受信装置および方法
【課題】ビデオ信号に関連するデータ信号をビデオ信号と同時に表示部に表示させる。
【解決手段】アンテナ21で受信された信号は、受信回路22にて復調され、データ検出/抽出回路23およびビデオモニタ25へ供給される。データ検出/抽出回路23は、供給されたビデオ信号よりデータ信号を抽出して、データデコード回路24へ供給する。データデコード回路24は、データ信号を伝送情報にデコードし、情報一時記憶回路26に供給する。情報一時記憶回路26は、供給された情報を一定時間だけ保持すると同時に、ビデオモニタ25を通じて情報受信の告知を同様の時間だけ行う。また、情報一時記憶回路26が情報を保持している時間中に、情報表示命令回路27より情報表示の命令があれば、情報一時記憶回路26に保持している情報をビデオモニタ25へ出力する。
【解決手段】アンテナ21で受信された信号は、受信回路22にて復調され、データ検出/抽出回路23およびビデオモニタ25へ供給される。データ検出/抽出回路23は、供給されたビデオ信号よりデータ信号を抽出して、データデコード回路24へ供給する。データデコード回路24は、データ信号を伝送情報にデコードし、情報一時記憶回路26に供給する。情報一時記憶回路26は、供給された情報を一定時間だけ保持すると同時に、ビデオモニタ25を通じて情報受信の告知を同様の時間だけ行う。また、情報一時記憶回路26が情報を保持している時間中に、情報表示命令回路27より情報表示の命令があれば、情報一時記憶回路26に保持している情報をビデオモニタ25へ出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビデオ信号とデータ信号を同時に送信可能な付加情報出力装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送局からのビデオ信号には、映像信号と音声信号が重畳され、被視者に送信されていた(例えば、特許文献1参照。)。また、送信する画像に付随する情報を伝送できれば、送信画像の表す情報をより増大させることができる。
【特許文献1】特開平7−274082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の放送システムでは、送信画像の有効画面内に付随する情報を同時に表示するような放送システムは、知られていない。
【0004】
従って、この発明は、ビデオ信号に関連するデータ信号をビデオ信号と同時に表示部に表示させることができる付加情報出力装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を達成するために、この発明は、ビデオ信号に関連するデータ信号を記憶する記憶手段と、
関連するデータ信号を表示させる命令が来たか否かを判断する命令判断手段と、
ビデオ信号を表示部に表示させると共に、所定の期間内、関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示させる表示制御手段とを有し、
表示制御手段は、命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令が来た場合に、関連するデータ信号を表示部に表示させる
ことを特徴とする付加情報出力装置である。
【0006】
また、この発明は、ビデオ信号に関連するデータ信号を記憶手段に記憶するステップと、
関連するデータ信号を表示させる命令が来たか否かを判断する命令判断ステップと、
ビデオ信号を表示部に表示させると共に、所定の期間内、関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示させる表示制御ステップとを有し、
表示制御ステップは、命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令が来た場合に、関連するデータ信号を表示部に表示させる
ことを特徴とする付加情報出力方法である。
【発明の効果】
【0007】
この発明に依れば、例えばビデオ信号を表示部に表示させているときに、表示されたビデオ信号に関連するデータ信号が記憶手段にある場合、その関連するデータ信号が存在することを表す信号、例えばロゴをビデオ信号に重畳して出力し、表示させることができる。従って、被視者が現在視聴しているビデオ信号に関して、関連するデータ信号の有無を容易に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。まず、この一実施例では、送信画像に付随するところの情報を、伝送情報と表現している。これは例えば、CM放送に対し、そのCM商品の詳細情報、TV番組に対し、その番組の出演者あるいは番組内容等を示しているが、他のいかなる情報でもかまわない。また、ビデオ信号出力回路、あるいは情報出力回路として、ビデオモニタ(表示部)とOSD(オンスクリーンディスプレイ)から構成されている装置を用いているが、以下この装置を単にビデオモニタと称する。
【0009】
さらに、ビデオ信号出力回路と情報出力回路が兼用されているが、それぞれ独立な回路を用いても同じ効果が得られることは言うまでもない。さらに、情報を受信し、保持していることを被視者に知らしめることを、情報受信告知と称する。これは例えば、情報受信を示すロゴをビデオモニタ上に表示することを意味する。もちろん、他のいかなる表示方法を用いても同じ効果が得られることは言うまでもない。また、ビデオ信号に挿入すべく伝送情報をエンコードした信号を単にデータ信号と称する。
【0010】
この発明を適用した送信装置の一実施例のブロック図を図1に示す。データ信号を送信ビデオ信号に挿入することで、ビデオ信号と伝送情報の同時送信を可能にする情報付加放送システムのうち、送信装置のブロック図である。伝送情報は、データエンコード回路11により、送信すべきデータ信号に変換され、データ挿入回路12へ供給される。データ挿入回路12は、送信すべきビデオ信号が供給されているが、そこへデータエンコード回路11からのデータ信号を挿入し、送信回路13に供給する。送信回路13は、信号を変調増幅して、アンテナ14を通して送信する。
【0011】
図2は、この発明を適用し、伝送情報をエンコードしたデータ信号を送信ビデオ信号に挿入することで、ビデオ信号と伝送情報の同時送信を可能にする情報付加放送システムのうち、情報一時記憶回路を備えた受信装置の第1の実施例のブロック図である。アンテナ21で受信された信号は、受信回路22にて復調され、データ検出/抽出回路23およびビデオモニタ25(表示部)へ供給される。データ検出/抽出回路23(データ抽出手段)は、供給されたビデオ信号よりデータ信号を抽出して、データデコード回路24へ供給する。データデコード回路24は、データ信号を伝送情報にデコードし、情報一時記憶回路26に供給する。
【0012】
情報一時記憶回路26(記憶手段、一時記憶手段、表示制御手段)は、供給された情報を一定時間だけ保持すると同時に、ビデオモニタ25を通じて情報受信の告知を同様の時間だけ行う。あるいは、情報一時記憶回路26は、それが情報受信を告知している時間中、すなわち情報一時記憶回路26が情報を保持している時間中に、情報表示命令回路27(命令判断手段)より情報表示の命令があれば、情報一時記憶回路26に保持している情報をビデオモニタ25へ出力する。
【0013】
図3は、この発明の第1の実施例のフローチャートである。このフローチャートは、ステップS300から制御が開始され、ステップS300において、保持している情報を、情報一時記憶回路26から消去する。ステップS301において、入力ビデオ信号にデータ信号が有るか否かを判断し、データ信号が有るならステップS302へ制御が移り、データ信号がなければステップS301へ制御は戻る。すなわち、データ信号が検出されるまで、制御は、ステップS301で止まっている。
【0014】
ステップS302において、データ信号より伝送情報をデコードし、情報一時記憶回路26に保持する。ステップS303において、ビデオモニタ25に情報受信を告知する。そして、ステップS304において、情報を表示させる命令が来たか否かを判断し、情報が来たならステップS307へ制御が移り、情報が来ないならステップS305へ制御が移る。
【0015】
ステップS305において、情報受信を告知すべき時間内か否かを判断し、時間内ならステップS304に制御が移り、時間外ならステップS306へ制御が移る。すなわち、表示命令が来るか、あるいは情報受信告知時間が終了するまで、ステップS304およびステップS305を繰り返す。ステップS306において、情報受信の告知を終了、すなわち受信告知を示す表示をビデオモニタ25より消去し、ステップS300に制御が移る。
【0016】
一方、ステップS307においても、情報受信の告知を終了、すなわち受信告知を示す表示をビデオモニタ25から消去する。ステップS308において、情報一時記憶回路26に保持されている伝送情報をビデオモニタ25に表示する。ステップS309において、情報表示すべき時間内か否かを判断し、時間内ならステップS309に制御は戻り、時間外ならステップS310に制御が移る。すなわち、情報表示中は、ステップS309で制御が止まっている。ステップS310において、情報表示を終了、すなわち伝送情報をビデオモニタ25から消去し、制御はステップS300に戻る。
【0017】
図4は、この発明を適用し、伝送情報をエンコードしたデータ信号を送信ビデオ信号に挿入することで、ビデオ信号と伝送情報の同時送信を可能にする情報付加放送システムのうち、情報蓄積回路を備えた受信装置の第2の実施例のブロック図である。アンテナ41で受信された信号は、受信回路42にて復調され、データ検出/抽出回路43およびビデオモニタ45へ供給される。データ検出/抽出回路43は、供給されたビデオ信号よりデータ信号を抽出して、データデコード回路44へ供給する。データデコード回路44は、データ信号を伝送情報にデコードし、情報蓄積回路46に供給する。
【0018】
情報蓄積回路46は、供給された情報を全て自動的に蓄積するが、例えば蓄積してからの時間経過等の条件によって消去する。情報選択回路48は、情報表示命令回路47より情報表示の命令があれば、情報蓄積回路46に蓄積している情報のうち、被視者の要求に応じた情報を選択し、それをビデオモニタ45に出力する。
【0019】
図5は、この発明の第2の実施例のフローチャートである。このフローチャートは、ステップS500から制御が開始され、ステップS500において、情報蓄積回路46に蓄積されている情報のうち、消去すべき条件を満たしているものが有るか否かを判断し、有るならステップS501へ制御が移り、なければステップS502へ制御が移る。ステップS501において、情報蓄積回路46に蓄積されている情報のうち、消去すべき条件を満たしているものを消去する。
【0020】
ステップS502において、入力ビデオ信号にデータ信号が有るか否かを判断し、有るならステップS503に制御が移り、なければステップS504に制御が移る。ステップS503において、データ信号をデコードした伝送情報を情報蓄積回路46に蓄積する。ステップS504において、情報を表示させる命令が来たか否かを判断し、命令が来たならステップS505に制御が移り、来ないならステップS500に制御が戻る。ステップS505において、情報蓄積回路46に保持されている伝送情報のなかから、必要な情報が情報選択回路48を通じて選択され、ビデオモニタ45に表示される。
【0021】
ステップS506において、情報表示すべき時間内か否かを判断し、情報表示すべき時間内ならステップS506に制御は戻り、時間外ならステップS507へ制御は移る。すなわち、情報表示中は、ステップS506で制御が止まっている。ステップS507において、情報表示を終了、すなわち伝送情報をビデオモニタ45から消去し、ステップS500に制御が移る。
【0022】
図6は、この発明を適用し、伝送情報をエンコードしたデータ信号を送信ビデオ信号に挿入することで、ビデオ信号と伝送情報の同時送信を可能にする情報付加放送システムのうち、情報一時記憶および情報蓄積回路を備えた受信装置の第3の実施例のブロック図である。アンテナ61で受信された信号は、受信回路62にて復調され、データ検出/抽出回路63およびビデオモニタ65へ供給される。データ検出/抽出回路63は、供給されたビデオ信号よりデータ信号を抽出して、そのデータ信号をデータデコード回路64へ供給する。
【0023】
データデコード回路64は、データ信号を伝送情報にデコードし、情報一時記憶回路66および情報蓄積回路69へ供給する。情報蓄積回路69は、供給された情報を自動的に蓄積するが、例えば蓄積してからの時間経過等の条件によって消去される。情報一時記憶回路66は、供給された情報を一定時間だけ保持すると同時に、ビデオモニタ65を通じて情報受信の告知を同様の時間だけ行う。あるいは、情報一時記録回路66は、それが情報受信を告知している時間中、すなわち情報一時記憶回路66が情報を保持している時間中に、情報命令手段67から情報表示の命令があれば、情報一時記憶回路66に保持している情報をビデオモニタ65に出力する。
【0024】
あるいは、情報一時記憶回路66は、それが情報受信を告知している時間外、すなわち情報一時記憶回路66が情報を保持していない時に、情報表示命令回路67から情報表示の命令があれば、情報蓄積回路69に蓄積している情報のうち、被視者の要求に応じた情報を情報選択回路68を通じて選択し、それをビデオモニタ65に出力する。
【0025】
図7は、この発明の第3の実施例のフローチャートである。このフローチャートは、ステップS700から制御が始まり、そのステップS700では、保持している情報が情報一時記憶回路66から消去される。ステップS701において、情報蓄積回路69に蓄積されている情報のうち、消去すべき条件を満たしているものがあるか否かを判断し、条件を満たしているならステップS702へ制御が移り、条件を満たしていないならS703に制御が移る。
【0026】
ステップS702において、情報蓄積回路69に蓄積されている情報のうち、消去すべき条件を満たしているものを消去する。ステップS703において、入力ビデオ信号にデータ信号があるか否かを判断し、データ信号があるならステップS704に制御が移り、データ信号がないならステップS714に制御が移る。ステップS704において、データ信号をデコードした伝送情報を情報一時記憶回路66に保持する。ステップS705において、データ信号をデコードした伝送情報を情報蓄積回路69に蓄積する。ステップS706において、ビデオモニタ65に情報受信を告知する。
【0027】
ステップS707において、情報を表示させる命令が来たか否かを判断し、命令が来たならステップS710に制御が移り、命令が来ないならステップS708に制御が移る。ステップS708において、情報受信を告知すべき時間内か否かを判断し、時間内ならステップS707に制御が戻り、時間外ならステップS709に制御が移る。すなわち、表示命令が来るか、あるいは情報受信告知時間が終了するまで、ステップS707およびステップS708を繰り返す。ステップS709において、情報受信の告知を終了、すなわち受信告知を示す表示をビデオモニタ65から消去し、ステップS700に制御が戻る。
【0028】
一方、ステップS710においても、情報受信の告知を終了、すなわち受信告知を示す表示をビデオモニタ65から消去する。ステップS711において、情報一時記憶回路66に保持されている伝送情報をビデオモニタ65に表示する。ステップS712において、情報表示すべき時間内か否かを判断し、時間内ならステップS712に制御が移り、時間外ならステップS713に制御が移る。すなわち、情報表示中は、ステップS712で制御が止まっている。ステップS713において、情報表示を終了、すなわち伝送情報をビデオモニタ65から消去し、ステップS700に制御が戻る。
【0029】
一方、ステップS714においても、情報を表示させる命令が来たか否かを判断し、命令が来たならステップS715に制御が移り、命令が来ないならステップS701に制御が戻る。ステップS715において、情報蓄積回路69に保持されている伝送情報のなかから、必要な情報を情報選択回路68を通じて選択し、ビデオモニタ65に表示する。ステップS716において、情報表示すべき時間内か否かを判断し、時間内ならステップS716に制御が戻り、時間外ならステップS717に制御が進む。すなわち、情報表示中は、ステップS716で制御が止まっている。ステップS717において、情報表示を終了、すなわち伝送情報をビデオモニタ65から消去し、ステップS701に制御が戻る。
【0030】
図8は、上述した実施例を用いて、この発明を実現する情報付加放送システムの一実施例を示す。放送局81は、送信アンテナ82を通じてデータ信号を重畳したテレビジョン信号を放送する。
【0031】
受信側は、まず受信アンテナ83から入力した信号をチューナ、デコーダ、情報をモニタに表示するためのOSD、情報記憶装置あるいは情報蓄積装置および情報表示命令を伝えたり、蓄積情報から情報を選択する手段であるところのインターフェース(I/F)を備えたセットトップボックス84へ供給する。セットトップボックス84では、ビデオ信号からデータ信号を検出すれば、その情報を取り出して、保持あるいは蓄積すると共に、テレビジョンモニタ85に情報受信の告知を行う。
【0032】
被視者は、その情報受信の告知を見て、情報が欲しい場合には、インターフェースを通じて、その命令をセットトップボックス84に伝える。セットトップボックス84は、保持している情報あるいは蓄積していた情報をビデオ信号に重畳し、テレビジョンモニタ85に表示する。ここでは、セットトップボックス84とテレビジョンモニタ85を分けて表記しているが、もちろんセットトップボックス84の機能をテレビジョンモニタ85の筐体に内蔵しても、全く問題ない。
【0033】
上述の実施例において、伝送情報をエンコードしたデータ信号を送信ビデオ信号に挿入できるいかなる方法でも、同じ効果が得られることは言うまでもないが、以下、その方法の一実施例として、データ信号を視覚認識可能である有効画面内に図形あるいは記号として表示されるようにビデオ信号に挿入する方法を取り上げる。以下、図面を参照し、伝送情報をエンコードしたデータ信号を送信ビデオ信号に挿入する方法の一実施例として、データ信号を視覚認識可能である有効画面内に図形あるいは記号として表示される方法について説明する。
【0034】
ビデオ信号有効表示画面とは、一般にビデオモニタに表示されるエリアのことで、NTSC方式の場合一般に、走査線の22〜263本目、285〜525本目を示す。また、PAL方式では、一般に走査線の23〜314本目、336〜625本目を示す。ここに載っている情報は、一般に被視者に視覚認識される。
【0035】
そのような信号の一例を図9に示す。この信号を時系列に並べることによって、相当の情報を伝送することができる。このデータ信号の例では、ビデオ信号の走査線のうち、予め定められたデータ表示走査線の、Hsync(水平同期信号)を基準とする予め定められたデータ表示時間に、走査線1本につき1ビットの情報を載せることでデータ信号の挿入を実現している。以下、この図形を疑似バーコードと呼ぶ。疑似バーコードの予め定められた位置には、データ検出用パターンを必ず書くことにし、データ検出/抽出回路は、そのパターンを読み取ることで、疑似バーコードを検出することとする。
【0036】
図10は、図9に示した疑似バーコードを挿入するデータ挿入手段の一実施例のブロック図であり、図1におけるデータ挿入回路12の実施例に相当する。供給されるビデオ信号を垂直同期信号分離回路101および水平同期信号分離回路102にそれぞれ入力し、垂直同期信号および水平同期信号を分離する。カウンタ103は、水平同期信号をカウントするが、垂直同期信号の入力によりカウントは、リセットされる。これにより、入力ビデオ信号の走査線番号が得られる。
【0037】
一方、疑似バーコード、すなわちデータ信号は、1および0を表す2種類のビデオ信号、すなわち黒の信号と白の信号で構成される。マイクロコンピュータ(μCOM)106は、送信すべきデータの内容により、時計107によって与えられる時間間隔においてビデオ信号入力スイッチ105を切り換え、さらにカウンタ103の示す走査線番号によってビデオ信号出力スイッチ104を切り換えることにより、画面上にデータ信号として挿入する。
【0038】
図11は、図9の疑似バーコードを検出/抽出するデータ検出/抽出手段の一実施例のブロック図であり、図2におけるデータ検出/抽出回路23の実施例に相当する。供給されるビデオ信号を垂直同期信号分離回路111および水平同期信号分離回路112にそれぞれ入力し、垂直同期信号および水平同期信号を分離する。カウンタ115は、水平同期信号をカウントするが、垂直同期信号の入力によりカウントは、リセットされる。これにより、入力ビデオ信号の走査線番号が得られる。
【0039】
一方、ビデオ信号は、白のビデオ信号を入力すると1を、黒のビデオ信号を入力すると0を出力するようなしきい値を持ったA/Dコンバータ113に入力され、その出力をマイクロコンピュータ114に供給する。マイクロコンピュータ114は、垂直同期信号および水平同期信号並びにカウンタ115から供給される走査線番号より、データ信号が挿入されている走査線か否かを判断し、データ信号が挿入されている走査線であればA/Dコンバータ113からの入力信号を時計116を用いて適当にサンプリングすることでデータ信号を抽出する。
【0040】
さらに、マイクロコンピュータ114は、抽出したデータ信号に図9に示すようなデータ検出パターンが検出できなければ、抽出されたデータは、本システムにおけるデータではないと見なし、抽出したデータを破棄し、データ検出パターンが検出できれば、データ信号を出力する。
【0041】
上述の実施例では、被視者が視覚認識可能である有効画面内に図形あるいは記号としてエンコードしたデータの例として、図9のように予め定められた位置に挿入されるデータ信号を挙げたが、これはデータ検出回路の負担を軽くするためであり、データ検出回路が有効画面内に挿入されるデータをエンコードした図形を検出できるならば、それを任意の位置に挿入することができることは言うまでもない。
【0042】
また、上述の実施例では、被視者が視覚認識可能である有効画面内に図形あるいは記号としてエンコードしたデータの例として、図9のようなデータ信号を挙げたが、情報の伝達を可能とする如何なる形状をしていても、この発明により同じ効果が得られることは、言うまでもない。
【0043】
この発明は、上述したこの発明の一実施形態等に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明を適用した送信装置の一実施例のブロック図である。
【図2】この発明を適用し、情報一時記憶回路を備えた受信装置の第1の実施例のブロック図である。
【図3】この発明を適用し、情報一時記憶回路を備えた受信装置の機能を実現できる第1の実施例のフローチャートである。
【図4】この発明を適用し、情報蓄積回路を備えた受信装置の第2の実施例のブロック図である。
【図5】この発明を適用し、情報蓄積回路を備えた受信装置の機能を実現できる第2の実施例のフローチャートである。
【図6】この発明を適用し、情報一時記憶回路および情報蓄積回路を備えた受信装置の第3の実施例のブロック図である。
【図7】この発明を適用し、情報一時記憶回路および情報蓄積回路を備えた受信装置の機能を実現できる第3の実施例のフローチャートである。
【図8】この発明の情報付加放送システムの一実施例の概略図である。
【図9】ビデオモニタに表示されるデータ信号の一例を示す略線図である。
【図10】この発明に係るデータ挿入回路の一実施例のブロック図である。
【図11】この発明に係るデータ検出/抽出回路の一実施例のブロック図である。
【符号の説明】
【0045】
21 アンテナ
22 受信回路
23 データ検出/抽出回路
24 データデコード回路
25 ビデオモニタ
26 情報一時記憶回路
27 情報表示命令回路
【技術分野】
【0001】
この発明は、ビデオ信号とデータ信号を同時に送信可能な付加情報出力装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送局からのビデオ信号には、映像信号と音声信号が重畳され、被視者に送信されていた(例えば、特許文献1参照。)。また、送信する画像に付随する情報を伝送できれば、送信画像の表す情報をより増大させることができる。
【特許文献1】特開平7−274082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の放送システムでは、送信画像の有効画面内に付随する情報を同時に表示するような放送システムは、知られていない。
【0004】
従って、この発明は、ビデオ信号に関連するデータ信号をビデオ信号と同時に表示部に表示させることができる付加情報出力装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を達成するために、この発明は、ビデオ信号に関連するデータ信号を記憶する記憶手段と、
関連するデータ信号を表示させる命令が来たか否かを判断する命令判断手段と、
ビデオ信号を表示部に表示させると共に、所定の期間内、関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示させる表示制御手段とを有し、
表示制御手段は、命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令が来た場合に、関連するデータ信号を表示部に表示させる
ことを特徴とする付加情報出力装置である。
【0006】
また、この発明は、ビデオ信号に関連するデータ信号を記憶手段に記憶するステップと、
関連するデータ信号を表示させる命令が来たか否かを判断する命令判断ステップと、
ビデオ信号を表示部に表示させると共に、所定の期間内、関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示させる表示制御ステップとを有し、
表示制御ステップは、命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令が来た場合に、関連するデータ信号を表示部に表示させる
ことを特徴とする付加情報出力方法である。
【発明の効果】
【0007】
この発明に依れば、例えばビデオ信号を表示部に表示させているときに、表示されたビデオ信号に関連するデータ信号が記憶手段にある場合、その関連するデータ信号が存在することを表す信号、例えばロゴをビデオ信号に重畳して出力し、表示させることができる。従って、被視者が現在視聴しているビデオ信号に関して、関連するデータ信号の有無を容易に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。まず、この一実施例では、送信画像に付随するところの情報を、伝送情報と表現している。これは例えば、CM放送に対し、そのCM商品の詳細情報、TV番組に対し、その番組の出演者あるいは番組内容等を示しているが、他のいかなる情報でもかまわない。また、ビデオ信号出力回路、あるいは情報出力回路として、ビデオモニタ(表示部)とOSD(オンスクリーンディスプレイ)から構成されている装置を用いているが、以下この装置を単にビデオモニタと称する。
【0009】
さらに、ビデオ信号出力回路と情報出力回路が兼用されているが、それぞれ独立な回路を用いても同じ効果が得られることは言うまでもない。さらに、情報を受信し、保持していることを被視者に知らしめることを、情報受信告知と称する。これは例えば、情報受信を示すロゴをビデオモニタ上に表示することを意味する。もちろん、他のいかなる表示方法を用いても同じ効果が得られることは言うまでもない。また、ビデオ信号に挿入すべく伝送情報をエンコードした信号を単にデータ信号と称する。
【0010】
この発明を適用した送信装置の一実施例のブロック図を図1に示す。データ信号を送信ビデオ信号に挿入することで、ビデオ信号と伝送情報の同時送信を可能にする情報付加放送システムのうち、送信装置のブロック図である。伝送情報は、データエンコード回路11により、送信すべきデータ信号に変換され、データ挿入回路12へ供給される。データ挿入回路12は、送信すべきビデオ信号が供給されているが、そこへデータエンコード回路11からのデータ信号を挿入し、送信回路13に供給する。送信回路13は、信号を変調増幅して、アンテナ14を通して送信する。
【0011】
図2は、この発明を適用し、伝送情報をエンコードしたデータ信号を送信ビデオ信号に挿入することで、ビデオ信号と伝送情報の同時送信を可能にする情報付加放送システムのうち、情報一時記憶回路を備えた受信装置の第1の実施例のブロック図である。アンテナ21で受信された信号は、受信回路22にて復調され、データ検出/抽出回路23およびビデオモニタ25(表示部)へ供給される。データ検出/抽出回路23(データ抽出手段)は、供給されたビデオ信号よりデータ信号を抽出して、データデコード回路24へ供給する。データデコード回路24は、データ信号を伝送情報にデコードし、情報一時記憶回路26に供給する。
【0012】
情報一時記憶回路26(記憶手段、一時記憶手段、表示制御手段)は、供給された情報を一定時間だけ保持すると同時に、ビデオモニタ25を通じて情報受信の告知を同様の時間だけ行う。あるいは、情報一時記憶回路26は、それが情報受信を告知している時間中、すなわち情報一時記憶回路26が情報を保持している時間中に、情報表示命令回路27(命令判断手段)より情報表示の命令があれば、情報一時記憶回路26に保持している情報をビデオモニタ25へ出力する。
【0013】
図3は、この発明の第1の実施例のフローチャートである。このフローチャートは、ステップS300から制御が開始され、ステップS300において、保持している情報を、情報一時記憶回路26から消去する。ステップS301において、入力ビデオ信号にデータ信号が有るか否かを判断し、データ信号が有るならステップS302へ制御が移り、データ信号がなければステップS301へ制御は戻る。すなわち、データ信号が検出されるまで、制御は、ステップS301で止まっている。
【0014】
ステップS302において、データ信号より伝送情報をデコードし、情報一時記憶回路26に保持する。ステップS303において、ビデオモニタ25に情報受信を告知する。そして、ステップS304において、情報を表示させる命令が来たか否かを判断し、情報が来たならステップS307へ制御が移り、情報が来ないならステップS305へ制御が移る。
【0015】
ステップS305において、情報受信を告知すべき時間内か否かを判断し、時間内ならステップS304に制御が移り、時間外ならステップS306へ制御が移る。すなわち、表示命令が来るか、あるいは情報受信告知時間が終了するまで、ステップS304およびステップS305を繰り返す。ステップS306において、情報受信の告知を終了、すなわち受信告知を示す表示をビデオモニタ25より消去し、ステップS300に制御が移る。
【0016】
一方、ステップS307においても、情報受信の告知を終了、すなわち受信告知を示す表示をビデオモニタ25から消去する。ステップS308において、情報一時記憶回路26に保持されている伝送情報をビデオモニタ25に表示する。ステップS309において、情報表示すべき時間内か否かを判断し、時間内ならステップS309に制御は戻り、時間外ならステップS310に制御が移る。すなわち、情報表示中は、ステップS309で制御が止まっている。ステップS310において、情報表示を終了、すなわち伝送情報をビデオモニタ25から消去し、制御はステップS300に戻る。
【0017】
図4は、この発明を適用し、伝送情報をエンコードしたデータ信号を送信ビデオ信号に挿入することで、ビデオ信号と伝送情報の同時送信を可能にする情報付加放送システムのうち、情報蓄積回路を備えた受信装置の第2の実施例のブロック図である。アンテナ41で受信された信号は、受信回路42にて復調され、データ検出/抽出回路43およびビデオモニタ45へ供給される。データ検出/抽出回路43は、供給されたビデオ信号よりデータ信号を抽出して、データデコード回路44へ供給する。データデコード回路44は、データ信号を伝送情報にデコードし、情報蓄積回路46に供給する。
【0018】
情報蓄積回路46は、供給された情報を全て自動的に蓄積するが、例えば蓄積してからの時間経過等の条件によって消去する。情報選択回路48は、情報表示命令回路47より情報表示の命令があれば、情報蓄積回路46に蓄積している情報のうち、被視者の要求に応じた情報を選択し、それをビデオモニタ45に出力する。
【0019】
図5は、この発明の第2の実施例のフローチャートである。このフローチャートは、ステップS500から制御が開始され、ステップS500において、情報蓄積回路46に蓄積されている情報のうち、消去すべき条件を満たしているものが有るか否かを判断し、有るならステップS501へ制御が移り、なければステップS502へ制御が移る。ステップS501において、情報蓄積回路46に蓄積されている情報のうち、消去すべき条件を満たしているものを消去する。
【0020】
ステップS502において、入力ビデオ信号にデータ信号が有るか否かを判断し、有るならステップS503に制御が移り、なければステップS504に制御が移る。ステップS503において、データ信号をデコードした伝送情報を情報蓄積回路46に蓄積する。ステップS504において、情報を表示させる命令が来たか否かを判断し、命令が来たならステップS505に制御が移り、来ないならステップS500に制御が戻る。ステップS505において、情報蓄積回路46に保持されている伝送情報のなかから、必要な情報が情報選択回路48を通じて選択され、ビデオモニタ45に表示される。
【0021】
ステップS506において、情報表示すべき時間内か否かを判断し、情報表示すべき時間内ならステップS506に制御は戻り、時間外ならステップS507へ制御は移る。すなわち、情報表示中は、ステップS506で制御が止まっている。ステップS507において、情報表示を終了、すなわち伝送情報をビデオモニタ45から消去し、ステップS500に制御が移る。
【0022】
図6は、この発明を適用し、伝送情報をエンコードしたデータ信号を送信ビデオ信号に挿入することで、ビデオ信号と伝送情報の同時送信を可能にする情報付加放送システムのうち、情報一時記憶および情報蓄積回路を備えた受信装置の第3の実施例のブロック図である。アンテナ61で受信された信号は、受信回路62にて復調され、データ検出/抽出回路63およびビデオモニタ65へ供給される。データ検出/抽出回路63は、供給されたビデオ信号よりデータ信号を抽出して、そのデータ信号をデータデコード回路64へ供給する。
【0023】
データデコード回路64は、データ信号を伝送情報にデコードし、情報一時記憶回路66および情報蓄積回路69へ供給する。情報蓄積回路69は、供給された情報を自動的に蓄積するが、例えば蓄積してからの時間経過等の条件によって消去される。情報一時記憶回路66は、供給された情報を一定時間だけ保持すると同時に、ビデオモニタ65を通じて情報受信の告知を同様の時間だけ行う。あるいは、情報一時記録回路66は、それが情報受信を告知している時間中、すなわち情報一時記憶回路66が情報を保持している時間中に、情報命令手段67から情報表示の命令があれば、情報一時記憶回路66に保持している情報をビデオモニタ65に出力する。
【0024】
あるいは、情報一時記憶回路66は、それが情報受信を告知している時間外、すなわち情報一時記憶回路66が情報を保持していない時に、情報表示命令回路67から情報表示の命令があれば、情報蓄積回路69に蓄積している情報のうち、被視者の要求に応じた情報を情報選択回路68を通じて選択し、それをビデオモニタ65に出力する。
【0025】
図7は、この発明の第3の実施例のフローチャートである。このフローチャートは、ステップS700から制御が始まり、そのステップS700では、保持している情報が情報一時記憶回路66から消去される。ステップS701において、情報蓄積回路69に蓄積されている情報のうち、消去すべき条件を満たしているものがあるか否かを判断し、条件を満たしているならステップS702へ制御が移り、条件を満たしていないならS703に制御が移る。
【0026】
ステップS702において、情報蓄積回路69に蓄積されている情報のうち、消去すべき条件を満たしているものを消去する。ステップS703において、入力ビデオ信号にデータ信号があるか否かを判断し、データ信号があるならステップS704に制御が移り、データ信号がないならステップS714に制御が移る。ステップS704において、データ信号をデコードした伝送情報を情報一時記憶回路66に保持する。ステップS705において、データ信号をデコードした伝送情報を情報蓄積回路69に蓄積する。ステップS706において、ビデオモニタ65に情報受信を告知する。
【0027】
ステップS707において、情報を表示させる命令が来たか否かを判断し、命令が来たならステップS710に制御が移り、命令が来ないならステップS708に制御が移る。ステップS708において、情報受信を告知すべき時間内か否かを判断し、時間内ならステップS707に制御が戻り、時間外ならステップS709に制御が移る。すなわち、表示命令が来るか、あるいは情報受信告知時間が終了するまで、ステップS707およびステップS708を繰り返す。ステップS709において、情報受信の告知を終了、すなわち受信告知を示す表示をビデオモニタ65から消去し、ステップS700に制御が戻る。
【0028】
一方、ステップS710においても、情報受信の告知を終了、すなわち受信告知を示す表示をビデオモニタ65から消去する。ステップS711において、情報一時記憶回路66に保持されている伝送情報をビデオモニタ65に表示する。ステップS712において、情報表示すべき時間内か否かを判断し、時間内ならステップS712に制御が移り、時間外ならステップS713に制御が移る。すなわち、情報表示中は、ステップS712で制御が止まっている。ステップS713において、情報表示を終了、すなわち伝送情報をビデオモニタ65から消去し、ステップS700に制御が戻る。
【0029】
一方、ステップS714においても、情報を表示させる命令が来たか否かを判断し、命令が来たならステップS715に制御が移り、命令が来ないならステップS701に制御が戻る。ステップS715において、情報蓄積回路69に保持されている伝送情報のなかから、必要な情報を情報選択回路68を通じて選択し、ビデオモニタ65に表示する。ステップS716において、情報表示すべき時間内か否かを判断し、時間内ならステップS716に制御が戻り、時間外ならステップS717に制御が進む。すなわち、情報表示中は、ステップS716で制御が止まっている。ステップS717において、情報表示を終了、すなわち伝送情報をビデオモニタ65から消去し、ステップS701に制御が戻る。
【0030】
図8は、上述した実施例を用いて、この発明を実現する情報付加放送システムの一実施例を示す。放送局81は、送信アンテナ82を通じてデータ信号を重畳したテレビジョン信号を放送する。
【0031】
受信側は、まず受信アンテナ83から入力した信号をチューナ、デコーダ、情報をモニタに表示するためのOSD、情報記憶装置あるいは情報蓄積装置および情報表示命令を伝えたり、蓄積情報から情報を選択する手段であるところのインターフェース(I/F)を備えたセットトップボックス84へ供給する。セットトップボックス84では、ビデオ信号からデータ信号を検出すれば、その情報を取り出して、保持あるいは蓄積すると共に、テレビジョンモニタ85に情報受信の告知を行う。
【0032】
被視者は、その情報受信の告知を見て、情報が欲しい場合には、インターフェースを通じて、その命令をセットトップボックス84に伝える。セットトップボックス84は、保持している情報あるいは蓄積していた情報をビデオ信号に重畳し、テレビジョンモニタ85に表示する。ここでは、セットトップボックス84とテレビジョンモニタ85を分けて表記しているが、もちろんセットトップボックス84の機能をテレビジョンモニタ85の筐体に内蔵しても、全く問題ない。
【0033】
上述の実施例において、伝送情報をエンコードしたデータ信号を送信ビデオ信号に挿入できるいかなる方法でも、同じ効果が得られることは言うまでもないが、以下、その方法の一実施例として、データ信号を視覚認識可能である有効画面内に図形あるいは記号として表示されるようにビデオ信号に挿入する方法を取り上げる。以下、図面を参照し、伝送情報をエンコードしたデータ信号を送信ビデオ信号に挿入する方法の一実施例として、データ信号を視覚認識可能である有効画面内に図形あるいは記号として表示される方法について説明する。
【0034】
ビデオ信号有効表示画面とは、一般にビデオモニタに表示されるエリアのことで、NTSC方式の場合一般に、走査線の22〜263本目、285〜525本目を示す。また、PAL方式では、一般に走査線の23〜314本目、336〜625本目を示す。ここに載っている情報は、一般に被視者に視覚認識される。
【0035】
そのような信号の一例を図9に示す。この信号を時系列に並べることによって、相当の情報を伝送することができる。このデータ信号の例では、ビデオ信号の走査線のうち、予め定められたデータ表示走査線の、Hsync(水平同期信号)を基準とする予め定められたデータ表示時間に、走査線1本につき1ビットの情報を載せることでデータ信号の挿入を実現している。以下、この図形を疑似バーコードと呼ぶ。疑似バーコードの予め定められた位置には、データ検出用パターンを必ず書くことにし、データ検出/抽出回路は、そのパターンを読み取ることで、疑似バーコードを検出することとする。
【0036】
図10は、図9に示した疑似バーコードを挿入するデータ挿入手段の一実施例のブロック図であり、図1におけるデータ挿入回路12の実施例に相当する。供給されるビデオ信号を垂直同期信号分離回路101および水平同期信号分離回路102にそれぞれ入力し、垂直同期信号および水平同期信号を分離する。カウンタ103は、水平同期信号をカウントするが、垂直同期信号の入力によりカウントは、リセットされる。これにより、入力ビデオ信号の走査線番号が得られる。
【0037】
一方、疑似バーコード、すなわちデータ信号は、1および0を表す2種類のビデオ信号、すなわち黒の信号と白の信号で構成される。マイクロコンピュータ(μCOM)106は、送信すべきデータの内容により、時計107によって与えられる時間間隔においてビデオ信号入力スイッチ105を切り換え、さらにカウンタ103の示す走査線番号によってビデオ信号出力スイッチ104を切り換えることにより、画面上にデータ信号として挿入する。
【0038】
図11は、図9の疑似バーコードを検出/抽出するデータ検出/抽出手段の一実施例のブロック図であり、図2におけるデータ検出/抽出回路23の実施例に相当する。供給されるビデオ信号を垂直同期信号分離回路111および水平同期信号分離回路112にそれぞれ入力し、垂直同期信号および水平同期信号を分離する。カウンタ115は、水平同期信号をカウントするが、垂直同期信号の入力によりカウントは、リセットされる。これにより、入力ビデオ信号の走査線番号が得られる。
【0039】
一方、ビデオ信号は、白のビデオ信号を入力すると1を、黒のビデオ信号を入力すると0を出力するようなしきい値を持ったA/Dコンバータ113に入力され、その出力をマイクロコンピュータ114に供給する。マイクロコンピュータ114は、垂直同期信号および水平同期信号並びにカウンタ115から供給される走査線番号より、データ信号が挿入されている走査線か否かを判断し、データ信号が挿入されている走査線であればA/Dコンバータ113からの入力信号を時計116を用いて適当にサンプリングすることでデータ信号を抽出する。
【0040】
さらに、マイクロコンピュータ114は、抽出したデータ信号に図9に示すようなデータ検出パターンが検出できなければ、抽出されたデータは、本システムにおけるデータではないと見なし、抽出したデータを破棄し、データ検出パターンが検出できれば、データ信号を出力する。
【0041】
上述の実施例では、被視者が視覚認識可能である有効画面内に図形あるいは記号としてエンコードしたデータの例として、図9のように予め定められた位置に挿入されるデータ信号を挙げたが、これはデータ検出回路の負担を軽くするためであり、データ検出回路が有効画面内に挿入されるデータをエンコードした図形を検出できるならば、それを任意の位置に挿入することができることは言うまでもない。
【0042】
また、上述の実施例では、被視者が視覚認識可能である有効画面内に図形あるいは記号としてエンコードしたデータの例として、図9のようなデータ信号を挙げたが、情報の伝達を可能とする如何なる形状をしていても、この発明により同じ効果が得られることは、言うまでもない。
【0043】
この発明は、上述したこの発明の一実施形態等に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明を適用した送信装置の一実施例のブロック図である。
【図2】この発明を適用し、情報一時記憶回路を備えた受信装置の第1の実施例のブロック図である。
【図3】この発明を適用し、情報一時記憶回路を備えた受信装置の機能を実現できる第1の実施例のフローチャートである。
【図4】この発明を適用し、情報蓄積回路を備えた受信装置の第2の実施例のブロック図である。
【図5】この発明を適用し、情報蓄積回路を備えた受信装置の機能を実現できる第2の実施例のフローチャートである。
【図6】この発明を適用し、情報一時記憶回路および情報蓄積回路を備えた受信装置の第3の実施例のブロック図である。
【図7】この発明を適用し、情報一時記憶回路および情報蓄積回路を備えた受信装置の機能を実現できる第3の実施例のフローチャートである。
【図8】この発明の情報付加放送システムの一実施例の概略図である。
【図9】ビデオモニタに表示されるデータ信号の一例を示す略線図である。
【図10】この発明に係るデータ挿入回路の一実施例のブロック図である。
【図11】この発明に係るデータ検出/抽出回路の一実施例のブロック図である。
【符号の説明】
【0045】
21 アンテナ
22 受信回路
23 データ検出/抽出回路
24 データデコード回路
25 ビデオモニタ
26 情報一時記憶回路
27 情報表示命令回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ信号に関連するデータ信号を記憶する記憶手段と、
前記関連するデータ信号を表示させる命令が来たか否かを判断する命令判断手段と、
前記ビデオ信号を表示部に表示させると共に、所定の期間内、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示させる表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令が来た場合に、関連するデータ信号を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする付加情報出力装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示する時間と同様の時間だけ前記関連するデータ信号を記憶する一時記憶手段とされ、前記命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令があれば、前記一時記憶手段に保持している前記関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項1に記載の付加情報出力装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号を蓄積し、所定時間経過後に消去する蓄積手段とされ、前記命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令があれば、前記蓄積手段に保持している前記関連するデータ信号のうち、ユーザの要求に応じて選択された関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項1に記載の付加情報出力装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示する時間と同様の時間だけ前記関連するデータ信号を記憶する一時記憶手段と、前記関連するデータ信号を蓄積し、所定時間経過後に消去する蓄積手段とを両方備え、
前記表示制御手段は、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示している時間中、前記命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令があれば、前記一時記憶手段に保持している前記関連するデータ信号を表示させ、
前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示している時間外、前記命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令があれば、前記蓄積手段に保持している前記関連するデータ信号のうち、ユーザの要求に応じて選択された関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項1に記載の付加情報出力装置。
【請求項5】
ビデオ信号に関連するデータ信号を記憶手段に記憶するステップと、
前記関連するデータ信号を表示させる命令が来たか否かを判断する命令判断ステップと、
前記ビデオ信号を表示部に表示させると共に、所定の期間内、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示させる表示制御ステップとを有し、
前記表示制御ステップは、前記命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令が来た場合に、関連するデータ信号を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする付加情報出力方法。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示する時間と同様の時間だけ前記関連するデータ信号を記憶する一時記憶手段とされ、前記命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令があれば、前記一時記憶手段に保持している前記関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項5に記載の付加情報出力方法。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号を蓄積し、所定時間経過後に消去する蓄積手段とされ、前記命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令があれば、前記蓄積手段に保持している前記関連するデータ信号のうち、ユーザの要求に応じて選択された関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項5に記載の付加情報出力方法。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示する時間と同様の時間だけ前記関連するデータ信号を記憶する一時記憶手段と、前記関連するデータ信号を蓄積し、所定時間経過後に消去する蓄積手段とを両方備え、
前記表示制御ステップは、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示している時間中、前記命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令があれば、前記一時記憶手段に保持している前記関連するデータ信号を表示させ、
前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示している時間外、前記命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令があれば、前記蓄積手段に保持している前記関連するデータ信号のうち、ユーザの要求に応じて選択された関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項5に記載の付加情報出力方法。
【請求項1】
ビデオ信号に関連するデータ信号を記憶する記憶手段と、
前記関連するデータ信号を表示させる命令が来たか否かを判断する命令判断手段と、
前記ビデオ信号を表示部に表示させると共に、所定の期間内、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示させる表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令が来た場合に、関連するデータ信号を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする付加情報出力装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示する時間と同様の時間だけ前記関連するデータ信号を記憶する一時記憶手段とされ、前記命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令があれば、前記一時記憶手段に保持している前記関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項1に記載の付加情報出力装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号を蓄積し、所定時間経過後に消去する蓄積手段とされ、前記命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令があれば、前記蓄積手段に保持している前記関連するデータ信号のうち、ユーザの要求に応じて選択された関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項1に記載の付加情報出力装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示する時間と同様の時間だけ前記関連するデータ信号を記憶する一時記憶手段と、前記関連するデータ信号を蓄積し、所定時間経過後に消去する蓄積手段とを両方備え、
前記表示制御手段は、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示している時間中、前記命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令があれば、前記一時記憶手段に保持している前記関連するデータ信号を表示させ、
前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示している時間外、前記命令判断手段から関連するデータ信号の表示命令があれば、前記蓄積手段に保持している前記関連するデータ信号のうち、ユーザの要求に応じて選択された関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項1に記載の付加情報出力装置。
【請求項5】
ビデオ信号に関連するデータ信号を記憶手段に記憶するステップと、
前記関連するデータ信号を表示させる命令が来たか否かを判断する命令判断ステップと、
前記ビデオ信号を表示部に表示させると共に、所定の期間内、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示させる表示制御ステップとを有し、
前記表示制御ステップは、前記命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令が来た場合に、関連するデータ信号を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする付加情報出力方法。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示する時間と同様の時間だけ前記関連するデータ信号を記憶する一時記憶手段とされ、前記命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令があれば、前記一時記憶手段に保持している前記関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項5に記載の付加情報出力方法。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号を蓄積し、所定時間経過後に消去する蓄積手段とされ、前記命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令があれば、前記蓄積手段に保持している前記関連するデータ信号のうち、ユーザの要求に応じて選択された関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項5に記載の付加情報出力方法。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示する時間と同様の時間だけ前記関連するデータ信号を記憶する一時記憶手段と、前記関連するデータ信号を蓄積し、所定時間経過後に消去する蓄積手段とを両方備え、
前記表示制御ステップは、前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示している時間中、前記命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令があれば、前記一時記憶手段に保持している前記関連するデータ信号を表示させ、
前記関連するデータ信号が存在することを表す告知を表示している時間外、前記命令判断ステップから関連するデータ信号の表示命令があれば、前記蓄積手段に保持している前記関連するデータ信号のうち、ユーザの要求に応じて選択された関連するデータ信号を表示させることを特徴とする請求項5に記載の付加情報出力方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−49735(P2007−49735A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270535(P2006−270535)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【分割の表示】特願2005−9818(P2005−9818)の分割
【原出願日】平成8年11月29日(1996.11.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【分割の表示】特願2005−9818(P2005−9818)の分割
【原出願日】平成8年11月29日(1996.11.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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