受信機システム、受信機システムの配置方法、および受信機システムを備える位置決めシステム
【課題】 位置決め用受信機システム、受信機システムの配置方法、および受信機システムを備える位置決めシステムを提供する。
【解決手段】 受信機システムは、測距信号を受信するための受信ノードから成るノード群を備え、ノード群の受信ノードは、予め定められた形態で配置され、ノード群が基準ノードを含み、ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と前記基準ノードの位置とに基づいて決定する。この受信機システムによれば、実用用途において遭遇される複雑な状況への適合性に優れた、従来よりも柔軟な構造とすることができる。同時に、複雑な適用状況下での較正の作業負荷も大幅に軽減される。
【解決手段】 受信機システムは、測距信号を受信するための受信ノードから成るノード群を備え、ノード群の受信ノードは、予め定められた形態で配置され、ノード群が基準ノードを含み、ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と前記基準ノードの位置とに基づいて決定する。この受信機システムによれば、実用用途において遭遇される複雑な状況への適合性に優れた、従来よりも柔軟な構造とすることができる。同時に、複雑な適用状況下での較正の作業負荷も大幅に軽減される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置決め技術に関し、特に、位置決め用受信機システム、受信機システムの配置方法、および受信機システムを備える位置決めシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なコンピューティング環境で使用される位置特定・追跡システム(LTS)は、既存用途を強化しかつ新規用途をサポートするために、位置決めサービスを提供することが必須となる。現在では、例えば、倉庫、炭坑、地下鉄、スマートビルディング、医療、レストラン等の応用分野において、人や資産をきわめて高精度に追跡する技術の需要が高まっている。
【0003】
倉庫を一例にとると、物品を効率的に管理するためには、物品の位置を高精度でかつリアルタイムに追跡することが必要となる。その他の典型的な例としては、スチール工場でスチ―ル製品を追跡したり、小売業倉庫で商品を追跡したりすることが挙げられる。取り扱いに注意を要する物品や人間に有害な物品の場合は特に、許可されていない変更や接触があったかどうかを確認できる証拠を得るために、位置特定・追跡システムで追跡と監視を行って、物品とそれを扱う人の動きを記録することが優先的な課題となる。
【0004】
またオフィス環境では、従業員は、セキュリティが確保された所定のエリアでのみ機密情報のデータベースにアクセスすることが許可され、それ以外のエリアからデータベースへのアクセスは禁じられる。例えば、各部署のメンバーはそれぞれの作業区域に設置された部署専用の情報データベースにのみアクセスでき、セキュリティ保護が施された一部のコンピュータは所定のエリアでしか利用できない。こうした方針は、LTSを使用して実装することが可能である。
【0005】
LTSの用途は病院にもある。病院でLTSを使用して医療従事者や医療器具をリアルタイムで追跡すれば、記録管理とワークフローが大幅に簡素化される。例えば、医師が患者に近づくと関連の記録が医師のラップトップに自動的に表示される。フォームには現在データと時刻がすでに入力されているので、医師は今回の診察の詳細を追記するだけでよい。
【0006】
LTSはさらに、兵士、警官、消防隊員等の位置情報と標的の位置情報とを表示することにより、任務の効率的な遂行を助ける。
【0007】
現在の市場には多数のLTSが出回っているが、実際の使用環境において人と資産を正確かつ安定的に追跡でき、なおかつ柔軟な使用も可能なLTSを実現することは、未だ非常に困難である。
【0008】
全地球位置測定システム(GPS)を使うと、屋外において標的の位置情報を10メートル単位の精度で得ることができる。屋内環境では、多経路効果と信号障害のために、GPSの位置測定結果の精度はこれよりも低くなる。ただし、10メートル単位というGPSの精度は屋内用途にはそもそも不向きである。
【0009】
ほとんどの位置決めシステムは、赤外線、無線周波数(RF)、および超音波という3つの技術をベースとしている。非特許文献1(P.Bahl et al.による論文「RADAR:An In−Building RF−based User Location and Tracking System(レーダー:屋内RFをベースとしたユーザ位置測定・追跡システム)」IEEE INFOCOM,2000)では、802.11無線ネットワークの受診信号強度をベースとする位置決めシステムが開示されている。位置決めシステムによる位置決めは、2段階で実行される。第1の段階はオフラインの段階であり、標的エリア全体に分散する有限数の位置における信号強度に基づいて、システムの較正とモデルの構築が行われる。第2の段階は標的エリアでのオンライン運用の段階であり、移動装置が各基地局から受信した信号強度を報告し、それに基づいてシステムがオンライン観測結果とオンラインモデル内の1点とのベストマッチを判定する。システムはこれによりベストマッチ点の位置を取得し、位置推定値として使用する。
【0010】
また、非特許文献2(IEEE Personal Communications,Volume 4,no.5,October 1997)では、“A New Location Technical for Active Office”(アクティブオフィスのための新しい位置測定技術)、すなわち“BAT”システム、が開示されている。理解を助けるため、関連技術のBATシステムとその動作フローを示した図1と図2を参照してこのシステムについて簡単に説明する。
【0011】
図1に示すように、システム100は、受信機配列101と、サーバ102と、コントローラ103と、タグ装置104(超音波送信機を含む)とを備える。受信機配列101は部屋の天井に配置され、超音波信号を受信することのできる複数の受信機を含む。この受信機配列は、正方形または長方形の形状を有する寸法N×Mの配列として配置されている。タグ装置104は、超音波信号を送信することのできる超音波送信機を含み、追跡対象物に取り付けられている。サーバ102は、受信機配列から測定データを受信し、位置計算を実行するために、受信機配列に接続されている。サーバ102はさらにコントローラ103にも接続されている。コントローラはタグIDを含む無線メッセージをタグ装置104に送信するために使用され、タグIDまたはアドレスはサーバ103によって判定される。
【0012】
図2は、システムの動作フローを示す。図2に示すように、ステップ201において、コントローラ103がまずRFによってタグIDをブロードキャストする。タグIDはサーバ102によって割り当てられる。そしてステップ202において、サーバ102が受信機配列101内の受信機を同期させる。これは、例えば、受信機配列101に同期信号を送信し、受信機配列内の各受信機を起動して同期を実行させる等の方法により行われる。次にステップ203において、タグIDに対応するタグ装置104がコントローラ103からブロードキャストされたタグIDを受信し、その応答として測距用の超音波信号を発信する。ステップ204において、受信機配列が超音波信号を検出し、到達時刻(TOA)データを取得する。次にステップ205において、受信機配列101がTOAデータをサーバに報告する。受信機配列はその後、省電力モードに入ることができる。最後にサーバが、受信したTOAデータに基づいて標的の3D位置を計算する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】P.Bahl et al.による論文「RADAR:An In−Building RF−based User Location and Tracking System(レーダー:屋内RFをベースとしたユーザ位置測定・追跡システム)」IEEE INFOCOM,2000
【非特許文献2】IEEE Personal Communications,Volume 4,no.5,October 1997
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上述した文献に記載されるLTSシステムのアーキテクチャは柔軟性に欠けるし、調整機構も複雑なため、実用用途に資するのは困難であるという問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記を鑑みて、本発明は実用用途への適合性に優れた位置決め技術を提案することを目的とする。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、位置決め用受信機システムを提供する。当該システムは、測距信号を受信するための受信ノードから成るノード群を備え、ノード群の受信ノードは、予め定められた形態で配置され、ノード群が基準ノードを含み、ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と基準ノードの位置とに基づいて決定する。
【0017】
本発明の好ましい形態では、受信ノードが、予め定められた間隔で直線上に配置される。
【0018】
本発明の他の好ましい形態では、基準ノードが、受信ノードのうちの1つから決定され、他の受信ノードの位置が、直線の方向と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標と、受信ノード群内での配置順とに基づいて決定される。
【0019】
本発明のさらに他の好ましい形態では、基準ノードが、受信ノードのうち2つの受信ノードとして決定され、他の受信ノードの位置は、直線の方向と、予め定められた間隔と、2つの受信ノードのうち一方の座標と、受信ノード群内での配置順とに基づいて決定され、直線の方向は2つの受信ノードの座標に基づいて決定される。
【0020】
本発明のさらに他の好ましい形態では、2つの受信ノードが、受信ノードのうちの先頭の受信ノードおよび末尾の受信ノードである。
【0021】
本発明のさらに他の好ましい形態では、受信ノードは、予め定められた円形状に予め定められた間隔で配置され、基準ノードが受信ノードのうちの1から決定され、他の受信ノードの位置が、円の中心と、円の半径と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標とから決定される。
【0022】
本発明のさらに他の好ましい形態では、受信ノードのうち少なくとも1つが、受信ノードを同期させるための同期信号を受信するように構成された同期ノードである。
【0023】
本発明のさらに他の好ましい形態では、複数のノード群を備え、少なくとも1つのノード群が、他のノード群とは異なる平面上に配置される。
【0024】
本発明のさらに他の好ましい形態では、複数のノード群内の受信ノードがケーブルでノードチェーン状に接続される。
【0025】
本発明のさらに他の好ましい形態では、複数の受信ノードが、直線あるいはW字形、またはその組み合わせを形成するように接続される。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、受信機システムを配置する方法を提供する。当該方法は、受信機システムの受信ノードを、配置する表面の特徴に応じてノード群毎に配置するステップと、ノード群内の受信ノードを予め定められた形態で配置するステップとを有し、ノード群が1つの基準ノードを含み、ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と基準ノードの位置とに基づいて決定する。
【0027】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様による受信機システムを備える位置決めシステムを提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施例によれば、受信機システムは柔軟なアーキテクチャを有し、様々な状況において複雑な構造体に適用できるほか、実用用途における較正の作業負荷を軽減することを可能にする。さらに、本発明の受信システムは従来技術と比較して、効果的な調整が可能であり、精度の面でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の上記および他の特徴は、本発明の添付図面を参照して行われる実施例の詳細な説明から明らかになるであろう。なお、添付図面では、同一の参照記号は同一もしくは類似の構成要素を示す。
【0030】
【図1】従来技術による超音波位置決めシステムのシステムアーキテクチャの図を示す。
【図2】従来技術による超音波位置決めシステムの動作フローを示す図である。
【図3】本発明の一実施例によるシステムアーキテクチャを示す図である。
【図4A】本発明の一実施例による受信システムの構成例を示す図である。
【図4B】本発明による受信システムのノード群の構成例を示す図である。
【図4C】本発明の他の実施例による受信システムの構成例を示す図である。
【図4D】本発明の他の実施例による受信システムの構成例を示す図である。
【図5A】本発明の一実施例によるノード接続方法を示す図である。
【図5B】本発明の一実施例によるノード接続方法を示す図である。
【図5C】本発明の一実施例によるノード接続方法を示す図である。
【図5D】本発明の一実施例によるノード接続方法を示す図である。
【図6】本発明の一実施例による位置決めシステムの動作フローを示す図である。
【図7】本発明による位置決めシステムのタイムチャートを示す図である。
【図8】本発明の一実施例による、受信システムの配置方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、添付図面を参照しながら、本発明の実施例を通して提案される位置決め用受信機システム、受信機システムの配置方法、および受信機システムを備える位置決めシステムについて詳細に説明する。
【0032】
まず、図3を参照して本発明による位置決めシステムについて説明する。図3は、本発明の一実施例によるシステムアーキテクチャの図である。
【0033】
図3に示すように、本発明によるシステムは、受信機システム301と、サーバ302と、タグ装置304と、ホスト装置305とを備えることができ、受信機システム301は、例えば屋内の天井に取り付け可能な複数の受信ノードを備える。受信機システム301は、タグ装置304から発信される測距信号(例えば、超音波信号)を受信して、TOAデータを検出するように構成されている。ホスト装置305は、受信機システム301によって検出されたTOAデータを収集してシステム調整を実行するように構成されており、サーバ302は、ホスト装置305によって収集されたTOAデータに基づいてタグの位置を計算するように構成されている。
【0034】
位置決めシステムにおいては、タグ装置304はRF放出機能と超音波放出機能とを有するタグである。受信機システム301は、タグ装置304から発信されるRF信号を受信し、同期を実行するための同期ノードをさらに備える。この同期は、図3に示す周囲を輪で囲んだノードによって実行される。同期ノードは、RF送受信機と超音波受信機とを備えることができる。同期ノードは、同期ノードのカバレージと天井の面積に基づいて、できる限り少数の同期ノードで天井面積全体をカバーできるように配置することができる。同期ノードは、RF信号の送受信機能をさらに有する受信機であるのが望ましいが、同期専用としてもよい。
【0035】
さらに、位置決めシステムの例示受信機システム301は、タグ装置304から発信される超音波信号を受信するための複数の受信ノードを備える。ただし、この受信ノードの配置は、従来技術のアレイ型またはマトリックス型の配置とはまったく異なる新奇の考案に基づいたトポロジーを採用しているため、複雑で多様な用途にも適合しやすい。
【0036】
例えば屋内等の実用用途においては、部屋の天井は必ずしも真四角の形状をしているわけではない。また、天井が1つの平面ではなく、複雑な構造の立体形状である可能性もある。このような場合、受信機配列を従来技術のアレイ型に配置するのは難しい。
【0037】
さらに、システムの始動前に受信機の位置を測定することが通常の手順として必要な場合には、較正もしくは較正プロセスも位置特定・追跡システムの不可欠なステップとなる。この較正作業は実際の位置決め用途の準備段階と言うことができる。較正プロセスにおいては、後に行われる実際の位置決めのための基礎データを得るために、基準ノードとするすべての受信機の位置を手動で測定する必要がある。従来技術によれば、こうした較正は多大な時間と労力を要し、システムの使用開始を遅らせる原因となるのが一般的である。
【0038】
本発明の実施例によれば、様々な実用用途への適合性に優れ、システム較正のための作業負荷を軽減することのできる、柔軟に構成可能な受信システムが提供される。以下では、図4Aおよび図4B、図5Aおよび5Bを参照して、本発明の発明者が提案する受信機システムのまったく新奇な配置について説明する。
【0039】
図4Aに一例として示す受信機システムは、ノードチェーンに直列で接続された受信ノード1〜20を備える。受信機システムはノード群を備えることができる(図4Aでは、4つのノード群)。各ノード群内に含まれるこれらの受信ノードは、予め定められた形態に配置される。「予め定められた形態」とは、受信ノードが予め定められたパターンおよび空間関係に従って配置されることを意味する。図には、例えば、ノード群として構成された受信ノードを直線の形態で接続し、個々のノードを予め定められた間隔で配置できることが示されている。この間隔は等間隔としても、あるいは算術数列や幾何数列などの予め定められたその他の間隔としてもよい。
【0040】
ノード群の区分化は、配置先の表面の特徴に基づいて行うことができる。例えば、配置先の表面が1つの平面の場合は、配置先の表面の形状と、必要とされる受信ノードの配置密度とに基づいて、1つ以上のノード群を決定する。ここで、2つ目以上のノード群においては、各ノードは予め定められた形態(例えば直線)に配置される。また、配置先の表面が複数の平面の場合は、まず異なる平面に配置するノードを平面毎に大きな群に分割し、次に各平面において、配置先の表面の形状と、必要とされる受信ノードの配置密度とに基づいて、これらの大きな群を下位群に分割することができる。
【0041】
さらに、図4Aの例示実施例においては、個々のノード群によって形成される直線の方向は柔軟に決定できるので、それぞれ異なる方向にしてもよい。また、各群に含まれるノード数も柔軟に決定できるので、受信ノード数を群の間で異なる数としたり、同一の数としたりすることができる。
【0042】
ノード群毎に少なくとも1つの基準ノードを較正ノードとして決定すると、各ノード群内の他の受信ノードの位置は、ノード群内における基準ノードの位置と、予め定められた形態に関する情報とに基づいて、自動的に決定することができる。次に、図4Bを参照して、本発明の例示実施例による基準ノードの決定について説明する。
【0043】
図4Bは、本発明の一実施例による例示受信ノード群を示す。図4Bに示すように、当該ノード群は直線上に配置されている。また、当該ノード群は先頭ノードと末尾ノードとを備え、中央ノードは等間隔dに配置されている。ただし、本発明はこれに限定されず、幾何数列や算術数列などの予め定められた形態に基づく間隔とすることも可能である。本実施例によれば、基準ノードは、先頭ノードか、末尾ノードか、あるいは先頭ノードと末尾ノードの両方として決定することができる。基準ノードに選択した先頭ノードまたは末尾ノード(もしくはその両方)を較正した後、ノード群内の他のノードの位置は、基準ノードの位置と直線形態に関する情報とに基づいて自動的に決定される。
【0044】
ここで、理解を助けるため、先頭ノードおよび末尾ノードを較正基準ノードとし、等間隔(間隔をdとする)で配置する場合の、ノードの較正について簡単に説明する。手動較正により得られた先頭ノードおよび末尾ノードの座標をそれぞれ(xh,yh,zh)、(zt,yt,zt)とすると、先頭ノードおよび末尾ノードとの間のi番目の中央ノードの座標(xi,yi,zi)は以下のように較正することができる。
【数1】
【0045】
ここで、
【数2】
である。
【0046】
上記の式から、他のノードの位置は、直線の方向(x軸、y軸、z軸上のα、β、γの角度)と、予め定められた間隔dと、直線の先頭に位置する先頭ノードの座標(xh,yh,zh)とに基づいて決定できることが分かる。ここで、直線の方向は先頭ノードと末尾ノードとに基づいて決定される。
【0047】
ここでは先頭ノードと末尾ノードを基準ノードとする例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他にも、受信ノードから任意の2つの受信ノードを選んで基準ノードとし、他の受信ノードの位置を、直線の方向と、予め定められた間隔と、当該2つの受信ノードのうち一方の座標と、受信ノード群内の配置順とに基づいて決定することも可能である。なお、直線の方向(すなわち、上記のパラメータα、β、γ)は、当該2つの受信ノードの座標に基づいて決定することができる。また、「配置順」とは、直線上に配置された受信ノードにおける基準ノードの連続番号を意味する。
【0048】
したがって、基準ノードとしては、先頭ノードと末尾ノードの両方を選択することも、先頭ノードと末尾ノードのいずれか一方と任意の中央ノードを選択することも、あるいはノード群内の任意の2つの中央ノードを選択することもできる。
【0049】
また、本発明の他の実施例によれば、直線の方向は上記のように2つの基準ノードを計算することによって取得するのではなく、例えば事前に測定するなどして取得された既知の方向である。この場合は、基準ノードは受信ノードから任意の1つを選んで決定することができる。他の受信ノードの位置は、直線の方向と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標と、受信ノード群内の配置順とに基づいて自動的に決定される。
【0050】
この場合、予め定められた形態に関する情報は、直線の方向と、予め定められたノードの配置間隔とから成り、基準ノードの位置情報は、基準ノードの座標と、受信ノード群内における基準ノードの配置順とから成る。
【0051】
本発明によれば、較正基準としての基準ノードは手動で較正し、他のノードは予め定められた配置形態の規則を用いて自動的に較正することができる。そのため、この受信機配置方法を実用用途の複雑な状況に合わせて適応させれば、手動較正の作業負荷を軽減できるので、取り付け費用を大幅に削減し、ひいてはシステム費用の総体的な削減を実現することができる。
【0052】
上記では、各ノード群内の受信ノードを直線上に配置できることを説明したが、本発明はこれに限定されず、受信ノードは曲線上や他の予め定められたパターンにも配置できることに留意されたい。次に、図4Cと図4Dを参照して、受信機の配置に関する他の実施例について例示的に説明する。なお、図4Cと図4Dは、本発明の他の2つの実施例による受信機システムの配置を示す。
【0053】
図4Cに示すように、受信ノードは同心円として配置され、各円上の受信ノードは同じ受信ノード群に属し、各受信ノード群内の受信ノードは予め定められた中心角の間隔で配置される。この配置形態は球形もしくは半球形の天井に特に適しているが、周囲が円形となった平面的天井にも適していることは言うまでもない。中心位置には、中心受信ノードを配置しても、あるいはノードを配置しなくてもよい。中心受信ノードを配置する場合には、この1つの受信ノードを1つの特別な群として扱うことができる。
【0054】
図4Cに示す受信機システムの場合、円形状に配置されたノードで構成される1つのノード群から、任意のノードを基準ノードとして選択することができる。他のノードの位置座標は、選択された基準ノードの位置、円の中心の位置、円の半径、受信ノード間の予め定められた間隔(例えば、中心角の間隔)などのパラメータに基づいて自動的に決定される。この場合、予め定められた形態に関する情報は、円中心の位置、円の半径、および受信ノード間の予め定められた間隔から成る。基準ノードの位置情報は、基準ノードの座標とすることができる。
【0055】
次に、図4Dを参照する。図4Dは、各群内の受信ノードが楕円形に配置されることを除いて、図4Cと実質的に同じ受信機システムの配置を示す。この配置は、例えば、周囲が楕円形の平面的天井や、オリーブ形状もしくは半オリーブ形状の天井に特に適している。
【0056】
楕円形に配置されたノード群の場合、その中の任意のノードを基準ノードとして決定し、他のノードの座標位置は、主に楕円の中心、長軸、短軸、2つのノード間の角度に基づいて自動的に決定することができる。この場合、予め定められた形態に関する情報は、楕円形の中心と長軸と短軸、およびノード間の間隔から成り、基準ノードの位置情報は基準ノードの座標から成る。
【0057】
本発明の教示と当該技術に精通した当業者が通常有する知識とに基づけば、当業者は図4Cおよび4Dに示すシステムの較正に使用される式を完全に実装することができるであろう。そのため、ここでは簡潔さを優先して詳述を避ける。
【0058】
さらに、円形および楕円形の配置に関する上記の説明は例示を唯一の目的とするものであり、本発明は他の予め定められた形態を採用して実現できることに留意されたい。例えば、本発明は弧や螺旋曲線等の他の予め定められたパターンで配置することも可能である。また、当該技術において通常の技能を有する当業者であれば、本発明の教示に基づいて、これらの曲線の特徴に応じて適切な基準較正ノードを選択できるであろう。
【0059】
さらに、ノード配置形態は、異なるノード群の間で同一であっても異なっていてもよく、各ノード群の配置形態はそのノード群を配置する天井の特徴に基づいて決定できることに留意されたい。
【0060】
さらに、上記の基準点の決定もやはり例示的なものであることに留意されたい。基準ノードを決定する方法は他にも存在することは、当業者には理解されるであろう。これらの方法は、当該技術に精通した当業者が通常有する知識と、本発明の開示において提供される教示を組み合わせれば、容易に思い描くことができる。そのため、ここでは簡潔さを優先して詳述を避ける。
【0061】
本発明の一実施例によれば、受信機システム内の個々のノードは、無線方式で例えばホスト装置などと通信するか、あるいはケーブルで相互に接続し、さらにホスト装置にも接続することが可能である。
【0062】
実用用途においては、例えばコントローラエリアネットワークバスCANバスのような、安価で信頼性の高いケーブルを選択して接続を行うのが望ましい。また、チェーンへの接続は直列で行うのが望ましい。図4Aに示すように、各ノード群内の受信ノードは直列で接続されており、ノード群同士も直列で接続されている。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。言い換えれば全体的に直列で接続されている限り、ノード群内の接続は直列の接続に限定されない。図5A〜図5Dに、ノード接続方法の例を示す。
【0063】
図5Aは、接続される2つのノード群を示す。各ノード群は、直線上に配置された複数のノードで構成される。図5Bは、ノード群内の直線による接続方法を示す。各ノード群内のノードは直列で接続され、2つのノード群もやはり直列で接続されている。図5Cは、図5Bとは異なり、W字形の接続方法である。各ノード群内のノードは他のノード群内のノードに接続されて、ノードチェーンを形成している。また、図5Dに示すような、W字形と直線を組み合わせた複合型の接続方法を採用することもできる。
【0064】
さらに、上記のチェーン方式は、円形や楕円形の場合にも容易に適用できることに留意されたい。ただし、ここでは簡潔さを優先して詳述を避ける。
【0065】
実際の用途においては、天井の表面条件は複合的である。天井が一平面上にあったとしても、周囲の形状はマトリックス型配置に適していなかったり、あるいは天井の周囲が正方形であったとしても、天井が一平面上ではなく複数段で構成されていたりすることもある。本発明によれば、このような場合には、少なくとも1つのノード群が他のノード群とは異なる平面上に配置される。この場合、従来技術のマトリックス型配置は適しておらず、実際の使用が不可能なことさえある。これに対し、本発明で提供される受信機システムは非常に柔軟で、多種多様の複雑な用途環境に実践的に適用することができ、接続方法も柔軟である。また、本発明によれば、自動較正によって手動較正の作業負荷も大幅に軽減される。
【0066】
さらに、上記の実施例においては、円形もしくは楕円形の天井、球形もしくは半球形の頂部、またはオリーブ形もしくは半オリーブ形の頂部などの場合には、各群内の配置を円形もしくは楕円形配置にすることが推奨されるが、本発明はこれに限定されるものではない。周囲が円形もしくは楕円形の平面的な天井の場合は、その形状に合わせて張り糸型配置を採用することができる。球形もしくは半球形の頂部、またはオリーブ形もしくは半オリーブ形の頂部の場合で、頂部の空間が非常に大きく、受信ノードの間隔に対して頂部湾曲の変化が非常に少ない場合には、予め定められた適切なエリアにおいてほぼ直線として配置するとよい。
【0067】
次に、図6を参照して、本発明による位置決めシステムのワークフローについて説明する。
【0068】
図6に示すように、まずステップ601において、タグ装置304が、同期信号としてRF信号を、そして測距信号として超音波信号を発信する。
【0069】
受信機システム301内のRF受信機能を有する同期ノードがステップ602においてRF信号を受信し、そのRF信号に基づいて、受信機システムとタグ装置304との同期がとられる。例えば、同期信号線は、受信機システム内の各受信ノードを始動させ、その後タグ装置から発信された超音波信号を受信できるように、高いレベルに設定される。受信機システム301は、複数の同期ノードを含むことができる。同期化は、同期ノードのうち一方が同期信号を受信する限り実行される。
【0070】
次にステップ603において、受信機システム内の受信ノードが超音波信号を受信し、到着時間を表すTOAデータを検出する。
【0071】
次に、ステップ604において、ホストがTOAデータを収集してサーバに報告する。ステップ605において、サーバが報告データに基づいてタグ装置の位置を計算する。
【0072】
位置決めシステムにおいては、システム調整作業はホスト装置305によって行われる。以下では、位置決めシステムのタイムチャートを示す図7を参照して詳細に説明する。
【0073】
図7に示すように、タグ装置は、例えば少なくとも200msのタグ発信期間の開始時に、同期信号としてのRF信号と、測距信号としての超音波信号とを同時に発信する。受信機システム内のいずれかの同期ノードがRF信号を検出し、同期化を実行して他の受信ノードを始動させる。そして、超音波のリスニングを行うための、例えば幅70msの検出ウィンドウが開かれる。受信機システム内のいくつかの受信ノードが、検出ウィンドウ内のタグ装置から送られてきた超音波信号を受信し、TOAデータを検出する。検出ウィンドウの終了後直ちに、ホスト装置は例えば幅15msの集約ウィンドウを開く。ホスト装置は集約ウィンドウ内でTOAデータを収集し、サーバにそれを報告する。長時間稼働に起因するエラーを防止するための措置として、ホスト装置は集約ウィンドウの終了後(例えば幅15msの)スリープウィンドウに入り、その間には同期ノードを含む受信機システム内のすべてのノードがオフにされるようにするのが望ましい。ホスト装置はスリープウィンドウの終了後にRFリスニング期間に入り、同期ノードが新たなRF信号を検出すると次のプロセスが再び開始される。
【0074】
本発明による位置決めシステムにおいては、タグ装置が最初にコントローラの制御を受けずに発信するため、調整作業が簡素化され、より効果的なシステム調整を実現することが可能になる。さらに、本発明の位置決めシステムによれば、同期化もやはりタグ装置によって開始されるため、同期機構はより高精度になり、位置決め精度がさらに向上する。
【0075】
上記では同期信号と測距信号とを同時に送信する実施例について説明したが、本発明はこれに限定されないことに留意されたい。測距信号が受信機に到着するまでに受信機の準備が完了していることをより確実にするため、測距信号を同期信号の後に送信することも可能である。
【0076】
さらに、上記の個々の時間ウィンドウの幅は例示に過ぎず、本発明はそれに限定されないことに留意されたい。例えば、検出ウィンドウは、実用用途ではタグ密度や検出距離などの環境条件に基づいて調整することができる。
【0077】
さらに、図3を参照して説明した上記の実施例では、ホスト装置305が受信機システムに接続されていたが、本発明はこれに限定されないことに留意されたい。ホスト装置305は例えば、受信機システム内のノードに内蔵することも可能である。
【0078】
さらに、上記の実施例においては、サーバがタグの3D位置を計算する作業を行っていたが、本発明はこれに限定されないことに留意されたい。上記と同様に、位置計算機能をホスト装置305に内蔵したり、あるいはホスト装置305と共に受信機システム内のノードに内蔵したりすることも可能である。
【0079】
本発明では、上記で説明した本発明による受信機システムと受信機システムを備える位置決めシステムに加えて、受信機システムを配置する方法もさらに提供される。以下ではこれについて、図8を参照して説明する
【0080】
図8に示すように、まずステップ801において、配置先表面の特徴に基づいて、受信機システム内の受信ノードがノード群毎に配置される。実用用途では、配置先の天井は様々な特徴を有する。例えば、天井が特殊な形状や特殊な構造であることもある。受信機を配置する際には、天井に適応させるために、配置する受信機システムを複数のノード群に分割することができる。これらのノード群は、同一平面上にあっても、あるいは異なる平面上にあってもよい。
【0081】
次にステップ802において、受信ノードが、各ノード群内において予め定められた形態に配置される。例えば、各ノード群内において、受信ノードは直線上か、または予め定められた曲線上に配置される。ここで、ノード配置形態は異なるノード群の間で同一にしても異ならせてもよく、配置形態はそのノード群を配置する天井の特徴に基づいて決定できることに留意されたい。例えば、ノード群を配置する天井が1つの平面か、ノードを直線上に配置できるその他の形状であれば、ノードは予め定められた間隔で直線上に配置される。球形の天井の場合は、各群のノードを円に沿って配置することができる。
【0082】
次にステップ803において、複数ノード群の受信ノードがケーブルにより直列で接続される。例えば、受信機システムは、前述したCANバスを介して、直線、曲線、W字形の線、またはその組み合わせで接続し、ノードチェーンを形成することができる。
【0083】
さらに、各ノード群から少なくとも1つの基準ノードを較正基準として選択し、各ノード群の他の受信ノードの較正が、当該ノード群内の基準ノードの較正に基づいて自動的に行われるようにしてもよい。
【0084】
ノードが予め定められた間隔で直線上に配置されたノード群の場合は、前述したように、直線上の先頭ノード、末尾ノード、および中央ノードから1つ以上を基準ノードとして選択することができ、曲線状に配置されたノード群の場合は、曲線の特徴に基づいて適切な基準ノードを選択することができる。
【0085】
その後、選択された各ノード群の基準ノードが較正され、残りのノードは、その配置形態と較正された基準ノードの座標とに基づいて自動的に較正される。
【0086】
受信システムにおいては、複数の受信ノードのうち少なくとも1つを、複数の受信ノードを同期させるための同期信号をさらに受信するように構成された同期ノードとすることができる。さらに、複数の受信ノードのうち少なくとも一部のノードを、他のノードとは異なる平面上に配置してもよい。
【0087】
本発明の受信機システム、位置決めシステム、および受信機システムの配置方法によれば、柔軟なアーキテクチャと容易な較正を実現でき、効果的な調整と高精度もさらに達成することができる。
【0088】
上記ではRF信号が同期信号で超音波信号が測距信号である実施例について説明したが、本発明はこれに限定されないことに留意されたい。本発明によれば、同期信号にはレーザ、赤外線、電磁波、可視光信号などを使用でき、測距信号も同様に赤外線、RFなどとすることができる。
【0089】
本発明の受信機システムは、本出願のシステム以外にも、例えば「発明の背景」で示した従来の位置決めシステム(同期受信機を含まず、本発明の調整機構を採用していないシステム)にも同様に適用することができることに留意されたい。
【0090】
さらに、本発明の実施例は、ソフトウェア、ハードウェア、またはその組み合わせとして実装することができる。この場合、ハードウェア部分は専用論理を使用して実装する。そして、ソフトウェア部分は、メモリ内に格納し、マイクロプロセッサや専用設計のハードウェアなどの適切な命令実行システムによって実行する。当該技術の通常の知識を有する当業者は、上記の方法およびシステムは例えばコンピュータ実行可能命令を用いて、あるいはプロセッサ制御コード内に実装することができ、当該コードは、磁気ディスク、CD、DVD−ROMなどのベアラメディア、読み取り専用メモリ(ファームウェア)などのプログラム可能メモリ、または光もしくは電子信号ベアラなどのデータベアラに格納して提供されることは理解するであろう。本実施例のシステムおよびその構成要素は、超大規模集積回路やゲートアレイなどのプログラム可能ハードウェア装置、論理チップやトランジスタなどの半導体、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはプログラマブル論理装置等のハードウェア回路によって実装することも、各種プロセッサによって実行されるソフトウェアによって実装することも、あるいはファームウェアのような上記のハードウェア回路とソフトウェアの組み合わせによって実装することもできる。
【0091】
上記では本発明を本書で考察した実施例を参照して説明してきたが、本発明は開示された実施例に限定されないことは理解されるであろう。本発明では、付記された請求項の精神と範囲に該当する様々な変更態様や等価な配置をも内包することが意図されている。付記された請求項の範囲は最も広義な説明であり、変更態様、等価な構造、および機能をすべて含んでいる。
【0092】
さらに、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これに限定されない。
【0093】
(付記1)
測距信号を受信するための受信ノードから成るノード群を備え、
前記ノード群の受信ノードは、予め定められた形態で配置され、前記ノード群が基準ノードを含み、
前記ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と前記基準ノードの位置とに基づいて決定することを特徴とする位置決め用受信機システム。
【0094】
(付記2)
前記受信ノードが、予め定められた間隔で直線上に配置されることを特徴とする付記1に記載の位置決め用受信機システム。
【0095】
(付記3)
前記基準ノードが、前記受信ノードのうちの1つから決定され、他の受信ノードの位置が、直線の方向と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標と、受信ノード群内での配置順とに基づいて決定されること特徴とする付記2に記載の位置決め用受信機システム。
【0096】
(付記4)
前記基準ノードが、前記受信ノードのうち2つの受信ノードとして決定され、他の受信ノードの位置は、直線の方向と、予め定められた間隔と、2つの受信ノードのうち一方の座標と、前記受信ノード群内での配置順とに基づいて決定され、前記直線の方向は2つの受信ノードの座標に基づいて決定されることを特徴とする付記2に記載の位置決め用受信機システム。
【0097】
(付記5)
前記2つの受信ノードが、受信ノードのうちの先頭の受信ノードおよび末尾の受信ノードであることを特徴とする付記4に記載の位置決め用受信機システム。
【0098】
(付記6)
前記受信ノードは、予め定められた円形状に予め定められた間隔で配置され、前記基準ノードが受信ノードのうちの1から決定され、他の受信ノードの位置が、円の中心と、円の半径と、予め定められた間隔と、前記基準ノードの座標とから決定されること特徴とする付記1に記載の位置決め用受信機システム。
【0099】
(付記7)
前記受信ノードのうち少なくとも1つが、前記受信ノードを同期させるための同期信号を受信するように構成された同期ノードであることを特徴とする付記1から付記6の何れかに記載の位置決め用受信機システム。
【0100】
(付記8)
複数のノード群を備え、少なくとも1つのノード群が、他のノード群とは異なる平面上に配置されることを特徴とする付記1から付記6の何れかに記載の位置決め用受信機システム。
【0101】
(付記9)
複数のノード群内の受信ノードがケーブルでノードチェーン状に接続されることを特徴とする付記8に記載の位置決め用受信機システム。
【0102】
(付記10)
複数の受信ノードが、直線あるいはW字形、またはその組み合わせを形成するように接続されることを特徴とする付記9に記載の位置決め用受信機システム。
【0103】
(付記11)
受信機システムの受信ノードを、配置する表面の特徴に応じてノード群毎に配置するステップと、
前記ノード群内の受信ノードを予め定められた形態で配置するステップとを有し、
前記ノード群が1つの基準ノードを含み、前記ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と基準ノードの位置とに基づいて決定することを特徴とする受信機システムの配置方法。
【0104】
(付記12)
前記受信ノードを予め定められた形態で配置するステップが、前記受信ノードを、予め定められた間隔で直線上に配置することを特徴とする付記11に記載の受信機システムの配置方法。
【0105】
(付記13)
前記基準ノードが、前記受信ノードのうちの1つから決定され、他の受信ノードの位置が、直線の方向と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標と、受信ノード群内での配置順とに基づいて決定されること特徴とする付記12に記載の受信機システムの配置方法。
【0106】
(付記14)
前記基準ノードが、前記受信ノードのうち2つの受信ノードとして決定され、他の受信ノードの位置は、直線の方向と、予め定められた間隔と、2つの受信ノードのうち一方の座標と、前記受信ノード群内での配置順とに基づいて決定され、前記直線の方向は2つの受信ノードの座標に基づいて決定されることを特徴とする付記12に記載の受信機システムの配置方法。
【0107】
(付記15)
前記2つの受信ノードが、受信ノードのうちの先頭の受信ノードおよび末尾の受信ノードであることを特徴とする付記14に記載の受信機システムの配置方法。
【0108】
(付記16)
前記受信ノードを予め定められた形態で配置するステップが、前記受信ノードを、予め定められた円形状に予め定められた間隔で配置し、前記基準ノードを受信ノードのうちの1から決定し、他の受信ノードの位置を、円の中心と、円の半径と、予め定められた間隔と、前記基準ノードの座標とから決定すること特徴とする付記11に記載の受信機システムの配置方法。
【0109】
(付記17)
前記受信ノードのうち少なくとも1つが、前記受信ノードを同期させるための同期信号を受信するように構成された同期ノードであることを特徴とする付記11から付記16の何れかに記載の受信機システムの配置方法。
【0110】
(付記18)
前記受信機システムが複数のノード群を備え、少なくとも1つのノード群を、他のノード群とは異なる平面上に配置することを特徴とする付記11から付記16の何れかに記載の受信機システムの配置方法。
【0111】
(付記19)
複数のノード群内の受信ノードをケーブルによってノードチェーン状に接続することを特徴とする付記18に記載の受信機システムの配置方法。
【0112】
(付記20)
複数の受信ノードを、直線あるいはW字形、またはその組み合わせを形成するように接続することを特徴とする付記19に記載の受信機システムの配置方法。
【0113】
(付記21)
付記1から付記10の何れかによる受信機システムを備えることを特徴とする位置決めシステム。
【符号の説明】
【0114】
101:受信機配列
102:サーバ
103:コントローラ
104:タグ
301:受信機システム
302:サーバ
304:タグ
305:ホスト装置
【技術分野】
【0001】
本発明は位置決め技術に関し、特に、位置決め用受信機システム、受信機システムの配置方法、および受信機システムを備える位置決めシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なコンピューティング環境で使用される位置特定・追跡システム(LTS)は、既存用途を強化しかつ新規用途をサポートするために、位置決めサービスを提供することが必須となる。現在では、例えば、倉庫、炭坑、地下鉄、スマートビルディング、医療、レストラン等の応用分野において、人や資産をきわめて高精度に追跡する技術の需要が高まっている。
【0003】
倉庫を一例にとると、物品を効率的に管理するためには、物品の位置を高精度でかつリアルタイムに追跡することが必要となる。その他の典型的な例としては、スチール工場でスチ―ル製品を追跡したり、小売業倉庫で商品を追跡したりすることが挙げられる。取り扱いに注意を要する物品や人間に有害な物品の場合は特に、許可されていない変更や接触があったかどうかを確認できる証拠を得るために、位置特定・追跡システムで追跡と監視を行って、物品とそれを扱う人の動きを記録することが優先的な課題となる。
【0004】
またオフィス環境では、従業員は、セキュリティが確保された所定のエリアでのみ機密情報のデータベースにアクセスすることが許可され、それ以外のエリアからデータベースへのアクセスは禁じられる。例えば、各部署のメンバーはそれぞれの作業区域に設置された部署専用の情報データベースにのみアクセスでき、セキュリティ保護が施された一部のコンピュータは所定のエリアでしか利用できない。こうした方針は、LTSを使用して実装することが可能である。
【0005】
LTSの用途は病院にもある。病院でLTSを使用して医療従事者や医療器具をリアルタイムで追跡すれば、記録管理とワークフローが大幅に簡素化される。例えば、医師が患者に近づくと関連の記録が医師のラップトップに自動的に表示される。フォームには現在データと時刻がすでに入力されているので、医師は今回の診察の詳細を追記するだけでよい。
【0006】
LTSはさらに、兵士、警官、消防隊員等の位置情報と標的の位置情報とを表示することにより、任務の効率的な遂行を助ける。
【0007】
現在の市場には多数のLTSが出回っているが、実際の使用環境において人と資産を正確かつ安定的に追跡でき、なおかつ柔軟な使用も可能なLTSを実現することは、未だ非常に困難である。
【0008】
全地球位置測定システム(GPS)を使うと、屋外において標的の位置情報を10メートル単位の精度で得ることができる。屋内環境では、多経路効果と信号障害のために、GPSの位置測定結果の精度はこれよりも低くなる。ただし、10メートル単位というGPSの精度は屋内用途にはそもそも不向きである。
【0009】
ほとんどの位置決めシステムは、赤外線、無線周波数(RF)、および超音波という3つの技術をベースとしている。非特許文献1(P.Bahl et al.による論文「RADAR:An In−Building RF−based User Location and Tracking System(レーダー:屋内RFをベースとしたユーザ位置測定・追跡システム)」IEEE INFOCOM,2000)では、802.11無線ネットワークの受診信号強度をベースとする位置決めシステムが開示されている。位置決めシステムによる位置決めは、2段階で実行される。第1の段階はオフラインの段階であり、標的エリア全体に分散する有限数の位置における信号強度に基づいて、システムの較正とモデルの構築が行われる。第2の段階は標的エリアでのオンライン運用の段階であり、移動装置が各基地局から受信した信号強度を報告し、それに基づいてシステムがオンライン観測結果とオンラインモデル内の1点とのベストマッチを判定する。システムはこれによりベストマッチ点の位置を取得し、位置推定値として使用する。
【0010】
また、非特許文献2(IEEE Personal Communications,Volume 4,no.5,October 1997)では、“A New Location Technical for Active Office”(アクティブオフィスのための新しい位置測定技術)、すなわち“BAT”システム、が開示されている。理解を助けるため、関連技術のBATシステムとその動作フローを示した図1と図2を参照してこのシステムについて簡単に説明する。
【0011】
図1に示すように、システム100は、受信機配列101と、サーバ102と、コントローラ103と、タグ装置104(超音波送信機を含む)とを備える。受信機配列101は部屋の天井に配置され、超音波信号を受信することのできる複数の受信機を含む。この受信機配列は、正方形または長方形の形状を有する寸法N×Mの配列として配置されている。タグ装置104は、超音波信号を送信することのできる超音波送信機を含み、追跡対象物に取り付けられている。サーバ102は、受信機配列から測定データを受信し、位置計算を実行するために、受信機配列に接続されている。サーバ102はさらにコントローラ103にも接続されている。コントローラはタグIDを含む無線メッセージをタグ装置104に送信するために使用され、タグIDまたはアドレスはサーバ103によって判定される。
【0012】
図2は、システムの動作フローを示す。図2に示すように、ステップ201において、コントローラ103がまずRFによってタグIDをブロードキャストする。タグIDはサーバ102によって割り当てられる。そしてステップ202において、サーバ102が受信機配列101内の受信機を同期させる。これは、例えば、受信機配列101に同期信号を送信し、受信機配列内の各受信機を起動して同期を実行させる等の方法により行われる。次にステップ203において、タグIDに対応するタグ装置104がコントローラ103からブロードキャストされたタグIDを受信し、その応答として測距用の超音波信号を発信する。ステップ204において、受信機配列が超音波信号を検出し、到達時刻(TOA)データを取得する。次にステップ205において、受信機配列101がTOAデータをサーバに報告する。受信機配列はその後、省電力モードに入ることができる。最後にサーバが、受信したTOAデータに基づいて標的の3D位置を計算する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】P.Bahl et al.による論文「RADAR:An In−Building RF−based User Location and Tracking System(レーダー:屋内RFをベースとしたユーザ位置測定・追跡システム)」IEEE INFOCOM,2000
【非特許文献2】IEEE Personal Communications,Volume 4,no.5,October 1997
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上述した文献に記載されるLTSシステムのアーキテクチャは柔軟性に欠けるし、調整機構も複雑なため、実用用途に資するのは困難であるという問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記を鑑みて、本発明は実用用途への適合性に優れた位置決め技術を提案することを目的とする。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、位置決め用受信機システムを提供する。当該システムは、測距信号を受信するための受信ノードから成るノード群を備え、ノード群の受信ノードは、予め定められた形態で配置され、ノード群が基準ノードを含み、ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と基準ノードの位置とに基づいて決定する。
【0017】
本発明の好ましい形態では、受信ノードが、予め定められた間隔で直線上に配置される。
【0018】
本発明の他の好ましい形態では、基準ノードが、受信ノードのうちの1つから決定され、他の受信ノードの位置が、直線の方向と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標と、受信ノード群内での配置順とに基づいて決定される。
【0019】
本発明のさらに他の好ましい形態では、基準ノードが、受信ノードのうち2つの受信ノードとして決定され、他の受信ノードの位置は、直線の方向と、予め定められた間隔と、2つの受信ノードのうち一方の座標と、受信ノード群内での配置順とに基づいて決定され、直線の方向は2つの受信ノードの座標に基づいて決定される。
【0020】
本発明のさらに他の好ましい形態では、2つの受信ノードが、受信ノードのうちの先頭の受信ノードおよび末尾の受信ノードである。
【0021】
本発明のさらに他の好ましい形態では、受信ノードは、予め定められた円形状に予め定められた間隔で配置され、基準ノードが受信ノードのうちの1から決定され、他の受信ノードの位置が、円の中心と、円の半径と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標とから決定される。
【0022】
本発明のさらに他の好ましい形態では、受信ノードのうち少なくとも1つが、受信ノードを同期させるための同期信号を受信するように構成された同期ノードである。
【0023】
本発明のさらに他の好ましい形態では、複数のノード群を備え、少なくとも1つのノード群が、他のノード群とは異なる平面上に配置される。
【0024】
本発明のさらに他の好ましい形態では、複数のノード群内の受信ノードがケーブルでノードチェーン状に接続される。
【0025】
本発明のさらに他の好ましい形態では、複数の受信ノードが、直線あるいはW字形、またはその組み合わせを形成するように接続される。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、受信機システムを配置する方法を提供する。当該方法は、受信機システムの受信ノードを、配置する表面の特徴に応じてノード群毎に配置するステップと、ノード群内の受信ノードを予め定められた形態で配置するステップとを有し、ノード群が1つの基準ノードを含み、ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と基準ノードの位置とに基づいて決定する。
【0027】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様による受信機システムを備える位置決めシステムを提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施例によれば、受信機システムは柔軟なアーキテクチャを有し、様々な状況において複雑な構造体に適用できるほか、実用用途における較正の作業負荷を軽減することを可能にする。さらに、本発明の受信システムは従来技術と比較して、効果的な調整が可能であり、精度の面でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の上記および他の特徴は、本発明の添付図面を参照して行われる実施例の詳細な説明から明らかになるであろう。なお、添付図面では、同一の参照記号は同一もしくは類似の構成要素を示す。
【0030】
【図1】従来技術による超音波位置決めシステムのシステムアーキテクチャの図を示す。
【図2】従来技術による超音波位置決めシステムの動作フローを示す図である。
【図3】本発明の一実施例によるシステムアーキテクチャを示す図である。
【図4A】本発明の一実施例による受信システムの構成例を示す図である。
【図4B】本発明による受信システムのノード群の構成例を示す図である。
【図4C】本発明の他の実施例による受信システムの構成例を示す図である。
【図4D】本発明の他の実施例による受信システムの構成例を示す図である。
【図5A】本発明の一実施例によるノード接続方法を示す図である。
【図5B】本発明の一実施例によるノード接続方法を示す図である。
【図5C】本発明の一実施例によるノード接続方法を示す図である。
【図5D】本発明の一実施例によるノード接続方法を示す図である。
【図6】本発明の一実施例による位置決めシステムの動作フローを示す図である。
【図7】本発明による位置決めシステムのタイムチャートを示す図である。
【図8】本発明の一実施例による、受信システムの配置方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、添付図面を参照しながら、本発明の実施例を通して提案される位置決め用受信機システム、受信機システムの配置方法、および受信機システムを備える位置決めシステムについて詳細に説明する。
【0032】
まず、図3を参照して本発明による位置決めシステムについて説明する。図3は、本発明の一実施例によるシステムアーキテクチャの図である。
【0033】
図3に示すように、本発明によるシステムは、受信機システム301と、サーバ302と、タグ装置304と、ホスト装置305とを備えることができ、受信機システム301は、例えば屋内の天井に取り付け可能な複数の受信ノードを備える。受信機システム301は、タグ装置304から発信される測距信号(例えば、超音波信号)を受信して、TOAデータを検出するように構成されている。ホスト装置305は、受信機システム301によって検出されたTOAデータを収集してシステム調整を実行するように構成されており、サーバ302は、ホスト装置305によって収集されたTOAデータに基づいてタグの位置を計算するように構成されている。
【0034】
位置決めシステムにおいては、タグ装置304はRF放出機能と超音波放出機能とを有するタグである。受信機システム301は、タグ装置304から発信されるRF信号を受信し、同期を実行するための同期ノードをさらに備える。この同期は、図3に示す周囲を輪で囲んだノードによって実行される。同期ノードは、RF送受信機と超音波受信機とを備えることができる。同期ノードは、同期ノードのカバレージと天井の面積に基づいて、できる限り少数の同期ノードで天井面積全体をカバーできるように配置することができる。同期ノードは、RF信号の送受信機能をさらに有する受信機であるのが望ましいが、同期専用としてもよい。
【0035】
さらに、位置決めシステムの例示受信機システム301は、タグ装置304から発信される超音波信号を受信するための複数の受信ノードを備える。ただし、この受信ノードの配置は、従来技術のアレイ型またはマトリックス型の配置とはまったく異なる新奇の考案に基づいたトポロジーを採用しているため、複雑で多様な用途にも適合しやすい。
【0036】
例えば屋内等の実用用途においては、部屋の天井は必ずしも真四角の形状をしているわけではない。また、天井が1つの平面ではなく、複雑な構造の立体形状である可能性もある。このような場合、受信機配列を従来技術のアレイ型に配置するのは難しい。
【0037】
さらに、システムの始動前に受信機の位置を測定することが通常の手順として必要な場合には、較正もしくは較正プロセスも位置特定・追跡システムの不可欠なステップとなる。この較正作業は実際の位置決め用途の準備段階と言うことができる。較正プロセスにおいては、後に行われる実際の位置決めのための基礎データを得るために、基準ノードとするすべての受信機の位置を手動で測定する必要がある。従来技術によれば、こうした較正は多大な時間と労力を要し、システムの使用開始を遅らせる原因となるのが一般的である。
【0038】
本発明の実施例によれば、様々な実用用途への適合性に優れ、システム較正のための作業負荷を軽減することのできる、柔軟に構成可能な受信システムが提供される。以下では、図4Aおよび図4B、図5Aおよび5Bを参照して、本発明の発明者が提案する受信機システムのまったく新奇な配置について説明する。
【0039】
図4Aに一例として示す受信機システムは、ノードチェーンに直列で接続された受信ノード1〜20を備える。受信機システムはノード群を備えることができる(図4Aでは、4つのノード群)。各ノード群内に含まれるこれらの受信ノードは、予め定められた形態に配置される。「予め定められた形態」とは、受信ノードが予め定められたパターンおよび空間関係に従って配置されることを意味する。図には、例えば、ノード群として構成された受信ノードを直線の形態で接続し、個々のノードを予め定められた間隔で配置できることが示されている。この間隔は等間隔としても、あるいは算術数列や幾何数列などの予め定められたその他の間隔としてもよい。
【0040】
ノード群の区分化は、配置先の表面の特徴に基づいて行うことができる。例えば、配置先の表面が1つの平面の場合は、配置先の表面の形状と、必要とされる受信ノードの配置密度とに基づいて、1つ以上のノード群を決定する。ここで、2つ目以上のノード群においては、各ノードは予め定められた形態(例えば直線)に配置される。また、配置先の表面が複数の平面の場合は、まず異なる平面に配置するノードを平面毎に大きな群に分割し、次に各平面において、配置先の表面の形状と、必要とされる受信ノードの配置密度とに基づいて、これらの大きな群を下位群に分割することができる。
【0041】
さらに、図4Aの例示実施例においては、個々のノード群によって形成される直線の方向は柔軟に決定できるので、それぞれ異なる方向にしてもよい。また、各群に含まれるノード数も柔軟に決定できるので、受信ノード数を群の間で異なる数としたり、同一の数としたりすることができる。
【0042】
ノード群毎に少なくとも1つの基準ノードを較正ノードとして決定すると、各ノード群内の他の受信ノードの位置は、ノード群内における基準ノードの位置と、予め定められた形態に関する情報とに基づいて、自動的に決定することができる。次に、図4Bを参照して、本発明の例示実施例による基準ノードの決定について説明する。
【0043】
図4Bは、本発明の一実施例による例示受信ノード群を示す。図4Bに示すように、当該ノード群は直線上に配置されている。また、当該ノード群は先頭ノードと末尾ノードとを備え、中央ノードは等間隔dに配置されている。ただし、本発明はこれに限定されず、幾何数列や算術数列などの予め定められた形態に基づく間隔とすることも可能である。本実施例によれば、基準ノードは、先頭ノードか、末尾ノードか、あるいは先頭ノードと末尾ノードの両方として決定することができる。基準ノードに選択した先頭ノードまたは末尾ノード(もしくはその両方)を較正した後、ノード群内の他のノードの位置は、基準ノードの位置と直線形態に関する情報とに基づいて自動的に決定される。
【0044】
ここで、理解を助けるため、先頭ノードおよび末尾ノードを較正基準ノードとし、等間隔(間隔をdとする)で配置する場合の、ノードの較正について簡単に説明する。手動較正により得られた先頭ノードおよび末尾ノードの座標をそれぞれ(xh,yh,zh)、(zt,yt,zt)とすると、先頭ノードおよび末尾ノードとの間のi番目の中央ノードの座標(xi,yi,zi)は以下のように較正することができる。
【数1】
【0045】
ここで、
【数2】
である。
【0046】
上記の式から、他のノードの位置は、直線の方向(x軸、y軸、z軸上のα、β、γの角度)と、予め定められた間隔dと、直線の先頭に位置する先頭ノードの座標(xh,yh,zh)とに基づいて決定できることが分かる。ここで、直線の方向は先頭ノードと末尾ノードとに基づいて決定される。
【0047】
ここでは先頭ノードと末尾ノードを基準ノードとする例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他にも、受信ノードから任意の2つの受信ノードを選んで基準ノードとし、他の受信ノードの位置を、直線の方向と、予め定められた間隔と、当該2つの受信ノードのうち一方の座標と、受信ノード群内の配置順とに基づいて決定することも可能である。なお、直線の方向(すなわち、上記のパラメータα、β、γ)は、当該2つの受信ノードの座標に基づいて決定することができる。また、「配置順」とは、直線上に配置された受信ノードにおける基準ノードの連続番号を意味する。
【0048】
したがって、基準ノードとしては、先頭ノードと末尾ノードの両方を選択することも、先頭ノードと末尾ノードのいずれか一方と任意の中央ノードを選択することも、あるいはノード群内の任意の2つの中央ノードを選択することもできる。
【0049】
また、本発明の他の実施例によれば、直線の方向は上記のように2つの基準ノードを計算することによって取得するのではなく、例えば事前に測定するなどして取得された既知の方向である。この場合は、基準ノードは受信ノードから任意の1つを選んで決定することができる。他の受信ノードの位置は、直線の方向と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標と、受信ノード群内の配置順とに基づいて自動的に決定される。
【0050】
この場合、予め定められた形態に関する情報は、直線の方向と、予め定められたノードの配置間隔とから成り、基準ノードの位置情報は、基準ノードの座標と、受信ノード群内における基準ノードの配置順とから成る。
【0051】
本発明によれば、較正基準としての基準ノードは手動で較正し、他のノードは予め定められた配置形態の規則を用いて自動的に較正することができる。そのため、この受信機配置方法を実用用途の複雑な状況に合わせて適応させれば、手動較正の作業負荷を軽減できるので、取り付け費用を大幅に削減し、ひいてはシステム費用の総体的な削減を実現することができる。
【0052】
上記では、各ノード群内の受信ノードを直線上に配置できることを説明したが、本発明はこれに限定されず、受信ノードは曲線上や他の予め定められたパターンにも配置できることに留意されたい。次に、図4Cと図4Dを参照して、受信機の配置に関する他の実施例について例示的に説明する。なお、図4Cと図4Dは、本発明の他の2つの実施例による受信機システムの配置を示す。
【0053】
図4Cに示すように、受信ノードは同心円として配置され、各円上の受信ノードは同じ受信ノード群に属し、各受信ノード群内の受信ノードは予め定められた中心角の間隔で配置される。この配置形態は球形もしくは半球形の天井に特に適しているが、周囲が円形となった平面的天井にも適していることは言うまでもない。中心位置には、中心受信ノードを配置しても、あるいはノードを配置しなくてもよい。中心受信ノードを配置する場合には、この1つの受信ノードを1つの特別な群として扱うことができる。
【0054】
図4Cに示す受信機システムの場合、円形状に配置されたノードで構成される1つのノード群から、任意のノードを基準ノードとして選択することができる。他のノードの位置座標は、選択された基準ノードの位置、円の中心の位置、円の半径、受信ノード間の予め定められた間隔(例えば、中心角の間隔)などのパラメータに基づいて自動的に決定される。この場合、予め定められた形態に関する情報は、円中心の位置、円の半径、および受信ノード間の予め定められた間隔から成る。基準ノードの位置情報は、基準ノードの座標とすることができる。
【0055】
次に、図4Dを参照する。図4Dは、各群内の受信ノードが楕円形に配置されることを除いて、図4Cと実質的に同じ受信機システムの配置を示す。この配置は、例えば、周囲が楕円形の平面的天井や、オリーブ形状もしくは半オリーブ形状の天井に特に適している。
【0056】
楕円形に配置されたノード群の場合、その中の任意のノードを基準ノードとして決定し、他のノードの座標位置は、主に楕円の中心、長軸、短軸、2つのノード間の角度に基づいて自動的に決定することができる。この場合、予め定められた形態に関する情報は、楕円形の中心と長軸と短軸、およびノード間の間隔から成り、基準ノードの位置情報は基準ノードの座標から成る。
【0057】
本発明の教示と当該技術に精通した当業者が通常有する知識とに基づけば、当業者は図4Cおよび4Dに示すシステムの較正に使用される式を完全に実装することができるであろう。そのため、ここでは簡潔さを優先して詳述を避ける。
【0058】
さらに、円形および楕円形の配置に関する上記の説明は例示を唯一の目的とするものであり、本発明は他の予め定められた形態を採用して実現できることに留意されたい。例えば、本発明は弧や螺旋曲線等の他の予め定められたパターンで配置することも可能である。また、当該技術において通常の技能を有する当業者であれば、本発明の教示に基づいて、これらの曲線の特徴に応じて適切な基準較正ノードを選択できるであろう。
【0059】
さらに、ノード配置形態は、異なるノード群の間で同一であっても異なっていてもよく、各ノード群の配置形態はそのノード群を配置する天井の特徴に基づいて決定できることに留意されたい。
【0060】
さらに、上記の基準点の決定もやはり例示的なものであることに留意されたい。基準ノードを決定する方法は他にも存在することは、当業者には理解されるであろう。これらの方法は、当該技術に精通した当業者が通常有する知識と、本発明の開示において提供される教示を組み合わせれば、容易に思い描くことができる。そのため、ここでは簡潔さを優先して詳述を避ける。
【0061】
本発明の一実施例によれば、受信機システム内の個々のノードは、無線方式で例えばホスト装置などと通信するか、あるいはケーブルで相互に接続し、さらにホスト装置にも接続することが可能である。
【0062】
実用用途においては、例えばコントローラエリアネットワークバスCANバスのような、安価で信頼性の高いケーブルを選択して接続を行うのが望ましい。また、チェーンへの接続は直列で行うのが望ましい。図4Aに示すように、各ノード群内の受信ノードは直列で接続されており、ノード群同士も直列で接続されている。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。言い換えれば全体的に直列で接続されている限り、ノード群内の接続は直列の接続に限定されない。図5A〜図5Dに、ノード接続方法の例を示す。
【0063】
図5Aは、接続される2つのノード群を示す。各ノード群は、直線上に配置された複数のノードで構成される。図5Bは、ノード群内の直線による接続方法を示す。各ノード群内のノードは直列で接続され、2つのノード群もやはり直列で接続されている。図5Cは、図5Bとは異なり、W字形の接続方法である。各ノード群内のノードは他のノード群内のノードに接続されて、ノードチェーンを形成している。また、図5Dに示すような、W字形と直線を組み合わせた複合型の接続方法を採用することもできる。
【0064】
さらに、上記のチェーン方式は、円形や楕円形の場合にも容易に適用できることに留意されたい。ただし、ここでは簡潔さを優先して詳述を避ける。
【0065】
実際の用途においては、天井の表面条件は複合的である。天井が一平面上にあったとしても、周囲の形状はマトリックス型配置に適していなかったり、あるいは天井の周囲が正方形であったとしても、天井が一平面上ではなく複数段で構成されていたりすることもある。本発明によれば、このような場合には、少なくとも1つのノード群が他のノード群とは異なる平面上に配置される。この場合、従来技術のマトリックス型配置は適しておらず、実際の使用が不可能なことさえある。これに対し、本発明で提供される受信機システムは非常に柔軟で、多種多様の複雑な用途環境に実践的に適用することができ、接続方法も柔軟である。また、本発明によれば、自動較正によって手動較正の作業負荷も大幅に軽減される。
【0066】
さらに、上記の実施例においては、円形もしくは楕円形の天井、球形もしくは半球形の頂部、またはオリーブ形もしくは半オリーブ形の頂部などの場合には、各群内の配置を円形もしくは楕円形配置にすることが推奨されるが、本発明はこれに限定されるものではない。周囲が円形もしくは楕円形の平面的な天井の場合は、その形状に合わせて張り糸型配置を採用することができる。球形もしくは半球形の頂部、またはオリーブ形もしくは半オリーブ形の頂部の場合で、頂部の空間が非常に大きく、受信ノードの間隔に対して頂部湾曲の変化が非常に少ない場合には、予め定められた適切なエリアにおいてほぼ直線として配置するとよい。
【0067】
次に、図6を参照して、本発明による位置決めシステムのワークフローについて説明する。
【0068】
図6に示すように、まずステップ601において、タグ装置304が、同期信号としてRF信号を、そして測距信号として超音波信号を発信する。
【0069】
受信機システム301内のRF受信機能を有する同期ノードがステップ602においてRF信号を受信し、そのRF信号に基づいて、受信機システムとタグ装置304との同期がとられる。例えば、同期信号線は、受信機システム内の各受信ノードを始動させ、その後タグ装置から発信された超音波信号を受信できるように、高いレベルに設定される。受信機システム301は、複数の同期ノードを含むことができる。同期化は、同期ノードのうち一方が同期信号を受信する限り実行される。
【0070】
次にステップ603において、受信機システム内の受信ノードが超音波信号を受信し、到着時間を表すTOAデータを検出する。
【0071】
次に、ステップ604において、ホストがTOAデータを収集してサーバに報告する。ステップ605において、サーバが報告データに基づいてタグ装置の位置を計算する。
【0072】
位置決めシステムにおいては、システム調整作業はホスト装置305によって行われる。以下では、位置決めシステムのタイムチャートを示す図7を参照して詳細に説明する。
【0073】
図7に示すように、タグ装置は、例えば少なくとも200msのタグ発信期間の開始時に、同期信号としてのRF信号と、測距信号としての超音波信号とを同時に発信する。受信機システム内のいずれかの同期ノードがRF信号を検出し、同期化を実行して他の受信ノードを始動させる。そして、超音波のリスニングを行うための、例えば幅70msの検出ウィンドウが開かれる。受信機システム内のいくつかの受信ノードが、検出ウィンドウ内のタグ装置から送られてきた超音波信号を受信し、TOAデータを検出する。検出ウィンドウの終了後直ちに、ホスト装置は例えば幅15msの集約ウィンドウを開く。ホスト装置は集約ウィンドウ内でTOAデータを収集し、サーバにそれを報告する。長時間稼働に起因するエラーを防止するための措置として、ホスト装置は集約ウィンドウの終了後(例えば幅15msの)スリープウィンドウに入り、その間には同期ノードを含む受信機システム内のすべてのノードがオフにされるようにするのが望ましい。ホスト装置はスリープウィンドウの終了後にRFリスニング期間に入り、同期ノードが新たなRF信号を検出すると次のプロセスが再び開始される。
【0074】
本発明による位置決めシステムにおいては、タグ装置が最初にコントローラの制御を受けずに発信するため、調整作業が簡素化され、より効果的なシステム調整を実現することが可能になる。さらに、本発明の位置決めシステムによれば、同期化もやはりタグ装置によって開始されるため、同期機構はより高精度になり、位置決め精度がさらに向上する。
【0075】
上記では同期信号と測距信号とを同時に送信する実施例について説明したが、本発明はこれに限定されないことに留意されたい。測距信号が受信機に到着するまでに受信機の準備が完了していることをより確実にするため、測距信号を同期信号の後に送信することも可能である。
【0076】
さらに、上記の個々の時間ウィンドウの幅は例示に過ぎず、本発明はそれに限定されないことに留意されたい。例えば、検出ウィンドウは、実用用途ではタグ密度や検出距離などの環境条件に基づいて調整することができる。
【0077】
さらに、図3を参照して説明した上記の実施例では、ホスト装置305が受信機システムに接続されていたが、本発明はこれに限定されないことに留意されたい。ホスト装置305は例えば、受信機システム内のノードに内蔵することも可能である。
【0078】
さらに、上記の実施例においては、サーバがタグの3D位置を計算する作業を行っていたが、本発明はこれに限定されないことに留意されたい。上記と同様に、位置計算機能をホスト装置305に内蔵したり、あるいはホスト装置305と共に受信機システム内のノードに内蔵したりすることも可能である。
【0079】
本発明では、上記で説明した本発明による受信機システムと受信機システムを備える位置決めシステムに加えて、受信機システムを配置する方法もさらに提供される。以下ではこれについて、図8を参照して説明する
【0080】
図8に示すように、まずステップ801において、配置先表面の特徴に基づいて、受信機システム内の受信ノードがノード群毎に配置される。実用用途では、配置先の天井は様々な特徴を有する。例えば、天井が特殊な形状や特殊な構造であることもある。受信機を配置する際には、天井に適応させるために、配置する受信機システムを複数のノード群に分割することができる。これらのノード群は、同一平面上にあっても、あるいは異なる平面上にあってもよい。
【0081】
次にステップ802において、受信ノードが、各ノード群内において予め定められた形態に配置される。例えば、各ノード群内において、受信ノードは直線上か、または予め定められた曲線上に配置される。ここで、ノード配置形態は異なるノード群の間で同一にしても異ならせてもよく、配置形態はそのノード群を配置する天井の特徴に基づいて決定できることに留意されたい。例えば、ノード群を配置する天井が1つの平面か、ノードを直線上に配置できるその他の形状であれば、ノードは予め定められた間隔で直線上に配置される。球形の天井の場合は、各群のノードを円に沿って配置することができる。
【0082】
次にステップ803において、複数ノード群の受信ノードがケーブルにより直列で接続される。例えば、受信機システムは、前述したCANバスを介して、直線、曲線、W字形の線、またはその組み合わせで接続し、ノードチェーンを形成することができる。
【0083】
さらに、各ノード群から少なくとも1つの基準ノードを較正基準として選択し、各ノード群の他の受信ノードの較正が、当該ノード群内の基準ノードの較正に基づいて自動的に行われるようにしてもよい。
【0084】
ノードが予め定められた間隔で直線上に配置されたノード群の場合は、前述したように、直線上の先頭ノード、末尾ノード、および中央ノードから1つ以上を基準ノードとして選択することができ、曲線状に配置されたノード群の場合は、曲線の特徴に基づいて適切な基準ノードを選択することができる。
【0085】
その後、選択された各ノード群の基準ノードが較正され、残りのノードは、その配置形態と較正された基準ノードの座標とに基づいて自動的に較正される。
【0086】
受信システムにおいては、複数の受信ノードのうち少なくとも1つを、複数の受信ノードを同期させるための同期信号をさらに受信するように構成された同期ノードとすることができる。さらに、複数の受信ノードのうち少なくとも一部のノードを、他のノードとは異なる平面上に配置してもよい。
【0087】
本発明の受信機システム、位置決めシステム、および受信機システムの配置方法によれば、柔軟なアーキテクチャと容易な較正を実現でき、効果的な調整と高精度もさらに達成することができる。
【0088】
上記ではRF信号が同期信号で超音波信号が測距信号である実施例について説明したが、本発明はこれに限定されないことに留意されたい。本発明によれば、同期信号にはレーザ、赤外線、電磁波、可視光信号などを使用でき、測距信号も同様に赤外線、RFなどとすることができる。
【0089】
本発明の受信機システムは、本出願のシステム以外にも、例えば「発明の背景」で示した従来の位置決めシステム(同期受信機を含まず、本発明の調整機構を採用していないシステム)にも同様に適用することができることに留意されたい。
【0090】
さらに、本発明の実施例は、ソフトウェア、ハードウェア、またはその組み合わせとして実装することができる。この場合、ハードウェア部分は専用論理を使用して実装する。そして、ソフトウェア部分は、メモリ内に格納し、マイクロプロセッサや専用設計のハードウェアなどの適切な命令実行システムによって実行する。当該技術の通常の知識を有する当業者は、上記の方法およびシステムは例えばコンピュータ実行可能命令を用いて、あるいはプロセッサ制御コード内に実装することができ、当該コードは、磁気ディスク、CD、DVD−ROMなどのベアラメディア、読み取り専用メモリ(ファームウェア)などのプログラム可能メモリ、または光もしくは電子信号ベアラなどのデータベアラに格納して提供されることは理解するであろう。本実施例のシステムおよびその構成要素は、超大規模集積回路やゲートアレイなどのプログラム可能ハードウェア装置、論理チップやトランジスタなどの半導体、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはプログラマブル論理装置等のハードウェア回路によって実装することも、各種プロセッサによって実行されるソフトウェアによって実装することも、あるいはファームウェアのような上記のハードウェア回路とソフトウェアの組み合わせによって実装することもできる。
【0091】
上記では本発明を本書で考察した実施例を参照して説明してきたが、本発明は開示された実施例に限定されないことは理解されるであろう。本発明では、付記された請求項の精神と範囲に該当する様々な変更態様や等価な配置をも内包することが意図されている。付記された請求項の範囲は最も広義な説明であり、変更態様、等価な構造、および機能をすべて含んでいる。
【0092】
さらに、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これに限定されない。
【0093】
(付記1)
測距信号を受信するための受信ノードから成るノード群を備え、
前記ノード群の受信ノードは、予め定められた形態で配置され、前記ノード群が基準ノードを含み、
前記ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と前記基準ノードの位置とに基づいて決定することを特徴とする位置決め用受信機システム。
【0094】
(付記2)
前記受信ノードが、予め定められた間隔で直線上に配置されることを特徴とする付記1に記載の位置決め用受信機システム。
【0095】
(付記3)
前記基準ノードが、前記受信ノードのうちの1つから決定され、他の受信ノードの位置が、直線の方向と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標と、受信ノード群内での配置順とに基づいて決定されること特徴とする付記2に記載の位置決め用受信機システム。
【0096】
(付記4)
前記基準ノードが、前記受信ノードのうち2つの受信ノードとして決定され、他の受信ノードの位置は、直線の方向と、予め定められた間隔と、2つの受信ノードのうち一方の座標と、前記受信ノード群内での配置順とに基づいて決定され、前記直線の方向は2つの受信ノードの座標に基づいて決定されることを特徴とする付記2に記載の位置決め用受信機システム。
【0097】
(付記5)
前記2つの受信ノードが、受信ノードのうちの先頭の受信ノードおよび末尾の受信ノードであることを特徴とする付記4に記載の位置決め用受信機システム。
【0098】
(付記6)
前記受信ノードは、予め定められた円形状に予め定められた間隔で配置され、前記基準ノードが受信ノードのうちの1から決定され、他の受信ノードの位置が、円の中心と、円の半径と、予め定められた間隔と、前記基準ノードの座標とから決定されること特徴とする付記1に記載の位置決め用受信機システム。
【0099】
(付記7)
前記受信ノードのうち少なくとも1つが、前記受信ノードを同期させるための同期信号を受信するように構成された同期ノードであることを特徴とする付記1から付記6の何れかに記載の位置決め用受信機システム。
【0100】
(付記8)
複数のノード群を備え、少なくとも1つのノード群が、他のノード群とは異なる平面上に配置されることを特徴とする付記1から付記6の何れかに記載の位置決め用受信機システム。
【0101】
(付記9)
複数のノード群内の受信ノードがケーブルでノードチェーン状に接続されることを特徴とする付記8に記載の位置決め用受信機システム。
【0102】
(付記10)
複数の受信ノードが、直線あるいはW字形、またはその組み合わせを形成するように接続されることを特徴とする付記9に記載の位置決め用受信機システム。
【0103】
(付記11)
受信機システムの受信ノードを、配置する表面の特徴に応じてノード群毎に配置するステップと、
前記ノード群内の受信ノードを予め定められた形態で配置するステップとを有し、
前記ノード群が1つの基準ノードを含み、前記ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と基準ノードの位置とに基づいて決定することを特徴とする受信機システムの配置方法。
【0104】
(付記12)
前記受信ノードを予め定められた形態で配置するステップが、前記受信ノードを、予め定められた間隔で直線上に配置することを特徴とする付記11に記載の受信機システムの配置方法。
【0105】
(付記13)
前記基準ノードが、前記受信ノードのうちの1つから決定され、他の受信ノードの位置が、直線の方向と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標と、受信ノード群内での配置順とに基づいて決定されること特徴とする付記12に記載の受信機システムの配置方法。
【0106】
(付記14)
前記基準ノードが、前記受信ノードのうち2つの受信ノードとして決定され、他の受信ノードの位置は、直線の方向と、予め定められた間隔と、2つの受信ノードのうち一方の座標と、前記受信ノード群内での配置順とに基づいて決定され、前記直線の方向は2つの受信ノードの座標に基づいて決定されることを特徴とする付記12に記載の受信機システムの配置方法。
【0107】
(付記15)
前記2つの受信ノードが、受信ノードのうちの先頭の受信ノードおよび末尾の受信ノードであることを特徴とする付記14に記載の受信機システムの配置方法。
【0108】
(付記16)
前記受信ノードを予め定められた形態で配置するステップが、前記受信ノードを、予め定められた円形状に予め定められた間隔で配置し、前記基準ノードを受信ノードのうちの1から決定し、他の受信ノードの位置を、円の中心と、円の半径と、予め定められた間隔と、前記基準ノードの座標とから決定すること特徴とする付記11に記載の受信機システムの配置方法。
【0109】
(付記17)
前記受信ノードのうち少なくとも1つが、前記受信ノードを同期させるための同期信号を受信するように構成された同期ノードであることを特徴とする付記11から付記16の何れかに記載の受信機システムの配置方法。
【0110】
(付記18)
前記受信機システムが複数のノード群を備え、少なくとも1つのノード群を、他のノード群とは異なる平面上に配置することを特徴とする付記11から付記16の何れかに記載の受信機システムの配置方法。
【0111】
(付記19)
複数のノード群内の受信ノードをケーブルによってノードチェーン状に接続することを特徴とする付記18に記載の受信機システムの配置方法。
【0112】
(付記20)
複数の受信ノードを、直線あるいはW字形、またはその組み合わせを形成するように接続することを特徴とする付記19に記載の受信機システムの配置方法。
【0113】
(付記21)
付記1から付記10の何れかによる受信機システムを備えることを特徴とする位置決めシステム。
【符号の説明】
【0114】
101:受信機配列
102:サーバ
103:コントローラ
104:タグ
301:受信機システム
302:サーバ
304:タグ
305:ホスト装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測距信号を受信するための受信ノードから成るノード群を備え、
前記ノード群の受信ノードは、予め定められた形態で配置され、前記ノード群が基準ノードを含み、
前記ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と前記基準ノードの位置とに基づいて決定することを特徴とする位置決め用受信機システム。
【請求項2】
前記受信ノードが、予め定められた間隔で直線上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の位置決め用受信機システム。
【請求項3】
前記基準ノードが、前記受信ノードのうちの1つから決定され、他の受信ノードの位置が、直線の方向と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標と、受信ノード群内での配置順とに基づいて決定されること特徴とする請求項2に記載の位置決め用受信機システム。
【請求項4】
前記基準ノードが、前記受信ノードのうち2つの受信ノードとして決定され、他の受信ノードの位置は、直線の方向と、予め定められた間隔と、2つの受信ノードのうち一方の座標と、前記受信ノード群内での配置順とに基づいて決定され、前記直線の方向は2つの受信ノードの座標に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の位置決め用受信機システム。
【請求項5】
前記2つの受信ノードが、受信ノードのうちの先頭の受信ノードおよび末尾の受信ノードであることを特徴とする請求項4に記載の位置決め用受信機システム。
【請求項6】
前記受信ノードは、予め定められた円形状に予め定められた間隔で配置され、前記基準ノードが受信ノードのうちの1から決定され、他の受信ノードの位置が、円の中心と、円の半径と、予め定められた間隔と、前記基準ノードの座標とから決定されること特徴とする請求項1に記載の位置決め用受信機システム。
【請求項7】
前記受信ノードのうち少なくとも1つが、前記受信ノードを同期させるための同期信号を受信するように構成された同期ノードであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の位置決め用受信機システム。
【請求項8】
複数のノード群を備え、少なくとも1つのノード群が、他のノード群とは異なる平面上に配置されることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の位置決め用受信機システム。
【請求項9】
受信機システムの受信ノードを、配置する表面の特徴に応じてノード群毎に配置するステップと、
前記ノード群内の受信ノードを予め定められた形態で配置するステップとを有し、
前記ノード群が1つの基準ノードを含み、前記ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と基準ノードの位置とに基づいて決定することを特徴とする受信機システムの配置方法。
【請求項10】
請求項1から請求項8の何れかによる受信機システムを備えることを特徴とする位置決めシステム。
【請求項1】
測距信号を受信するための受信ノードから成るノード群を備え、
前記ノード群の受信ノードは、予め定められた形態で配置され、前記ノード群が基準ノードを含み、
前記ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と前記基準ノードの位置とに基づいて決定することを特徴とする位置決め用受信機システム。
【請求項2】
前記受信ノードが、予め定められた間隔で直線上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の位置決め用受信機システム。
【請求項3】
前記基準ノードが、前記受信ノードのうちの1つから決定され、他の受信ノードの位置が、直線の方向と、予め定められた間隔と、基準ノードの座標と、受信ノード群内での配置順とに基づいて決定されること特徴とする請求項2に記載の位置決め用受信機システム。
【請求項4】
前記基準ノードが、前記受信ノードのうち2つの受信ノードとして決定され、他の受信ノードの位置は、直線の方向と、予め定められた間隔と、2つの受信ノードのうち一方の座標と、前記受信ノード群内での配置順とに基づいて決定され、前記直線の方向は2つの受信ノードの座標に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載の位置決め用受信機システム。
【請求項5】
前記2つの受信ノードが、受信ノードのうちの先頭の受信ノードおよび末尾の受信ノードであることを特徴とする請求項4に記載の位置決め用受信機システム。
【請求項6】
前記受信ノードは、予め定められた円形状に予め定められた間隔で配置され、前記基準ノードが受信ノードのうちの1から決定され、他の受信ノードの位置が、円の中心と、円の半径と、予め定められた間隔と、前記基準ノードの座標とから決定されること特徴とする請求項1に記載の位置決め用受信機システム。
【請求項7】
前記受信ノードのうち少なくとも1つが、前記受信ノードを同期させるための同期信号を受信するように構成された同期ノードであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の位置決め用受信機システム。
【請求項8】
複数のノード群を備え、少なくとも1つのノード群が、他のノード群とは異なる平面上に配置されることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の位置決め用受信機システム。
【請求項9】
受信機システムの受信ノードを、配置する表面の特徴に応じてノード群毎に配置するステップと、
前記ノード群内の受信ノードを予め定められた形態で配置するステップとを有し、
前記ノード群が1つの基準ノードを含み、前記ノード群内の他の受信ノードの位置を、予め定められた形態に関する情報と基準ノードの位置とに基づいて決定することを特徴とする受信機システムの配置方法。
【請求項10】
請求項1から請求項8の何れかによる受信機システムを備えることを特徴とする位置決めシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2011−257379(P2011−257379A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−28351(P2011−28351)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(505418870)エヌイーシー(チャイナ)カンパニー, リミテッド (108)
【氏名又は名称原語表記】NEC(China)Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28351(P2011−28351)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(505418870)エヌイーシー(チャイナ)カンパニー, リミテッド (108)
【氏名又は名称原語表記】NEC(China)Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
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