説明

可変量の薬剤を供給する吸入装置

吸入器は1つ以上の粉末投与チャンバー内に1つ以上の振動機構を備えており、これにより、治療薬あるいは薬剤の可変投与量が供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して吸入装置の分野に関する。本発明は、振動を利用して、粉末状または液状のいずれかの治療薬すなわち薬剤の吸入ガス流(例えば、吸入空気)への懸濁を促進する吸入装置において特別な効用を有しており、その他の効用も考えられるが、この効用に関して説明する。
【背景技術】
【0002】
ある種の気道の疾患は、治療薬すなわち薬剤の直接適用による治療が効果的であることが知られている。これらの治療薬すなわち薬剤の入手は乾燥粉末形態が最も容易なので、これらの投与は粉末状物質を経鼻吸入または経口吸入することによって最も都合良く行われる。この粉末形態によって、治療薬すなわち薬剤がその作用が求められる所望の部位に正確に沈着するという点で治療薬すなわち薬剤をより効果的に利用できる。したがって、ごくわずかな投与量の治療薬すなわち薬剤であっても、他の手段で大量投与するのと同等の効果がある場合が多く、結果的に、危険を伴う望ましくない副作用の発生や、投与量の過不足とコストの問題を著しく減少させることとなる。あるいは、この形態の治療薬すなわち薬剤を、呼吸器系疾患以外の治療に使用してもよい。治療薬すなわち薬剤は、肺の非常に大きな表面積にわたり沈着することによって、血流に極めて迅速に吸収される。したがって、この投与方法は、注射、錠剤、またはその他の従来手段の代わりとなり得る。
【0003】
大抵の薬剤は、薬剤粒子が約1から5ミクロンの寸法において気道に運ばれるときに生物学的利用能を最適に発揮するというのが、製薬業界の見解である。しかしながら、この寸法範囲の薬剤粒子の運搬には、いくつかの問題が存在する。
(1)小さな寸法の粒子は、製造および貯蔵の際に静電気が生じる。このため、粒子が凝結または凝集することになって、結果的に約5ミクロンより大きな有効寸法を有する粒子のクラスターとなる。したがって、これらの大きなクラスターが深肺まで達する可能性が低下する。さらに、患者に有効な薬剤の吸収率が低下するという結果になる。
(2)患者に与えなくてはならない有効薬剤の量は、ほんの数マイクログラム(例えば10マイクログラム代)程度であり得る。例えば、アルブテロールという喘息に使用される薬剤の場合、この量は通常25から50マイクログラムである。現在の製造装置は、ミリグラムの投与単位で一定量の薬剤を許容精度で効果的に供給できる。したがって、有効薬剤にラクトース等の賦形充填剤または増量剤を混合するのが、標準的技法である。この添加剤はまた、薬剤を「流れやすく」する。このような充填剤は、薬剤粒子が静電または化学結合によって粒子結合するので、キャリアとも呼ばれる。これらのキャリア粒子は、薬剤粒子の寸法よりも非常に大きい。キャリアから薬剤を分離する乾燥粉末吸入器の機能は、設計の有効性の重要な性能パラメータである。
(3)約5ミクロンより大きな寸法を有する有効薬剤粒子は、口または喉のどちらかに沈着することになる。これらの位置での薬剤の生物学的利用能および吸収作用は肺とは異なるので、別の面での不確実性がもたらされる。乾燥粉末吸入器は、薬剤の生物学的利用能に関する不確実性を減少させるために、これらの位置に沈着する薬剤を最小限に抑える必要がある。
【0004】
従来技術の乾燥粉末吸入器(DPI)は、通常、薬剤(有効薬剤+キャリア)を高速空気流に導入するための手段を有する。高速空気流は、微粉化粒子のクラスターを分解する、または薬剤粒子をキャリアから分離するための一次機構として用いられる。この粉末形態の薬物を分配するのに便利ないくつかの吸入装置は、従来技術で知られている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5において、散剤を内包するカプセルの穿孔手段を有する吸入装置が開示されており、吸入時に、散剤が穿孔されたカプセルから取り出されて、ユーザの口に吸い込まれる。これらの特許のいくつかはプロペラ手段を開示しており、吸入時に、カプセルからの粉末の分配を助けるので、カプセルから粉末を吸い上げる際、吸入空気だけに頼る必要がない。例えば、特許文献6において、吸入前の下部チャンバに配置される粉末内包カプセルを有する装置が開示されており、その下部チャンバでは、ユーザが手で穿孔ピンを押し下げることによってこのカプセルが穿孔される。穿孔後、吸入が始まり、カプセルが装置の上部チャンバに吸い込まれて、そこでカプセルがほぼ全方向に移動して、穿孔穴から吸入空気流へ粉末が分配されるようになる。特許文献7は、多数の穿孔ピンと、プロペラ手段と、外部からの手動操作によってプロペラ手段を作動させる内蔵電源とを有する吸入装置を開示しており、吸入時に、プロペラ手段は粉末の吸入空気流への分配を助けることとなる。特許文献8も参照されたい。
【0005】
従来技術の上記の説明は、主にWilkeらの特許文献9から採用されており、彼らは第1および第2の空気入口チャネルと出口チャネルを有する本体部分を含む散剤の吸入を促進する装置を開示している。第2の入口チャネルは散剤を内包するカプセルの囲いを形成し、出口チャネルは本体から突出するマウスピースとして形成される。電気機械振動子によってカプセルが振動すると、散剤がカプセルから放出されるように、回転してカプセルに1つ以上の穴を開けるカプセル穿孔構造が提供される。Wilkeらが開示した穿孔手段は、トロコイド型チャンバに半径方向に取り付けられた3つのばね付勢穿孔針を含む。チャンバを手動で回転させると、同時に針が内向きの半径方向に移動してカプセルを穿孔する。チャンバがさらに回転すると、針がそれらのばねマウントによって元の位置に引っ込み、針をカプセルから抜き取ることができる。電機機械振動子は、その最内端に、入口チャネルと出口チャネルの交差部分に突出する振動プランジャロッドを有する。プランジャロッドには、ロッドを励磁して振動させるための機械式ソレノイドブザーが接続される。このブザーは、高エネルギー電池によって電力を供給されて、外部のボタンスイッチによって作動する。Wilkeらによれば、出口チャネルからの吸入と同時にスイッチを押して電気機械振動手段を作動させると、1つ以上の入口チャネルから空気が吸い込まれ、第2の入口チャネルからの空気流がカプセルを振動プランジャロッドから持ち上げる。こうして、カプセルが素早く振動しながら、粉末が流動化されて、内部の穿孔穴から分配される。この技術は、ホッパーから粉末を分配するための製造加工において一般的に用いられており、ホッパーが振動して粉末を流動化させてホッパー口から移動させる。カプセルの穿孔穴がホッパー口となる。入口チャネルを通る空気流は、カプセルからの粉末の取り出しを助けるとともに、この粉末を出口チャネルからユーザの口へと運ぶ。Wilkeらはさらに、電気機械振動子手段が入口チャンバに対して直角に配置されることと、振動の振幅と周波数が吸入器の分配特性を調整するために変化することを開示している。
【0006】
Wilkeらが開示した吸入器における振動子は、ソレノイドブザーによって駆動されるロッドからなる電機機械装置である。Wilkeらによれば、この電気機械手段はカムを駆動するモータであってよい。Wilkeによって開示されたような吸入器を実施する上での不都合は、カプセルを効果的に振動させるために、ロッドの比較的大きな機械的運動が要求されることである。カプセル壁の弾性と、薬剤およびカプセルの慣性のため、ロッドは、通常100ミクロン代周辺の大きな運動が必要である。
【0007】
ソレノイドブザーは、一般的に5kHz未満の動作周波数を有する。この動作周波数は雑音が多くなる傾向があるため、乾燥粉末吸入器に組み込んだ時に患者にとって好ましいものではない。Wilkeの電気機械式アクチュエータのさらなる不都合は、高エネルギー源を要することであり、したがって、大きなバッテリー源やポータブルユニット用バッテリーパックの頻繁な交換が必要になる。これらの特徴はともに、患者の安全性と「使いやすさ」の観点から好ましいものではない。
【0008】
Wilkeらの吸入器は、主に、特許の開示において引用されるその他の吸入器と比較して、カプセル内の後に残される粉末の量を削減することを目的としている。しかしながら、Wilkeらは、粉末を粒径、すなわち肺への薬物の効果的な運搬に要求される6ミクロン未満の寸法周辺で拡散させる必要性には対処しておらず、むしろWilkeらは、従来技術の吸入器のように、空気流速度に依存して、空気流に放出された粉末を肺への運搬に適した粒径周辺で拡散させることに終始している。
【0009】
別の従来技術の吸入装置が、Burnsらの特許文献10に開示されている。この装置では、液剤が圧電素子等の超音波装置によって霧化される。通常高速の空気流は、推進剤として、霧化された粒子を患者まで運ぶ。しかしながら、ネブライザーで液剤を霧化するのに必要なエネルギーは非常に高く、薬剤を肺まで運ぶためのこの方法は、主にデスクトップユニットとしてでなければ実行できなくなってしまう。
【0010】
したがって、従来技術の装置は以下に挙げる多くの不都合を有する。
・従来技術の吸入器の性能は、ユーザによって生成される流量に依存する。低流量だと粉末を完全に拡散させることができなくなるため、結果的に患者に供給される投与量に悪影響を与えることになる。
・拡散工程が完全性に欠けるため、投与毎の薬剤の生物学的利用能にばらつきがある。
・電気機械式吸入器を駆動するために大きなエネルギーが必要であり、装置の寸法が増大する。
【0011】
従来技術の装置の別の不都合は、薬剤の投与に対する患者の要求が患者の医学的状態の現状に応じて変化し得るのに対して、一定投与量の薬剤のみを患者に供給する機能である。例えば、糖尿病患者が必要とするインシュリンの量は、患者の血中グルコース濃度の測定に基づいてさまざまに異なることがある。
【0012】
1997年12月9日に公布され、共通の譲受人Microdose Technologies社に譲渡された我々の先の特許文献11において、粉末のガスへの懸濁を促進するために振動を利用する吸入器を提供することによって、上記の従来技術の前記およびその他の不都合や欠点を克服する。より詳細には、我々の前記の特許の吸入器は、粉末を振動させる圧電振動子を含んでいる。粉末を振動させるように振動子への作動電気の供給(すなわち、振幅および/または周波数)を制御する制御装置が提供されて、少なくとも一部の粉末をガス内に最適に懸濁させるようになっている。我々の前記の特許にて説明したように、制御装置は、吸入器で現在用いられている種類の粉末をガス内で最適に懸濁させるための振動周波数および/または振幅をユーザが選択できるユーザ作動制御部を有する。ユーザ作動制御部は、制御装置が振動子に供給される作動電気の周波数および/または振幅を、少なくとも一部の粉末をガス内に最適に懸濁させるような方法でユーザ作動制御部によって選択される種類の粉末を振動させるのに必要な周波数および/または振幅になるよう調整するように、制御装置によって事前較正される。ユーザ作動制御部は、ガス内に懸濁させる粉末粒子の平均寸法に関して、および/または所望の振動周波数および振幅に関して選択段階を有する。振動周波数は、そのような一般的に用いられる散剤をガス内に最適に懸濁させるために、少なくとも約12kHzに調整される。むろん、振動周波数および振幅は、使用されている散剤の懸濁を最適化するように調整してもよい。
【0013】
空気流全体に静電場が確立されるため、静電場の強度を制御することによって、主に対象の粒径のみが空気流に導入されるのに対して、大きな寸法の粒子は容器内に残される。これにより、従来技術で説明した装置で一般によく見られる、口や喉に大きな粒子が沈着することによる、薬剤の生物学的利用能に関する不完全性が改善される。
【0014】
2000年11月7日に公布され、同じくMicrodose Technologies社に譲渡された我々の別の従来の特許文献12において、異なる振幅および周波数で振動するように設計された圧電素子を備えた吸入器を提供しており、例えば、性能または一方の薬剤を損ねることなく、2つの異なる薬剤を都合良く同じ吸入器から同時に分散させることができるようになっている。このため、ともに活性である場合、容易には一緒に貯蔵することのできない2つの薬剤を供給することができる。例えば、アルブテロール等の気管支拡張剤と、異なる圧電硬化を要するステロイドの両方を内包する喘息吸入器が提供される。
【0015】
同様に、Coffeeらに2004年2月3日に公布された特許文献13は、液滴をエアロゾル化するために異なる周波数で共振するように構成された2つ以上の圧電共振器を用いた吸入器を教示している。
【0016】
【特許文献1】米国特許第3,507,277号
【特許文献2】米国特許第第3,518,992号
【特許文献3】米国特許第第3,635,219号
【特許文献4】米国特許第第3,795,244号
【特許文献5】米国特許第第3,807,400号
【特許文献6】米国特許第2,517,482号
【特許文献7】米国特許第3,831,606号
【特許文献8】米国特許第5,458,135号
【特許文献9】米国特許第3,948,264号
【特許文献10】米国特許第5,284,133号
【特許文献11】米国特許第5,694,920号
【特許文献12】米国特許第6,142,146号
【特許文献13】米国特許第6,684,879号
【特許文献14】米国公開特許第2005/0183724A1号
【特許文献15】米国特許第6,152,130号
【特許文献16】米国公開特許第2003/0041859A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、我々の上述の特許文献12等の従来技術の吸入装置の改良を提供する。本発明によって、ユーザがさまざまな投与量の治療薬すなわち薬剤を容易に投与することができる。本明細書で使用されているように、「薬物」、「治療薬」、「薬」および「薬剤」という用語は交換して使用してもよい。従来技術の吸入器では、ユーザは一度に1種類または極めて限られた数種類の投与量を投与することしかできなかった。本発明によって、ユーザは、さまざまな投与量の1つ以上の治療薬すなわち薬剤を、1回または数回に限られた吸入で投与することができる。所望量の薬物または異なる薬物の組み合わせの投与に必要な吸入の回数を制限することによって、コンプライアンスと効能が向上することになる。
【0018】
例えば、吸入器での粉末状インシュリンの供給について考える。現在利用できる粉末状インシュリンを供給する吸入器は、すべて単一投与量装置である。しかしながら、糖尿病を患っている患者は、その時々の血糖値の測定に基づいて、1日に多数回、さまざまな投与量のインシュリンが必要になることがある。このことは、ユーザが各々異なる投与量を供給するいくつかの吸入装置を持ち歩かなければならないこと、または患者が所望の投与量に達するように連続して数回吸い込まなければならないことを意味する。本発明の吸入器は、1回の吸入ステップでさまざまな投与量のインシュリンを供給するための効率的かつ簡便な方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
一実施形態において、本発明は2つ(またはそれ以上)の振動子機構または圧電素子と処理可能な投与量パックを備えた吸入器を提供する。したがって、本発明の吸入器では、異なる投与量のインシュリンを急速に作用させる個別ブリスターを吸入器に挿入して、必要な投与量を提供することができる。例えば、ユーザが8単位のインシュリンを必要とする場合、5単位のブリスターと3単位のブリスターを吸入器に詰めて、ワンショットで投与することができる。このように、本発明の吸入器では、従来技術の吸入器のように多数回の吸入を必要とせずに、さまざまな量の薬物が簡便かつ効果的に投与される。
【0020】
本発明の別の実施形態において、吸入器は、各々が別々の粉末投与チャンバに配置される2つ以上の振動子機構または圧電素子を含んでいる。吸入器構造により、ユーザが、同じまたは異なる投与量の薬物を内包する薬剤の個別ブリスターを吸入器に挿入して、ワンショットで供給することができる。吸入器の第2の実施形態では、2つ以上の振動子機構または圧電素子は同じ粉末投与チャンバに配置される。
【0021】
本発明のまたさらに別の実施形態では、2つ(またはそれ以上)のカートリッジストリップが吸入器の後ろ側に挿入される。各ストリップは、薬剤または薬物を内方する1つまたは複数のブリスターを含んでいる。ユーザは、一方または両方(またはそれ以上)のカートリッジ段の1つまたは複数のブリスターにアクセスすることによって、所望投与量の薬物または薬剤を選択する。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態では、薬剤または薬物の個別ブリスターは、選択可能な器具またはツールを用いて、指で触れることなく扱われ挿入される。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態では、ブリスターはスプールすなわち回転可能カートリッジに詰められて、吸入器内に一度に落下すなわち配置させられる。
【0024】
本発明の別の実施形態(図13に示す)では、薬剤を内方する多数のブリスターまたはホイルパウチを、同時に1つの振動子機構または圧電素子によって、薬剤の投与前に開放すなわち穿孔するのと同時に共振キャビティに露出させて作動させることができる。したがって、共振キャビティから薬剤を放出させることによって、例えば、その内容が参照として本明細書に援用される特許文献14の教示によるシンセティックジェットによって、可変投与量の薬剤の供給が可能になる。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態(図14に示す)では、少なくとも1つの振動子機構または圧電素子を用いて、1回の吸入で特定投与量の薬剤が供給されるように選択された多数の投与量パックを同時または順番に作動させることによって、患者の要求にしたがって変化し得る可変投与量の薬剤が患者に供給される。この実施形態では、いくつかの少ない投与量パックの組み合わせが、患者の要求に合う総投与量となるように調整される。投与量パックは、好ましくはブリスターまたはホイルパウチである。本発明のこの実施形態によれば、投与量パックは、薬剤の1回の吸入/投与の際に連続的または断続的に移動して、振動子、圧電素子、またはその他の機械式アクチュエータを通過する多数の小キャビティや、ホイル上またはブリスターパックの内部にマイクロブリスターを有しており、1回の吸入で患者に供給される可変投与量は、開放すなわち穿孔されて、吸入中に患者への投与の対象となる小キャビティまたはマイクロブリスターの数によって規定される。一実施形態では、各マイクロブリスターは、例えば0.5mgの薬剤など、同量の薬剤を内包する。1mgの薬剤を患者に供給するには、2つのマイクロブリスターが開放すなわち穿孔される。同様に、2mgの薬剤の供給には、4つのマイクロブリスターが開放すなわち穿孔される。
【0026】
本発明のさらに別の実施形態(図15に示す)では、少なくとも1つの振動子機構または圧電素子を用いて、1つ以上の投与量パックを同時に作動させることによって、可変投与量の薬剤が患者に供給される。作動された投与量パックの数が、患者に供給される総投与量を決定することになる。
【0027】
本発明のさらに別の実施形態(図16に示す)では、患者の要求を上回る量の薬剤を内方する投与量パックから投与される薬剤の供給量を監視するセンサが提供される。センサは、必要投与量が患者に供給されると薬剤の供給を停止して、残りの薬は廃棄されるか、または今後の投与のために保持される。センサは、好ましくは、吸入装置の流路内を移動するエアロゾル粒子を検出および数量化することができる光学または音響センサである。別の実施形態では、センサは、ブリスターすなわち投与量パック内に残った薬剤の量を検出するセンサであり、好ましくは、石英微量天秤センサ、圧電センサ、または音響センサである。一実施形態では、薬剤を作用および振動させるために用いられる圧電素子は、投与量パックすなわちブリスターパックの共振周波数、または圧電アクチュエータのアドミタンス等の電気機械パラメータを測定することによって、ブリスターすなわち投与量パック内に残った薬剤の量を検出するセンサとしても利用される。別の実施形態では、音響センサを使用して、ブリスターの音響特性を検出するか、またはブリスター内で発生する共振音波を測定するようにして、ブリスター内にまだ残っている薬剤の量を監視する。センサが、薬剤の残量を測定するか、または流路内を移動するエアロゾル粒子を数量化することによって、必要量の薬剤が患者に供給されたことを検出すると、センサは制御回路に信号を送信して、患者への薬剤の供給を停止する。別の実施形態では、センサは、投与量パックすなわちブリスター内の光伝送の測定によって、投与量パックすなわちブリスター内に残っている薬剤の量を光学的に検出する。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態(図17に示す)では、キャニスタは薬剤の一投薬分に十分な量の薬剤を内包している。キャニスタは、好適な形態において同一または異なる寸法のマイクロ投薬キャビティを有する回転ディスクからなる投薬板と、好適な形態においてキャニスタと投薬板の間に位置する第1の回転蓋からなる第1の弁板と連通する出口を有しており、薬剤を充填するキャビティの数の選択が可能になるため、可変投与量の薬剤を選択することができる。そのような実施形態では、第1の弁板は、選択された数のキャビティを開放して、キャニスタからの薬剤を充填することができる。好適な形態において第2の回転ディスクからなる第2の弁板は投薬板と吸入器の共振キャビティとの間に位置しており、薬剤をエアロゾル化して供給するために振動子機構または圧電素子を用いて、そこから薬剤の供給が行われる。使用中、第1の弁板は、所望投与量に対応する規定数のマイクロキャビティを選択するように開放される。選択されたキャビティは、キャニスタからの薬剤で充填される。その後、第1の弁板が閉鎖し、第2の弁板が開放して、薬剤を共振キャビティに運んで、共振キャビティからの薬剤の放出、例えば、特許文献14の教示によるシンセティックジェットによって、エアロゾル化して患者に供給することができる。
【0029】
本発明のまた別の実施形態では、供給投与量が供給時間と適当な較正曲線から推定され、その較正曲線では、薬剤パックすなわちブリスターの振動または圧電作動の時間が供給投与量と相関している。この実施形態では、薬剤の供給時間を制御することによって、より詳細には、薬剤パックと接触する振動子機構または圧電素子を作動させる時間すなわちデューティサイクルを制御することによって、必要投与量が供給される。この実施形態では、最大投与量の場合、個別薬剤パックすなわちブリスターに内方される薬剤の総量が供給されるか、薬剤の投与量が少ない場合、個別薬剤パックすなわちブリスターに内方される薬剤の一部の量が供給される。個別薬剤パックに内方される全体の投与量が供給される前に振動素子を停止することによって、可変投与量の薬剤を患者に供給することができる。あるいは、振動素子を低いエネルギー入力で作動させて、低振動で作動させることによって、または低いデューティサイクルで振動素子を作動させて、断続的に振動出力を切り換えることによって、可変投与量の薬剤を患者に供給することができる。
【0030】
本発明の他の方法、装置、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明から明らかになるであろう。そのようなさらなる方法、装置、特徴および利点のすべてが、本説明に含まれること、本発明の範囲に含まれること、添付の請求項によって保護されることを目的としている。
【0031】
本発明の多くの態様は、添付図面を参照することによってより良く理解できるであろう。図面の構成要素は、必ずしも一定比率である必要はなく、代わりに本発明の原則を明確に示すことに重点を置いている。図面において、同様の参照番号は複数の図面を通して対応する部品を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1から図3は、本発明の第1実施形態を示す。吸入器10は、マウスピースカバー11を備えた略L字状縦断面を有する硬質プラスチックまたは金属ハウジング18を包含する。ハウジング18は、4つの空気流通口20、28、30および32を有する。吸入器10は、ハウジング18の前部22(開口20)から後部24(開口28)までの全長にわたって延在し、空気が貫流する(図1の矢印Fで示す)ように略正方形状横断面を有する主空気流通路26を包含する。
【0033】
任意の第2空気導管31は略L字状であり、ハウジング18の後部24表面の開口30から主通路26まで長手方向に続いている。一方向フロー弁50は、ばね付勢ヒンジ機構(図示せず)を介して主通路26の内面に取り付けられており、このヒンジ機構は、主通路26内の空気流Fの圧力がユーザによる通路26からの吸入を表す所定閾値を下回ると、弁50に導管31を通る主通路26までの空気流Sを完全に遮断させるようになっている。
【0034】
2つの粉末投与チャンバ54、55はハウジング18内に形成されて、吸入される散剤のカートリッジ34、35を保持する。ハウジング18は、後部24にヒンジ式可動パネル部75を有しており、医薬品すなわち薬剤を内包するブリスターパックまたはカートリッジ34、35を2つのチャンバ54、55に導入するとともに、それぞれ4つのガイド手段60A、60B、60C、60Dの間の振動機構36、37の台座52上に配置することができるため、カートリッジ34、35がカートリッジ34、35に機械的に連結されて、最大振動エネルギーを振動機構36、37からカートリッジ34、35に伝達することができる。ガイド手段60A、60B、60C、60Dは、任意の二次包装(図示せず)から手でカートリッジ34、35を簡単に挿入し、2つのチャンバ54、55の台座52上にカプセルを保持することができるように設計されている。好ましくは、マウスピースカバー11はパネル75にヒンジ式に回転可能に取り付けられる。
【0035】
吸入器10はまた、好ましくは空気流Fの速度および/または圧力を検知するために、導管26の内面に取り付けられた従来の小型空気流速度または圧力センサ40を有する。好ましくは、センサ40は、導管26内の空気流Fの速度および/または圧力を表す電子信号を生成し、それらの信号を送信して、それらの信号に基づいて振動子機構の作動を制御するばね式フラッパスイッチを有する。あるいは、センサ40は、Microdose Technologies社に譲渡された特許文献15に記載されたような圧力センサまたは音響センサと制御部であってもよい。
【0036】
好ましくは、制御回路48は、特定用途向け集積回路チップおよび/または他の何らかの種類の非常に高度に集積された回路チップとして具現化される。あるいは、制御回路48は、マイクロプロセッサ、または個別の電気および電子部品の形態をとってもよい。
【0037】
振動機構36、37は好ましくは、高周波数、好ましくは超音波共振振動周波数(例えば、約10kHzから100MHz)を有する材料から形成される圧電素子であり、圧電素子36、37に付与される励起電気の周波数および/または振幅に応じて特定の周波数と振幅で振動させる。圧電素子36、37を包含するために使用することのできる材料の例としては、石英および多結晶セラミック材料(例えば、チタン酸バリウムおよびチタン酸ジルコン酸鉛)が挙げられる。有利には、超音波周波数で圧電素子36、37を振動させることによって、低い(すなわち、非超音波)周波数で圧電素子36、37を振動させることに伴うノイズを回避することができる。
【0038】
任意の空気導管31も、空気流開口30および弁50も必要としない吸入器の実施形態もまた、本発明において開示される。この実施形態では、散剤が主空気流通路26に直接放出される。
【0039】
この本発明の第1実施形態では、薬剤が個別ブリスターパック34、35に単位投与量として貯蔵される。特に図3を参照すると、個別ブリスターパック34、35は、ブリスター90とラベル基材92の2つの部分を含む。ブリスター90は、乾燥散剤または液剤の制御された一定量すなわち投与量を内方する。ラベル基材92はいくつかの目的を果たしており、ブリスター内の薬剤または医薬品の種類および量に関する情報を提供し、ブリスターを支持し、ブリスターパック34、35を吸入器10に簡単に装填するための手掛かりを提供している。ラベル92上の大きな数字やその他の印(この場合、数字「9iu」)は、ブリスターパックに内包される投与量サイズを示している。例えば、数字「9iu」は、ブリスターパックが9単位のインシュリンを内包することを示す。その他のサイズの投与量パック、例えば3単位のパックでは、ユーザは、1つのブリスターパックを選択するか、2つのブリスターパックを組み合わせることによって、1回の吸入で3、6、9または12単位の投与量を選択することができる。同様に、1、2および4単位を内包するブリスターパックでは、ユーザは、1つのブリスターパックを選択するか、2つのブリスターパックを組み合わせることによって、1回の吸入で1、2、3、4、5、6および8単位の投与量を選択することができる。同様に、3、4および5単位を内包するブリスターパックでは、ユーザは、1つのブリスターパックを選択するか、2つのブリスターパックを組み合わせることによって、1回の吸入で3、4、5、6、7、8、9または10単位の投与量を選択することができる。数字を大きくすることによって、ユーザは、吸入器に挿入されるブリスターパックの所望の組み合わせを容易に計算することができる。ブリスターパック34、35はまた、ブリスターの内容物に関する情報を含む電子的または機械的に読取可能なラベルまたはタグを有してもよい。吸入器は、ユーザに適切な投与量の適切な薬剤が投与されたかを確認するために、この情報を読み取る機構を備えることになる。
【0040】
本発明の第2の好適な実施形態100を図4に示す。この実施形態では、吸入器100は、1つの粉末投与チャンバ102のみを包含する。チャンバ102は2つの振動機構104、106を有しており、2つのブリスターパック34、35を振動機構104、106の台座に配置することができる。両方のカートリッジ34、35からの薬剤を内包する空気流Pは、導管31から主通路26まで通路108内を流れる。
【0041】
図5および図6は、本発明の第3実施形態202を示す。この実施形態では、吸入器は、吸入器202の後部204のスロット(図示せず)に挿入される1対のカートリッジストリップを収容するように設計されており、片方のカートリッジストリップ214のみが示されている。マウスピースカバー206(カバーした状態を示す)は、吸入器の先端のマウスピース(図示せず)の上にヒンジ式に軸着される。各カートリッジストリップは、複数のブリスターパック34を支持している。好ましくは、特定のストリップ上のすべてのブリスターパック34は同じ量の医薬品を内包する。ユーザは、異なるブリスターパック量を有する2つのカートリッジストリップを吸入器に装填し、吸入器202の上部のボタン212をスライドさせて各ストリップ上の1つまたは複数のブリスターパックにアクセスして穿孔することによって、所望投与量の医薬品すなわち薬剤を制御する。ユーザが所望投与量を選択して、ブリスター90を穿孔すると、圧電振動子によって医薬品が拡散する。好ましくは、ユーザに薬物が正しく吸入された時点および投薬が完了した時点を知らせるために、例えば、特許文献16に記載されたような、流量センサと、ノイズ発生器または1つ以上の照明210などのフィードバックが設けられる。要求される総投与量に応じて、ユーザはカートリッジストリップを交換して再び吸入するか、または同じカートリッジでさらに吸入を行うことが必要になる場合がある。ユーザが吸入した後、各ストリップは、例えばフィルムカメラのように、使用済みのブリスターを通り越して前進する。好ましくは、ストリップ214の周りのカバー208は、ストリップ214が空になる瞬間がユーザに見えるように透明に作製される。
【0042】
図6は、本発明の第3の好適な実施形態にしたがったカートリッジストリップ214を示す。カートリッジストリップ214は、その上にラベルまたは印が印刷された多数のカートリッジ34から成っている。
【0043】
図7から図9に示す本発明の第4実施形態300では、ユーザが保護カートリッジから個別ブリスター90またはそれらの組み合わせを選択することや、要求される薬剤の投与量に応じて1つまたは2つのブリスター90を器具またはツール314を用いて吸入器300内の受容スロット312に挿入することができる。先に述べたように、吸入器は、ユーザに薬物が正しく吸入された時点および投与が完了した時点を知らせるために、流量センサと、ノイズ発生器または照明310等のフィードバックを有してもよい。また、ユーザが正しく吸入していない場合、吸入器300は、ユーザが正しく吸入するまで投薬を停止するようにプログラムすることができる。吸入器300はまた、投与されたブリスターの数を合計して投薬期間の累計を保存するとともに、LCD302等に合計を表示するようにプログラムしてもよい。
【0044】
この実施形態では、二次包装装置または保護カートリッジ320が使用前の個別ブリスター90を保護および貯蔵する。二次包装装置320は、ブリスター90を保持するためのスロット322を有する。二次包装装置320から吸入器300までのブリスター90の移動は、器具またはツール314を使用することによって行われる。器具またはツール312は、好ましくはブリスター90を簡単に捕捉できるような溝を備えた1対の平行軌道324を有する。器具またはツール314の保護シールド316は、カートリッジと使用中のツールの間に輸送されるようにブリスター90を保護する。器具またはツール314は、スロット322からカートリッジ320に挿入されて、ブリスター34をつかむ。ユーザは器具またはツール314を取り出し、吸入器300の開口312まで移動させて挿入する。吸入器を使用している間、器具またはツール314は適所に置かれる。そして、使い終わったブリスターと一緒に器具またはツール314が取り除かれる。器具またはツールを使用することの特徴および利点は、ユーザの手や指との接触によって起こり得るブリスターの汚染または破損が回避されることである。
【0045】
本発明の第5実施形態は、図10に示すように、供給前のブリスター90を保護するためにスプールまたはカルーセル402を使用する。使用中、カルーセル402は、吸入器400のスロット404に取り付けられる。カルーセル402は回転して、ブリスター90を開口410に運ぶ。ブリスター90を吸入器の開口410を介してスロット404から落下させることができ、そこで従来のように開放させて処理することができる。スプールカルーセルに含まれるブリスターは、各々が同じ投与量の薬剤を内包している。ブリスターを保護するための他の包装技術および構造を図11および図12に示す。
【0046】
次に、図13Aおよび図13Bを参照すると、本発明の実施形態は共振キャビティ500を有しており、この共振キャビティ500は、共振キャビティ500に連結される圧電アクチュエータまたはトランスデューサ等の振動子530による作動時に、薬剤放出開口510から薬剤物質をエアロゾル化して放出することができる。投与量パックまたはブリスター供給窓520は、可変量の薬剤物質を共振キャビティ500に堆積させるために設けられる。ブリスターテープ540はテープ前進機構560と係合しており、薬剤内包投与量パックすなわちブリスターを供給窓520に接触させるように投薬前に前進する。この実施形態では、ブリスターテープ540上の選択された数のブリスター550が穿孔すなわち開放されて、所望投与量の薬剤が供給されることになる。この実施形態では、多数の投与量パック550が、薬剤の投与前に開放されると同時に共振キャビティ520に露出されることによって、1つの振動子530によって同時に作動するため、例えばシンセティックジェットによって、共振キャビティから薬剤を放出することによって可変投与量の薬剤を供給することができる。
【0047】
次に、図14Aを参照すると、本発明の別の実施形態では、好ましくは1回の吸入で特定の所望投与量の薬剤が供給されることになるように、同時または順番に多数の選択された投与量パック630または635を作動させる圧電素子等の少なくとも1つの振動子690を用いることによって、可変投与量の薬剤が患者に供給される。供給投与量は、1つ以上の投与量パック630または635を選択することによって、患者の要求に応じて変化させることができる。投与量パック630および635は、図14Bおよび図14Cに示すように、テープ600、610または620上に1つまたは複数の列に配列されており、図14Dに示すように、円形投与量パック630または細長投与量パック635のようなさまざまな形状にすることができる。投与量パック630および635は、好ましくは、所定量の薬剤を保持することができる支持テープ600、610または620に形成されるブリスターまたは同様の仕切りである。一実施形態では、テープ600は、剥離機構680によって個別投与量パック630からカバーテープ640を連続的または断続的に剥離しながら、振動子690の表面全体を移動している。テープ600は、テープ前進機構660によってスプール670から前進する。矢印650は、振動子690の作動時に放出およびエアロゾル化された薬剤の移動方向を示す。患者に供給される薬剤の投与量は、薬剤の供給中に開放されて圧電アクチュエータに接触した投与量パック630の数によって制御される。本発明のこの実施形態によれば、投与量パック630または635は、薬剤の1回の吸入/投与の際に連続的または断続的に移動して、振動子、圧電素子、またはその他の機械式アクチュエータを通過する多数の小キャビティや、テープやホイル上またはブリスターパックの内部にマイクロブリスターを有しており、1回の吸入で患者に供給される可変投与量は、開放すなわち穿孔されて、吸入中に患者への投与の対象となる小キャビティまたはマイクロブリスターの数によって規定される。一実施形態では、各マイクロブリスターすなわち投与量パック630は、例えば0.5mgの薬剤など、同量の薬剤を内包する。1mgの薬剤を患者に供給するには、2つのマイクロブリスターが開放すなわち穿孔される。同様に、2mgの薬剤の供給には、4つのマイクロブリスターが開放すなわち穿孔される。
【0048】
次に、図14Eを参照すると、本発明の実施形態が示されており、選択された数の投与量パックすなわちマイクロブリスター630が、投与量パックの上部カバーを穿孔することによって開放されるため、振動子690との接触時に薬剤を放出することができる(穿孔機構は図示せず)。この実施形態では、複数のマイクロブリスターすなわち投与量パック630が投薬中に振動子690に接触する。薬剤の放出は穿孔すなわち開放されたマイクロブリスターすなわち投与量パック630のみから行われるため、穿孔すなわち開放されるマイクロブリスターすなわち投与量パック630の数を選択することによって、患者に供給される可変投与量の薬剤が規定される。矢印650は、振動子690の作動時に放出およびエアロゾル化された薬剤の移動方向を示す。
【0049】
次に、図15Aおよび図15Bを参照すると、本発明の別の実施形態では、1つ以上の投与量パック710を同時に作用させるために使用される少なくとも1つの振動子700を用いて、可変投与量の薬剤が患者に供給される。作用する投与量パックの数によって、患者に供給される総投与量が決定されることになる。図15Aは、複数の穿孔すなわち開放された投与量パック710からの大量の薬剤の供給を示しており、薬剤のエアロゾル化および放出が矢印720で概略的に示される。
【0050】
図15Bは、1つの穿孔すなわち開放された投与量パック710からの少量の薬剤の供給を示しており、薬剤のエアロゾル化および放出が矢印720で概略的に示される。この実施形態では、可変投与量の薬剤が穿孔すなわち開放される投与量パックすなわちブリスター710の数によって規定される。
【0051】
図15Cおよび図15Dに示す本発明の別の実施形態では、穿孔すなわち開放され、振動子700に連結されている個別投与量パックすなわちブリスター710の数を選択することによって、可変投与量の薬剤の供給が実行される。図15Cは1つの個別投与量パック710を示し、図15Dは3つの個別投与量パック710を示しており、薬剤のエアロゾル化および放出が矢印720で概略的に示される。
【0052】
図16Aおよび図16Bは、薬剤の供給量を監視するためにセンサまたは検出器が設けられた本発明の別の実施形態を示す。薬剤は、患者の要求を上回る量の薬剤を内包する投与量パックから放出されている。必要投与量が患者に供給された時点で薬剤の供給は停止し、残りの薬は廃棄されるか、または今後の投与のために保持されて、可変投与量の薬剤が供給される。投与量パックすなわちブリスターに振動エネルギーを提供する圧電振動子等の振動子の作動を中止することによって、薬剤の供給が停止する。センサは、好ましくは、吸入装置の流路内を移動するエアロゾル粒子を検出および数量化することができる光学または音響センサである。
【0053】
図16Aおよび図16Bに示すように、添加剤と混合した薬剤でもあり得るエアロゾル化した薬剤800の噴煙は、矢印804および802で示す吸入器流路810内を移動する。次に、図16Aを参照すると、エアロゾル800は、エアロゾル噴煙800の特性を測定し、流路810を通過した薬剤の量を推定することができる光学、音響、またはその他の物理センサや検出器を通過する。光学または音響源820が流路810に内設して示される一方、同じく流路810に内設される光学または音響検出器830は、エアロゾル800との相互作用に起因して光学または音響源820が発する信号の減衰を検出することができる。エアロゾルの流路810の通過時間を取り込んで信号を減衰すると、流路810を通過した薬剤の量を推定することができる。所定投与量が流路810を通過した後、圧電アクチュエータ(図示せず)の作動が停止するため、薬剤の供給が中止される。このようにして、可変投与量の薬剤を供給することができる。別の実施形態では、光学または音響検出器830の代わりに、減衰された光学または音響信号を光学または音響源820に反射させることができる反射器(図示せず)が設置されており、この実施形態では、当該技術において周知のように反射信号を受信することもできる。エアロゾルの流路810の通過時間を取り込んで信号を減衰すると、流路810を通過した薬剤の量を推定することができる。
【0054】
次に、図16Bを参照すると、流路810の外部に光学源850が設置されており、流路810に入る光ファイバガイドすなわち光ファイバまたは光導管840を備えている。光ファイバ840を出た光学信号はエアロゾル800によって減衰され、光学検出器860によって検出される。エアロゾルの流路810の通過時間を取り込んだ信号により、流路810を通過した薬剤の量を推定することができる。所定投与量の薬剤が流路810を通過した後、圧電アクチュエータ(図示せず)の作動が停止するため、薬剤の供給が中止される。このようにして、可変投与量の薬剤を供給することができる。
【0055】
あるいは、センサは、ブリスターすなわち投与量パック内に残った薬剤の量を検出するセンサであり、好ましくは、石英微量天秤センサ、圧電センサ、または音響センサである。一実施形態では、薬剤を放出すべくブリスターを作動および振動させるために用いられる圧電素子は、圧電アクチュエータのアドミタンス等の、圧電アクチュエータの共振周波数または電気機械パラメータを測定することによって、ブリスターすなわち投与量パック内に残った薬剤の量を検出するセンサとしても利用される。さらに別の実施形態では、音響センサを使用して、ブリスターの音響特性を検出するか、またはブリスター内で発生する共振音波を測定するようにして、ブリスター内にまだ残っている薬剤の量を監視する。またさらに別の実施形態では、センサは、投与量パックすなわちブリスター内の光伝送の測定によって、投与量パックすなわちブリスター内に残っている薬剤の量を光学的に検出する。センサが、薬剤の残量を測定するか、または流路内を移動するエアロゾル粒子を数量化することによって、必要量の薬剤が患者に供給されたことを検出すると、センサは制御回路に信号を送信して、患者への薬剤の供給を停止する。
【0056】
次に、図17Aから図17Fを参照すると、本発明の別の実施形態では、キャニスタ900はバルク、すなわち多数の投与量の薬剤を内包する。キャニスタ900内部の湿気を吸収し、最適レベルの湿度を維持するために、任意の吸湿性要素920がキャニスタに含まれる。キャニスタ900は、好適な形態において同一またはさまざまな寸法のマイクロ投薬キャビティ960を有する回転ディスクからなる投薬板930と、好適な形態においてキャニスタと投薬板の間に位置する第1の回転蓋からなる第1の弁板940と連通する出口を有しており、これにより薬剤を充填するキャビティの数の選択が可能になるため、可変投与量の薬剤を選択することができる。そのような実施形態では、第1の弁板940は選択された数のキャビティを開放して、キャニスタ900からの薬剤を充填することができる。好適な形態において第2の回転ディスクからなる第2の弁板950は投薬板と吸入器の共振キャビティとの間に位置しており、薬剤をエアロゾル化して供給するために振動子機構または圧電素子を用いて、そこから薬剤の供給が行われる。使用中、第1の弁板940は、所望投与量に対応する規定数のマイクロキャビティ960を選択するように開放される。選択されたキャビティは、矢印970で概略的に示すようにキャニスタ900からの薬剤で充填される。その後、第1の弁板940が閉鎖し、第2の弁板950が開放して、薬剤を共振キャビティ(図示せず)に矢印980で概略的に示すように運んで、共振キャビティからの薬剤の放出、例えば、シンセティックジェットによって、エアロゾル化して患者に供給することができる。図17Bおよび図17Cは閉鎖した投薬板930を示しており、それぞれ、粉末910を充填するために開放し、粉末910を放出するために開放する。図17Eおよび図17Fは投薬板930の上面図であり、さまざまな数のマイクロ投薬キャビティ960を選択することによって、可変投与量の薬剤粉末910を選択するために開放する第1の弁板940とともに示される。
【0057】
本発明のまた別の実施形態では、図1に示す吸入器10または図4に示す吸入器100と同様だが、1つの振動機構36または37もしくは104または106のみを備えた吸入器が提供される。振動機構に連結された1つのカートリッジ34または35からの供給投与量は、供給時間と適当な較正曲線から推定され、その較正曲線では、薬剤パックすなわちブリスターであり得るカートリッジ34または35の振動または圧電作動の時間が供給投与量と相関している。後者の実施形態では、薬剤の供給時間を制御することによって、より詳細には、薬剤パックと接触する振動子機構または圧電素子を作動させる時間すなわちデューティサイクルを制御することによって、必要投与量が供給される。この実施形態では、最大投与量の場合、個別薬剤パックすなわちブリスターに内包される薬剤の総量が供給されるか、少ない投与量の薬剤の場合、個別薬剤パックすなわちブリスターに内包される薬剤の一部の量が供給される。個別薬剤パックに内包される全体の投与量が供給される前に振動素子を停止することによって、可変投与量の薬剤を患者に供給することができる。あるいは、振動素子を低いエネルギー入力で作動させて、低振動で作動させることによって、または低いデューティサイクルで振動素子を作動させて、断続的に振動出力を切り換えることによって、可変投与量の薬剤を患者に供給することができる。
【0058】
本発明の上述の実施形態は単なる可能な実施態様の例であり、単に本発明の原則を明確に理解するために記載されたものである。本発明の精神および原則から実質的に逸脱することなく、本発明の上述の実施形態に多くの変更および修正を加えることができる。そのようなすべての修正および変更は、本明細書において本開示および本発明の範囲に含まれ、添付の請求項によって保護されることを目的としている。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明にしたがって作製された第1実施形態の吸入器の縦断面概略図である。
【図2】図1の吸入器の斜視図である。
【図3】図4の本発明の第1実施形態で使用された医薬品すなわち薬剤ブリスターパックまたはカートリッジの上面斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態の縦断面概略図である。
【図7】本発明の第3実施形態の上面斜視図である。
【図8】図7の本発明の第3実施形態で使用されたカートリッジストリップの上面斜視図である。
【図9】本発明の第4実施形態の上面斜視図である。
【図10】図9の本発明の第4実施形態の別の上面斜視図である。
【図11】図9および図10の本発明の第4実施形態で使用されたピッチャーおよび第2の貯蔵装置の上面斜視図である。
【図12】本発明の第5実施形態で、吸入器とともに使用されるスプールの上面斜視図である。
【図13】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図14】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図15】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図16】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図17】本発明の代替実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の治療薬を患者に供給するための吸入装置であって、該治療薬が振動子によって拡散され、空気流に取り込まれて患者に供給される吸入装置において、所望投与量の前記治療薬を調整するために、同じまたは異なる投与量の前記治療薬を内包する2つ以上の投与量パックと選択的に連結される少なくとも2つの振動子を有する吸入装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つの振動子が同じ周波数および/または振幅で振動する、請求項1に記載の吸入装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの振動子が異なる周波数および/または振幅で振動する、請求項1に記載の吸入装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つの振動子が圧電振動子である、請求項1に記載の吸入装置。
【請求項5】
前記少なくとも2つの振動子が静電駆動ダイヤフラムである、請求項1に記載の吸入装置。
【請求項6】
前記治療薬が乾燥粉末状または液状である、請求項1に記載の吸入装置。
【請求項7】
前記投与量パックが測定された量の前記治療薬を内包するブリスターパックである、請求項1に記載の吸入装置。
【請求項8】
複数の前記ブリスターパックがストリップ上に支持される、請求項7に記載の吸入装置。
【請求項9】
該投与量パックが個別投与量パックからなる、請求項1に記載の吸入装置。
【請求項10】
該投与量パックが異なる投与量サイズの2つ以上の投与量パックからなる、請求項1に記載の吸入装置。
【請求項11】
該投与量パックが1、2、3、4および5投与量単位からなる群から選択される投与量サイズである、請求項10に記載の吸入装置。
【請求項12】
該治療薬がインシュリンであり、該投与量パックが1単位投与量パックのインシュリン、2単位投与量パックのインシュリン、3単位投与量パックのインシュリン、4単位投与量パックのインシュリン、および5単位投与量パックのインシュリンである、請求項11に記載の吸入装置。
【請求項13】
1つ以上の治療薬を患者に供給するための吸入装置であって、前記装置は少なくとも2つの投与量パックに近づくことができ、これにより、単一の吸入で所望投与量の前記治療薬が調整される、吸入装置。
【請求項14】
記投与量パックが同時または順番に供給される、請求項18に記載の吸入装置。
【請求項15】
共振キャビティと、
前記キャビティに連結される振動子と、
治療薬を内包し、支持テープ上に配列される複数の薬剤パックとを有しており、
1つ以上の前記薬剤パックからの前記治療薬が前記共振キャビティに堆積されて、所望投与量の前記治療薬が調整され、
前記振動子の振動によって、1回の吸入で供給される前記治療薬が入った前記共振キャビティからの前記治療薬がエアロゾル化して放出される、吸入装置。
【請求項16】
前記治療薬が乾燥粉末状または液状である、請求項15に記載の吸入装置。
【請求項17】
前記薬剤パックが測定された量の前記治療薬を内包するブリスターパックである、請求項15に記載の吸入装置。
【請求項18】
該薬剤パックが個別投与量パックからなる、請求項15に記載の吸入装置。
【請求項19】
該薬剤パックが異なる投与量サイズの2つ以上のパックからなる、請求項15に記載の吸入装置。
【請求項20】
該薬剤パックが1、2、3、4および5単位からなる群から選択される投与量サイズである、請求項19に記載の吸入装置。
【請求項21】
該治療薬がインシュリンであり、該薬剤パックが1単位投与量パックのインシュリン、2単位投与量パックのインシュリン、3単位投与量パックのインシュリン、4単位投与量パックのインシュリン、または5単位投与量パックのインシュリンである、請求項20に記載の吸入装置。
【請求項22】
治療薬を内包し、支持テープ上に配列される複数の薬剤パックと、
少なくとも1つの前記薬剤パックに連結される振動子とを有しており、
1つ以上の前記薬剤パックからの前記治療薬が、前記振動子の振動時に前記薬剤パックからエアロゾル化して放出され、
前記薬剤パックが前記支持テープ上で前進して、1回の吸入で供給される所望投与量の前記治療薬を調整する、吸入装置。
【請求項23】
前記治療薬が乾燥粉末状または液状である、請求項22に記載の吸入装置。
【請求項24】
前記薬剤パックが測定された量の前記治療薬を内包するブリスターパックである、請求項22に記載の吸入装置。
【請求項25】
該薬剤パックが個別投与量パックからなる、請求項22に記載の吸入装置。
【請求項26】
該薬剤パックが異なる投与量サイズの2つ以上のパックからなる、請求項22に記載の吸入装置。
【請求項27】
該薬剤パックが1、2、3、4および5単位からなる群から選択される投与量サイズである、請求項26に記載の吸入装置。
【請求項28】
該治療薬がインシュリンであり、該薬剤パックが1単位投与量パックのインシュリン、2単位投与量パックのインシュリン、3単位投与量パックのインシュリン、4単位投与量パックのインシュリン、または5単位投与量パックのインシュリンである、請求項27に記載の吸入装置。
【請求項29】
治療薬を内包する複数の薬剤パックと、
1つ以上の前記薬剤パックに連結される振動子とを有しており、
1つ以上の前記薬剤パックが開放すなわち穿孔された薬剤パックであり、
前記開放すなわち穿孔された薬剤パックからの前記治療薬が、前記振動子の振動時に前記開放すなわち穿孔された薬剤パックからエアロゾル化して放出されて、1回の吸入で供給される所望投与量の前記治療薬が調整される、吸入装置。
【請求項30】
前記治療薬が乾燥粉末状または液状である、請求項29に記載の吸入装置。
【請求項31】
前記薬剤パックが測定された量の前記治療薬を内包するブリスターパックである、請求項29に記載の吸入装置。
【請求項32】
該薬剤パックが個別投与量パックからなる、請求項29に記載の吸入装置。
【請求項33】
該薬剤パックが異なる投与量サイズの2つ以上のパックからなる、請求項29に記載の吸入装置。
【請求項34】
該薬剤パックが1、2、3、4および5単位からなる群から選択される投与量サイズである、請求項33に記載の吸入装置。
【請求項35】
該治療薬がインシュリンであり、該薬剤パックが1単位投与量パックのインシュリン、2単位投与量パックのインシュリン、3単位投与量パックのインシュリン、4単位投与量パックのインシュリン、または5単位投与量パックのインシュリンである、請求項34に記載の吸入装置。
【請求項36】
治療薬を内包する少なくとも1つの薬剤パックと、
前記薬剤パックに連結され、前記薬剤パックからの前記治療薬を振動させてエアロゾル化して放出して、エアロゾルを形成するようになっている振動子と、
前記エアロゾル内の前記治療薬の量を測定するようになっているセンサとを有しており、
所望投与量の前記治療薬が1回の吸入で供給された後、前記センサが前記振動子の振動を停止する信号を提供する、吸入装置。
【請求項37】
前記治療薬が乾燥粉末状または液状である、請求項36に記載の吸入装置。
【請求項38】
前記薬剤パックが測定された量の前記治療薬を内包するブリスターパックである、請求項36に記載の吸入装置。
【請求項39】
該薬剤パックが個別投与量パックからなる、請求項36に記載の吸入装置。
【請求項40】
該薬剤パックが異なる投与量サイズの2つ以上のパックからなる、請求項36に記載の吸入装置。
【請求項41】
該薬剤パックが1、2、3、4および5単位からなる群から選択される投与量サイズである、請求項40に記載の吸入装置。
【請求項42】
該治療薬がインシュリンであり、該薬剤パックが1単位投与量パックのインシュリン、2単位投与量パックのインシュリン、3単位投与量パックのインシュリン、4単位投与量パックのインシュリン、または5単位投与量パックのインシュリンである、請求項41に記載の吸入装置。
【請求項43】
前記センサは光学または音響センサである、請求項36に記載の吸入装置。
【請求項44】
医薬品を患者に供給するための吸入装置であって、
薬剤粉末を内包し、前記薬剤粉末用のバルブ出口を有するキャニスタと、
前記バルブキャニスタ出口と選択的に連通する投薬板であって、それによって選択された量の薬剤粉末が前記板に供給されるマイクロ投薬キャビティを有する前記投薬板と、
選択された量の前記薬剤粉末を前記投薬板から吸入装置の共振キャビティに供給するように選択的に機能する弁板と、
前記共振キャビティに連結され、前記薬剤粉末を振動させてエアロゾル化し、前記共振キャビティから放出するようになっている振動子とを有する、前記吸入装置。
【請求項45】
前記医薬品はインシュリンである、請求項44に記載の吸入装置。
【請求項46】
前記弁板は回転弁板である、請求項44に記載の吸入装置。
【請求項47】
治療薬を内包する少なくとも1つの薬剤パックと、
前記薬剤パックに連結される振動子と、
前記薬剤パック内の前記治療薬の量を検出するようになっているセンサとを有しており、
前記薬剤パックからの前記治療薬が、前記振動子の作動時に前記薬剤パックからエアロゾル化して放出されて、1回の吸入で供給される所望投与量の前記治療薬が調整され、
前記所望投与量の前記治療薬が供給された後、前記センサが前記振動子の作動を中止する信号を提供する、吸入装置。
【請求項48】
前記治療薬が乾燥粉末状または液状である、請求項47に記載の吸入装置。
【請求項49】
前記治療薬はインシュリンである、請求項47に記載の吸入装置。
【請求項50】
前記センサは光学、音響または圧電センサである、請求項47に記載の吸入装置。
【請求項51】
治療薬を内包する少なくとも1つの薬剤パックと、
前記薬剤パックに連結される振動子とを有しており、
前記薬剤パックからの前記治療薬が、前記振動子の作動時に前記薬剤パックからエアロゾル化して放出され、
前記振動が一定時間継続して、所望投与量の前記治療薬が調整され、
前記所望投与量の前記治療薬が1回の吸入で供給された後、前記振動が中止される、吸入装置。
【請求項52】
前記治療薬はインシュリンである、請求項51に記載の吸入装置。
【請求項53】
供給される前記治療薬の量を検出するセンサを備えている、請求項50に記載の吸入装置。
【請求項54】
前記センサは光学または音響センサである、請求項53に記載の吸入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−532189(P2009−532189A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504467(P2009−504467)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/066005
【国際公開番号】WO2007/121097
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(500566682)マイクロドース セラピューテクス,インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】