説明

口述試験練習装置

【課題】 従来の考査や検定の口述試験対策は、過去問や予想問題を参考書や問題集などで問題文を読んで、回答を検討、考案することによって行われている。しかし、文書で記載された問題を解読し、その質問に対する返答内容を考案する能力が習熟しても、実際の口述試験で行われるような、様々な面接官から発せられる唐突な音声による質問に、即座に反応し、適切な時間内で回答する実習訓練にはならなかった。
【解決手段】 問題データに音声情報、文字情報、画像情報をもち、音声情報のうち質問部分の音声情報に様々な声紋、アクセント、ピッチ、発話長といった特徴を与えるとともに、質問部分の音声情報に続いて、アラーム部分の音声情報を付加することで回答時間の経過を利用者に知らせる装置とする。これにより実際の口述試験と同様に、様々な人物から発せられる質問に対して、即座に反応し、回答に適した一定時間内に回答する練習が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、考査や検定の口述試験を模擬的に実習訓練させるものであるが、各種会議やプレゼンテーションなど幅広く他分野においてもコミュニケーション訓練を可能とするシステムである。
【背景技術】
【0002】
従来の考査や検定の口述試験に対する練習は、過去に出題された問題、及びそれらから想定される予想問題を参考書や問題集といった文書形式で読んで、回答を検討、考案することによって行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上の技術によれば、文書形式で記載された問題を解読し、その問題に対する回答内容を検討、考案する能力が習熟する一方で、実際の口述試験で行われるような、様々な面接官から発せられる唐突な音声形式による質問に対して、即座に反応し、適切な時間内で回答する実習訓練にはならない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、第一発明は、問題が音声情報をもつデータであることを特徴とする口述試験練習装置である。
【0005】
また、第二発明は、問題データの音声情報のうち質問部分の音声情報に様々な声紋、アクセント、ピッチ、発話長といった音声上の特徴があり、それによって利用者に不特定多数との面談を模擬体験させることを特徴とする口述試験練習装置である。
【0006】
また、第三発明は、問題データの音声情報に質問部分の音声情報に加えて、回答に費やした時間の経過を知らせるアラーム部分の音声情報が含まれることを特徴とする口述試験練習装置である。
【発明の効果】
【0007】
第一発明、第二発明、または第三発明によれば、実際の口述試験と同様に、様々な人物から発せられる音声による質問に対して、即座に反応し、適切な一定時間内に、回答する練習が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明における端末1または汎用情報出力デバイス3が、問題データを出力し、利用者が口述練習をおこなうときのフローチャートである。
【図2】この発明におけるシステム構成図である。
【図3】この発明における問題データ蓄積サーバ4と端末1、端末1と汎用情報出力デバイス3との間のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施形態を、図面を用いて示す。
【0010】
図1はこの発明における端末1または汎用情報出力デバイス3が、問題データを出力し、利用者が口述練習をおこなうときのフローチャートである。
【0011】
図1によれば、以下のシーケンスで進行する。
(S1)端末1または汎用情報出力デバイス3が、問題データに含まれる文字情報、画像情報、を表示する。
(S2)音声情報のうち質問部分の音声情報を出力開始する。
(S3)回答時間の開始とともにアラーム1の音声情報を出力し、利用者が回答を始める。
(S4)一定の回答時間の経過とともにアラーム2の音声情報を出力する。
(S5)回答時間の終了とともにアラーム3の音声情報を出力する。
【0012】
図2はこの発明におけるシステム構成図である。
【0013】
図2によれば、この発明における問題データ蓄積サーバ4と、利用者の端末1とが、インターネット5を介して接続されている。端末1には、問題データを保存するための記憶媒体11と、問題データの音声情報を出力するスピーカー12が備えられている。また別途、端末1を経由して問題データを外部保存するための汎用記憶媒体2を利用し、端末1以外の汎用情報出力デバイス3により、保存された問題データの情報を出力することも可能である。
【0014】
端末1は、問題データ蓄積サーバ4から送信される問題データを受信し、記憶媒体11に保存する。問題データは文字情報、画像情報、および音声情報からなり、端末1は、アプリケーションによって文字情報、画像情報を表示し、スピーカー12によって音声情報を出力する。また汎用情報出力デバイス3も、同様に汎用記憶媒体2に保存された問題データの文字情報、画像情報、および音声情報を出力することが可能である。
【0015】
図3は、この発明における問題データ蓄積サーバ4と端末1、端末1と汎用情報出力デバイス3との間のシーケンス図である。
【0016】
図3によれば、以下のシーケンスで進行する。
(S11)端末1は、問題データ蓄積サーバ4へデータ転送要求を送信する。
(S12)問題データ蓄積サーバ4は問題データを端末1へ転送し、端末1は受信した問題データのうち、文字情報と画像情報をアプリケーションを用いて、音声情報をスピーカー12を用いて出力する。これにより利用者は、様々な声紋、アクセント、ピッチ、発話長といった音声上の特徴ある質問部分の音声情報を聞き、あたかも不特定多数の面接官との面談のように感じながら、一定の時間内で回答をおこなう練習ができる。
(S13)さらに端末1を経由して、問題データを汎用記憶媒体2に保存し、汎用出力デバイス3で出力することにより、端末2が設置された場所のみに利用環境を限定されることなく、様々な場所の様々な利用環境下で口述試験の練習をおこなうことが可能になる。
【0017】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、問題データのうち質問部分の音声情報を、特定の考査や検定において実際に過去に出題された質問、およびそれらに類似する質問にすることによって、特定の考査や検定に対する重点的な口述試験練習をおこなうことができる。
【符号の説明】
【0018】
1 端末
11 記憶媒体
12 スピーカー
2 汎用記憶媒体
3 汎用情報出力デバイス
4 問題データ蓄積サーバ
5 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題データが音声情報、文字情報、および画像情報からなることを特徴とする口述試験練習装置。
【請求項2】
前記問題データは、音声情報のうち質問部分の音声情報に様々な声紋、アクセント、ピッチ、発話長といった特徴があり、それによって利用者に不特定多数との面談を模擬体験させることを特徴とする請求項1記載の口述試験練習装置。
【請求項3】
前記問題データの音声情報は、質問部分の音声情報に加えて、回答に費やす一定時間の経過を知らせるアラーム部分の音声情報があることを特徴とする請求項1記載の口述試験練習装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−191719(P2011−191719A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83647(P2010−83647)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(510090380)
【Fターム(参考)】