説明

台紙なしラベルの剥離装置

【課題】台紙なしラベル自体の剛性に頼らず、台紙なしラベルを移送用ベルトから確実かつ強制的に剥離することができる台紙なしラベルの剥離装置を提供すること。
【解決手段】移送用ベルト7を複数本の単位ベルト21に分割し、分割した単位ベルト21の間にベルト外周より外方に突出する剥離補助部材22を設けることに着目し、台紙なしラベル2を移送する移送用ベルト7を転向ローラー17において転向させて台紙なしラベル2を剥離するための台紙なしラベルの剥離装置であって、移送用ベルト7が転向する転向ローラー17の軸方向に移送用ベルト7を複数本の単位ベルト21に分割するとともに、移送用ベルト7の転向ローラー17における転向部から外方に突出する剥離補助部材22を、隣り合う単位ベルト21の間に設けることにより、台紙なしラベル2が剥離補助部材22に乗り上げながら移送用ベルト7から剥離するようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は台紙なしラベルの剥離装置にかかるもので、とくにラベル用紙の裏打ち紙(剥離紙)として台紙を持たない台紙なしラベルの剥離装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、台紙なしラベルは、ラベル基材の裏面に粘着剤層を有し、台紙を設けずにラベル基材の表面に印字を行うようにしているが、所定のプリンターあるいは携帯式ラベル印字貼付け機などに装填して使用する際には、所定の移送用ベルト上を移送し、所定の被貼付け物に貼り付るためには、この移送用ベルトから台紙なしラベルを剥離する必要がある。
【0003】
この剥離にあたっては、移送用ベルトを鋭角に屈曲させることにより、ラベル基材自体の剛性により移送用ベルトから台紙なしラベルを剥離することも考えられるが、移送用ベルトの表面の状態、粘着剤層における粘着剤の特性、周囲の環境などに影響されて台紙なしラベルと移送用ベルトとの間の保持力が大きくなるため、その剥離作用の確実性を確保することが困難であるという問題がある。
すなわち、移送路上を移送されてくる台紙なしラベルを移送用ベルトからどのようにして剥離するかが問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−172006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、台紙なしラベルを移送用ベルトから確実に剥離することができるようにした台紙なしラベルの剥離装置を提供することを課題とする。
【0006】
また本発明は、台紙なしラベル自体の剛性に頼ることなく、移送用ベルトから台紙なしラベルを強制的に剥離することができる台紙なしラベルの剥離装置を提供することを課題とする。
【0007】
また本発明は、移送用ベルトからの台紙なしラベルの安定した剥離動作を確保可能とした台紙なしラベルの剥離装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明は、移送用ベルトを複数本の単位ベルトに分割すること、この分割した単位ベルトの間にベルト外周より外方に突出する剥離補助部材を設けることに着目したもので、ラベル基材と、このラベル基材の裏面に形成した粘着剤層と、を有する台紙なしラベルを移送用ベルト上に移送するとともに、この移送用ベルトを転向ローラーにおいて転向させてこの移送用ベルトから上記台紙なしラベルを剥離するための台紙なしラベルの剥離装置であって、上記移送用ベルトが転向する上記転向ローラーの軸方向に上記移送用ベルトを複数本の単位ベルトに分割するとともに、上記移送用ベルトの上記転向ローラーにおける転向部から外方に突出する剥離補助部材を、隣り合うこの単位ベルトの間に設けることにより、上記台紙なしラベルがこの剥離補助部材に乗り上げながら上記移送用ベルトから剥離するようにしたことを特徴とする台紙なしラベルの剥離装置である。
【0009】
上記剥離補助部材は、上記移送用ベルトの上記転向部あるいはその上流側にこれを設けることができる。
【0010】
上記剥離補助部材は、上記移送用ベルトの上記転向部の幅方向中心側にこれを配置するとともに、上記台紙なしラベルは、上記移送用ベルトの上記転向部において、上記移送用ベルトの幅方向外側の位置する上記単位ベルトにこれを仮着することができる。
【0011】
上記剥離補助部材は、上記単位ベルトの転向径より大径であるとともに、上記転向ローラーに対して自由回転するコロであることができる。
【0012】
上記剥離補助部材は、上記単位ベルトの転向径より大径であるとともに、上記転向ローラーと一体回転する断面半円形状の弧状突出部であることができる。
【0013】
上記剥離補助部材は、上記台紙なしラベルの移送方向において上記台紙なしラベルが乗り上げ可能な傾斜面を有する揺動プレートであることができる。
【0014】
上記剥離補助部材は、上記台紙なしラベルの移送方向において上記台紙なしラベルが乗り上げ可能な傾斜面を有する固定プレートであることができる。
【0015】
上記台紙なしラベルは、ラベル基材の表面側に剥離剤層を設けるとともに、剥離剤層の下層側に感熱発色剤層を設けることもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明による台紙なしラベルの剥離装置においては、台紙なしラベルを仮着して移送する移送用ベルトを複数本の単位ベルトに分割するとともに、移送用ベルトの転向部から外方に突出する剥離補助部材を、隣り合う単位ベルトの間に設けることにより、台紙なしラベルがこの剥離補助部材に乗り上げながら移送用ベルトから剥離するようにしたので、台紙なしラベル自体の剛性に頼らずに、移送用ベルトから確実かつ強制的に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例による台紙なしラベルの剥離装置8を採用した台紙なしラベルの印刷装置1の概略側面図である。
【図2】同、図1のII線矢視拡大図である。
【図3】同、剥離補助部材としてのコロの変形例を示す図2と同様の矢視断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例による台紙なしラベルの剥離装置30の概略平面図である。
【図5】同、概略側面図である。
【図6】本発明の第3の実施例による台紙なしラベルの剥離装置40の概略側面図である。
【図7】本発明の実施例による台紙なしラベルの剥離装置8(図1、図2)を採用した台紙なしラベルの携帯式印字貼付け装置50の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、移送用ベルトを複数本の単位ベルトに分割するとともに、その間に剥離補助部材を配置したので、この剥離補助部材に台紙なしラベルを乗り上げさせて安定した確実な剥離作用を行うことができる台紙なしラベルの剥離装置を実現した。
【実施例】
【0019】
つぎに本発明の実施例による台紙なしラベルの剥離装置を図1および図2にもとづき説明する。
図1は、当該実施例による台紙なしラベルの剥離装置8を採用した台紙なしラベルの印刷装置1の概略側面図であって、台紙なしラベルの印刷装置1は、台紙なしラベル2の供給部3と、移送路4と、印字部5と、切断部6と、移送用ベルト7と、台紙なしラベル2の当該剥離装置8と、を有する。
【0020】
台紙なしラベル2は、ラベル基材9と、このラベル基材9の裏面に形成した粘着剤層10と、ラベル基材9の表面に形成した下層側の感熱発色剤層11および上層側の剥離剤層12と、を有する。
【0021】
台紙なしラベル2の供給部3は、台紙なしラベル2をロール状に巻いた状態でこれを保持し、移送路4に向かって帯状に繰り出し可能としてある。なお、ロール形態の台紙なしラベル2の裏面における粘着剤層10には剥離剤層12が対向接触するので、台紙なしラベル2が互いに接着してしまうことはない。
【0022】
移送路4は、供給部3から印字部5、切断部6および移送用ベルト7を通って台紙なしラベル2をその剥離装置8まで移送するための通路である。
【0023】
印字部5は、サーマルヘッド13と、このサーマルヘッドに対向するプラテンローラー14と、を有し、プラテンローラー14の回転駆動により台紙なしラベル2を移送用ベルト7に移送可能であるとともに、サーマルヘッド13からの印字データにより台紙なしラベル2に所定の情報を印字する。
【0024】
切断部6は、往復動する切断刃15を有し、台紙なしラベル2を所定のピッチで切断することにより単葉のラベル片2Aを形成する。
【0025】
移送用ベルト7は、台紙なしラベル2の移送路4に沿って回転駆動軸16および転向ローラー17との間に回転可能に配置した無端ベルト部材であり、プラテンローラー14と回転駆動軸16との間に掛けまわした同期タイミングベルト18を介して、移送用ベルト7の回転駆動軸16およびプラテンローラー14を同期して回転駆動して、移送用ベルト7を移送路4において上流側から下流側に回転可能とする。
移送用ベルト7は、剥離性材料によりこれを構成するか、あるいは任意の剥離剤を所定の厚さで塗布しておくことができ、この上に台紙なしラベル2を仮着した状態で転向ローラー17の転向部19までを移送する。
なお、必要であれば、移送用ベルト7の上流側かつ上方側に押付けローラー20を設けて、印字部5からの台紙なしラベル2を移送用ベルト7の表面に所定の押圧力で押し付け可能としておくことができる。
【0026】
台紙なしラベル2の剥離装置8は、移送用ベルト7を転向ローラー17において転向させてこの移送用ベルト7から台紙なしラベル2を剥離するためのものであって、移送用ベルト7の転向ローラー17にこれを設けている。
すなわち、図2は、図1のII線矢視拡大図であって、剥離装置8における移送用ベルト7および台紙なしラベル2の転向状態を拡大して示す。
図示のように、移送用ベルト7が転向する転向ローラー17の軸方向に移送用ベルト7を複数本(図示の例では3本)の単位ベルト21に分割している。
【0027】
さらに、移送用ベルト7の転向ローラー17における転向部19から外方に突出するような直径を有するコロ22(剥離補助部材)を、隣り合うこの単位ベルト21の間に、かつ転向ローラー17に対して自由回転するように設けることにより、台紙なしラベル2がこのコロ22に乗り上げながら移送用ベルト7から剥離するようにしている。
【0028】
コロ22は、その外周先端が鋭角となって台紙なしラベル2の裏面側の粘着剤層10との接触面積を小さくし、単位ベルト21の転向径より大径である。
【0029】
コロ22は、移送用ベルト7の転向部19の幅方向中心側、すなわち、中心側の単位ベルト21の左右にこれを配置するとともに、台紙なしラベル2は、移送用ベルト7の転向部19において、これを移送用ベルト7の幅方向外側(すなわち、左右外側)に位置する単位ベルト21に接触し、仮着している。
【0030】
こうした構成の台紙なしラベルの印刷装置1および台紙なしラベルの剥離装置8において、供給部3から移送路4上に繰り出された台紙なしラベル2は、印字部5において所定の情報を印字され、切断部6で単葉のラベル片2Aに形成されたのち、移送用ベルト7上に仮着された状態で移送される。
転向部19に到った単葉のラベル片2Aは、回転駆動軸16において転向する移送用ベルト7とともに転向しようとするが、図2に示すように、とくにその中央側がコロ22に乗り上げ、強制的にその接触面積が低減されて移送用ベルト7(単位ベルト21)から徐々に剥離してゆき、転向部19の先端側(下流側)において移送用ベルト7から離脱して剥離され、その後端縁部分のみが移送用ベルト7およびコロ22に仮着した状態となり、任意の吸引装置(図示せず)あるいは指先によりこれをとって、必要に応じて、任意の被貼付け物(図示せず)に貼り付けることができる。
【0031】
なお、図3は、剥離補助部材としてのコロの変形例を示す図2と同様の矢視断面図であって、転向ローラー17と一体の、かつ断面半円形状の弧状突出部23を形成している。
このような構成としても、転向部19の部分に到った台紙なしラベル2(単葉のラベル片2A)が弧状突出部23の円弧部に乗り上げて移送用ベルト7から剥離してゆくことができる。
【0032】
本発明における剥離補助部材は、移送用ベルト7の転向部19あるいはその上流側にこれを設けることが望ましい。
たとえば図4は、本発明の第2の実施例による台紙なしラベルの剥離装置30の概略平面図、図5は、同、概略側面図であって、台紙なしラベルの剥離装置30における剥離補助部材は、支点軸31に揺動可能に起立させた揺動プレート32である。
【0033】
具体的には、3本の単位ベルト21の間の間隙に一対の揺動プレート32が位置しており、揺動プレート32は、台紙なしラベル2の移送方向において台紙なしラベル2(単葉のラベル片2A)が乗り上げ可能な傾斜面32Aを有し、傾斜面32Aはその先端部が単位ベルト21より外方に突出している。
【0034】
ただし、支点軸31には、これを上流側に付勢するコイルスプリング33を取り付けて、単葉のラベル片2Aの傾斜面32Aへの乗り上げにともなう下流側への移動に抵抗するようになっている。
【0035】
こうした構成の台紙なしラベルの剥離装置30においても、既述の剥離装置8(図2、図3)と同様に、移送用ベルト7上を下流側に移送されてきた単葉のラベル片2Aが揺動プレート32の傾斜面32Aに円滑に乗り上げて移送用ベルト7(単位ベルト21)から剥離されてゆく。
【0036】
もちろん本発明においては、転向部19の上流側に設ける剥離補助部材として、前述のコロ22と同様の部材を採用する構成としてもよい。
【0037】
図6は、本発明の第3の実施例による台紙なしラベルの剥離装置40の概略側面図であって、台紙なしラベルの剥離装置40における剥離補助部材は、固定軸41に固定的に起立させた固定プレート42である。
具体的には、3本の単位ベルト21の間の間隙に一対の固定プレート42が位置しており、固定プレート42は、台紙なしラベル2の移送方向において台紙なしラベル2(単葉のラベル片2A)が乗り上げ可能な傾斜面42Aを有し、傾斜面42Aはその先端部が単位ベルト21より外方に突出している。
【0038】
ただし、固定プレート42の傾斜面42Aの先端部は、移送用ベルト7の転向部19の上流側において、できるだけ転向部19に接近していることが望ましい。
【0039】
こうした構成の台紙なしラベルの剥離装置40においても、既述の剥離装置8(図2、図3)および剥離装置30(図5)と同様に、移送用ベルト7上を下流側に移送されてきた単葉のラベル片2Aが固定プレート42の傾斜面42Aに乗り上げて移送用ベルト7(単位ベルト21)から剥離されてゆく。
【0040】
つぎに図7は、本発明の実施例による台紙なしラベルの剥離装置8(図1、図2)を採用した台紙なしラベルの携帯式印字貼付け装置50の概略側面図である。
台紙なしラベルの携帯式印字貼付け装置50は、携帯式のラベル印字貼付け装置として構成してあるもので、左右(紙面表裏)一対の側板51と、台紙なしラベル2とは若干異なる構成の台紙なしラベル52の供給部53と、移送路54と、印字部55と、前記切断部6と、移送ローラー56および前記移送用ベルト7と、前記剥離装置8と、貼付けローラー57と、を有する。
【0041】
側板51は、その一方の端部(図7中、右側)にグリップ58を一体形成し、グリップ58と一緒に握持する操作レバー59を回動可能に取り付け、引きバネ60により操作レバー59を操作軸61のまわりに常時時計方向に付勢している。
【0042】
台紙なしラベル52は、前記台紙なしラベル2(図1)と同様に、ラベル基材9と、このラベル基材9の裏面に形成した粘着剤層10と、ラベル基材9の表面に形成した剥離剤層12と、を有するが、感熱発色剤層11を形成していない。さらに、所定のピッチごとにカット用ミシン目9Aおよびその中央部に一対の移送用カット9Bをそれぞれ形成し、台紙なしラベル52を上記ピッチのカット用ミシン目9Aの部分で切断することにより単葉のラベル片52Aを形成可能とする。
【0043】
供給部53は、側板51の上方部にこれを取り付け、ロール状の台紙なしラベル52を移送路54に帯状に繰り出し可能とする。
【0044】
移送路54は、供給部53から移送ローラー56および移送用ベルト7を経て、剥離装置8に到る。
【0045】
印字部55は、操作レバー59と印字部連結リンク62により駆動可能としてあるもので、印字スタンプ63をその底面に露出可能として、台紙なしラベル52上に印字可能とする。
なお、台紙なしラベル52は、そのラベル基材9の材料、剥離剤層12の剥離剤、および印字スタンプ63のインキを適宜選択することにより、ラベル基材9の表面に印字を行うことができる。
【0046】
移送ローラー56は、その円周部に所定のピッチで移送爪64を有し、移送爪64が台紙なしラベル52の移送用カット9Bに係合した状態で回転することにより、台紙なしラベル52の移送を可能とする。
すなわち、操作レバー59に連結している任意の構成の移送リンク65により移送ローラー56が図7中、時計方向に回転することにより台紙なしラベル52を供給部53から移送用ベルト7に移送する。
【0047】
切断部6は、操作レバー59と切断部連結リンク66により駆動可能としてあるもので、その切断刃15が台紙なしラベル52のカット用ミシン目9Aを切断する。
【0048】
貼付けローラー57は、側板51の下方端部にこれを設け、前述した剥離装置8から発行されてくる単葉のラベル片52Aを任意の被貼付け物(図示せず)に貼り付け可能とすることができる。
【0049】
剥離装置8は、たとえば図1および図2にもとづいて説明した構成を有し、移送用ベルト7の転向部19において剥離した単葉のラベル片52Aを貼付けローラー57の下方部に位置させる。
【0050】
こうした構成の台紙なしラベルの携帯式印字貼付け装置50および台紙なしラベルの剥離装置8において、図7に示す操作レバー59の開放状態から、操作レバー59をグリップ58に向かって握ると、切断部6が台紙なしラベル52をカット用ミシン目9Aの部分で切断するとともに、台紙なしラベル52を移送用ベルト7に貼り付けた状態で印字部55の印字スタンプ63が台紙なしラベル52(単葉のラベル片52A)に印字を行う。
【0051】
操作レバー59を解放して、図7の状態に戻ると、移送ローラー56および移送用ベルト7が台紙なしラベル52を移送するとともに、剥離装置8において単葉のラベル片52Aが移送用ベルト7から剥離され、貼付けローラー57により任意の被貼付け物に貼り付けることができる。
【0052】
なお、台紙なしラベルの携帯式印字貼付け装置50においては、印字部55を設けずに、台紙なしラベル52に所定の情報をあらかじめ印刷しておき、移送用ベルト7さらには剥離装置8における剥離動作をともなう台紙なしラベルの移送装置として構成することもできる。
【0053】
また、印字部55として、台紙なしラベルの印刷装置1(図1)と同様に、サーマルヘッド14およびプラテンローラー15を備え、既述の操作レバー59とは別にこれらサーマルヘッド14およびプラテンローラー15を操作するスイッチ(図示せず)などを設けることもできる。
【0054】
かくして、台紙なしラベルの剥離装置8においては、コロ22により単葉のラベル片52Aが移送用ベルト7から確実に剥離されるとともに、コロ22が転向ローラー17の下流側ではなく、転向ローラー17の部分ないしこれより上流側に配置されているので、転向部19以後の単葉のラベル片52Aの処理に支障を生ずることはない。
【符号の説明】
【0055】
1 台紙なしラベルの印刷装置(図1)
2 台紙なしラベル
2A 台紙なしラベル2の単葉のラベル片
3 供給部
4 移送路
5 印字部
6 切断部
7 移送用ベルト
8 台紙なしラベルの剥離装置(第1の実施例、図2)
9 ラベル基材
9A ラベル基材9のカット用ミシン目(図7)
9B ラベル基材9の移送用カット
10 粘着剤層
11 感熱発色剤層
12 剥離剤層
13 サーマルヘッド
14 プラテンローラー
15 切断刃
16 回転駆動軸
17 転向ローラー
18 同期タイミングベルト
19 転向部
20 押付けローラー
21 移送用ベルト7の分割した単位ベルト
22 コロ(剥離補助部材)
23 弧状突出部(剥離補助部材)
30 台紙なしラベルの剥離装置(第2の実施例、図4)
31 支点軸
32 揺動プレート(剥離補助部材)
32A 揺動プレート32の傾斜面
33 コイルスプリング
40 台紙なしラベルの剥離装置(第3の実施例、図6)
41 固定軸
42 固定プレート(剥離補助部材)
42A 固定プレート42の傾斜面
50 台紙なしラベルの携帯式印字貼付け装置(図7)
51 左右一対の側板
52 台紙なしラベル
52A 台紙なしラベル52の単葉のラベル片
53 供給部
54 移送路
55 印字部
56 移送ローラー
57 貼付けローラー
58 グリップ
59 操作レバー
60 引きバネ
61 操作軸
62 印字部連結リンク
63 印字スタンプ
64 移送爪
65 移送リンク
66 切断部連結リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル基材と、このラベル基材の裏面に形成した粘着剤層と、を有する台紙なしラベルを移送用ベルト上に移送するとともに、
この移送用ベルトを転向ローラーにおいて転向させてこの移送用ベルトから前記台紙なしラベルを剥離するための台紙なしラベルの剥離装置であって、
前記移送用ベルトが転向する前記転向ローラーの軸方向に前記移送用ベルトを複数本の単位ベルトに分割するとともに、
前記移送用ベルトの前記転向ローラーにおける転向部から外方に突出する剥離補助部材を、隣り合うこの単位ベルトの間に設けることにより、前記台紙なしラベルがこの剥離補助部材に乗り上げながら前記移送用ベルトから剥離するようにしたことを特徴とする台紙なしラベルの剥離装置。
【請求項2】
前記剥離補助部材は、前記移送用ベルトの前記転向部あるいはその上流側にこれを設けたことを特徴とする請求項1記載の台紙なしラベルの剥離装置。
【請求項3】
前記剥離補助部材は、前記移送用ベルトの前記転向部の幅方向中心側にこれを配置するとともに、
前記台紙なしラベルは、前記移送用ベルトの前記転向部において、前記移送用ベルトの幅方向外側の位置する前記単位ベルトにこれを仮着することを特徴とする請求項1または2記載の台紙なしラベルの剥離装置。
【請求項4】
前記剥離補助部材は、前記単位ベルトの転向径より大径であるとともに、前記転向ローラーに対して自由回転するコロであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の台紙なしラベルの剥離装置。
【請求項5】
前記剥離補助部材は、前記単位ベルトの転向径より大径であるとともに、前記転向ローラーと一体回転する断面半円形状の弧状突出部であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の台紙なしラベルの剥離装置。
【請求項6】
前記剥離補助部材は、前記台紙なしラベルの移送方向において前記台紙なしラベルが乗り上げ可能な傾斜面を有する揺動プレートであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の台紙なしラベルの剥離装置。
【請求項7】
前記剥離補助部材は、前記台紙なしラベルの移送方向において前記台紙なしラベルが乗り上げ可能な傾斜面を有する固定プレートであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の台紙なしラベルの剥離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−178500(P2011−178500A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43237(P2010−43237)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】