説明

口腔用組成物

【課題】主要原料がすべて天然で食用可能な植物であり、人体に対し刺激性がなく、このため経常的な使用に適しており、人体に有害な成分を含まない、植物性の口腔用組成物の提供。
【解決手段】本発明の口腔用組成物は、35〜50重量%の茶葉抽出液、10〜25重量%のステビア抽出液、10〜25重量%のレモン抽出液、10〜15重量%のミント抽出液、10〜20重量%のスイカズラ抽出液、20〜30重量%の苦丁茶葉抽出液、5〜10重量%のキシリトール及び25〜35重量%のアルコールを含んで成り、本発明の組成物の成分はすべて食用可能且つ口腔保健に効果のある植物であり、刺激性がなく長期的に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は口腔用組成物に関し、特に、植物性の口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、人々は口腔衛生を重視しているため、口腔の保健に関連する製品も多元化してきている。一般的な口腔保健製品はよく、口臭の除去や、歯垢生成の抑制、或いは虫歯予防の効果を達成できると掲げている。
【0003】
口臭の発生は、歯と歯周嚢の間に蓄積した微生物が食べ物のカスを分解し、揮発性硫黄化合物(volatile sulfur compounds、VSCs)を発生することが原因である。歯垢は主に口腔内の細菌の代謝が発生する多糖(polysaccharide)及びその中に含まれる細菌が形成する斑状物であり、粘着性が強く、除去しにくいため、往々にして歯周病及び虫歯の主因となる。このため、口腔衛生用品中に抗菌成分を加えれば、口臭除去と歯垢の抑制、及び口臭予防等の効果をすべて達成することができる。
【0004】
多くの口腔保健製品のうち、うがい液は口腔の清潔に補助的な効果があり、且つ使用に便利で、歯科手術や頭頚部手術を受けた患者にとっては非常に利便性が高く、このため多くの消費者が用いている商品の1つである。ファイザー(Pfizer)社の生産するリステリン(Listerine)シリーズのうがい液について言えば、その主要成分はチモール(thymol)であり、この成分は細菌の細胞膜を変化させ、抗菌の活性を持たせることができるが、歯に染色を起こし、且つ苦味があり、また口腔に刺激感を与える等の副作用がある。
【0005】
別のうがい液中に常用される抗菌物質はクロルヘキシジン(chlorhexidine、CHX)であり、例えばDay and Night社のうがい液はこれを主要な抗菌成分としている。この種の成分は低濃度のとき細胞膜上に吸着し、細胞質の漏出を起こして抑菌効果を得ることができ、高濃度のときには細胞内容物に沈殿または凝集を引き起こし、殺菌効果が得られるものである。しかしながら、この類の製品の欠点は、歯と舌に染色を起こし、味がよくないということであり、一時的な味覚障害や一時的な上皮脱落を起こすと共に、歯石の堆積を増加させてしまう。
【0006】
上述から分かるように、現在市販されているうがい液は部分的抗菌効果を備えているものの、使用者に対しいくばくかの不快さを引き起こし、且つ一回の使用時間が長すぎると口腔粘膜を損傷させることがあり、またその中に含有される化学物質の一部は、長期間使用すると人体に有害となる場合もある。このほか、うがい液製品の一部は25%以上に達するアルコール成分を含むものがあり、口腔粘膜に刺激を与えるだけでなく、長期的な使用には適しておらず、口腔内に傷口がある使用者には特に適さない。このため、長期使用に適しており、人体に有害な成分を含まず、且つ刺激性のないうがい液で、消費者のニーズに応える必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現有のうがい液商品の欠点を改善するため、本発明の目的は、主要原料がすべて天然で食用可能な植物であり、人体に対し刺激性がなく、このため経常的な使用に適しており、人体に有害な成分を含まない、植物性の口腔用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の口腔用組成物は、35〜50重量%の茶葉抽出液、10〜25重量%のステビア抽出液、10〜25重量%のレモン抽出液、10〜15重量%のミント抽出液、10〜20重量%のスイカズラ抽出液、20〜30重量%の苦丁茶葉抽出液、5〜10重量%のキシリトール及び25〜35重量%のアルコールを含む。
【0009】
本発明で使用する茶葉は乾燥を経た茶葉とするか、或いは生鮮茶葉を現有の製茶業で用いられる発酵方法で発酵焙煎して成り、その種類に特別な制限はなく、よい選択としてはプアール茶、更によい選択としてはプアール茶と緑茶、或いはプアール茶、紅茶、緑茶を含むものとすることができ、最も優れた選択としてはプアール茶、緑茶、紅茶、鉄観音、烏龍茶及び油茶葉(寄生茶)を含むものとすることができる。
【0010】
本発明の最良の実施例において、上述の茶葉の組成割合は、プアール茶2.4〜3.6重量%、緑茶2.4〜3.6重量%、紅茶0.8〜1.2重量%、鉄観音0.8〜1.2重量%、烏龍茶0.8〜1.2重量%和油茶葉0.8〜1.2重量%とする。
【0011】
上述の茶葉抽出液は、その製造工程において、茶葉を粉砕して水とアルコールの混合液と十分な時間混合し、有効成分が溶け出すのを待って、茶葉の粉末と抽出液を分離し、アルコールを取り除くと共に、完成品に混濁を起こす成分であるテオフィリン、多糖類、葉緑素等の雑物を除去し、さらに処理を経た抽出液を濃縮する。濃縮は雑物除去処理後の抽出液重量の30〜50%を最良とし、これを茶葉抽出液として使用に備える。上述の雑物除去の方法は、樹脂を利用して雑物を純化吸着する方法を最良とする。この方法は既有の酢酸エチルを利用して抽出を行う方法より優れている。これは、酢酸エチルは抽出効率が優れず、より多くの原料を必要とし、且つ完成品に異味が発生し、さらにこのような有機溶剤の摂取が過多になると人体にも害となる。
【0012】
効果的に茶葉中の有効成分を抽出するため、上述の茶葉抽出液をさらに原茶葉粉末と混合し、もう一回または複数回上述の抽出手順を繰り返してもよい。
【0013】
本発明の茶葉抽出液を得る過程での茶葉、水とアルコールの混合で抽出する工程における茶葉、水とアルコールの割合は、茶葉0.8〜1.2重量%、水0.6〜0.9重量%、アルコール0.2〜0.3重量%とする。
【0014】
本発明のステビア抽出液の製造方法は、ステビア葉から水分を取り除き乾燥させた後粉砕し、アルコールと水の混合液を加えて混合し、有効成分が溶け出すのを待って、ステビア葉粉末と抽出液を分離し、アルコールを取り除くとステビア抽出液が得られる。上述のレモン抽出液、ミント抽出液、スイカズラ抽出液及び苦丁茶葉抽出液も同様の方法で製造し得ることができる。
【0015】
上述の茶葉以外の植物であるステビア葉、レモン、ミント葉、スイカズラ、苦丁茶葉のうち、あらゆる植物の抽出における水とアルコールとの割合は、植物0.8〜1.2重量%、水2.4〜3.6重量%、アルコール1.6〜2.4重量%とする。
【0016】
本発明の最良の実施例において、上述の抽出液はすべて抽出後アルコールを除去した抽出液とする。
【発明の効果】
【0017】
以下、本発明の口腔用組成物の成分の効果についてそれぞれ説明し、本発明の総合的効果の理解を促す。
【0018】
茶葉はこの組成物中の主要成分である。茶葉中にはフッ素が含まれ、フッ素元素は歯質中のハイドロキシアパタイトの水酸基と置換を行いフルオロアパタイトとすることができるため、歯のエナメル質の酸侵蝕に対する抵抗力を増強することができる。このほか、茶の中のカテキン(catechins)も抗菌または抗炎症効果を備えており、その歯垢と歯周病指数の明らかな減少が臨床上からも証明されており、このため口腔保健に有益である。
【0019】
ステビア葉中に含まれるステビオサイド(stevioside)は微生物に分解されて利用されにくいため、虫歯を誘発する細菌の生長や歯垢の生成を抑えることができ、且つその熱量は低いながらも甘味度は砂糖の300倍であり、本発明の組成物の口当たりを向上することができる。
【0020】
レモンのビタミンC含有量は非常に高く、ビタミンCは歯茎の健康を維持するための重要な栄養素であり、これが欠乏すると人の歯茎は弱くなり、疾病に罹りやすく、歯茎の腫れや流血、歯のぐらつきや抜け落ち等の症状が現れる。且つ、適量のビタミンCを使用することで美白の効果も得られる。このほか、レモンの抽出物を添加することで本発明の組成物にさわやかなレモンの香りを持たせることができる。
【0021】
ミント葉の香りは脳をはっきりとさせ、且つ口臭をさわやかにすることができる。ミント葉の中にはモノテルペン類化合物が含有され、血液を介して肺に到達し、人が呼吸するときにさわやかさを感じさせることができる。ミント成分を含むうがい液は、歯茎の炎症と腫れの不快感を緩和する効果があり、且つ、口腔内の細菌の繁殖を減少することができる。
【0022】
キシリトール(xylitol)は虫歯の予防効果が顕著である。口腔内の微生物は口に入る炭水化物または糖を利用して酸性物質を発生し、口腔の酸アルカリ度をPH 5.7程度に落とすため、エナメル質が酸性環境中で損傷を受けて虫歯が発生する。キシリトールは口腔の酸性を中和でき、口腔内で酸アルカリ度を平衡に維持する働きがあり、このため虫歯予防の効果が得られる。本発明において述べるキシリトールは市販製品とするか、または当該分野で周知の技術で得ることができる。
【0023】
スイカズラは体内の熱冷まし、解毒、消炎、浄血殺菌の作用があり、古くから病毒と細菌に対抗するために用いられ、薬性が穏やかである。清宮方ではスイカズラとその他薬剤を調合し、歯周病や口内炎のうがい薬としている。
【0024】
苦丁茶は体内の熱冷まし、暑さによる症状の解消、消炎鎮痛作用があり、暑さによる頭痛や咳、歯痛、喉の腫れと痛みを治療できるため、口腔または喉部の保健にも効果がある。
【0025】
上述の成分の効果説明から分かるように、本発明の植物性口腔用組成物中の成分はすべて食用可能な植物成分であり、且つすべて口腔、歯茎及び喉部に対する保健効果を有する成分であると共に、完成品中のアルコール含有量は市販の商品より低く、且つさわやかな香りと口当たりで刺激性がないことから、比較的厳重な行為として、例えば口腔内に傷口や牙周炎、歯痛、歯茎の出血などがある使用者でも利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、具体的な実施方法に基づき、さらに本発明の口腔用組成物について説明する。下述する実施例は説明のための例として示すものであり、本発明の保護範囲を制限するものではなく、関連分野における通常の知識を有する人物であれば、本発明の精神と範疇を逸脱することなくこれら実施例に変更や改良を加えることが可能である。
【0027】
〔実施例1〕
本発明の口腔用組成物の製造方法を説明する。
【0028】
茶葉抽出液の製造方法は次の通りである。プアール茶、緑茶、紅茶、鉄観音、烏龍茶、油茶葉の生鮮茶葉をそれぞれ発酵させ、重量配合比はプアール茶3、緑茶3、紅茶1、鉄観音1、烏龍茶1、油茶葉1とし、合計総重量2000キログラムの生鮮茶葉を混合して焙煎かつ粉砕し、500Kgのアルコールと2500Kgの水を加え混合して4時間密封し、茶葉と液体を濾過して分離し、65℃下で加熱蒸留してアルコールを除去し、アルコールを除去した抽出液を樹脂吸着で完成品に混濁を起こす成分であるテオフィリン、多糖類、葉緑素等の雑物を除去し、液体を回収する。この液体を500kgのアルコールに加え、さらに原茶葉粉末と8時間混合し、二回目の抽出を行うが、後続の手順は上述と同じとする。その後、さらに回収した液体をアルコールに加え、原茶葉粉末と24時間混合し、三回目の抽出を行い、上述の後続手順を繰り返す。最後に三回の抽出を経た液体を回収して低温下で濃縮を行い、1000kgの抽出液を400kgに濃縮して茶葉抽出液が得られ、これを使用に備えておく。
【0029】
その他植物抽出液の製造方法は次の通りである。100キログラムのステビア葉を焙煎・乾燥して粉砕し、200Kgのアルコールと300Kgの水を加え6時間混合し、その後濾過してステビア葉と液体を分離し、65℃下で加熱蒸留してアルコールを除去し、ステビア葉の抽出液が得られる。
【0030】
レモン抽出液、ミント抽出液、スイカズラ抽出液、苦丁茶葉抽出液等、その他の植物抽出液は、ステビア抽出液と同じ方法で得ることができる。
【0031】
本発明の組成物の製造方法は次の通りである。上述の抽出液を35〜50重量%の茶葉抽出液、10〜25重量%のステビア抽出液、10〜25重量%のレモン抽出液、10〜15重量%のミント抽出液、10〜20重量%のスイカズラ抽出液、20〜30重量%の苦丁茶葉抽出液、5〜10重量%のキシリトール、25〜35重量%のアルコールの割合に基づき混合して得られる。
【0032】
〔実施例2〕
歯垢は虫歯、歯周病(歯肉の病気を含む)を誘発する主要な原因の一つである。早期のプラーク形成の主要な細菌の1つがミュータンス連鎖球菌であり、グルコシルトランスフェラーゼ(glucosyltransferase、GTF)を発生することができ、これにより蔗糖を利用し不溶性細胞外多糖体を合成し、細菌の歯表面への粘着を促進する。このため、細菌の歯表面への粘着を阻止することは歯垢形成の有効な方法であり、虫歯や歯肉炎、歯周病の予防という目的を達することができる。したがって、ここではミュータンス連鎖球菌の菌数を指標とし、本発明の組成物の使用前と使用後の影響を観察する。
【0033】
実施例1に基づき製造した口腔用組成物を台美検験科技有限公司に委託して試験を行なった。試験方法は次の通りである。
【0034】
被験対象は、全10名、内訳は25〜31歳の男性2人及び24〜30歳の女性8人であり、平均年齢は27.2±2.4歳である。被験者は皆喫煙せず、全身的疾病がなく、且つ唾液中に105個/ml以上のミュータンス連鎖球菌(Streptococcus mutans)を持つ健康な成人である。
【0035】
試験設計は次の通りである。今回の試験は全4週間行われ、試験期間に初回検査測定、第二回検査測定、第3回検査測定の全3回の検査測定を行なった。初回検査測定の目的は合格被験者の篩い分けであり、第2回検査測定の目的は被験者の歯垢内のミュータンス連鎖球菌基準値の測定であり、第3回検査測定の目的は被験者が上述の口腔用組成物を使用した後の歯垢内ミュータンス連鎖球菌測定値の測定である。初回検査測定後から第2回検査測定までの二週間はウォッシュアウト期間とし、上述の口腔用組成物は使用していない。第2回検査測定後から第3回検査測定までの二週間は使用期とし、この期間内は毎日上述の口腔用組成物を使用した。
【0036】
試験期間中、被験者は普段の飲食習慣と口腔衛生習慣を維持し、その他のうがい液を使用せず、且つ同一ブランドの歯磨き粉を使用した。第2回検査測定と第3回検査測定前の48時間、被験者には歯磨きとデンタルフロスの使用を禁じ、検査測定完了後、元の口腔衛生習慣に戻させた。
【0037】
合格した被験者は皆歯科医院や歯科診療所で歯のクリーニングを行い、且つクリーニング日の翌日を試験開始日として定義した。
【0038】
試験開始から二週間後に第2回検査測定を行い、被験者の口腔内の歯垢と唾液のサンプルを取得し、且つ0.05Mリン酸緩衝液でそれぞれ連続希釈を行い、連続希釈後の混合液をMSB(Mitis salivarious bacitracin agar)(Difico)及びBHI(Brain heart infusion agar)(Difico)の固形寒天培地上に塗布した。
【0039】
試験期間の第3週に上述の口腔用組成物の使用を開始し、毎日5回(朝食と三食後)、毎回20mlを使用したうがいを30秒間、二週間に渡って行わせた。第4週終了後、第3回検査測定を実施した。
【0040】
〔検査項目〕
〔1.ミュータンス連鎖球菌数量の変化〕
歯垢採集前の48時間、被験者は歯磨きとデンタルフロスの使用を停止する必要があった。採集時は滅菌済使い捨て式歯科器械を使用して歯垢を採取し、重量測定後すぐに0.05Mリン酸緩衝液を使用して一連の希釈を行い、適当な希釈倍数を取り平板塗布法でMSB寒天培地上に接種し、37℃、嫌気条件下で3日間培養した。
【0041】
〔2.全菌数のコロニー数〕
上述のミュータンス連鎖球菌数の変化測定時の方法と同じ方法であるが、一連の希釈後、適当な希釈倍数を取り平板塗布法でBHI寒天培地上に接種し、35±2℃、嫌気条件下で5日間培養した。全菌数測定の意味は、ミュータンス連鎖球菌の歯垢或いは唾液中において占める割合を取得するためである。
【0042】
〔3.有効であるか否かの認定基準〕
第2回と第3回の数値を比較し、50%以上の被験者のミュータンス連鎖球菌が減少した場合(p<0.05)、上述の口腔用組成物は歯垢内のミュータンス連鎖球菌を減少する効果があると認定した。
【0043】
〔4.上述の口腔用組成物の抗菌試験〕
ミュータンス連鎖球菌を0.05Mリン酸緩衝液で細菌懸濁液を調製し、その濃度は1.5x108(CFU/ml)とした。細菌懸濁液0.1 mlを取り、10 mlの実施例1で製造した口腔用組成物(実験グループ)と無菌生理食塩水(対照グループ)の試験管中にそれぞれ加え、均一に混合して30秒間作用させた。さらに0.05Mリン酸緩衝液で一連の希釈を行い、希釈後の菌液0.2 mlを取りMSB寒天培地上に接種し、且つ二回繰り返した。35±2℃、嫌気条件下で3日間培養し、ミュータンス連鎖球菌の生長状況を観察すると共に計数を行なった。
【0044】
抗菌率の計算:抗菌率(%)=(対照グループ細菌残留量‐実験グループ細菌残留量)/対照グループ細菌残留量×100%。
【0045】
表1に示すように、使用前の被験者の歯垢中に含まれるミュータンス連鎖球菌の平均菌数は4.53x105 CFU/mgであり、且つ、歯垢中の全菌数との相対割合は3.46%であった。本発明の組成物を二週間使用した後、被験者のミュータンス連鎖球菌の平均菌数は2.51x105 CFU/mgに減少し、且つ歯垢中の全菌数との相対割合は1.73%に減少した。本発明の組成物を使用した後、60%の被験者の歯垢中に含まれるミュータンス連鎖球菌の平均菌数とミュータンス連鎖球菌/全菌数の割合が共に減少した。
【0046】
唾液部分においては、使用前の被験者の唾液中に含まれるミュータンス連鎖球菌の平均菌数は7.30x106 CFU/mlであり、且つ唾液中の全菌数との相対割合は1.94%であった。本発明の組成物を二週間使用した後、唾液中に含まれるミュータンス連鎖球菌の平均菌数は4.00x106 CFU/mlに減少し、且つ唾液中の全菌数との相対割合は1.00%に減少した(表2参照)。本発明の組成物を使用した後、80%の被験者の唾液中に含まれるミュータンス連鎖球菌の平均菌数とミュータンス連鎖球菌/全菌数の割合が共に減少した。
【0047】
このほか、表3に示すように、ミュータンス連鎖球菌と本発明の組成物を30秒間作用させた後、実験グループの菌数は5.4x106 CFU/mlから6.6x105 CFU/mlへと減少し、対照グループのものは2.0x106 CFU/mlの菌数が残留していたため、抗菌率は計算すると67%となった。
【0048】
上述の結果から分かるように、本発明の組成物は確実に口腔内のミュータンス連鎖球菌数及びその全菌数に対する割合を減少することができるため、本発明の組成物は虫歯、歯肉炎及び歯周病の予防に一定の作用がある。且つ、本発明の口腔用組成物は天然植物から抽出したものであるため、人体に刺激性がなく、相対的意味でアルコール含有量も先行技術において言及した市販品のアルコール含有量より低いため、長期的に使用することができる。
【0049】
【表1】

平均値±標準誤差(Mean±S.E.M.);
a ミュータンス連鎖球菌数/全菌数;
b 個人変化量の計算方法:[(使用後/使用前)‐1]×100%;平均変化量は個人変化量の合計を10で除算;
c 数量が減少した被験者数は「被験者/総被験者」で表示;
d ミュータンス連鎖球菌数/全菌数の割合が減少した被験者数は「被験者/総被験者」で表示。
【0050】
【表2】

平均値±標準誤差(Mean±S.E.M.);
a ミュータンス連鎖球菌数/全菌数;
b 個人変化量の計算方法:[(使用後/使用前)‐1]×100%;平均変化量は個人変化量の合計を10で除算;
c 数量が減少した被験者数は「被験者/総被験者」で表示;
d ミュータンス連鎖球菌数/全菌数の割合が減少した被験者数は「被験者/総被験者」で表示。
【0051】
【表3】

抗菌率の計算(%):(対照グループ細菌残留量-実験グループ細菌残留量)/対照グループ細菌残留量×100%。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
35〜50重量%の茶葉抽出液、10〜25重量%のステビア抽出液、10〜25重量%のレモン抽出液、10〜15重量%のミント抽出液、10〜20重量%のスイカズラ抽出液、20〜30重量%の苦丁茶葉抽出液、5〜10重量%のキシリトール、25〜35重量%のアルコールを含む、口腔用組成物。
【請求項2】
前記茶葉がプアール茶、緑茶、紅茶、鉄観音茶、烏龍茶、油茶葉を含む、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
前記茶葉がプアール茶2.4〜3.6重量%、緑茶2.4〜3.6重量%、紅茶0.8〜1.2重量%、鉄観音茶0.8〜1.2重量%、烏龍茶0.8〜1.2重量%、油茶葉0.8〜1.2重量%を含む、請求項2に記載の口腔用組成物。
【請求項4】
前記茶葉抽出液が、茶葉を水とアルコールの混合溶液中で抽出して得た抽出液である、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項5】
前記茶葉、水とアルコールの重量割合が、茶葉0.8〜1.2、水0.6〜0.9、アルコール0.2〜0.3である、請求項4に記載の口腔用組成物。
【請求項6】
前記茶葉抽出液が、抽出後に樹脂による純化を経て完成品に混濁を起こす成分を除去した後の茶葉抽出液である、請求項5に記載の口腔用組成物。
【請求項7】
完成品に混濁を起こす成分が、テオフィリン、多糖類、葉緑素である、請求項6に記載の口腔用組成物。
【請求項8】
前記茶葉抽出液が、完成品に混濁を起こす成分を除去した後、さらに30〜50%に濃縮して得られた抽出液である、請求項6に記載の口腔用組成物。
【請求項9】
前記ステビア抽出液、レモン抽出液、ミント抽出液、スイカズラ抽出液、苦丁茶葉抽出液がすべて上述の植物を水とアルコールの混合溶液中で抽出して得られた抽出液である、請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項10】
前記のあらゆる植物、水とアルコールの重量割合が、植物0.8〜1.2、水2.4〜3.6、アルコール1.6〜2.4である、請求項9に記載の口腔用組成物。
【請求項11】
前記茶葉抽出液、ステビア抽出液、レモン抽出液、ミント抽出液、スイカズラ抽出液、苦丁茶葉抽出液がすべてアルコールを除去した抽出液である、請求項1に記載の口腔用組成物。

【公開番号】特開2008−69138(P2008−69138A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−9983(P2007−9983)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(507020819)
【Fターム(参考)】