説明

収納装置

【課題】設けられた仕切板の位置変更が容易で、側板や仕切板下部に突出部を設けることなく、しかも全体的に強度をもたせた収納装置を提供する。
【解決手段】左右両側板1,2の上部に天板3が接合されてなる枠体と、その枠体の背面側に設けられた取付板4,5と、前記枠体内に設けられ、枠体内空間を左右に分割する二以上の仕切板11,12と、その仕切板11,12と側板1,2の間、及び隣接する仕切板11,12間に設けられた二以上の棚板21〜23,31,32,41〜44とからなり、地板のない収納装置で、仕切板11,12は、天板3と取付板4,5に着脱可能な結合部材50によって固定されるとともに、床面100に固定部材を使用しての固定はされていないもので、仕切板11,12の取付位置を、枠体内の左右方向に変更可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばクローゼットの内部等に設けられる収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、収納に関して、従来からの箪笥に代わってクローゼット、特に内部が広いウォークインクローゼット等の収納装置を採用する例が増えている。
これは従来からの納戸あるいは大型の箪笥の融合・発展型ともいえるもので、衣類のみならず鞄、扇風機、ストーブ、スキー、釣竿、寝具、その他雑多な各種家庭用品の保管に使用される場合が多い。従って、収納される物品は様々なサイズである。
【0003】
クローゼットの施工について、大工が施工現場で合板や角材等を切断・加工して取り付ける場合は、固定棚を適当な間隔で完全固定して施工する場合もあったが、近年は各社からクローゼットに使用される各種棚が考案・発売されている。一般的には、箪笥のような通常の収納では左右の側板と上下の板(天板、地板)で箱体を形成し、これに扉と棚等を取り付けるが、ウォークインクローゼットの場合は一般的に棚を作り付けとするので、地板に相当する部材は使用されない場合が大半である。
【0004】
例えば、特許文献1〜3のように、パイプや側板と天板等で枠体を形成し、棚板を設置していくシステム的な収納内部装置が一般化している。また、棚板の幅を可変式とした特許文献4〜7等が提案されている。棚の奥行きが可変式となった特許文献8も開示されている。棚位置が可変式となった棚はこれらの物品のサイズに対応できるようになっていて、棚の高さが簡単に変えられるようになっている。側板(仕切板)の位置が変更可能な例としては、特許文献9,10があげられ、更に、棚の幅と高さが同時に変更可能な特許文献11も開示されている。
【特許文献1】特開平7−275051号公報
【特許文献2】特開平7−327754号公報
【特許文献3】特許第2651000号
【特許文献4】実開平2−45032号公報
【特許文献5】実公平6−20422号公報
【特許文献6】実開昭62−73736号公報
【特許文献7】実開平7−43046号公報
【特許文献8】特開2000−217644号公報
【特許文献9】実開昭60−130730号公報
【特許文献10】特開2001−327339号公報
【特許文献11】実開昭63−33830号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の収納、特にウォークインクローゼット用の棚に関しては次のような問題点があった。
(1)仕切板の位置変更に制約がある。
近年では多くのウォークインクローゼット用の棚に関しては、棚板の上下方向の位置変更が可能であるが(特許文献1,2)、横方向の位置変更に関しては、特許文献10のように仕切板の移動、特許文献9,11のような側板移動が提案されているものの、強度の問題からあまり一般的とは言えず、通常は棚の上下方向の位置変更に留まっているのが現状である。
(2)側板や仕切板の下部に突出部がある。
従来品の多くは強度を確保する点から、側板や仕切板の下部を床に固定するL金具が必要(特許文献1,2)で、可動式側板固定用レールが必要(特許文献11)なタイプもある。側板や仕切板の下部に突出部があると、一般家庭でよく使用されるキャスター付きコンテナ型収納ボックスの出し入れに支障がある。そして、金具が邪魔になって側板の幅一杯までは使用できないので側板付近に無駄な空間ができてしまう。また、これらの金具の使用は床面に傷を付けることになる。
(3)強度が低い。
側板が移動できる特許文献9では側板に大きな切れ込みがあり、強度が低い。また、特許文献10のように、棚板の幅が大の場合は棚に置いた物の重量で棚が撓んでしまう。この、棚の撓みには特許文献9のような中間での支持が効果的だが、この方法では棚板高さの変更の制限がある。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、設けられた仕切板の位置変更が容易で、側板や仕切板下部に突出部を設けることなく、しかも全体的に強度をもたせた収納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の収納装置は、左右両側板の上部に天板が接合されてなる枠体と、その枠体の背面側に設けられた取付板と、前記枠体内に設けられ、枠体内空間を左右に分割する仕切板と、その仕切板と前記側板の間に設けられた一又は二以上の棚板と、からなり、しかも地板のない収納装置であって、
前記仕切板は、前記天板の下面と取付板の前面にそれぞれ着脱可能な結合部材によって固定されるとともに、床面に固定部材を使用しての固定はされていないもので、前記仕切板の取付位置を、前記枠体内の左右方向の所定位置に変更可能にしたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の収納装置は、左右両側板の上部に天板が接合されてなる枠体と、その枠体の背面側に設けられた取付板と、前記枠体内に設けられ、枠体内空間を左右に分割する一又は二以上の仕切板と、その仕切板と前記側板の間、又は/及び、隣接する仕切板間に設けられた一又は二以上の棚板と、からなり、しかも地板のない収納装置であって、
前記仕切板は、前記天板の下面と取付板の前面にそれぞれ着脱可能な結合部材によって固定されるとともに、床面に固定部材を使用しての固定はされていないもので、前記仕切板の取付位置を、前記枠体内の左右方向の所定位置に変更可能にし、しかも、前記仕切板は、少なくとも一枚の、着脱可能な結合部材によって固定される固定用の棚板によって、前記隣接する仕切板又は前記側板に必ず固定されるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の収納装置は、左右両側板の上部に天板が接合されてなる枠体と、その枠体の背面側に設けられた取付板と、前記枠体内に設けられ、枠体内空間を左右に分割する一又は二以上の仕切板と、その仕切板と前記側板の間、又は/及び、隣接する仕切板間に設けられた一又は二以上の棚板と、からなり、しかも地板のない収納装置であって、
前記仕切板は、前記天板の下面と取付板の前面にそれぞれ着脱可能な結合部材によって固定されるとともに、床面に固定部材を使用しての固定はされていないもので、前記仕切板の取付位置を、前記枠体内の左右方向の所定位置に変更可能にし、しかも、前記仕切板は、少なくとも一本の、着脱可能な結合部材によって固定される固定用のパイプによって、前記隣接する仕切板又は前記側板に必ず固定されるようにしたことを特徴とする。
【0010】
前記仕切板の下面にフェルトやゴム等の緩衝材を装着することもできる。
また、前記取付板を、前記枠体の背面側の下部に設けられた水平に延びる板材で構成することもできる。さらに、前記取付板を、水平に延びる上下2本の板材でしかも壁面に固定可能に構成することもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の収納装置によれば、仕切板は、天板と取付板に着脱可能な結合部材によって固定され、さらに仕切板と側板との間には棚板が設けられているので、仕切板はその下面を床面に直接固定しなくても強度は十分で安定性がよい。
よって、仕切板の下面からは突出部がないのでキャスター付きコンテナ型収納ボックスの出し入れに支障が無く、スムースに出し入れ可能である。すなわち仕切板と側板の幅一杯までキャスター付きコンテナ型収納ボックスを入れる事が可能である。
特に仕切板が枠内に2以上設けられる場合には、仕切板はそれぞれ固定用の棚板によって隣接する仕切板又は側板に、着脱可能な結合部材によって固定されるので、仕切板の安定性は一層強くなる。
また、仕切板の取付位置は、枠体内の左右方向の所定位置に変更可能であるので、引出しや棚板の位置を様々にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1乃至図4を参照して、本発明の実施形態に係る収納装置について説明する。この収納装置は、これに限定されるものではないが、ウォークインクローゼットとして使用される場合の例を示した。
本発明の実施形態に係る収納装置は、図1及び図2に示すように、同じ大きさの左右両側板1,2の上面に天板3が接合されて構成された下側に開口した略コ字状の枠体と、その枠体の背面側(図2では紙面の裏面側)に設けられた上下の取付板4,5と、枠体内に設けられ、枠体内空間を縦に分割する仕切板11,12と、その仕切板11,12と側板1,2の間に設けられた複数の棚板21〜23,31,32,41〜44とからなる。図2で示す場合、棚板21〜23は、仕切板11と左側の側板1との間に、棚板31,32は隣接する仕切板11,12間に、そして、棚板41〜44は、仕切板12と右側の側板2との間にそれぞれ設けられている。
【0013】
なお、ここでは側板1,2の上面に天板3を結合した、いわゆる横勝ちの納めとしたものを採用したが、側板1,2の上部側面に天板3の側面を結合した、いわゆる縦勝ちの納めとしたものであってもよい。上下の取付板4,5は、左右両側板1,2の背面側に接合するようにしたが、図5に示すように、上下の取付板4,5に対応する仕切板11,12の位置に切り欠き11b,12bを設けて、その切り欠き11b,12bに上下の取付板4,5を嵌め込むようにしてもよい。また、側板1,2に対しては、上下の取付板4,5の端部を側板1,2の側面に特に固定金具を使用することなく当接させるだけにするか、あるいは、同様に切り欠きを設けて上下の取付板4,5を嵌め込むようにすることができる。このように、切り欠きに上下の取付板4,5を嵌め込むようにすれば、奥側の壁面との間に生じる隙間をなくすことができる。
【0014】
上側の取付板4には、水平方向に複数のダボ穴4aが、同じく下側の取付板5にも水平方向に複数のダボ穴5aがあけられている。さらに、天板3にも水平方向に複数のダボ穴3aがあけられている。ダボ穴3a,4a,5aは、左側の側板1から右側の側板2にかけて共通した等間隔で設けられている。よって、左側の側板1からn番目(本実施例ではnは1〜11)のダボ穴3a,4a,5aを結ぶ平面は側板1,2に平行であり、そのダボ穴3a,4a,5aを結ぶ平面の位置に仕切板11,12を取付けることができるようになっている。また、ダボ穴3a,4a,5aが設けられている位置であれば、枠体内の左右方向において仕切板11,12の取付位置を容易に変更できるようになっている。
また、取付板4,5は、壁面に対して固定されるようになっている。
【0015】
仕切板11,12には、図4に示すように、ダボ穴11a,12aが前側(枠体に取付けた場合には枠体の正面側(図2では紙面の表面側))と後側(枠体に取付けた場合には枠体の背面側(図2では紙面の裏面側))にそれぞれ上下方向に等間隔に設けられている。なお、枠体に仕切板11,12を取付けた場合に、それらに設けられたダボ穴11a,12aに相対向する側板1,2の位置にもダボ穴(図示を省略した)が設けられている。ダボ穴は、予め工場にて一定間隔に穿孔され、ダボ穴は棚板の設置間隔に合わせて決定され、一般には30〜50mm間隔程度で穿孔される場合が多い。
【0016】
また、仕切板11,12の上面側と後側上部と後側下部(図示を省略した)の3個所には、結合部材50が設けられていて、天板3と上下取付板4,5に着脱可能に固定されている。なお、側板1,2の上面側と後側上部と後側下部にも同様の結合部材50が設けられていて、天板3と上下取付板4,5に固定されている。側板1,2を固定する場合には、必ずしも着脱可能な結合部材50を使用しなくてもよい。
この結合部材50に関しては特に限定されるわけではないが、着脱可能な市販の収納部材組立て用金具を用いた。ピン状のオス金具と回転すると引き寄せの働くメス金具とからなり、ピン状のオス金具は、片方がネジ状もう片方が窪みのある形状となっていて、ドライバー等でダボ穴にねじ込む事が出来る。また、メス金具はオス金具の窪み部分を引き寄せるようになっている(例えば、オス金具をラフィックスボルトとし、メス金具をラフィックス本体とする場合等)。基本的には外部から見て傷を付ける事無く、取付けと撤去が可能なものであればよい。
また、仕切板11,12は、床面100に対しては特に固定部材を使用して固定しないようにしてある。
【0017】
複数の棚板のうち棚板22,23は側板1と仕切板11に設けられたダボ穴に挿入されたダボTの上に載置されている。また、棚板32は仕切板11と仕切板12に設けられたダボ穴に挿入されたダボTの上に載置されている。さらに、棚板42,43,44は仕切板12と側板2に設けられたダボ穴に挿入されたダボTの上に載置されている。
これに対して、棚板21,31,41(図1〜図3では正面の部分を黒塗して示した)は固定用の棚板であり、棚板21,31,41の左側の前側と後側、そして右側の前側と後側には、仕切板11,12に設けられたと同様な結合部材50が設けられ、結合部材50を介して、棚板21は仕切板11と側板1との間に、棚板31は隣接する仕切板11,12間に、そして、棚板41は、仕切板12と側板2との間に強固に取付られている。
【0018】
なお、側板1,2,天板3,取付板4,5,仕切板11,12,棚板21〜23,31,32,41〜44の材質は特に限定されるものではなく、木材でも金属でもあるいはプラスチック等であってもよい。
【0019】
本発明の実施形態に係る収納装置の施工方法の一例について説明する。この施工例は、図5に示したように、切り欠き11b,12bを設けた仕切板11,12を使用し、上下の取付板4,5をその切り欠き11b,12bに嵌め込むとともに、取付板4,5の両端を側板1,2の側面に当接し側板1,2とは特に固定しないようにしたタイプのものを、両側壁及び奥壁で囲まれた空間に設置する場合について説明する。なお、両側壁及び奥壁で囲まれた空間は、間仕切りパネル等を使用して形成された空間であってもよい。
【0020】
(1)まず、施工現場において、左右両側板1,2の設置を行う。このとき、左右両側板1,2を対応する側壁に固定ビスを使用して固定する。なお、側壁に対して左右両側板1,2の固定を特に行わない場合もある。
(2)次に、設置された左右両側板1,2間の距離と同一にカットされた上側取付板4及び下側取付板5を両側板1,2間に正面から挿入して奥壁に固定ビスを使用して固定する。なお、上下取付板4,5に設けられるダボ穴4a,5aは、予め工場にて一定間隔に穿孔される。このダボ穴4a,5aは仕切板11,12の設置間隔に合わせて決定される。また、棚板の幅と連動するので、概ね100〜300mmの適当な設置間隔とするのが好ましい。
(3)次に、側板1,2の上面に天板3を載せて専用ビスを使用して結合する。
【0021】
(4)次に、上述した結合金具50を構成する、オス金具(例えば、ラフィックスボルト)を仕切板11,12の取付位置に合わせて、天板3,上下取付板4,5にドライバーを使用して締め付け固定する。
(5)次に、仕切板11,12をそれぞれ側板1,2と天板3で囲まれた枠体内に挿入し、天板3,上下取付板4,5から突出したオス金具まで仕切板11,12をスライドさせ、オス金具を、仕切板11,12に設けられた結合金具50を構成する、メス金具(例えば、ラフィックス本体)に結合し、メス金具をドライバーで締め付けることにより仕切板11,12を天板3,及び上下取付板4,5に強固に固定する。
(6)次に、上述した結合金具50を構成する、オス金具(例えば、ラフィックスボルト)を固定用の棚板21,31,41の取付位置に合わせて、左側の側板1,左側の仕切板11,右側の仕切板12,右側の側板2にドライバーを使用して締め付け固定する。このとき、オス金具は、側板1,2,仕切板11,12に形成されたダボ穴に取付ける。
(7)次に、固定用の棚板21,31,41をそれぞれ側板1と仕切板11間,仕切板11,12間,仕切板12と側板2間にそれぞれに挿入し、側板1,2,仕切板11,12から突出したオス金具に載せるようにして、オス金具を、固定用の棚板21,31,41に設けられた結合金具50を構成する、メス金具(例えば、ラフィックス本体)に結合し、メス金具をドライバーで締め付けることにより固定用の棚板21,31,41を側板1と仕切板11間,仕切板11,12間,仕切板12と側板2間に強固に固定する。
なお、固定用の棚板21,31,41の固定位置は、仕切板11,12の高さの半分以下であることが安定的に仕切板11,12を固定する点において好ましい。
また、側板1,2,上下取付板4,5,仕切板11,12に設けられたダボ穴は、気になるようであれば、取り外し可能なピン状の穴塞ぎを使用して隠蔽しても良い。
【0022】
そして、その他の棚板22,23,32,42〜44をダボTを介して側板1と仕切板11の間、仕切板11,12間、及び仕切板12と側板2の間に取付ける。棚板22,23,32,42〜44はダボT上に載置されるものであり、側板1,2や仕切板11,12に直接固定されるものではない。なお、棚板22,23,32,42〜44とともに、あるいはこれら棚板とともに引出等を取付けることも可能である。また、特にキャスター付きのコンテナ型の収納ボックス(図示を省略した)を床面100から枠体内に出し入れすることができる。このとき、仕切板11,12の下面には仕切板11,12の厚さよりはみ出した固定部材は特に設けられていないので、キャスター付きのコンテナ型の収納ボックスのスムースな出し入れが可能になる。つまり、側板1と仕切板11の間の幅一杯、仕切板11,12間の幅一杯、仕切板12と側板2の間の幅一杯までキャスター付きのコンテナ型の収納ボックスを入れることができる。
【0023】
このように施工された収納装置では、仕切板11,12は、その上面側と後側上部と後側下部の3個所が結合部材50を介して天板3と上下取付板4,5に固定されるとともに、側板1と仕切板11の間、仕切板11,12間、及び仕切板12と側板2の間には固定用の棚板21,31,41が結合部材50を介して固定されているので、仕切板11,12の下面を直接床面100に固定しなくても仕切板11,12は安定性がよく、ぐらつくことはない。
そして、もし、施工完成後、仕切板11,12の位置を変更したい場合、例えば、図2に示した状態から図3に示した状態に変更したい場合は、これまで示した手順を逆に辿り、固定用の棚板も含めた棚板21〜23,31,32,41〜44を撤去し、仕板板11,12の固定を順次解除してから、新たな位置に仕切板11,12を移設し、再び一旦撤去した棚板21〜23,31,32,41〜44を取付ければ良い。仕切板11,12の位置変更に関しては上下取付板4,5に設けられたダボ穴4a,5aの位置内ならば自由に変更が可能である。なお、仕切板11,12の位置を変更する場合等に仕切板11,12の下面が床面100に当接し、床面100を傷付ける場合が考えられるので、この防止策として、仕切板11,12の下面に傷防止用のフェルトやゴム等の緩衝材を装着するようにしてもよい。
【0024】
なお、本実施形態では、仕切板11,12を2つ使用した例を示したが、仕切板の撤去や追加は自在であり、例えば、仕切板を1つにすることもできる。
また、本実施形態では、側板1と仕切板11の間に固定用の棚板21、仕切板11,12間に固定用の棚板31、仕切板12と側板2の間に固定用の棚板41を設けるようにしたが、安定性の見地から一枚の仕切板が固定用の棚板によって隣接する仕切板又は側面のいずれか一方に必ず固定されるようなものであればよい。よって、例えば、左側の仕切板11であれば、固定用の棚板21で左側の側板1と固定されるか、あるいは、固定用の棚板31で隣接する仕切板12に固定されるようになっていればよい。また、右側の仕切板12であれば、固定用の棚板41で右側の側板2と固定されるか、あるいは、固定用の棚板31で隣接する仕切板11に固定されるようになっていればよい。つまり、仕切板の数を(2N−1)枚、あるいは2N枚(ただし、N=1,2,3,・・・)とした場合、固定用の棚板の数は少なくともN枚必要になることを意味する。
【0025】
また、本実施形態では、取付板4,5を、水平に延びる上下2本の板材で構成したが、その上下の間隔は特に限定されるものではなく、仕切板11,12を安定して固定しうる間隔であればよい。また、枠体の背面全体を覆うような1枚の背板とすることもできる。
【0026】
また、仕切板11,12は板状のものとしたが、図6に示すように、外観形状が矩形状の仕切板111(a),コ字状の仕切板112(b),H字状の仕切板113(c)といったスケルトンタイプのものを使用することもできる。
【0027】
また、本実施形態では、仕切板11,12の下面には、特に固定部材を設けないようにしたが、これにかえて、床面100に損傷を与えない固定部材、例えば、図7に示すような、ゴムやフェルト付きのアジャスター金具600を設け、その固定部材600を使用して床面100に固定するようにしてもよい。なお、アジャスター金具600は、仕切板11,12の左右より突出することがないように仕切板11,12の厚みよりも幅の狭いものが使用されている。
すなわち、図8(a)に示すような、L金具701を仕切板11,12の下面に固定した場合には、床面100に損傷を与えるとともに、キャスター付きのコンテナ型の収納ボックスの出し入れに邪魔になり、また、図8(b)に示すような、金属性の突起が下部に形成された金具702を仕切板11,12の下面に固定した場合には、床面100に損傷を与えることになるから使用することができない。また、仕切板11,12の下面に床面100との固定用に接着剤を使用した場合には、床面100が汚れるので使用を避けた方がよい。
【0028】
また、本実施形態で設けるようにした固定用の棚板21,31,41にかえてパイプ(図示を省略した)を使用し、そのパイプを着脱可能な結合部材によって側板又は隣接する仕切板に固定するようにしてもよい。
さらには、固定用の棚板21,31,41を伸縮自在で固定時(伸縮調整後)にはその伸縮を不可とするロック機構を有する棚板や、同じく伸縮自在で固定時(伸縮調整後)にはその伸縮を不可とするロック機構を有するパイプで構成することもできる。これによれば、棚板やパイプの幅を気にせずとも自在に設置することができ、伸縮しない固定用の棚板、パイプを使用した場合と同様に、仕切板11,12の下部を床面100に固定しなくても十分な強度を付与することができる。
また、取付板4,5と壁面あるいは間仕切りを形成する面材とを共有あるいは一体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施形態に係る収納装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る収納装置を示す正面図である。
【図3】図2に示す収納装置において、仕切板及び棚板の位置を変更した場合を示す正面図である。
【図4】本実施形態に係る収納装置を構成する仕切板の固定状態を示す拡大斜視図である。
【図5】本実施形態に係る収納装置を構成する仕切板の固定状態の別の態様を示す拡大斜視図である。
【図6】本実施形態に係る収納装置を構成する仕切板の別の態様を示す斜視図である。
【図7】本実施形態に係る収納装置を構成する仕切板の下面に、床面に損傷を与えない固定部材を設けた状態を示す斜視図である。
【図8】仕切板の下面に床面に損傷を与える固定部材を設けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 側板(左側板)
2 側板(右側板)
3 天板
3a ダボ穴
4 上側取付板
4a ダボ穴
5 下側取付板
5a ダボ穴
11 仕切板
11a ダボ穴
11b 切り欠き
12 仕切板
12a ダボ穴
12b 切り欠き
21,31,41 固定用の棚板
22,23,32,42〜44 棚板
50 結合部材
100 床面
111,112,113 仕切板
600 アジャスター金具
701 L金具
702 金具
T ダボ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両側板の上部に天板が接合されてなる枠体と、
その枠体の背面側に設けられた取付板と、
前記枠体内に設けられ、枠体内空間を左右に分割する仕切板と、
その仕切板と前記側板の間に設けられた一又は二以上の棚板と、からなり、しかも地板のない収納装置であって、
前記仕切板は、前記天板の下面と取付板の前面にそれぞれ着脱可能な結合部材によって固定されるとともに、床面に固定部材を使用しての固定はされていないもので、前記仕切板の取付位置を、前記枠体内の左右方向の所定位置に変更可能にしたことを特徴とする収納装置。
【請求項2】
左右両側板の上部に天板が接合されてなる枠体と、
その枠体の背面側に設けられた取付板と、
前記枠体内に設けられ、枠体内空間を左右に分割する一又は二以上の仕切板と、
その仕切板と前記側板の間、又は/及び、隣接する仕切板間に設けられた一又は二以上の棚板と、からなり、しかも地板のない収納装置であって、
前記仕切板は、前記天板の下面と取付板の前面にそれぞれ着脱可能な結合部材によって固定されるとともに、床面に固定部材を使用しての固定はされていないもので、前記仕切板の取付位置を、前記枠体内の左右方向の所定位置に変更可能にし、しかも、前記仕切板は、少なくとも一枚の、着脱可能な結合部材によって固定される固定用の棚板によって、前記隣接する仕切板又は前記側板に必ず固定されるようにしたことを特徴とする収納装置。
【請求項3】
左右両側板の上部に天板が接合されてなる枠体と、
その枠体の背面側に設けられた取付板と、
前記枠体内に設けられ、枠体内空間を左右に分割する一又は二以上の仕切板と、
その仕切板と前記側板の間、又は/及び、隣接する仕切板間に設けられた一又は二以上の棚板と、からなり、しかも地板のない収納装置であって、
前記仕切板は、前記天板の下面と取付板の前面にそれぞれ着脱可能な結合部材によって固定されるとともに、床面に固定部材を使用しての固定はされていないもので、前記仕切板の取付位置を、前記枠体内の左右方向の所定位置に変更可能にし、しかも、前記仕切板は、少なくとも一本の、着脱可能な結合部材によって固定される固定用のパイプによって、前記隣接する仕切板又は前記側板に必ず固定されるようにしたことを特徴とする収納装置。
【請求項4】
前記仕切板の下面にフェルトやゴム等の緩衝材を装着するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の収納装置。
【請求項5】
前記取付板は、前記枠体の背面側の下部に設けられた水平に延びる板材であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の収納装置。
【請求項6】
前記取付板は、水平に延びる上下2本の板材であり、壁面に固定可能であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−12327(P2008−12327A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223229(P2007−223229)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【分割の表示】特願2005−39285(P2005−39285)の分割
【原出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(000145437)株式会社ウッドワン (70)
【Fターム(参考)】