説明

取付構造

【課題】ハウジングに形成された貫通孔に挿通される部材とハウジングとの間のシール性能を向上できる取付構造を提供する。
【解決手段】この取付構造は、鋳造品であって貫通孔が形成されたハウジング1に、上記貫通孔に挿通されるキャップ5を取り付ける取付構造であって、塑性加工品であって貫通孔に嵌め込まれた中空のプラグ3と、プラグ3とハウジング1との両方に面接触してプラブ3とハウジング1との間の気密性を保持するガスケット4とを備える。キャップ5は、プラグ3を貫通してハウジング1に取り付けられる。取付構造は、キャップ5とプラグ3との間の気密性を保持するOリング6をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付構造に関し、特に、ハウジングに形成された貫通孔に部材を挿通して取り付ける取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、ハウジングに形成された貫通孔への部材の取付構造は、たとえば特開平8−35977号公報(特許文献1)、実開昭61−162645号公報(特許文献2)、実開平5−27284号公報(特許文献3)に開示されている。
【特許文献1】特開平8−35977号公報
【特許文献2】実開昭61−162645号公報
【特許文献3】実開平5−27284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ハウジングに貫通孔を加工形成し、当該貫通孔に部品を直接挿入してハウジングに部品を取り付ける取付構造では、たとえばOリングなどを用いて部品とハウジングとの間の隙間がシールされる。しかしながら、鋳造により形成されたハウジングでは、材料内部に鋳巣とよばれる空洞が発生しやすい。内部に鋳巣が発生した鋳物品であるハウジングを切削加工すると、ハウジングの表面に鋳巣が現れる場合がある。
【0004】
ハウジングに形成された貫通孔の内周面にOリングの直径よりも大きな鋳巣が発生した場合には、ハウジングと部品との間をOリングによって十分シールすることができず、その結果、ハウジング内部にオイルが注入された場合にオイルがハウジング外部へ漏出するという問題があった。品質検査において貫通孔の内周面に鋳巣が発見されたハウジングを全て不良品として取り扱うことによって上記の問題を回避することができるが、その場合、不良品の数が増大して歩留まりが低下するという問題があった。
【0005】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ハウジングに形成された貫通孔に挿通される部材とハウジングとの間のシール性能を向上させることを可能とする、取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る取付構造は、鋳造品であって貫通孔が形成されたハウジングに、上記貫通孔に挿通される挿通部材を取り付ける取付構造であって、塑性加工品であって貫通孔に嵌め込まれた中空の筒部材と、筒部材とハウジングとの両方に面接触して筒部材とハウジングとの間の気密性を保持する第一シール部とを備える。挿通部材は、筒部材を貫通してハウジングに取り付けられる。取付構造は、挿通部材と筒部材との間の気密性を保持する第二シール部をさらに備える。
【0007】
ここで、塑性加工とは一般的に、材料に外力を加えて変形させたとき外力を除去しても元の形状に戻らず変形したままの状態になる塑性変形を利用して材料を所定の形状にする加工をいうが、本発明の「塑性加工品」では、鋳造品と比較して材料内部の鋳巣の体積率が小さく、材料内部の空隙率が鋳造品と比べて小さいことが必要である。そのため、本発明の「塑性加工品」には、鋳造された材料をせん断や切削により加工したのみの部材は含まれない。材料内部の鋳巣の体積率を低減する加工としては、材料に圧縮力を負荷する圧縮加工が好ましく、たとえばすえ込み鍛造や型鍛造などの各種の鍛造、前方押出しや後方押出しなどの各種の押出し、圧延に代表される減面加工、フランジ成形や深絞りなどの各種のプレス加工などを用いることができる。上記の各種の塑性加工は、冷間加工であっても熱間加工であっても構わない。
【0008】
上記取付構造において、筒部材が径方向外側へ延びるフランジ部を有しており、第一シール部は、ハウジングの外表面と、ハウジングの外表面に対向するフランジ部の対向面との間を密封するものであってもよい。また、第一シール部は、筒部材の外周面と、貫通孔の内周面との間を密封するものであってもよい。
【0009】
また、筒部材には挿通部材が挿入される挿通孔が形成されており、挿通部材には、挿通孔に挿入されたとき挿通部材を筒部材に対して固定する爪部が形成されていてもよい。
【0010】
また、筒部材が底部を有しており、挿通部材は、筒部材の底部を突き抜いてハウジングに取り付けられてもよい。
【0011】
また、第二シール部は、挿通部材と底部との間を密封してもよい。また、底部は、相対的に強度の低い低強度部を含んでもよい。
【0012】
本発明の他の局面に係る取付構造は、鋳造品であって貫通孔が形成されたハウジングに、塑性加工品であって中空の筒部材を貫通孔に嵌め込んで取り付ける取付構造において、筒部材とハウジングとの両方に面接触して、筒部材とハウジングとの間の気密性を保持するシール部を備える。筒部材は、底部と、底部に接合する側壁部とを有し、筒部材の内部には底部と側壁部とによって囲まれた空間が形成されている。
【0013】
また、底部は、相対的に強度の低い低強度部を含み、筒部材を介在させて貫通孔に挿通される挿通部材が底部を突き抜いてハウジングに取り付けられ得るものであって、挿通部材には、筒部材との間の気密性を保持する他のシール部が取り付けられていてもよい。
【0014】
また、他のシール部は、挿通部材と底部との間を密封してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の取付構造によると、鋳巣の発生が懸念される鋳造品であるハウジングと筒部材との間では、第一シール部がハウジングおよび筒部材の両方に面接触することによる面シールが行なわれる。面シールによって広い幅に対してシール性を確保することができるので、ハウジングに形成された貫通孔に挿通部材を直接挿通させる従来の取付構造では許容できなかった大きな鋳巣の発生を許容することができる。つまり、ハウジングの貫通孔に鋳巣が発生した場合でも、ハウジングと筒部材との間で良好なシール性を得ることができるので、貫通孔に鋳巣が発生したハウジングを不良品として取り扱う必要がなくなる。そのため、不良品の発生確率を大幅に低減させ、歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0016】
一方、鋳造品でない筒部材と挿通部材との間のシールに関しては、鋳巣の発生の影響を受けることなく十分なシール性を確保することができる。したがって、筒部材とハウジングとの間、および挿通部材と筒部材との間の両方とも、気密性を十分に確保することができるので、鋳巣による気密性の低下を抑制し、鋳造品であるハウジングの貫通孔に挿通部材が取り付けられる取付構造のシール性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0018】
なお、以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の、貫通孔が形成されたハウジングへの挿通部材の取付構造を示す斜視図である。図2は、実施の形態1の取付構造を示す断面模式図である。図1および図2を参照して、本実施の形態のハウジング1は、鋳造により形成された鋳造品であって、たとえばアルミニウム合金を使用したダイカストにより形成されている。ハウジング1は、その一部が外方へ突起して形成されたスリーブ部2を有する。スリーブ部2は鋳造によってハウジング1と一体成形され、スリーブ部2の内部には、ドリルを用いた穴あけ加工が施され、必要な場合にはさらに中ぐり加工が行なわれることにより、貫通孔が形成されている。スリーブ部2は、中空の円筒形状に形成されている。
【0020】
スリーブ部2の内部に形成された貫通孔には、筒部材としてのプラグ3が嵌め込まれている。プラグ3は、塑性加工により形成された塑性加工品であって、たとえば鍛造によって形成されている。プラグ3の内部には、図2の図上下方向にプラグ3を貫通する孔が形成されており、当該孔の内部にキャップ5が挿し込まれている。プラグ3にはキャップ5が挿入される挿通孔が形成され、プラグ3は中空に形成されている。キャップ5は、プラグ3を介在させてハウジング1のスリーブ部2に形成された貫通孔に挿通されることにより、ハウジング1に取り付けられている。
【0021】
なお、各部品の形成が鋳造または塑性加工により行なわれていることは、目視による部品表面の観察、または顕微鏡を用いた微視的な金属組織の観察によって、判別することが可能である。
【0022】
プラグ3は、筒状のプラグ3の軸線方向(すなわち図2における上下方向)と直交する径方向外側に向けて延びる、フランジ部3fを有する。プラグ3は、スリーブ部2の内周面と対向する外周面を有する筒状部と、当該筒状部の端部に接合するつば状のフランジ部3fとを含んで構成される。このフランジ部3fと、ハウジング1のスリーブ部2との間には、ガスケット4が設けられている。
【0023】
ガスケット4は、ハウジング1の外表面であるスリーブ部2の表面2aと、表面2aと対向するフランジ部3fの対向面3aとによって挟まれている。ガスケット4は、フランジ部3fと、スリーブ部2との両方に面接触している。ガスケット4は、スリーブ部2の表面2aとフランジ部3fの対向面3aとの間を密封して、プラグ3とスリーブ部2との間の気密性を保持する。
【0024】
キャップ5は、プラグ3の内部に形成された挿通孔を貫通し、先端に形成された爪部7がプラグ3と係合することにより、プラグ3に対して固定されている。キャップ5には、プラグ3の挿通孔にキャップ5が挿入されたとき、キャップ5をプラグ3に対して固定する爪部7が形成されている。キャップ5は、プラグ3に形成された挿通孔を貫通するように挿通孔に挿入されることにより、プラグ3を介在させてハウジング1に取り付けられている。
【0025】
プラグ3に形成された挿通孔の内周面3bと対向するキャップ5の外周面5bには、周方向に凹部が形成されており、当該凹部に保持されるようにOリング6が設けられている。このOリング6は、キャップ5およびプラグ3の内周面3bの両方に密着しており、キャップ5とプラグ3との間で押し潰されるように変形することによって、キャップ5とプラグ3との間の気密性を保持する。
【0026】
キャップ5の先端に爪部7が形成されており、爪部7がプラグ3と係合することによってキャップ5はプラグ3に固定される。そのため、プラグ3の内部に形成された挿通孔にキャップ5を挿し込むだけの操作によって、簡単にキャップ5をプラグ3に組付けることができる。また、外周面5bにOリング6が取り付けられたキャップ5を挿通孔に挿し込む手作業によって、容易にキャップ5とプラグ3との間の隙間をシールすることができる。キャップ5をプラグ3に取り付けるために特殊工具を必要としないので、プラグ3の周囲に狭隘なスペースしかなく工具を保持するための隙間が十分確保できない場合でも、問題なくキャップ5を取り付けることができる。爪部7は、ハウジング1に係合してキャップ5をハウジング1に対して固定するように形成されていても構わない。
【0027】
以上のような構成を備える実施の形態1の取付構造では、ハウジング1と、ハウジング1に形成された貫通孔に挿通される挿通部材としてのキャップ5との間に、プラグ3およびガスケット4を設けている。鋳造品であって鋳巣の発生が懸念されるハウジング1とプラグ3との間には、ハウジング1とプラグ3との両方に面接触する第一シール部としてのガスケット4が設置されている。ガスケット4がハウジング1とプラグ3との間を面シールするために、広い幅に対して良好なシール性能を確保できる。つまり、鋳巣がハウジング1の表面に発生しても、ガスケット4の幅よりも小さい鋳巣であればハウジング1とプラグ3との間の気密性を保持することができるので、より大きな鋳巣の発生を許容することができる。そのため、鋳巣が発生したハウジング1のうち不良品とされる数を大幅に低減して、不良品発生率を大幅に下げることができるので、取付構造の歩留まりを向上することができる。
【0028】
一方、キャップ5に取り付けられた第二シール部としてのOリング6は、プラグ3の内周面3bに接触して、キャップ5とプラグ3との間のシールを行なう。Oリング6が内周面3bと接触する幅であるOリング6のシール幅は、ハウジング1およびプラグ3に面接触するガスケット4のシール幅よりも相対的に小さい。しかしながら、プラグ3は鋳造品でなく塑性加工により形成されているために、内周面3bへの鋳巣の発生を考慮する必要はない。そのため、小さいシール幅であっても、Oリング6によって確実にキャップ5とプラグ3との間のシール性を発揮できる。したがって、Oリング6を用いることにより、内周面3bへの鋳巣の発生の影響を受けずに、キャップ5とプラグ3との間のシール性能を十分確保することができる。
【0029】
また、プラグ3がハウジング1に組み付けられた状態からキャップ5をプラグ3の挿通孔に挿入することによって、図2に示す取付構造を形成することができるが、キャップ5がプラグ3の挿通孔に挿入されていない状態では、挿通孔によってハウジング1の内部と外部とは連通されている。つまり、プラグ3には、キャップ5が取り付けられていない状態においてハウジング1の内部と外部とを連通する連通孔が形成されている。キャップ5がプラグ3に取り付けられていないときハウジング1の内部と外部とは連通している。これに対し、キャップ5をプラグ3に取り付けることによって、簡単にプラグ3に形成された連通孔を密封して、ハウジング1の内部と外部とを隔てることができる。
【0030】
たとえば、本実施の形態の取付構造は、車両のトランスアクスルケースに形成された貫通孔にキャップを取り付ける取付構造に適用することができる。この場合、トランスアクスルケースの組立工程完了時点ではトランスアクスルケース内にオイルを注入するための開口部を確保する必要があり、かつ、トランスアクスルケースを車両に組付けトランスアクスルケース内にオイルを注入した後に開口部を確実に閉塞させる必要がある。本実施の形態の取付構造を適用すれば、トランスアクスルケースの組立工程完了時点でキャップ5をプラグ3に取り付けていない状態とすることにより確実に開口部を確保することができ、かつ、トランスアクスルケース内へオイル注入後にキャップ5をプラグ3の挿通孔へ挿入するのみの手作業により開口部を確実に密封することができる。
【0031】
さらに、プラグ3の形状を適宜調整すれば、キャップ5に替えて、後述するスピードメータをプラグ3の挿通孔へ挿入可能とすることができる。このようにすれば、トランスアクスルケース内へオイルを注入するために用いる開口部をキャップ5により密封することができ、または当該開口部にスピードメータを挿通してスピードメータをトランスアクスルケースに取り付けることができ、キャップ5とスピードメータとを任意に選択して開口部に取り付けることが可能となる。また、キャップ5およびスピードメータの取り付け用の孔形状を同一とし、キャップ5とスピードメータとのいずれか一方が取り付けられる場合であっても、ハウジング1に同一の形状の貫通孔を形成し、同一の形状のプラグ3をハウジング1の貫通孔に嵌め込むことができる。したがって、トランスアクスルケースの生産性を向上することができる。
【0032】
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2の取付構造を示す断面模式図である。実施の形態2の取付構造と、上述した実施の形態1の取付構造とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態2では、プラグ3とハウジング1との間の気密性を確保する第一シール部が図3に示すような構成となっている点で、実施の形態1とは異なっている。
【0033】
具体的には、図3に示すように、スリーブ部2に形成された貫通孔の内周面2cと、プラグ3の外周面3cとの間に、第一シール部としてのシーリング剤8が充填されている。シーリング剤8は、スリーブ部2の貫通孔の内周面2cと、プラグ3の外周面3cとによって挟まれている。シーリング剤8は、スリーブ部2と、プラグ3との両方に面接触している。シーリング剤8は、スリーブ部2の内周面2cとプラグ3の外周面3cとの間を密封して、スリーブ部2とプラグ3との間の気密性を保持する。
【0034】
図4は、実施の形態1および2に共通の、プラグの形状を示す部分断面模式図である。プラグ3の外周面には、ねじ部9が形成されている。つまり、プラグ3の外周面にはおねじが形成されている。一方、プラグ3と接合するスリーブ部2の内周面には、めねじが形成されている。プラグ3は、スリーブ部2の貫通孔にねじ込まれることによって、ハウジング1に固定されている。プラグ3の内部には、キャップ5またはスピードメータなどを挿通可能に形成された挿通孔10が形成されている。
【0035】
実施の形態2の、スリーブ部2の内周面2cとプラグ3の外周面3cとの間を密封するシーリング剤8は、ねじ部9の谷底に充填することができる。つまり、プラグ3の外周面をシールボルトとして形成することができ、ねじ部9がスリーブ部2の内周面2cに向かって加える圧力の作用によって、スリーブ部2の内周面2cとプラグ3の外周面3cとの間の隙間をシールすることができる。また、シーリング剤8として、たとえば液体ガスケットをねじ部9の表面に塗布することによっても、スリーブ部2の内周面2cとプラグ3の外周面3cとの間を密封することができる。
【0036】
プラグ3の挿通孔10の内周面3bは、全て一律の加工精度に設定する必要はない。つまり、Oリング6が内周面3bに接触して摺動する範囲の加工公差を相対的に小さく設定し、一方Oリング6が接触しない範囲の加工公差は相対的に大きく設定することができる。たとえば、図4に示す長さL1の範囲をOリング6が摺動する場合、長さL1の範囲の加工公差を厳しく管理し、一方Oリング6の接触しない箇所である長さL2の範囲は、加工公差をより大きく設定することができる。たとえば長さL2の範囲について、鍛造などの塑性加工後の仕上げ加工が必要とならず黒皮を許容できる加工公差を設定することができる。このようにすれば、加工精度が低くシール性が低下しても何ら影響のない範囲について、必要以上の加工精度を要求することを回避できるので、生産性を向上し製造コストを低減することができる。
【0037】
実施の形態2の構成においても、実施の形態1と同様に、鋳造品であって鋳巣の発生が懸念されるハウジング1とプラグ3との間には、ハウジング1とプラグ3との両方に面接触する第一シール部としてのシーリング剤8が設けられている。シーリング剤8がハウジング1とプラグ3との間を面シールするために、広い幅に対して良好なシール性能を確保できる。そのため、ハウジング1に大きな鋳巣の発生を許容することができ、鋳巣が発生したハウジング1のうち不良品とされる数を大幅に低減することができるので、取付構造の歩留まりを向上することができる。かつ、Oリング6を用いることにより、内周面3bへの鋳巣の発生の影響を受けずに、キャップ5とプラグ3との間のシール性能を十分確保することができる。
【0038】
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3のプラグの構造を示す断面模式図である。実施の形態1と異なり、実施の形態3ではプラグ3が図5に示す形状に形成されている。具体的には、図5に示すように、筒部材としてのプラグ13は、底部14と、底部14に接合する側壁部13wとを有する。実施の形態3では、プラグ13の内部に底部14と側壁部13wとによって囲まれた空間11が形成されており、プラグ13は中空に形成されているものの、実施の形態1のプラグ3と異なり、プラグ13にはハウジング1の内部と外部とを連通する連通孔が形成されていない。図5に示すプラグ13がハウジング1に組み付けられた状態において、ハウジング1の内部と外部とは底部14によって仕切られている。そのため、ハウジング1の内部と外部とは連通していない。
【0039】
実施の形態1と同様に、プラグ13のフランジ部13fとスリーブ部2との間にガスケット4が設けられている。ガスケット4は、スリーブ部2の表面2aと、表面2aと対向するフランジ部13fの対向面13aとによって挟まれている。ガスケット4は、フランジ部13fと、スリーブ部2との両方に面接触している。ガスケット4は、スリーブ部2の表面2aとフランジ部13fの対向面13aとの間を密封して、フランジ部13fとスリーブ部2との間の気密性を保持する。
【0040】
つまり、図5に示すプラグ13がハウジング1に組み付けられた状態で、プラグ13とスリーブ部2との間が密封されており、かつプラグ13は底部14を有しているので、確実にハウジングの内部と外部とは隔てられている。ハウジング1に形成された貫通孔に、たとえばねじ込みによりプラグ13が嵌め込まれ、プラグ13のフランジ部13fとハウジング1に設けられたスリーブ部2の表面2aとの間が面シールされている。
【0041】
そのため、ハウジング1に形成された貫通孔を閉塞させるために、実施の形態1で説明したキャップ5を使用する必要はなく、プラグ13のみを取り付けることによってハウジング1の貫通孔を密封することができる。したがって、ハウジング1の貫通孔を密封するために必要とする部材の点数および組付け工数を削減することができるので、実施の形態3の取付構造を用いることによって生産性を向上でき、製造コストを低減することができる。
【0042】
また、底部14には、切欠き部15が形成されている。切欠き部15は、底部14において相対的に強度の低い、低強度部を構成する。つまり切欠き部15において、底部14は割削されやすくなっている。低強度部は図5に示す切欠き部15に限られるものではなく、底部14が低強度部として図6に示す薄肉部16を含んでも構わない。なお図6は、低強度部の他の例を示す断面模式図である。
【0043】
次に、実施の形態3の挿通部材の取り付けについて説明する。図7は、実施の形態3の挿通部材の取付構造を示す部分断面模式図である。図7に示すハウジング1は、車両に搭載されるトランスアクスルケースである。トランスアクスルケースの内部には、アウトプットシャフト31と、アウトプットシャフト31に固定され一体として回転可能なスピードメータドライブギヤ32とが設けられている。
【0044】
スピードメータ20は、車両の走行速度を出力する計器であって、たとえばアウトプットシャフト31の回転速度を検出し、当該回転速度に基づいて車両の走行速度を出力することができる。スピードメータ20は、ドリブンギヤ軸部21と、ドリブンギヤ軸部21に取り付けられたスピードメータドリブンギヤ23とを備える。スピードメータドリブンギヤ23は、トランスアクスルケースの内部において、スピードメータドライブギヤ32と噛合する。ドリブンギヤ軸部21の先端部22は尖っており、この尖鋭形状の先端部22がプラグ13の底部14に形成された切欠き部15(または薄肉部16)に当接して応力を加えることにより、底部14は容易に穿孔され、割削部17が形成される。
【0045】
挿通部材としてのスピードメータ20は、ドリブンギヤ軸部21がプラグ13の底部14の割削部17を突き抜いた状態で、プラグ13を介在させてハウジング1に取り付けられている。ドリブンギヤ軸部21の先端部22がプラグ13の底部14を突き破って、スピードメータ20がハウジング1に形成された貫通孔に挿通されることにより、スピードメータ20はハウジング1に組み付けられる。底部14が低強度部を含んでいるために、スピードメータ20挿入時に底部14が容易に突き破れるような構成となっている。
【0046】
プラグ13の内部に形成された空間の内周面13bと対向するスピードメータ20の外周面20bには、周方向に凹部が形成されており、当該凹部に保持されるようにOリング6が設けられている。このOリング6は、実施の形態1で説明したように、スピードメータ20およびプラグ13の内周面13bの両方に密着しており、スピードメータ20とプラグ13との間の気密性を保持する。プラグ13の内径面とスピードメータ20との間の隙間は、スピードメータ20に取り付けられた第二シール部としてのOリング6によってシールされている。
【0047】
以上説明したように、実施の形態3の取付構造は、鋳造品であって貫通孔が形成された、車両のトランスアクスルケースを例とするハウジング1に、スピードメータ20に代表される当該貫通孔に挿通される挿通部材を取り付ける取付構造であって、プラグ13と、ガスケット4とを備える。プラグ13は塑性加工品であって、内部に空間11が形成され中空に形成されており、ハウジング1のスリーブ部2の内部に形成された貫通孔に嵌め込まれている。ガスケット4は、プラグ13とハウジング1のスリーブ部2との両方に面接触して、プラグ13とハウジング1との間の気密性を保持する。スピードメータ20は、プラグ13を貫通してハウジング1に取り付けられている。スピードメータ20とプラグ13との間の気密性を保持するOリング6がさらに設けられている。
【0048】
このようにすれば、鋳造品であって鋳巣の発生が懸念されるハウジング1とプラグ13との間には、ハウジング1とプラグ13との両方に面接触するガスケット4が設置されており、ガスケット4がハウジング1とプラグ13との間を面シールするために、広い幅に対して良好なシール性能を確保できる。つまり、鋳巣がハウジング1の表面に発生しても、ガスケット4の幅よりも小さい鋳巣であればハウジング1とプラグ13との間の気密性を保持することができるので、より大きな鋳巣の発生を許容することができる。そのため、鋳巣が発生したハウジング1のうち不良品とされる数を大幅に低減することができるので、取付構造の歩留まりを向上することができる。
【0049】
一方、スピードメータ20に取り付けられたOリング6は、プラグ13の内周面13bに接触して、スピードメータ20とプラグ13との間のシールを行なう。プラグ13は鋳造品でなく塑性加工により形成されているために、内周面13bへの鋳巣の発生を考慮する必要はない。したがって、Oリング6を用いることにより、確実にスピードメータ20とプラグ13との間のシール性を発揮でき、内周面13bへの鋳巣の発生の影響を受けずに、スピードメータ20とプラグ13との間のシール性能を十分確保することができる。
【0050】
また、プラグ13は底部14を有し、スピードメータ20は、底部14を突き抜いてハウジング1に取り付けられている。このようにすれば、ハウジング1にプラグ13を取り付けてガスケット4がハウジング1とプラグ13との間を面シールし、さらにOリング6がスピードメータ20とプラグ13との間をシールすることにより、ハウジング1の内部と外部とを確実に隔てることができ、ハウジング1に形成された貫通孔を密封することができる。スピードメータ20が取り付けられない場合には、プラグ13を取り付けることのみによってハウジング1の貫通孔を閉塞させることができる。つまり、底部14を有するプラグ13は、実施の形態1のキャップ5と同様に、ハウジング1の貫通孔を閉塞させる機能を発揮することができる。したがって、一つの部品であるプラグ13に実施の形態1のキャップ5とプラグ3との機能を持たせることができるので、部品点数を削減することができる。
【0051】
さらに、底部14は、相対的に強度の低い切欠き部15(または薄肉部16)を含んでいる。このようにすれば、スピードメータ20の先端部22が容易に底部14を貫通することができるので、スピードメータ20のハウジング1への取り付けを容易に行なうことができる。
【0052】
上述した説明と一部重複する部分もあるが、実施の形態3の特徴的な構成を他の局面から列挙すると以下のようになる。本実施の形態の取付構造は、鋳造品であって貫通孔が形成されたハウジング1に、塑性加工品であって中空のプラグ13を貫通孔に嵌め込んで取り付ける取付構造において、プラグ13とハウジング1との両方に面接触して、プラグ13とハウジング1との間の気密性を保持するガスケット4を備える。プラグ13は、底部14と、底部14に接合する側壁部13wとを有し、プラグ13の内部には底部14と側壁部13wとによって囲まれた空間11が形成されている。
【0053】
このようにすれば、ハウジング1にプラグ13を取り付けてガスケット4がハウジング1とプラグ13との間を面シールすることにより、ハウジング1の内部と外部とを確実に隔てることができ、ハウジング1に形成された貫通孔を密封することができる。スピードメータ20が取り付けられない場合には、プラグ13を取り付けることのみによってハウジング1の貫通孔を閉塞させることができる。つまり、底部14を有するプラグ13は、実施の形態1のキャップ5と同様に、ハウジング1の貫通孔を閉塞させる機能を発揮することができる。したがって、一つの部品であるプラグ13に実施の形態1のキャップ5とプラグ3との機能を持たせることができるので、部品点数を削減することができる。
【0054】
また、底部14は、相対的に強度の低い切欠き部15(または薄肉部16)を含み、プラグ13を介在させて貫通孔に挿通されるスピードメータ20が底部14を突き抜いてハウジング1に取り付けられ得るものであって、スピードメータ20には、プラグ13との間の気密性を保持するOリング6が取り付けられている。このようにすれば、スピードメータ20の先端部22が容易に底部14を貫通することができるので、スピードメータ20のハウジング1への取り付けを容易に行なうことができる。また、スピードメータ20に取り付けられたOリング6は、プラグ13に接触して、スピードメータ20とプラグ13との間のシールを行なう。プラグ13は鋳造品でなく塑性加工により形成されているために、鋳巣の発生を考慮する必要はない。したがって、Oリング6を用いることにより、確実にスピードメータ20とプラグ13との間のシール性を発揮でき、鋳巣の発生の影響を受けずに、スピードメータ20とプラグ13との間のシール性能を十分確保することができる。
【0055】
上述した実施の形態3の取付構造を適用すれば、トランスアクスルケースの組立工程完了時点でプラグ13がハウジング1に取り付けられていない状態とすれば、ハウジング1の内部と外部とを連通する連通孔がハウジング1に形成されている状態にできるので、トランスアクスルケース内へ当該連通孔を経由してオイルを注入することができる。オイル注入後にプラグ13をハウジング1の連通孔へ嵌め込むことにより、連通孔を確実に密封することができる。その後さらに必要に応じて、ドリブンギヤ軸部21でプラグ13の底部14を突き抜いて、スピードメータ20をハウジング1の貫通孔に挿通することにより、ハウジング1にスピードメータ20を容易に取り付けることができる。
【0056】
(実施の形態4)
図8は、実施の形態4の挿通部材の取付構造を示す部分断面模式図である。実施の形態4の取付構造は、スピードメータ40とプラグ13との間の気密性を保持する第二シール部が図8に示すような構成となっている点で、実施の形態3とは異なっている。具体的には、図8に示すように、第二シール部(または他のシール部)としてのOリング36は、プラグ13の底部14とスピードメータ40との間に設けられている。
【0057】
実施の形態3と同様に、スピードメータ40のドリブンギヤ軸部41がプラグ13の底部14を貫くことにより、割削部17が形成される。このとき、底部14は、ドリブンギヤ軸部41に押圧されることにより曲げられる。曲げ変形された底部14に発生する反力によって、底部14が弾性的に変形前の形状へ戻ろうとする現象(スプリングバック)が生じる。このスプリングバックにより、図8中の矢印で示す力Fが加えられる。力Fの作用によって、Oリング36は、底部14からスピードメータ40へ向かって押し付けられる。
【0058】
つまり、実施の形態4では、スピードメータ40のドリブンギヤ軸部41が底部14を突き抜いた部分のスプリングバック効果を利用して、スピードメータ40とプラグ13の底部14との間を密封する。ドリブンギヤ軸部41によって突き破られた底部14のスプリングバック効果によってOリング36をスピードメータ40へ押し付けて、底部14とスピードメータ40との間の隙間がシールされている。実施の形態3と比較して、Oリング36を押し付け変形させる圧縮力がより大きく作用することにより、スピードメータ40とプラグ13との間のシール性をより向上させることができる。
【0059】
上述した実施の形態1〜4の説明においては、ハウジング1の外方へ向かって突起するスリーブ部2が設けられており、挿通部材が挿通される貫通孔はスリーブ部2の内部に形成されている例について説明した。スリーブ部2はハウジング1の外方に向かって突起する形状に限られず、ハウジング1の内方に向かって突起するスリーブ部2であってもよい。スリーブ部2を形成することにより、プラグとハウジング1との接触面積を増大させ、ねじ部9の固定しろを十分確保できるのでプラグをハウジング1に強固に保持させることができ、かつ、ねじ面をシール面とする場合にはシール性を一層向上させることができる。また、ハウジング1を形成する板材の肉厚が相当に大きく、スリーブ部2分の厚み方向寸法がなくてもねじ固定するための十分な厚みを有しており、ねじのかかり代を十分に確保してプラグを確実にハウジング1に固定することが可能な形状であれば、スリーブ部2は省略してもよい。
【0060】
ハウジング1は、鋳巣の発生が懸念される鋳造であればどのような製法によって作製されてもよく、実施の形態1で例示したアルミダイカストのほか、たとえば砂型鋳造、シェルモールド、金型鋳造、連続鋳造などによって形成されていてもよい。またハウジング1に形成される貫通孔に嵌め込まれる筒部材としてのプラグは、実施の形態1で例示した鍛造のほか、たとえば押出し、圧延、プレス加工など、材料内部の鋳巣の発生を抑制できる任意の塑性加工法によって形成されていてもよい。
【0061】
また、プラグのハウジング1への取付に関し、プラグがハウジング1にねじ込まれて固定されている例について図4を参照して説明したが、ボルト結合、圧入など他の任意の方法を用いてプラグをハウジング1に固定してもよい。
【0062】
また、プラグとキャップ(またはスピードメータ)との間のシールのためにOリングを使用する例について説明したが、Oリングに限られず、弾性変形して筒部材と挿通部材との間の気密性を保持できる弾性部材であれば、第二シール部(他のシール部)はどのようなものでもよい。たとえば、Oリングに替えて、オイルシールを第二シール部として適用してもよい。
【0063】
また、これまでの説明においては、車両のトランスアクスルケースにスピードメータなどの部品を取り付ける取付構造について説明したが、本発明の取付構造は車両に限られず、任意の装置および機器に適用することが可能である。
【0064】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の構成を適宜組合せてもよい。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施の形態1の、貫通孔が形成されたハウジングへの挿通部材の取付構造を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1の取付構造を示す断面模式図である。
【図3】実施の形態2の取付構造を示す断面模式図である。
【図4】実施の形態1および2に共通の、プラグの形状を示す部分断面模式図である。
【図5】実施の形態3のプラグの構造を示す断面模式図である。
【図6】低強度部の他の例を示す断面模式図である。
【図7】実施の形態3の挿通部材の取付構造を示す部分断面模式図である。
【図8】実施の形態4の挿通部材の取付構造を示す部分断面模式図である。
【符号の説明】
【0066】
1 ハウジング、2 スリーブ部、2a 表面、2c 内周面、3,13 プラグ、3a,13a 対向面、3b,13b 内周面、3c 外周面、3f,13f フランジ部、4 ガスケット、5 キャップ、5b 外周面、6,36 Oリング、7 爪部、8 シーリング剤、9 ねじ部、10 挿通孔、11 空間、13 プラグ、13w 側壁部、14 底部、15 切欠き部、16 薄肉部、17 割削部、20,40 スピードメータ、20b 外周面、21,41 ドリブンギヤ軸部、22 先端部、23 スピードメータドリブンギヤ、31 アウトプットシャフト、32 スピードメータドライブギヤ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造品であって貫通孔が形成されたハウジングに、前記貫通孔に挿通される挿通部材を取り付ける取付構造において、
塑性加工品であって、前記貫通孔に嵌め込まれた中空の筒部材と、
前記筒部材と前記ハウジングとの両方に面接触して、前記筒部材と前記ハウジングとの間の気密性を保持する第一シール部とを備え、
前記挿通部材は、前記筒部材を貫通して前記ハウジングに取り付けられ、
前記挿通部材と前記筒部材との間の気密性を保持する第二シール部をさらに備える、取付構造。
【請求項2】
前記筒部材は、径方向外側へ延びるフランジ部を有し、
前記第一シール部は、前記ハウジングの外表面と、前記外表面に対向する前記フランジ部の対向面との間を密封する、請求項1に記載の取付構造。
【請求項3】
前記第一シール部は、前記筒部材の外周面と、前記貫通孔の内周面との間を密封する、請求項1に記載の取付構造。
【請求項4】
前記筒部材には、前記挿通部材が挿入される挿通孔が形成されており、
前記挿通部材には、前記挿通孔に挿入されたとき前記挿通部材を前記筒部材に対して固定する爪部が形成されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の取付構造。
【請求項5】
前記筒部材は、底部を有し、
前記挿通部材は、前記底部を突き抜いて前記ハウジングに取り付けられる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の取付構造。
【請求項6】
前記第二シール部は、前記挿通部材と前記底部との間を密封する、請求項5に記載の取付構造。
【請求項7】
前記底部は、相対的に強度の低い低強度部を含む、請求項5または請求項6に記載の取付構造。
【請求項8】
鋳造品であって貫通孔が形成されたハウジングに、塑性加工品であって中空の筒部材を前記貫通孔に嵌め込んで取り付ける取付構造において、
前記筒部材と前記ハウジングとの両方に面接触して、前記筒部材と前記ハウジングとの間の気密性を保持するシール部を備え、
前記筒部材は、底部と、前記底部に接合する側壁部とを有し、前記筒部材の内部には前記底部と前記側壁部とによって囲まれた空間が形成されている、取付構造。
【請求項9】
前記底部は、相対的に強度の低い低強度部を含み、前記筒部材を介在させて前記貫通孔に挿通される挿通部材が前記底部を突き抜いて前記ハウジングに取り付けられ得るものであって、
前記挿通部材には、前記筒部材との間の気密性を保持する他のシール部が取り付けられている、請求項8に記載の取付構造。
【請求項10】
前記他のシール部は、前記挿通部材と前記底部との間を密封する、請求項9に記載の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−25283(P2010−25283A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189641(P2008−189641)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】