説明

可搬型の端末装置に搭載される制御装置

【課題】 ディスプレイに対して画像の向きを切り替え可能な可搬型の端末装置で印刷が指示される場合に、適切な印刷結果物をユーザに提供すること。
【解決手段】 可搬型の端末装置に搭載される制御装置は、画像80,90の印刷が指示される場合に、Webデータを用いて、プリンタが解釈可能なフォーマットを有する印刷データを生成して、プリンタに送信する。制御装置は、端末装置が縦向きの姿勢である状態で画像80の印刷が指示される第1の場合と、端末装置が横向きの姿勢である状態で画像90の印刷が指示される第2の場合と、のどちらでも、画像80,90の左右方向が印刷媒体300の短辺に沿う印刷(即ちポートレート印刷)であって、画像80,90の左右方向の全長が印刷媒体300の短辺の長さにほぼ等しくなる印刷を、プリンタに実行させるための印刷データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型音楽プレーヤー、ノートPC、タブレットPC等の可搬型の端末装置に搭載される制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、本体と、本体に対して回転可能なディスプレイと、を備える携帯電話が開示されている。この携帯電話は、ディスプレイが縦長の位置に存在する状態では、画像の左右方向がディスプレイの短辺に沿うように画像を表示させ、ディスプレイが横長の位置に存在する状態では、画像の左右方向がディスプレイの長辺に沿うように画像を表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−156893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、ディスプレイで表示されている画像をプリンタに印刷させることについて、何ら考慮されていない。本明細書では、ディスプレイに対して画像の向きを切り替え可能な可搬型の端末装置で当該画像の印刷が指示される場合に、適切な印刷結果物をユーザに提供し得る技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、可搬型の端末装置に搭載される制御装置を開示する。可搬型の端末装置は、矩形形状のディスプレイと、表示制御部と、を備える。ディスプレイは、第1方向に沿った第1の長さと、第1方向に直交する第2方向に沿った第2の長さであって、第1の長さと異なる第2の長さと、を有する。表示制御部は、特定のデータによって表わされる特定の画像の上下方向が第1方向に沿うと共に特定の画像の左右方向が第2方向に沿って、特定の画像がディスプレイに表示される第1の状態と、特定の画像の上下方向が第2方向に沿うと共に特定の画像の左右方向が第1方向に沿って、特定の画像がディスプレイに表示される第2の状態と、を切り替える。
【0006】
制御装置は、特定の画像の印刷が指示される場合に、特定のデータを用いて、プリンタが解釈可能なフォーマットを有する印刷データを生成する印刷データ生成部と、印刷データをプリンタに送信する送信部と、を備える。印刷データ生成部は、第1の状態で特定の画像の印刷が指示される第1の場合と、第2の状態で特定の画像の印刷が指示される第2の場合と、のどちらでも、特定の画像の左右方向が印刷媒体の短辺に沿う第1種の印刷であって、特定の画像の左右方向の全長が印刷媒体の短辺の長さに対応する第1種の印刷を、プリンタに実行させるための第1種の印刷データを生成する。
【0007】
上記の構成では、第1の状態で特定の画像の印刷が指示されても、第2の状態で特定の画像の印刷が指示されても、特定の画像の左右方向が短辺に沿っている印刷媒体が得られる。即ち、ディスプレイに対する特定の画像の向きに関わらず、特定の画像の左右方向が短辺に沿っている印刷媒体が得られる。従って、ユーザが統一性を感じ得る印刷結果物をユーザに提供することができる。特に、特定の画像の左右方向が印刷媒体の短辺に沿うために、特定の画像の左右方向が印刷媒体の長辺に沿う構成と比べて、印刷に必要な印刷媒体数を低減し得る。
【0008】
なお、上記の制御装置の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記憶媒体も新規で有用である。また、上記の制御装置を備える可搬型の端末装置も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】通信システムの構成を示す。
【図2】OSプログラムに従って実行される処理のフローチャートを示す。
【図3】印刷アプリケーションに従って実行される処理のフローチャートを示す。
【図4】第1実施例のプレビュー画像表示処理のフローチャートを示す。
【図5】第1実施例のプレビュー画像更新処理のフローチャートを示す。
【図6】第1実施例の印刷データ生成処理のフローチャートを示す。
【図7】印刷が実行されるまでの過程を示す。
【図8】第2実施例のプレビュー画像表示処理のフローチャートを示す。
【図9】第2実施例のプレビュー画像更新処理のフローチャートを示す。
【図10】第2実施例の印刷データ生成処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
(システムの構成)
図面を参照して第1実施例を説明する。図1に示されるように、通信システム2は、携帯端末装置10と、プリンタ60と、Webサーバ72と、を備える。携帯端末装置10とプリンタ60とは、ネットワーク50を介して、通信可能に接続されている。ネットワーク50は、Wi−Fi(登録商標)等に準拠したローカルエリアネットワーク(LAN)であり、アクセスポイント(AP)52と、ネットワークケーブル54と、を備える。ネットワーク50は、インターネット70に接続されている。Webサーバ72は、インターネット70に接続されている。携帯端末装置10は、AP52を介して、ネットワーク50に無線接続されることが可能である。この場合には、携帯端末装置10は、ネットワーク50を介して、プリンタ60と通信可能であり、さらに、ネットワーク50及びインターネット70を介して、Webサーバ72と通信可能である。
【0011】
(携帯端末装置10の構成)
携帯端末装置10は、ユーザが容易に持ち運ぶことができる端末装置(即ち可搬型の端末装置)である。携帯端末装置10は、例えば、携帯電話、PDA、携帯型音楽プレーヤー、ノートPC、タブレットPC等である。携帯端末装置10は、ディスプレイ12と、通信インターフェース(通信I/F)16と、制御部20と、を備える。各部12,16,20は、バス線18に接続されている。通信I/F16は、携帯端末装置10が無線通信を実行するためのI/Fである。
【0012】
ディスプレイ12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。図2には、携帯端末装置10の外観が示されている。図2に示されるように、ディスプレイ12は、短辺の長さがL1であると共に長辺の長さがL2である矩形形状(即ち(L2がL1より大きい長方形状)を有する。なお、図2に示される2つの携帯端末装置10のうちの上の図は、ディスプレイ12の長辺が、地表面に対して鉛直方向(即ち重力方向)に沿って伸びている様子を示す。また、下の図は、ディスプレイ12の短辺が、地表面に対して鉛直方向(即ち重力方向)に沿って伸びている様子を示す。以下では、図2のうちの上の図の状態について、「携帯端末装置10が縦向きの姿勢である」と表現することあり、図2のうちの下の図の状態について、「携帯端末装置10が横向きの姿勢である」と表現することがある。なお、本実施例のディスプレイ12は、いわゆるタッチパネルであり、ユーザによって操作される操作部を兼ねている。
【0013】
制御部20は、CPU22と、プログラム記憶領域24と、を備える。CPU22は、プログラム記憶領域24に格納されているプログラム26,28に従って、様々な処理を実行する。CPU22がOSプログラム26に従って処理を実行することによって、表示制御部30の機能が実現される。また、CPU22が印刷アプリケーション28に従って処理を実行することによって、印刷データ生成部40、送信部42、及び、表示データ生成部44の各機能が実現される。なお、OSプログラム26は、携帯端末装置10の出荷段階において、携帯端末装置10に予めインストールされている。また、印刷アプリケーション28は、例えば、プリンタ60のベンダによって提供されるサーバからダウンロードされることによって、携帯端末装置10にインストールされる。なお、本実施例に代えて、印刷アプリケーション28は、携帯端末装置10の出荷段階において、携帯端末装置10に予めインストールされていてもよいし、CD等の記憶媒体(メディア)から携帯端末装置10にインストールされてもよい。
【0014】
(OSプログラム26に従って実行される処理)
次いで、図2を参照して、OSプログラム26に従って実行される処理の内容について説明する。なお、以下では、Webデータによって表わされる画像をディスプレイ12に表示するための処理を中心に説明する。実際には、OSプログラム26は、他の様々な機能を実現するが、それらの機能についての説明を省略する。
【0015】
ユーザは、ディスプレイ12を操作することによって、Webサーバ72にアクセスするための指示を携帯端末装置10に与えることができる。この場合、S2において、表示制御部30(図1参照)は、Webサーバ72にアクセスして、Webサーバ72からHTML(Hyper Text Markup Language)形式のWebデータを取得する。
【0016】
次いで、S4において、表示制御部30は、携帯端末装置10に内蔵されている図示省略の姿勢センサ(例えば加速度センサ)の検出値に基づいて、携帯端末装置10の姿勢を判断する。具体的に言うと、表示制御部30は、携帯端末装置10が、縦向きの姿勢(図2のうちの上の図の状態)であるのか、横向きの姿勢で(図2のうちの下の図の状態)あるのか、を判断する。なお、S4では、表示制御部30は、携帯端末装置10が縦向き及び横向きのどちらの姿勢であるのかを厳密に判断するのではなく、携帯端末装置10が縦向き及び横向きのどちらの姿勢に近いのかを判断する。従って、例えば、携帯端末装置10が、ディスプレイ12の中央を回転中心として、縦向きの姿勢から時計回りに30度回転した状態では、表示制御部30は、S4でYES(縦向きの姿勢に近い)と判断する。また、例えば、携帯端末装置10が、ディスプレイ12の中央を回転中心として、縦向きの姿勢から時計回りに60度回転した状態では、表示制御部30は、S4でNO(横向きの姿勢に近い)と判断する。なお、以下の処理でも、携帯端末装置10の姿勢が判断される場合(例えば図4のS42、図5のS62)には、S4と同様の判断が実行される。
【0017】
S4でYESの場合(縦向きの姿勢に近い場合)には、S6において、表示制御部30は、S2で取得されたHTML形式のWebデータを用いて、RGBのBMP形式の縦向き用画像データを生成する。Webデータでは、通常、Webデータ(テキストデータ、画像データ等)によって表わされる画像(図2の例では「A」〜「L」のアルファベット)の上下方向及び左右方向が予め決められている。本実施例では、「A」、「B」、「C」の順に左から右に配列され、「A」、「D」、「G」、「J」の順に上から下に配列される。即ち、図2の上下方向が画像の上下方向であり、図2の左右方向が画像の左右方向である。S6では、表示制御部30は、Webデータによって表わされる画像の上下方向がディスプレイ12の長辺に沿うとともに、当該画像の左右方向がディスプレイ12の短辺に沿うように、縦向き用画像データを生成する。なお、本実施例では、ディスプレイ12に表示される画像80の左右方向の全長(「A」の左端から「C」の右端までの長さ)が、ディスプレイ12の短辺の長さにほぼ等しくなるように、縦向き用画像データが生成される。
【0018】
S6では、表示制御部30は、さらに、縦向き用画像データをディスプレイ12に供給する。この結果、図2のうちの上の図に示されるように、各アルファベットを含む画像80がディスプレイ12に表示される。なお、ユーザがディスプレイ12の表示を下方向にスクロールさせれば、「A」〜「L」のアルファベットの代わりに、「A」〜「L」のアルファベットよりも下に配置されるべき他の画像が、ディスプレイ12に表示される。S6を終えると、S9に進む。
【0019】
一方において、S4でNOの場合(横向きの姿勢に近い場合)には、S8において、表示制御部30は、S2で取得されたHTML形式のWebデータを用いて、RGBのBMP形式の横向き用画像データを生成する。S8では、表示制御部30は、Webデータによって表わされる画像の上下方向がディスプレイ12の短辺に沿うとともに、当該画像の左右方向がディスプレイ12の長辺に沿うように、横向き用画像データを生成する。S8では、表示制御部30は、さらに、横向き用画像データをディスプレイ12に供給する。この結果、図2のうちの下の図に示されるように、各アルファベットを含む画像90がディスプレイ12に表示される。
【0020】
なお、本実施例では、ディスプレイ12に表示される画像90の左右方向の全長(「A」の左端から「C」の右端までの長さ)が、ディスプレイ12の長辺の長さにほぼ等しくなるように、横向き用画像データが生成される。当然のことながら、ディスプレイ12の長辺は、ディスプレイ12の短辺よりも長い。このために、横向き用画像データによって表わされる画像90を構成する部分画像(例えば1個のアルファベット「A」)のサイズは、縦向き用画像データによって表わされる画像80を構成する同じ部分画像のサイズよりも大きい。従って、図2のうちの上の図に示されるように、縦向き用画像データがディスプレイ12に供給される場合には、アルファベット「A」〜「L」が表示されるが、図2のうちの下の図に示されるように、横向き用画像データがディスプレイ12に供給される場合には、アルファベット「A」〜「F」のみが表示される。なお、変形例では、横向き用画像データによって表わされる画像90を構成する部分画像のサイズと、縦向き用画像データによって表わされる画像80を構成する同じ部分画像のサイズと、が同じでもよい。S8を終えると、S9に進む。
【0021】
S9では、表示制御部30は、Webデータによって表わされる画像80,90をディスプレイ12に表示するのを終了するための操作が実行されたのか否かを判断する。ここでNOの場合、表示制御部30は、S4に戻って、携帯端末装置10の姿勢が変化することを監視する。例えば、携帯端末装置10が縦向きの姿勢から横向きの姿勢に変化する場合には、表示制御部30は、S4でNOと判断し、S8において、横向き用画像データを生成して、ディスプレイ12に供給する。また、例えば、携帯端末装置10が横向きの姿勢から縦向きの姿勢に変化する場合には、表示制御部30は、S4でYESと判断し、S6において、縦向き用画像データを生成して、ディスプレイ12に供給する。即ち、携帯端末装置10は、携帯端末装置10の姿勢に応じて、ディスプレイ12に対する画像80,90の向きを切り替える。なお、S9でYESの場合には、Webデータによって表わされる画像80,90の表示が終了する。
【0022】
(印刷アプリケーション28に従って実行される処理)
次いで、図3を参照して、印刷アプリケーション28に従って実行される処理の内容について説明する。ユーザは、図2のうちの上の図又は下の図に示されるように、Webデータによって表わされる画像80,90がディスプレイ12に表示されている状態で、ディスプレイ12を操作することによって、印刷アプリケーション28を起動するための指示を携帯端末装置10に与えることができる。この場合、図3の処理が開始される。
【0023】
(プレビュー画像表示処理)
まず、S10において、表示データ生成部44(図1参照)は、プレビュー画像表示処理を実行する。図4は、プレビュー画像表示処理のフローチャートを示す。S42では、表示データ生成部44は、携帯端末装置10の姿勢を判断する。携帯端末装置10が縦向きの姿勢である場合には、表示データ生成部44は、S42でYESと判断し、S44に進む。S44では、表示データ生成部44は、Webデータによって表わされる画像80(図2参照)のポートレート印刷(即ち印刷対象の画像の左右方向が印刷媒体の短辺に沿う印刷)の結果を示すプレビュー画像を表わす縦向き用プレビュー画像データを生成して、ディスプレイ12に供給する。この結果、プレビュー画像100がディスプレイ12に表示される。プレビュー画像100は、印刷媒体の輪郭102と、Webデータによって表わされる画像80に対応する画像104(即ちアルファベット「A」〜「L」)と、を示す。
【0024】
S44の処理の内容について、より具体的に説明する。S44の段階では、ユーザによって印刷条件が未だに選択されていないために、表示データ生成部44は、予め決められている印刷条件(以下では「所定の印刷条件」と呼ぶ)を用いて、プレビュー画像データを生成する。本実施例では、上記の所定の印刷条件は、A4サイズの印刷媒体を用いたカラー印刷である。従って、表示データ生成部44は、プレビュー画像100内の輪郭102の縦横比が、A4サイズの縦横比である1:ルート2になるように、プレビュー画像データを生成する。また、表示データ生成部44は、プレビュー画像100内の画像104がカラー画像になるように、プレビュー画像データを生成する。なお、本実施例では、さらに、上記の所定の印刷条件として、予め決められた余白のサイズを採用している。印刷媒体の短辺の両端のそれぞれの余白のサイズは、印刷媒体の短辺の長さの1/10よりも小さい。従って、画像104の左右方向の全長(「A」の左端から「C」の右端までの長さ)は、輪郭102の短辺の長さにほぼ等しい。なお、変形例では、上記の所定の印刷条件として、余白なしを採用してもよい。この変形例では、画像104の左右方向の全長は、輪郭102の短辺の長さに一致する。なお、短辺方向の余白と同様に、印刷媒体の長辺の両端のそれぞれの余白のサイズは、印刷媒体の長辺の長さの1/10よりも小さい。従って、画像104の上下方向の全長(「A」の上端から「J」の下端までの長さ)は、輪郭102の長辺の長さにほぼ等しい。
【0025】
S44では、さらに、表示データ生成部44は、プレビュー画像100の左右方向がディスプレイ12の短辺に沿うとともに、プレビュー画像100の上下方向がディスプレイ12の長辺に沿うように、プレビュー画像データを生成する。なお、プレビュー画像100の左右方向は、プレビュー画像100内の画像104の左右方向(即ち「A」、「B」、「C」が並ぶ方向)に対応し、プレビュー画像100の上下方向は、プレビュー画像100内の画像104の上下方向(即ち「A」、「D」、「G」、「J」が並ぶ方向)に対応する。さらに、S44では、表示データ生成部44は、1枚の印刷媒体に対する印刷結果を示すプレビュー画像100の全体がディスプレイ12内に収まるように、プレビュー画像データを生成する。なお、表示データ生成部44は、プレビュー画像100の全体がディスプレイ12内に収まる範囲内で可能な限り、プレビュー画像100の全体のサイズが大きくなるように、プレビュー画像データを生成する。S44を終えると、プレビュー画像表示処理が終了する。
【0026】
一方において、携帯端末装置10が横向きの姿勢である場合には、表示データ生成部44は、S42でNOと判断し、S46に進む。S46では、表示データ生成部44は、Webデータによって表わされる画像80(図2参照)のポートレート印刷の結果を示すプレビュー画像を表わす横向き用プレビュー画像データを生成して、ディスプレイ12に供給する。この結果、プレビュー画像110がディスプレイ12に表示される。プレビュー画像110は、印刷媒体の輪郭112と、Webデータによって表わされる画像80に対応する画像114(即ちアルファベット「A」〜「L」)と、を示す。
【0027】
S46では、S44と同様に、表示データ生成部44は、上記の所定の印刷条件を用いて、プレビュー画像データを生成する。従って、プレビュー画像110内の輪郭112の縦横比は、1:ルート2であり、プレビュー画像110内の画像114は、カラー画像である。S46では、さらに、表示データ生成部44は、プレビュー画像110の左右方向(即ち「A」、「B」、「C」が並ぶ方向)がディスプレイ12の長辺に沿うとともに、プレビュー画像110の上下方向(即ち「A」、「D」、「G」、「J」が並ぶ方向)がディスプレイ12の短辺に沿うように、プレビュー画像データを生成する。その他の点は、S44と同様である。S46を終えると、プレビュー画像表示処理が終了する。
【0028】
上述したように、本実施例では、プレビュー画像表示処理が実行されるために、ユーザは、ディスプレイ12で表示されている画像80,90が実際に印刷される前に、印刷結果を確認することができる。特に、ユーザによって印刷条件が設定される前に(即ち印刷アプリケーション28が起動された直後に)、プレビュー画像100等が表示されるために、ユーザは、プレビュー画像100等を迅速に確認することができる。また、1枚の印刷媒体に対応するプレビュー画像100等の全体がディスプレイ12に収まるように表示されるために、ユーザは、プレビュー画像100等を確認し易い。
【0029】
(プレビュー画像表示処理後の処理)
プレビュー画像表示処理が終了すると、図3のS12に進む。S12では、制御部20は、検索パケットをネットワーク50(図1参照)に送信する。この結果、ネットワーク50に接続されているプリンタ60は、応答パケットを携帯端末装置10に送信する。ネットワーク50に他のプリンタ(図示省略)がさらに接続されている場合には、当該他のプリンタも、応答パケットを携帯端末装置10に送信する。応答パケットは、送信元のプリンタのノード名、IPアドレス等を含む。制御部20は、各プリンタのノード名をディスプレイ12に表示させる。ユーザは、ディスプレイ12を操作することによって、1個のプリンタのノード名を選択することができる。この場合、制御部20は、S14でYESと判断し、S16に進む。本実施例では、プリンタ60のノード名が選択されたものとして、以下の説明を続ける。
【0030】
S16では、制御部20は、プリンタ60が実行可能な印刷条件をプリンタ60に問い合わせる。この結果、制御部20は、プリンタ60が実行可能な印刷条件を示す情報を取得する。なお、プリンタ60が実行可能な印刷条件は、例えば、印刷媒体のサイズ(A4サイズ、Letterサイズ等)、印刷媒体の種類(普通紙、光沢紙等)、印刷の色数(カラー印刷、モノクロ印刷)、両面印刷の可否等を含む。
【0031】
次いで、S18において、制御部20は、S16で取得された情報に基づいて、プリンタ60が実行可能な印刷条件をディスプレイ12に表示させる。ユーザは、ディスプレイ12を操作することによって、所望の印刷条件を設定(即ち選択)することができる。この場合、制御部20は、S20でYESと判断し、S22に進む。なお、本実施例では、印刷媒体のサイズとして「Letterサイズ」が設定され、印刷の色数として「モノクロ印刷」が設定されたものとして、以下の説明を続ける。
【0032】
(プレビュー画像更新処理)
次いで、S22のプレビュー画像更新処理の内容について説明する。図5は、プレビュー画像更新処理のフローチャートを示す。携帯端末装置10が縦向きの姿勢である場合には、表示データ生成部44は、S62でYESと判断し、S64に進む。S64の処理は、設定済みの印刷条件(即ちモノクロ印刷、Letterサイズ)が利用される点を除くと、図4のS44の処理と同様である。S64の処理の結果、図4のプレビュー画像100に代えて、プレビュー画像200がディスプレイ12に表示される。プレビュー画像200内の輪郭202の縦横比は、Letterサイズの縦横比である8.5:11であり、プレビュー画像200内の画像204は、モノクロ画像である。なお、図4のプレビュー画像表示処理の場合と比べて、印刷媒体の縦横比が変わるために、プレビュー画像200内の画像204の一部(「J」、「K」、「L」の一部)が欠損している。S64を終えると、プレビュー画像更新処理が終了する。
【0033】
一方において、携帯端末装置10が横向きの姿勢である場合には、表示データ生成部44は、S62でNOと判断し、S66に進む。S66の処理は、設定済みの印刷条件(即ちモノクロ印刷、Letterサイズ)が利用される点を除くと、図4のS46の処理と同様である。S66の処理の結果、図4のプレビュー画像110に代えて、8.5:11の縦横比を有する輪郭212と、モノクロ画像である画像214と、を示すプレビュー画像210が、ディスプレイ12に表示される。S66を終えると、プレビュー画像更新処理が終了する。
【0034】
上述したように、本実施例では、プレビュー画像更新処理が実行されるために、例えば、ユーザによってモノクロ印刷が設定される場合には、モノクロ印刷の印刷結果を示すプレビュー画像200等が表示される。また、例えば、ユーザによって印刷媒体のサイズ(例えばLetterサイズ)が設定される場合には、そのサイズの縦横比に従ったプレビュー画像200等が表示される。ユーザは、自身が希望する印刷条件に従った印刷結果を示すプレビュー画像200等を確認することができる。
【0035】
(プレビュー画像更新処理後の処理)
プレビュー画像更新処理が終了すると、図3のS24に進む。S24では、制御部20は、ユーザによって印刷開始が指示されることを監視する。ユーザは、図5のプレビュー画像更新処理で表示されるプレビュー画像200等を見た後に、ディスプレイ12を操作することによって、印刷開始を指示することができる。この場合、制御部20は、S24でYESと判断し、S28に進む。なお、ユーザは、印刷開始を指示する前に、携帯端末装置10の姿勢を変化させることができる。制御部20は、携帯端末装置10の姿勢が変化すること(即ち、縦向きの姿勢に近い状態から横向きの姿勢に近い状態に変化すること、又は、横向きの姿勢に近い状態から縦向きの姿勢に近い状態に変化すること)を監視している(S26)。ここでYESの場合、表示データ生成部44は、S22のプレビュー画像更新処理(図5参照)を再び実行する。この結果、例えば、縦向きの姿勢から横向きの姿勢に変化した場合には、プレビュー画像200に代えて、プレビュー画像210が新たに表示される。
【0036】
(印刷データ生成処理)
続いて、S28の印刷データ生成処理の内容について説明する。図6は、印刷データ生成処理のフローチャートを示す。S82では、印刷データ生成部40は、ポートレート印刷用の印刷データを生成する。さらに、S82では、送信部42は、図3のS12で取得されたプリンタ60のIPアドレスを送信先として、ポートレート印刷用の印刷データを送信する。この結果、プリンタ60は、ポートレート印刷用の印刷データを用いて、印刷媒体300に画像302を印刷する。
【0037】
S82の処理の内容について、詳しく説明する。プリンタ60は、通常、JPEG形式のデータを解釈可能である。従って、本実施例では、印刷データ生成部40は、図2のS2で取得されたWebデータを用いて、RGBのビットマップデータを生成し、そのビットマップデータを圧縮することによってJPEG形式の印刷データを生成する。
【0038】
さらに、印刷データ生成部40は、設定済みの印刷条件(即ち、モノクロ印刷、Letterサイズ)を用いて、ポートレート印刷用の印刷データを生成する。即ち、モノクロ印刷をプリンタ60に実行させるために、印刷データ生成部40は、ビットマップデータを構成する各画素のRGB値が同じになるように、ビットマップデータを生成する。また、Letterサイズの印刷媒体に対する印刷をプリンタ60に実行させるために、印刷データ生成部40は、Letterサイズの印刷媒体の短辺の長さ及び長辺の長さに対応する画素数を有するビットマップデータを生成する。さらに、Webデータによって表わされる画像80(図2参照)のポートレート印刷をプリンタ60に実行させるために、印刷データ生成部40は、印刷されるべき画像302の左右方向(即ち「A」、「B」、「C」が並ぶ方向)が印刷媒体の短辺に沿うとともに、当該画像302の上下方向(即ち「A」、「D」、「G」、「H」が並ぶ方向)が印刷媒体の長辺に沿うように、ビットマップデータを生成する。なお、印刷データ生成部40は、予め決められた余白のサイズを用いて、ビットマップデータを生成する。ここでの余白のサイズは、プレビュー画像の場合と同様である(例えば、短辺方向の余白のサイズは、短辺の長さの1/10よりも小さい)。従って、画像302の左右方向の全長(「A」の左端から「C」の右端までの長さ)は、印刷媒体300の短辺の長さにほぼ等しい。なお、変形例では、余白なしを採用してもよい。この変形例では、画像302の左右方向の全長は、印刷媒体300の短辺の長さに等しい。S82を終えると、印刷データ生成処理が終了する。
【0039】
(本実施例の効果)
図7は、携帯端末装置10の姿勢に応じて、ディスプレイ12に表示される画像と、印刷媒体300に印刷される画像と、が変化する様子を示す。なお、図7内の複数個の図のうち、「ポートレート印刷固定モード」に対応する各図は、第1実施例で実現される。図7内の「表示依存モード」は、後述の第2実施例で利用される。携帯端末装置10が縦向きの姿勢である状態で、印刷アプリケーション28の起動指示が与えられると、プレビュー画像100が表示される(図4のS44)。次いで、印刷条件が設定されると、プレビュー画像200が表示され(図5のS64)、印刷開始指示が与えられると、印刷媒体300に対するポートレート印刷が実行される(図6のS82)。また、携帯端末装置10が横向きの姿勢である状態で、印刷アプリケーション28の起動指示が与えられると、プレビュー画像110が表示される(図4のS46)。次いで、印刷条件が設定されると、プレビュー画像210が表示され(図5のS66)、印刷開始指示が与えられると、印刷媒体300に対するポートレート印刷が実行される(図6のS82)。即ち、本実施例では、端末装置10が縦向きの姿勢である状態と、端末装置10が横向きの姿勢である状態と、のどちらの状態で印刷アプリケーション28の起動指示が与えられても、ポートレート印刷が実行される。
【0040】
例えば、携帯端末装置10が縦向きの姿勢である状態で印刷アプリケーション28の起動指示が与えられる場合に、ポートレート印刷をプリンタ60に実行させ、携帯端末装置10が横向きの姿勢である状態で印刷アプリケーション28の起動指示が与えられる場合に、ランドスケープ印刷(即ち印刷対象の画像の左右方向が印刷媒体の長辺に沿う印刷)をプリンタ60に実行させる構成(以下では「比較例の携帯端末装置」と呼ぶ)が考えられる。比較例の携帯端末装置では、ディスプレイに対する画像の向きに応じて、印刷媒体に対する画像の向きが変わる。従って、例えば、ユーザが、比較例の携帯端末装置が縦向きの姿勢である状態で表示されている第1の画像の印刷を指示し、次いで、比較例の携帯端末装置が横向きの姿勢である状態で表示されている第2の画像の印刷を指示すれば、第1の画像の左右方向が短辺に沿っている第1の印刷媒体(即ちポートレート印刷の結果物)が得られるともに、第2の画像の左右方向が長辺に沿っている第2の印刷媒体(即ちランドスケープ印刷の結果物)が得られる。例えば、上記の第1の画像が上位層のWebページ(例えばトップページ)であり、上記の第2の画像が上位層のWebページからリンクしている下位層のWebページである場合には、第1の印刷媒体に対する上位層のWebページの向きと、第2の印刷媒体に対する下位層のWebページの向きと、が変わってしまう。即ち、上記の比較例の携帯端末装置では、第1の印刷媒体と第2の印刷媒体とで、印刷媒体に対する画像の向きが変わってしまい、ユーザが統一性を感じ得ない印刷結果物がユーザに提供される。
【0041】
これに対し、本実施例の携帯端末装置10では、携帯端末装置10が縦向きの姿勢である状態で表示されている画像80(図2参照)の印刷の指示が与えられても、携帯端末装置10が横向きの状態で表示されている画像90(図2参照)の印刷の指示が与えられても、画像80等の左右方向が短辺に沿っている印刷媒体300が得られる。即ち、ディスプレイ12に対する画像80等の向きに関わらず、ポートレート印刷が実行される。従って、ユーザが統一性を感じ得る印刷結果物をユーザに提供することができる。特に、画像80等の左右方向が印刷媒体300の短辺に沿うために、即ち、画像80等の上下方向が印刷媒体300の長辺に沿うために、画像80等の左右方向が印刷媒体300の長辺に沿う構成(ランドスケープ印刷)と比べて、印刷に必要な印刷媒体数を低減し得る。さらに、本実施例での印刷の対象であるWebデータは、上下方向に比較的に長いデータ構成を有している可能性が高い。従って、印刷に必要な印刷媒体数を低減するという効果が顕著に現われる。さらに、本実施例では、画像80等の左右方向の全長が印刷媒体300の短辺の長さにほぼ等しいために、画像80等の左右方向の全長が印刷媒体300の短辺の長さよりも大幅に小さくなること(即ち印刷媒体に対して画像80等が大幅に小さく印刷されること)を抑制することができる。本実施例によると、ディスプレイ12に対して画像80等の向きを切り替え可能な可搬型の端末装置10で印刷が指示される場合に、適切な印刷結果物をユーザに提供し得る。
【0042】
本実施例の各要素と本発明の各要素との対応関係を記載しておく。図2のS2で取得される「Webデータ」が「特定のデータ」の一例である。図7において、画像80が表示されている状態で印刷アプリケーション28が起動される場合、画像90が表示されている状態で印刷アプリケーション28が起動される場合が、それぞれ、「第1の場合」、「第2の場合」の一例である。また、図6のS82で生成される印刷データが、「第1種の印刷データ」の一例である。また、図4のプレビュー画像100、プレビュー画像110、図5のプレビュー画像200が、それぞれ、「第1種のプレビュー画像」、「第2種のプレビュー画像」、「第3種のプレビュー画像」の一例である。
【0043】
(第2実施例)
第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、印刷アプリケーション28を用いて、プリンタ60に印刷を実行させるための2つのモードが存在する。一方のモードは、ディスプレイ12に対する画像の向き(即ち携帯端末装置10の姿勢)に関わらず、ポートレート印刷をプリンタ60に実行させるためのモード(以下では「ポートレート印刷固定モード」と呼ぶ)である。他方のモードは、ディスプレイ12に対する画像の向き(即ち携帯端末装置10の姿勢)に応じて、ポートレート印刷とランドスケープ印刷とのどちらかをプリンタ60に実行させるためのモード(以下では「表示依存モード」と呼ぶ)である。ユーザは、ディスプレイ12を操作(タッチ)することによって、ポートレート印刷固定モードと表示依存モードとのうちの1つのモードを選択することができる。制御部20内の図示省略のメモリには、ユーザによって選択されたモードを示す情報が格納される。
【0044】
(プレビュー画像表示処理)
本実施例では、図3のS10で実行されるプレビュー画像表示処理(図4)の内容が、第1実施例と異なる。図8は、本実施例のプレビュー画像表示処理のフローチャートを示す。S40において、表示データ生成部44は、図示省略のメモリ内の情報を読み込むことによって、ポートレート印刷固定モードと表示依存モードとのうちのどちらのモードがユーザによって選択されているのかを判断する。ポートレート印刷固定モードが選択されている場合には、表示データ生成部44は、S40でYESと判断し、S42に進む。また、表示依存モードが選択されている場合には、表示データ生成部44は、S40でNOと判断し、S48に進む。ポートレート印刷固定モードの場合に実行されるS42〜S46は、第1実施例の図4のS42〜S46と同様である。
【0045】
(表示依存モード)
S48では、表示データ生成部44は、携帯端末装置10の姿勢を判断する。携帯端末装置10が縦向きの姿勢である場合には、表示データ生成部44は、S48でYESと判断し、S44に進む。一方において、携帯端末装置10が横向きの姿勢である場合には、表示データ生成部44は、S48でNOと判断し、S50に進む。S50では、表示データ生成部44は、Webデータによって表わされる画像90(図2参照)のランドスケープ印刷の結果を示すプレビュー画像を表わす横向き用プレビュー画像データを生成して、ディスプレイ12に供給する。この結果、プレビュー画像120がディスプレイ12に表示される。プレビュー画像120は、印刷媒体の輪郭122と、Webデータによって表わされる画像90に対応する画像124(即ちアルファベット「A」〜「F」)と、を示す。
【0046】
S50では、S44と同様に、表示データ生成部44は、上記の所定の印刷条件(A4の印刷媒体を用いたカラー印刷)を用いて、プレビュー画像データを生成する。従って、プレビュー画像120内の輪郭122の縦横比は、1:ルート2であり、プレビュー画像120内の画像124は、カラー画像である。S50では、さらに、表示データ生成部44は、プレビュー画像120の左右方向(即ち「A」、「B」、「C」が並ぶ方向)がディスプレイ12の長辺に沿うとともに、プレビュー画像120の上下方向(即ち「A」、「D」が並ぶ方向)がディスプレイ12の短辺に沿うように、プレビュー画像データを生成する。なお、本実施例では、上記の所定の印刷条件として、予め決められた余白のサイズを採用している。この結果、画像124の左右方向の全長(「A」の左端から「C」の右端までの長さ)は、輪郭122の長辺の長さにほぼ等しくなる。従って、プレビュー画像120内の画像124の左右方向の全長は、S44で表示されるプレビュー画像100内の画像104の左右方向の全長よりも大きくなる。その結果、プレビュー画像120内の画像124を構成する部分画像(例えば1個のアルファベット「A」)のサイズは、プレビュー画像100内の画像104を構成する同じ部分画像のサイズよりも大きくなる。その他の点は、S44と同様である。S50を終えると、プレビュー画像表示処理が終了する。
【0047】
(プレビュー画像更新処理)
本実施例では、図3のS22で実行されるプレビュー画像更新処理の内容が、第1実施例と異なる。図9は、本実施例のプレビュー画像更新処理のフローチャートを示す。S60では、表示データ生成部44は、ポートレート印刷固定モードと表示依存モードとのうちのどちらのモードがユーザによって選択されているのかを判断する。ポートレート印刷固定モードが選択されている場合には、表示データ生成部44は、S60でYESと判断し、S62に進む。また、表示依存モードが選択されている場合には、表示データ生成部44は、S60でNOと判断し、S68に進む。ポートレート印刷固定モードの場合に実行されるS62〜S66は、第1実施例の図5のS62〜S66と同様である。
【0048】
(表示依存モード)
S68では、表示データ生成部44は、携帯端末装置10の姿勢を判断する。携帯端末装置10が縦向きの姿勢である場合には、表示データ生成部44は、S68でYESと判断し、S64に進む。一方において、携帯端末装置10が横向きの姿勢である場合には、表示データ生成部44は、S68でNOと判断し、S70に進む。S70の処理は、設定済みの印刷条件(即ちモノクロ印刷、Letterサイズ)が利用される点を除くと、図8のS50の処理と同様である。S70の処理の結果、図8のプレビュー画像120に代えて、8.5:11の縦横比を有する輪郭222と、モノクロ画像である画像224と、を示すプレビュー画像220が、ディスプレイ12に表示される。なお、図8のプレビュー画像表示処理の場合と比べて、印刷媒体の縦横比が変わるために、プレビュー画像220内の画像224の一部(「C」、「F」の一部)が欠損している。S70を終えると、プレビュー画像更新処理が終了する。
【0049】
(印刷データ生成処理)
本実施例では、図3のS28で実行される印刷データ生成処理の内容が、第1実施例と異なる。図10は、本実施例の印刷データ生成処理のフローチャートを示す。S80では、印刷データ生成部40(図1参照)は、ポートレート印刷固定モードと表示依存モードとのうちのどちらのモードがユーザによって選択されているのかを判断する。ポートレート印刷固定モードが選択されている場合には、印刷データ生成部40は、S80でYESと判断し、S82に進む。ポートレート印刷固定モードの場合に実行されるS82は、第1実施例の図6のS82と同様である。また、表示依存モードが選択されている場合には、印刷データ生成部40は、S80でNOと判断し、S84に進む。
【0050】
(表示依存モード)
S84では、印刷データ生成部40は、携帯端末装置10の姿勢を判断する。携帯端末装置10が縦向きの姿勢である場合には、印刷データ生成部40は、S84でYESと判断し、S82に進む。この結果、プリンタ60は、印刷媒体300に対する画像302のポートレート印刷を実行する。一方において、携帯端末装置10が横向きの姿勢である場合には、印刷データ生成部40は、S84でNOと判断し、S86に進む。S86の処理では、印刷データ生成部40は、ランドスケープ印刷用の印刷データを生成する。さらに、S86では、送信部42は、図3のS12で取得されたプリンタ60のIPアドレスを送信先として、ランドスケープ印刷用の印刷データを送信する。この結果、プリンタ60は、ランドスケープ印刷用の印刷データを用いて、印刷媒体300に画像402を印刷する。
【0051】
S86の処理は、基本的には、S82の処理と同様である。ただし、Webデータによって表わされる画像90(図2参照)のランドスケープ印刷をプリンタ60に実行させるために、印刷データ生成部40は、印刷されるべき画像402の左右方向(即ち「A」、「B」、「C」が並ぶ方向)が印刷媒体の長辺に沿うとともに、当該画像402の上下方向(即ち「A」、「D」が並ぶ方向)が印刷媒体の短辺に沿うように、ビットマップデータを生成する。なお、S82の処理と同様に、予め決められている余白が利用されるために、画像402の左右方向の全長(「A」の左端から「C」の右端までの長さ)は、印刷媒体300の長辺の長さにほぼ等しくなる。当然ながら、印刷媒体300の長辺の長さは、印刷媒体300の短辺の長さよりも長い。従って、ランドスケープ印刷によって得られる画像402の左右方向の全長は、ポートレート印刷によって得られる画像302の左右方向の全長よりも長くなる。その結果、画像402を構成する部分画像(例えば1個のアルファベット「A」)のサイズは、画像302を構成する同じ部分画像のサイズよりも大きくなる。
【0052】
なお、S86で生成される印刷データでは、個々の部分画像(個々のアルファベット「A」等)のサイズが大きいために、1枚の印刷媒体300に「A」〜「F」のみしか印刷されず、「G」〜「L」が印刷されない。従って、S86では、印刷データ生成部40は、さらに、「G」〜「L」を他の印刷媒体に印刷するための印刷データを生成する。即ち、S86の処理が実行される場合には、S82の処理が実行される場合と比べて、必要な印刷媒体数が多くなる。S86を終えると、印刷データ生成処理が終了する。
【0053】
(本実施例の効果)
図7に示されるように、表示依存モードでは、携帯端末装置10が縦向きの姿勢である状態で、印刷アプリケーション28の起動指示が与えられると、プレビュー画像100が表示される(図8のS44)。次いで、印刷条件が設定されると、プレビュー画像200が表示され(図9のS64)、印刷開始指示が与えられると、印刷媒体300に対するポートレート印刷が実行される(図10のS82)。また、表示依存モードでは、携帯端末装置10が横向きの姿勢である状態で、印刷アプリケーション28の起動指示が与えられると、プレビュー画像120が表示される(図8のS50)。次いで、印刷条件が設定されると、プレビュー画像220が表示され(図9のS70)、印刷開始指示が与えられると、印刷媒体300に対するランドスケープ印刷が実行される(図10のS86)。即ち、表示依存モードでは、端末装置10が縦向きの姿勢である状態と、端末装置10が横向きの姿勢である状態と、のどちらの状態で印刷アプリケーション28の起動指示が与えられるのかに応じて、ポートレート印刷とランドスケープ印刷とが切り替えられる。
【0054】
本実施例では、ポートレート印刷固定モードのみを採用しているのではなく、表示依存モードも採用している。ユーザがモードを選択可能であるために、ユーザが望む印刷結果物をユーザに提供し得る。なお、本実施例では、図10のS86で生成される印刷データが、「第2種の印刷データ」の一例である。
【0055】
(変形例1)上記の実施例では、「特定のデータ」のデータ形式として、HTMLを採用しているが、それに代えて、XHTML形式のWebデータ、JPEG形式のデータ、BMP形式のデータ等を採用してもよい。
【0056】
(変形例2)上記の実施例では、「印刷データ」のデータ形式として、JPEGを採用しているが、それに代えて、PS(Post Script)、XPS、PDF等を採用してもよい。一般的に言うと、印刷データは、プリンタが解釈可能なフォーマットを有していればよい。なお、例えば、印刷データ生成部40は、プリンタ60が解釈可能なフォーマットをプリンタ60に問い合わせた結果として得られるフォーマットを有する印刷データを生成してもよい。
【0057】
(変形例3)上記の実施例では、表示制御部30は、携帯端末装置10の姿勢に応じて、ディスプレイ12に対する画像の向きを切り替えるが、それに代えて、表示制御部30は、所定のボタンが操作された場合に、ディスプレイ12に対する画像の向きを切り替えてもよい。また、表示制御部30は、本体に対してディスプレイ12が移動(例えば回転)する場合に、ディスプレイ12に対する画像の向きを切り替えてもよい。
【0058】
(変形例4)なお、上記の実施例では、図4のS44等で採用される所定の印刷条件は、A4サイズの印刷媒体を用いたカラー印刷であるが、それに代えて、制御部20は、ユーザによって印刷条件が設定される毎に印刷条件を記憶し、図4のS44等では、前回に設定された印刷条件を、所定の印刷条件として採用してもよい。
【0059】
(変形例5)なお、本明細書で開示される各部(例えば、表示制御部30、印刷データ生成部40、送信部42、表示データ生成部44)の機能は、実施例に示されるように、ソフトウェア26,28によって実現されてもよいが、それに代えて、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0060】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0061】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0062】
10:携帯端末装置、12:ディスプレイ、28:印刷アプリケーション、60:プリンタ、80,90:画像、100,110,120:プレビュー画像、200,210,220:更新後のプレビュー画像、300:印刷媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型の端末装置に搭載される制御装置であって、
前記可搬型の端末装置は、
第1方向に沿った第1の長さと、前記第1方向に直交する第2方向に沿った第2の長さであって、前記第1の長さと異なる前記第2の長さと、を有する矩形形状のディスプレイと、
特定のデータによって表わされる特定の画像の上下方向が前記第1方向に沿うと共に前記特定の画像の左右方向が前記第2方向に沿って、前記特定の画像が前記ディスプレイに表示される第1の状態と、前記特定の画像の上下方向が前記第2方向に沿うと共に前記特定の画像の左右方向が前記第1方向に沿って、前記特定の画像が前記ディスプレイに表示される第2の状態と、を切り替える表示制御部と、を備え、
前記制御装置は、
前記特定の画像の印刷が指示される場合に、前記特定のデータを用いて、プリンタが解釈可能なフォーマットを有する印刷データを生成する印刷データ生成部と、
前記印刷データを前記プリンタに送信する送信部と、を備え、
前記印刷データ生成部は、
前記第1の状態で前記特定の画像の印刷が指示される第1の場合と、前記第2の状態で前記特定の画像の印刷が指示される第2の場合と、のどちらでも、前記特定の画像の左右方向が印刷媒体の短辺に沿う第1種の印刷であって、前記特定の画像の左右方向の全長が前記印刷媒体の前記短辺の長さに対応する前記第1種の印刷を、前記プリンタに実行させるための第1種の前記印刷データを生成する、制御装置。
【請求項2】
前記特定の画像の印刷が指示される場合に、前記特定の画像の印刷結果を示すプレビュー画像を表わす表示データを生成して、前記ディスプレイに供給する表示データ生成部をさらに備え、
前記表示データ生成部は、
前記第1の場合に、1枚の前記印刷媒体に対する印刷結果を示す第1種の前記プレビュー画像の上下方向が前記第1方向に沿うと共に前記第1種のプレビュー画像の左右方向が前記第2方向に沿うように、前記第1種のプレビュー画像を前記ディスプレイに表示させるための第1種の前記表示データであって、前記第1種のプレビュー画像の全体を前記ディスプレイ内に収めて表示させるための前記第1種の表示データを、前記ディスプレイに供給し、
前記第2の場合に、1枚の前記印刷媒体に対する印刷結果を示す第2種の前記プレビュー画像の上下方向が前記第2方向に沿うと共に前記第2種のプレビュー画像の左右方向が前記第1方向に沿うように、前記第2種のプレビュー画像を前記ディスプレイに表示させるための第2種の前記表示データであって、前記第2種のプレビュー画像の全体を前記ディスプレイ内に同時に収めて表示させるための前記第2種の表示データを、前記ディスプレイに供給する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記表示データ生成部は、ユーザによって印刷条件が設定される前に、前記第1の場合に、前記第1種の表示データを前記ディスプレイに供給し、前記第2種の場合に、前記第2種の表示データを前記ディスプレイに供給する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記表示データ生成部は、さらに、前記ユーザによって前記印刷条件が設定された後に、前記印刷条件に従った前記特定の画像の印刷結果を示す第3種の前記プレビュー画像を表わす第3種の表示データを生成して、前記ディスプレイに供給する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記表示データ生成部は、
前記ユーザによって前記印刷条件が設定される前に、前記第1の場合に、予め決められた印刷媒体のサイズを用いて、前記第1種の表示データを生成し、前記第2の場合に、前記予め決められた印刷媒体のサイズを用いて、前記第2種の表示データを生成し、
前記ユーザによって前記印刷条件が設定された後に、前記印刷条件として設定された印刷媒体のサイズを用いて、前記第3種の表示データを生成する、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記印刷データ生成部は、
ユーザによって第1のモードが選択されている状態では、前記第1の場合と前記第2の場合とのどちらでも、前記第1種の印刷データを生成し、
前記ユーザによって第2のモードが選択されている状態では、前記第1の場合に、前記第1種の印刷データを生成し、前記第2の場合に、前記特定の画像の上下方向が前記印刷媒体の前記短辺に沿う第2種の印刷を、前記プリンタに実行させるための第2種の前記印刷データを生成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記特定のデータは、HTMLデータである、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
可搬型の端末装置に搭載される制御装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記可搬型の端末装置は、
第1方向に沿った第1の長さと、前記第1方向に直交する第2方向に沿った第2の長さであって、前記第1の長さと異なる前記第2の長さと、を有する矩形形状のディスプレイと、
特定のデータによって表わされる特定の画像の上下方向が前記第1方向に沿うと共に前記特定の画像の左右方向が前記第2方向に沿って、前記特定の画像が前記ディスプレイに表示される第1の状態と、前記特定の画像の上下方向が前記第2方向に沿うと共に前記特定の画像の左右方向が前記第1方向に沿って、前記特定の画像が前記ディスプレイに表示される第2の状態と、を切り替える表示制御部と、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記制御装置に、以下の各処理、即ち、
前記特定の画像の印刷が指示される場合に、前記特定のデータを用いて、プリンタが解釈可能なフォーマットを有する印刷データを生成する印刷データ生成処理と、
前記印刷データを前記プリンタに送信する送信処理と、を実行させ、
前記印刷データ生成処理では、
前記第1の状態で前記特定の画像の印刷が指示される第1の場合と、前記第2の状態で前記特定の画像の印刷が指示される第2の場合と、のどちらでも、前記特定の画像の左右方向が印刷媒体の短辺に沿う第1種の印刷であって、前記特定の画像の左右方向の全長が前記印刷媒体の前記短辺の長さに対応する前記第1種の印刷を、前記プリンタに実行させるための第1種の前記印刷データを生成する、
コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−38067(P2012−38067A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177339(P2010−177339)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】