口栓及びこれを備えた容器
【課題】未開封状態において優れたガスバリア性を持たせることが容易でありながら、簡単かつ確実に開封を行える口栓及びこれを備えた容器を提供すること。
【解決手段】容器本体2に接合される本体部7と、前記本体部7に連設された保持部8によって、前記本体部7または前記容器本体2の口部2aに設けられ前記容器本体2を封止する封止材5を突き破らない位置に保持され、前記容器本体2の内側に向かう押圧Pを受けると前記保持部8の変形を伴って移動し前記封止材5を突き破る突き破り部6とを備えた。
【解決手段】容器本体2に接合される本体部7と、前記本体部7に連設された保持部8によって、前記本体部7または前記容器本体2の口部2aに設けられ前記容器本体2を封止する封止材5を突き破らない位置に保持され、前記容器本体2の内側に向かう押圧Pを受けると前記保持部8の変形を伴って移動し前記封止材5を突き破る突き破り部6とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ゼリー状飲料、乳飲料、アルコール飲料、清涼飲料、栄養剤、アイスクリーム等の乳製品、練り製品、味噌等の食品調味料、流動食、粉体状や顆粒状の食品、洗剤等のトイレタリー用品などの収容に使用可能な口栓付き容器の口栓及びこれを備えた容器に関する。
【背景技術】
【0002】
開封前の口栓付き容器のガスバリア性が高ければ、内容物の保存状態が良好となり、例えば内容物が酸素を嫌う場合でも、容器外部からの酸素の侵入による品質劣化や変色を長期にわたって防止することができる。そして、このような観点から、近年では口栓のガスバリア性の問題がクローズアップされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−82826号公報
【特許文献2】特開2007−55620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
すなわち、口栓付き容器は容器本体と口栓とを備え、容器本体については、例えばガスバリア層(アルミニウム箔やガスバリアフィルム)を有するラミネートフィルムを用いて成形することによりガスバリア性を持たせる、というようなことが既に行われている。これに対して、従来の口栓の殆どは、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂からなり、そのガスバリア性が不十分である。
【0005】
そこで、ガスバリア性を有する封止材を口栓の開口部に溶着し、開封時に封止材を剥がすようにすることが考えられるが、この場合、封止材を剥がす手間が掛かり、溶着状態によっては封止材がうまく剥がれない恐れがある。さらには、封止材を剥がす際にその封止材で手指を切ったり、封止材を剥がしたときの反動により容器の中身をこぼしたりすることも考えられ、剥がした後の封止材がごみにもなる。
【0006】
また、開封時に封止材を剥がすのではなく、別部材を用いて、口栓内部に溶着された封止材に貫通孔を設けたり突き破るようにした場合(特許文献1、2参照)でも、開封に手間が掛かる点は改善されない。
【0007】
本発明は上述の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、未開封状態において優れたガスバリア性を持たせることが容易でありながら、簡単かつ確実に開封を行える口栓及びこれを備えた容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る口栓は、
容器本体に接合される本体部と、
前記本体部に連設された保持部によって、前記本体部または前記容器本体の口部に設けられ前記容器本体を封止する封止材を突き破らない位置に保持され、前記容器本体の内側に向かう押圧を受けると前記保持部の変形を伴って移動し前記封止材を突き破る突き破り部とを備えた(請求項1)。
【0009】
前記口栓において、前記突き破り部は前記保持部によって前記本体部内に挿入された状態で保持され、前記容器本体の内側に向かう押圧を受けて移動する前の前記突き破り部において前記押圧を受ける部分は、前記本体部の外側に突出していてもよい(請求項2)。
【0010】
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る容器は、請求項1または2に記載の口栓を備えた(請求項3)。
【0011】
上記容器において、容器本体がガスバリア性を有する積層材料からなり、前記封止材がガスバリア性を有するフィルムからなっていてもよい(請求項4)。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜4に係る発明では、未開封状態において優れたガスバリア性を持たせることが容易でありながら、簡単かつ確実に開封を行える口栓及びこれを備えた容器が得られる。
【0013】
すなわち、請求項1〜4に係る発明では、突き破り部を押圧して封止材を突き破るという簡単な操作によって開封を確実に行うことができる。
【0014】
そして、請求項2に係る発明では、突き破り部において本体部の外側に突出している部分を押圧すれば良く、その押圧操作が行い易くなる。
【0015】
さらに、請求項4に係る発明では、容器本体と封止材とにそれぞれガスバリア性を持たせ、封止材によって容器本体を密閉するようにするというシンプルな構成によって未開封状態の容器に高いガスバリア性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係る口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図2】前記口栓の突き破り部の構成を概略的に示す底面図である。
【図3】前記口栓の本体部の内部の構成を概略的に示す平面図である。
【図4】封止材が突き破られた状態の前記口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図5】上記実施の形態の変形例を概略的に示す縦断面図である。
【図6】上記実施の形態の他の変形例を概略的に示す縦断面図である。
【図7】上記実施の形態のさらに他の変形例を概略的に示す縦断面図である。
【図8】上記実施の形態の別の変形例を概略的に示す縦断面図である。
【図9】上記実施の形態のさらに別の変形例を概略的に示す縦断面図である。
【図10】図9に示す口栓の本体部の内部の構成を概略的に示す平面図である。
【図11】封止材が突き破られた状態の図9の口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図12】(A)及び(B)は上記実施の形態の注出口部の変形例を概略的に示す横断端面図及び縦断面図である。
【図13】(A)及び(B)は上記実施の形態の注出口部の他の変形例を概略的に示す横断端面図及び縦断面図である。
【図14】(A)は上記各変形例とは異なる上記実施の形態の変形例に係る口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図、(B)はキャップを取った状態の前記口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図、(C)は封止材が突き破られた状態の前記口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図15】(A)は図14(A)〜(C)に示す変形例を更に変形した口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図、(B)はキャップを開けた状態の前記口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図、(C)は封止材が突き破られた状態の前記口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ここで、図1〜図4に本発明の一実施の形態に係る口栓付き容器の構成を概略的に示してある。
【0018】
図1に示す本例の口栓付き容器(以下、「容器」と略記する)1はパウチ容器であり、容器本体(パウチ本体)2と、この容器本体2にその上方から接合(装着)されるスパウト3と、このスパウト3に着脱自在に設けられたキャップ4とを備え、スパウト3とキャップ4とで口栓を構成している。尚、図1において、矢印Sは容器本体2に対するスパウト3の装着方向を示している。
【0019】
容器本体2は、ガスバリア性を有する積層材料からなり、本例では、基材層をなすフィルム、シーラント層をなすフィルム、ガスバリア層をなすフィルム等のフィルムを積層したラミネートフィルムを用いて袋状に成形されている。ここで、図1及び図4において斜線で示す部分は、容器本体2を構成する前面フィルム体と後面フィルム体とのシール部分であり、このシール部分は例えばヒートシールによって形成されている。また、図1及び図4には容器本体2の下部を図示していないが、容器本体2の下部は前後幅をある程度有し、容器1は側面視略三角形状のスタンディングパウチとなるように構成されている。尚、容器1の内容物(収容対象)等に応じて、ラミネートフィルムの各層の構成やそれらの組合わせについての変更は適宜に行えばよい。
【0020】
スパウト3は、図1に示す状態、すなわち封止材5が突き破り部6によって突き破られていない状態では、容器本体2内の内容物を注出することができず、図4に示す状態、すなわち矢印Pで示す方向に押圧された突き破り部6が封止材5を突き破った状態になると上記注出が可能となるように構成されている。
【0021】
ここで、封止材5はガスバリア性を有するフィルム(例えば金属製フィルム)からなり、本例の封止材5はアルミニウム箔からなる。尚、スパウト3において封止材5を除いた他の部分は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体成形されている。
【0022】
また、突き破り部6は、図1及び図4に示すように、上部と下部とで構造が異なり、上部は、上端が閉塞された筒状(本例では円筒状)を呈し、下部は、下端側に向けて細くなる複数(本例では三つ)の爪が形成されるように筒体(本例では円筒体)を切り欠いた形状を呈する(図2も参照)。突き破り部6の下部をこのような形状にしたことにより、封止材5を突き破った状態の突き破り部6が封止材5の破断した部分を閉塞することが防止され、従って、容器本体2内の内容物の注出が阻害されない。
【0023】
そして、封止材5は口栓(スパウト3)の略筒状の本体部7内の所定位置に設けられ、突き破り部6は、所定位置にある封止材5を突き破らない位置から突き破る位置に移動可能となるように、ブリッジ状に形成された複数(本例では四つ)の保持部8を介して本体部7の内側に連設されている(図1、図3及び図4参照)。
【0024】
詳述すると、図1及び図4に示すように、本体部7の基端(下端)には略円筒状の大径部分9が設けられ、この大径部分9の上側には環状段部分10を介して略円筒状の小径部分11が連設されている。そして、環状段部分10に封止材5の周縁部分が溶着(熱溶着または超音波溶着)されて、薄膜状の封止材5が張設される。
【0025】
また、図1及び図4に示すように、突き破り部6は、本体部7内に挿入された状態で、本体部7に連設された保持部8によって封止材5よりも本体部7の先端(上端)側の位置(すなわち封止材5を突き破らない位置)に保持され、本体部7の基端(下端)側(すなわち容器本体2の内側)に向かう矢印P方向の押圧を受けると保持部8の変形を伴って移動し、封止材5を突き破るように構成されている。そして、移動した後の突き破り部6は、変形した保持部8によってその位置(図4に示す位置)に保持される。
【0026】
本体部7は、図1に示すように、容器本体2内にその上方から挿入され、容器本体2に対して接合される。本例では、本体部7の外周面において大径部分9の外側から小径部分11の外側に相当する部分が容器本体2に溶着(熱溶着または超音波溶着)される。
【0027】
一方、上述の構成を有するスパウト3には、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体成形されたキャップ4が装着される(図1参照)。このキャップ4は、略円筒状の側壁12の下側に破断可能な複数のブリッジ13を介してタンパーエビデンスバンド14が連設されたピルファープルーフキャップであり、スパウト3からの最初の螺脱時にブリッジ13が破断し、タンパーエビデンスバンド14のみが本体部7の外周に設けられた環状突起15に係止して残留するように構成されている。尚、図4において、環状突起15に係止して残留したタンパーエビデンスバンド14の図示は省略してある。
【0028】
ここで、図1に示すように、本体部7には雄ねじ16が設けられ、キャップ4にはこの雄ねじ16に螺着する雌ねじ17が設けられている。また、図1に示すように、キャップ4には、天壁18の下面から垂下して本体部7の先端(上端)内側に密嵌する筒状の垂下壁19が設けられている。尚、スパウト3に対するキャップ4の装着は、容器本体2に対するスパウト3の接合より先に行ってもよいし、後に行ってもよい。
【0029】
次に、開封前の状態(未開封状態)の容器1を開封して内容物の注出するまでの手順等について説明する。
【0030】
開封前の状態の容器1は、容器本体2と封止材5とによって高いガスバリア性を有しており、また、封止材5は容器本体2を密封しているので、封止材5が破断しない限り、容器本体2内の内容物は本体部7を通り抜けることがない。さらに、開封前の状態では、封止材5と容器本体2とによる密封に加えて、スパウト3とキャップ4とによっても容器1の密封性が保持されている。
【0031】
そして、容器1を開封するには、先ず、キャップ4をスパウト3から螺脱させ、突き破り部6において図1に示すように本体部7よりも上方(外側)に突出した部分(ブレイクボス)を下方(図4において矢印Pで示す方向)に押圧すればよい。これにより、突き破り部6が封止材5を突き破り、容器本体2内の内容物の注出が可能な状態となる。尚、このときの突き破り部6は図3に示すように本体部7内に没入している。
【0032】
ここで、容器本体2内の内容物は、突き破り部6によって突き破られた封止材9の破断箇所を経た後、本体部7と突き破り部6との間を通り、そのまま保持部8を避けて進んだ後、本体部7の先端(上端)側の開口から注出されることになる。すなわち、本例では本体部7の先端(上端)側の開口が注出口部となっている。
【0033】
上述の説明から明らかなように、本例の口栓及び容器1では、容器本体2と封止材5とにそれぞれガスバリア性を持たせるというシンプルな構成によって未開封状態の容器1に高いガスバリア性を持たせることができ、しかも、突き破り部6を押圧して封止材5を突き破るという簡単な操作によって開封を確実に行うことができる。
【0034】
さらに、本例の口栓及び容器1では、封止材5を突き破る前の突き破り部6は本体部7の上端から突出し、封止材5を突き破った後の突き破り部6は本体部7内に没入しているので、キャップ4を外した状態にするだけで容器1が開封されているか否かをすぐに判別することが可能となっている。
【0035】
しかも、従来の口栓付き容器では、レトルト(加圧加熱殺菌)対応が可能となる高温下における高い密封性能を合成樹脂製のキャップとスパウトに持たせるのは困難であり、無理に密封性を確保しようとしてキャップとスパウトの密封部の締め代をきつくすると開栓に必要な力が大きくなり支障が生じる恐れがあったが、本例の口栓及び容器1では、金属製(アルミニウム製)の封止材5による容器本体2の密封を、キャップ4とスパウト3とによる密封に加えて行い、この二重の密封によって、レトルト対応が可能でありながら、スパウト3の本体部7とキャップ4の垂下壁19との締め代を適度にすることで開栓を困難無く行え、しかも、封止材5の突き破り後のリシール(再密封)も可能で、例えば容器1を使い切りとせずに開封後の保存を行う場合にも対応することができる。
【0036】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
【0037】
上記実施の形態では、容器1にガスバリア性を持たせるようにしているが、この機能に加えて、あるいはこの機能に代えて、他の機能を容器1に持たせてもよい。例えば、容器本体2、封止材5をそれぞれUVカット機能を持たせるように構成すれば、容器1にUVカット機能を持たせることができる。
【0038】
上記実施の形態では本体部7内に設けられている封止材5を、本体部7の基端(下端)に設けるようにしてもよい。
【0039】
上記実施の形態の容器1は、容器本体2の肩部がシールされて平面状になっている一般的なパウチ容器であったが、これに限らず、例えば、図5に示すように、容器本体2の肩部が円筒状となっていてもよい。ここで、図5に示す例では、本体部7の基端(下端)にフランジ部分7aが設けられている。
【0040】
また、図6、図7に示すように、容器1が、容器本体2の上部が円筒状であるチューブ(チューブ状容器)であってもよく、この場合、図6に示すように、本体部7の大径部分9が容器本体2の上部内側に嵌まり込むように構成されていてもよいし、図7に示すように、大径部分9の外周部に環状の溝9aを設け、この溝9aに容器本体2の上部を嵌め込むようにしてもよい。
【0041】
また、図8に示すように、容器1がラミネート紙パック容器であり、容器本体2がほぼ直方体形状をしていてもよい。この場合、上記実施の形態における大径部分9及び環状段部分10に代えて、本体部7の基端(下端)にフランジ7bを設け、このフランジ7bの下面側に封止材5を張設し、フランジ7bの上面とこのフランジ7bの上側に連なる部分とを容器本体2に溶着すればよい。
【0042】
尚、図8に示す例のみでなく、図5〜図7に示す例においても、容器本体2とスパウト3(本体部7)とが溶着されることはいうまでもない。
【0043】
上記実施の形態では、保持部8がブリッジ状に形成され、突き破り部6が移動して封止材5を突き破った後は、保持部8は突き破り部6をその位置に保持するように構成されていたが、図9〜図11に示すように、保持部8をばね状に形成し、突き破り部6が封止材5を突き破らない位置から移動して封止材5を突き破った後、保持部8の弾性復元力により、突き破り部6が元の位置(封止材5を突き破らない位置)に戻るように構成してもよい。
【0044】
上記実施の形態では、本体部7の先端(上端)側の開口を注出口部としているが、これに限らず、例えば、図12(A)及び(B)に示すように、突き破り部6の上端壁6a(図4参照)に開口Mを設けてこれを注出口部としてもよく、図13(A)及び(B)に示すように、突き破り部6の上部側壁6b(図4参照)に開口N(図示例では四つの開口N)を設けてこれを注出口部としてもよく、本体部7における封止材5よりも先端(上端)側の部分に開口を設けてこれを注出口部としてもよく、保持部8をブリッジ状に形成するのではなく突き破り部6と本体部7の間を閉塞する形態をとるように(例えば膜状に)形成し、その一部に開口を設けてこれを注出口部としてもよい。そして、例えば、突き破り部6の上端壁6aに開口を設けてこれを注出口部とする場合、上記実施の形態における本体部7の先端(上端)側の開口も同時に注出口部として用いるようにしてもよいし、保持部8をブリッジ状に形成するのではなく突き破り部6と本体部7の間を閉塞する形態をとるように形成し、上端壁6aに設けた開口のみを注出口部とする等、種々の変形が可能である。
【0045】
上記の実施の形態では、封止材5は本体部7に設けられているが、図14(A)〜(C)に示すように、封止材5を容器本体2の口部2aに設けてあってもよく、この場合、封止材5の周縁部分を溶着するための環状段部分10を本体部7に設ける必要はない。ここで、図14(A)〜(C)に示す容器本体2は広口のガラス瓶であり、口部2aに対して本体部7が外嵌され、口部2aの外周面に設けられた環状凸部2bによって本体部7の抜け止めが図られている。
【0046】
キャップ4の構成も種々に変更可能であり、例えば、キャップ4を、図15(A)〜(C)に示すように、スパウト3にヒンジHを介して連設され、スパウト3とワンピース構造をなすヒンジキャップとしてもよい。ここで、図15(A)〜(C)に示すキャップ4の垂下壁19は本体部7の先端(上端)外側に密嵌し、閉じた状態のキャップ4(図15(A)参照)は、垂下壁19の内周面に設けられた環状凸部19aによって本体部7に係止するように構成されている。
【0047】
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0048】
1 容器
2 容器本体
3 スパウト
4 キャップ
5 封止材
6 突き破り部
7 本体部
8 保持部
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ゼリー状飲料、乳飲料、アルコール飲料、清涼飲料、栄養剤、アイスクリーム等の乳製品、練り製品、味噌等の食品調味料、流動食、粉体状や顆粒状の食品、洗剤等のトイレタリー用品などの収容に使用可能な口栓付き容器の口栓及びこれを備えた容器に関する。
【背景技術】
【0002】
開封前の口栓付き容器のガスバリア性が高ければ、内容物の保存状態が良好となり、例えば内容物が酸素を嫌う場合でも、容器外部からの酸素の侵入による品質劣化や変色を長期にわたって防止することができる。そして、このような観点から、近年では口栓のガスバリア性の問題がクローズアップされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−82826号公報
【特許文献2】特開2007−55620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
すなわち、口栓付き容器は容器本体と口栓とを備え、容器本体については、例えばガスバリア層(アルミニウム箔やガスバリアフィルム)を有するラミネートフィルムを用いて成形することによりガスバリア性を持たせる、というようなことが既に行われている。これに対して、従来の口栓の殆どは、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂からなり、そのガスバリア性が不十分である。
【0005】
そこで、ガスバリア性を有する封止材を口栓の開口部に溶着し、開封時に封止材を剥がすようにすることが考えられるが、この場合、封止材を剥がす手間が掛かり、溶着状態によっては封止材がうまく剥がれない恐れがある。さらには、封止材を剥がす際にその封止材で手指を切ったり、封止材を剥がしたときの反動により容器の中身をこぼしたりすることも考えられ、剥がした後の封止材がごみにもなる。
【0006】
また、開封時に封止材を剥がすのではなく、別部材を用いて、口栓内部に溶着された封止材に貫通孔を設けたり突き破るようにした場合(特許文献1、2参照)でも、開封に手間が掛かる点は改善されない。
【0007】
本発明は上述の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、未開封状態において優れたガスバリア性を持たせることが容易でありながら、簡単かつ確実に開封を行える口栓及びこれを備えた容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る口栓は、
容器本体に接合される本体部と、
前記本体部に連設された保持部によって、前記本体部または前記容器本体の口部に設けられ前記容器本体を封止する封止材を突き破らない位置に保持され、前記容器本体の内側に向かう押圧を受けると前記保持部の変形を伴って移動し前記封止材を突き破る突き破り部とを備えた(請求項1)。
【0009】
前記口栓において、前記突き破り部は前記保持部によって前記本体部内に挿入された状態で保持され、前記容器本体の内側に向かう押圧を受けて移動する前の前記突き破り部において前記押圧を受ける部分は、前記本体部の外側に突出していてもよい(請求項2)。
【0010】
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る容器は、請求項1または2に記載の口栓を備えた(請求項3)。
【0011】
上記容器において、容器本体がガスバリア性を有する積層材料からなり、前記封止材がガスバリア性を有するフィルムからなっていてもよい(請求項4)。
【発明の効果】
【0012】
請求項1〜4に係る発明では、未開封状態において優れたガスバリア性を持たせることが容易でありながら、簡単かつ確実に開封を行える口栓及びこれを備えた容器が得られる。
【0013】
すなわち、請求項1〜4に係る発明では、突き破り部を押圧して封止材を突き破るという簡単な操作によって開封を確実に行うことができる。
【0014】
そして、請求項2に係る発明では、突き破り部において本体部の外側に突出している部分を押圧すれば良く、その押圧操作が行い易くなる。
【0015】
さらに、請求項4に係る発明では、容器本体と封止材とにそれぞれガスバリア性を持たせ、封止材によって容器本体を密閉するようにするというシンプルな構成によって未開封状態の容器に高いガスバリア性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係る口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図2】前記口栓の突き破り部の構成を概略的に示す底面図である。
【図3】前記口栓の本体部の内部の構成を概略的に示す平面図である。
【図4】封止材が突き破られた状態の前記口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図5】上記実施の形態の変形例を概略的に示す縦断面図である。
【図6】上記実施の形態の他の変形例を概略的に示す縦断面図である。
【図7】上記実施の形態のさらに他の変形例を概略的に示す縦断面図である。
【図8】上記実施の形態の別の変形例を概略的に示す縦断面図である。
【図9】上記実施の形態のさらに別の変形例を概略的に示す縦断面図である。
【図10】図9に示す口栓の本体部の内部の構成を概略的に示す平面図である。
【図11】封止材が突き破られた状態の図9の口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図12】(A)及び(B)は上記実施の形態の注出口部の変形例を概略的に示す横断端面図及び縦断面図である。
【図13】(A)及び(B)は上記実施の形態の注出口部の他の変形例を概略的に示す横断端面図及び縦断面図である。
【図14】(A)は上記各変形例とは異なる上記実施の形態の変形例に係る口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図、(B)はキャップを取った状態の前記口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図、(C)は封止材が突き破られた状態の前記口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図15】(A)は図14(A)〜(C)に示す変形例を更に変形した口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図、(B)はキャップを開けた状態の前記口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図、(C)は封止材が突き破られた状態の前記口栓及び容器の構成を概略的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ここで、図1〜図4に本発明の一実施の形態に係る口栓付き容器の構成を概略的に示してある。
【0018】
図1に示す本例の口栓付き容器(以下、「容器」と略記する)1はパウチ容器であり、容器本体(パウチ本体)2と、この容器本体2にその上方から接合(装着)されるスパウト3と、このスパウト3に着脱自在に設けられたキャップ4とを備え、スパウト3とキャップ4とで口栓を構成している。尚、図1において、矢印Sは容器本体2に対するスパウト3の装着方向を示している。
【0019】
容器本体2は、ガスバリア性を有する積層材料からなり、本例では、基材層をなすフィルム、シーラント層をなすフィルム、ガスバリア層をなすフィルム等のフィルムを積層したラミネートフィルムを用いて袋状に成形されている。ここで、図1及び図4において斜線で示す部分は、容器本体2を構成する前面フィルム体と後面フィルム体とのシール部分であり、このシール部分は例えばヒートシールによって形成されている。また、図1及び図4には容器本体2の下部を図示していないが、容器本体2の下部は前後幅をある程度有し、容器1は側面視略三角形状のスタンディングパウチとなるように構成されている。尚、容器1の内容物(収容対象)等に応じて、ラミネートフィルムの各層の構成やそれらの組合わせについての変更は適宜に行えばよい。
【0020】
スパウト3は、図1に示す状態、すなわち封止材5が突き破り部6によって突き破られていない状態では、容器本体2内の内容物を注出することができず、図4に示す状態、すなわち矢印Pで示す方向に押圧された突き破り部6が封止材5を突き破った状態になると上記注出が可能となるように構成されている。
【0021】
ここで、封止材5はガスバリア性を有するフィルム(例えば金属製フィルム)からなり、本例の封止材5はアルミニウム箔からなる。尚、スパウト3において封止材5を除いた他の部分は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体成形されている。
【0022】
また、突き破り部6は、図1及び図4に示すように、上部と下部とで構造が異なり、上部は、上端が閉塞された筒状(本例では円筒状)を呈し、下部は、下端側に向けて細くなる複数(本例では三つ)の爪が形成されるように筒体(本例では円筒体)を切り欠いた形状を呈する(図2も参照)。突き破り部6の下部をこのような形状にしたことにより、封止材5を突き破った状態の突き破り部6が封止材5の破断した部分を閉塞することが防止され、従って、容器本体2内の内容物の注出が阻害されない。
【0023】
そして、封止材5は口栓(スパウト3)の略筒状の本体部7内の所定位置に設けられ、突き破り部6は、所定位置にある封止材5を突き破らない位置から突き破る位置に移動可能となるように、ブリッジ状に形成された複数(本例では四つ)の保持部8を介して本体部7の内側に連設されている(図1、図3及び図4参照)。
【0024】
詳述すると、図1及び図4に示すように、本体部7の基端(下端)には略円筒状の大径部分9が設けられ、この大径部分9の上側には環状段部分10を介して略円筒状の小径部分11が連設されている。そして、環状段部分10に封止材5の周縁部分が溶着(熱溶着または超音波溶着)されて、薄膜状の封止材5が張設される。
【0025】
また、図1及び図4に示すように、突き破り部6は、本体部7内に挿入された状態で、本体部7に連設された保持部8によって封止材5よりも本体部7の先端(上端)側の位置(すなわち封止材5を突き破らない位置)に保持され、本体部7の基端(下端)側(すなわち容器本体2の内側)に向かう矢印P方向の押圧を受けると保持部8の変形を伴って移動し、封止材5を突き破るように構成されている。そして、移動した後の突き破り部6は、変形した保持部8によってその位置(図4に示す位置)に保持される。
【0026】
本体部7は、図1に示すように、容器本体2内にその上方から挿入され、容器本体2に対して接合される。本例では、本体部7の外周面において大径部分9の外側から小径部分11の外側に相当する部分が容器本体2に溶着(熱溶着または超音波溶着)される。
【0027】
一方、上述の構成を有するスパウト3には、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体成形されたキャップ4が装着される(図1参照)。このキャップ4は、略円筒状の側壁12の下側に破断可能な複数のブリッジ13を介してタンパーエビデンスバンド14が連設されたピルファープルーフキャップであり、スパウト3からの最初の螺脱時にブリッジ13が破断し、タンパーエビデンスバンド14のみが本体部7の外周に設けられた環状突起15に係止して残留するように構成されている。尚、図4において、環状突起15に係止して残留したタンパーエビデンスバンド14の図示は省略してある。
【0028】
ここで、図1に示すように、本体部7には雄ねじ16が設けられ、キャップ4にはこの雄ねじ16に螺着する雌ねじ17が設けられている。また、図1に示すように、キャップ4には、天壁18の下面から垂下して本体部7の先端(上端)内側に密嵌する筒状の垂下壁19が設けられている。尚、スパウト3に対するキャップ4の装着は、容器本体2に対するスパウト3の接合より先に行ってもよいし、後に行ってもよい。
【0029】
次に、開封前の状態(未開封状態)の容器1を開封して内容物の注出するまでの手順等について説明する。
【0030】
開封前の状態の容器1は、容器本体2と封止材5とによって高いガスバリア性を有しており、また、封止材5は容器本体2を密封しているので、封止材5が破断しない限り、容器本体2内の内容物は本体部7を通り抜けることがない。さらに、開封前の状態では、封止材5と容器本体2とによる密封に加えて、スパウト3とキャップ4とによっても容器1の密封性が保持されている。
【0031】
そして、容器1を開封するには、先ず、キャップ4をスパウト3から螺脱させ、突き破り部6において図1に示すように本体部7よりも上方(外側)に突出した部分(ブレイクボス)を下方(図4において矢印Pで示す方向)に押圧すればよい。これにより、突き破り部6が封止材5を突き破り、容器本体2内の内容物の注出が可能な状態となる。尚、このときの突き破り部6は図3に示すように本体部7内に没入している。
【0032】
ここで、容器本体2内の内容物は、突き破り部6によって突き破られた封止材9の破断箇所を経た後、本体部7と突き破り部6との間を通り、そのまま保持部8を避けて進んだ後、本体部7の先端(上端)側の開口から注出されることになる。すなわち、本例では本体部7の先端(上端)側の開口が注出口部となっている。
【0033】
上述の説明から明らかなように、本例の口栓及び容器1では、容器本体2と封止材5とにそれぞれガスバリア性を持たせるというシンプルな構成によって未開封状態の容器1に高いガスバリア性を持たせることができ、しかも、突き破り部6を押圧して封止材5を突き破るという簡単な操作によって開封を確実に行うことができる。
【0034】
さらに、本例の口栓及び容器1では、封止材5を突き破る前の突き破り部6は本体部7の上端から突出し、封止材5を突き破った後の突き破り部6は本体部7内に没入しているので、キャップ4を外した状態にするだけで容器1が開封されているか否かをすぐに判別することが可能となっている。
【0035】
しかも、従来の口栓付き容器では、レトルト(加圧加熱殺菌)対応が可能となる高温下における高い密封性能を合成樹脂製のキャップとスパウトに持たせるのは困難であり、無理に密封性を確保しようとしてキャップとスパウトの密封部の締め代をきつくすると開栓に必要な力が大きくなり支障が生じる恐れがあったが、本例の口栓及び容器1では、金属製(アルミニウム製)の封止材5による容器本体2の密封を、キャップ4とスパウト3とによる密封に加えて行い、この二重の密封によって、レトルト対応が可能でありながら、スパウト3の本体部7とキャップ4の垂下壁19との締め代を適度にすることで開栓を困難無く行え、しかも、封止材5の突き破り後のリシール(再密封)も可能で、例えば容器1を使い切りとせずに開封後の保存を行う場合にも対応することができる。
【0036】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
【0037】
上記実施の形態では、容器1にガスバリア性を持たせるようにしているが、この機能に加えて、あるいはこの機能に代えて、他の機能を容器1に持たせてもよい。例えば、容器本体2、封止材5をそれぞれUVカット機能を持たせるように構成すれば、容器1にUVカット機能を持たせることができる。
【0038】
上記実施の形態では本体部7内に設けられている封止材5を、本体部7の基端(下端)に設けるようにしてもよい。
【0039】
上記実施の形態の容器1は、容器本体2の肩部がシールされて平面状になっている一般的なパウチ容器であったが、これに限らず、例えば、図5に示すように、容器本体2の肩部が円筒状となっていてもよい。ここで、図5に示す例では、本体部7の基端(下端)にフランジ部分7aが設けられている。
【0040】
また、図6、図7に示すように、容器1が、容器本体2の上部が円筒状であるチューブ(チューブ状容器)であってもよく、この場合、図6に示すように、本体部7の大径部分9が容器本体2の上部内側に嵌まり込むように構成されていてもよいし、図7に示すように、大径部分9の外周部に環状の溝9aを設け、この溝9aに容器本体2の上部を嵌め込むようにしてもよい。
【0041】
また、図8に示すように、容器1がラミネート紙パック容器であり、容器本体2がほぼ直方体形状をしていてもよい。この場合、上記実施の形態における大径部分9及び環状段部分10に代えて、本体部7の基端(下端)にフランジ7bを設け、このフランジ7bの下面側に封止材5を張設し、フランジ7bの上面とこのフランジ7bの上側に連なる部分とを容器本体2に溶着すればよい。
【0042】
尚、図8に示す例のみでなく、図5〜図7に示す例においても、容器本体2とスパウト3(本体部7)とが溶着されることはいうまでもない。
【0043】
上記実施の形態では、保持部8がブリッジ状に形成され、突き破り部6が移動して封止材5を突き破った後は、保持部8は突き破り部6をその位置に保持するように構成されていたが、図9〜図11に示すように、保持部8をばね状に形成し、突き破り部6が封止材5を突き破らない位置から移動して封止材5を突き破った後、保持部8の弾性復元力により、突き破り部6が元の位置(封止材5を突き破らない位置)に戻るように構成してもよい。
【0044】
上記実施の形態では、本体部7の先端(上端)側の開口を注出口部としているが、これに限らず、例えば、図12(A)及び(B)に示すように、突き破り部6の上端壁6a(図4参照)に開口Mを設けてこれを注出口部としてもよく、図13(A)及び(B)に示すように、突き破り部6の上部側壁6b(図4参照)に開口N(図示例では四つの開口N)を設けてこれを注出口部としてもよく、本体部7における封止材5よりも先端(上端)側の部分に開口を設けてこれを注出口部としてもよく、保持部8をブリッジ状に形成するのではなく突き破り部6と本体部7の間を閉塞する形態をとるように(例えば膜状に)形成し、その一部に開口を設けてこれを注出口部としてもよい。そして、例えば、突き破り部6の上端壁6aに開口を設けてこれを注出口部とする場合、上記実施の形態における本体部7の先端(上端)側の開口も同時に注出口部として用いるようにしてもよいし、保持部8をブリッジ状に形成するのではなく突き破り部6と本体部7の間を閉塞する形態をとるように形成し、上端壁6aに設けた開口のみを注出口部とする等、種々の変形が可能である。
【0045】
上記の実施の形態では、封止材5は本体部7に設けられているが、図14(A)〜(C)に示すように、封止材5を容器本体2の口部2aに設けてあってもよく、この場合、封止材5の周縁部分を溶着するための環状段部分10を本体部7に設ける必要はない。ここで、図14(A)〜(C)に示す容器本体2は広口のガラス瓶であり、口部2aに対して本体部7が外嵌され、口部2aの外周面に設けられた環状凸部2bによって本体部7の抜け止めが図られている。
【0046】
キャップ4の構成も種々に変更可能であり、例えば、キャップ4を、図15(A)〜(C)に示すように、スパウト3にヒンジHを介して連設され、スパウト3とワンピース構造をなすヒンジキャップとしてもよい。ここで、図15(A)〜(C)に示すキャップ4の垂下壁19は本体部7の先端(上端)外側に密嵌し、閉じた状態のキャップ4(図15(A)参照)は、垂下壁19の内周面に設けられた環状凸部19aによって本体部7に係止するように構成されている。
【0047】
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0048】
1 容器
2 容器本体
3 スパウト
4 キャップ
5 封止材
6 突き破り部
7 本体部
8 保持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体に接合される本体部と、
前記本体部に連設された保持部によって、前記本体部または前記容器本体の口部に設けられ前記容器本体を封止する封止材を突き破らない位置に保持され、前記容器本体の内側に向かう押圧を受けると前記保持部の変形を伴って移動し前記封止材を突き破る突き破り部とを備えた口栓。
【請求項2】
前記突き破り部は前記保持部によって前記本体部内に挿入された状態で保持され、前記容器本体の内側に向かう押圧を受けて移動する前の前記突き破り部において前記押圧を受ける部分は、前記本体部の外側に突出している請求項1に記載の口栓。
【請求項3】
請求項1または2に記載の口栓を備えた容器。
【請求項4】
容器本体がガスバリア性を有する積層材料からなり、前記封止材がガスバリア性を有するフィルムからなる請求項3に記載の容器。
【請求項1】
容器本体に接合される本体部と、
前記本体部に連設された保持部によって、前記本体部または前記容器本体の口部に設けられ前記容器本体を封止する封止材を突き破らない位置に保持され、前記容器本体の内側に向かう押圧を受けると前記保持部の変形を伴って移動し前記封止材を突き破る突き破り部とを備えた口栓。
【請求項2】
前記突き破り部は前記保持部によって前記本体部内に挿入された状態で保持され、前記容器本体の内側に向かう押圧を受けて移動する前の前記突き破り部において前記押圧を受ける部分は、前記本体部の外側に突出している請求項1に記載の口栓。
【請求項3】
請求項1または2に記載の口栓を備えた容器。
【請求項4】
容器本体がガスバリア性を有する積層材料からなり、前記封止材がガスバリア性を有するフィルムからなる請求項3に記載の容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−51655(P2011−51655A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10086(P2010−10086)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(392023441)東洋金型工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(392023441)東洋金型工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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