受信装置及び転送装置
【課題】受信側における復号のための構成を簡略化することができる受信装置及び転送装置を提供する。
【解決手段】受信装置3は、三段階に光強度が変化する光信号を入力し、入力した光信号を光ファイバ301及び光ファイバ302に分岐する光分岐部31と、周期的に光強度が変化する第1のクロック信号を光ファイバ301に分岐した光信号に合波する第1の光合波部331と、第1のクロック信号を反転した第2のクロック信号を光ファイバ302に分岐した光信号に合波する第2の光合波部332と、第1の光合波部331及び第2の光合波部332の出力信号に基づいて、光分岐部31に入力された光信号を復号する復号部34とを有する。
【解決手段】受信装置3は、三段階に光強度が変化する光信号を入力し、入力した光信号を光ファイバ301及び光ファイバ302に分岐する光分岐部31と、周期的に光強度が変化する第1のクロック信号を光ファイバ301に分岐した光信号に合波する第1の光合波部331と、第1のクロック信号を反転した第2のクロック信号を光ファイバ302に分岐した光信号に合波する第2の光合波部332と、第1の光合波部331及び第2の光合波部332の出力信号に基づいて、光分岐部31に入力された光信号を復号する復号部34とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置及び転送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1つの信号周期で1ビットの情報を伝送する光送受信装置において、光ファイバ等の伝送路における前後のビットの信号との干渉を許容しながら誤りなく情報を伝送するデュオバイナリ伝送方式を用いたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の光送信装置では、1ビット遅延器、排他的論理和回路、及び加算器からなる電気回路により2値(0,1)のデータ信号を3値(0,1,2)のデュオバイナリ信号に変換し、このデュオバイナリ信号を2分岐してその一方を反転回路で反転することにより、振幅が同じで互いに位相が反転したデュオバイナリ信号(−1,0,1)を生成し、これに比例した電圧をMZ型光強度変調器の電極にそれぞれ印加する。MZ型光強度変調器では、半導体レーザの出力光がデュオバイナリ信号に比例した電圧に応じて強度変調され、光ファイバを介して受信側に伝送される。
【0004】
受信側では、光ファイバから出力される変調光を検波回路で検波し、その検波信号を識別機で識別し、反転回路で反転することにより、受信した信号を復号する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−139681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、位相変調を用いず、強度変調されたデュオバイナリ光信号を受信可能にすること、および、受信側における多値レベル信号を復号するための構成を簡略化することができる受信装置及び転送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]三段階に光強度が変化する光信号を入力し、前記入力した光信号を第1の光伝送路及び第2の光伝送路に分岐する光分岐部と、周期的に光強度が変化する第1のクロック信号を前記第1の光伝送路に分岐した光信号に合波する第1の光合波部と、前記第1のクロック信号を反転させた第2のクロック信号を前記第2の光伝送路に分岐した光信号に合波する第2の光合波部と、前記第1の光合波部及び前記第2の光合波部の出力信号に基づいて、前記光分岐部に入力された光信号を復号する復号部とを有する受信装置。
【0008】
[2]前記復号部は、前記第1の光合波部で合波された光信号を光電変換する第1の光電変換部と、前記第2の光合波部で合波された光信号を光電変換する第2の光電変換部と、前記第1の光電変換部の出力信号と基準電圧とを比較する第1の比較部と、前記第2の光電変換部の出力信号と基準電圧とを比較する第2の比較部と、前記第1及び第2の比較部の比較結果を示す信号に基づく演算により、前記光分岐部に入力された光信号を復号する復号演算部とを有する前記[1]に記載の受信装置。
【0009】
[3]前記第1の光電変換部の出力信号及び前記第2の光電変換部の出力信号は、容量結合により前記第1の比較部及び前記第2の比較部に伝達される前記[2]に記載の受信装置。
【0010】
[4]前記[1]乃至[3]の何れか1つに記載の受信装置と、予め定められた信号周期を有する転送信号を受け付け、前記転送信号を前記三段階に光強度が変化する光信号に変換して出力する送信装置と、前記送信装置が出力する光信号を前記受信装置に伝送する光伝送媒体とを有する転送装置。
【0011】
[5]前記送信装置は、前記転送信号に対して論理演算処理を施した信号を出力する論理演算部と、前記論理演算部の出力信号を光信号に変換した第1の光信号、及び前記第1の光信号が1信号周期分遅延した第2の光信号を合波して前記三段階に光強度が変化する光信号を生成する光信号生成部とを備え、前記論理演算部は、直前の信号周期における同論理演算部の出力信号と前記転送信号との排他的論理和を含む論理演算処理を行う前記[4]に記載の転送装置。
【0012】
[6]前記送信装置は、パラレル信号である前記転送信号に対して論理演算処理を施したパラレル信号からなる第1及び第2の出力信号を生成する論理演算部と、前記論理演算部の第1の出力信号がパラレルシリアル変換された信号を光電変換して生成した第1の光信号、及び前記論理演算部の第2の出力信号のうち一部の信号が他の出力信号よりも1信号周期分遅延したパラレル信号をパラレルシリアル変換及び光電変換して生成した第2の光信号とを合波して、前記三段階に光強度が変化する光信号を生成する光信号生成部とを備え、前記論理演算部は、直前の信号周期における同論理演算部の一部の出力信号と前記転送信号の一部の信号との排他的論理和を含む論理演算処理を行う前記[4]に記載の転送装置。
【発明の効果】
【0013】
請求項1,4に記載の発明によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、受信側における復号のための構成を簡略化することが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、受信側における復号のための構成をより簡略化することが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、第1及び第2の光電変換部の出力信号の直流成分を除去して基準電圧との比較を行うことができる。
【0016】
請求項5,6に記載の発明によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、受信側における復号のための構成をさらに簡略化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る送信装置の2つの光ファイバの長さを比較した説明図である
【図3】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る復号部の回路構成の一例を示す回路図である。(b)は、第1及び第2の比較器の出力信号並びに直前の復号信号と、復号信号との関係を示す表である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に転送装置の動作例を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る転送装置の動作例を示すグラフである。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。
【図7】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る送信装置のプリコーディング部の構成例を示す回路図である。(b)は、プリコーディング部の信号処理内容を示す表である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る送信装置の動作例を示すグラフである。
【図9】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る受信装置の復号部の構成例を示す回路図である。(b)は、復号部の信号処理内容を示す表である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。
【図11】(a)は、本発明の第4の実施の形態に係る送信装置のパラレルプリコーディング部の構成例を示す回路図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る送信装置の動作例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。この転送装置1は、送信装置2と、受信装置3と、送信装置2及び受信装置3を接続する光伝送路4とを備えている。
【0019】
(送信装置)
送信装置2は、電光変換部21と、光分岐部22と、光合波部23と、光ファイバ201〜203とを備えている。
【0020】
電光変換部21には、入力端子2aが接続されている。この入力端子2aには、予め定められた信号周期を有する2値(0,1)の電気信号が入力される。この電気信号は、受信側に転送すべき信号(以下、この信号を「転送信号」という。)である。電光変換部21は、入力端子2aに入力された電気信号を、光強度によって表される2値(0,1)の光信号に変換し、光ファイバ201に入力する。
【0021】
より詳細には、電光変換部21は、入力端子2aに入力された転送信号がHigh(1)の場合には、発光ダイオード等の光源を発光させ、この発光光を光ファイバ201に出力する。また、入力された電気信号がLow(0)の場合には、光源を発光させず、光ファイバ201に光を出力しない。
【0022】
この光源としては、例えば共振器型発光ダイオード(RC−LED:Resonant-cavity Light-emitting Diode)や、半導体レーザを適用することも可能である。また、LowからHighに信号が切り替わる際の発光遅延の問題をなくすために、転送信号がLow(0)の場合でも、High(1)の場合と比較して十分低いレベルで光源を発光させておいてもよい。
【0023】
光ファイバ201は、電光変換部21から入力された光信号を光分岐部22に出力する。
【0024】
光分岐部22は、例えば2本の光ファイバを融着及び溶融延伸して形成した光分岐カプラからなる。この光分岐部22は、光ファイバ201から出力される光信号を分岐して、光ファイバ202と光ファイバ203とに出力する。
【0025】
なお、光ファイバ201〜203は、例えばコア径がφ0.48mmのSI(Step Index)型のPOF(Plastic Optical Fiber)を用いることができる。また、例えばコア径がφ0.2mmの石英ファイバ(HPCF:Hard Plastic Clad Fiber)を用いてもよい。
【0026】
光ファイバ202及び光ファイバ203は、入力された光を光合波部23に出力する。
【0027】
光合波部23は、光ファイバ202が出力する光信号、及び光ファイバ203が出力する光信号を合波し、これら両光信号の強度が足し合わされた強度の光信号を生成する。この光合波部23は、例えば2本の光ファイバを融着及び溶融延伸して形成した光分岐カプラを逆向きに用いることにより実現可能である。また、光合波部23は、生成した光信号を光伝送路4に出力する。以下、光合波部23が出力する光信号を「送信信号」という。
【0028】
ここで、光ファイバ202と光ファイバ203とは、光分岐部22側の入力端部から光合波部23側の出力端部までの長さが異なり、光ファイバ203は、光ファイバ202よりも光路長が長く形成されている。
【0029】
図2は、光ファイバ202と光ファイバ203とを平行に並べた状態を模式的に示す説明図である。
【0030】
図2に示すように、光ファイバ203は、光分岐部22側の一端部の入射面203aから光合波部23側の他端部の出射面203bまでの距離がL2であり、光ファイバ202は、光分岐部22側の一端部の入射面202aから光合波部23側の他端部の出射面202bまでの距離がL1である。L2はL1よりも長く、L1とL2との長さの差はΔLである。
【0031】
このΔLの長さは、転送信号の信号周期の1周期分の時間に光ファイバ202及び光ファイバ203を光が進む距離に相当する。すなわち、光ファイバ203が光合波部23に出力する光信号は、光ファイバ202が光合波部23に出力する光信号よりも1信号周期分遅れた信号となる。
【0032】
光ファイバ202及び光ファイバ203のコアの屈折率をn、真空中の光の速度をc0(m/s)、転送信号の1周期分の周波数をf(Hz)とすると、1周期分の光路長にあたるΔLはc0/n/fに相当する。例えば、光ファイバ202及び光ファイバ203の屈折率を1.5、転送信号の伝送速度を1Gbps(周波数を1GHz)、c0=3×108(m/s)とすると、上記の演算式により、ΔL=0.2mとなる。
【0033】
光合波部23は、光ファイバ202から出力される光信号と、光ファイバ203から出力される1信号周期分遅れた光信号とを合波することにより、光強度が三段階に変化する3値(0,1,2)のデュオバイナリ信号を生成する。このデュオバイナリ信号は、送信信号として光伝送路4に出力される。
【0034】
(光伝送路)
光伝送路4は、送信装置2の光合波部23から出力された送信信号を受信装置3に伝送する光信号線路であり、一本の光ファイバから構成してもよく、複数の光ファイバを光ファイバカプラで相互に連結して構成してもよい。また、複数の光ファイバの間に中継増幅器等を介在させてもよい。
【0035】
(受信装置)
受信装置3は、図1に示すように、光分岐部31と、第1及び第2の光クロック出力部321,322と、第1及び第2の光合波部331,332と、復号部34と、これら各部を接続する光ファイバ301〜306等を有して構成されている。
【0036】
光分岐部31は、光伝送路4から出力される光信号(以下、この光信号を「受信信号」という)を入力し、この受信信号を光ファイバ301及び光ファイバ302に分岐する。
【0037】
第1及び第2の光クロック出力部321,322は、予め定められた一定の周期で光強度が変化する光クロック信号を出力する。第1の光クロック出力部321が出力する第1の光クロック信号と、第2の光クロック出力部322が出力する第2の光クロック信号とは、光強度及び周期が同じであり、信号の強度が反転している。すなわち、第1の光クロック信号がHigh(1)のとき、第2の光クロック信号はLow(0)であり、第1の光クロック信号がLow(0)のとき、第2の光クロック信号はHigh(1)である。第1及び第2の光クロック信号がHigh(1)のときの光強度は、光分岐部31から出力される3値(0,1,2)のデュオバイナリ信号の中間値(1)の光強度と同じである。
【0038】
また、第1及び第2の光クロック出力部321,322は、受信信号の光強度の変化のタイミングに同期してHigh(1)又はLow(0)が切り替わるように、第1及び第2の光クロック信号を出力する。この同期処理は、例えば、光伝送路4から出力される光信号の強度の変化を検出し、その変化のタイミングよりも第1及び第2の光クロック信号の切り替わりのタイミングが早ければ、それ以降の第1及び第2の光クロック信号の出力タイミングを遅らせ、光伝送路4から出力される光信号の強度の変化のタイミングよりも第1及び第2の光クロック信号の切り替わりのタイミングが遅ければ、それ以降の第1及び第2の光クロック信号の出力タイミングを早めることで実現できる。
【0039】
第1の光合波部331は、光ファイバ303を介して第1の光クロック出力部321に接続されるとともに、光ファイバ301を介して光分岐部31に接続されている。第1の光合波部331は、光ファイバ303から出力される第1の光クロック信号を光ファイバ301に分岐された光信号に合波し、第1のクロック合波信号を生成する。
【0040】
第2の光合波部332は、光ファイバ304を介して第2の光クロック出力部322に接続されるとともに、光ファイバ302を介して光分岐部31に接続されている。第2の光合波部332は、光ファイバ304から出力される第2の光クロック信号を光ファイバ302に分岐された光信号に合波し、第2のクロック合波信号を生成する。
【0041】
第1及び第2のクロック合波信号は、四段階に光強度が変化する。つまり、第1及び第2のクロック合波信号は、4値(0,1,2,3)の値をとり得る。
【0042】
第1の光合波部331は、光ファイバ305を介して第1のクロック合波信号を復号部34に出力する。また、第2の光合波部332は、光ファイバ306を介して第2のクロック合波信号を復号部34に出力する。
【0043】
復号部34は、第1のクロック合波信号及び第2のクロック合波信号に基づいて受信信号を復号し、復号信号を生成する。
【0044】
図3(a)は、復号部34の構成例を示す概略図である。復号部34は、第1の光合波部331及び第2の光合波部332が出力した光信号(第1及び第2のクロック合波信号)の強度が予め定められた閾値よりも高いか否かを判別する判別部35と、判別部35が出力する信号に基づいて復号処理を行う復号演算部36とを有している。
【0045】
判別部35は、第1の光電変換部351と、第1の光電変換部351の出力信号を容量結合により伝達する第1のコンデンサ353と、この容量結合により伝達される第1の光電変換部351の出力信号を基準電圧と比較する第1の比較器355とを有している。また、判別部35は、第2の光電変換部352と、第2の光電変換部352の出力信号を容量結合により伝達する第2のコンデンサ354と、この容量結合により伝達される第2の光電変換部352の出力信号を基準電圧と比較する第2の比較器356とを有している。
【0046】
第1の光電変換部351は、光ファイバ305を介して第1の光合波部331からの第1のクロック合波信号を入力し、この第1のクロック合波信号を光電変換した第1の光電変換信号を出力する。この第1の光電変換部351は、例えばフォトダイオードを用いて構成することができる。
【0047】
第1の電気信号は、第1のコンデンサ353による容量結合により直流成分が除去されて、第1の比較器355に入力される。第1の比較器355は、入力された信号と基準電圧(例えば0V)とを比較し、入力された信号の電圧レベルが基準電圧よりも高ければHigh信号(1)を、入力された信号の電圧レベルが基準電圧よりも低ければLow信号(0)を、第1の判別信号として出力するように構成されている。
【0048】
また、第2の光電変換部352は、光ファイバ306を介して入力した第2のクロック合波信号を光電変換した第2の光電変換信号を生成し、第2のコンデンサ354による容量結合により第2の比較器356に出力する。第2の比較器356は、入力された信号の電圧レベルが基準電圧よりも高ければHigh信号(1)を、基準電圧よりも低ければLow信号(0)を、第2の判別信号として出力するように構成されている。
【0049】
本実施の形態では、第1の比較器355及び第2の比較器356がオペアンプを用いて構成され、その+入力端子が第1のコンデンサ353及び第2のコンデンサ354に接続され、オペアンプの−入力端子はグランド(0V)に接続されている。これにより、判別部35は、第1及び第2のクロック合波信号の光強度が、四段階の光強度のうち光強度が低い第1又は第2段階の場合(4値のうちの「0」又は「1」の場合)にはLow信号(0)を出力し、光強度が高い第3又は第4段階の場合(4値のうちの「2」又は「3」の場合)にはHigh信号(1)を出力するように、構成されている。
【0050】
復号演算部36は、第1〜第3の論理積素子(アンドゲート)361〜363と、論理和素子(オアゲート)364と、Dフリップフロップ回路365とを有して構成されている。
【0051】
第1の論理積素子361には、第1の比較器355の出力信号と、Dフリップフロップ回路365の ̄Q出力信号が入力される。第2の論理積素子362には、第1の比較器355の出力信号と、第2の比較器356の出力信号と、Dフリップフロップ回路365のQ出力信号が入力される。第3の論理積素子363には、第2の比較器356の出力信号と、Dフリップフロップ回路365の ̄Q出力信号が入力される。論理和素子364には、第1〜第3の論理積素子361〜363の出力信号が入力される。
【0052】
Dフリップフロップ回路365のD入力には、論理和素子364の出力が接続される。また、Dフリップフロップ回路365のクロック入力には、論理和素子364の出力信号をラッチ可能なタイミングで変化するクロック信号が供給される。論理和素子364の出力は、受信装置3の出力端子3aに接続されている。論理和素子364が出力する信号は、送信信号を復号して得られた復号信号である。
【0053】
図3(b)は、上記のように構成された判別部35の第1の比較器355及び第2の比較器356の出力信号と、論理和素子364の出力である復号信号、及び1信号周期前の論理和素子364の出力である直前の復号信号との関係を示す表である。この「直前の復号信号」は、Dフリップフロップ回路365のQ出力信号に相当する。
【0054】
この表に示すように、第1の比較器355の出力信号及び第2の比較器356の出力信号が共に0の場合には復号信号が0となり、第1の比較器355の出力信号及び第2の比較器356の出力信号が共に1の場合には復号信号が1となる。また、第1の比較器355の出力信号が0で第2の比較器356の出力信号が1の場合、又は第1の比較器355の出力信号が1で第2の比較器356の出力信号が0の場合には、直前の復号信号が0であれば復号信号が1となり、直前の復号信号が1であれば復号信号が0となる。
【0055】
復号部34がこのように復号処理を行うことにより、送信装置2に入力される転送信号を再現した復号信号が受信装置3の出力端子3aから出力される。
【0056】
(転送装置の動作例)
図4は、転送装置1の各部における信号の時間的な変化の一例を示すグラフである。なお、このグラフでは、説明の明確化のために、光ファイバ202と光ファイバ203の光路長の違いによる光信号の遅延以外の遅延については図示を省略している。
【0057】
転送信号は、図4(a)に示すように、一定の信号周期t(例えば1ns)ごとに0又は1の値をとる。転送信号は、光分岐部22によって、光ファイバ202及び光ファイバ203に分岐する。図4(c)に示す光ファイバ203の出力信号は、光ファイバ202と光ファイバ203との光路長の差(ΔL)により、図4(b)に示す光ファイバ202の出力信号よりも1信号周期(t)分遅れた信号となる。
【0058】
光合波部23は、光ファイバ202及び光ファイバ203から出力される光信号を合波し、図4(d)に示す送信信号を生成する。この送信信号は、光伝送路4を介して受信装置3に伝送される。受信装置3の光分岐部31は、光伝送路4から出力される光信号を光ファイバ301及び光ファイバ302に分岐する。
【0059】
第1の光クロック出力部321は、図4(e)に示すように、送信信号の変化に同期して立ち上がり又は立ち下がり、信号周期tごとにHigh(1)又はLow(0)が切り替わる第1の光クロック信号を出力する。また、第2の光クロック出力部322は、図4(f)に示すように、第1の光クロック信号を反転した信号に相当する第2の光クロック信号を出力する。
【0060】
第1の光合波部331は、図4(g)に示すように、光ファイバ301に分岐した光信号と第1の光クロック信号とを合波して、第1のクロック合波信号を出力する。また、第2の光合波部332は、図4(h)に示すように、光ファイバ302に分岐した光信号と第2の光クロック信号とを合波して、第2のクロック合波信号を出力する。
【0061】
判別部35は、図4(i)に示すように、第1の光クロック合波信号の光信号の強度が予め定められた閾値SH1(図4(g)に示す)よりも高い場合には信号状態がHigh(1)となり、閾値SH1よりも低い場合には信号状態がLow(0)となる第1の判別信号を生成し、復号演算部36に出力する。図4(g)に示すように、閾値SH1は、第1の光クロック合波信号の四段階の光強度の第2段階(「1」の信号レベル)と第3段階(「2」の信号レベル)との間に設定されている。
【0062】
また、判別部35は、図4(j)に示すように、第2のクロック合波信号の光信号の強度が予め定められた閾値SH2(図4(h)に示す)よりも高い場合には信号状態がHigh(1)となり、閾値SH2よりも低い場合には信号状態がLow(0)となる第2の判別信号を生成し、復号演算部36に出力する。図4(h)に示すように、閾値SH2は、第2のクロック合波信号の四段階の光強度の第2段階(「1」の信号レベル)と第3段階(「2」の信号レベル)との間に設定されている。
【0063】
復号演算部36は、図4(k)に示すように、判別部35から出力される第1の判別信号及び第2の判別信号に基づいて、上記のように論理演算処理がされた復号信号を出力する。この復号信号には、図4(a)に示す転送信号の時間的な変化が再現されている。
【0064】
上記のように構成された転送装置1は、光ファイバ202と光ファイバ203との光路長の差に基づいてデュオバイナリ信号を生成し、例えば長距離伝送を行う場合に発生し得るシンボル間干渉を許容した伝送を行うことができる。
【0065】
また、受信装置3は、三段階の光強度で示される3値のデュオバイナリ信号(送信信号)を分岐して、それぞれの分岐信号に互いに反転した光クロック信号を合波して四段階に光強度が変化する2つの光信号を生成し、この2つの光信号に基づいて送信信号を復号する。この受信装置3は、例えばAD(アナログ−デジタル)変換器を用いて送信信号を復号する場合に比較して、簡易な構成で復号処理を行うことができる。
【0066】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図5を参照して説明する。
図5は、本実施の形態に係る転送装置の各部における信号を時間的な変化の一例を示すグラフである。
【0067】
本実施の形態に係る転送装置は、第1の実施の形態に係る転送装置1と同様に構成されているが、第1の光クロック信号出力部321及び第2の光クロック信号出力部322が出力する第1及び第2の光クロック信号の周期が、第1の実施の形態における光クロック信号の周期の2倍である構成が異なっている。以下、第1の実施の形態について説明した構成要素の符号を援用して、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0068】
本実施の形態に係る送信装置2は、第1の実施の形態と同一の構成であり、図5(a)〜(d)に示す各信号は、第1の実施の形態について図4(a)〜(d)に示す各信号と同じように変化する。つまり、図5(d)に示す送信信号の変化のタイミング及び光強度は、図4(d)に示したものと同じである。
【0069】
本実施の形態に係る第1の光クロック出力部321は、図5(e)に示すように、送信信号の変化に同期して立ち上がり又は立ち下がり、転送信号の信号周期tの2倍の時間(2t)が経過する度にHigh(1)又はLow(0)が切り替わる第1の光クロック信号を出力する。また、本実施の形態に係る第2の光クロック出力部322は、図5(f)に示すように、第1の光クロック信号を反転した信号に相当する第2の光クロック信号を出力する。
【0070】
第1の光合波部331は、図5(g)に示すように、光分岐部31で分岐した送信信号の一方の光信号と第1の光クロック信号とを合波し、第1のクロック合波信号を出力する。また、第2の光合波部332は、図5(h)に示すように、光分岐部31で分岐した送信信号の他方の光信号と第2の光クロック信号をと合波し、第2のクロック合波信号を出力する。
【0071】
判別部35は、第1及び第2のクロック合波信号に基づいて、図5(i)及び(j)に示すように、第1及び第2の判別信号を出力する。また、復号演算部36は、第1及び第2の判別信号に基づいて、図5(k)に示すように、復号信号を出力する。
【0072】
このように、本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様に、送信信号を復号し、転送信号を再現した復号信号を得ることができる。
【0073】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について、図6〜9を参照して説明する。図6及び図9において、第1の実施の形態と同様の機能を有する要素については共通の符号を付してその説明を省略する。
【0074】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。この転送装置1Aは、送信装置2Aと、受信装置3Aと、光伝送路4とを備えている。
【0075】
(送信装置)
送信装置2Aは、プリコーディング部24と、第1の電光変換部25と、遅延回路26と、第2の電光変換部27と、光合波部28と、光ファイバ204,205とを有して構成されている。
【0076】
プリコーディング部24は、入力端子2aからの転送信号を受け付け、この転送信号の信号周期ごとに、転送信号に対して後述する前置変換処理を行う。このプリコーディング部24は、本発明の論理演算部の一例である。プリコーディング部24の構成の詳細については後述する。
【0077】
第1の電光変換部25は、プリコーディング部24の出力信号を電光変換して光信号を生成し、この光信号を光ファイバ204に出力する。
【0078】
遅延回路26は、プリコーディング部24の出力信号に、転送信号の1信号周期分に相当する遅延を発生させる。この遅延回路26は、例えばクロック信号に同期させたフリップフロップ回路等により実現可能である。
【0079】
第2の電光変換部27は、遅延回路26によって遅延されたプリコーディング部24の出力信号を電光変換して光信号を生成し、この光信号を光ファイバ205に出力する。なお、光ファイバ205の光路長は、光ファイバ204の光路長と同じであるものとする。
【0080】
光合波部28は、光ファイバ204から出力される第1の光信号、及び光ファイバ205が出力する第2の光信号を合波し、これら両光信号の強度が足し合わされた強度の光信号を生成する。また、光合波部28は、生成した光信号を送信信号として光伝送路4に出力する。第1の電光変換部25、遅延回路26、第2の電光変換部27、及び光合波部28は、本発明の光信号生成部の一例である。
【0081】
(受信装置)
受信装置3は、光分岐部31と、第1及び第2の光クロック出力部321,322と、第1及び第2の光合波部331,332と、復号部34Aと、これら各部を接続する光ファイバ301〜306等を有して構成されている。復号部34Aの詳細については後述する。
【0082】
(プリコーディング部)
図7(a)は、プリコーディング部24の構成例を示す。このプリコーディング部24は、NXOR素子241と、Dフリップフロップ回路242とを有している。
【0083】
NXOR素子241は、2入力1出力の論理演算素子であり、2つの入力信号の排他的論理和を反転した信号を出力する。つまり、2つの入力信号が共にHigh(1)である場合又は共にLow(0)である場合にはHigh信号(1)を出力し、一方の入力信号がHigh(1)であり他方の入力信号がLow(0)である場合にはLow(0)信号を出力する。すなわち、NXOR素子241は、排他的論理和を含む論理演算処理を行う素子である。このNXOR素子241には、入力端子2aからの転送信号、及びDフリップフロップ回路242のQ出力信号が入力信号として入力される。
【0084】
NXOR素子241の論理演算の結果を示す出力信号(以下、この信号を「プリコード信号」という。)は、D入力としてDフリップフロップ回路242に入力される。また、Dフリップフロップ回路242のクロック入力には、転送信号に同期したクロック信号が入力される。
【0085】
図7(b)は、転送信号と、Dフリップフロップ回路242からQ出力として出力されるNXOR素子241の前出力(1つ前の信号周期における出力信号)と、NXOR素子241の出力(プリコード信号)と、光合波部28から出力される送信信号との関係を示す表である。
【0086】
この表に示すように、転送信号とNXOR素子241の直前の信号周期における出力信号が共にLow(0)又はHigh(1)の場合にNXOR素子241の出力信号がHigh(1)となり、これ以外の場合にはNXOR素子241の出力信号がLow(0)となる。また、送信信号の光強度は、NXOR素子241の出力とNXOR素子241の前出力が共にHigh(1)の場合には2(光強度:高)、NXOR素子241の出力とNXOR素子241の前出力の何れか一方がHigh(1)の場合には1(光強度:中)、NXOR素子241の出力とNXOR素子241の前出力が共にLow(0)の場合には0(光強度:低)となる。
【0087】
図8は、上記のように構成されたプリコーディング部24を有する送信装置2Aの各部における信号の時間的な変化の一例を示すグラフである。
【0088】
転送信号は、図8(a)に示すように、一定の信号周期t(例えば1ns)ごとに0又は1の値をとる。プリコーディング部24は、図8(b)に示すように、転送信号の信号周期tごとに前述の論理演算処理を行い、プリコード信号を第1の電光変換部25及び遅延回路26に出力する。光合波部28は、図8(c)に示すように、第1の電光変換部25が出力する第1の光信号と、遅延回路26から出力される電気信号が第2の光電変換部27で光電変換された第2の光信号とを合波して送信信号を生成する。
【0089】
図9は、本実施の形態に係る復号部34Aの構成例を示す概略図である。この復号部34Aは、判別部35と、判別部35が出力する信号に基づいて復号処理を行う復号演算部36Aとを有している。
【0090】
判別部35は、第1の実施の形態と同様の構成であり、第1の光合波部331で生成された第1のクロック合波信号の光強度が、四段階の光強度のうち光強度が低い第1又は第2段階の場合(4値のうちの「0」又は「1」の場合)には第1の比較器355がLow信号(0)を出力し、光強度が高い第3又は第4段階の場合(4値のうちの「2」又は「3」の場合)には第1の比較器355がHigh信号(1)を出力する。また、第2の光合波部332で生成された第2のクロック合波信号の光強度が第1又は第2段階の場合には、第2の比較器356がLow信号(0)を出力し、第3又は第4段階の場合には、第2の比較器356がHigh信号(1)を出力する。
【0091】
復号演算部36Aは、第1の比較器355及び第2の比較器356の出力信号が入力されるNXOR素子366を有して構成されている。NXOR素子366の出力信号(復号信号)は、出力端子3aから出力される。
【0092】
図9(b)は、第1の比較器355の出力信号と、第2の比較器356の出力信号と、復号信号との関係を示す表である。復号信号は、第1の比較器355の出力信号及び第2の比較器356の出力信号が共にHigh(1)又はLow(0)の場合にはHigh(1)となり、第1の比較器355の出力信号又は第2の比較器356の出力信号の何れか一方がHigh(1)の場合にはLow(0)となる。
【0093】
このように、本実施の形態に係る復号演算部36Aは、第1の実施の形態に係る復号演算部36よりも素子数が少なく、構成が簡略化されている。
【0094】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について、図10〜12を参照して説明する。図10及び図11において、第3の実施の形態と同様の機能を有する要素については共通の符号を付してその説明を省略する。
【0095】
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。この転送装置1Bは、送信装置2Bと、受信装置3Aと、送信装置2B及び受信装置3Aを接続する光伝送路4とを備えている。
【0096】
送信装置2Bは、4ビットの信号からなるパラレル信号が入力される第1〜第4の入力端子20a〜20dと、第1〜第4の入力端子20a〜20dに接続されたパラレルプリコーディング部24Aと、パラレルプリコーディング部24Aが出力するパラレル信号の一部の信号を1信号周期分遅延させる遅延回路24Bと、第1のパラレルシリアル変換部291と、第2のパラレルシリアル変換部292と、第1の電光変換部25と、第2の電光変換部27と、光合波部28と、光ファイバ204,205とを有して構成されている。
【0097】
第1〜第4の入力端子20a〜20dには、受信装置3A側に転送すべき4ビットのパラレル信号である転送信号が入力される。
【0098】
パラレルプリコーディング部24Aは、入力データバス200を介して第1〜第4の入力端子20a〜20dに接続され、受け付けた転送信号に対して後述する前置変換処理を行う。このパラレルプリコーディング部24Aは、本発明の論理演算部の一例である。パラレルプリコーディング部24Aの構成の詳細については後述する。
【0099】
第1のパラレルシリアル変換部291は、第1の出力データバス206を介してパラレルプリコーディング部24Aの出力信号を入力し、入力したパラレル信号をシリアル信号に変換し、第1の電光変換部25に出力する。
【0100】
第2のパラレルシリアル変換部292は、第2の出力データバス207を介してパラレルプリコーディング部24A及び遅延回路24Bの出力信号を入力し、入力したパラレル信号をシリアル信号に変換し、第2の電光変換部27に出力する。
【0101】
第1の電光変換部25が出力する第1の光信号、及び第2の電光変換部27が出力する第2の光信号は、光合波部28で合波され、送信信号として光伝送路4に出力される。
【0102】
遅延回路24B、第1のパラレルシリアル変換部291、第2のパラレルシリアル変換部292、第1の電光変換部25、第2の電光変換部27、及び光合波部28は、本発明の光信号生成部の一例である。
【0103】
(パラレルプリコーディング部及び遅延回路)
図11は、パラレルプリコーディング部24A及び遅延回路24Bの構成例を示す。このパラレルプリコーディング部24Aは、第1〜第4のNXOR素子243〜246と、第1のDフリップフロップ回路247とを有している。また、遅延回路24Bは第2のDフリップフロップ回路248からなる。
【0104】
第1〜第4のNXOR素子243〜246は、多段に接続され、第n(n=2〜4)のNXOR素子の出力信号が次段の第n−1のNXOR素子の一方の入力信号となっている。
【0105】
最終段の第1のNXOR素子243の出力信号は、第1のDフリップフロップ回路247のD入力に接続されている。第1のDフリップフロップ回路247のQ出力は、最前段の第4のNXOR素子246の一方の入力信号となっている。また、第1のNXOR素子243の出力信号は、遅延回路24Bの第2のDフリップフロップ回路248のD入力にも接続されている。第2のDフリップフロップ回路248のQ出力は、第2のデータバス207の第4の信号線207dに接続されている。
【0106】
第1のDフリップフロップ回路247、及び第2のDフリップフロップ回路248のクロック入力には、第1〜第4の入力端子20a〜20dに入力される転送信号の変化に同期したクロック信号が、図略のクロック信号生成部から供給される。これにより、第1のDフリップフロップ回路247は、直前の信号周期における第1のNXOR素子243の出力信号を第4のNXOR素子246に出力する。また、遅延回路24Bは、第1のNXOR素子243の出力信号を1信号周期分遅延させて第2の出力データバス207の第4の信号線207dに出力するように構成されている。
【0107】
第1〜第4のNXOR素子243〜246には、第1〜第4の入力端子20a〜20dに入力された転送信号が、入力データバス200の第1〜第4のパラレル信号線200a〜200dを介して、他方の入力信号としてそれぞれ供給される。
【0108】
第1〜第4のNXOR素子243〜246の出力は、第1の出力データバス206の第1〜第4の信号線206a〜206dにそれぞれ接続されている。また、第2〜第4のNXOR素子244〜246の出力は、第2の出力データバス207の第1〜第3の信号線207a〜207cにそれぞれ接続されている。
【0109】
つまり、パラレルプリコーディング部24Aの出力信号は、第1の出力データバス206の第1〜第4の信号線206a〜206dと、第2の出力データバス207の第1〜第3の信号線207a〜207c及び第2のDフリップフロップ回路248のD入力との2系統に分岐する。第1の出力データバス206の第1〜第4の信号線206a〜206dへ分岐した信号が第1の出力信号となり、第2の出力データバス207の第1〜第3の信号線207a〜207c及び第2のDフリップフロップ回路248のD入力へ分岐した信号が第2の出力信号となる。
【0110】
図12は、上記のように構成されたパラレルプリコーディング部24Aを有する送信装置2Bの各部における信号の時間的な変化の一例を示すグラフである。
【0111】
このグラフでは、第1〜第4の入力端子20a〜20dに入力される転送信号の変化を第1〜第4の転送信号として(a)〜(d)に示している。また、第1のデータバス206の第1〜第4の信号線206a〜206dを介して第1のパラレルシリアル変換部291に出力される信号を第1〜第4の出力信号として(e)〜(h)に示し、第2のデータバス207の第1〜第4の信号線207a〜207dを介して第2のパラレルシリアル変換部292に出力される信号を第5〜第8の出力信号として(i)〜(l)に示している。またさらに、第1及び第2のパラレルシリアル変換部291,292が出力する第1及び第2のシリアル信号を(m),(n)に示し、送信信号を(o)に示している。
【0112】
第1〜第4の転送信号は、図12(a)〜(d)に示すように、一定の信号周期tごとに0又は1の値をとる。この例に示す第1〜第4の転送信号は、第3の実施の形態について図8(a)に示した転送信号を4ビットのパラレルデータとして表したものであり、図8(a)に示した転送信号が、第4の転送信号、第3の転送信号、第2の転送信号、及び第1の転送信号に、この順序で表れている。
【0113】
第1〜第4の転送信号の変化に応じて第1〜第4のNXOR素子243〜246、並びに第1及び第2のDフリップフロップ回路247,248が動作し、第1〜第8の出力信号が図12(e)〜(l)に示すように変化する。
【0114】
第1のパラレルシリアル変換部291は、第1〜第4の出力信号を受け付け、図12(m)に示すように、転送信号の信号周期tの4分の1の周期で変化する第1のシリアル信号を出力する。この第1のパラレルシリアル変換部291は、転送信号の信号周期tの間に、第4の出力信号、第3の出力信号、第2の出力信号、及び第1の出力信号をこの順序で出力する。
【0115】
第2のパラレルシリアル変換部292は、第5〜第8の出力信号を受け付け、図12(n)に示すように、転送信号の信号周期tの4分の1の周期で変化する第2のシリアル信号を出力する。この第2のパラレルシリアル変換部292は、転送信号の信号周期tの間に、第8の出力信号、第7の出力信号、第6の出力信号、及び第5の出力信号をこの順序で出力する。
【0116】
第1の電光変換部25は、第1のシリアル信号を電光変換し、光合波部28に出力する。また、第2の電光変換部27は、第2のシリアル信号を電光変換し、光合波部28に出力する。光合波部28は、図12(o)に示すように、第1の電光変換部25が出力する第1の光信号、及び第2の電光変換部27が出力する第2の光信号を合波して送信信号を生成し、この送信信号を光伝送路4に出力する。
【0117】
光伝送路4を介して伝送された送信信号は、受信装置3Aにより復号され、復号信号が出力端子3aから出力される。
【0118】
本実施の形態によれば、転送データを複数のビットからなるパラレルデータとして受け付け、第3の実施の形態と同様の復号演算部36Aによって送信信号を復号できる。
【0119】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々な変形が可能である。
【0120】
例えば、第3の実施の形態では、プリコーディング部24の論理演算素子が排他的論理和及び論理反転を行うNXOR素子241である場合について説明したが、プリコーディング部24の論理演算素子は、排他的論理和を演算し、その排他的論理和の結果の反転は行わないXOR素子を用いてもよい。この場合、受信装置3Aの復号部34Aにおける復号演算部36Aの論理演算素子として、NXOR素子366に替えてXOR素子を用いることにより、送信信号を復号することができる。また同様に、第4の実施の形態におけるパラレルプリコーディング部24Aの第1〜第4のNXOR素子243〜246に替えて第1〜第4のXOR素子を用いてもよい。
【0121】
また、第1の実施の形態では、光ファイバ202及び光ファイバ203の光路長の違いにより一方の光信号を遅延させたが、これに限らず、光ファイバ203に入力される光信号を電気的な手段によって遅延させてもよい。また、第3の実施の形態では、遅延回路26により光ファイバ205が出力する第2の光信号を光ファイバ204が出力する第1の光信号に対して遅延させたが、光ファイバ205の光路長を光ファイバ204の光路長よりも長くし、この光路長の違いにより遅延を発生させてもよい。
【0122】
また、第2の実施の形態では、光クロック信号の周期を第1の実施の形態の光クロック信号の2倍としたが、これに限らず、3倍若しくはそれ以上の整数倍としてもよい。
【0123】
また、第4の実施の形態では、転送データとして4ビットのパラレルデータを入力するように送信装置2Bを構成したが、これに限らない。例えば8ビットや16ビットのパラレルデータを転送データとして受け付けるように送信装置を構成してもよい。
【0124】
また、上記各実施の形態では、容量結合により第1の光電変換部351及び第2の光電変換部352の出力信号から直流成分を除去し、第1の比較器355及び第2の比較器356にて0Vを基準電圧として判別処理を行うように構成したが、容量結合を用いず、第1及び第2のクロック合波信号の光強度が第1又は第2段階か、若しくは第3又は第4段階かによって第1及び第2の判別信号の状態が変化するように基準電位を設定してもよい。
【符号の説明】
【0125】
1,1A,1B…転送装置、2,2A,2B…送信装置、2a…入力端子、3,3A…受信装置、3a…出力端子、4…光伝送路、21…電光変換部、22…光分岐部、23…光合波部、24…プリコーディング部、24A…パラレルプリコーディング部、25…第1の電光変換部、26…遅延回路、27…第2の電光変換部、28…光合波部、31…光分岐部、34,34A…復号部、35…判別部、36,36A…復号演算部、200…入力データバス、200a〜200d…第1〜第4のパラレル信号線、201〜203…光ファイバ、202a,203a…入射面、202b,203b…出射面、206…第1の出力データバス、207…第2の出力データバス、206a〜206d…第1〜第4の信号線、207a〜207d…第1〜第4の信号線、20a〜20d…第1〜第4の入力端子、241…NXOR素子、242…Dフリップフロップ回路、243〜246…第1〜第4のNXOR素子、247…第1のDフリップフロップ回路、248…第2のDフリップフロップ回路、291…第1のパラレルシリアル変換部、292…第2のパラレルシリアル変換部、301〜306…光ファイバ、321…第1の光クロック出力部、322…第2の光クロック出力部、331…第1の光合波部、332…第2の光合波部、351…第1の光電変換部、352…第2の光電変換部、353…第1のコンデンサ、354…第2のコンデンサ、355…第1の比較器、356…第2の比較器、361〜363…第1〜第3の論理積素子、364…論理和素子、365…Dフリップフロップ回路、366…NXOR素子、SH1,SH2…閾値、t…信号周期
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置及び転送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1つの信号周期で1ビットの情報を伝送する光送受信装置において、光ファイバ等の伝送路における前後のビットの信号との干渉を許容しながら誤りなく情報を伝送するデュオバイナリ伝送方式を用いたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の光送信装置では、1ビット遅延器、排他的論理和回路、及び加算器からなる電気回路により2値(0,1)のデータ信号を3値(0,1,2)のデュオバイナリ信号に変換し、このデュオバイナリ信号を2分岐してその一方を反転回路で反転することにより、振幅が同じで互いに位相が反転したデュオバイナリ信号(−1,0,1)を生成し、これに比例した電圧をMZ型光強度変調器の電極にそれぞれ印加する。MZ型光強度変調器では、半導体レーザの出力光がデュオバイナリ信号に比例した電圧に応じて強度変調され、光ファイバを介して受信側に伝送される。
【0004】
受信側では、光ファイバから出力される変調光を検波回路で検波し、その検波信号を識別機で識別し、反転回路で反転することにより、受信した信号を復号する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−139681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、位相変調を用いず、強度変調されたデュオバイナリ光信号を受信可能にすること、および、受信側における多値レベル信号を復号するための構成を簡略化することができる受信装置及び転送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]三段階に光強度が変化する光信号を入力し、前記入力した光信号を第1の光伝送路及び第2の光伝送路に分岐する光分岐部と、周期的に光強度が変化する第1のクロック信号を前記第1の光伝送路に分岐した光信号に合波する第1の光合波部と、前記第1のクロック信号を反転させた第2のクロック信号を前記第2の光伝送路に分岐した光信号に合波する第2の光合波部と、前記第1の光合波部及び前記第2の光合波部の出力信号に基づいて、前記光分岐部に入力された光信号を復号する復号部とを有する受信装置。
【0008】
[2]前記復号部は、前記第1の光合波部で合波された光信号を光電変換する第1の光電変換部と、前記第2の光合波部で合波された光信号を光電変換する第2の光電変換部と、前記第1の光電変換部の出力信号と基準電圧とを比較する第1の比較部と、前記第2の光電変換部の出力信号と基準電圧とを比較する第2の比較部と、前記第1及び第2の比較部の比較結果を示す信号に基づく演算により、前記光分岐部に入力された光信号を復号する復号演算部とを有する前記[1]に記載の受信装置。
【0009】
[3]前記第1の光電変換部の出力信号及び前記第2の光電変換部の出力信号は、容量結合により前記第1の比較部及び前記第2の比較部に伝達される前記[2]に記載の受信装置。
【0010】
[4]前記[1]乃至[3]の何れか1つに記載の受信装置と、予め定められた信号周期を有する転送信号を受け付け、前記転送信号を前記三段階に光強度が変化する光信号に変換して出力する送信装置と、前記送信装置が出力する光信号を前記受信装置に伝送する光伝送媒体とを有する転送装置。
【0011】
[5]前記送信装置は、前記転送信号に対して論理演算処理を施した信号を出力する論理演算部と、前記論理演算部の出力信号を光信号に変換した第1の光信号、及び前記第1の光信号が1信号周期分遅延した第2の光信号を合波して前記三段階に光強度が変化する光信号を生成する光信号生成部とを備え、前記論理演算部は、直前の信号周期における同論理演算部の出力信号と前記転送信号との排他的論理和を含む論理演算処理を行う前記[4]に記載の転送装置。
【0012】
[6]前記送信装置は、パラレル信号である前記転送信号に対して論理演算処理を施したパラレル信号からなる第1及び第2の出力信号を生成する論理演算部と、前記論理演算部の第1の出力信号がパラレルシリアル変換された信号を光電変換して生成した第1の光信号、及び前記論理演算部の第2の出力信号のうち一部の信号が他の出力信号よりも1信号周期分遅延したパラレル信号をパラレルシリアル変換及び光電変換して生成した第2の光信号とを合波して、前記三段階に光強度が変化する光信号を生成する光信号生成部とを備え、前記論理演算部は、直前の信号周期における同論理演算部の一部の出力信号と前記転送信号の一部の信号との排他的論理和を含む論理演算処理を行う前記[4]に記載の転送装置。
【発明の効果】
【0013】
請求項1,4に記載の発明によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、受信側における復号のための構成を簡略化することが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、受信側における復号のための構成をより簡略化することが可能となる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、第1及び第2の光電変換部の出力信号の直流成分を除去して基準電圧との比較を行うことができる。
【0016】
請求項5,6に記載の発明によれば、本発明の構成を有していない場合に比較して、受信側における復号のための構成をさらに簡略化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る送信装置の2つの光ファイバの長さを比較した説明図である
【図3】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る復号部の回路構成の一例を示す回路図である。(b)は、第1及び第2の比較器の出力信号並びに直前の復号信号と、復号信号との関係を示す表である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に転送装置の動作例を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る転送装置の動作例を示すグラフである。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。
【図7】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る送信装置のプリコーディング部の構成例を示す回路図である。(b)は、プリコーディング部の信号処理内容を示す表である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る送信装置の動作例を示すグラフである。
【図9】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る受信装置の復号部の構成例を示す回路図である。(b)は、復号部の信号処理内容を示す表である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。
【図11】(a)は、本発明の第4の実施の形態に係る送信装置のパラレルプリコーディング部の構成例を示す回路図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る送信装置の動作例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。この転送装置1は、送信装置2と、受信装置3と、送信装置2及び受信装置3を接続する光伝送路4とを備えている。
【0019】
(送信装置)
送信装置2は、電光変換部21と、光分岐部22と、光合波部23と、光ファイバ201〜203とを備えている。
【0020】
電光変換部21には、入力端子2aが接続されている。この入力端子2aには、予め定められた信号周期を有する2値(0,1)の電気信号が入力される。この電気信号は、受信側に転送すべき信号(以下、この信号を「転送信号」という。)である。電光変換部21は、入力端子2aに入力された電気信号を、光強度によって表される2値(0,1)の光信号に変換し、光ファイバ201に入力する。
【0021】
より詳細には、電光変換部21は、入力端子2aに入力された転送信号がHigh(1)の場合には、発光ダイオード等の光源を発光させ、この発光光を光ファイバ201に出力する。また、入力された電気信号がLow(0)の場合には、光源を発光させず、光ファイバ201に光を出力しない。
【0022】
この光源としては、例えば共振器型発光ダイオード(RC−LED:Resonant-cavity Light-emitting Diode)や、半導体レーザを適用することも可能である。また、LowからHighに信号が切り替わる際の発光遅延の問題をなくすために、転送信号がLow(0)の場合でも、High(1)の場合と比較して十分低いレベルで光源を発光させておいてもよい。
【0023】
光ファイバ201は、電光変換部21から入力された光信号を光分岐部22に出力する。
【0024】
光分岐部22は、例えば2本の光ファイバを融着及び溶融延伸して形成した光分岐カプラからなる。この光分岐部22は、光ファイバ201から出力される光信号を分岐して、光ファイバ202と光ファイバ203とに出力する。
【0025】
なお、光ファイバ201〜203は、例えばコア径がφ0.48mmのSI(Step Index)型のPOF(Plastic Optical Fiber)を用いることができる。また、例えばコア径がφ0.2mmの石英ファイバ(HPCF:Hard Plastic Clad Fiber)を用いてもよい。
【0026】
光ファイバ202及び光ファイバ203は、入力された光を光合波部23に出力する。
【0027】
光合波部23は、光ファイバ202が出力する光信号、及び光ファイバ203が出力する光信号を合波し、これら両光信号の強度が足し合わされた強度の光信号を生成する。この光合波部23は、例えば2本の光ファイバを融着及び溶融延伸して形成した光分岐カプラを逆向きに用いることにより実現可能である。また、光合波部23は、生成した光信号を光伝送路4に出力する。以下、光合波部23が出力する光信号を「送信信号」という。
【0028】
ここで、光ファイバ202と光ファイバ203とは、光分岐部22側の入力端部から光合波部23側の出力端部までの長さが異なり、光ファイバ203は、光ファイバ202よりも光路長が長く形成されている。
【0029】
図2は、光ファイバ202と光ファイバ203とを平行に並べた状態を模式的に示す説明図である。
【0030】
図2に示すように、光ファイバ203は、光分岐部22側の一端部の入射面203aから光合波部23側の他端部の出射面203bまでの距離がL2であり、光ファイバ202は、光分岐部22側の一端部の入射面202aから光合波部23側の他端部の出射面202bまでの距離がL1である。L2はL1よりも長く、L1とL2との長さの差はΔLである。
【0031】
このΔLの長さは、転送信号の信号周期の1周期分の時間に光ファイバ202及び光ファイバ203を光が進む距離に相当する。すなわち、光ファイバ203が光合波部23に出力する光信号は、光ファイバ202が光合波部23に出力する光信号よりも1信号周期分遅れた信号となる。
【0032】
光ファイバ202及び光ファイバ203のコアの屈折率をn、真空中の光の速度をc0(m/s)、転送信号の1周期分の周波数をf(Hz)とすると、1周期分の光路長にあたるΔLはc0/n/fに相当する。例えば、光ファイバ202及び光ファイバ203の屈折率を1.5、転送信号の伝送速度を1Gbps(周波数を1GHz)、c0=3×108(m/s)とすると、上記の演算式により、ΔL=0.2mとなる。
【0033】
光合波部23は、光ファイバ202から出力される光信号と、光ファイバ203から出力される1信号周期分遅れた光信号とを合波することにより、光強度が三段階に変化する3値(0,1,2)のデュオバイナリ信号を生成する。このデュオバイナリ信号は、送信信号として光伝送路4に出力される。
【0034】
(光伝送路)
光伝送路4は、送信装置2の光合波部23から出力された送信信号を受信装置3に伝送する光信号線路であり、一本の光ファイバから構成してもよく、複数の光ファイバを光ファイバカプラで相互に連結して構成してもよい。また、複数の光ファイバの間に中継増幅器等を介在させてもよい。
【0035】
(受信装置)
受信装置3は、図1に示すように、光分岐部31と、第1及び第2の光クロック出力部321,322と、第1及び第2の光合波部331,332と、復号部34と、これら各部を接続する光ファイバ301〜306等を有して構成されている。
【0036】
光分岐部31は、光伝送路4から出力される光信号(以下、この光信号を「受信信号」という)を入力し、この受信信号を光ファイバ301及び光ファイバ302に分岐する。
【0037】
第1及び第2の光クロック出力部321,322は、予め定められた一定の周期で光強度が変化する光クロック信号を出力する。第1の光クロック出力部321が出力する第1の光クロック信号と、第2の光クロック出力部322が出力する第2の光クロック信号とは、光強度及び周期が同じであり、信号の強度が反転している。すなわち、第1の光クロック信号がHigh(1)のとき、第2の光クロック信号はLow(0)であり、第1の光クロック信号がLow(0)のとき、第2の光クロック信号はHigh(1)である。第1及び第2の光クロック信号がHigh(1)のときの光強度は、光分岐部31から出力される3値(0,1,2)のデュオバイナリ信号の中間値(1)の光強度と同じである。
【0038】
また、第1及び第2の光クロック出力部321,322は、受信信号の光強度の変化のタイミングに同期してHigh(1)又はLow(0)が切り替わるように、第1及び第2の光クロック信号を出力する。この同期処理は、例えば、光伝送路4から出力される光信号の強度の変化を検出し、その変化のタイミングよりも第1及び第2の光クロック信号の切り替わりのタイミングが早ければ、それ以降の第1及び第2の光クロック信号の出力タイミングを遅らせ、光伝送路4から出力される光信号の強度の変化のタイミングよりも第1及び第2の光クロック信号の切り替わりのタイミングが遅ければ、それ以降の第1及び第2の光クロック信号の出力タイミングを早めることで実現できる。
【0039】
第1の光合波部331は、光ファイバ303を介して第1の光クロック出力部321に接続されるとともに、光ファイバ301を介して光分岐部31に接続されている。第1の光合波部331は、光ファイバ303から出力される第1の光クロック信号を光ファイバ301に分岐された光信号に合波し、第1のクロック合波信号を生成する。
【0040】
第2の光合波部332は、光ファイバ304を介して第2の光クロック出力部322に接続されるとともに、光ファイバ302を介して光分岐部31に接続されている。第2の光合波部332は、光ファイバ304から出力される第2の光クロック信号を光ファイバ302に分岐された光信号に合波し、第2のクロック合波信号を生成する。
【0041】
第1及び第2のクロック合波信号は、四段階に光強度が変化する。つまり、第1及び第2のクロック合波信号は、4値(0,1,2,3)の値をとり得る。
【0042】
第1の光合波部331は、光ファイバ305を介して第1のクロック合波信号を復号部34に出力する。また、第2の光合波部332は、光ファイバ306を介して第2のクロック合波信号を復号部34に出力する。
【0043】
復号部34は、第1のクロック合波信号及び第2のクロック合波信号に基づいて受信信号を復号し、復号信号を生成する。
【0044】
図3(a)は、復号部34の構成例を示す概略図である。復号部34は、第1の光合波部331及び第2の光合波部332が出力した光信号(第1及び第2のクロック合波信号)の強度が予め定められた閾値よりも高いか否かを判別する判別部35と、判別部35が出力する信号に基づいて復号処理を行う復号演算部36とを有している。
【0045】
判別部35は、第1の光電変換部351と、第1の光電変換部351の出力信号を容量結合により伝達する第1のコンデンサ353と、この容量結合により伝達される第1の光電変換部351の出力信号を基準電圧と比較する第1の比較器355とを有している。また、判別部35は、第2の光電変換部352と、第2の光電変換部352の出力信号を容量結合により伝達する第2のコンデンサ354と、この容量結合により伝達される第2の光電変換部352の出力信号を基準電圧と比較する第2の比較器356とを有している。
【0046】
第1の光電変換部351は、光ファイバ305を介して第1の光合波部331からの第1のクロック合波信号を入力し、この第1のクロック合波信号を光電変換した第1の光電変換信号を出力する。この第1の光電変換部351は、例えばフォトダイオードを用いて構成することができる。
【0047】
第1の電気信号は、第1のコンデンサ353による容量結合により直流成分が除去されて、第1の比較器355に入力される。第1の比較器355は、入力された信号と基準電圧(例えば0V)とを比較し、入力された信号の電圧レベルが基準電圧よりも高ければHigh信号(1)を、入力された信号の電圧レベルが基準電圧よりも低ければLow信号(0)を、第1の判別信号として出力するように構成されている。
【0048】
また、第2の光電変換部352は、光ファイバ306を介して入力した第2のクロック合波信号を光電変換した第2の光電変換信号を生成し、第2のコンデンサ354による容量結合により第2の比較器356に出力する。第2の比較器356は、入力された信号の電圧レベルが基準電圧よりも高ければHigh信号(1)を、基準電圧よりも低ければLow信号(0)を、第2の判別信号として出力するように構成されている。
【0049】
本実施の形態では、第1の比較器355及び第2の比較器356がオペアンプを用いて構成され、その+入力端子が第1のコンデンサ353及び第2のコンデンサ354に接続され、オペアンプの−入力端子はグランド(0V)に接続されている。これにより、判別部35は、第1及び第2のクロック合波信号の光強度が、四段階の光強度のうち光強度が低い第1又は第2段階の場合(4値のうちの「0」又は「1」の場合)にはLow信号(0)を出力し、光強度が高い第3又は第4段階の場合(4値のうちの「2」又は「3」の場合)にはHigh信号(1)を出力するように、構成されている。
【0050】
復号演算部36は、第1〜第3の論理積素子(アンドゲート)361〜363と、論理和素子(オアゲート)364と、Dフリップフロップ回路365とを有して構成されている。
【0051】
第1の論理積素子361には、第1の比較器355の出力信号と、Dフリップフロップ回路365の ̄Q出力信号が入力される。第2の論理積素子362には、第1の比較器355の出力信号と、第2の比較器356の出力信号と、Dフリップフロップ回路365のQ出力信号が入力される。第3の論理積素子363には、第2の比較器356の出力信号と、Dフリップフロップ回路365の ̄Q出力信号が入力される。論理和素子364には、第1〜第3の論理積素子361〜363の出力信号が入力される。
【0052】
Dフリップフロップ回路365のD入力には、論理和素子364の出力が接続される。また、Dフリップフロップ回路365のクロック入力には、論理和素子364の出力信号をラッチ可能なタイミングで変化するクロック信号が供給される。論理和素子364の出力は、受信装置3の出力端子3aに接続されている。論理和素子364が出力する信号は、送信信号を復号して得られた復号信号である。
【0053】
図3(b)は、上記のように構成された判別部35の第1の比較器355及び第2の比較器356の出力信号と、論理和素子364の出力である復号信号、及び1信号周期前の論理和素子364の出力である直前の復号信号との関係を示す表である。この「直前の復号信号」は、Dフリップフロップ回路365のQ出力信号に相当する。
【0054】
この表に示すように、第1の比較器355の出力信号及び第2の比較器356の出力信号が共に0の場合には復号信号が0となり、第1の比較器355の出力信号及び第2の比較器356の出力信号が共に1の場合には復号信号が1となる。また、第1の比較器355の出力信号が0で第2の比較器356の出力信号が1の場合、又は第1の比較器355の出力信号が1で第2の比較器356の出力信号が0の場合には、直前の復号信号が0であれば復号信号が1となり、直前の復号信号が1であれば復号信号が0となる。
【0055】
復号部34がこのように復号処理を行うことにより、送信装置2に入力される転送信号を再現した復号信号が受信装置3の出力端子3aから出力される。
【0056】
(転送装置の動作例)
図4は、転送装置1の各部における信号の時間的な変化の一例を示すグラフである。なお、このグラフでは、説明の明確化のために、光ファイバ202と光ファイバ203の光路長の違いによる光信号の遅延以外の遅延については図示を省略している。
【0057】
転送信号は、図4(a)に示すように、一定の信号周期t(例えば1ns)ごとに0又は1の値をとる。転送信号は、光分岐部22によって、光ファイバ202及び光ファイバ203に分岐する。図4(c)に示す光ファイバ203の出力信号は、光ファイバ202と光ファイバ203との光路長の差(ΔL)により、図4(b)に示す光ファイバ202の出力信号よりも1信号周期(t)分遅れた信号となる。
【0058】
光合波部23は、光ファイバ202及び光ファイバ203から出力される光信号を合波し、図4(d)に示す送信信号を生成する。この送信信号は、光伝送路4を介して受信装置3に伝送される。受信装置3の光分岐部31は、光伝送路4から出力される光信号を光ファイバ301及び光ファイバ302に分岐する。
【0059】
第1の光クロック出力部321は、図4(e)に示すように、送信信号の変化に同期して立ち上がり又は立ち下がり、信号周期tごとにHigh(1)又はLow(0)が切り替わる第1の光クロック信号を出力する。また、第2の光クロック出力部322は、図4(f)に示すように、第1の光クロック信号を反転した信号に相当する第2の光クロック信号を出力する。
【0060】
第1の光合波部331は、図4(g)に示すように、光ファイバ301に分岐した光信号と第1の光クロック信号とを合波して、第1のクロック合波信号を出力する。また、第2の光合波部332は、図4(h)に示すように、光ファイバ302に分岐した光信号と第2の光クロック信号とを合波して、第2のクロック合波信号を出力する。
【0061】
判別部35は、図4(i)に示すように、第1の光クロック合波信号の光信号の強度が予め定められた閾値SH1(図4(g)に示す)よりも高い場合には信号状態がHigh(1)となり、閾値SH1よりも低い場合には信号状態がLow(0)となる第1の判別信号を生成し、復号演算部36に出力する。図4(g)に示すように、閾値SH1は、第1の光クロック合波信号の四段階の光強度の第2段階(「1」の信号レベル)と第3段階(「2」の信号レベル)との間に設定されている。
【0062】
また、判別部35は、図4(j)に示すように、第2のクロック合波信号の光信号の強度が予め定められた閾値SH2(図4(h)に示す)よりも高い場合には信号状態がHigh(1)となり、閾値SH2よりも低い場合には信号状態がLow(0)となる第2の判別信号を生成し、復号演算部36に出力する。図4(h)に示すように、閾値SH2は、第2のクロック合波信号の四段階の光強度の第2段階(「1」の信号レベル)と第3段階(「2」の信号レベル)との間に設定されている。
【0063】
復号演算部36は、図4(k)に示すように、判別部35から出力される第1の判別信号及び第2の判別信号に基づいて、上記のように論理演算処理がされた復号信号を出力する。この復号信号には、図4(a)に示す転送信号の時間的な変化が再現されている。
【0064】
上記のように構成された転送装置1は、光ファイバ202と光ファイバ203との光路長の差に基づいてデュオバイナリ信号を生成し、例えば長距離伝送を行う場合に発生し得るシンボル間干渉を許容した伝送を行うことができる。
【0065】
また、受信装置3は、三段階の光強度で示される3値のデュオバイナリ信号(送信信号)を分岐して、それぞれの分岐信号に互いに反転した光クロック信号を合波して四段階に光強度が変化する2つの光信号を生成し、この2つの光信号に基づいて送信信号を復号する。この受信装置3は、例えばAD(アナログ−デジタル)変換器を用いて送信信号を復号する場合に比較して、簡易な構成で復号処理を行うことができる。
【0066】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図5を参照して説明する。
図5は、本実施の形態に係る転送装置の各部における信号を時間的な変化の一例を示すグラフである。
【0067】
本実施の形態に係る転送装置は、第1の実施の形態に係る転送装置1と同様に構成されているが、第1の光クロック信号出力部321及び第2の光クロック信号出力部322が出力する第1及び第2の光クロック信号の周期が、第1の実施の形態における光クロック信号の周期の2倍である構成が異なっている。以下、第1の実施の形態について説明した構成要素の符号を援用して、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0068】
本実施の形態に係る送信装置2は、第1の実施の形態と同一の構成であり、図5(a)〜(d)に示す各信号は、第1の実施の形態について図4(a)〜(d)に示す各信号と同じように変化する。つまり、図5(d)に示す送信信号の変化のタイミング及び光強度は、図4(d)に示したものと同じである。
【0069】
本実施の形態に係る第1の光クロック出力部321は、図5(e)に示すように、送信信号の変化に同期して立ち上がり又は立ち下がり、転送信号の信号周期tの2倍の時間(2t)が経過する度にHigh(1)又はLow(0)が切り替わる第1の光クロック信号を出力する。また、本実施の形態に係る第2の光クロック出力部322は、図5(f)に示すように、第1の光クロック信号を反転した信号に相当する第2の光クロック信号を出力する。
【0070】
第1の光合波部331は、図5(g)に示すように、光分岐部31で分岐した送信信号の一方の光信号と第1の光クロック信号とを合波し、第1のクロック合波信号を出力する。また、第2の光合波部332は、図5(h)に示すように、光分岐部31で分岐した送信信号の他方の光信号と第2の光クロック信号をと合波し、第2のクロック合波信号を出力する。
【0071】
判別部35は、第1及び第2のクロック合波信号に基づいて、図5(i)及び(j)に示すように、第1及び第2の判別信号を出力する。また、復号演算部36は、第1及び第2の判別信号に基づいて、図5(k)に示すように、復号信号を出力する。
【0072】
このように、本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様に、送信信号を復号し、転送信号を再現した復号信号を得ることができる。
【0073】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について、図6〜9を参照して説明する。図6及び図9において、第1の実施の形態と同様の機能を有する要素については共通の符号を付してその説明を省略する。
【0074】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。この転送装置1Aは、送信装置2Aと、受信装置3Aと、光伝送路4とを備えている。
【0075】
(送信装置)
送信装置2Aは、プリコーディング部24と、第1の電光変換部25と、遅延回路26と、第2の電光変換部27と、光合波部28と、光ファイバ204,205とを有して構成されている。
【0076】
プリコーディング部24は、入力端子2aからの転送信号を受け付け、この転送信号の信号周期ごとに、転送信号に対して後述する前置変換処理を行う。このプリコーディング部24は、本発明の論理演算部の一例である。プリコーディング部24の構成の詳細については後述する。
【0077】
第1の電光変換部25は、プリコーディング部24の出力信号を電光変換して光信号を生成し、この光信号を光ファイバ204に出力する。
【0078】
遅延回路26は、プリコーディング部24の出力信号に、転送信号の1信号周期分に相当する遅延を発生させる。この遅延回路26は、例えばクロック信号に同期させたフリップフロップ回路等により実現可能である。
【0079】
第2の電光変換部27は、遅延回路26によって遅延されたプリコーディング部24の出力信号を電光変換して光信号を生成し、この光信号を光ファイバ205に出力する。なお、光ファイバ205の光路長は、光ファイバ204の光路長と同じであるものとする。
【0080】
光合波部28は、光ファイバ204から出力される第1の光信号、及び光ファイバ205が出力する第2の光信号を合波し、これら両光信号の強度が足し合わされた強度の光信号を生成する。また、光合波部28は、生成した光信号を送信信号として光伝送路4に出力する。第1の電光変換部25、遅延回路26、第2の電光変換部27、及び光合波部28は、本発明の光信号生成部の一例である。
【0081】
(受信装置)
受信装置3は、光分岐部31と、第1及び第2の光クロック出力部321,322と、第1及び第2の光合波部331,332と、復号部34Aと、これら各部を接続する光ファイバ301〜306等を有して構成されている。復号部34Aの詳細については後述する。
【0082】
(プリコーディング部)
図7(a)は、プリコーディング部24の構成例を示す。このプリコーディング部24は、NXOR素子241と、Dフリップフロップ回路242とを有している。
【0083】
NXOR素子241は、2入力1出力の論理演算素子であり、2つの入力信号の排他的論理和を反転した信号を出力する。つまり、2つの入力信号が共にHigh(1)である場合又は共にLow(0)である場合にはHigh信号(1)を出力し、一方の入力信号がHigh(1)であり他方の入力信号がLow(0)である場合にはLow(0)信号を出力する。すなわち、NXOR素子241は、排他的論理和を含む論理演算処理を行う素子である。このNXOR素子241には、入力端子2aからの転送信号、及びDフリップフロップ回路242のQ出力信号が入力信号として入力される。
【0084】
NXOR素子241の論理演算の結果を示す出力信号(以下、この信号を「プリコード信号」という。)は、D入力としてDフリップフロップ回路242に入力される。また、Dフリップフロップ回路242のクロック入力には、転送信号に同期したクロック信号が入力される。
【0085】
図7(b)は、転送信号と、Dフリップフロップ回路242からQ出力として出力されるNXOR素子241の前出力(1つ前の信号周期における出力信号)と、NXOR素子241の出力(プリコード信号)と、光合波部28から出力される送信信号との関係を示す表である。
【0086】
この表に示すように、転送信号とNXOR素子241の直前の信号周期における出力信号が共にLow(0)又はHigh(1)の場合にNXOR素子241の出力信号がHigh(1)となり、これ以外の場合にはNXOR素子241の出力信号がLow(0)となる。また、送信信号の光強度は、NXOR素子241の出力とNXOR素子241の前出力が共にHigh(1)の場合には2(光強度:高)、NXOR素子241の出力とNXOR素子241の前出力の何れか一方がHigh(1)の場合には1(光強度:中)、NXOR素子241の出力とNXOR素子241の前出力が共にLow(0)の場合には0(光強度:低)となる。
【0087】
図8は、上記のように構成されたプリコーディング部24を有する送信装置2Aの各部における信号の時間的な変化の一例を示すグラフである。
【0088】
転送信号は、図8(a)に示すように、一定の信号周期t(例えば1ns)ごとに0又は1の値をとる。プリコーディング部24は、図8(b)に示すように、転送信号の信号周期tごとに前述の論理演算処理を行い、プリコード信号を第1の電光変換部25及び遅延回路26に出力する。光合波部28は、図8(c)に示すように、第1の電光変換部25が出力する第1の光信号と、遅延回路26から出力される電気信号が第2の光電変換部27で光電変換された第2の光信号とを合波して送信信号を生成する。
【0089】
図9は、本実施の形態に係る復号部34Aの構成例を示す概略図である。この復号部34Aは、判別部35と、判別部35が出力する信号に基づいて復号処理を行う復号演算部36Aとを有している。
【0090】
判別部35は、第1の実施の形態と同様の構成であり、第1の光合波部331で生成された第1のクロック合波信号の光強度が、四段階の光強度のうち光強度が低い第1又は第2段階の場合(4値のうちの「0」又は「1」の場合)には第1の比較器355がLow信号(0)を出力し、光強度が高い第3又は第4段階の場合(4値のうちの「2」又は「3」の場合)には第1の比較器355がHigh信号(1)を出力する。また、第2の光合波部332で生成された第2のクロック合波信号の光強度が第1又は第2段階の場合には、第2の比較器356がLow信号(0)を出力し、第3又は第4段階の場合には、第2の比較器356がHigh信号(1)を出力する。
【0091】
復号演算部36Aは、第1の比較器355及び第2の比較器356の出力信号が入力されるNXOR素子366を有して構成されている。NXOR素子366の出力信号(復号信号)は、出力端子3aから出力される。
【0092】
図9(b)は、第1の比較器355の出力信号と、第2の比較器356の出力信号と、復号信号との関係を示す表である。復号信号は、第1の比較器355の出力信号及び第2の比較器356の出力信号が共にHigh(1)又はLow(0)の場合にはHigh(1)となり、第1の比較器355の出力信号又は第2の比較器356の出力信号の何れか一方がHigh(1)の場合にはLow(0)となる。
【0093】
このように、本実施の形態に係る復号演算部36Aは、第1の実施の形態に係る復号演算部36よりも素子数が少なく、構成が簡略化されている。
【0094】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について、図10〜12を参照して説明する。図10及び図11において、第3の実施の形態と同様の機能を有する要素については共通の符号を付してその説明を省略する。
【0095】
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る転送装置の構成例を示す概略図である。この転送装置1Bは、送信装置2Bと、受信装置3Aと、送信装置2B及び受信装置3Aを接続する光伝送路4とを備えている。
【0096】
送信装置2Bは、4ビットの信号からなるパラレル信号が入力される第1〜第4の入力端子20a〜20dと、第1〜第4の入力端子20a〜20dに接続されたパラレルプリコーディング部24Aと、パラレルプリコーディング部24Aが出力するパラレル信号の一部の信号を1信号周期分遅延させる遅延回路24Bと、第1のパラレルシリアル変換部291と、第2のパラレルシリアル変換部292と、第1の電光変換部25と、第2の電光変換部27と、光合波部28と、光ファイバ204,205とを有して構成されている。
【0097】
第1〜第4の入力端子20a〜20dには、受信装置3A側に転送すべき4ビットのパラレル信号である転送信号が入力される。
【0098】
パラレルプリコーディング部24Aは、入力データバス200を介して第1〜第4の入力端子20a〜20dに接続され、受け付けた転送信号に対して後述する前置変換処理を行う。このパラレルプリコーディング部24Aは、本発明の論理演算部の一例である。パラレルプリコーディング部24Aの構成の詳細については後述する。
【0099】
第1のパラレルシリアル変換部291は、第1の出力データバス206を介してパラレルプリコーディング部24Aの出力信号を入力し、入力したパラレル信号をシリアル信号に変換し、第1の電光変換部25に出力する。
【0100】
第2のパラレルシリアル変換部292は、第2の出力データバス207を介してパラレルプリコーディング部24A及び遅延回路24Bの出力信号を入力し、入力したパラレル信号をシリアル信号に変換し、第2の電光変換部27に出力する。
【0101】
第1の電光変換部25が出力する第1の光信号、及び第2の電光変換部27が出力する第2の光信号は、光合波部28で合波され、送信信号として光伝送路4に出力される。
【0102】
遅延回路24B、第1のパラレルシリアル変換部291、第2のパラレルシリアル変換部292、第1の電光変換部25、第2の電光変換部27、及び光合波部28は、本発明の光信号生成部の一例である。
【0103】
(パラレルプリコーディング部及び遅延回路)
図11は、パラレルプリコーディング部24A及び遅延回路24Bの構成例を示す。このパラレルプリコーディング部24Aは、第1〜第4のNXOR素子243〜246と、第1のDフリップフロップ回路247とを有している。また、遅延回路24Bは第2のDフリップフロップ回路248からなる。
【0104】
第1〜第4のNXOR素子243〜246は、多段に接続され、第n(n=2〜4)のNXOR素子の出力信号が次段の第n−1のNXOR素子の一方の入力信号となっている。
【0105】
最終段の第1のNXOR素子243の出力信号は、第1のDフリップフロップ回路247のD入力に接続されている。第1のDフリップフロップ回路247のQ出力は、最前段の第4のNXOR素子246の一方の入力信号となっている。また、第1のNXOR素子243の出力信号は、遅延回路24Bの第2のDフリップフロップ回路248のD入力にも接続されている。第2のDフリップフロップ回路248のQ出力は、第2のデータバス207の第4の信号線207dに接続されている。
【0106】
第1のDフリップフロップ回路247、及び第2のDフリップフロップ回路248のクロック入力には、第1〜第4の入力端子20a〜20dに入力される転送信号の変化に同期したクロック信号が、図略のクロック信号生成部から供給される。これにより、第1のDフリップフロップ回路247は、直前の信号周期における第1のNXOR素子243の出力信号を第4のNXOR素子246に出力する。また、遅延回路24Bは、第1のNXOR素子243の出力信号を1信号周期分遅延させて第2の出力データバス207の第4の信号線207dに出力するように構成されている。
【0107】
第1〜第4のNXOR素子243〜246には、第1〜第4の入力端子20a〜20dに入力された転送信号が、入力データバス200の第1〜第4のパラレル信号線200a〜200dを介して、他方の入力信号としてそれぞれ供給される。
【0108】
第1〜第4のNXOR素子243〜246の出力は、第1の出力データバス206の第1〜第4の信号線206a〜206dにそれぞれ接続されている。また、第2〜第4のNXOR素子244〜246の出力は、第2の出力データバス207の第1〜第3の信号線207a〜207cにそれぞれ接続されている。
【0109】
つまり、パラレルプリコーディング部24Aの出力信号は、第1の出力データバス206の第1〜第4の信号線206a〜206dと、第2の出力データバス207の第1〜第3の信号線207a〜207c及び第2のDフリップフロップ回路248のD入力との2系統に分岐する。第1の出力データバス206の第1〜第4の信号線206a〜206dへ分岐した信号が第1の出力信号となり、第2の出力データバス207の第1〜第3の信号線207a〜207c及び第2のDフリップフロップ回路248のD入力へ分岐した信号が第2の出力信号となる。
【0110】
図12は、上記のように構成されたパラレルプリコーディング部24Aを有する送信装置2Bの各部における信号の時間的な変化の一例を示すグラフである。
【0111】
このグラフでは、第1〜第4の入力端子20a〜20dに入力される転送信号の変化を第1〜第4の転送信号として(a)〜(d)に示している。また、第1のデータバス206の第1〜第4の信号線206a〜206dを介して第1のパラレルシリアル変換部291に出力される信号を第1〜第4の出力信号として(e)〜(h)に示し、第2のデータバス207の第1〜第4の信号線207a〜207dを介して第2のパラレルシリアル変換部292に出力される信号を第5〜第8の出力信号として(i)〜(l)に示している。またさらに、第1及び第2のパラレルシリアル変換部291,292が出力する第1及び第2のシリアル信号を(m),(n)に示し、送信信号を(o)に示している。
【0112】
第1〜第4の転送信号は、図12(a)〜(d)に示すように、一定の信号周期tごとに0又は1の値をとる。この例に示す第1〜第4の転送信号は、第3の実施の形態について図8(a)に示した転送信号を4ビットのパラレルデータとして表したものであり、図8(a)に示した転送信号が、第4の転送信号、第3の転送信号、第2の転送信号、及び第1の転送信号に、この順序で表れている。
【0113】
第1〜第4の転送信号の変化に応じて第1〜第4のNXOR素子243〜246、並びに第1及び第2のDフリップフロップ回路247,248が動作し、第1〜第8の出力信号が図12(e)〜(l)に示すように変化する。
【0114】
第1のパラレルシリアル変換部291は、第1〜第4の出力信号を受け付け、図12(m)に示すように、転送信号の信号周期tの4分の1の周期で変化する第1のシリアル信号を出力する。この第1のパラレルシリアル変換部291は、転送信号の信号周期tの間に、第4の出力信号、第3の出力信号、第2の出力信号、及び第1の出力信号をこの順序で出力する。
【0115】
第2のパラレルシリアル変換部292は、第5〜第8の出力信号を受け付け、図12(n)に示すように、転送信号の信号周期tの4分の1の周期で変化する第2のシリアル信号を出力する。この第2のパラレルシリアル変換部292は、転送信号の信号周期tの間に、第8の出力信号、第7の出力信号、第6の出力信号、及び第5の出力信号をこの順序で出力する。
【0116】
第1の電光変換部25は、第1のシリアル信号を電光変換し、光合波部28に出力する。また、第2の電光変換部27は、第2のシリアル信号を電光変換し、光合波部28に出力する。光合波部28は、図12(o)に示すように、第1の電光変換部25が出力する第1の光信号、及び第2の電光変換部27が出力する第2の光信号を合波して送信信号を生成し、この送信信号を光伝送路4に出力する。
【0117】
光伝送路4を介して伝送された送信信号は、受信装置3Aにより復号され、復号信号が出力端子3aから出力される。
【0118】
本実施の形態によれば、転送データを複数のビットからなるパラレルデータとして受け付け、第3の実施の形態と同様の復号演算部36Aによって送信信号を復号できる。
【0119】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々な変形が可能である。
【0120】
例えば、第3の実施の形態では、プリコーディング部24の論理演算素子が排他的論理和及び論理反転を行うNXOR素子241である場合について説明したが、プリコーディング部24の論理演算素子は、排他的論理和を演算し、その排他的論理和の結果の反転は行わないXOR素子を用いてもよい。この場合、受信装置3Aの復号部34Aにおける復号演算部36Aの論理演算素子として、NXOR素子366に替えてXOR素子を用いることにより、送信信号を復号することができる。また同様に、第4の実施の形態におけるパラレルプリコーディング部24Aの第1〜第4のNXOR素子243〜246に替えて第1〜第4のXOR素子を用いてもよい。
【0121】
また、第1の実施の形態では、光ファイバ202及び光ファイバ203の光路長の違いにより一方の光信号を遅延させたが、これに限らず、光ファイバ203に入力される光信号を電気的な手段によって遅延させてもよい。また、第3の実施の形態では、遅延回路26により光ファイバ205が出力する第2の光信号を光ファイバ204が出力する第1の光信号に対して遅延させたが、光ファイバ205の光路長を光ファイバ204の光路長よりも長くし、この光路長の違いにより遅延を発生させてもよい。
【0122】
また、第2の実施の形態では、光クロック信号の周期を第1の実施の形態の光クロック信号の2倍としたが、これに限らず、3倍若しくはそれ以上の整数倍としてもよい。
【0123】
また、第4の実施の形態では、転送データとして4ビットのパラレルデータを入力するように送信装置2Bを構成したが、これに限らない。例えば8ビットや16ビットのパラレルデータを転送データとして受け付けるように送信装置を構成してもよい。
【0124】
また、上記各実施の形態では、容量結合により第1の光電変換部351及び第2の光電変換部352の出力信号から直流成分を除去し、第1の比較器355及び第2の比較器356にて0Vを基準電圧として判別処理を行うように構成したが、容量結合を用いず、第1及び第2のクロック合波信号の光強度が第1又は第2段階か、若しくは第3又は第4段階かによって第1及び第2の判別信号の状態が変化するように基準電位を設定してもよい。
【符号の説明】
【0125】
1,1A,1B…転送装置、2,2A,2B…送信装置、2a…入力端子、3,3A…受信装置、3a…出力端子、4…光伝送路、21…電光変換部、22…光分岐部、23…光合波部、24…プリコーディング部、24A…パラレルプリコーディング部、25…第1の電光変換部、26…遅延回路、27…第2の電光変換部、28…光合波部、31…光分岐部、34,34A…復号部、35…判別部、36,36A…復号演算部、200…入力データバス、200a〜200d…第1〜第4のパラレル信号線、201〜203…光ファイバ、202a,203a…入射面、202b,203b…出射面、206…第1の出力データバス、207…第2の出力データバス、206a〜206d…第1〜第4の信号線、207a〜207d…第1〜第4の信号線、20a〜20d…第1〜第4の入力端子、241…NXOR素子、242…Dフリップフロップ回路、243〜246…第1〜第4のNXOR素子、247…第1のDフリップフロップ回路、248…第2のDフリップフロップ回路、291…第1のパラレルシリアル変換部、292…第2のパラレルシリアル変換部、301〜306…光ファイバ、321…第1の光クロック出力部、322…第2の光クロック出力部、331…第1の光合波部、332…第2の光合波部、351…第1の光電変換部、352…第2の光電変換部、353…第1のコンデンサ、354…第2のコンデンサ、355…第1の比較器、356…第2の比較器、361〜363…第1〜第3の論理積素子、364…論理和素子、365…Dフリップフロップ回路、366…NXOR素子、SH1,SH2…閾値、t…信号周期
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三段階に光強度が変化する光信号を入力し、前記入力した光信号を第1の光伝送路及び第2の光伝送路に分岐する光分岐部と、
周期的に光強度が変化する第1のクロック信号を前記第1の光伝送路に分岐した光信号に合波する第1の光合波部と、
前記第1のクロック信号を反転させた第2のクロック信号を前記第2の光伝送路に分岐した光信号に合波する第2の光合波部と、
前記第1の光合波部及び前記第2の光合波部の出力信号に基づいて、前記光分岐部に入力された光信号を復号する復号部とを有する受信装置。
【請求項2】
前記復号部は、
前記第1の光合波部で合波された光信号を光電変換する第1の光電変換部と、
前記第2の光合波部で合波された光信号を光電変換する第2の光電変換部と、
前記第1の光電変換部の出力信号と基準電圧とを比較する第1の比較部と、
前記第2の光電変換部の出力信号と基準電圧とを比較する第2の比較部と、
前記第1及び第2の比較部の比較結果を示す信号に基づく演算により、前記光分岐部に入力された光信号を復号する復号演算部とを有する請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記第1の光電変換部の出力信号及び前記第2の光電変換部の出力信号は、容量結合により前記第1の比較部及び前記第2の比較部に伝達される請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の受信装置と、
予め定められた信号周期を有する転送信号を受け付け、前記転送信号を前記三段階に光強度が変化する光信号に変換して出力する送信装置と、
前記送信装置が出力する光信号を前記受信装置に伝送する光伝送媒体とを有する転送装置。
【請求項5】
前記送信装置は、
前記転送信号に対して論理演算処理を施した信号を出力する論理演算部と、
前記論理演算部の出力信号を光信号に変換した第1の光信号、及び前記第1の光信号が1信号周期分遅延した第2の光信号を合波して前記三段階に光強度が変化する光信号を生成する光信号生成部とを備え、
前記論理演算部は、直前の信号周期における同論理演算部の出力信号と前記転送信号との排他的論理和を含む論理演算処理を行う請求項4に記載の転送装置。
【請求項6】
前記送信装置は、
パラレル信号である前記転送信号に対して論理演算処理を施したパラレル信号からなる第1及び第2の出力信号を生成する論理演算部と、
前記論理演算部の第1の出力信号がパラレルシリアル変換された信号を光電変換して生成した第1の光信号、及び前記論理演算部の第2の出力信号のうち一部の信号が他の出力信号よりも1信号周期分遅延したパラレル信号をパラレルシリアル変換及び光電変換して生成した第2の光信号とを合波して、前記三段階に光強度が変化する光信号を生成する光信号生成部とを備え、
前記論理演算部は、直前の信号周期における同論理演算部の一部の出力信号と前記転送信号の一部の信号との排他的論理和を含む論理演算処理を行う請求項4に記載の転送装置。
【請求項1】
三段階に光強度が変化する光信号を入力し、前記入力した光信号を第1の光伝送路及び第2の光伝送路に分岐する光分岐部と、
周期的に光強度が変化する第1のクロック信号を前記第1の光伝送路に分岐した光信号に合波する第1の光合波部と、
前記第1のクロック信号を反転させた第2のクロック信号を前記第2の光伝送路に分岐した光信号に合波する第2の光合波部と、
前記第1の光合波部及び前記第2の光合波部の出力信号に基づいて、前記光分岐部に入力された光信号を復号する復号部とを有する受信装置。
【請求項2】
前記復号部は、
前記第1の光合波部で合波された光信号を光電変換する第1の光電変換部と、
前記第2の光合波部で合波された光信号を光電変換する第2の光電変換部と、
前記第1の光電変換部の出力信号と基準電圧とを比較する第1の比較部と、
前記第2の光電変換部の出力信号と基準電圧とを比較する第2の比較部と、
前記第1及び第2の比較部の比較結果を示す信号に基づく演算により、前記光分岐部に入力された光信号を復号する復号演算部とを有する請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記第1の光電変換部の出力信号及び前記第2の光電変換部の出力信号は、容量結合により前記第1の比較部及び前記第2の比較部に伝達される請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の受信装置と、
予め定められた信号周期を有する転送信号を受け付け、前記転送信号を前記三段階に光強度が変化する光信号に変換して出力する送信装置と、
前記送信装置が出力する光信号を前記受信装置に伝送する光伝送媒体とを有する転送装置。
【請求項5】
前記送信装置は、
前記転送信号に対して論理演算処理を施した信号を出力する論理演算部と、
前記論理演算部の出力信号を光信号に変換した第1の光信号、及び前記第1の光信号が1信号周期分遅延した第2の光信号を合波して前記三段階に光強度が変化する光信号を生成する光信号生成部とを備え、
前記論理演算部は、直前の信号周期における同論理演算部の出力信号と前記転送信号との排他的論理和を含む論理演算処理を行う請求項4に記載の転送装置。
【請求項6】
前記送信装置は、
パラレル信号である前記転送信号に対して論理演算処理を施したパラレル信号からなる第1及び第2の出力信号を生成する論理演算部と、
前記論理演算部の第1の出力信号がパラレルシリアル変換された信号を光電変換して生成した第1の光信号、及び前記論理演算部の第2の出力信号のうち一部の信号が他の出力信号よりも1信号周期分遅延したパラレル信号をパラレルシリアル変換及び光電変換して生成した第2の光信号とを合波して、前記三段階に光強度が変化する光信号を生成する光信号生成部とを備え、
前記論理演算部は、直前の信号周期における同論理演算部の一部の出力信号と前記転送信号の一部の信号との排他的論理和を含む論理演算処理を行う請求項4に記載の転送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−156723(P2012−156723A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13414(P2011−13414)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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