説明

口臭測定装置及び口臭測定方法、並びに臭気測定装置及び臭気測定方法

【課題】 口臭成分、臭気成分をより正確に測定するとともに、その測定時間をより短くする口臭測定装置及び口臭測定方法、並びに臭気測定装置及び臭気測定方法を提供する。
【解決手段】 筒状のケース12及び前記ケース12との間に所定の容積の空間17を有するように設けられたセンサー16を有し、検査領域内に挿入又は近接させて臭気を採取・測定するためのプローブ1、及び前記センサー1と電気的に接続された、演算手段、表示手段、電源等を有する本体を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口臭測定装置及び口臭測定方法、並びに臭気測定装置及び臭気測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エチケットとして口臭を気にする人が増え、口臭に対する社会全体の関心が強くなっている。例えば、歯科医療機関では歯周病などの口臭についての相談が増えてきているといわれている。口臭原因の判定は、従来、呼気を人間が直接鼻で嗅ぐという、いわゆる官能試験により行われてきた。しかし、この判定方法では、主観的な要素が反映することが多く、また、口臭の臭い成分は常に変動していることから、その正確な判定は難しい。そこで、口臭の臭い成分をより正確に測定する技術が求められている。
【0003】
従来例1の口臭測定装置は、ポンプ及びセンサーを有する本体、使用者の口腔内に挿入され口臭を採取するためのプローブ、及び本体とプローブとを接続するパイプを備える。口臭成分の測定時、使用者は、本体に設けられたポンプを駆動させ、口腔内にプローブを挿入する。これにより、使用者の口臭成分は、ポンプによってプローブからパイプを通して本体に吸引される。従来例1の口臭測定装置は、この本体に吸引された口臭をセンサーによって測定することで口臭成分の測定を行う。
【0004】
一方、口臭の臭い成分には、口腔ガスと呼気ガスの二通りがある。口腔ガスは、口腔内の細菌の作用で産生されるものである。呼気ガスは、生体細胞及び消化管で産生され、それが血液中に入り肺を介して呼気に乗ってくるものである。口臭は、それらが混然一体となったものである。したがって、口臭が口腔ガスと呼気ガスとのいずれに起因するものなのか、或いはどちらの影響が大きいのかを測定することで、口臭発生の原因を特定し、その原因の除去や防止につなげることができる。
【0005】
前記のように口腔ガスと呼気ガスとを測定する従来例2の口臭測定装置が、特開2004−108861号公報に記載されている。従来例2の口臭測定装置では、筒状体や棒状体からなるプローブの先端部近傍にセンサーが設けられている。使用者は、ブラッシングで洗口したのち、口腔内にプローブを挿入保持し、その状態で呼吸を所定の時間停止する。このとき、プローブの先端部近傍に設けたセンサーによって、口腔ガス濃度の測定が行われる。
【0006】
口腔内の生理状態が唾液の湧出などにより自然状態に復帰した後、使用者は、一定時間息をこらえて肺のガスを交換する。その状態で、口腔内にプローブを挿入保持し、呼気をセンサーに当たるようにゆっくり所定の時間吐き続ける。これにより、呼気ガス濃度の測定が行われる。従来例2の口臭測定装置は、口腔ガス濃度と呼気ガス濃度とを比較することで口臭の原因を推定する。
【0007】
【特許文献1】特開2004−108861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来例1の口臭測定装置では、センサーが本体内に設けられているため、口臭がプローブからパイプを通して本体に吸引される過程で、パイプ内の水蒸気に口臭が吸着されて、呼気がセンサーに達するまでに成分が変化してしまうことがあった。そのため、正確な口臭成分の測定ができなかった。また、正確な口臭成分の測定を行うためには、パイプの材質が限定された。
【0009】
従来例2の口臭測定装置では、センサーを直接口腔内に挿入する構造としたため、従来例1の口臭測定装置より正確な口臭成分の測定が可能である。しかし、従来例2の口臭測定装置では、口腔ガス及び呼気ガス濃度を測定するのに、継続して息を止めたり吐いたりする所定の時間が必要である。例えば肺活量を測定する場合には、呼気を一気に吐き出すこともできるが、継続して長い間息を止めたり吐いたりするのは、特に、高齢者や子供の使用者には困難であった。また、息を止めたり吐いたりする測定時間が長いほど、苦痛を強いられることになる。
【0010】
一方、上記では、口臭について説明してきたが、その他にも臭気成分を正確に測定することが求められているものが数多くある。例えば、ワキガに関しても口臭同様に、エチケットとして気にする人が増え、社会全体の関心も強くなってきている。また、臭気とは、人体から産生されるものに限られるわけではない。例えば、シックハウス症候群の主たる原因物質とされるホルムアルデヒドも、低濃度でも人々の健康に影響を与えるとして、正確に測定することが求められている。(以下、口臭、ワキガ、ホルムアルデヒド等を含めた匂い全般のことを、単に臭気という。)
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために発明されたものであり、口臭成分をより正確に測定するとともに、その測定時間をより短くする口臭測定装置及び口臭測定方法を提供することを目的とする。
本発明は、臭気の成分をより正確に測定するとともに、その測定時間を短くすることが可能な臭気測定装置及び臭気測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一つの観点による臭気測定装置は、筒状のケース及び前記ケースとの間に所定の容積の空間を有するように設けられたセンサーを有し、検査領域内に挿入又は近接させて臭気を採取・測定するためのプローブ、及び前記センサーと電気的に接続された、演算手段、表示手段、電源等を有する本体、を備えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、プローブが検査領域内に挿入又は近接されることによって、プローブの内部に設けられたセンサーも検査領域近傍に位置することになる。従って、従来例1のようにパイプの材質の影響を受けることがないので、より正確な臭気成分の測定ができる。
また、プローブとセンサーとの間に所定の容積の空間を有するため、プローブ内に採取された臭気が所定の容積の空間に滞留する。これにより、臭気を短時間しかプローブ内に吸引させていなくても、所定の容積の空間に滞留している臭気によって測定が継続できるので、測定時間を短くできるとともに正確な臭気成分の測定ができる。
【0014】
本発明の別の観点による臭気測定装置は、前記本体が、前記プローブに採取された臭気を吸引するポンプを有することを特徴とする。
この発明によれば、ポンプによって臭気を吸引しながら測定できるので、広範囲の測定が可能となる。従って、所定の容積の空間をより大きくして、測定時間を短縮することが可能となる。
【0015】
本発明の一つの観点による臭気測定方法は、前記プローブの検査領域内に挿入する側の先端部に、前記所定の容積の空間への流動量の少ない臭気の採取時には、筒状のマウスピースを取りつけ、前記所定の容積の空間への流動量の多い臭気の採取時には、筒状物の側面に孔を設けたマウスピースを取り付けて、臭気濃度の測定を行うことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、所定の容積の空間へ流れ込む臭気が少ない場合、プローブの検査領域内に挿入する側の先端部に筒状のマウスピースを取りつけることで、臭気を漏らさずセンサーに当てることができる。また、所定の容積の空間へ流れ込む臭気が多い場合、プローブの検査領域内に挿入する側の先端部に、筒状物の側面に孔を設けたマウスピースを取り付けることで、その孔から必要以上の量を排出することができる。
【0017】
本発明の別の観点による臭気測定方法は、前記プローブの検査領域内に挿入する側の先端部に穴を設け、臭気の採取時に、前記所定の容積の空間への臭気の流動量の少ない場合には、前記穴を塞ぐように筒状のマウスピースを取りつけ、前記所定の容積の空間への臭気の流動量の多い場合には、前記穴を塞がないように筒状のマウスピースを取り付けて、臭気濃度の測定を行うことを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、所定の容積の空間へ流れ込む臭気が少ない場合、プローブの検査領域内に挿入する側の先端部に設けた穴を塞ぐように筒状のマウスピースを取りつけることで、臭気を漏らさずセンサーに当てることができる。また、所定の容積の空間へ流れ込む臭気が必要以上に多い場合は、前記穴から必要以上の量(臭気)を排出することができる。
【0019】
本発明の一つの観点による口臭測定装置は、筒状のケース及び前記ケースとの間に所定の容積の空間を有するように設けられたセンサーを有し、口腔内に挿入し、口腔ガス及び呼気ガスを採取・測定するためのプローブ、及び前記センサーと電気的に接続された、演算手段、表示手段、電源等を有する本体を備えることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、プローブが口腔内に挿入されることによって、プローブの内部に設けられたセンサーも口腔内近傍に位置することになる。従って、従来例1のようにパイプの材質の影響を受けることがないので、より正確な口臭成分の測定ができる。
また、プローブとセンサーとの間に所定の容積の空間を有するため、プローブ内に採取された口腔ガス及び呼気ガスが所定の容積の空間に滞留する。これにより、口腔ガス及び呼気ガスを短時間しかプローブ内に吸引させていなくても、所定の容積の空間に滞留している口腔ガス及び呼気ガスによって測定が継続できるので、測定時間を短くできるとともに正確な口臭成分の測定ができる。
【0021】
また、本発明の一つの観点による口臭測定装置は、前記本体が、前記プローブに採取された口腔ガス及び呼気ガスを吸引するポンプを有してもよい。
従来例2の口臭測定装置では、センサー面に直接当てられた口腔ガス又は呼気ガスだけを測定するように構成されていた。
この発明によれば、ポンプによって口腔ガス又は呼気ガスを吸引しながら測定するので、広範囲の測定が可能となる。従って、所定の容積の空間をより大きくして、測定時間を短縮することが可能となる。
【0022】
本発明の他の観点による口臭測定方法は、前記プローブの口腔内に挿入する側の先端部に、口腔ガスの採取時には、筒状のマウスピースを取りつけ、呼気ガスの採取時には、筒状物の側面に孔を設けたマウスピースを取り付けて、口腔ガス及び呼気ガス濃度の測定を行うことを特徴とする。
【0023】
口腔ガスは、口腔内のみに存在するものなので、肺から吐き出される呼気ガスに比べ、量が少なく流動速度も遅い。
この発明によれば、口腔ガスの採取時、口腔内からセンサーへの口腔ガスの流動量が少なくとも、プローブの口腔内に挿入する側の先端部に筒状のマウスピースを取りつけることで、口腔ガスを漏らさずセンサーに当てることができる。従って、測定時間を短くすることができる。
【0024】
また、呼気ガスは肺から吐き出されるため、口腔内からセンサーへの呼気ガスの流動量が、必要以上に多い場合が考えられる。しかし、この発明によれば、呼気ガスの採取時、プローブの口腔内に挿入する側の先端部に、筒状物の側面に孔を設けたマウスピースを取り付けることで、その孔から必要以上の呼気ガスを排出することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、口臭成分をより正確に測定するとともに、その測定時間をより短くする口臭測定装置及び口臭測定方法を提供することができる。
本発明によれば、臭気成分をより正確に測定するとともに、その測定時間をより短くする臭気測定装置及び臭気測定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明の最良の実施例について、図面を参照して説明する。
【0027】
《実施例1》
図1〜4を用いて、本発明の実施例1の口臭測定装置について説明する。図1は、本実施例1の口臭測定装置のプローブの構成を示す断面図である。図2は、プローブ内部に設けられたセンサー取付基板のセンサー取付側の正面図を示している。図3は、図1のA−A’断面図を示している。図4は、呼気ガスの採取時に用いるマウスピースの側面図を示している。
【0028】
本実施例1の口臭測定装置は、演算手段、表示手段、電源、ポンプ(図示していない)等を有する本体(図示していない)、口腔内に挿入し、口腔ガス及び呼気ガスを採取・測定するためのプローブ1、前記ポンプとプローブ1とを接続するパイプ2、及び前記本体と後述するプローブ1内部に設けられたセンサー16とを電気的に接続するリード線3を備えている。
【0029】
図1において、プローブ1は、プローブ軸11、筒状ケース12、袋ナット13、スペーサー14a、14b、センサー取付基板15、センサー16及びオーリング18、19を有している。
【0030】
プローブ軸11には、おねじ11a、11b、テーパ部11c、吸引孔11dが設けられている。プローブ軸11のおねじ11aに、袋ナット13に設けられためねじ13aが螺着することによって狭められた、プローブ軸11のテーパ部11cと袋ナット13の先端部13aとの間に、パイプ2の一端部が挟持されている。パイプ2の他端部は、本体に設けられたポンプ(図示していない)に接続されている。これにより、本体のポンプとプローブ1とが接続されている。
【0031】
プローブ軸11は、そのおねじ11bを、筒状ケース12に設けられためねじ11aに螺着されることによって、筒状ケース12に取付けられている。筒状ケース12は、おねじ12aが設けられた大径部12bと、大径部12bにつながる小径部12cを有している。
【0032】
筒状ケース12の大径部12bの内周面には、スペーサー14a及び14bが取付けられている。さらに、スペーサー14aとスペーサー14bとの間に挟持されて、センサー取付基板15が嵌合されている。
【0033】
センサー取付基板15には、センサー16が、スペーサ14bの内周面及び筒状ケース12の小径部12cとの間に所定の空間17を有するように取付けられている。また、センサー取付基板15には、図2に示すように、孔15aと切欠部15bとが設けられている。
【0034】
センサー16には、センサー取付基板15の孔15aを通してリード線3の一端部が接続されている。リード線3の他端部は、プローブ軸11に設けられた吸引孔11d及びパイプ2の内周部を通って、本体(図示していない)と接続されている。つまり、センサー16が本体と電気的に接続されている。
【0035】
センサー取付基板15の切欠部15bは、図3に示すように、センサー16とスペーサー14bとの間に開口部を持つように設けられている。この開口部は、口臭成分の測定時、センサー16近傍に滞留している口腔ガス又は呼気ガスを、前記ポンプの吸引力によって、吸引孔11d、パイプ2を通って本体側へ吸引できるように設けられている。
【0036】
プローブ軸11の端部11eの外周面には、採取した口腔ガス及び呼気ガスがプローブ1から漏れないように、オーリング18が嵌合されている。筒状ケース12の小径部12bの外周面には、オーリング19が嵌合されている。オーリング19は、口腔ガス及び呼気ガスの採取時に小径部12bの外周面に着脱可能に取付けられるマウスピース20を抜けにくくする等の機能を果たす。
【0037】
呼気ガスを採取する際に用いられるマウスピース20には、筒状ケース12の小径部12cの先端部に設けられた薄肉部12dとの間に、過剰な呼気ガスを排出するための孔20a(図4)が設けられている。
【0038】
本実施例1の口臭測定装置は、以上のように構成されている。
本実施例1の口臭測定装置では、使用者の口腔内に挿入するプローブ1の内部にセンサー16を設けている。これにより、使用者の口腔ガス及び呼気ガスは、パイプ2を介さずセンサー16に当てられるので、パイプ2の材質の影響を受けることがない。従って、より正確な口臭成分の測定ができる。
【0039】
また、本実施例1の口臭測定装置では、センサー16が、筒状ケース12の小径部12c及びスペーサー14bとの間に所定の空間(例えば1立方センチメートル程度)を有するように設けられているため、マウスピース20を介して採取された口腔ガス及び呼気ガスが所定の空間に滞留する。これにより、口腔ガス及び呼気ガスを短時間しかプローブ1内に吸引させていなくても、所定の空間に滞留している口腔ガス及び呼気ガスによって測定が継続できるので、測定時間を短くできるとともに正確な口臭成分の測定ができる。継続して長い間息を止めたり吐いたりする時間を短縮できるので、使用者の苦痛を軽減することができる。
【0040】
また、本実施例1の口臭測定装置では、本体(図示していない)に、プローブ1に採取された口腔ガス及び呼気ガスを吸引するポンプ(図示していない)を設けているので、口腔ガス又は呼気ガスをポンプで吸引しながら測定することによって、広範囲の測定が可能となる。従って、所定の空間17をより大きくして、測定時間を短縮することが可能となる。
【0041】
また、口腔ガスの採取時、筒状ケース12の小径部12cの外周面に、筒状のマウスピース20を取りつけるので、口腔ガスの流動量が少なくても漏らさずセンサー16に測定させることができる。従って、測定時間を短くすることができる。
また、呼気ガスの採取時、筒状ケース12の小径部12cの外周面に、側面に孔20aを設けたマウスピース20を取り付けるので、測定に必要な量だけ呼気ガスをセンサー16の周囲の所定の空間17に滞留させ、必要量以上の呼気ガスは孔20aから排出することができる。
【0042】
また、本実施例1の口臭測定装置では、マウスピース20をプローブ12の小径部12bから抜けにくくする等の目的でオーリング19を設けたが、前記目的を達成する別の構成としても構わないし、オーリングがなくても構わない。
【0043】
《実施例2》
図5〜6を用いて、本発明の実施例2の口臭測定装置について説明する。図5及び図6は、本実施例2の口臭測定装置の要部拡大断面図である。実施例2の口臭測定装置は、小径部12cの外周部に穴12eを設け、小径部12cの外周面にテーパ部12fを設け、薄肉部12dの外周面にテーパ部12gを設け、オーリング19を有していない点において、実施例1の口臭測定装置と異なる。それ以外の点においては同様であるので、重複する説明は省略する。
【0044】
実施例2の口臭測定装置においては、マウスピース21及び22として孔のない筒体を用いる。
センサー16への流動量が少ない口腔ガスを採取する時には、図5に示すように、小径部12cの外周面に密に適合するように形成された孔のない筒状のマウスピース21を、前記小径部12cの外周面に挿着する。これにより、外部と連通するように設けた穴12eを、マウスピース21によって塞ぐ。また、このとき、小径部12cの外周面に設けたテーパ部12fを設けたことにより、マウスピース21は抜けにくくなっている。この状態でマウスピース21を口腔内に挿入し、口腔ガスの測定を行う。これにより、口腔ガスを漏らさずに、前記ポンプによって所定の空間17内へ吸引しながらセンサー16に測定させることができる。
【0045】
また、センサー16への流動量が多い呼気ガスを採取する時には、図6に示すように、薄肉部12dの外周面に密に適合するように形成された孔のない筒状のマウスピース22を、薄肉部12dの外周面に挿着する。このとき、薄肉部12dよりもセンサー16に近い位置に穴12eを設けているので、マウスピース22は穴12eを塞がない。また、薄肉部12dの外周面に設けたテーパ部12gを設けたことにより、マウスピース22はプローブ12から抜けにくくなっている。この状態でマウスピース22を口腔内に挿入し、呼気ガスの測定を行う。これにより、被験者から吐き出された呼気ガスを、測定に必要な量だけ所定の空間17に滞留させ、必要量以上の量の呼気ガスは穴12eより排出することができる。
【0046】
実施例2の口臭測定装置は、以上のようにして、より正確に口臭成分の測定するとともに、その測定時間を短くすることができる。
【0047】
上記各実施例においては、口臭測定装置及び口臭測定方法について説明してきたが、本発明は、口臭の測定に限定されるものではない。前述したように、ワキガや家具などに使用されるホルムアルデヒド等の臭気全般について、それぞれ測定することに応用することは当業者には容易に見出すことができ、本発明はそれも含むものである。
【0048】
上記において、発明をある程度の詳細さをもって好適な形態について説明したが、この好適形態の現開示内容、例えば寸法、材料等は単に一例を例示しただけのものであって、構成の細部において変化することができるものであり、各要素の組合せや順序の変化は請求された発明の範囲及び思想の範囲内で自由に変更して、実現し得るものであり、例示にとらわれるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、口臭測定装置及び方法、並びに臭気測定装置及び臭気測定方法に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例1における口臭測定装置のプローブの構成を示す断面図
【図2】本発明の実施例1における口臭測定装置のセンサー取付基板の正面図
【図3】本発明の実施例1における口臭測定装置のプローブのA−A’断面図
【図4】本発明の実施例1における口臭測定装置の呼気ガスの採取時に用いるマウスピースの側面図
【図5】本発明の実施例2における口臭測定装置の口腔ガスの採取時に用いるマウスピースを取り付けた時の要部拡大断面図
【図6】本発明の実施例2における口臭測定装置の呼気ガスの採取時に用いるマウスピースを取り付けた時の要部拡大断面図
【符号の説明】
【0051】
1 プローブ
2 パイプ
3 リード線
11 プローブ軸
11a、b おねじ
11c テーパ部
11d 吸引孔
11e 端部
12 筒状ケース
12a めねじ
12b 大径部
12c 小径部
12d 薄肉部
12e 穴
12f テーパ部
12g テーパ部
13 袋ナット
13a めねじ
14a、b スペーサー
15 センサー取付基板
15a 孔
15b 切欠部
16 センサー
17 空間
18、19 オーリング
20 マウスピース
20a 孔
21 マウスピース
22 マウスピース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のケース及び前記ケースとの間に所定の容積の空間を有するように設けられたセンサーを有し、検査領域内に挿入又は近接させて臭気を採取・測定するためのプローブ、及び
前記センサーと電気的に接続された、演算手段、表示手段、電源等を有する本体、
を備える臭気測定装置。
【請求項2】
前記本体が、前記プローブに採取された臭気を吸引するポンプを有することを特徴とする請求項1に記載の臭気測定装置。
【請求項3】
前記プローブの検査領域内に挿入する側の先端部に、穴を設けていること特徴とする請求項1及び2に記載の臭気測定装置。
【請求項4】
前記プローブの検査領域内に挿入する側の先端部に、前記所定の容積の空間への流動量の少ない臭気の採取時には、筒状のマウスピースを取りつけ、前記所定の容積の空間への流動量の多い臭気の採取時には、筒状物の側面に孔を設けたマウスピースを取り付けて、臭気濃度の測定を行うことを特徴とする請求項1及び2に記載の臭気測定装置の臭気測定方法。
【請求項5】
臭気の採取時に、前記所定の容積の空間への臭気の流動量が少ない場合には、前記穴を塞ぐように筒状のマウスピースを取りつけ、前記所定の容積の空間への臭気の流動量の多い場合には、前記穴を塞がないように筒状のマウスピースを取り付けて、臭気濃度の測定を行うことを特徴とする請求項3に記載の臭気測定装置の臭気測定方法。
【請求項6】
筒状のケース及び前記ケースとの間に所定の容積の空間を有するように設けられたセンサーを有し、口腔内に挿入し、口腔ガス及び呼気ガスを採取・測定するためのプローブ、及び
前記センサーと電気的に接続された、演算手段、表示手段、電源等を有する本体、
を備える口臭測定装置。
【請求項7】
前記本体が、前記プローブに採取された口腔ガス及び呼気ガスを吸引するポンプを有することを特徴とする請求項6に記載の口臭測定装置。
【請求項8】
前記プローブの口腔内に挿入する側の先端部に、口腔ガスの採取時には、筒状のマウスピースを取りつけ、呼気ガスの採取時には、筒状物の側面に孔を設けたマウスピースを取り付けて、口腔ガス及び呼気ガス濃度の測定を行うことを特徴とする請求項6及び7に記載の口臭測定装置の口臭測定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−184265(P2006−184265A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−54617(P2005−54617)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(591128408)株式会社アドニス電機 (2)
【Fターム(参考)】