説明

受電装置

【課題】自装置の負荷の使用電力が規定値を超える場合においても動作可能にする。
【解決手段】通信ケーブル1aを介して給電装置1から通信データと電力供給を受ける受電装置2において、給電装置1から入力する電力を予め設定された電力値以下に制限する使用電力制限回路7と、自装置に電力供給可能な補助電源回路10と、自装置における使用電力が使用電力制限回路7を介して与えられる電力値の範囲内であるか否かを判定し、使用電力が前記範囲を超えると判定した場合に、補助電源回路10から自装置に対して電力供給を行うよう制御する制御回路5とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば通信ケーブルを介して電力が供給される受電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信ケーブルを介して受電装置に電力を供給する電力供給システムには、例えばPoE(Power over Ethernet(登録商標。以下省略する。))給電システムがある。PoE給電システムは、例えばIP(Internet Protocol)電話、無線LAN(Local Area Network)機器や監視用カメラなど、データ伝送路に通信ケーブルを用いた通信装置に広く採用されており、ケーブル1本でデータ通信と電力供給をできるようにして、電源を確保しにくい場所にも通信装置を設置することを可能にしている。PoE給電システムは、通信ケーブルとしてイーサネットケーブルを利用して給電装置(PSE:Power Source Equipment)から受電装置(PD:Powerd Device)へ電力を供給するシステムであり、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.3afやIEEE802.3atといった規格で規定され標準化されている。IEEE802.3afでは、48Vの直流電圧で最大給電電力が15.4W、受電装置側での最大使用電力が12.95Wと規定されており、IEEE802.3atでは、最大給電電力が30.0W、受電装置側での最大使用電力が25.5Wと規定されている。PoE給電システムにおいては、例えば、受電装置側での使用電力がIEEE802.3afの規定値12.95Wを超えた場合(規格に準拠していない場合)給電装置から受電装置へ必要な電力量の電力供給が行われず動作しないため、給電装置と受電装置がそれぞれIEEE802.3afの規格に準拠した構成を採用する必要がある。
【0003】
このようなPoE給電システムとしては、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3の構成が開示されている。特許文献1によれば、受電装置は、二重化した回線(ケーブル)のいずれか一方の回線に異常が発生した場合に使用する回線を切り替えて給電装置から給電瞬断しないよう構成されている。特許文献2によれば、受電装置は、異常が発生するとケーブルを介して給電装置へ所定値を超える電流を出力して電力の給電を停止させるよう構成されている。特許文献3によれば、汎用電源から周辺装置への電力給電が優先されており、受電装置は、汎用電源から周辺装置への電力供給が遮断されている場合に、周辺装置への電力供給を行うよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−253307号公報
【特許文献2】特開2008−294951号公報
【特許文献3】特開2009−253307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2,3の受電装置においても、受電装置側での使用電力が規定値を超えた場合、必要な電力が供給されずに動作不可能になるという課題があった。
【0006】
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、使用電力が規定値を超える場合においても動作可能な受電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る受電装置は、通信ケーブルを介して給電装置から通信データと電力供給を受ける受電装置において、給電装置から入力する電力を予め設定された電力値以下に制限する使用電力制限回路と、自装置に電力供給可能な補助電源回路と、自装置における使用電力が前記使用電力制限回路を介して与えられる電力値の範囲内であるか否かを判定し、使用電力が前記範囲を超えると判定した場合に、補助電源回路から自装置に対して電力供給を行うよう制御する制御回路とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明による受電装置は、上記のように構成したので、使用電力制限回路により給電装置から供給される電力値を規定値以下に制限することができ、また、自装置の使用電力が規定値を超えた場合に補助電源回路から電力を供給することができる。その結果、受電装置は、使用電力が規定値を超える場合においても給電装置からの電力と補助電源回路からの電力を用いて動作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る受電装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係る受電装置の構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態3に係る受電装置の構成を示す図である。
【0010】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の受電装置2の構成を示す図である。図1において、受電装置2は、通信ケーブル1aを介して給電装置1に接続されており、1つの通信ケーブル1aで給電装置1とのデータ通信を行うとともに給電装置1からの電力供給を受ける電力供給システムを構成している。受電装置2が構成する電力供給システムは、例えばPoEであり、通信ケーブル1aとしてイーサネットケーブルを用いている。給電装置1は、電源を有する外部の装置に設けられており、受電装置2と通信ケーブル1aを介して接続されると、例えばIEEE802.3afの規定に基づき、直流電圧48V、最大給電電力15.4W以下で電力を供給する。
【0011】
受電装置2は、給電装置1から通信ケーブル1aを介して通信データと電力供給を受ける装置であり、例えばIP(Internet Protocol)電話機、無線LAN(Local Area Network)機器、光回線終端装置、監視目的としたWEBカメラやネットワークカメラなどに適用されている。
【0012】
受電装置2は、図1に示すように、通信コネクタ3、通信回路4、制御回路5、受電回路6、使用電力制限回路7、第1電源回路8、第2電源回路9、補助電源回路10、第1スイッチ11、第2スイッチ12、第1ダイオード13、第2ダイオード14で構成されている。
【0013】
通信コネクタ3は、通信ケーブル1aを接続するためのコネクタであり、給電装置1側から通信ケーブル1aを介して通信データと電力を受電装置2内に入力するよう機能する。通信コネクタ3は、通信データを通信回路4へ出力するとともに、電力を受電回路6へ出力する。通信回路4は、通信ケーブル1aと通信コネクタ3を介して、給電装置1との間で通信データを送受信するよう機能する。
【0014】
制御回路5は、受電装置2の起動や制御を行うためのCPU等で構成されており、受電装置2の使用電力が使用電力制限回路7を介して与えられる電力値の範囲内であるか否かを判定し、受電装置2の使用電力が使用電力制限回路7を介して与えられる電力値の範囲を超えると判定した場合、予め設けた補助電源回路10に対して電力供給を行うよう制御する。一方、制御回路5は、受電装置2の使用電力が使用電力制限回路7を介して与えられる電力値の範囲内、かつ所定の電力値以下の場合、予め設けた補助電源回路10に対して電力入力を行うよう制御する。
【0015】
受電回路6は、給電装置1から通信ケーブル1aと通信コネクタ3を介して供給された電力を、使用電力制限回路7を経由させて、第1電源回路8に出力する。
【0016】
使用電力制限回路7は、予め設定された電力値以下に制限して電力を入力するよう設計された回路で構成されており、給電装置1から供給される電力を設定値以下に制限するよう機能する。
【0017】
第1電源回路8と第2電源回路9は、入力した電力の電圧を変換して、受電装置2内の各構成を動作させるための直流電圧を得るよう機能し、一般的にはDC/DCコンバータで構成されている。第1電源回路8は、例えば使用電力制限回路7から入力した電力の電圧を変換して第2電源回路9へ出力する。また、第1電源回路8は、第2スイッチ12がオンの場合、電圧変換後の電力を補助電源回路10へ出力する。第2電源回路9は、例えば第1電源回路8から入力した電力の電圧を変換して通信回路4と制御回路5に出力する。
【0018】
補助電源回路10は、充電機能を有する回路で構成されており、第1電源回路8から入力した電力を充電し、充電した電力を通信回路4と制御回路5に出力するよう機能する。補助電源回路10は、例えばニッケル・カドミウム電池などの二次電池(電源)を用いており、第1電源回路8から第2スイッチ12を介して入力した電力を二次電池に充電する。補助電源回路10は、第1スイッチ11がオンになると、二次電池に充電された電力を第2電源回路9と同じ電圧に変換して、第1スイッチ11を介して通信回路4と制御回路5に出力する。
【0019】
第1スイッチ11は、制御回路5からの制御信号に基づき、補助電源回路10と通信回路4および制御回路5との間を電気的にオン(接続)またはオフ(切断)することで、補助電源回路10からの電力出力をオン/オフするよう機能する。
【0020】
第2スイッチ12は、制御回路5からの制御信号に基づき、第1電源回路8と補助電源回路10との間を電気的にオン(接続)またはオフ(切断)することで、補助電源回路10が有する二次電池への充電をオン/オフするよう機能する。
【0021】
ダイオード13,14は電力の逆流を防止するよう機能する。ダイオード13は、補助電源回路10と、通信回路4および制御回路5との間に配置されており、補助電源回路10への電力の逆流を防止する。ダイオード14は、第2電源回路9と、通信回路4および制御回路5との間に配置されており、第2電源回路9への電流の逆流を防止する。
【0022】
次に、実施の形態1における受電装置2の動作について説明する。
ここでは、受電装置2がIEEE802.3af規格に基づく構成であり、使用電力制限回路7に予め設定された電力値および制御回路5に予め設定された電力値が12Wであるものとして説明する。なお、受電装置2は、IEEE802.3at規格や他の規格に基づく構成であってもよく、その場合、各規格に沿って電力値が予め設定され使用電力制限回路7と制御回路5に記憶される。
【0023】
受電装置2は、通信ケーブル1aを介して給電装置1と電気的に接続されると、既知の技術によりIEEE802.3af規格に準拠した構成であることが給電装置1に認識され、給電装置1から電力が供給される。このとき、受電装置2の使用電力制限回路7は、給電装置から供給される電力が予め設定された電力値12W以下になるよう制限している。
【0024】
受電回路6は、通信コネクタ3を介して給電装置1からの電力を受けると、使用電力制限回路7を経由させて第1電源回路8へ出力する。第1電源回路8は、使用電力制限回路7を介して受電回路6からの電力を入力すると、例えば電力の電圧48Vを12Vに変換して第2電源回路9へ出力する。第2電源回路9は、第1電源回路8から電力を入力すると、例えば電力の電圧12Vを1.2Vに変換して通信回路4と制御回路5へ出力する。
【0025】
通信回路4は、第2電源回路9から電力を入力すると、通信コネクタ3を介して給電装置1側と通信データを送受信し、データ通信を開始する。
制御回路5は、使用電力制限回路7を介して与えられる電力の最大電力値を超える負荷条件の判断基準(閾値)として、規程のフレーム長、または規定の伝送速度を予め記憶し、この閾値(第1の閾値)を超えるフレーム長(状態値)、または伝送速度(状態値)の通信状態となる場合に最大電力値を超えると判断して第1スイッチをオン、第2スイッチをオフと制御し、この閾値以下のフレーム長、または伝送速度の通信状態の場合は最大電力値以内と判断して第1スイッチをオフ、第2スイッチをオフと制御する。また、制御回路5は、第1の閾値より使用電力が低いフレーム長、または伝送速度を予め記憶し、この閾値(第2の閾値)以下のフレーム長、または伝送速度の通信状態となる場合に第2スイッチをオンと制御する。
【0026】
制御回路5において最大電力値を超えると判断された場合、第1スイッチ11は、制御回路5によりスイッチオンと制御され、補助電源回路10と、通信回路4および制御回路5との間を電気的に接続状態にする。第2スイッチ12は、制御回路5によりスイッチオフと制御され、第1電源回路8と補助電源回路10との間を電気的に切断状態にする。補助電源回路10は、通信回路4および制御回路5と電気的に接続されると、電圧を1.2Vに変換して、第1スイッチ11を介して通信回路4と制御回路5へ電力を出力する。
【0027】
一方、制御回路5において最大電力値以内と判断された場合、第1スイッチ11は、制御回路5によりスイッチオフと制御され、補助電源回路10と、通信回路4および制御回路5との間を電気的に切断状態にする。
さらに、制御回路5において第2の閾値以下のフレーム長、または伝送速度の通信状態であると判断された場合、第2スイッチ12は、制御回路5によりスイッチオンと制御され、第1電源回路8と補助電源回路10との間を電気的に接続状態にする。補助電源回路10は、第1電源回路8から第2スイッチ12を介して電力を入力すると、二次電池に電力を充電する。この場合、第1スイッチ11はオフのままである。
【0028】
このとき、受電装置2の使用電力が14Wである場合、給電装置1から供給される電力供給は使用電力制限回路7により12Wに制限され、使用する電力14Wに対して2W不足するが、上述した制御回路5の制御により補助電源回路10の二次電池から2Wの電力が通信回路4と制御回路5へ供給されることで、合計電力が14Wとなり動作可能になる。
【0029】
以上のように、実施の形態1によれば、単一の通信ケーブル1aを介してデータ通信と電力供給を行う電力供給システムを用いて、電力供給システムにおける給電装置1から通信データと電力供給を受ける受電装置2は、給電装置1から供給される電力を予め設定された電力値以下に制限する使用電力制限回路7と、使用電力制限回路7が入力した電力の電圧を、受電装置2の通信回路4と制御回路5を動作させる電圧に変換する電源回路(第1電源回路8、第2電源回路9)と、二次電池を用いて充電機能を有し、第1電源回路8から入力した電力を充電し、充電した電力を通信回路4および制御回路5へ出力する補助電源回路10と、補助電源回路10と通信回路4および制御回路5との間を電気的に接続または切断して、補助電源回路10からの電力出力をオン/オフする第1スイッチ11と、第1電源回路8と補助電源回路10との間を電気的に接続または切断して、補助電源回路10への電力入力をオン/オフする第2スイッチ12と、受電装置2における使用電力が使用電力制限回路7を介して与えられる電力値と略等しくなる通信状態を示す第1の閾値を予め記憶しており、受電装置2の通信状態を監視し、受電装置2の通信状態を示す状態値が第1の閾値を超える場合に受電装置2の使用電力が使用電力制限回路7を介して与えられる電力値の範囲を超えると判定し、第1スイッチ11をオンするとともに第2スイッチをオフして補助電源回路10から電力供給を行うよう制御する制御回路5とを備えるよう構成したので、使用電力制限回路7により給電装置1から供給される電力値を設定値以下に制限することができ、また、補助電源回路10により設定値を超えた分の電力を供給することができる。その結果、受電装置2は、使用電力が設定値を超える場合においても給電装置1からの電力と補助電源回路10からの電力を用いて電力が不足することなく動作することができる。
また、受電装置2は、二次電池を備え二次電池を充電する機能を有する補助電源回路10と、第1の閾値より低い第2の閾値を予め記憶し、自装置の通信状態を示す状態値が第2の閾値以下の場合に、補助電源回路10が使用電力制限回路7を介して与えられる電力により二次電池の充電を行うよう制御する制御回路5とを備えるよう構成したので、受電装置2は給電装置1との通信を行いながら充電を行うことができる。
【0030】
実施の形態2.
実施の形態1においては、補助電源回路10の二次電池に、充電する構成について説明した。実施の形態2は、二次電池の電圧が低下したことを報知する構成について説明する。
【0031】
図2は、実施の形態2における受電装置2の構成を示す図である。実施の形態2の受電装置2は、実施の形態1の受電装置2の構成に報知手段としてのLED(Light Emitting Diode)15を加えた構成であり、実施の形態2において、実施の形態1の構成と同様の機能を有する構成については詳細な説明を省略する。
【0032】
受電装置2は、図2に示すように、通信コネクタ3、通信回路4、制御回路5、受電回路6、使用電力制限回路7、第1電源回路8、第2電源回路9、補助電源回路10、第1スイッチ11、第2スイッチ12、第1ダイオード13、第2ダイオード14、LED(報知手段)15で構成されている。
【0033】
ここで、LED15以外の構成は実施の形態1における構成と同じであるため、LED15以外の構成については詳細な説明を省略する。
LED15は、二次電池の残存容量の低下を報知する報知手段として機能する。LED15は、入力側のアノード15aが第1電源回路8の出力側と電気的に接続され、出力側のカソード15bが補助電源回路10と電気的に接続されている。
【0034】
次に実施の形態2における受電装置2の動作について説明する。ここでは、LED15が発光するための動作を説明し、実施の形態1における受電装置2と同じ動作についての説明は省略する。
補助電源回路10は、二次電池の電圧を監視し、二次電池の電圧値が予め設定された電圧値以下に低下した場合、二次電池の残存容量が少なく充電が必要であると判定し、LED15のカソード15b側の電圧を低下させる(LOW電位にさせる)。
LED15は、補助電源回路10によりカソード15b側の電圧が低下すると、第1電源回路8により電圧が付加されたアノード15a側との電位差により電流が流れて発光する。
【0035】
以上のように、実施の形態2によれば実施の形態1の効果に加え、受電装置2は、補助電源回路10の二次電池の電圧値に基づき、補助電源回路10の二次電池の残存容量の低下を報知する報知手段としてのLED15と、二次電池の電圧を検知し、二次電池の電圧値が所定の値以下に低下した場合、LED15のカソード15b側の電圧を低下させる補助電源回路10とを備えるよう構成したので、二次電池の残存容量が少なくなった場合にLED15が発光するため、ユーザに二次電池の充電を促すことができる。
【0036】
実施の形態3.
実施の形態1,2においては、受電装置2内で使用する電力のみを給電装置1から入力する構成について説明した。実施の形態3は、さらに受電装置2が外部機器へ電力を供給する構成について説明する。
【0037】
図3は、実施の形態3における受電装置2の構成を示す図である。実施の形態3の受電装置2は、実施の形態2の受電装置2の構成に加えて、外部の付属装置17と電気的に接続するための電源コネクタ16を加えた構成である。実施の形態3において、実施の形態2の構成と同様の機能を有する構成については詳細な説明を省略する。
【0038】
受電装置2は、図3に示すように、通信コネクタ3、通信回路4、制御回路5a、受電回路6、使用電力制限回路7、第1電源回路8、第2電源回路9、補助電源回路10、第1スイッチ11、第2スイッチ12、第1ダイオード13、第2ダイオード14、LED(報知手段)15、電源コネクタ16で構成されている。
【0039】
ここで、電源コネクタ16と制御回路5a以外は実施の形態2における構成と同じであるため、電源コネクタ16と制御回路5a以外の構成については説明を省略する。
電源コネクタ16は、外部の付属装置17と図示しない電力供給ケーブルを介して電気的に接続するための受け口を有するコネクタである。なお、電源コネクタ16に接続される付属装置17は、受電装置2の設計段階で決められており、その使用電力も予め設定されている。
【0040】
制御回路5aは、実施の形態2の制御回路5の機能に加え、電源コネクタ16に付属装置17が接続されて電源コネクタ16から付属装置17へ電力供給する際、無条件に第1スイッチ11を接続状態にして補助電源回路10の電力出力をオン状態とするよう機能する。
【0041】
次に、実施の形態3における受電装置2の動作について説明する。ここでは、受電装置2から付属装置17へ電力を供給する際の動作を説明し、実施の形態2における受電装置2と同じ動作についての説明は省略する。なお、ここでは、例えば受電装置2の使用電力と付属装置17の使用電力を足し合わせた使用電力が14Wであるものとして説明する。
【0042】
制御回路5aは、電源コネクタ16の状態を監視しており、電源コネクタ16と付属装置17が図示しないケーブルを介して電気的に接続されたことを検知すると、付属装置17へ電力供給が開始されて受電装置2の使用電力と付属装置17の使用電力を合わせた使用電力値14Wが予め設定された電力値12Wを超えたと判断する。以降の動作は、上述した実施の形態2における受電装置2の使用電力が電力値を超えた場合の動作と同様であるため説明を省略する。
【0043】
なお、実施の形態3では、実施の形態2の受電装置2の構成に電源コネクタ16を加えた構成を説明したが、実施の形態1の受電装置2の構成に電源コネクタ16を加えた構成であってもよい。
【0044】
以上のように、実施の形態3によれば、受電装置2は、外部の付属装置17と電気的に接続するための電源コネクタ16と、電源コネクタ16の状態を監視しており、付属装置17と電源コネクタ16が電気的に接続されたことを検知した場合、電源コネクタ16を介して付属装置17に電力供給されると判断し、第1スイッチ11を無条件にオン状態にして補助電源回路10から電力供給を行うよう制御する制御回路5aとを備えるよう構成したので、受電装置2の使用電力と付属装置17の使用電力を合わせた使用電力が予め設定された電力値を超える場合でも、給電装置1から供給される電力と補助電源回路10からの電力を用いることができる。その結果、給電装置1から受電装置2を介して外部機器へ電力を供給することができるという効果が得られる。
【0045】
なお、実施の形態1から実施の形態3における受電装置2は、IEEE802.3afで規定された規格に基づく通信ケーブル1aを介して給電装置1から給電される構成として説明したが、IEEE802.3at規格や他の規格に基づく通信ケーブル1aを介して給電装置1から給電される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 給電装置、1a 通信ケーブル、2 受電装置、3 通信コネクタ、4 通信回路、5 制御回路、6 受電回路、7 使用電力制限回路、8 第1電源回路、9 第2電源回路、10 補助電源回路、11 第1スイッチ、12 第2スイッチ、13 第1ダイオード、14 第2ダイオード、15 LED(報知手段)、16 電源コネクタ、17 付属装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ケーブルを介して給電装置から通信データと電力供給を受ける受電装置において、
前記給電装置から入力する電力を予め設定された電力値以下に制限する使用電力制限回路と、
自装置に電力供給可能な補助電源回路と、
自装置における使用電力が前記使用電力制限回路を介して与えられる電力値の範囲内であるか否かを判定し、前記使用電力が前記範囲を超えると判定した場合に、前記補助電源回路から自装置に対して電力供給を行うよう制御する制御回路と
を備えたことを特徴とする受電装置。
【請求項2】
前記制御回路は、自装置における使用電力が前記使用電力制限回路を介して与えられる電力値と略等しくなる通信状態を示す第1の閾値を予め記憶し、自装置の通信状態を示す状態値が前記第1の閾値を超える場合に、前記使用電力が前記範囲を超えると判定することを特徴とする請求項1記載の受電装置。
【請求項3】
前記補助電源回路は二次電池を備え、この二次電池を充電する機能を有し、
前記制御回路は、前記第1の閾値より低い第2の閾値を予め記憶し、自装置の通信状態を示す状態値が前記第2の閾値以下の場合に、前記補助電源回路が前記使用電力制限回路を介して与えられる電力により前記二次電池の充電を行うよう制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載の受電装置。
【請求項4】
前記二次電池の残存容量の低下を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の受電装置。
【請求項5】
外部装置と電気的に接続して電力供給するための電源コネクタを備え、
前記制御回路は、前記電源コネクタを介して前記外部装置に電力供給する場合に、前記補助電源回路から自装置に対して電力供給を行うよう制御することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の受電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−16082(P2012−16082A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147716(P2010−147716)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】