説明

取引情報入力支援方法、取引情報入力支援装置および取引情報入力支援プログラム

【課題】振込取引にて振込先人名および振込先口座番号の誤入力があった場合に、どちらに誤入力があるかを判断して正しい入力の支援をする。
【解決手段】取引情報入力部2が振込取引に必要な振込先口座番号および振込先人名の入力を受け付けると、氏名照会部3が振込先口座番号に対応する氏名をホストコンピュータ7に照会し、氏名情報比較部4が顧客によって入力された振込先人名とホストコンピュータ7から受けた氏名とを比較し、一致しない場合に、誤入力判断部5が、誤入力テーブル6を参照してその不一致文字が単純な操作ミスによるものか否かを判断し、単純な操作ミスによるものでないと判断された場合は、振込先口座番号の再入力を促し、単純な操作ミスによるものと判断された場合は、振込先人名の訂正を促す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関、コンビニエンスストア等に設置されている現金自動預け払い機(ATM:Automated Teller Machine、以下、ATMという。)において、振込取引での誤操作を防止できるようにした、取引情報入力支援方法、取引情報入力支援装置および取引情報入力支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
振込取引をATMで行う場合、振込先金融機関名、支店名、振込先口座番号、振込先人名、振込金額等といった取引情報を入力する操作が必要である。ATMによっては、入力された振込先口座番号を基にホストコンピュータに振込先の氏名照会を行い、その振込先の氏名を取引内容確認画面に表示させ、顧客の確認を取ることができれば、入力された取引情報がホストコンピュータに送られる。振込処理は、リアルタイムに実行されるのではなく、ホストコンピュータ側では、ATMで入力された取引情報を精査し、その取引情報が正しいことを確認してから、実行される。このとき、ホストコンピュータに登録されている氏名とATMで入力された振込先人名とが1文字でも違えば、振込処理は実行されず、正常に振り込めなかった旨の内容の手紙が振込人へ通知されることになる。したがって、振込人は、振込が正常に成立しているにも拘わらず、その時点で初めて振込が実行されていないことを知る。この場合、再度、振込操作をする必要がある。また、振込処理が正常に行われないと、金融機関側にて現金がプールされ、組み戻し処理を行う必要が発生する。
【0003】
このような振込人の操作ミスによる誤入力を防止する提案がなされている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1によれば、振込先の入力が終了した時点で、ホストコンピュータが振込先に通知して確認してから振込取引を実行するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−87312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、振込先人に確認を取る方法は、より確実であるが、振込先人に連絡して確認が得られるまで時間がかかり、また、振込先人と連絡が取れない場合は、振込操作を終了することができないという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、誤入力があった場合に、その段階で顧客に正しい入力を促すようにする取引情報入力支援方法、取引情報入力支援装置および取引情報入力支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では上記の課題を解決するために、振込取引における誤入力を防止する取引情報入力支援方法において、顧客により入力された振込先口座番号および振込先人名の取引情報を取得し、上位装置に氏名照会を依頼して前記振込先口座番号に対応する氏名を取得し、取得した前記振込先人名と前記上位装置から取得した前記氏名とを比較し、前記振込先人名と前記氏名とが一致しない場合に、不一致文字の誤入力が文字入力キーの押し間違いによる単純な操作ミスによるものか否かを判断し、誤入力が単純な操作ミスによるものでないと判断された場合は、前記振込先口座番号の再入力を促し、単純な操作ミスによるものと判断された場合は、前記振込先人名の訂正を促す、ことを特徴とする取引情報入力支援方法が提供される。
【0008】
また、本発明は、振込取引における誤入力を防止する取引情報入力支援装置において、振込先口座番号および振込先人名の入力をガイドし、入力された前記振込先口座番号および前記振込先人名の取引情報を取得する取引情報入力部と、入力された前記振込先口座番号を基に上位装置に対して氏名照会を依頼することにより前記振込先口座番号に対応する氏名を取得する氏名照会部と、入力された前記振込先人名と取得した前記氏名とが一致しているかどうかをチェックする氏名情報比較部と、文字入力キーの文字と当該文字入力キーに隣接する文字入力キーの文字セットとの対応表である誤入力テーブルと、前記振込先人名および前記氏名の不一致文字を特定し、前記誤入力テーブルを参照して特定した前記不一致文字が対応関係にあるかどうかを判断し、その判断に応じて前記振込先口座番号の再入力または振込先人名の訂正を促す誤入力判断部と、を備えていることを特徴とする取引情報入力支援装置が提供される。
【0009】
さらに、本発明は、振込取引における誤入力を防止する処理をコンピュータに実行させる取引情報入力支援プログラムにおいて、前記コンピュータに、顧客により入力された振込先口座番号および振込先人名の取引情報を取得し、上位装置に氏名照会を依頼して前記振込先口座番号に対応する氏名を取得し、取得した前記振込先人名と前記上位装置から取得した前記氏名とを比較し、前記振込先人名と前記氏名とが一致しない場合に、不一致文字の誤入力が文字入力キーの押し間違いによる単純な操作ミスによるものか否かを判断し、誤入力が単純な操作ミスによるものでないと判断された場合は、前記振込先口座番号の再入力を促し、単純な操作ミスによるものと判断された場合は、前記振込先人名の訂正を促す、処理を実行させることを特徴とする取引情報入力支援プログラムが提供される。
【0010】
このような取引情報入力支援方法、取引情報入力支援装置および取引情報入力支援プログラムによれば、顧客が入力した振込先口座番号および振込先人名に誤入力があった場合に、それが文字入力キーの押し間違いによる単純な操作ミスによるものか否かを判断し、その判断に応じて、振込先人名の誤入力文字の訂正または振込先口座番号の再入力を促すようにしている。これにより、誤入力が単純な操作ミスによるものと判断された場合は、その誤入力文字を訂正するようにし、誤入力が単純な操作ミスによるものでないと判断された場合は、振込先口座番号を再入力させるようにすることで、次に実行される処理では、誤入力のない状態で処理を引き継ぐことができる。
【発明の効果】
【0011】
上記構成の取引情報入力支援方法、取引情報入力支援装置および取引情報入力支援プログラムによれば、顧客が入力した振込先口座番号および振込先人名が上位装置に登録されているデータと同じでないと次の処理に進むことができないので、常に正しいデータを上位装置に送ることができ、これによって、組み戻し処理の発生件数を軽減することができる。
【0012】
また、単純な誤入力なのか、まったく違う「振込先人名」への振込の可能性があるのかのチェックをATM上に持たせることができるので、利便性を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】取引情報入力支援装置を示す機能ブロック図である。
【図2】取引情報入力支援装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】ATMの初期画面の例を示す図である。
【図4】ATMの振込先口座番号入力画面の例を示す図である。
【図5】ATMの振込先人名入力画面の例を示す図である。
【図6】誤入力テーブルの例を示す図である。
【図7】ATMの振込先人名再確認画面の例を示す図である。
【図8】ATMの振込先口座番号再確認画面の例を示す図である。
【図9】本実施の形態に用いる取引情報入力支援装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、ATMに適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。
図1は取引情報入力支援装置を示す機能ブロック図である。
【0015】
取引情報入力支援装置1は、ATMに収容されていて、取引情報入力部2と、氏名照会部3と、氏名情報比較部4と、誤入力判断部5と、誤入力テーブル6とを備え、業務センタにある上位装置のホストコンピュータ7に接続されている。
【0016】
取引情報入力部2は、ATMによる振込取引の操作において、振込先口座番号および振込先人名の入力をガイドし、振込先口座番号および振込先人名の取引情報を取得する機能を有している。
【0017】
氏名照会部3は、入力された振込先口座番号を基に、ホストコンピュータ7に氏名照会をする機能を有する。氏名照会は、入力された振込先口座番号を氏名照会電文にセットしてホストコンピュータ7に依頼し、ホストコンピュータ7から返された応答電文に含まれる氏名を取得する。
【0018】
氏名情報比較部4は、入力された振込先人名と応答電文に含まれる氏名とが一致しているかどうかをチェックする機能を有し、誤入力判断部5は、その氏名の一致チェックの結果、不一致の場合に、振込先口座番号を誤入力したのか振込先人名を誤入力したのかを判断し、その判断に応じて振込先口座番号の再入力または振込先人名の訂正を促す機能を有している。誤入力が振込先人名であると判断された場合、誤入力判断部5は、ある文字入力キーの文字とその文字入力キーに隣接する文字入力キーの文字セットとの対応表である誤入力テーブル6を参照して正しいと思われる文字を明示する。
【0019】
以上の構成の取引情報入力支援装置1によれば、取引情報入力部2が顧客によって入力された振込先口座番号および振込先人名を取得すると、氏名照会部3が顧客によって入力された振込先口座番号を基に氏名照会電文にて業務センタのホストコンピュータ7へ問合せを行う。氏名照会部3が氏名照会の応答電文にて正しい振込人氏名を取得すると、氏名情報比較部4は、顧客によって入力された振込先人名と照会電文にて受信した振込先人名との一致チェックを行い、不一致文字が存在するか否かチェックする。ここで、顧客によって入力された振込先人名と照会電文にて受信した振込先人名とが一致すると、たとえば、この段階で振込取引に必要なすべての情報の入力が済んでいれば、取引内容の確認の処理に進む。
【0020】
一致チェックで不一致文字が存在する場合、誤入力判断部5は、誤入力テーブル6を使ってその不一致文字が単純な操作ミスにより誤入力された文字かどうかを判断し、単純な操作ミスにより誤入力された文字である可能性があると判断された場合には、その文字を明示し、振込先人名の誤入力された文字を訂正させるようにする。また、単純な操作ミスによるものでない可能性が高いと判断されると、振込先口座番号の誤入力の可能性があるので、振込先口座番号を確認させ、再入力させるようにする。
【0021】
図2は取引情報入力支援装置の処理の流れを示すフローチャート、図3はATMの初期画面の例を示す図、図4はATMの振込先口座番号入力画面の例を示す図、図5はATMの振込先人名入力画面の例を示す図、図6は誤入力テーブルの例を示す図、図7はATMの振込先人名再確認画面の例を示す図、図8はATMの振込先口座番号再確認画面の例を示す図である。
【0022】
ATMの表示・操作部は、たとえば図3に示す初期画面10を表示しており、初期画面10には取引毎に独立したボタンが表示されている。図示の例では、初期画面10は、「引出し」ボタン11、「預入れ」ボタン12、「通帳記入」ボタン13、「残高照会」ボタン14、「他行送金」ボタン15、「定額・定期」ボタン16、「MPN(Multi-Payment Network)」ボタン17および「その他」ボタン18を表示している。
【0023】
取引情報入力支援装置1による振込取引は、図3に示す初期画面10から「他行送金」ボタン15を押下することによって開始される。この振込取引では、暗証番号入力、振込先金融機関名等といった多くの取引情報を入力する必要があるが、ここでは、取引情報入力支援装置1の処理に関係する取引情報、すなわち、振込先口座番号および振込先人名のみについて説明し、それ以外の取引情報の入力操作については省略する。
【0024】
まず、取引情報入力部2は、振込先口座番号の入力を受け付ける(ステップS1)。この振込先口座番号は、図4に示す振込先口座番号入力画面20に表示されている数値キー21または「訂正」キー22を押下することによって口座番号表示欄23に数字を順次表示していき、最後に「確認」キー24を押下することによって入力データが確定される。
【0025】
次に、取引情報入力部2は、振込先人名の入力を受け付ける(ステップS2)。この振込先人名は、図5に示す振込先人名入力画面30に表示されている文字入力キー31を押下することによって振込先人名表示欄32に文字を順次表示していき、最後に「確認」キー33を押下することによって入力データが確定される。入力文字の訂正は、「訂正」キー34を使用して行うことができる。図5に示す例では、「アイウエエ」なる文字を入力した場合を示している。
【0026】
次に、氏名照会部3は、ホストコンピュータ7に、入力された振込先口座番号を用いて氏名照会をし、これに対し、ホストコンピュータ7から、登録されている振込先口座番号に対応する氏名の情報を受信する(ステップS3)。
【0027】
次に、氏名情報比較部4は、入力された振込先人名と受信した氏名との一致チェックをし(ステップS4)、氏名が一致しているかどうかを判断する(ステップS5)。氏名が一致していると判断されれば、次の取引処理へ進む。一方、氏名が一致していないと判断されると、入力された振込先口座番号および振込先人名の少なくとも一方に誤りがあるので、以下では、振込先口座番号に誤入力があるのか、振込先人名に誤入力があるのかを判断する。
【0028】
誤入力判断部5は、まず、入力された振込先人名の文字数と受信した氏名の文字数とを比較し、その差が1以下かどうかを判断する(ステップS6)。ここで、文字数差が1以下の場合、不一致の文字を特定し(ステップS7)、その文字が文字入力キー31の単純な押し間違いかどうかを調べる(ステップS8)。なお、本実施の形態では、文字数差が1以下の場合について例示したが、これに限定されるものではない。この文字入力キー31の単純な押し間違いかどうかは、誤入力テーブル6を参照して判断される。誤入力テーブル6は、図6に示したように、文字と誤入力文字候補とのフィールドからなり、文字のフィールドには、それぞれの文字入力キー31に対応する文字が登録され、誤入力文字候補のフィールドには、各文字の文字入力キー31に隣接して配置された文字入力キー31の文字セットが登録されている。たとえば、図5の振込先人名入力画面30によれば、文字「ア」の文字入力キー31に隣接しているのは、文字「イ」、「カ」、「キ」の文字入力キー31であるので、誤入力テーブル6の文字「ア」に対応する誤入力文字候補には、文字「イ」、「カ」、「キ」の文字セットが登録されている。
【0029】
誤入力テーブル6を用いることにより、誤入力文字が単純な間違いであるかどうかを判断することができる。たとえば受信した氏名が「アイウエオ」であった場合、入力した振込先人名の文字列が「アイウエエ」であるので、最後の文字「オ」および「エ」が不一致文字として特定される。誤入力テーブル6には、受信した氏名の不一致文字の「オ」に対応する誤入力文字候補の中に、入力した振込先人名で不一致文字と特定された「エ」が含まれていることが分る。これにより、「オ」の文字入力キー31を押下しようとして誤って隣の文字入力キー31を押下してしまったと推測でき、単純な操作ミスと判断することができる。同様に、入力した振込先人名で不一致文字と特定された「エ」を検索し、それに対応する誤入力文字候補の中に受信した氏名の不一致文字の「オ」が含まれているかどうかを調べても、結果は同じである。
【0030】
一方、振込先人名入力画面30上のキー配列において、物理的に離れている2つの文字入力キー31の文字、たとえば「ア」と「オ」の文字が不一致文字として検出された場合には、文字入力キー31の押し間違いと判断し難いので、単純な操作ミスと判断することはできない。
【0031】
次に、誤入力判断部5は、誤入力テーブル6を検索した不一致文字の一方に対応する誤入力文字候補の中に不一致文字の他方が含まれているかどうか、つまり対応関係にあるかどうかを判断し(ステップS9)、対応関係にあれば、顧客に振込先人名を再確認させるようにする(ステップS10)。これは、ATMの画面を図7に示す振込先人名再確認画面40に遷移させ、入力した振込先人名を表示させ、再確認を促すようにしている。このとき、入力した振込先人名の中の不一致文字については、強調表示およびボタン化している。図7に示す振込先人名再確認画面40の例では、不一致文字の「エ」だけ文字サイズを大きくして強調表示し、かつ、その文字を囲うように押しボタン41を形成している。この押しボタン41は、表示画面を振込先人名入力画面30に遷移させるスイッチとして機能する。
【0032】
振込先人名再確認画面40は、また、強調表示された文字を確認する旨のメッセージ、間違いなら、押しボタン41を押す旨のメッセージ、および正しいと思われる振込先人名を示唆するメッセージも表示している。振込先人名再確認画面40において、相違箇所のみを強調表示することにより、顧客に対し誤入力した文字が何であるかを気づかせることが可能になる。
【0033】
次に、誤入力判断部5は、振込先人名再確認画面40における押しボタン41の押下に応答して、画面を図5に示す振込先人名入力画面30に遷移させ、文字入力キー31、「訂正」キー34および「確認」キー33を用いた振込先人名の訂正処理を受け付ける(ステップS11)。その後、ステップS4に戻り、訂正した振込先人名による氏名一致チェックが行われる。
【0034】
ステップS6において、入力された振込先人名と受信した氏名との文字数差が2文字以上あると判断されて単純な操作ミスによる誤入力とは考えにくい場合、およびステップS9において、誤入力が単純な操作ミスではないと判断された場合、誤入力判断部5は、受信した氏名の基となる、入力された振込先口座番号の誤入力の可能性が高いと判断し、入力された振込先口座番号を顧客に再確認させるようにする(ステップS12)。このとき、画面は、図8に示した振込先口座番号再確認画面50に遷移する。振込先口座番号再確認画面50では、入力した振込先口座番号が相違している可能性がある旨のメッセージと、入力した振込先口座番号とが表示され、さらに、表示した振込先口座番号が相違していない場合に指示する「次へ」ボタン51と、相違している場合に指示する「取消」ボタン52とが表示されている。
【0035】
誤入力判断部5は、顧客から再確認結果に対する指示を受けて、口座番号に間違いがないかどうかを判断する(ステップS13)。口座番号に間違いがなければ、振込先人名の誤入力と判断し、ステップS10の振込先人名再確認の処理に進み、口座番号に間違いがあれば、ステップS1に戻って初期画面からの手続きとなる。この場合の振込先人名の誤入力例としては、誤って同じ文字の文字入力キー31を2度押下してしまった場合、濁点、半濁点等の1文字の入力を忘れてしまった場合等がある。
【0036】
以上のように、顧客が入力した振込先人名と照会電文にて受信した口座番号に対応する氏名とを比較し、相違箇所のみを強調表示することで、顧客へ入力文字の間違いを気づかせて訂正させることで、正しいデータを業務センタ側へ送信させることが可能になる。これにより、業務センタ側での煩わしい組み戻し処理が軽減される。また、単純な誤入力なのか、まったく違う「振込先人名」への送金の可能性があるのかのチェックを取引情報入力支援装置1上に持たせることにより、顧客および業務センタ双方の利便性を大きく向上させることができる。
【0037】
図9は本実施の形態に用いる取引情報入力支援装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
取引情報入力支援装置1は、コンピュータの構成を有し、CPU(Central Processing Unit)61によって装置全体が制御されている。CPU61には、バス67を介してRAM(Random Access Memory)62と複数の周辺機器とが接続されている。
【0038】
RAM62は、取引情報入力支援装置1の主記憶装置として使用される。RAM62には、CPU61に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM62には、CPU61による処理に必要な各種データが格納される。
【0039】
バス67に接続されている周辺機器としては、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)63、グラフィック処理装置64、入力インタフェース65、および通信インタフェース66がある。
【0040】
HDD63は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD63は、取引情報入力支援装置1の二次記憶装置として使用される。HDD63には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を使用することもできる。
【0041】
グラフィック処理装置64には、モニタ68が接続されている。グラフィック処理装置64は、CPU61からの命令に従って、画像をモニタ68の画面に表示させる。モニタ68としては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0042】
入力インタフェース65には、モニタ68の表示画面に設置された位置入力装置であるタッチパッド69が接続されている。入力インタフェース65は、タッチパッド69から送られてくる表示画面上の位置を示す信号をCPU61に送信する。
【0043】
通信インタフェース66は、ネットワーク70に接続されている。通信インタフェース66は、ネットワーク70を介して、業務センタのホストコンピュータ7または通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0044】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、図9では、取引情報入力支援装置1のハードウェア構成を示したが、ホストコンピュータ7も同様のハードウェア構成である。
【0045】
なお、図2の処理機能は、取引情報入力支援装置1によって実現されるが、その場合、取引情報入力支援装置1が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムを取引情報入力支援装置1で実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。さらに、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現することもできる。
【符号の説明】
【0046】
1 取引情報入力支援装置
2 取引情報入力部
3 氏名照会部
4 氏名情報比較部
5 誤入力判断部
6 誤入力テーブル
7 ホストコンピュータ
10 初期画面
11 「引出し」ボタン
12 「預入れ」ボタン
13 「通帳記入」ボタン
14 「残高照会」ボタン
15 「他行送金」ボタン
16 「定額・定期」ボタン
17 「MPN」ボタン
18 「その他」ボタン
20 振込先口座番号入力画面
21 数値キー
22 「訂正」キー
23 口座番号表示欄
24 「確認」キー
30 振込先人名入力画面
31 文字入力キー
32 振込先人名表示欄
33 「確認」キー
34 「訂正」キー
40 振込先人名再確認画面
41 押しボタン
50 振込先口座番号再確認画面
51 「次へ」ボタン
52 「取消」ボタン
61 CPU
62 RAM
63 HDD
64 グラフィック処理装置
65 入力インタフェース
66 通信インタフェース
67 バス
68 モニタ
69 タッチパッド
70 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振込取引における誤入力を防止する取引情報入力支援方法において、
顧客により入力された振込先口座番号および振込先人名の取引情報を取得し、
上位装置に氏名照会を依頼して前記振込先口座番号に対応する氏名を取得し、
取得した前記振込先人名と前記上位装置から取得した前記氏名とを比較し、
前記振込先人名と前記氏名とが一致しない場合に、不一致文字の誤入力が文字入力キーの押し間違いによる単純な操作ミスによるものか否かを判断し、
誤入力が単純な操作ミスによるものでないと判断された場合は、前記振込先口座番号の再入力を促し、単純な操作ミスによるものと判断された場合は、前記振込先人名の訂正を促す、
ことを特徴とする取引情報入力支援方法。
【請求項2】
前記単純な操作ミスによるものか否かは、文字入力キーの文字と当該文字入力キーに隣接する文字入力キーの文字セットとの対応表である誤入力テーブルを参照し、前記振込先人名および前記氏名の一方の不一致文字に対応する文字セットの中に他方の不一致文字が存在するか否かを調べることによって判断することを特徴とする請求項1記載の取引情報入力支援方法。
【請求項3】
誤入力が単純な操作ミスによるものであるとき、前記振込先人名の不一致文字を強調表示させて前記振込先人名の再確認を実施するようにしたことを特徴とする請求項1記載の取引情報入力支援方法。
【請求項4】
前記振込先人名の不一致文字の強調表示部分をボタン化し、表示画面を振込先人名入力画面へ遷移するスイッチとして機能させるようにしたことを特徴とする請求項3記載の取引情報入力支援方法。
【請求項5】
誤入力が単純な操作ミスによるものでないと判断されたときに、前記振込先口座番号の再確認を実施し、前記振込先口座番号に誤りがない場合に、前記振込先人名の訂正を促すようにしたことを特徴とする請求項1記載の取引情報入力支援方法。
【請求項6】
前記振込先人名と前記氏名とが一致しない場合に、前記振込先人名の文字数と前記氏名の文字数との差を調べ、文字数の差が所定値より大きい場合に、誤入力が単純な操作ミスによるものでないと判断し、前記振込先口座番号の再入力を促すようにしたことを特徴とする請求項1記載の取引情報入力支援方法。
【請求項7】
振込取引における誤入力を防止する取引情報入力支援装置において、
振込先口座番号および振込先人名の入力をガイドし、入力された前記振込先口座番号および前記振込先人名の取引情報を取得する取引情報入力部と、
入力された前記振込先口座番号を基に上位装置に対して氏名照会を依頼することにより前記振込先口座番号に対応する氏名を取得する氏名照会部と、
入力された前記振込先人名と取得した前記氏名とが一致しているかどうかをチェックする氏名情報比較部と、
文字入力キーの文字と当該文字入力キーに隣接する文字入力キーの文字セットとの対応表である誤入力テーブルと、
前記振込先人名および前記氏名の不一致文字を特定し、前記誤入力テーブルを参照して特定した前記不一致文字が対応関係にあるかどうかを判断し、その判断に応じて前記振込先口座番号の再入力または振込先人名の訂正を促す誤入力判断部と、
を備えていることを特徴とする取引情報入力支援装置。
【請求項8】
振込取引における誤入力を防止する処理をコンピュータに実行させる取引情報入力支援プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
顧客により入力された振込先口座番号および振込先人名の取引情報を取得し、
上位装置に氏名照会を依頼して前記振込先口座番号に対応する氏名を取得し、
取得した前記振込先人名と前記上位装置から取得した前記氏名とを比較し、
前記振込先人名と前記氏名とが一致しない場合に、不一致文字の誤入力が文字入力キーの押し間違いによる単純な操作ミスによるものか否かを判断し、
誤入力が単純な操作ミスによるものでないと判断された場合は、前記振込先口座番号の再入力を促し、単純な操作ミスによるものと判断された場合は、前記振込先人名の訂正を促す、
処理を実行させることを特徴とする取引情報入力支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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