説明

可撓管支持具

【課題】 支持部内で楕円可撓管の湾曲部が周方向に回動することを確実に防止でき、また、楕円可撓管及び円形可撓管の両者に容易に対応することができる可撓管支持具の提供。
【解決手段】 可撓管支持具は、支持具本体10と、固定座20及び固定脚30とを備える。支持具本体10は、立上取出部17と、立上取出部17の開口17aに折り取り自在に設けられ、立上取出部17に挿通した楕円可撓管に周方向への回動力が加わったときに、当該楕円可撓管の短軸側の側面または扁平側面の少なくとも一部に当接して当該楕円可撓管の周方向の回動を規制する回動規制部18とを備え、回動規制部18を折り取らない状態で楕円可撓管の湾曲部を回動不可に支持すると共に、回動規制部18を折り取った状態で断面円形の円形可撓管の湾曲部を支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サヤ管等の可撓管の湾曲部の保護や立上支持等の目的で使用される可撓管支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
ユニットバス等の被給水・給湯側の給水栓に給湯器等の給水・給湯側から給湯または給水する場合、給湯器付近のヘッダ(配管元)から、サヤ管や遮熱管等の可撓性を有する可撓性の保護管を予め給水栓まで配管経路に沿って敷設し、内装工事後、給水・給湯管としての樹脂管を可撓管に通管したりする。このとき、可撓管を壁際のコーナ部で床面から壁面へと湾曲することにより立ち上げて配管することがあり、この場合、そのコーナ部では、可撓管の保護や立上支持等の目的で、可撓管支持具を使用することがある。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
【特許文献1】特開平11−336952号公報
【0003】
特許文献1には、湾曲配管された可撓管に通管・通線する際に、可撓管の湾曲部においても支障なく通管・通線できる湾曲配管具(可撓管支持具)が開示されている。この湾曲配管具は、配管具本体の湾曲方向の中央部の被取付部(バインド線挿通孔)に着脱可能に取付けられるバインド線によって、該配管具本体の嵌入溝に嵌入された可撓管(保護管)の外側を保持することにより、通管時において、可撓管(保護管)の湾曲径が小さくなるのを防止する。
【0004】
また、配管具本体の上端部は、略円筒状の管挿通部となっている。更に、配管具本体は、一対の起立板部を有し、各起立板部の下端の前端付近及び後端付近には、それぞれ、半円板状の補助固定鍔が外側に突出して設けられ、前後の補助固定鍔の間には、配管具本体を床下面に固定するための山形状の板状をなす固定鍔が外側に設けられている。両起立板部の固定鍔は、複数の湾曲配管具を横方向に並べて配置した場合に、隣接する湾曲配管具の固定鍔同士が互いに干渉しないように、所定長だけ前後方向にずれて設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、給水・給湯管(ペア管)や湯水循環用の樹脂管等の保護管として使用される可撓管としては、断面円形の円形可撓管及び断面略楕円形の楕円可撓管がある。ここで、円形可撓管は、断面円形であることから、屈曲方向性がなく、任意の方向に容易に屈曲することができるという利点を有する。一方、楕円可撓管は、基本的に一方向(短軸方向)にのみ屈曲し、屈曲方向性の点では円形可撓管に劣るものの、設置面等への固定が容易であるという利点を有する。また、楕円可撓管は、上記のような湾曲配管具(可撓管支持具)で湾曲支持したときに、円形可撓管の場合より配管具本体内で捩れにくいという利点も有する。しかし、特許文献1に記載の技術は、配管具本体の上端側で可撓管を支持する管挿通部(立上取出部)が円筒状をなすため、断面略楕円形状の楕円可撓管を支持する場合に、楕円可撓管が管挿通部の内周面に沿って周方向に回動する可能性がある。この場合、配管具本体の管挿通部内で楕円可撓管が配管具本体内で捻れ、楕円可撓管への樹脂管等の通管作業における挿通抵抗が高くなり、通管作業が困難になる可能性がある。また、上記のように、円形可撓管及び楕円可撓管は、それぞれに固有の利点を有するため、設置条件や現場での要求等に応じて、円形可撓管及び楕円可撓管を適宜選択して使用できれば好都合である。
【0006】
そこで、本発明は、支持部内で楕円可撓管の湾曲部が周方向に回動することを確実に防止でき、楕円可撓管の捻れ等を防止して、楕円可撓管への樹脂管の通管作業等を容易かつ円滑に行うことができると共に、必要に応じて、楕円可撓管及び円形可撓管の両者に容易に対応することができる可撓管支持具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る可撓管支持具は、長さ方向に沿って可撓管を湾曲した状態で支持する支持部と、前記支持部を設置面に対して固定する固定部とを備える可撓管支持具であって、前記支持部は、湾曲方向両端に、それぞれ、湾曲した可撓管の一端側及び他端側を取出すための略円形状の開口を有すると共に、前記両開口のうちの少なくとも一方に、挿通した断面略楕円形の楕円可撓管に周方向への回動力が加わったときに、当該楕円可撓管の短軸側の側面または扁平側面の少なくとも一部に当接して当該楕円可撓管の周方向の回動を規制する回動規制部を取外し自在に設け、前記回動規制部を取外さない状態で前記楕円可撓管の湾曲部を回動不可に支持すると共に、前記回動規制部を取外した状態で断面円形の円形可撓管の湾曲部を支持する。
【0008】
ここで、楕円可撓管は、一般的な定義の楕円形の断面とする以外に、通常は、短軸側の側面を扁平面とした形状とされる。即ち、楕円可撓管の短軸側を扁平面とした場合、回動規制部は、当該楕円可撓管の短軸側の扁平側面の少なくとも一部に当接して、その回動を規制する。一方、楕円可撓管の断面を一般的な定義の楕円形とした場合、回動規制部は、当該楕円可撓管の短軸側の側面(湾曲面)の少なくとも一部に当接して、その回動を規制する。また、開口から回動規制部を取外し自在とする構成としては、例えば、回動規制部を開口に突起状または弦状に延びるよう設けると共に、その一端または両端を開口内周縁に一体形成して、手指等により折り取り自在としたり、工具等により切除自在としたりすることができるが、これ以外にも、回動規制部を開口に嵌合、係合、係止、掛止、接着、粘着等して、手指または工具等を使用して、折り取り以外の方法で開口から取外せるようにすることも可能である。
【0009】
請求項2に係る可撓管支持具は、長さ方向に沿って可撓管を湾曲した状態で支持する支持部と、前記支持部を設置面に対して固定する固定部とを備える可撓管支持具であって、前記支持部は、湾曲方向一端側に設けた略円筒状の立上取出部と、前記立上取出部の円形の開口に取外し自在に設けられ、前記立上取出部に挿通した断面略楕円形の楕円可撓管に周方向への回動力が加わったときに、当該楕円可撓管の短軸側の側面または扁平側面の少なくとも一部に当接して当該楕円可撓管の周方向の回動を規制する回動規制部とを備え、前記回動規制部を取外さない状態で前記楕円可撓管の湾曲部を回動不可に支持すると共に、前記回動規制部を取外した状態で断面円形の円形可撓管の湾曲部を支持する。
【0010】
請求項3に係る可撓管支持具は、請求項1または2の構成において、前記回動規制部が、前記開口に弦状となるよう設けられて、前記開口に挿通した楕円可撓管の対向する短軸側の側面または扁平側面に当接自在とされ、前記楕円可撓管の周方向の回動を規制する。
【0011】
請求項4に係る可撓管支持具は、請求項1乃至3のいずれかの構成において、前記回動規制部が、前記開口に折り取り自在に一体形成されている。
【0012】
請求項5に係る可撓管支持具は、請求項4の構成において、前記回動規制部が、略弓形板状をなし、その弦または円弧の両端を前記開口の内周縁に折り取り自在に接合し、円弧側の部分を付勢することにより前記接合箇所を支点として回動して折り取り自在となっている。
【0013】
請求項6に係る可撓管支持具は、請求項2の構成において、前記支持部が、前記立上取出部と反対側の端部に、下端側を開口する半円筒状の支持端部を一体形成すると共に、更に、前記支持端部に外嵌される楕円リング状のストッパを備える。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る可撓管支持具によれば、楕円可撓管を支持部により支持する場合に、楕円可撓管に外部から周方向への回動力が加わった場合でも、回動規制部が支持部の開口部分で楕円可撓管の一端側及び/または他端側の対向する側面の少なくとも一部を当接支持し、支持部内で楕円可撓管の湾曲部(支持部による楕円可撓管の支持部分)が周方向に回動することを確実に防止する。その結果、請求項1に係る可撓管支持具によれば、楕円可撓管の捻れ等を防止して、楕円可撓管への樹脂管の通管作業等を容易かつ円滑に行うことができる。更に、請求項1に係る可撓管支持具によれば、支持部の開口から回動規制部を取外さない状態では、回動規制部が、楕円可撓管の湾曲部を回動不可に支持する一方、必要に応じて、回動規制部を支持部の開口から取外すこともでき、支持部の開口から回動規制部を取外した状態では、支持部により断面円形の円形可撓管の湾曲部(支持部による円形可撓管の支持部分)を支持することができる。その結果、設置条件等に応じて、支持部の開口に回動規制部をそのまま残したり、或いは、支持部の開口から回動規制部を取外したりすることで、楕円可撓管または円形可撓管のいずれかをも確実に支持することができ、必要に応じて、楕円可撓管及び円形可撓管の両者に容易に対応することができる。即ち、請求項1に係る可撓管支持具は、単一の構成で、それぞれに固有の利点を有する円形可撓管及び楕円可撓管を、設置条件や現場での要求等に応じて適宜選択して使用することを可能にする。
【0015】
請求項2に係る可撓管支持具によれば、楕円可撓管の一端側を立上取出部から上方に取出して支持部により立上支持する場合に、楕円可撓管に外部から周方向への回動力が加わった場合でも、回動規制部が支持部の立上取出部の円形の開口部分で楕円可撓管の対向する側面の少なくとも一部を当接支持し、支持部内で楕円可撓管の湾曲部が周方向に回動することを確実に防止する。その結果、請求項2に係る可撓管支持具によれば、支持部の一端側に回動規制部を設けるだけの簡単な構成の追加で、楕円可撓管の捻れ等を防止して、楕円可撓管への樹脂管の通管作業等を容易かつ円滑に行うことができる。更に、請求項2に係る可撓管支持具によれば、支持部の立上取出部の開口から回動規制部を取外さない状態では、回動規制部が、楕円可撓管の湾曲部を回動不可に支持する一方、必要に応じて、回動規制部を支持部の立上取出部の開口から取外すこともでき、支持部の立上取出部の開口から回動規制部を取外した状態では、支持部により断面円形の円形可撓管の湾曲部を支持することができる。その結果、設置条件等に応じて、支持部の立上取出部の開口に回動規制部をそのまま残したり、或いは、支持部の立上取出部の開口から回動規制部を取外したりすることで、楕円可撓管または円形可撓管のいずれかをも確実に支持することができ、必要に応じて、楕円可撓管及び円形可撓管の両者に容易に対応することができる。即ち、請求項2に係る可撓管支持具は、単一の構成で、それぞれに固有の利点を有する円形可撓管及び楕円可撓管を、設置条件や現場での要求等に応じて適宜選択して使用することを可能にする。
【0016】
請求項3に係る可撓管支持具によれば、請求項1または2の効果に加え、支持部の開口に弦状の部材を設けるだけの簡単な構成で、支持部内で楕円可撓管の湾曲部が周方向に回動することを確実に防止することができる。
【0017】
請求項4に係る可撓管支持具によれば、請求項1乃至3のいずれかの効果に加え、回動規制部を立上取出部等の開口から手指等により折り取ることにより、楕円可撓管以外に、開口の内径に対応する(より大径の)円形可撓管の湾曲部を支持部の開口から内部に挿通して、支持部により支持することができる。
【0018】
請求項5に係る可撓管支持具によれば、請求項4の効果に加え、回動規制部の円弧側の部分を付勢することにより、回動規制部を、開口に対するその接合箇所(弓形の弦の両端)を支点として軽い力で容易に回動して簡単に折り取ることができる。
【0019】
請求項6に係る可撓管支持具は、請求項2の効果に加え、支持端部に外嵌される楕円リング状のストッパによっても、支持端部から取出す楕円可撓管の対向する側面を当接支持して回動規制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)を説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具を示す斜視図である。図2は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具を示す分解斜視図である。図3は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具を示す平面図である。図4は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具を示す側面図である。図5は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具を示す背面図である。図6は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具の支持具本体を示す側面図である。図7は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具の支持具本体を示す正面図である。図8は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具の固定脚を示し、(a)は底面図、(b)は側面図、(c)は断面図である。
【0022】
図1〜図8に示すように、本実施の形態に係る可撓管支持具は、可撓管として、例えば、給水・給湯管(ペア管)を通管するための楕円サヤ管P等の保護管を湾曲状態で立上支持するためのものである。可撓管支持具は、支持部としての支持具本体10と、固定部としての固定座20及び固定脚30を備える。詳細には、支持具本体10は、その長さ方向または前後方向(図2の左右方向)に沿って、可撓管としての楕円サヤ管P等を、後端側から前端側へと湾曲した状態で立上支持するようになっている。より詳細には、支持具本体10は、前後方向に略90度の角度範囲で湾曲されると共に下端側を開口する半円筒状の湾曲支持部11と、湾曲支持部11の左右両端縁から垂下するよう一体形成された左右一対の側板部12とを有する。なお、支持具本体10を側面から見ると、湾曲支持部11は略四分円弧状をなすと共に、側板部12は略直角二等辺三角形の板状をなす。また、各側板部12において湾曲支持部11との境界付近には、所定間隔をおいて複数(3個)の円形のバインド線挿通孔12aが貫通形成されている。側板部12のバインド線挿通孔12aは、湾曲支持部11の湾曲方向に沿って並設されている。更に、支持具本体10の前端は、上下に延びる半円筒状の切除部13により閉塞されている。加えて、切除部13の下側の所定高さ部分(例えば、最も前側のバインド線挿通孔12aの高さ位置までの部分)は、工具等により切除自在な切除部13とされている。そして、切除部13を切除すると、支持具本体10の前端部下側に、所定高さの切除開口13aが形成されるようになっている。また、切除部13の下端は、上方に湾曲する円弧状とされ、凹部13bを形成している。切除部13の凹部13bは、支持具本体10を設置面に設置する場合に、小さな干渉物を収容する等の機能を発揮する。
【0023】
支持具本体10の後端には、前記半円筒状の湾曲支持部11に連続するよう、下端側を開口する半円筒状の支持端部14が一体形成されている。支持端部14の先端には、半円形の開口14aが形成されている。また、支持端部14の基端の全周にわたって、略半リング状の係止突条15が一体形成されている。係止突条15は、側板部12の後端にまで延設されている。更に、支持端部14の先端の外周面には、所定間隔をおいて複数の係止突起16が一体形成されている。具体的には、支持端部14の外周面の中央及び左右両端に、それぞれ、係止突起16が形成されている。なお、係止突起16は、支持端部14の外周面の1箇所以上に設ければよく、左右の係止突起16を省略してもよい。そして、支持端部14には、楕円リング状をなすストッパ40が外嵌されるようになっている。ストッパ40は、図5に示すように、上下一対の円弧板部41の両端間を、平板部42により連結して一体形成した略楕円リング状をなす。各円弧板部41は、前記半円筒状をなす支持端部14の直径より若干大径とされるとともに、周方向に180度未満で延びる円弧状をなす。そして、ストッパ40を支持端部14に外嵌すると、上側の円弧板部41の両端部内周面と支持端部14の両端部外周面との間に若干の隙間が形成された状態で、ストッパ40の左右の平板部42の内側面が支持端部14の両端外周面に所定の弾性力で当接し、ストッパ40が支持端部14に密嵌されるようになっている。このとき、ストッパ40は、係止突条15と係止突起16との間で係止され、前後方向への移動を規制されるようになっている。なお、このとき、ストッパ40の一端(係止突条15側)では、上側の円弧板部41から平板部42及び下側の円弧板部41の一部までが係止突条15に当接し、他端では、上側の円弧板部41の中央が中央の係止突起16に、左右の平板部42の中央が左右の係止突起16にそれぞれ当接する。
【0024】
支持具本体10の湾曲支持部11の湾曲方向一端側としての上端側には、前記湾曲支持部11及び切除部13からなる略円筒状部分に連続するよう、略短円筒状の立上取出部17が一体形成されている。立上取出部17の上端には、円形の開口17aが形成されている。そして、支持部としての支持具本体10は、かかる構成により、楕円可撓管または円形可撓管を湾曲した状態で、その湾曲部を安定して確実に支持するようになっている。一方、立上取出部17の後側には、立上取出部17の円形の開口17aを優弧及び劣弧に分割する弦状となるよう、回動規制部18が一体形成されている。回動規制部18は、立上取出部17の円形の開口17aの後側で左右方向に延びる略弓形板状をなし、その左右両端が立上取出部17の開口17aの内周縁に折り取り自在に接合されている。より詳細には、回動規制部18は、直線状の棒状部18aの一側に弓形平板状をなす弓形部18bを一体形成した略弓形板状をなす。また、回動規制部18は、棒状部18aの両端を立上取出部17の開口17aの内周縁に対して折り取り自在となるよう一体形成して接合している。更に、棒状部18aは、立上取出部17の開口17aに対して弦状に接合されている。更にまた、棒状部18aの厚みは、弓形部18bの厚みより大きくされ、棒状部18aの上面が立上取出部17の上端面より上方位置に配置されている。なお、弓形部18は、薄肉とされ、立上取出部17の開口17a内に完全に収容されている。ここで、回動規制部18の円弧状の外周縁である弓形部18bの外周縁は、対応する立上取出部17の内周縁に対して若干の隙間をおいて配置される。また、回動規制部18の棒状部18aの両端の接合位置は、所定外径の楕円サヤ管Pを支持具本体10に挿入して支持し、楕円サヤ管Pの上端側(前端側)を立上取出部17から上方に取出したときに、回動規制部18の弦部分である棒状部18aの前側面が、楕円サヤ管Pの放射方向一側(短軸方向における後側の扁平側面)に当接して楕円サヤ管Pの回動を規制するよう、支持すべき楕円サヤ管Pの外径に対応して設定される。同様に、前記ストッパ40も、所定外径の楕円サヤ管Pを支持具本体10に挿入して支持し、楕円サヤ管Pの後端側を支持端部14から後方に取出したときに、下側の円弧板部41が楕円サヤ管Pの放射方向一側(短軸方向における下側の扁平側面)に当接して楕円サヤ管Pの回動を規制するよう、両円弧板部41の径や両円弧板部41間の距離(平板部42の幅)を設定してもよい。
【0025】
なお、このとき、楕円サヤ管Pを支持具本体10に立上支持した状態で、回動規制部18の棒状部18aの前側面が、楕円サヤ管Pの当接側の側面(後側の扁平側面)の全体にほぼ当接するよう、立上取出部17に対する回動規制部18の接合位置(回動規制部18の前側面の位置、即ち、棒状部18aの位置)を設定してもよく、或いは、回動規制部18の前側面が楕円サヤ管Pの後側の扁平側面との間に若干の隙間をおいて対向するよう、立上取出部17に対する回動規制部18の接合位置を設定してもよい。後者の場合でも、支持具本体10により保持される楕円サヤ管Pは、立上取出部17の直径より若干小さい程度の長径を有する楕円管状をなすため、楕円サヤ管Pに回動方向(捻り方向)の力が加わったときでも、楕円サヤ管Pの後側の扁平側面の少なくとも一部(例えば、幅方向一端部または他端部)が、回動規制部18の棒状部18aの前側面に当接して、楕円サヤ管Pのそれ以上の回動または捻れが阻止される。よって、上記いずれの場合でも、回動規制部18により楕円サヤ管Pの回動や捻れを確実に防止することができる。一方、前記ストッパ40により楕円サヤ管Pの回動規制を行う場合、ストッパ40の下側の円弧板部41の湾曲率を、前記支持端部14の湾曲率より大きくする。
【0026】
前記固定部は、支持部としての支持具本体10を床下面(例えば、ユニットバスの床下にある設置面)等の所定の設置面に対して、所定姿勢でビス等を貫通して設置面に打ち込むことにより当該設置面に固定するためのものである。詳細には、固定部の固定座20は、支持具本体10の左右の側板部12の下端から、それぞれ、直交して外方(左方及び右方)へと張り出すよう一体形成されている。各固定座20は、支持具本体10の側板部12の長さ方向の全長に沿って、その一端側から他端側へと延びる帯板状乃至短冊板状をなす。また、固定座20には、その長さ方向に一定間隔をおいて、複数(14個)の断面円形の嵌合孔21が上面から下面へと貫通形成されている。なお、詳細には、固定座20の下面側は、軽量化等の目的で、その外側縁及び各嵌合孔21の外周縁を残して肉抜きされている。ここで、固定座20の嵌合孔21は、本実施の形態の被係合部、凹状の被嵌合部乃至嵌合凹部を構成する。
【0027】
一方、前記固定脚30は、図8に示すように、長方形板状をなす連結部31と、前記連結部31の先端に平面山形状となるよう一体形成された板状の固定具受部32とを有し、全体として、平面略砲弾形状の板状をなしている。また、連結部31の下面側は、平面チャンネル形状の外側縁部31aを除いて肉抜きされている。一方、固定具受部32の中央には、厚さ方向に貫通する断面円形の挿通孔32aが形成されている。また、固定具受部32の下面側は、平面山形状の外側縁部32b及び挿通孔32aの外周縁部32cを除いて肉抜きされている。また、前記外側縁部32aは、前記固定座20の厚みと略同一厚みで、上下方向に延びている。なお、前記連結部31の外側縁部31aは、固定具受部32の厚みの半分程度の厚みで上下方向に延びている。よって、連結部31の外側縁部32b下面と固定具受部32の外側縁部32a下面とは、前記固定座20の厚み分の段差状をなしている。更に、連結部31の下面側の基端寄りには、前記外側縁部31aに隣接または密接して、嵌合凸部33が一体形成されている。嵌合凸部33は、連結部31の基端または外側縁部31aの基端に沿って、一定間隔をおいて複数(3個)配置されている。また、各嵌合凸部33は、前記固定座20の嵌合孔21に嵌合(密嵌)自在な形状、即ち、嵌合孔21の内径と略同一外径の円柱状または円筒状をなしている。更に、嵌合凸部33の配置間隔は、固定座20の嵌合孔21の配置間隔と同一となっている。なお、各嵌合凸部33の長さは、固定座20の嵌合孔21の長さと略同一または若干短い長さとなっている。また、各嵌合凸部33の先端部(下端部)の外周面には、所定角度間隔(90度間隔)で、複数(4個)の小突起33aが一体形成され、嵌合凸部33を固定座20の嵌合孔21に嵌合したときに、嵌合凸部33を固定座20の嵌合孔21内に確実に密嵌保持するようになっている。
【0028】
ここで、固定脚30の嵌合凸部33は、本実施の形態の係合部乃至凸状の嵌合部を構成する。そして、固定脚30の3個の嵌合凸部33を、固定座20の嵌合孔21のうちの所望の組(隣接する3個)の嵌合孔21に密嵌することにより、固定脚30を固定座20の長さ方向の所望位置に固定することができる。このとき、固定脚30において段差状をなす連結部31の下面及び固定具受部32の内側面が、固定座20の上面及び外側面にそれぞれ当接して、固定脚30を固定座20に対して安定して保持すべく機能する。そして、この状態で、固定脚30の固定具受部32の挿通孔32aに固定具としてのビスまたは釘等を挿通し、ビスまたは釘等を設置面に螺入または打ち込み等することにより、固定脚30を設置面に固定し、固定脚30によって固定座20を設置面との間で固定する。これにより、固定脚30及び固定座20を介して、支持具本体10を設置面に所定姿勢で、即ち、設置面に直立した状態で固定するようになっている。なお、固定脚30を設置面に固定するには、予め、固定具受部32に挿通孔32aを形成し、その挿通孔32aにビス等を挿通して設置面に捩じ込み等して打ち込む以外にも、固定具受部32に挿通孔32aを形成することなく、固定具受部32にタップねじ等を捩じ込み等により貫通し、そのタップねじ等を更に設置面に捩じ込み等により打ち込んで、固定脚30を設置面に固定するようにすることも可能である。
【0029】
なお、支持具本体10、固定座20、固定脚30及びストッパ40は、いずれも、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂材料により射出成形等を使用して所定形状に成形可能である。
【0030】
次に、本実施の形態に係る可撓管支持具の使用方法、並びに、作用及び効果について説明する。図9は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具をユニットバスの床下面に固定し、可撓管支持具により可撓管を立上支持した状態を示す側面図である。図10は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具をユニットバスの浴槽や柱等の干渉物が存在する設置箇所に設置して固定した状態を示す平面図である。
【0031】
本実施の形態に係る可撓管支持具は、例えば、ユニットバスへ給水・給湯管(ペア管)を配管する場合に使用される。この場合、可撓管支持具は、例えば、図9に示すように、ユニットバスの床Fより下方にある床下面と壁面との境界部であるコーナ部に設置して固定され、楕円サヤ管及び給水・給湯管を立上配管するために使用される。具体的には、まず、支持具本体10の支持端部14からストッパ40を取外した状態で、そのストッパ40に可撓管としての楕円サヤ管Pをその一端(図9中の上端)側から挿入する。次に、楕円サヤ管Pをその一端側から支持具本体10の支持端部14の開口14a内に挿入して湾曲し、支持具本体10の立上取出部17の開口17aから上方に取出す。そして、楕円サヤ管P上で支持具本体10より後方(他端側)にあるストッパ40を、支持具本体10の支持端部14に外嵌し、係止突条15及び係止突起16間に係止することにより、支持端部14上に密嵌して保持する。その後、固定座20に固定脚30を取付けた状態で、固定脚30を床下面等の設置面にビス等により固定する。
【0032】
ここで、本実施の形態の可撓管支持具は、断面略楕円形(一般的定義の楕円形の他、図示のように短軸方向両側面を扁平側面としたものも含む)の楕円可撓管としての楕円サヤ管Pを支持具本体10により支持する場合に、立上取出部17内に回動規制部18を弦状に延設しているため、楕円サヤ管Pに外部から周方向への回動力が加わった場合でも、回動規制部18により楕円サヤ管Pの対向側面である一側面(扁平側面)を当接支持し、支持具本体10内で楕円サヤ管Pの湾曲部(支持具本体10による楕円サヤ管Pの支持部分)が周方向に回動することを確実に防止することができる。その結果、本実施の形態の可撓管支持具によれば、回動規制部18により、立上取出部17内で楕円可撓管が周方向に回動することを確実に防止でき、楕円可撓管の捻れ等を防止して、楕円可撓管への樹脂管の通管作業等を容易かつ円滑に行うことができる。更に、本実施の形態の可撓管支持具は、可撓管として、楕円サヤ管Pを立上支持しているが、回動規制部18を立上取出部17から折り取って除去することにより、立上取出部17の内径と略同一の外径までの円形のサヤ管或いはその他の可撓管を立上支持することができる。即ち、本実施の形態に係る可撓管支持具によれば、支持具本体10の立上取出部17の開口17aから回動規制部18を折り取らない状態(取外さない状態)では、回動規制部18が、楕円サヤ管Pの湾曲部を回動不可に支持する。その一方、本実施の形態に係る可撓管支持具によれば、必要に応じて、回動規制部18を支持具本体17の開口17aから手指等により折り取って取外すこともできる。そして、支持具本体10の立上取出部17の開口17aから回動規制部18を取外した状態では、立上取出部17の開口17aの内径に対応する(より大径の)円形可撓管の湾曲部を支持具本体10の開口14aまたは開口17aから内部に挿通して、支持具本体10により断面円形の円形可撓管の湾曲部(支持具本体10による円形可撓管の支持部分)を支持することができる。その結果、設置条件等に応じて、支持具本体10の立上取出部17の開口17aに回動規制部18をそのまま残したり、或いは、支持具本体10の立上取出部17の開口17aから回動規制部18を折り取って取外したりすることで、楕円可撓管または円形可撓管のいずれかをも確実に支持することができ、必要に応じて、楕円可撓管及び円形可撓管の両者に容易に対応することができる。
【0033】
なお、このとき、固定脚30は、支持具本体10の左右両側において、それぞれ、固定座20の長さ方向の所望(任意)の位置に取付けて固定することができる。よって、例えば、図10に示すように、設置面の設置箇所に、浴槽(浴槽パン)Bのコーナ部、浴槽の脚L、柱等の干渉物が存在する場合でも、固定脚30をその干渉物と干渉しない位置にずらして固定座20に取付けることができるため、干渉物と干渉しない位置まで支持具本体10をずらす必要がない。したがって、本実施の形態に係る可撓管支持具によれば、支持具本体10を本来固定したい最適な位置に固定することができる。その結果、本実施の形態の可撓管支持具によれば、床下面等の設置面の設置箇所に浴槽や柱等の干渉物が存在する場合でも、支持具本体10、ひいては、可撓管支持具全体を所望の最適な箇所に固定することができ、支持具本体10乃至可撓管支持具の設置作業やその後の通管作業等を容易かつ円滑に行うことができる。
【0034】
このように、本実施の形態の可撓管支持具は、単一の構成で、円形可撓管及び楕円可撓管の両者に対応することができる。即ち、回動規制部18をそのまま残して使用した場合、立上取出部17の開口17aにおいて楕円可撓管を収容する部分が、楕円可撓管に対応する異形状(優弧状)となり、対応する径(直径及び短径)の楕円可撓管の立上支持が可能となると共に、その回動規制が可能となる。一方、回動規制部18を折り取って使用することにより、立上取出部17の開口17aにおいて円形可撓管を収容する部分が、円形可撓管に対応する正円形状となり、対応する所定直径の円形可撓管の立上支持が可能となる。したがって、楕円サヤ管Pの一端側を立上取出部17から上方に取出して立上支持する場合に、楕円サヤ管Pに外部から周方向への回動力が加わった場合でも、回動規制部18が立上取出部17の円形の開口17aから取出した楕円サヤ管Pの対向する側面の少なくとも一部を当接支持し、立上取出部17の開口17a内で楕円サヤ管Pが周方向に回動することを確実に防止する。その結果、本実施の形態に係る可撓管支持具によれば、支持具本体10の一端側の立上取出部17に回動規制部18を設けるだけの簡単な構成の追加で、楕円サヤ管等の楕円可撓管の捻れ等を防止して、楕円可撓管への樹脂管の通管作業等を容易かつ円滑に行うことができる。また、回動規制部18を立上取出部17の開口17aから折り取ることにより、楕円可撓管以外にも、より大径の円形可撓管を支持具本体10の立上取出部17の開口17aから挿通して支持することができる。更に、回動規制部18の円弧側の部分である弓形部18bを手指等により押圧付勢することにより、回動規制部18を、立上取出部17の開口17aに対するその接合箇所(棒状部18aの両端)を支点として軽い力で容易に回動して簡単に折り取ることができる。
【0035】
なお、本実施の形態の可撓管支持具は、支持具本体10の前端側に干渉物が存在する場合、前記切除部13を工具等を使用して切除することにより、支持具本体10の前端側の下部に切除開口13aが形成される。したがって、支持具本体10の切除開口13a内に干渉物を配置することで、支持具本体10を壁面等の直近まで配置することができる。また、本実施の形態の可撓管支持具は、支持具本体10の湾曲支持部11に可撓管を湾曲支持した状態で、一方のバインド線挿通孔12aから他方のバインド線挿通孔12aへと、支持具本体10の湾曲支持部11内の可撓管の下側を通るようバインド線を挿通することで、バインド線により可撓管を下方から支持することができ、通管作業時において可撓管が下方に押圧されて過度に湾曲し、通管作業が困難になることを防止することができる。
【0036】
ところで、本発明に係る可撓管支持具により支持した楕円サヤ管Pの他端側(後端側)は、後方でサドル等により設置面に固定されるため、楕円サヤ管Pが他端側で回動する可能性は少ない。しかし、本発明に係る可撓管支持具は、前記回動規制部18と同様の構成を、支持部としての支持具本体10の湾曲方向他端側の支持端部14の開口14aに設け、楕円サヤ管Pの他端乃至後端側(支持端部14側)でその回動規制を行うようにすることも可能である。即ち、本発明は、この場合、半円筒状をなす支持端部14に、その半円形の開口14aの上側に劣弧を形成する弦状となるよう、即ち、支持端部14の直径方向と平行に延びるよう、回動規制部18と同様の回動規制部を一体形成することができる。かかる回動規制部は、支持端部14の半円形の開口14aの上側で左右方向に延びる略弓形板状をなし、その左右両端が支持端部14の開口14aの内周縁に折り取り自在に接合される。即ち、この回動規制部の弧状の外周縁も、対応する支持端部14の内周縁に対して若干の隙間をおいて配置される。そして、かかる回動規制部の接合位置も、所定外径の楕円サヤ管Pを支持具本体10に挿入して支持し、楕円サヤ管Pの他端側(後端側)を支持端部14から後方に取出したときに、回動規制部の下側面(弦部分)が楕円サヤ管Pの放射方向一側(上側の扁平側面)に当接して楕円サヤ管Pの回動を規制するよう、支持すべき楕円サヤ管Pの外径に対応して設定される。なお、かかる回動規制部18は、支持具本体10の立上取出部17または支持端部14の少なくとも一方に設ければ、初期の効果を発揮する。
【0037】
また、本発明の可撓管支持具において、回動規制部は、支持部の湾曲方向両端の開口のうちの少なくとも一方に設けられ、挿通した楕円可撓管に周方向への回動力が加わったときに、当該楕円可撓管の短軸側の側面または扁平側面の少なくとも一部に当接して当該楕円可撓管の周方向の回動を規制するものであれば、任意の構成とすることができる。例えば、回動規制部は、立上取出部17の円形の開口17a及び/または支持端部14の半円形の開口14aに弦状となるよう設ける以外に、立上取出部17の円形の開口17aの内周縁及び/または支持端部14の半円形の開口14aの内周縁から内方に突出する突起部とし、楕円可撓管に周方向への回動力が加わったときに、当該突起部が、楕円可撓管の平坦面の少なくとも一部に当接して、楕円可撓管を回動規制するようにすることもできる。更に、回動規制部は、例えば、立上取出部17の開口17aの前側に弦状に設けたり、その形状を弓形ではなく単なる棒状としたりすることができる。同様に、回動規制部を支持端部14に設ける場合、回動規制部は、その形状を弓形ではなく単なる棒状とすることができる。即ち、本発明において、支持部の開口から回動規制部を取外し自在とする構成としては、例えば、回動規制部を開口に突起状または弦状に延びるよう設けると共に、その一端または両端を開口内周縁に一体形成して、手指等により折り取り自在としたり、工具等により切除自在としたりすることができるが、これ以外にも、回動規制部を開口に嵌合、係合、係止、掛止、接着、粘着等して、手指または工具等を使用して、折り取り以外の方法で開口から取外せるようにすることも可能である。
【0038】
また、上記実施の形態において、回動規制部18は、厚肉の棒状部18a及び薄肉の弓形部18bから構成することなく、棒状部18aのみにより構成して棒状部18aの両端を立上取出部17の開口17aの内周縁に折り取り自在に接合したり、弓形部18bのみにより構成して、その弦または円弧の両端を立上取出部17の開口17aの内周縁に折り取り自在に接合したりすることもできる。なお、後者の場合、上記実施の形態と同様、円弧側の部分を手指等により例えば下方に押圧して付勢することにより、弓形部18bが、立上取出部17の開口17aの内周縁に対する弓形部18bの接合箇所(弦または円弧の両端)を支点として容易に回動するため、回動規制部18bを立上取出部17から簡単に折り取ることができる。
【0039】
また、本発明の可撓管支持具は、上記実施の形態のように支持具本体10を湾曲支持部11及び側板部12等から一体形成したものに具体化する以外に、湾曲支持部11に対応する部材と、左右一対の側板部12に対応する部材とを別体で形成したものに具体化することも可能である。即ち、本発明の特徴は回動規制部にあり、この場合、固定部は任意の構成とすることができる。更に、本発明の可撓管支持具は、可撓管として、サヤ管以外の任意の保護管を支持したり、保護管以外の可撓管(例えば、被覆樹脂管等)を支持したりする場合に適用することも無論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具を示す分解斜視図である。
【図3】図3は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具を示す平面図である。
【図4】図4は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具を示す側面図である。
【図5】図5は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具を示す背面図である。
【図6】図6は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具の支持具本体を示す側面図である。
【図7】図7は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具の支持具本体を示す正面図である。
【図8】図8は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具の固定脚を示し、(a)は底面図、(b)は側面図、(c)は断面図である。
【図9】図9は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具をユニットバスの床下面に固定し、可撓管支持具により可撓管を立上支持した状態を示す側面図である。
【図10】図10は本発明の一実施の形態に係る可撓管支持具をユニットバスの浴槽や柱等の干渉物が存在する設置箇所に設置して固定した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0041】
10:支持具本体(支持部)、開口:14a、17:立上取出部、開口:17a
18:回動規制部、20:固定座(固定部)、30:固定脚(固定部)
40:ストッパ、P:楕円サヤ管(可撓管)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に沿って可撓管を湾曲した状態で支持する支持部と、前記支持部を設置面に対して固定する固定部とを備える可撓管支持具であって、
前記支持部は、湾曲方向両端に、それぞれ、湾曲した可撓管の一端側及び他端側を取出すための略円形状の開口を有すると共に、前記両開口のうちの少なくとも一方に、挿通した断面略楕円形の楕円可撓管に周方向への回動力が加わったときに、当該楕円可撓管の短軸側の側面または扁平側面の少なくとも一部に当接して当該楕円可撓管の周方向の回動を規制する回動規制部を取外し自在に設け、前記回動規制部を取外さない状態で前記楕円可撓管の湾曲部を回動不可に支持すると共に、前記回動規制部を取外した状態で断面円形の円形可撓管の湾曲部を支持することを特徴とする可撓管支持具。
【請求項2】
長さ方向に沿って可撓管を湾曲した状態で支持する支持部と、前記支持部を設置面に対して固定する固定部とを備える可撓管支持具であって、
前記支持部は、湾曲方向一端側に設けた略円筒状の立上取出部と、前記立上取出部の円形の開口に取外し自在に設けられ、前記立上取出部に挿通した断面略楕円形の楕円可撓管に周方向への回動力が加わったときに、当該楕円可撓管の短軸側の側面または扁平側面の少なくとも一部に当接して当該楕円可撓管の周方向の回動を規制する回動規制部とを備え、前記回動規制部を取外さない状態で前記楕円可撓管の湾曲部を回動不可に支持すると共に、前記回動規制部を取外した状態で断面円形の円形可撓管の湾曲部を支持することを特徴とする可撓管支持具。
【請求項3】
前記回動規制部は、前記開口に弦状となるよう設けられて、前記開口に挿通した楕円可撓管の対向する短軸側の側面または扁平側面に当接自在とされ、前記楕円可撓管の周方向の回動を規制することを特徴とする請求項1または2記載の可撓管支持具。
【請求項4】
前記回動規制部は、前記開口に折り取り自在に一体形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の可撓管支持具。
【請求項5】
前記回動規制部は、略弓形板状をなし、その弦または円弧の両端を前記開口の内周縁に折り取り自在に接合し、円弧側の部分を付勢することにより前記接合箇所を支点として回動して折り取り自在となっていることを特徴とする請求項4記載の可撓管支持具。
【請求項6】
前記支持部は、前記立上取出部と反対側の端部に、下端側を開口する半円筒状の支持端部を一体形成すると共に、更に、前記支持端部に外嵌される楕円リング状のストッパを備えることを特徴とする請求項2記載の可撓管支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−200678(P2006−200678A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−14674(P2005−14674)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】