取付物の取付構造、取付物、取付物の取り付け方法
【課題】取付位置の精度を高めることが可能な取付物の取り付け構造を低コストに提供する。
【解決手段】取付物であるインナーパーツ30をドアパネル60に取り付ける際に、インナーパーツ30をドアパネル60の下端部にあてがうとき、インナーパーツ30のボス31の先端部をドアパネル60の左端部に外側から当接させると共に、インナーパーツ30の各ボス32,33の先端部をドアパネル60の下端部に外側から当接させることにより、インナーパーツ30のドアパネル60に対する位置決めを行う。つまり、ボス31により、インナーパーツ30のドアパネル60に対する左右方向(水平方向)の位置決めを行う。また、各ボス32,33により、インナーパーツ30のドアパネル60に対する上下方向(垂直方向)の位置決めを行う。
【解決手段】取付物であるインナーパーツ30をドアパネル60に取り付ける際に、インナーパーツ30をドアパネル60の下端部にあてがうとき、インナーパーツ30のボス31の先端部をドアパネル60の左端部に外側から当接させると共に、インナーパーツ30の各ボス32,33の先端部をドアパネル60の下端部に外側から当接させることにより、インナーパーツ30のドアパネル60に対する位置決めを行う。つまり、ボス31により、インナーパーツ30のドアパネル60に対する左右方向(水平方向)の位置決めを行う。また、各ボス32,33により、インナーパーツ30のドアパネル60に対する上下方向(垂直方向)の位置決めを行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付物の取付構造、取付物、取付物の取り付け方法に係り、詳しくは、取付物を取付対象物の取付箇所に取り付けるための取付構造と、取付対象物の取付箇所に取り付けられる取付物と、その取付物の取り付け方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用の外装品(車両外装品)には、高速走行時に車両外部の空気の流れを制御して走行安定性を向上させるために車両の外側(例えば、バンパーやドアなど)に取り付けるエアロパーツや、バンパーを保護するためのバンパーガードなどがある。
これらの外装品は、車両の取付箇所(バンパーやドアなど)にインナーパーツを介して取付固定されている。つまり、車両の取付箇所に取付固定したインナーパーツに外装品を取付固定している。
【0003】
従来、インナーパーツを車両の取付箇所に取り付けるには、専用の型紙が用いられていた。その型紙はインナーパーツの形状に合わせて作成され、その型紙には車両の取付箇所にインナーパーツを取り付けるためのボルト取付位置が記入されている。
【0004】
外装品の取付手順は、まず、型紙を車両におけるインナーパーツの取付箇所(外装品取付箇所)にあてがい、次に、型紙に記入されているボルト取付位置をマーカーを用いて取付箇所にマーキングして転写した後に、取付箇所から型紙を取り外す。
ここで、マーカーとしては、けがき針、センターポンチ、着色ペンなどが用いられる。
【0005】
そして、車両のマーキングした箇所にドリルを用いて取付孔を貫通形成した後に、取付孔の貫通形成時に発生する切削屑(切粉)を除去する。
続いて、インナーパーツ(リテーナー)を車両の取付箇所にあてがい、ボルトを取付孔に挿入してナットと螺合させることにより、インナーパーツを車両の取付箇所に取付固定する。
最後に、インナーパーツに外装品を取付固定する。
【0006】
しかし、このような従来の取り付け方法には以下の問題があった。
(ア)型紙の製作コストがかかることに加え、使用済みの型紙の廃棄コストがかかる。
(イ)型紙から車両の取付箇所にボルト取付位置を転写する際に位置ずれが生じ易いため、車両における外装品(インナーパーツ)の取付位置の精度が低下するおそれがある。特に、車両の取付箇所が曲面形状の場合には、平面形状の型紙と曲面形状の取付箇所とを完全に密着させることができないため、ボルト取付位置を転写する際に必ず位置ずれが生じる。
(ウ)外装品(インナーパーツ)が大型の場合(特に、長さが大きな長尺物の場合)には、複数の作業員が取付作業にあたらなければならないため作業コストが増大する。
【0007】
そこで、外装品をバンパーに取付固定する車両外装品の取り付け方法であって、バンパー取付孔と外装品取付孔とを併有するリテーナー(インナーパーツ)をバンパー表面の取付位置にあてがい該バンパー表面に該バンパー取付孔と該外装品取付孔の位置をマーキングするとともに該マーキング位置にリテーナー固定孔と外装品固定孔とを穿設する固定孔穿設工程と、該バンパーの該リテーナー固定孔および該リテーナーの該バンパー取付孔を介して接合具を用いて該リテーナーを該バンパーに取り付けるリテーナー取付工程と、該バンパーの該外装品固定孔および該リテーナーの該外装品取付孔を介して接合具を用いて該外装品を該バンパーに取り付ける外装品取付工程とを有する車両外装品の取り付け方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
この特許文献1の技術では、外装品とバンパーとの間にこれらの両部材を連結するリテーナーを介装している。そして、型紙ではなく実際に装着するリテーナーをバンパーにあてがうことで取付位置を決めるため、車両における外装品の取付位置の精度を向上させることができる。また、リテーナーは一定の剛性を有しているため作業性が向上する。
尚、特許文献1では、インナーパーツをリテーナーと呼んでいるが、両者は同じものである。
【特許文献1】特開2002−264734号公報(請求項3、第二実施形態、第2〜5頁 図5〜図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1には以下の記載がある。
[A]リテーナーは樹脂製であり車幅方向に長い板状を有している。このリテーナーの両端部と中央部の上端には、3つのリブが形成されている。
[B]リテーナーをバンパー表面の取付位置にあてがうとき、リテーナーに形成されている3つのリブにより、リテーナーのバンパーに対する車幅方向および車高方向の固定位置を決定する。
【0010】
ここで、リテーナーの3つのリブによりバンパーに対する車幅方向および車高方向の固定位置を決定する作業は、バンパーの上端部とリブの上端部とが合致していることを作業者が目視で確認しながら行っている。
そのため、長い板状のリテーナーを曲面形状のバンパーの取付箇所に正確に位置決めしてあてがうことは困難であり、バンパーに取付孔の位置を転写する際に位置ずれが生じ易いため、外装品(リテーナー)のバンパーに対する取付位置の精度が低下するおそれがある。
【0011】
また、バンパーの上端部とリブの上端部とが合致していることを作業者が目視で確認しながら取付孔の位置をマーキングする作業は、リテーナーが短い場合はともかく長さが大きい場合には一人で行うことが困難であり、複数の作業員が作業にあたらなければならないため作業コストが増大する。
【0012】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、以下の目的を有するものである。
(1)取付位置の精度を高めることが可能な取付物の取付構造を低コストに提供する。
(2)取付位置の精度を高めることが可能な取付物を低コストに提供する。
(3)取付位置の精度を高めることが可能な取付物の取り付け方法を低コストに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、取付物を取付対象物の取付箇所に取り付けるための取付構造であって、前記取付物は、本体部と、当該本体部を取付対象物の取付箇所にあてがう際に、前記本体部を位置決めするための第1位置決め部と第2位置決め部とを備えており、前記第1位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が第1方向に動くのを規制し、前記第2位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が前記第1方向と直交する第2方向に動くのを規制することを技術的特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の取付物の取付構造において、前記本体部は長尺物であり、前記第1位置決め部は、前記本体部の長手方向の一端部に設けられると共に、当該長手方向に直交する方向に突出し、前記第2位置決め部は、前記本体部の長手方向における所定箇所に設けられると共に、前記第1位置決め部と同一方向に突出することを技術的特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の取付物の取付構造において、前記取付対象物は車両のドアパネルであり、前記本体部を前記ドアパネルの取付個所にあてがう際に、前記第1位置決め部を前記ドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させ、前記第2位置決め部を前記ドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、前記本体部を位置決め可能であることを技術的特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の取付物の取付構造において、前記取付物は前記ドアパネルに対してボルトを用いて取付固定され、前記ドアパネルにおける前記ボルトが挿通される取付孔の下方に水抜き孔が設けられていることを技術的特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、取付対象物の取付箇所に取り付けられる取付物であって、本体部と、当該本体部に設けられ、当該本体部を取付対象物の取付箇所にあてがう際に、前記本体部を位置決めするための第1位置決め部と第2位置決め部とを備えており、前記第1位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が第1方向に動くのを規制し、前記第2位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が前記第1方向と直交する第2方向に動くのを規制することを技術的特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の取付物であって、前記取付対象物は車両のドアパネルであり、前記本体部を前記ドアパネルの取付個所にあてがう際に、前記第1位置決め部を前記ドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させ、前記第2位置決め部を前記ドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、前記本体部を位置決め可能であることを技術的特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の取付物を車両のドアパネルに取り付ける取付物の取り付け方法であって、ドアパネルの取付個所に取付物をあてがい、取付物をボルトにて取付固定するための取付孔の位置をドアパネルにマーキングする第1工程と、ドアパネルのマーキングした箇所に取付孔を形成する第2工程と、ドアパネルの取付個所に取付物をあてがい、ボルトを前記取付孔に挿通して取付物をドアパネルに取付固定する第3工程とを備え、前記第1工程および前記第3工程では、取付物に設けられた前記第1位置決め部をドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させると共に、取付物に設けられた前記第2位置決め部をドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、取付物のドアパネルに対する位置決めを行うことを技術的特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の取付物の取り付け方法であって、前記第3工程にて取付物をドアパネルに取付固定した後に、前記第1位置決め部および前記第2位置決め部を切断除去する工程を備える技術的特徴とする。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の取付物の取り付け方法であって、前記第2工程にてドアパネルに取付孔を形成した後に、当該取付孔を形成した際に生じた切削屑を取付孔の下方に設けられた水抜き孔から除去する工程を備えることを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
(請求項1)
請求項1の発明では、取付物の本体部を取付対象物の取付箇所にあてがう際に、第1位置決め部が取付対象物に当接して本体部の第1方向への動きが規制され、第2位置決め部が取付対象物に当接して本体部の第2方向への動きが規制される。
ここで、第1方向と第2方向とは直交しているため、取付物は取付対象物に対して位置ずれを生じることなく確実に固定され、取付物の取付対象物に対する位置決めが行われる。
【0023】
従って、請求項1の発明によれば、リテーナー(請求項1の取付物に該当)のバンパー(請求項1の取付対象物に該当)に対する位置決めについてリテーナーとバンパーの上端部が合致しているか否かを作業者が目視で確認しながら行う特許文献1に比べて、取付物の取付対象物に対する取付位置の精度を高めることができる。
また、取付物の第1位置決め部および第2位置決め部を取付対象物に当接させて位置決めを行っている状態では、取付対象物にあてがった取付物の位置ずれが生じ難い。そのため、取付物の取付位置を取付対象物にマーキングする作業や、取付物を取付対象物に取付固定する作業を作業員が一人で行うことが可能になり、作業コストを低減できる。
【0024】
(請求項2)
請求項2の発明では、長尺物である本体部の長手方向に直交する方向に第1位置決め部および第2位置決め部が突出している。そして、第1位置決め部は本体部の長手方向の一端部に設けられ、第2位置決め部は本体部の長手方向における所定箇所に設けられている。
従って、請求項2の発明によれば、本体部の長手方向の一端部(第1位置決め部の設けられている箇所)と、本体部の長手方向の所定箇所(第2位置決め部の設けられている箇所)とで、取付物が取付対象物に固定される。
そのため、本体部が長尺物である取付物についても、取付位置の精度を高めることができる。
【0025】
(請求項3)
請求項3の発明では、取付物をドアパネルの取付箇所にあてがう際に、第1位置決め部により取付物の水平方向(第1方向)への動きが規制され、第2位置決め部により取付物の垂直方向(第2方向)への動きが規制される。
従って、請求項3の発明によれば、取付物のドアパネルに対する取付位置の精度を高めることができる。
【0026】
(請求項4)
請求項4の発明によれば、取付孔の形成時に発生する取付対象物の切削屑を、取付孔の下方に設けられている水抜き孔から容易に除去することが可能であるため、切削屑の除去作業に要する作業コストを低減できる。
【0027】
(請求項5、請求項6)
請求項5の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用・効果を得られる。
請求項6の発明によれば、請求項3の発明と同様の作用・効果を得られる。
【0028】
(請求項7)
請求項7の発明において、第1工程および第3工程では、取付物に設けられた第1位置決め部をドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させると共に、取付物に設けられた第2位置決め部をドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、取付物のドアパネルに対する位置決めが行われる。
すなわち、取付物をドアパネルの取付箇所にあてがう際に、第1位置決め部により取付物の水平方向(第1方向)への動きが規制され、第2位置決め部により取付物の垂直方向(第2方向)への動きが規制される。
【0029】
従って、請求項7の発明によれば、取付物のドアパネルに対する取付位置の精度を高めることができる。
また、第1工程および第3工程にてドアパネルにあてがった取付物の位置ずれが生じ難いため、第1工程および第3工程を作業員が一人で行うことが可能になり、作業コストを低減できる。
【0030】
(請求項8)
請求項8の発明によれば、取付物をドアパネルに取付固定した後に第1位置決め部および第2位置決め部を切断除去するため、各位置決め部が車両のドア枠やドアパネルの内側に取り付けられたドアトリムなどに干渉するのを防止できる。
【0031】
(請求項9)
請求項9の発明によれば、ドアパネルに取付孔を形成した際に生じた切削屑を取付孔の下方に設けられた水抜き孔から容易に除去することが可能であるため、切削屑の除去作業に要する作業コストを低減できる。
【0032】
(用語の説明)
尚、上述した[課題を解決するための手段]に記載した構成要素と、後述する[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材との対応関係は以下のようになっている。
【0033】
「取付物」は、インナーパーツ30に該当する。
「取付対象物」は、ドアパネル60に該当する。
「取付箇所」は、ドアパネル60の下端部に該当する。
「第1位置決め部」は、ボス31に該当する。
「第2位置決め部」は、ボス32,33に該当する。
【0034】
「第1方向」は、左右方向(水平方向)に該当する。
「第2方向」は、上下方向(垂直方向)に該当する。
「第1工程」は、工程1(図5参照)に該当する。
「第2工程」は、工程2(図6参照)に該当する。
「第3工程」は、工程3(図7参照)および工程4(図8参照)に該当する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
[実施形態の構成]
図1は、本発明を具体化した一実施形態における自動車の外装品(車両外装品)の取付構造および取り付け方法を説明するための一部透視分解斜視図である。
本実施形態は、外装品であるエアロパーツ10をインナーパーツ(リテーナー)30を介してドアパネル60の下端部に取り付ける構造および方法に関するものである。
【0036】
エアロパーツ10は、ドアパネル60の幅と略同一長さに形成された断面略L字状の長尺物である。
エアロパーツ10の内側(ドアパネル60に対向する側)の長手方向における4箇所には、その内側に向かってキノコ状のクリップ11〜14が突出するように取付固定されている。
【0037】
また、エアロパーツ10の底面側(地面に対向する側)の長手方向における5箇所には、取付孔15〜19が貫通形成されている。
尚、エアロパーツ10は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレンなど)の射出成形によって一体形成されている。
そして、エアロパーツ10の上端部には、合成樹脂製のシール材20が長手方向に差し渡されて取り付けられている。
【0038】
インナーパーツ30は、エアロパーツ10の幅と略同一長さに形成された断面略L字状の長尺物であり、長手方向および幅方向に複数のリブが設けられて補強されているため変形不能になっている。
インナーパーツ30の左端部には、その内側(ドアパネル60に対向する側)に向かって略L字棒状のボス(ガイドピン)31が突設されている。
また、インナーパーツ30の下側(地面に対向する側)近傍の長手方向における略両端部には、その内側に向かって直線棒状のボス32,33が突設されている。
【0039】
また、インナーパーツ30の長手方向における略両端部には、取付孔34,35が貫通形成されている。
また、インナーパーツ30の長手方向における4箇所には、台座付きの固定孔36〜39が貫通形成されている。
また、インナーパーツ30の底面側(地面に対向する側)の長手方向における5箇所には、取付孔40〜44が貫通形成されている。
【0040】
尚、インナーパーツ30は、補強用の各リブ、各ボス31〜33、各固定孔36〜39の台座を含め、合成樹脂(例えば、ポリプロピレンなど)の射出成形によって一体形成されている。
そして、インナーパーツ30の上側と略中央側の長手方向には、それぞれ両面接着テープ44,45の片面側が接着固定されている。
【0041】
ドアパネル60は、鉄板のプレス加工および溶接加工によって形成されている。ドアパネル60の下端部における幅方向の略両端部には、取付孔61,62が貫通形成されている。
また、各取付孔61,62の下方に位置するドアパネル60の底面側(地面に対向する側)には、ドアパネル60の内側に侵入した雨水を排出するための水抜き孔63,64が貫通形成されている。
【0042】
ドアパネル60とインナーパーツ30とは、各両面接着テープ44,45によって接着されると共に、ドアパネル60の各取付孔61,62とインナーパーツ30の各取付孔34,35とを挿通する各ボルト71,72と、ドアパネル60の内側(車室側)に設けられた各ターンナット73,74とが螺合されることにより、取付固定される。
【0043】
インナーパーツ30とエアロパーツ10とは、インナーパーツ30の各固定孔36〜39にエアロパーツ10の各クリップ11〜14が挿入固定されると共に、インナーパーツ30の各取付孔40〜44とエアロパーツ10の各取付孔15〜19とに各ボルト75〜79が挿通固定されることにより、取付固定される。
【0044】
図2は、エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の左端部近傍の水平断面(図1のα−α線断面)を示す概略断面図である。
インナーパーツ30のボス31の先端部はドアパネル60の左端部に外側(左側)から当接している。
【0045】
尚、図2ではボス31を図示してあるが、後述するように、エアロパーツ10をインナーパーツ30に取付固定する際には、インナーパーツ30のボス31がエアロパーツ10の側壁部分10aに干渉しないよう、ボス31の根本部分31aを切断しておく。つまり、エアロパーツ10をインナーパーツ30に取付固定した状態では、ボス31は根本部分31aの切断線CLにて切断除去されている。
【0046】
図3は、エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の左右両端部近傍の垂直断面(図1のβ−β線断面)を示す概略断面図である。
インナーパーツ30のボス32,33の先端部はドアパネル60の下端部に外側(下側)から当接している。
【0047】
尚、図3では各ボス32,33を図示してあるが、後述するように、エアロパーツ10をインナーパーツ30に取付固定する際には、インナーパーツ30の各ボス32,33が自動車のドア枠(図示略)やドアパネル60の内側に取り付けられたドアトリム(図示略)などに干渉しないように、各ボス32,33の根本部分32a,33aを切断しておく。つまり、エアロパーツ10をインナーパーツ30に取付固定した状態では、各ボス32,33は根本部分32a,33aの切断線CLにて切断除去されている。
【0048】
図4は、エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の垂直断面(図1のγ−γ線断面)を示す概略断面図である。
インナーパーツ30の各取付孔40〜44には、各ボルト75〜79を螺着させるための雌ねじが形成された取付金具80(図1では図示略)が取付固定されている。
【0049】
[実施形態の取り付け工程]
次に、本実施形態におけるエアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60の取り付け方法の各工程(組み付け工程)について、一部透視斜視図である図5〜図10を用いて説明する。
【0050】
工程1(図5参照):作業員は、インナーパーツ30をドアパネル60のエアロパーツ取り付け箇所であるドアパネル60の下端部にあてがう。
このとき、インナーパーツ30のボス31の先端部をドアパネル60の左端部に外側(左側)から当接させると共に、インナーパーツ30の各ボス32,33の先端部をドアパネル60の下端部に外側(下側)から当接させることにより、インナーパーツ30のドアパネル60に対する位置決めを行う。
【0051】
続いて、作業員は、インナーパーツ30の位置決めを行った状態で、インナーパーツ30の上側に片面側が接着固定されている両面接着テープ44(図5では図示略)の左右両端部の剥離紙44aを適宜な長さ(例えば、数cm)だけ剥がし、その剥離紙44aを剥がした部分の両面接着テープ44により、インナーパーツ30をドアパネル60に仮固定する。
【0052】
そして、作業員は、インナーパーツ30の各取付孔34,35の位置をマーカーを用いてドアパネル60にマーキングして転写する。
ここで、マーカーとしては、けがき針、センターポンチ、着色ペンなどを用いればよい。
【0053】
工程2(図6参照):作業員は、ドアパネル60からインナーパーツ30を取り外し、ドアパネル60のマーキングした箇所にドリルを用いて各取付孔61,62を貫通形成する。
各取付孔34,35の貫通形成時に発生するドアパネル60の切削屑(切粉)は、各取付孔61,62から下方に落下し、その切削屑の大部分は、各取付孔61,62の下方に開口されている各水抜き孔63,64から矢印δ方向に排出除去される。そして、ドアパネル60の内側にて各水抜き孔63,64の周囲に落下した切削屑は、作業員が磁石を用いて各水抜き孔63,64に引き寄せて除去する。
【0054】
工程3(図7参照):作業員は、インナーパーツ30をドアパネル60の下端部にあてがい、インナーパーツ30の各取付孔34,35をドアパネル60の各取付孔61,62に合致させる。
このときにも、インナーパーツ30のボス31の先端部をドアパネル60の左端部に外側(左側)から当接させると共に、インナーパーツ30の各ボス32,33の先端部をドアパネル60の下端部に外側(下側)から当接させることにより、インナーパーツ30のドアパネル60に対する位置決めを行う。
【0055】
そして、作業員は、各取付孔34,61にボルト71を挿通すると共に、各取付孔35,62にボルト72を挿通し、各ボルト71,72をドアパネル60の内側(車室側)に設けられた各ターンナット73,74に螺合させて仮締め付けすることにより、インナーパーツ30をドアパネル60に仮固定する。
【0056】
工程4(図8参照):作業員は、インナーパーツ30に片面側が接着固定されている各両面接着テープ44,45(図8では図示略)の剥離紙44a,45aを剥がし、各両面接着テープ44,45によりインナーパーツ30をドアパネル60に固定する。
続いて、各ボルト71,72を本締め付けすることにより、ドアパネル60からインナーパーツ30を脱落不能にして完全に取付固定する。
【0057】
工程5(図9参照):作業員は、インナーパーツ30の各ボス31〜33の根本部分31a〜33a(図9では図示略)を切断工具(例えば、ニッパーなど)を用いて切断し、インナーパーツ30から各ボス31〜33を切断除去する。
【0058】
工程6(図10参照):作業員は、エアロパーツ10をインナーパーツ30にあてがい、インナーパーツ30の各固定孔36〜39にエアロパーツ10の各クリップ11〜14を挿入固定する。
続いて、作業員は、インナーパーツ30の各取付孔40〜44とエアロパーツ10の各取付孔15〜19とに各ボルト75〜79を挿通し、各ボルト75〜79をインナーパーツ30の内側に設けられた取付金具80(図10では図示略)に螺合させて締め付けることにより、インナーパーツ30からエアロパーツ10を脱落不能にして完全に取付固定する。
図11は、エアロパーツ10の取り付けが完了した状態のドアパネル60を示す斜視図である。
【0059】
[実施形態の作用・効果]
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
【0060】
[1]従来技術のような専用の型紙を使用しないため、型紙の製作コストがかからず、使用済みの型紙の廃棄コストもかからない。
【0061】
[2]エアロパーツ10とドアパネル60との間に、各部材10,60を連結するインナーパーツ30を介装している。そして、ドアパネル60に取付固定したインナーパーツ30にエアロパーツ10を取付固定している。
インナーパーツ30をドアパネル60に取り付ける際には、インナーパーツ30をドアパネル60の下端部にあてがい、両面接着テープ44の左右両端部でインナーパーツ30をドアパネル60に仮固定した状態で、インナーパーツ30の各取付孔34,35の位置(各ボルト71,72の取付位置)をマーカーを用いてドアパネル60にマーキングして転写する(工程1:図5)。
【0062】
つまり、型紙ではなく実際に装着するインナーパーツ30の現物の各取付孔34,35の位置をドアパネル60に直接マーキングするため、平面形状の型紙を使用する場合に生じるマーキングの位置ずれを回避できる。
また、合成樹脂製のインナーパーツ30は複数のリブが設けられて変形不能であるため、撓んで捩れ易い型紙を使用する場合に比べてマーキングの作業性を良好にできる。
【0063】
[3]インナーパーツ30をドアパネル60に取り付ける際には、インナーパーツ30の各取付孔34,35の位置をドアパネル60にマーキングする工程と(工程1:図5)、各ボルト71,72を仮締め付けしてインナーパーツ30をドアパネル60に仮固定する工程(工程3:図7)において、インナーパーツ30をドアパネル60の下端部にあてがう。
【0064】
このとき、インナーパーツ30のボス31の先端部をドアパネル60の左端部に外側(左側)から当接させると共に、インナーパーツ30の各ボス32,33の先端部をドアパネル60の下端部に外側(下側)から当接させることにより、インナーパーツ30のドアパネル60に対する位置決めを行う。
【0065】
つまり、ボス31により、インナーパーツ30のドアパネル60に対する左右方向(水平方向)の位置決めを行っている。また、各ボス32,33により、インナーパーツ30のドアパネル60に対する上下方向(垂直方向)の位置決めを行っている。
言い換えると、ボス31は左右方向の位置決め基準として機能し、各ボス32,33は上下方向の位置決め基準として機能する。
【0066】
すなわち、インナーパーツ30をドアパネル60の取付箇所にあてがう際に、ボス31がドアパネル60の左端部に外側から当接してインナーパーツ30の水平方向(第1方向)への動きが規制され、各ボス32,33がドアパネル60の下端部に下側から当接してインナーパーツ30の垂直方向(第2方向)への動きが規制される。
そして、インナーパーツ30の長手方向の左端部(ボス31の設けられている箇所)と、インナーパーツ30の長手方向の両端部近傍(各ボス32,33の設けられている箇所)との3箇所にて、インナーパーツ30がドアパネル60に対して位置ずれを生じることなく確実に固定される。
【0067】
従って、本実施形態によれば、リテーナー(本実施形態のインナーパーツ30に該当)のバンパー(本実施形態のドアパネル60に該当)に対する位置決めについてリテーナーとバンパーの上端部が合致しているか否かを作業者が目視で確認しながら行う特許文献1に比べて、インナーパーツ30のドアパネル60に対する取り付け位置の精度を高めることができる。
【0068】
[4]インナーパーツ30の各ボス31〜33をドアパネル60に当接させて位置決めを行っている状態では、ドアパネル60にあてがったインナーパーツ30の位置ずれが生じ難いため、工程1のマーキング作業および工程3のインナーパーツ30を仮固定する作業を一人の作業員が行うことができる。
従って、本実施形態によれば、エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60の取り付け工程の全体を作業員が一人で行うことが可能であるため、作業コストを低減できる。
【0069】
[5]各ボルト71,72を本締め付けしてドアパネル60にインナーパーツ30を完全に固定した後に、インナーパーツ30から各ボス31〜33を切断除去する。
そのため、ボス31がエアロパーツ10の側壁部分10aに干渉するのを防止すると共に、各ボス32,33が自動車のドア枠やドアパネル60の内側に取り付けられたドアトリムなどに干渉するのを防止できる。
【0070】
[6]ドアパネル60において、各取付孔61,62の下方には各水抜き孔63,64が開口されている。そのため、作業員は、各取付孔34,35の貫通形成時に発生するドアパネル60の切削屑(切粉)を、各水抜き孔63,64から容易に除去することができる。
【0071】
ちなみに、各水抜き孔63,64が各取付孔61,62の下方に設けられていない場合には、各取付孔34,35の貫通形成時に発生する切削屑がドアパネル60の内側に溜まる。そのため、切削屑を除去するにはドアパネル60の内側に取付固定されたドアトリムを一旦取り外さなければならず、作業コストが増大する。
それに対して、本実施形態によれば、ドアトリムを取り外す作業が必要ないため、作業工数が減って作業コストを低減できる。
【0072】
[7]ドアパネル60とインナーパーツ30とは、その両端部分近傍が各ボルト71,72および各ターンナット73,74によって締結されているだけでなく、その長手方向全体の上側部分と略中央部分とが各両面接着テープ44,45によって接着固定されている。
そのため、インナーパーツ30の中央部分がドアパネル60から離れて両者に隙間ができるのを防止可能になり、ドアパネル60に対してインナーパーツ30を完全に密着させた状態で取付固定できる。
【0073】
[別の実施形態]
ところで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
【0074】
(1)上記実施形態の工程1(図5)では、両面接着テープ44の左右両端部分の剥離紙44aを剥がし、その剥離紙44aを剥がした部分の両面接着テープ44によってインナーパーツ30をドアパネル60に仮固定している。
しかし、両面接着テープ44とは別の接着テープを用意し、その接着テープを用いてインナーパーツ30をドアパネル60に仮固定してもよい。
【0075】
(2)上記実施形態では、インナーパーツ30の左端部に略L字棒状のボス31が突設されると共に、インナーパーツ30の下側近傍の長手方向における略両端部に直線棒状の各ボス32,33が突設されている。
しかし、インナーパーツ30をドアパネル60に対して確実に位置決め可能であれば、各ボス31〜33の寸法形状,配置箇所,個数についてはそれぞれ適宜設定すればよい。つまり、インナーパーツ30に設けるボスの寸法形状,配置箇所,個数については、インナーパーツ30およびドアパネル60の寸法形状に合わせ、カット・アンド・トライで実験的に最適値を見つけて設定すればよい。
【0076】
(3)上記実施形態では、各ボルト71,72を本締め付けしてドアパネル60にインナーパーツ30を完全に固定した後に、インナーパーツ30から各ボス31〜33を切断除去している。
しかし、各ボス31〜33がエアロパーツ10やドア枠およびドアトリムなどに干渉せず、各ボス31〜33を残しておいても機能上問題が生じない場合には、各ボス31〜33を切断除去しなくてもよい。
【0077】
(4)上記実施形態では、ドアパネル60における各取付孔61,62の下方に各水抜き孔63,64が開口されている。
しかし、各取付孔34,35の貫通形成時に発生するドアパネル60の切削屑を各水抜き孔63,64から容易に除去可能であれば、各水抜き孔63,64の開口箇所は各取付孔61,62の下方に限らず適宜な箇所に設ければよい。
【0078】
(5)上記実施形態はエアロパーツ10をインナーパーツ30を介してドアパネル60の下端部に取り付ける構造および方法に適用したものであるが、本発明は、エアロパーツをインナーパーツを介してバンパーに取り付ける構造および方法、バンパーガードをインナーパーツを介してバンパーに取り付ける構造および方法など、自動車用の各種外装品をインナーパーツを介して車両の任意な取付箇所に取り付ける構造および方法に適用してもよい。
また、自動車用の各種外装品を取付固定するためのインナーパーツに限らず、適宜な取付物を取付対象物の取付箇所に取り付ける構造および方法に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明を具体化した一実施形態においてエアロパーツ10をインナーパーツ30を介してドアパネル60の下端部に取り付ける構造および方法を説明するための分解斜視図。
【図2】エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の左端部近傍の水平断面(図1のα−α線断面)を示す概略断面図。
【図3】エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の左右両端部近傍の垂直断面(図1のβ−β線断面)を示す概略断面図。
【図4】エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の垂直断面(図1のγ−γ線断面)を示す概略断面図。
【図5】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図6】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図7】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図8】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図9】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図10】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図11】エアロパーツ10の取り付けが完了した状態のドアパネル60を示す斜視図。
【符号の説明】
【0080】
10…エアロパーツ
30…インナーパーツ
60…ドアパネル
31〜33…ボス
61,62…取付孔
63,64…水抜き孔
71,72…ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付物の取付構造、取付物、取付物の取り付け方法に係り、詳しくは、取付物を取付対象物の取付箇所に取り付けるための取付構造と、取付対象物の取付箇所に取り付けられる取付物と、その取付物の取り付け方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用の外装品(車両外装品)には、高速走行時に車両外部の空気の流れを制御して走行安定性を向上させるために車両の外側(例えば、バンパーやドアなど)に取り付けるエアロパーツや、バンパーを保護するためのバンパーガードなどがある。
これらの外装品は、車両の取付箇所(バンパーやドアなど)にインナーパーツを介して取付固定されている。つまり、車両の取付箇所に取付固定したインナーパーツに外装品を取付固定している。
【0003】
従来、インナーパーツを車両の取付箇所に取り付けるには、専用の型紙が用いられていた。その型紙はインナーパーツの形状に合わせて作成され、その型紙には車両の取付箇所にインナーパーツを取り付けるためのボルト取付位置が記入されている。
【0004】
外装品の取付手順は、まず、型紙を車両におけるインナーパーツの取付箇所(外装品取付箇所)にあてがい、次に、型紙に記入されているボルト取付位置をマーカーを用いて取付箇所にマーキングして転写した後に、取付箇所から型紙を取り外す。
ここで、マーカーとしては、けがき針、センターポンチ、着色ペンなどが用いられる。
【0005】
そして、車両のマーキングした箇所にドリルを用いて取付孔を貫通形成した後に、取付孔の貫通形成時に発生する切削屑(切粉)を除去する。
続いて、インナーパーツ(リテーナー)を車両の取付箇所にあてがい、ボルトを取付孔に挿入してナットと螺合させることにより、インナーパーツを車両の取付箇所に取付固定する。
最後に、インナーパーツに外装品を取付固定する。
【0006】
しかし、このような従来の取り付け方法には以下の問題があった。
(ア)型紙の製作コストがかかることに加え、使用済みの型紙の廃棄コストがかかる。
(イ)型紙から車両の取付箇所にボルト取付位置を転写する際に位置ずれが生じ易いため、車両における外装品(インナーパーツ)の取付位置の精度が低下するおそれがある。特に、車両の取付箇所が曲面形状の場合には、平面形状の型紙と曲面形状の取付箇所とを完全に密着させることができないため、ボルト取付位置を転写する際に必ず位置ずれが生じる。
(ウ)外装品(インナーパーツ)が大型の場合(特に、長さが大きな長尺物の場合)には、複数の作業員が取付作業にあたらなければならないため作業コストが増大する。
【0007】
そこで、外装品をバンパーに取付固定する車両外装品の取り付け方法であって、バンパー取付孔と外装品取付孔とを併有するリテーナー(インナーパーツ)をバンパー表面の取付位置にあてがい該バンパー表面に該バンパー取付孔と該外装品取付孔の位置をマーキングするとともに該マーキング位置にリテーナー固定孔と外装品固定孔とを穿設する固定孔穿設工程と、該バンパーの該リテーナー固定孔および該リテーナーの該バンパー取付孔を介して接合具を用いて該リテーナーを該バンパーに取り付けるリテーナー取付工程と、該バンパーの該外装品固定孔および該リテーナーの該外装品取付孔を介して接合具を用いて該外装品を該バンパーに取り付ける外装品取付工程とを有する車両外装品の取り付け方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
この特許文献1の技術では、外装品とバンパーとの間にこれらの両部材を連結するリテーナーを介装している。そして、型紙ではなく実際に装着するリテーナーをバンパーにあてがうことで取付位置を決めるため、車両における外装品の取付位置の精度を向上させることができる。また、リテーナーは一定の剛性を有しているため作業性が向上する。
尚、特許文献1では、インナーパーツをリテーナーと呼んでいるが、両者は同じものである。
【特許文献1】特開2002−264734号公報(請求項3、第二実施形態、第2〜5頁 図5〜図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1には以下の記載がある。
[A]リテーナーは樹脂製であり車幅方向に長い板状を有している。このリテーナーの両端部と中央部の上端には、3つのリブが形成されている。
[B]リテーナーをバンパー表面の取付位置にあてがうとき、リテーナーに形成されている3つのリブにより、リテーナーのバンパーに対する車幅方向および車高方向の固定位置を決定する。
【0010】
ここで、リテーナーの3つのリブによりバンパーに対する車幅方向および車高方向の固定位置を決定する作業は、バンパーの上端部とリブの上端部とが合致していることを作業者が目視で確認しながら行っている。
そのため、長い板状のリテーナーを曲面形状のバンパーの取付箇所に正確に位置決めしてあてがうことは困難であり、バンパーに取付孔の位置を転写する際に位置ずれが生じ易いため、外装品(リテーナー)のバンパーに対する取付位置の精度が低下するおそれがある。
【0011】
また、バンパーの上端部とリブの上端部とが合致していることを作業者が目視で確認しながら取付孔の位置をマーキングする作業は、リテーナーが短い場合はともかく長さが大きい場合には一人で行うことが困難であり、複数の作業員が作業にあたらなければならないため作業コストが増大する。
【0012】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、以下の目的を有するものである。
(1)取付位置の精度を高めることが可能な取付物の取付構造を低コストに提供する。
(2)取付位置の精度を高めることが可能な取付物を低コストに提供する。
(3)取付位置の精度を高めることが可能な取付物の取り付け方法を低コストに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、取付物を取付対象物の取付箇所に取り付けるための取付構造であって、前記取付物は、本体部と、当該本体部を取付対象物の取付箇所にあてがう際に、前記本体部を位置決めするための第1位置決め部と第2位置決め部とを備えており、前記第1位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が第1方向に動くのを規制し、前記第2位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が前記第1方向と直交する第2方向に動くのを規制することを技術的特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の取付物の取付構造において、前記本体部は長尺物であり、前記第1位置決め部は、前記本体部の長手方向の一端部に設けられると共に、当該長手方向に直交する方向に突出し、前記第2位置決め部は、前記本体部の長手方向における所定箇所に設けられると共に、前記第1位置決め部と同一方向に突出することを技術的特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の取付物の取付構造において、前記取付対象物は車両のドアパネルであり、前記本体部を前記ドアパネルの取付個所にあてがう際に、前記第1位置決め部を前記ドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させ、前記第2位置決め部を前記ドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、前記本体部を位置決め可能であることを技術的特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の取付物の取付構造において、前記取付物は前記ドアパネルに対してボルトを用いて取付固定され、前記ドアパネルにおける前記ボルトが挿通される取付孔の下方に水抜き孔が設けられていることを技術的特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、取付対象物の取付箇所に取り付けられる取付物であって、本体部と、当該本体部に設けられ、当該本体部を取付対象物の取付箇所にあてがう際に、前記本体部を位置決めするための第1位置決め部と第2位置決め部とを備えており、前記第1位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が第1方向に動くのを規制し、前記第2位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が前記第1方向と直交する第2方向に動くのを規制することを技術的特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の取付物であって、前記取付対象物は車両のドアパネルであり、前記本体部を前記ドアパネルの取付個所にあてがう際に、前記第1位置決め部を前記ドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させ、前記第2位置決め部を前記ドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、前記本体部を位置決め可能であることを技術的特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の取付物を車両のドアパネルに取り付ける取付物の取り付け方法であって、ドアパネルの取付個所に取付物をあてがい、取付物をボルトにて取付固定するための取付孔の位置をドアパネルにマーキングする第1工程と、ドアパネルのマーキングした箇所に取付孔を形成する第2工程と、ドアパネルの取付個所に取付物をあてがい、ボルトを前記取付孔に挿通して取付物をドアパネルに取付固定する第3工程とを備え、前記第1工程および前記第3工程では、取付物に設けられた前記第1位置決め部をドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させると共に、取付物に設けられた前記第2位置決め部をドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、取付物のドアパネルに対する位置決めを行うことを技術的特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の取付物の取り付け方法であって、前記第3工程にて取付物をドアパネルに取付固定した後に、前記第1位置決め部および前記第2位置決め部を切断除去する工程を備える技術的特徴とする。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の取付物の取り付け方法であって、前記第2工程にてドアパネルに取付孔を形成した後に、当該取付孔を形成した際に生じた切削屑を取付孔の下方に設けられた水抜き孔から除去する工程を備えることを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
(請求項1)
請求項1の発明では、取付物の本体部を取付対象物の取付箇所にあてがう際に、第1位置決め部が取付対象物に当接して本体部の第1方向への動きが規制され、第2位置決め部が取付対象物に当接して本体部の第2方向への動きが規制される。
ここで、第1方向と第2方向とは直交しているため、取付物は取付対象物に対して位置ずれを生じることなく確実に固定され、取付物の取付対象物に対する位置決めが行われる。
【0023】
従って、請求項1の発明によれば、リテーナー(請求項1の取付物に該当)のバンパー(請求項1の取付対象物に該当)に対する位置決めについてリテーナーとバンパーの上端部が合致しているか否かを作業者が目視で確認しながら行う特許文献1に比べて、取付物の取付対象物に対する取付位置の精度を高めることができる。
また、取付物の第1位置決め部および第2位置決め部を取付対象物に当接させて位置決めを行っている状態では、取付対象物にあてがった取付物の位置ずれが生じ難い。そのため、取付物の取付位置を取付対象物にマーキングする作業や、取付物を取付対象物に取付固定する作業を作業員が一人で行うことが可能になり、作業コストを低減できる。
【0024】
(請求項2)
請求項2の発明では、長尺物である本体部の長手方向に直交する方向に第1位置決め部および第2位置決め部が突出している。そして、第1位置決め部は本体部の長手方向の一端部に設けられ、第2位置決め部は本体部の長手方向における所定箇所に設けられている。
従って、請求項2の発明によれば、本体部の長手方向の一端部(第1位置決め部の設けられている箇所)と、本体部の長手方向の所定箇所(第2位置決め部の設けられている箇所)とで、取付物が取付対象物に固定される。
そのため、本体部が長尺物である取付物についても、取付位置の精度を高めることができる。
【0025】
(請求項3)
請求項3の発明では、取付物をドアパネルの取付箇所にあてがう際に、第1位置決め部により取付物の水平方向(第1方向)への動きが規制され、第2位置決め部により取付物の垂直方向(第2方向)への動きが規制される。
従って、請求項3の発明によれば、取付物のドアパネルに対する取付位置の精度を高めることができる。
【0026】
(請求項4)
請求項4の発明によれば、取付孔の形成時に発生する取付対象物の切削屑を、取付孔の下方に設けられている水抜き孔から容易に除去することが可能であるため、切削屑の除去作業に要する作業コストを低減できる。
【0027】
(請求項5、請求項6)
請求項5の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用・効果を得られる。
請求項6の発明によれば、請求項3の発明と同様の作用・効果を得られる。
【0028】
(請求項7)
請求項7の発明において、第1工程および第3工程では、取付物に設けられた第1位置決め部をドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させると共に、取付物に設けられた第2位置決め部をドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、取付物のドアパネルに対する位置決めが行われる。
すなわち、取付物をドアパネルの取付箇所にあてがう際に、第1位置決め部により取付物の水平方向(第1方向)への動きが規制され、第2位置決め部により取付物の垂直方向(第2方向)への動きが規制される。
【0029】
従って、請求項7の発明によれば、取付物のドアパネルに対する取付位置の精度を高めることができる。
また、第1工程および第3工程にてドアパネルにあてがった取付物の位置ずれが生じ難いため、第1工程および第3工程を作業員が一人で行うことが可能になり、作業コストを低減できる。
【0030】
(請求項8)
請求項8の発明によれば、取付物をドアパネルに取付固定した後に第1位置決め部および第2位置決め部を切断除去するため、各位置決め部が車両のドア枠やドアパネルの内側に取り付けられたドアトリムなどに干渉するのを防止できる。
【0031】
(請求項9)
請求項9の発明によれば、ドアパネルに取付孔を形成した際に生じた切削屑を取付孔の下方に設けられた水抜き孔から容易に除去することが可能であるため、切削屑の除去作業に要する作業コストを低減できる。
【0032】
(用語の説明)
尚、上述した[課題を解決するための手段]に記載した構成要素と、後述する[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材との対応関係は以下のようになっている。
【0033】
「取付物」は、インナーパーツ30に該当する。
「取付対象物」は、ドアパネル60に該当する。
「取付箇所」は、ドアパネル60の下端部に該当する。
「第1位置決め部」は、ボス31に該当する。
「第2位置決め部」は、ボス32,33に該当する。
【0034】
「第1方向」は、左右方向(水平方向)に該当する。
「第2方向」は、上下方向(垂直方向)に該当する。
「第1工程」は、工程1(図5参照)に該当する。
「第2工程」は、工程2(図6参照)に該当する。
「第3工程」は、工程3(図7参照)および工程4(図8参照)に該当する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
[実施形態の構成]
図1は、本発明を具体化した一実施形態における自動車の外装品(車両外装品)の取付構造および取り付け方法を説明するための一部透視分解斜視図である。
本実施形態は、外装品であるエアロパーツ10をインナーパーツ(リテーナー)30を介してドアパネル60の下端部に取り付ける構造および方法に関するものである。
【0036】
エアロパーツ10は、ドアパネル60の幅と略同一長さに形成された断面略L字状の長尺物である。
エアロパーツ10の内側(ドアパネル60に対向する側)の長手方向における4箇所には、その内側に向かってキノコ状のクリップ11〜14が突出するように取付固定されている。
【0037】
また、エアロパーツ10の底面側(地面に対向する側)の長手方向における5箇所には、取付孔15〜19が貫通形成されている。
尚、エアロパーツ10は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレンなど)の射出成形によって一体形成されている。
そして、エアロパーツ10の上端部には、合成樹脂製のシール材20が長手方向に差し渡されて取り付けられている。
【0038】
インナーパーツ30は、エアロパーツ10の幅と略同一長さに形成された断面略L字状の長尺物であり、長手方向および幅方向に複数のリブが設けられて補強されているため変形不能になっている。
インナーパーツ30の左端部には、その内側(ドアパネル60に対向する側)に向かって略L字棒状のボス(ガイドピン)31が突設されている。
また、インナーパーツ30の下側(地面に対向する側)近傍の長手方向における略両端部には、その内側に向かって直線棒状のボス32,33が突設されている。
【0039】
また、インナーパーツ30の長手方向における略両端部には、取付孔34,35が貫通形成されている。
また、インナーパーツ30の長手方向における4箇所には、台座付きの固定孔36〜39が貫通形成されている。
また、インナーパーツ30の底面側(地面に対向する側)の長手方向における5箇所には、取付孔40〜44が貫通形成されている。
【0040】
尚、インナーパーツ30は、補強用の各リブ、各ボス31〜33、各固定孔36〜39の台座を含め、合成樹脂(例えば、ポリプロピレンなど)の射出成形によって一体形成されている。
そして、インナーパーツ30の上側と略中央側の長手方向には、それぞれ両面接着テープ44,45の片面側が接着固定されている。
【0041】
ドアパネル60は、鉄板のプレス加工および溶接加工によって形成されている。ドアパネル60の下端部における幅方向の略両端部には、取付孔61,62が貫通形成されている。
また、各取付孔61,62の下方に位置するドアパネル60の底面側(地面に対向する側)には、ドアパネル60の内側に侵入した雨水を排出するための水抜き孔63,64が貫通形成されている。
【0042】
ドアパネル60とインナーパーツ30とは、各両面接着テープ44,45によって接着されると共に、ドアパネル60の各取付孔61,62とインナーパーツ30の各取付孔34,35とを挿通する各ボルト71,72と、ドアパネル60の内側(車室側)に設けられた各ターンナット73,74とが螺合されることにより、取付固定される。
【0043】
インナーパーツ30とエアロパーツ10とは、インナーパーツ30の各固定孔36〜39にエアロパーツ10の各クリップ11〜14が挿入固定されると共に、インナーパーツ30の各取付孔40〜44とエアロパーツ10の各取付孔15〜19とに各ボルト75〜79が挿通固定されることにより、取付固定される。
【0044】
図2は、エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の左端部近傍の水平断面(図1のα−α線断面)を示す概略断面図である。
インナーパーツ30のボス31の先端部はドアパネル60の左端部に外側(左側)から当接している。
【0045】
尚、図2ではボス31を図示してあるが、後述するように、エアロパーツ10をインナーパーツ30に取付固定する際には、インナーパーツ30のボス31がエアロパーツ10の側壁部分10aに干渉しないよう、ボス31の根本部分31aを切断しておく。つまり、エアロパーツ10をインナーパーツ30に取付固定した状態では、ボス31は根本部分31aの切断線CLにて切断除去されている。
【0046】
図3は、エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の左右両端部近傍の垂直断面(図1のβ−β線断面)を示す概略断面図である。
インナーパーツ30のボス32,33の先端部はドアパネル60の下端部に外側(下側)から当接している。
【0047】
尚、図3では各ボス32,33を図示してあるが、後述するように、エアロパーツ10をインナーパーツ30に取付固定する際には、インナーパーツ30の各ボス32,33が自動車のドア枠(図示略)やドアパネル60の内側に取り付けられたドアトリム(図示略)などに干渉しないように、各ボス32,33の根本部分32a,33aを切断しておく。つまり、エアロパーツ10をインナーパーツ30に取付固定した状態では、各ボス32,33は根本部分32a,33aの切断線CLにて切断除去されている。
【0048】
図4は、エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の垂直断面(図1のγ−γ線断面)を示す概略断面図である。
インナーパーツ30の各取付孔40〜44には、各ボルト75〜79を螺着させるための雌ねじが形成された取付金具80(図1では図示略)が取付固定されている。
【0049】
[実施形態の取り付け工程]
次に、本実施形態におけるエアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60の取り付け方法の各工程(組み付け工程)について、一部透視斜視図である図5〜図10を用いて説明する。
【0050】
工程1(図5参照):作業員は、インナーパーツ30をドアパネル60のエアロパーツ取り付け箇所であるドアパネル60の下端部にあてがう。
このとき、インナーパーツ30のボス31の先端部をドアパネル60の左端部に外側(左側)から当接させると共に、インナーパーツ30の各ボス32,33の先端部をドアパネル60の下端部に外側(下側)から当接させることにより、インナーパーツ30のドアパネル60に対する位置決めを行う。
【0051】
続いて、作業員は、インナーパーツ30の位置決めを行った状態で、インナーパーツ30の上側に片面側が接着固定されている両面接着テープ44(図5では図示略)の左右両端部の剥離紙44aを適宜な長さ(例えば、数cm)だけ剥がし、その剥離紙44aを剥がした部分の両面接着テープ44により、インナーパーツ30をドアパネル60に仮固定する。
【0052】
そして、作業員は、インナーパーツ30の各取付孔34,35の位置をマーカーを用いてドアパネル60にマーキングして転写する。
ここで、マーカーとしては、けがき針、センターポンチ、着色ペンなどを用いればよい。
【0053】
工程2(図6参照):作業員は、ドアパネル60からインナーパーツ30を取り外し、ドアパネル60のマーキングした箇所にドリルを用いて各取付孔61,62を貫通形成する。
各取付孔34,35の貫通形成時に発生するドアパネル60の切削屑(切粉)は、各取付孔61,62から下方に落下し、その切削屑の大部分は、各取付孔61,62の下方に開口されている各水抜き孔63,64から矢印δ方向に排出除去される。そして、ドアパネル60の内側にて各水抜き孔63,64の周囲に落下した切削屑は、作業員が磁石を用いて各水抜き孔63,64に引き寄せて除去する。
【0054】
工程3(図7参照):作業員は、インナーパーツ30をドアパネル60の下端部にあてがい、インナーパーツ30の各取付孔34,35をドアパネル60の各取付孔61,62に合致させる。
このときにも、インナーパーツ30のボス31の先端部をドアパネル60の左端部に外側(左側)から当接させると共に、インナーパーツ30の各ボス32,33の先端部をドアパネル60の下端部に外側(下側)から当接させることにより、インナーパーツ30のドアパネル60に対する位置決めを行う。
【0055】
そして、作業員は、各取付孔34,61にボルト71を挿通すると共に、各取付孔35,62にボルト72を挿通し、各ボルト71,72をドアパネル60の内側(車室側)に設けられた各ターンナット73,74に螺合させて仮締め付けすることにより、インナーパーツ30をドアパネル60に仮固定する。
【0056】
工程4(図8参照):作業員は、インナーパーツ30に片面側が接着固定されている各両面接着テープ44,45(図8では図示略)の剥離紙44a,45aを剥がし、各両面接着テープ44,45によりインナーパーツ30をドアパネル60に固定する。
続いて、各ボルト71,72を本締め付けすることにより、ドアパネル60からインナーパーツ30を脱落不能にして完全に取付固定する。
【0057】
工程5(図9参照):作業員は、インナーパーツ30の各ボス31〜33の根本部分31a〜33a(図9では図示略)を切断工具(例えば、ニッパーなど)を用いて切断し、インナーパーツ30から各ボス31〜33を切断除去する。
【0058】
工程6(図10参照):作業員は、エアロパーツ10をインナーパーツ30にあてがい、インナーパーツ30の各固定孔36〜39にエアロパーツ10の各クリップ11〜14を挿入固定する。
続いて、作業員は、インナーパーツ30の各取付孔40〜44とエアロパーツ10の各取付孔15〜19とに各ボルト75〜79を挿通し、各ボルト75〜79をインナーパーツ30の内側に設けられた取付金具80(図10では図示略)に螺合させて締め付けることにより、インナーパーツ30からエアロパーツ10を脱落不能にして完全に取付固定する。
図11は、エアロパーツ10の取り付けが完了した状態のドアパネル60を示す斜視図である。
【0059】
[実施形態の作用・効果]
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
【0060】
[1]従来技術のような専用の型紙を使用しないため、型紙の製作コストがかからず、使用済みの型紙の廃棄コストもかからない。
【0061】
[2]エアロパーツ10とドアパネル60との間に、各部材10,60を連結するインナーパーツ30を介装している。そして、ドアパネル60に取付固定したインナーパーツ30にエアロパーツ10を取付固定している。
インナーパーツ30をドアパネル60に取り付ける際には、インナーパーツ30をドアパネル60の下端部にあてがい、両面接着テープ44の左右両端部でインナーパーツ30をドアパネル60に仮固定した状態で、インナーパーツ30の各取付孔34,35の位置(各ボルト71,72の取付位置)をマーカーを用いてドアパネル60にマーキングして転写する(工程1:図5)。
【0062】
つまり、型紙ではなく実際に装着するインナーパーツ30の現物の各取付孔34,35の位置をドアパネル60に直接マーキングするため、平面形状の型紙を使用する場合に生じるマーキングの位置ずれを回避できる。
また、合成樹脂製のインナーパーツ30は複数のリブが設けられて変形不能であるため、撓んで捩れ易い型紙を使用する場合に比べてマーキングの作業性を良好にできる。
【0063】
[3]インナーパーツ30をドアパネル60に取り付ける際には、インナーパーツ30の各取付孔34,35の位置をドアパネル60にマーキングする工程と(工程1:図5)、各ボルト71,72を仮締め付けしてインナーパーツ30をドアパネル60に仮固定する工程(工程3:図7)において、インナーパーツ30をドアパネル60の下端部にあてがう。
【0064】
このとき、インナーパーツ30のボス31の先端部をドアパネル60の左端部に外側(左側)から当接させると共に、インナーパーツ30の各ボス32,33の先端部をドアパネル60の下端部に外側(下側)から当接させることにより、インナーパーツ30のドアパネル60に対する位置決めを行う。
【0065】
つまり、ボス31により、インナーパーツ30のドアパネル60に対する左右方向(水平方向)の位置決めを行っている。また、各ボス32,33により、インナーパーツ30のドアパネル60に対する上下方向(垂直方向)の位置決めを行っている。
言い換えると、ボス31は左右方向の位置決め基準として機能し、各ボス32,33は上下方向の位置決め基準として機能する。
【0066】
すなわち、インナーパーツ30をドアパネル60の取付箇所にあてがう際に、ボス31がドアパネル60の左端部に外側から当接してインナーパーツ30の水平方向(第1方向)への動きが規制され、各ボス32,33がドアパネル60の下端部に下側から当接してインナーパーツ30の垂直方向(第2方向)への動きが規制される。
そして、インナーパーツ30の長手方向の左端部(ボス31の設けられている箇所)と、インナーパーツ30の長手方向の両端部近傍(各ボス32,33の設けられている箇所)との3箇所にて、インナーパーツ30がドアパネル60に対して位置ずれを生じることなく確実に固定される。
【0067】
従って、本実施形態によれば、リテーナー(本実施形態のインナーパーツ30に該当)のバンパー(本実施形態のドアパネル60に該当)に対する位置決めについてリテーナーとバンパーの上端部が合致しているか否かを作業者が目視で確認しながら行う特許文献1に比べて、インナーパーツ30のドアパネル60に対する取り付け位置の精度を高めることができる。
【0068】
[4]インナーパーツ30の各ボス31〜33をドアパネル60に当接させて位置決めを行っている状態では、ドアパネル60にあてがったインナーパーツ30の位置ずれが生じ難いため、工程1のマーキング作業および工程3のインナーパーツ30を仮固定する作業を一人の作業員が行うことができる。
従って、本実施形態によれば、エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60の取り付け工程の全体を作業員が一人で行うことが可能であるため、作業コストを低減できる。
【0069】
[5]各ボルト71,72を本締め付けしてドアパネル60にインナーパーツ30を完全に固定した後に、インナーパーツ30から各ボス31〜33を切断除去する。
そのため、ボス31がエアロパーツ10の側壁部分10aに干渉するのを防止すると共に、各ボス32,33が自動車のドア枠やドアパネル60の内側に取り付けられたドアトリムなどに干渉するのを防止できる。
【0070】
[6]ドアパネル60において、各取付孔61,62の下方には各水抜き孔63,64が開口されている。そのため、作業員は、各取付孔34,35の貫通形成時に発生するドアパネル60の切削屑(切粉)を、各水抜き孔63,64から容易に除去することができる。
【0071】
ちなみに、各水抜き孔63,64が各取付孔61,62の下方に設けられていない場合には、各取付孔34,35の貫通形成時に発生する切削屑がドアパネル60の内側に溜まる。そのため、切削屑を除去するにはドアパネル60の内側に取付固定されたドアトリムを一旦取り外さなければならず、作業コストが増大する。
それに対して、本実施形態によれば、ドアトリムを取り外す作業が必要ないため、作業工数が減って作業コストを低減できる。
【0072】
[7]ドアパネル60とインナーパーツ30とは、その両端部分近傍が各ボルト71,72および各ターンナット73,74によって締結されているだけでなく、その長手方向全体の上側部分と略中央部分とが各両面接着テープ44,45によって接着固定されている。
そのため、インナーパーツ30の中央部分がドアパネル60から離れて両者に隙間ができるのを防止可能になり、ドアパネル60に対してインナーパーツ30を完全に密着させた状態で取付固定できる。
【0073】
[別の実施形態]
ところで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
【0074】
(1)上記実施形態の工程1(図5)では、両面接着テープ44の左右両端部分の剥離紙44aを剥がし、その剥離紙44aを剥がした部分の両面接着テープ44によってインナーパーツ30をドアパネル60に仮固定している。
しかし、両面接着テープ44とは別の接着テープを用意し、その接着テープを用いてインナーパーツ30をドアパネル60に仮固定してもよい。
【0075】
(2)上記実施形態では、インナーパーツ30の左端部に略L字棒状のボス31が突設されると共に、インナーパーツ30の下側近傍の長手方向における略両端部に直線棒状の各ボス32,33が突設されている。
しかし、インナーパーツ30をドアパネル60に対して確実に位置決め可能であれば、各ボス31〜33の寸法形状,配置箇所,個数についてはそれぞれ適宜設定すればよい。つまり、インナーパーツ30に設けるボスの寸法形状,配置箇所,個数については、インナーパーツ30およびドアパネル60の寸法形状に合わせ、カット・アンド・トライで実験的に最適値を見つけて設定すればよい。
【0076】
(3)上記実施形態では、各ボルト71,72を本締め付けしてドアパネル60にインナーパーツ30を完全に固定した後に、インナーパーツ30から各ボス31〜33を切断除去している。
しかし、各ボス31〜33がエアロパーツ10やドア枠およびドアトリムなどに干渉せず、各ボス31〜33を残しておいても機能上問題が生じない場合には、各ボス31〜33を切断除去しなくてもよい。
【0077】
(4)上記実施形態では、ドアパネル60における各取付孔61,62の下方に各水抜き孔63,64が開口されている。
しかし、各取付孔34,35の貫通形成時に発生するドアパネル60の切削屑を各水抜き孔63,64から容易に除去可能であれば、各水抜き孔63,64の開口箇所は各取付孔61,62の下方に限らず適宜な箇所に設ければよい。
【0078】
(5)上記実施形態はエアロパーツ10をインナーパーツ30を介してドアパネル60の下端部に取り付ける構造および方法に適用したものであるが、本発明は、エアロパーツをインナーパーツを介してバンパーに取り付ける構造および方法、バンパーガードをインナーパーツを介してバンパーに取り付ける構造および方法など、自動車用の各種外装品をインナーパーツを介して車両の任意な取付箇所に取り付ける構造および方法に適用してもよい。
また、自動車用の各種外装品を取付固定するためのインナーパーツに限らず、適宜な取付物を取付対象物の取付箇所に取り付ける構造および方法に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明を具体化した一実施形態においてエアロパーツ10をインナーパーツ30を介してドアパネル60の下端部に取り付ける構造および方法を説明するための分解斜視図。
【図2】エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の左端部近傍の水平断面(図1のα−α線断面)を示す概略断面図。
【図3】エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の左右両端部近傍の垂直断面(図1のβ−β線断面)を示す概略断面図。
【図4】エアロパーツ10,インナーパーツ30,ドアパネル60を組み付けた状態における各部材10,30,60の垂直断面(図1のγ−γ線断面)を示す概略断面図。
【図5】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図6】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図7】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図8】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図9】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図10】本実施形態の取り付け工程を説明するための一部透視斜視図。
【図11】エアロパーツ10の取り付けが完了した状態のドアパネル60を示す斜視図。
【符号の説明】
【0080】
10…エアロパーツ
30…インナーパーツ
60…ドアパネル
31〜33…ボス
61,62…取付孔
63,64…水抜き孔
71,72…ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付物を取付対象物の取付箇所に取り付けるための取付構造であって、
前記取付物は、本体部と、当該本体部を取付対象物の取付箇所にあてがう際に、前記本体部を位置決めするための第1位置決め部と第2位置決め部とを備えており、
前記第1位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が第1方向に動くのを規制し、
前記第2位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が前記第1方向と直交する第2方向に動くのを規制することを特徴とする取付物の取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の取付物の取付構造において、
前記本体部は長尺物であり、
前記第1位置決め部は、前記本体部の長手方向の一端部に設けられると共に、当該長手方向に直交する方向に突出し、
前記第2位置決め部は、前記本体部の長手方向における所定箇所に設けられると共に、前記第1位置決め部と同一方向に突出することを特徴とする取付物の取付構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の取付物の取付構造において、
前記取付対象物は車両のドアパネルであり、
前記本体部を前記ドアパネルの取付個所にあてがう際に、前記第1位置決め部を前記ドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させ、前記第2位置決め部を前記ドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、前記本体部を位置決め可能であることを特徴とする取付物の取付構造。
【請求項4】
請求項3に記載の取付物の取付構造において、
前記取付物は前記ドアパネルに対してボルトを用いて取付固定され、
前記ドアパネルにおける前記ボルトが挿通される取付孔の下方に水抜き孔が設けられていることを特徴とする取付物の取付構造。
【請求項5】
取付対象物の取付箇所に取り付けられる取付物であって、
本体部と、当該本体部に設けられ、当該本体部を取付対象物の取付箇所にあてがう際に、前記本体部を位置決めするための第1位置決め部と第2位置決め部とを備えており、
前記第1位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が第1方向に動くのを規制し、
前記第2位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が前記第1方向と直交する第2方向に動くのを規制することを特徴とする取付物。
【請求項6】
請求項5に記載の取付物であって、
前記取付対象物は車両のドアパネルであり、
前記本体部を前記ドアパネルの取付個所にあてがう際に、前記第1位置決め部を前記ドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させ、前記第2位置決め部を前記ドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、前記本体部を位置決め可能であることを特徴とする取付物。
【請求項7】
請求項6に記載の取付物を車両のドアパネルに取り付ける取付物の取り付け方法であって、
ドアパネルの取付個所に取付物をあてがい、取付物をボルトにて取付固定するための取付孔の位置をドアパネルにマーキングする第1工程と、
ドアパネルのマーキングした箇所に取付孔を形成する第2工程と、
ドアパネルの取付個所に取付物をあてがい、ボルトを前記取付孔に挿通して取付物をドアパネルに取付固定する第3工程と
を備え、
前記第1工程および前記第3工程では、取付物に設けられた前記第1位置決め部をドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させると共に、取付物に設けられた前記第2位置決め部をドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、取付物のドアパネルに対する位置決めを行うことを特徴とする取付物の取り付け方法。
【請求項8】
請求項7に記載の取付物の取り付け方法であって、
前記第3工程にて取付物をドアパネルに取付固定した後に、前記第1位置決め部および前記第2位置決め部を切断除去する工程を備える取付物の取り付け方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の取付物の取り付け方法であって、
前記第2工程にてドアパネルに取付孔を形成した後に、当該取付孔を形成した際に生じた切削屑を取付孔の下方に設けられた水抜き孔から除去する工程を備える取付物の取り付け方法。
【請求項1】
取付物を取付対象物の取付箇所に取り付けるための取付構造であって、
前記取付物は、本体部と、当該本体部を取付対象物の取付箇所にあてがう際に、前記本体部を位置決めするための第1位置決め部と第2位置決め部とを備えており、
前記第1位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が第1方向に動くのを規制し、
前記第2位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が前記第1方向と直交する第2方向に動くのを規制することを特徴とする取付物の取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の取付物の取付構造において、
前記本体部は長尺物であり、
前記第1位置決め部は、前記本体部の長手方向の一端部に設けられると共に、当該長手方向に直交する方向に突出し、
前記第2位置決め部は、前記本体部の長手方向における所定箇所に設けられると共に、前記第1位置決め部と同一方向に突出することを特徴とする取付物の取付構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の取付物の取付構造において、
前記取付対象物は車両のドアパネルであり、
前記本体部を前記ドアパネルの取付個所にあてがう際に、前記第1位置決め部を前記ドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させ、前記第2位置決め部を前記ドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、前記本体部を位置決め可能であることを特徴とする取付物の取付構造。
【請求項4】
請求項3に記載の取付物の取付構造において、
前記取付物は前記ドアパネルに対してボルトを用いて取付固定され、
前記ドアパネルにおける前記ボルトが挿通される取付孔の下方に水抜き孔が設けられていることを特徴とする取付物の取付構造。
【請求項5】
取付対象物の取付箇所に取り付けられる取付物であって、
本体部と、当該本体部に設けられ、当該本体部を取付対象物の取付箇所にあてがう際に、前記本体部を位置決めするための第1位置決め部と第2位置決め部とを備えており、
前記第1位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が第1方向に動くのを規制し、
前記第2位置決め部は、取付対象物に当接して前記本体部が前記第1方向と直交する第2方向に動くのを規制することを特徴とする取付物。
【請求項6】
請求項5に記載の取付物であって、
前記取付対象物は車両のドアパネルであり、
前記本体部を前記ドアパネルの取付個所にあてがう際に、前記第1位置決め部を前記ドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させ、前記第2位置決め部を前記ドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、前記本体部を位置決め可能であることを特徴とする取付物。
【請求項7】
請求項6に記載の取付物を車両のドアパネルに取り付ける取付物の取り付け方法であって、
ドアパネルの取付個所に取付物をあてがい、取付物をボルトにて取付固定するための取付孔の位置をドアパネルにマーキングする第1工程と、
ドアパネルのマーキングした箇所に取付孔を形成する第2工程と、
ドアパネルの取付個所に取付物をあてがい、ボルトを前記取付孔に挿通して取付物をドアパネルに取付固定する第3工程と
を備え、
前記第1工程および前記第3工程では、取付物に設けられた前記第1位置決め部をドアパネルの幅方向の一端部に外側から当接させると共に、取付物に設けられた前記第2位置決め部をドアパネルの下端部に下側から当接させることにより、取付物のドアパネルに対する位置決めを行うことを特徴とする取付物の取り付け方法。
【請求項8】
請求項7に記載の取付物の取り付け方法であって、
前記第3工程にて取付物をドアパネルに取付固定した後に、前記第1位置決め部および前記第2位置決め部を切断除去する工程を備える取付物の取り付け方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の取付物の取り付け方法であって、
前記第2工程にてドアパネルに取付孔を形成した後に、当該取付孔を形成した際に生じた切削屑を取付孔の下方に設けられた水抜き孔から除去する工程を備える取付物の取り付け方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−7962(P2006−7962A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187978(P2004−187978)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【Fターム(参考)】
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