)のリセットを行う(ステップS49)。つまり、領域更新部38は、前記移動指示部37による前記処理(ステップS44)を繰り返して行わせ、第1領域A1における書類21の移動により空となった収納部2を検知し、この空となった収納部2を第2領域A2の収納部2として更新し、これを記憶部11に記憶させる。
以上、この書類の移動についての第2実施形態によれば、第1領域A1において、書類21を優先順位の高い収納部2へと詰めるように移動させることができ、また、この移動によって生じた空の収納部2を第2領域A2として更新することができる。
【0085】
また、制御手段10は、同じ収納棚1において、書類21の移動についてのこの第2実施形態(図25〜図27)と、書類21の移動についての前記第1実施形態(図5と例えば図6)とを、切り替えて利用することができる。例えば、制御手段10は、始め、第2実施形態による処理を行い、その後、所定期間が経過すると、第1実施形態による処理に切り替えることができる。
【0086】
以上、この発明の各実施形態によれば、日付による収納順及び優先順位にしたがって書類を収納しているため、各収納部2において、並びに、第1領域A1及び第2領域A2において、日付ロケーションによる管理が成立し、また、使用すれば使用するほど書類が整理されていく収納棚とすることができる。また、少量の収納棚により、大量の書類の管理が可能となる。さらに、収納部2の扉3の自動開閉と、表示部5の表示による誘導により、作業者は所望の書類を容易に取り出すことができる。
【0087】
また、この発明の収納棚管理システムは、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。例えば、第1領域A1と第2領域A2について、図5又は図25のように設定したが、この領域の区分は図示している形態以外であってもよい。また、図示しないが、図5又は図25の収納棚1を複数備え、ある収納棚1の全部の収納部2を第1領域A1とし、他の収納棚1の全部の収納部2を第2領域A2としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】この発明の収納棚管理システムが備えている収納棚の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】この収納棚管理システムのブロック図である。
【図3】収納し管理する物品の説明図である。
【図4】収納棚の一部を示しており、上図は書類の取り出し前であり、下図は取り出し後の説明図である。
【図5】収納棚の正面図である。
【図6】この発明の収納棚管理システムにより、書類をある収納部から他の収納部へ移動させて収納する方法(タイプ1)のフロー図である。
【図7】表示部の説明図である。
【図8】戻し位置特定を説明するフロー図である。
【図9】他の戻し位置特定を説明するフロー図である。
【図10】書類の移動方法(タイプ2)の変形例のフロー図である。
【図11】書類の移動方法(タイプ3)の変形例のフロー図である。
【図12】書類の移動方法(タイプ4)の変形例のフロー図である。
【図13】書類の移動方法(タイプ5)の変形例のフロー図である。
【図14】書類の移動方法(タイプ6)の変形例のフロー図である。
【図15】書類の移動方法(タイプ7)の変形例のフロー図である。
【図16】書類の移動方法(タイプ8)の変形例のフロー図である。
【図17】書類の移動方法(タイプ9)の変形例のフロー図である。
【図18】書類の移動方法(タイプ10)の変形例のフロー図である。
【図19】書類の移動方法(タイプ11)の変形例のフロー図である。
【図20】書類の移動方法(タイプ12)の変形例のフロー図である。
【図21】書類の移動方法(タイプ13)の変形例のフロー図である。
【図22】書類の移動方法(タイプ14)の変形例のフロー図である。
【図23】書類の移動方法(タイプ15)の変形例のフロー図である。
【図24】書類の移動方法(タイプ16)の変形例のフロー図である。
【図25】収納棚の正面図である。
【図26】収納状態を整理する処理のフロー図である。
【図27】移動指示部によって行われる書類の抽出及び移動の指示を説明するフロー図である。
【符号の説明】
【0089】
1 収納棚
2 収納部
3 扉
4 入力手段
5 表示部
10 制御手段
11 記憶部
12 更新部
13 残り検知部
14 抽出部
15 特定部
16 連続収納制御部
17 個別収納制御部
36 探索部
37 移動指示部
38 領域更新部
A1 第1領域
A2 第2領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を所定の収納順で並べて収納する収納部を有する収納棚と、
この収納棚における前記物品の管理の制御を行う制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記収納順に収納されている前記物品の順位についての順位情報を記憶する記憶部と、
前記収納部から前記物品が取り出された際に、当該取り出された物品よりも前記収納順で下位の物品の順位を繰り上げて前記順位情報を更新する更新部と、
を備えていることを特徴とする収納棚管理システム。
【請求項2】
前記記憶部は、収納する前記物品の厚さ情報及び前記収納部の収納空間の幅情報を更に記憶し、
前記制御手段は、前記収納部に収納されている前記物品の厚さ情報及び前記幅情報から、当該収納部において前記物品を更に収納可能とする残り幅についての残り幅情報を求める残り検知部を有し、
前記更新部は、前記物品が取り出された際に、前記残り幅についての残り幅情報を更新するように構成されている請求項1に記載の収納棚管理システム。
【請求項3】
前記収納棚は、前記収納部を少なくとも一つ有する第1領域と、この第1領域とは別の領域であって前記収納部を少なくとも一つ有する領域又は前記収納棚以外で前記物品を収納可能な領域からなる第2領域と、を有し、
前記第1領域から取り出すべき前記物品を抽出する抽出情報を入力する入力手段を更に備え、
前記制御手段は、前記抽出情報に基づいて取り出すべき前記物品を前記第1領域から抽出しかつ取り出す指示を行う抽出部を有し、
前記制御手段は、取り出された前記物品を前記第2領域で管理するように構成した請求項1又は2に記載の収納棚管理システム。
【請求項4】
前記制御手段は、取り出された前記物品を収納するための前記収納部を前記第2領域から特定しかつ収納する指示を行う特定部を有している請求項3に記載の収納棚管理システム。
【請求項5】
前記第1領域は、所定の優先順位が付けられた複数の前記収納部を有しており、
前記抽出部は、取り出すべき前記物品を、前記優先順位の上位の前記収納部から順に抽出しかつ取り出す指示を行うように構成されている請求項3又は4に記載の収納棚管理システム。
【請求項6】
前記第1領域は複数の前記収納部を有しており、
前記記憶部は、前記収納部に収納されている物品と当該物品が当該収納部に収納された時間とを関連付けた時間情報を記憶し、
前記抽出部は、この時間情報に基づいて、取り出すべき前記物品を、前記収納部に収納した時間が古い順から抽出しかつ取り出す指示を行うように構成されている請求項3又は4に記載の収納棚管理システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記抽出部による前記取り出す指示を複数回繰り返してから、取り出された物品について前記特定部による前記収納部の特定及び収納する指示を複数回繰り返して行わせる連続収納制御部を有している請求項4に記載の収納棚管理システム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記抽出部による前記取り出す指示を行う毎に、取り出された物品について前記特定部による前記収納部の特定及び収納する指示を行わせる個別収納制御部を有している請求項4に記載の収納棚管理システム。
【請求項9】
前記収納棚は、前記収納部毎に設けられた扉と、この扉の開けるための開操作手段とを有し、
前記抽出部による前記取り出す指示は、取り出すべき前記物品が収納された前記収納部の前記扉を前記開操作手段によって開くための動作指令であり、
前記特定部による前記収納する指示は、取り出された前記物品を収納するための前記収納部の前記扉を前記開操作手段によって開くための動作指令である請求項4に記載の収納棚管理システム。
【請求項10】
前記第2領域は、所定の優先順位が付けられた複数の前記収納部を有しており、
前記特定部は、前記優先順位の上位の第1収納部から順に、取り出された前記物品が収納可能であるか否かを判定するとともに、収納不可能と判定された前記物品については優先順位が次に上位である第2収納部に収納可能であるか否かを判定するように構成されている請求項4に記載の収納棚管理システム。
【請求項11】
前記特定部は、前記優先順位の上位の第1収納部から順に、取り出された複数の前記物品が収納可能であるか否かを、一つの物品ずつ、当該第1収納部に収納不可能と判定されるまで繰り返して判定するとともに、収納不可能と判定された際の物品よりも前の物品については当該第1収納部を特定しかつ収納する指示を行うように構成されている請求項10に記載の収納棚管理システム。
【請求項12】
前記第2領域は、所定の優先順位が付けられた複数の前記収納部を有しており、
前記特定部は、取り出された複数の前記物品を収納するために必要な前記収納部の必要数を求め、当該必要数についての前記収納部を、空となっている前記収納部であって前記優先順位の上位の収納部から順に特定しかつ収納する指示を行うように構成されている請求項4に記載の収納棚管理システム。
【請求項13】
前記収納棚は、所定の優先順位が付けられた複数の前記収納部を有し当該優先順位の上位の前記収納部から所定の第1収納順で前記物品を収納する第1領域と、この第1領域とは別の領域であって所定の優先順位が付けられた複数の前記収納部を有し当該優先順位の上位の前記収納部から所定の第2収納順で前記物品を収納する第2領域と、を有し、
前記制御手段は、前記第1領域から取り出された前記物品を収納するための前記収納部を、当該物品の収納順が前記第2収納順に従ったものとなるように、前記第2領域から特定しかつ収納する指示を行う特定部を有している請求項1又は2に記載の収納棚管理システム。
【請求項14】
前記制御手段は、
前記第1領域の前記収納部のうち、前記物品を収納可能とする前記残り幅のある収納部を、前記優先順位の上位から順に見つける探索部と、
この探索部によって見つけた第1収納部の前記残り幅に基づいて、前記第1収納部へと移動させる物品を、次に優先順位の高い第2収納部から抽出しかつ当該物品の移動を指示する移動指示部と、
前記移動指示部による指示を繰り返して行わせるとともに、前記第1領域における前記物品の移動により空となった収納部を検知し、この空となった収納部を第2領域の収納部として更新する領域更新部と、
を有している請求項13に記載の収納棚管理システム。
【請求項15】
物品を所定の収納順で並べて収納する収納部における当該物品の管理の制御を制御手段によって行う収納管理方法であって、
前記制御手段は、前記収納順に収納されている前記物品の順位についての順位情報を記憶し、この収納部から前記物品が取り出された際に、当該取り出された物品よりも前記収納順で下位の物品の順位を繰り上げて前記順位情報を更新することを特徴とする収納管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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