説明

台車搬送装置

【課題】駆動源、センサ及び制御装置を各トラバーサ搬送装置に単独で設ける必要なく設備費用及び動力コストを低減することができるトラバーサ搬送装置を提供する。
【解決手段】対向する台車搬送路6,8間の定盤台車4の移動に使用されるトラバーサ搬送装置を備えた台車搬送装置において、第1のトラバーサ搬送装置7と第2のトラバーサ搬送装置9との間に設けられ駆動力としての回転トルクを発生させる駆動装置70と、駆動装置の回転トルクを第1のトラバーサ搬送装置及び第2のトラバーサ搬送装置の両方に同時に伝達する駆動力伝達手段50と、第1及び第2のトラバーサ搬送装置の夫々に設けられ、駆動力伝達手段から伝達された回転トルクを各台車載置台42が第1及び第2の軌道40,62に沿って夫々移動する力に変換する駆動力変換手段54,58,60と、を備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
鋳枠が夫々載置される複数の定盤台車が、直列状に並べられて搬送される複数列の台車搬送レールにおいて、対向する台車搬送レール間の定盤台車の移動に使用されるトラバーサ搬送装置を備えた台車搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋳造ラインに使用される台車搬送装置は、例えば注湯ラインや冷却ラインで鋳枠又は鋳型を載置した複数の定盤台車を直列状に配列し、これらの定盤台車を1つの定盤台車の搬送方向の長さに等しい1ピッチずつ搬送する台車搬送レールが設けられる。これらの複数の台車搬送レールは相互に平行に配置される場合が多く、これらの台車搬送レール間の定盤台車の移動は、台車搬送レールに対して直角に配置されるトラバーサ搬送装置が使用される。
【0003】
このようなトラバーサ搬送装置を使用した台車搬送装置として、特許文献1には、鋳枠が夫々載置された複数の定盤台車を台車搬送レールに移動可能に載置し、前記台車搬送レールの上流端位置に隣接する搬入位置と下流端位置に隣接する搬出位置との間で定盤台車を移送するトラバーサ搬送装置を前記搬送レールの両端部に配置し、前記搬送位置に位置する定盤台車を搬入位置から上流端位置に押動する電動サーボ式押出しシリンダと、下流端位置に位置する定盤台車に当接し、該定盤台車が下流端位置から搬出位置に移動する搬送レール上の定盤台車の移動速度を減殺する電動サーボ式クッションシリンダとを設けたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2559334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載される台車搬送装置では、各々のトラバーサ装置に、定盤台車を載置して次工程の台車搬送レールの上流端の搬入位置に移送させる台車載置用台車(台車載置台)を駆動させる駆動源、台車載置用台車上の台車位置を検出するセンサ及び前記駆動源をセンサからの信号に基づいて制御する制御装置が必要となり、設備費用が増大するという問題があった。
【0006】
また、一般的にトラバーサ搬送装置は、鋳枠を載置して次工程の台車搬送レールの上流端の搬入位置に移動する台車載置用台車と、鋳枠を載置しないで(空荷)元の台車搬送レールの下流端の搬出位置に移動する台車載置用台車とが必ずあり、鋳枠を載置しない空荷の台車載置用台車だけを元に戻すために移動させるというのは、エネルギーロスとなるという問題があった。
【0007】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、駆動源、センサ及び制御装置を各トラバーサ搬送装置毎に設ける必要がなく設備費用及び動力コストを低減することができるトラバーサ搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明の構成上の特徴は、鋳枠又は鋳型を載置する複数の定盤台車が上流端位置から下流端位置の間に連続的に配置され所定方向に向って搬送される第1搬送路と、該第1搬送路と平行に設けられ鋳枠又は鋳型を載置する複数の定盤台車が上流端位置から下流端位置の間に連続的に配置され前記所定方向の反対方向に向って搬送される第2搬送路と、前記第1搬送路の下流端位置に整列する第1搬出位置と前記第2搬送路の上流端位置に整列する第2搬入位置との間に延在するベースフレーム体に敷設された第1の軌道及び該第1の軌道上に配置され前記定盤台車を載置して前記第1の軌道上を移動する台車載置台を備えた第1のトラバーサ搬送装置と、前記第2搬送路の下流端位置に整列する第2搬出位置と前記第1搬送路の上流端位置に整列する第1搬入位置との間に延在するベースフレーム体に敷設された第2の軌道及び該第2の軌道上に配置され前記定盤台車を載置して前記第2の軌道上を移動する台車載置台を備えた第2のトラバーサ搬送装置と、を備えた台車搬送装置において、前記第1のトラバーサ搬送装置と前記第2のトラバーサ搬送装置との間に設けられ駆動力としての回転トルクを発生させる駆動装置と、前記駆動装置の回転トルクを前記第1のトラバーサ搬送装置及び第2のトラバーサ搬送装置の両方に同時に伝達する駆動力伝達手段と、前記第1及び第2のトラバーサ搬送装置の夫々に設けられ、前記駆動力伝達手段から伝達された回転トルクを各前記台車載置台が前記第1及び第2の軌道に沿って夫々移動する力に変換する駆動力変換手段と、を備えたことである。
【0009】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記駆動力伝達手段は、前記第1のトラバーサ搬送装置及び前記第2のトラバーサ搬送装置の間に延在する駆動軸であり、前記駆動力変換手段は、各前記トラバーサ搬送装置のベースフレーム体に回動自在に設けられ前記駆動軸の回転に連動して前記台車載置台の移動方向に平行な平面内で回動するアーム部材と、前記アーム部材の回動先端に回動自在に設けられたスライダと、前記台車載置台に設けられ該台車載置台の移動方向に対して交差する方向に延在し前記スライダが摺動するスライダガイド部材と、を備えていることである。
【0010】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記駆動力伝達手段は、前記第1のトラバーサ搬送装置及び前記第2のトラバーサ搬送装置の間に延在する駆動軸であり、前記駆動力変換手段は、前記ベースフレーム体の両端部に前記台車載置台の移動方向と直角な軸回りに回転自在に支承された支承車の間に張架されるとともに前記台車載置台が連結され、前記駆動軸の回転によって回動されるループ状回転トルク伝達部材を備えることである。
【0011】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、前記ループ状回転トルク伝達部材は、チェーン部材又はタイミングベルトであり、前記支承車の一方は、前記駆動軸の回転とともに回転する駆動軸スプロケット又は駆動軸タイミングプーリであり、 前記支承車の他方は、前記チェーン部材が掛けられた従動軸スプロケット、又は前記タイミングベルトが掛けられた従動軸タイミングプーリであることである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によると、駆動装置で発生された回転トルクが、駆動力伝達手段によって第1のトラバーサ搬送装置及び第2のトラバーサ搬送装置の両方に同時に伝達される。第1及び第2のトラバーサ搬送装置において、回転トルクは、駆動力変換手段によって第1及び第2の軌道に沿って各台車載置台を夫々移動させる力に変換される。
【0013】
このように、第1のトラバーサ搬送装置及び第2のトラバーサ搬送装置は1つの駆動装置により、各台車載置台を一度に移動させることが可能になるので、従来のように、各トラバーサ搬送装置毎に駆動装置を設けることが必要なくなる。また、第1のトラバーサ搬送装置と第2のトレバーサ搬送装置とは、駆動装置により同時にかつ同じ動作で作動するので、各トラバーサ搬送装置の作動工程を検知するセンサも一方のトラバーサ搬送装置に設ければよく、センサの信号に基づく制御も簡素なもので行うことができる。これらによって、設備コストの大きな低減を図ることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によると、第1のトラバーサ搬送装置及び前記第2のトラバーサ搬送装置の間に延在する駆動軸によって、駆動装置の回転トルクを同時に第1のトラバーサ搬送装置及び第2のトラバーサ搬送装置に伝達する。伝達された回転トルクは、アーム部材、スライダ及びスライダガイド部材からなるスライダクランク機構により直進運動する力に変換されて、台車載置台が移動方向に移動する。このような、簡素な機構によって、第1のトラバーサ搬送装置と第2のトラバーサ搬送装置とに同時に伝えられた回転トルクを台車載置台が移動する方向の力に変換して各台車載置台を移動させることができる。
【0015】
請求項3に係る発明によると、第1のトラバーサ搬送装置及び前記第2のトラバーサ搬送装置の間に延在する駆動軸によって、駆動装置の回転トルクを同時に第1のトラバーサ搬送装置及び第2のトラバーサ搬送装置に伝達する。伝達された回転トルクは、第1及び第2のトラバーサ搬送装置のベースフレーム体の両端部に支承された支承車の間に張架されたループ状回転トルク伝達部材を回転させ、ループ状回転トルク伝達部材に連結された台車載置台を第1及び第2の軌道に沿って移動させる。このような、簡素な機構によって、第1のトラバーサ搬送装置と第2のトラバーサ搬送装置とに同時に伝えられた回転トルクを、第1のトラバーサ搬送装置と第2のトラバーサ搬送装置とに夫々備えられた台車載置台が移動する方向の力に変換して各台車載置台を移動させることができる。
【0016】
請求項4に係る発明によると、両側のトラバーサ搬送装置に伝達された駆動軸の回転トルクが、台車載置台を第1及び第2の軌道に沿って移動させる力に変換されるが、回転トルクが伝達される際に、駆動軸及び従動軸スプロケットとチェーン部材との間、又は駆動軸及び従動軸タイミングプーリとタイミングベルトとの間で、空回りを生じないので、両側の第1のトラバーサ搬送装置及び第2のトラバーサ搬送装置は正確に同期して作動する。そのため、例えば一方のトラバーサ搬送装置の動作経路上にセンサを配置することで、他方のトラバーサ搬送装置の動作の制御も高い精度で行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の台車搬送装置の第1実施形態を示す平面概要図。
【図2】台車搬送装置の側面概要図。
【図3】第1のトラバーサ搬送装置と第1クッション装置と第2押出し装置とを示す拡大平面図。
【図4】第1のトラバーサ搬送装置と第1クッション装置とを示す拡大側面図。
【図5】第2のトラバーサ搬送装置と第2のクッション装置と第1の押出し装置とを示す拡大平面図。
【図6】第2のトラバーサ搬送装置と第1の押出し装置とを示す拡大側面図。
【図7】図1におけるVII-VII断面図。
【図8】図1におけるVIII-VIII段面図。
【図9】本発明の台車搬送装置の第2実施形態を示す平面概要図。
【図10】台車搬送装置の側面概要図。
【図11】第1のトラバーサ搬送装置と第1クッション装置と第2及び第3の押出し装置とを示す拡大平面図。
【図12】第1のトラバーサ搬送装置と第1クッション装置とを示す拡大側面図。
【図13】第2のトラバーサ搬送装置と第1押出し装置と第2及び第3クッション装置とを示す平面拡大図。
【図14】第2のトラバーサ搬送装置と第1押出し装置とを示す側面拡大図。
【図15】図9におけるXV-XV断面図。
【図16】図9におけるXVI-XVI断面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
(第1実施例)
本件発明にかかる台車搬送装置を、鋳造ラインにおいて鋳枠や鋳型を搬送する台車搬送装置に実施した第1実施形態を図に基づいて以下に説明する。本実施形態の台車搬送装置2は、図1において左方向に定盤台車4を搬送させる第1搬送路6と、第1搬送路6に対して平行に設けられ図1において右方向に定盤台車4を搬送させる第2搬送路8と、第1搬送路6の下流端位置10に整列する第1搬出位置11と第2搬送路8の上流端位置12に整列する第2搬入位置13との間に設けられた第1のトラバーサ搬送装置7と、第2搬送路8の下流端位置14に整列する第2搬出位置15と第1搬送路6の上流端位置16に整列する第1搬入位置17との間に設けられた第2のトラバーサ搬送装置9とを備えている。
【0019】
さらに、台車搬送装置2は、第1搬送路6の上流端位置16及び前記第1搬入位置17に対向して設けられ、第1搬送路6に直列状に配列された複数の定盤台車4を搬送方向に押出す第1押出し装置20と、第1搬送路6の下流端位置10及び前記第1搬出位置11に対向して設けられ、第1押出し装置20により押出された定盤台車4の搬送方向の運動を停止させる第1クッション装置22と、前記第2搬送路8の上流端位置12及び前記第2搬入位置13に対向して設けられ、第2搬送路8に直列状に配列された複数の定盤台車4を搬送方向に押出す第2押出し装置24と、第2搬送路8の下流端位置14及び前記第2搬出位置15に対向して設けられ、第2押出し装置24により押出された定盤台車4の搬送方向の運動を停止させる第2クッション装置26とを備えている。定盤台車4の下部には、4つの台車車輪5が回転自在に支承され、これらの台車車輪5によって定盤台車4は第1及び第2搬送路6,8の上流から下流へ向かう搬送方向に移動可能になっている。
【0020】
ベース30上には、図2に示すように、第1搬送路6を主に構成する一対の台車レール32が設けられ、台車レール32上を鋳型又は鋳枠(図略)が載置された複数の定盤台車4が搬送方向に配列されている。一対の台車レール32は搬送方向に延在する一対の梁部材34の上端外側に夫々対応して敷設され、一対の梁部材34はベース30より突設された複数本の支柱36により夫々固定支持されて台車レール32を高架状に支持している。
第2搬送路8は、第1搬送路6に対して平行に設けられ、構成は第1搬送路6と同様なので、その説明を省略する。
【0021】
第1のトラバーサ搬送装置7は、第1搬出位置11と第2搬入位置13との間に配設されたベースフレーム体38を有している。ベースフレーム体38は、図3及び図4に示すように、水平方向に延在する矩形状のフレーム38aがベース30より立設する支柱により四隅において支持されて構成されている。このベースフレーム体38には第1の軌道としての一対の第1移送レール40が敷設され、第1移送レール40は第1搬送路6及び第2搬送路8に対して直角な方向に延在して第1搬出位置11と第2搬入位置13とを繋ぐようになっている。第1移送レール40上には、定盤台車4を載せて搬送方向に直角な移動方向に動く移送台車42が載置されている。移送台車42は、第1移送レール40上を転動する移送車輪44と、移送車輪44が転動自在に支持される移送ベース46と、移送ベース46の上に前記台車レール32に整列するよう設けられた移送台レール48とを有している(図2参照)。なお、この移送台車42により台車載置台が構成される。
【0022】
前記矩形状のフレーム38aの長手方向の部材の搬送路側には第1及び第2搬送路6,8に平行な回転中心を有する駆動軸50(後述)の一端部がベースフレーム体38に設けられた軸受52を介して回動自在に支承され、該駆動軸50の一端部にはアーム部材54がその基端部において相対回転不能に連結されている。アーム部材54は第1移送レール40と平行な平面内を回動する。なお、駆動軸50により駆動力伝達手段が構成される。アーム部材54の先端部には、図8に示すように、駆動軸50の回転中心に平行な回転中心を有する連結軸56が設けられ、連結軸56には円盤状のスライダ58がアーム部材54に対して回転自在に支承されている。移送台車42の移送ベース46の下面の略中央で搬送路よりには、断面C字形のスライダガイド部材60が下方に向かって突設されている。スライダガイド部材60にはアーム部材54の先端部のスライダ58が嵌合し、スライダ58はスライダガイド部材60に沿って上下方向に摺動自在になっている。アーム部材54が駆動軸50の回転トルクによって回転すると、アーム部材54の先端部に取付けられたスライダ58が、スライダガイド部材60内を摺動しながら、移送台車42を第1移送レール40に沿った方向に移動させる。なお、アーム部材54、スライダ58及びスライダガイド部材60により駆動力変換手段が構成される。
【0023】
第1搬送路6の上流端位置16に整列する第1搬入位置17と、第2搬送路8の下流端位置14に整列する第2搬出位置15とには、第2搬出位置15と第1搬入位置17とを繋ぐ第2軌道としての第2移送レール62が配置されている。この第2移送レール62を備えた第2のトラバーサ搬送装置9は、図5及び図6に示すように、第1のトラバーサ搬送装置7と構成が同様なので、その説明を省略する。
【0024】
前記駆動軸50は、図7に示すように、第1搬送路6と第2搬送路8との間に配置され、第1のトラバーサ搬送装置7と第2のトラバーサ搬送装置9の間に延在する。駆動軸50は、梁部材34を支持する第1搬送路6の支柱36と第2搬送路8の支柱36間に横架された支持梁64に軸受66を介して回転自在に支承されている。駆動軸50の長手方向の中央には駆動用スプロケット68が周設され、駆動用スプロケット68の下方には駆動装置としてのインバータ付モータ70が配置されている。また、このインバータ付モータ70には、その駆動を制御する制御装置(図略)が設けられている。駆動用スプロケット68とインバータ付モータ70の回転軸72との間には駆動用チェーン74が張架され、インバータ付モータ70の回転トルクが駆動用スプロケット68に伝達されて駆動軸50が回転する。
【0025】
駆動軸50の一端部には、図3に示すように、前述のように第1のトラバーサ搬送装置7のアーム部材54が連結され、また、駆動軸50の他端部にも、図5に示すように、同様に第2のトラバーサ搬送装置9のアーム部材76(駆動力変換手段を構成)がその基端部において相対回転不能に連結されている。第1のトラバーサ搬送装置6のアーム部材54と第2のトラバーサ搬送装置8のアーム部材76とは、駆動軸50の中央に駆動軸50に直角な水平方向の対称線を想定した場合に線対称となる位置に配置されている。そのため、第1のトラバーサ搬送装置7のアーム部材54が、図1における手前側の水平位置より下死点を通過して向こう側の水平位置に回転するときに、第2のトラバーサ搬送装置9のアーム部材76も図1における手前側から下死点を通過して向こう側の水平位置に回転する。そして、図8に示すように、アーム部材54の回転経路において、始点位置(手前の水平位置)には開始及び終了位置確認用近接スイッチ78、下死点位置には減速用近接スイッチ80、及び終点位置(向こう側の水平位置)には終了及び開始位置確認用近接スイッチ82が夫々設けられている。これらの近接スイッチ78,80,82が配置された位置にアーム部材54が到達することにより、その検知信号が前記制御装置に伝達されてインバータ付モータ70に対して所定の回転制御がなされる。
【0026】
前記第1押出し装置20は、図5及び図6に示すように、先端に緩衝部84が設けられ直列状に並んだ定盤台車4の最後端をプッシュする棒状のプッシュ部材86と、プッシュ部材86を定盤台車4が搬送される搬送方向に前進させる駆動機構88と、ベース30上に設けられプッシュ部材86と駆動機構88とを定盤台車4の端部に対向する高さに位置決め固定する載置台90とから構成される。駆動機構88は、いずれも図示はしないが、例えば、載置台90に回転中心を有し、搬送方向に平行な平面内を回動するクランクアームと、該クランクアームの先端に回動自在に設けられたスライダと、プッシュ部材の後部において搬送方向に対して直角に延在して設けられ、前記スライダが摺動自在に嵌合されたスライダガイドと、クランクアームを回動させるインバータ付モータとを備え、さらに、インバータ付モータを制御する制御装置を備えている。
なお、図3に示す、第2押出し装置24については、第1押出し装置20と構成が同様であるので、その説明を省略する。
【0027】
第1クッション装置22は、図3に示すように、先端に緩衝部92が設けられ直列状に並んだ定盤台車4の最前端を受けるピストン部94と、ピストン部94を退入進出させるシリンダ部96と、ベース30上に設けられピストン部94とシリンダ部96とを定盤台車4の端部に対向する高さに位置決め固定する載置台98とから構成される。シリンダ部96の前端部には、いずれも図示はしないが、例えばCPUで制御される電磁比例リリーフ弁及び空気圧油圧タンクに連通する配油管が接合されている。電磁比例リリーフ弁にはカット弁が並列に設けられている。シリンダ部の後端部には電磁弁を介して空気圧ポンプに連通する配気管が接合されている。
なお、図5に示す、第2クッション装置26は、第1クッション装置22と構成が同様なので、その説明を省略する。
【0028】
次に、上記のように構成された台車搬送装置の作動について、以下に説明する。
初めに、図1に示すように、第1のトラバーサ搬送装置7において、アーム部材54は、第1搬出位置11側に回動されて、空荷の移動台車42が第1搬出位置11に位置決めされている。移送台レール48は、図3に示すように、第1搬送路6の台車レール32に整列されている。
【0029】
第2のトラバーサ搬送装置9において、アーム部材76は第1搬入位置17側に回動されて、定盤台車4が載置された移送台車42が、第1搬入位置17に位置決めされている。図示はしないが、移送台レール48は第1搬送路6の台車レール32に整列されている。
【0030】
次に、第1押出し装置20の駆動機構88を駆動させ、プッシュ部材86を前進させることで、第2のトラバーサ搬送装置9における第1搬入位置17に位置決めされた定盤台車4の後端部をプッシュする。定盤台車4は複数が直列状に並べられているので、下流端位置10にある先頭の定盤台車4の前端部は、クッション装置22の伸出したピストン部94の緩衝部92に当接する。そのため、第1搬送路6上の複数の定盤台車4は、第1押出し装置20と第1クッション装置22に挟持され、隣り合う定盤台車4相互間の隙間がなくなった状態となる。この状態で定盤台車4は1ピッチ分ずつ搬送方向下流側へ移動する。そして、第1搬送路6の下流端位置10に置かれていた定盤台車4は、第1のトラバーサ搬送装置7上の第1搬出位置11に置かれた移送台車42上に位置決めされる。一方、第2のトラバーサ搬送装置9上の移送台車42は空荷の状態となる。
【0031】
次に、インバータ付モータ70を駆動させ、駆動用スプロケット68に回転トルクを伝えることで駆動軸50を回転させ、第1のトラバーサ搬送装置7のアーム部材54と、第2のトラバーサ搬送装置9のアーム部材76とを同時に回転させる。アーム部材54は第2搬入位置13側へ、アーム部材76は第2搬出位置15側へ夫々回転する。アーム部材54により定盤台車4が載置された移送台車42が第2搬入位置13に位置決めされ、アーム部材76により空荷の移送台車42が第2搬出位置15に位置決めされる。
【0032】
この際、第1のトラバーサ搬送装置7において、アーム部材54の回転経路上には、例えば第1搬出位置11側の水平位置には開始位置確認用近接スイッチ78、アーム部材の下死点位置には減速用近接スイッチ80、第2搬入位置13側の水平位置には終了位置確認用近接スイッチ82が配されているので、アーム部材54の回転角度位置に応じてインバータ付モータ70の回転が制御される。これによって、移送台車42に載置された定盤台車4は第2搬入位置13に迅速かつ安全に移送される。
【0033】
第2搬入位置13に位置決めされた定盤台車4は、第2搬送路8に並べられた複数の定盤台車4とともに、第2押出し装置24及び第2クッション装置26により挟持された状態で、前述と同様に下流側の上流端12へ定盤台車41ピッチ分搬送される。
【0034】
上記のように構成された台車搬送装置2によると、インバータ付モータ70で発生された回転トルクが、駆動軸50によって第1のトラバーサ搬送装置7及び第2のトラバーサ搬送装置9の両方に同時に伝達される。第1及び第2のトラバーサ搬送装置7,9において、回転トルクは、アーム部材54,76、スライダ58、及びスライダガイド部材60を備えた駆動力変換手段(スライダクランク機構)によって第1移送レール40、第2移送レール62に沿って各台車載置台を夫々移動させる力に変換される。
【0035】
このように、第1のトラバーサ搬送装置7及び第2のトラバーサ搬送装置9は1つのインバータ付モータ70により、各移送台車42を一度に移動させることが可能になるので、従来のように、各トラバーサ搬送装置毎に駆動装置を設けることが必要なくなる。また、第1のトラバーサ搬送装置7と第2のトレバーサ搬送装置9とは、インバータ付モータ70により同時にかつ同じ動作で作動するように駆動されるので、各トラバーサ搬送装置7,9の作動工程を検知するセンサ78,80,82も一方のトラバーサ搬送装置に設ければよく、センサ78,80,82の信号に基づく制御も簡素なもので行うことができる。これらによって、設備コストの大きな低減を図ることができる。
【0036】
また、いずれかのトラバーサ搬送装置7、9において、一方の搬送路の搬出位置から他方の搬送路の搬入位置に、定盤台車4を移送台車42に必ず載置して移動するので、従来のように空荷の移送台車42を移動させるためだけに駆動装置を駆動させるというエネルギーロスを生じさせることがない。これによって、動力コストの低減を図ることができる。
【0037】
また、第1のトラバーサ搬送装置7及び前記第2のトラバーサ搬送装置9の間に延在する駆動軸50によって、インバータ付モータ70の回転トルクを同時に第1のトラバーサ搬送装置7及び第2のトラバーサ搬送装置9に伝達する。伝達された回転トルクは、アーム部材54,76、スライダ58及びスライダガイド部材60から構成されるスライダクランク機構により直進運動する力に変換されて、各移送台車42が第1移送レール40又は第2移送レール62に沿って移動する。このような、簡素な機構によって、第1のトラバーサ搬送装置7と第2のトラバーサ搬送装置9とに同時に伝えられた回転トルクを移送台車42が移動する方向の力に変換して各移送台車42を移動させることができる。
【0038】
(第2実施例)
次に本件発明にかかる台車搬送装置を、鋳造ラインにおいて鋳枠や鋳型を搬送する台車搬送装置102に実施した第2実施形態を図に基づいて以下に説明する。
【0039】
本実施形態における台車搬送装置102は、図9において左方向に定盤台車4を搬送させる第1搬送路6、及び第1搬送路6に対して平行に設けられ図9において右方向に定盤台車4を搬送させる第2搬送路8に加えて、第1搬送路6と第2搬送路8の間に、右方向に定盤台車4を搬送させる第3搬送路104を有していること、第1のトラバーサ搬送装置106は第3搬送路104の上流端位置108に整列する第3搬入位置110を有し、第2のトラバーサ搬送装置112は第3搬送路104の下流端位置114に整列する第3搬出位置116を有し、駆動力伝達手段としての駆動軸118が第1搬送路6の外側端部(図9において手前側端部)に配設され、駆動力変換手段が後述するスプロケット及びチェーンで構成されている点において第1実施形態と相違する。
【0040】
第3搬送路104は、第1搬送路6及び第2搬送路8と平行に設けられている。第3搬送路104の上流端位置108及び第3搬入位置110に対向する位置には第3押出し装置120が配設され、第3押出し装置120により第3搬送路104に直列状に配列された複数の定盤台車4を搬送方向に押出すようになっている。第3搬送路104の下流端位置114及び第3搬出位置116に対向する位置には第3クッション装置122が配設され、第3クッション装置122により第3押出し装置120により押出された定盤台車4の搬送方向の運動を停止させる。第3押出し装置120で定盤台車1ピッチ分だけ押出すことで、第1のトラバーサ搬送装置106により第3搬入位置110に位置決めされた定盤台車4を第3搬送路104の上流端位置108に搬送し、同時に第3搬送路104の下流端位置114に位置決めされた定盤台車4を第2のトラバーサ搬送装置112の第3搬出位置116に移動させるようになっている。
【0041】
駆動軸118は、図9及び図10に示すように、第1搬送路6の外側端部(図9において手前側端部)に第1搬送路6に沿って延在している。駆動軸118の一端部(図9において左端)は、第1のトラバーサ搬送装置106の第1搬出位置11に到り、第1のトラバーサ搬送装置106のベースフレーム体38の一方の端部に設けられた軸受124を介して回動自在に支承されている。駆動軸118の他端部は第2のトラバーサ搬送装置112の第1搬入位置17に到り、第2のトラバーサ搬送装置112のベースフレーム体38の一方の端部に設けられた軸受124を介して回動自在に支承されている。駆動軸118の中央部は、図16に示すように、梁部材34を支持する第1搬送路6の長手方向中央の支柱36の外側に並立された支持支柱126と前記支柱36との間に横架された支持梁128に軸受130を介して回転自在に支承されている。駆動軸118の長手方向の中央部には駆動用スプロケット68が周設され、駆動用スプロケット68の下方には駆動装置としてのインバータ付モータ70が配置されている。駆動用スプロケット68とインバータ付モータ70の回転軸72とは駆動用チェーン74が張架され、インバータ付モータ70の回転トルクが駆動用スプロケット68に伝達されて駆動軸118が回転する。
駆動軸118の一端部及び他端部には、図11乃至図14に示すように、夫々スプロケットが相対回転不能に設けられ、駆動軸スプロケット134が構成されている。また、駆動軸スプロケット134により支承車の一方が構成される。
【0042】
第1のトラバーサ搬送装置106の第2搬入位置13には、図11に示すように、駆動軸スプロケット134と対向する位置に従動軸スプロケット136が設けられている。従動軸スプロケット136は、第1のトラバーサ搬送装置106のベースフレーム体38の他方の端部に設けられた軸受124に相対回転自在に支承された従動軸138に周設されている。従動軸138は駆動軸118に対して平行な回転中心を有している。従動軸スプロケット136により支承車の他方が構成される。駆動軸スプロケット134と従動軸スプロケット136との間にはチェーン部材としてのループ状のローラチェーン140が水平状に張架されている。なお、ローラチェーン140によりループ状回転トルク伝達部材が構成される。図12に示すように、ローラチェーン140の中間部には矩形状のブラケット142がその基端部において図略のボルト及びナットで相対移動不能に連結され、ブラケット142の先端部は移送台車144の底部に図略のボルト及びナットで相対移動不能に連結されている。駆動軸スプロケット134が回転すると対向する位置にある従動軸スプロケット136が回転し、駆動軸スプロケット134と従動軸スプロケット136との間に設けられたローラチェーン140に組み付けられた移送台車144が第1移送レール40上を移動する。なお、駆動軸スプロケット134、従動軸スプロケット136、ローラチェーン140及びブラケット142により駆動力変換手段が構成される。
【0043】
第2のトラバーサ搬送装置112の第2搬出位置15にも、図13及び図14に示すように、駆動軸スプロケット134と対向する位置に従動軸スプロケット136が設けられ、両スプロケット134,136の間にローラチェーン140が張架されている。また、ブラケット142の移動経路上には、図15に示すように、例えば第1搬入位置17に第1搬入位置確認近接スイッチ145、第3搬出位置116には第3搬出位置確認近接スイッチ146、第2搬出位置15には第2搬出位置確認近接スイッチ147が配されている。このようにブラケット142の移動位置に応じてインバータ付モータ70の回転が制御され、移送台車144は、載置された定盤台車4が第1搬送路4の上流端位置16に搬送された後、第2搬出位置15(或いは第3搬出位置116)に迅速かつ正確に移送される。
【0044】
第2のトラバーサ搬送装置112の移送台車144を移動させる機構は第1のトラバーサ搬送装置106と同様なので説明を省略する。
本実施形態において、その他の構成は、第1実施形態と同様なので、同じ符号を付与して説明を省略する。
【0045】
次に、上記のように構成された台車搬送装置102の作動について、以下に説明する。
第1のトラバーサ搬送装置106において、図9に示すように、空荷の搬送台車114は第1搬出位置11に位置決めされ、第2のトラバーサ搬送装置112において、定盤台車4が載置された移送台車144が第1搬入位置17に位置決めされている。第1押出し装置20と第1クッション装置22とを使って第1搬送路6に並べられた定盤台車4を台車1ピッチ分下流側に搬送する工程は、第1実施形態と同様なので、その説明を省略する。
【0046】
第1搬入位置17に位置決めされた定盤台車4を第1搬送路6の上流端位置16に搬送するとともに、第1搬送路6の下流端位置10に置かれた定盤台車4を第1搬出位置11に位置決めする工程を、第1押出し装置20と第1クッション装置22とを使って行なうことは、第1の実施形態と同様なので、その説明を省略する。
【0047】
そして、この搬送工程により、第1搬送路6の下流端位置10に置かれていた定盤台車4は第1搬出位置11におかれた移送台車144上に位置決めされる。
【0048】
次に、インバータ付モータ70を駆動させることで、駆動軸118を回転させ、駆動軸118は駆動軸118に設けられた駆動軸スプロケット134を回転させる。駆動軸スプロケット134の回転トルクはローラチェーン140を介して従動軸スプロケット136伝達され、二つのスプロケット134,136が回転することで、ローラチェーン140にブラケット142を介して固定された移送台車144を、第1搬出位置11から第2搬入位置13に移動させる。同時に、第2のトラバーサ搬送装置112の第1搬入位置17に置かれていた空荷の移送台車144は第2搬出位置15に移送される。このようにインバータ付モータ70の1回の駆動により、定盤台車4の搬送と、空荷の移送台車144の返送を同時にやることで、エネルギーロスを防止して作業上の無駄をなくすことができる。
【0049】
また、第1のトラバーサ搬送装置106と同時に動く第2のトラバーサ搬送装置112において、ブラケット142の移動経路上には、第1搬入位置17に第1搬入位置確認用近接スイッチ145、第3搬出位置116には第3搬出位置確認用近接スイッチ146、第2搬出位置15には第2搬出位置確認用近接スイッチ147が配されている(これらは同時に第1搬入位置確認用近接スイッチ145は第1搬出位置確認用近接スイッチ、第3搬出位置確認用近接スイッチ146は第3搬入位置確認用近接スイッチ、第2搬出位置確認用近接スイッチ147は第2搬入位置確認用近接スイッチをそれぞれ兼ねている)ので、ブラケット142の移動位置に応じてインバータ付モータ70の回転を制御することができる。これによって、第1のトラバーサ搬送装置106においても、移送台車144に載置された定盤台車4を迅速かつ安全に移送することができる。
【0050】
上記のように構成された台車搬送装置によると、第1のトラバーサ搬送装置106及び前記第2のトラバーサ搬送装置112の間に延在する駆動軸118によって、インバータ付モータ70の回転トルクを同時に第1のトラバーサ搬送装置106及び第2のトラバーサ搬送装置112に伝達する。伝達された回転トルクは、第1及び第2のトラバーサ搬送装置106,112のベースフレーム体38の一端部側に夫々設けられ、駆動軸118の回転に連動して回転する駆動軸スプロケット134に伝えられる。
【0051】
そして、回転トルクは、駆動軸スプロケット134の回転軸と平行な従動軸138を有し、第1及び第2のトラバーサ搬送装置106,112のベースフレーム体38の他端部側に夫々設けられた従動軸スプロケット136に、ローラチェーン140を介して伝えられる。
【0052】
ローラチェーン140は、駆動軸スプロケット134と従動軸スプロケット136との間に張架され、駆動軸スプロケット134が回転すると、張架されたローラチェーン140は、駆動軸スプロケット134と従動軸スプロケット136との外周部により両端の円弧部が形成される無限軌道上を周回する。このローラチェーン140にはブラケット142により移送台車144が相対移動不能に連結されているので、駆動軸スプロケット134の回転により移送台車144は第1移送レール40又は第2移送レール62に沿って夫々移動する。このような、簡素な機構によって、第1のトラバーサ搬送装置106と第2のトラバーサ搬送装置112とに同時に伝えられた回転トルクを、第1のトラバーサ搬送装置106と第2のトラバーサ搬送装置112とに夫々備えられた移送台車144が移動する方向の力に変換して各移送台車144を移動させることができる。
【0053】
また、両側のトラバーサ搬送装置106,112に伝達された駆動軸118の回転トルクが、スプロケット134,136とローラチェーン140との組み合わせで、移送台車144を移動方向に移動させ、伝達される力は伝達の際に空回りを生じないので、エネルギーロスを生じることなく、両側の第1のトラバーサ搬送装置106及び第2のトラバーサ搬送装置112は正確に同期して作動する。そのため、例えば第2のトラバーサ搬送装置112の動作経路上に各近接スイッチ145,146,147を配置することで、第1のトラバーサ搬送装置106の動作の制御をも高い精度で行なうことが可能となり、各近接スイッチ145,146,147を各トラバーサ搬送装置106,112毎に設ける必要なく設備費用のコストダウンを図ることができる。
【0054】
なお、本実施形態において、駆動力変換手段として、スプロケットとローラチェーンとの組合せとしたが、これに限定されず、例えばタイミングチェーンとタイミングベルトによる組み合わせでも良い。
【0055】
また、第1搬送路6、第2搬送路8及び第3搬送路104の3つの搬送路を第1のトラバーサ搬送装置106及び第2のトラバーサ搬送装置112で連絡するものとしたが、これに限定されず、例えば4つ以上の搬送路を備えるものに実施することができる。
【0056】
また、ベースフレーム体38の両端部に設けられる支承車を、駆動軸スプロケット134と従動軸スプロケット136としたが、これに限定されず、例えば、ベースフレーム体の両端部に設けられる支承車を、両方とも対向する位置に設けられた従動軸スプロケット136とし、ローラチェーン140を回転させる駆動軸スプロケット134を、従動軸スプロケット136が設けられた位置から、下方にずらした位置に設けるものでもよい。
【0057】
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はそのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得るものである。
【符号の説明】
【0058】
2…台車搬送装置、4…定盤台車、6…第1搬送路、7…第1のトラバーサ搬送装置、8…第2搬送路、9…第2のトラバーサ搬送装置、10…下流端位置、11…第1搬出位置、12…上流端位置、13…第2搬入位置、14…下流端位置、15…第2搬出位置、16…上流端位置、17…第1搬入位置、38…ベースフレーム体、40…第1の軌道(第1移送レール)、42…台車載置台(移送台車)、50…駆動力伝達手段(駆動軸)、54…駆動力変換手段(アーム部材)、56…駆動力変換手段(連結軸)、58…駆動力変換手段(スライダ)、60…駆動力変換手段(スライダガイド部材)、62…第2の軌道(第2移送レール)、70…駆動装置(インバータ付モータ)、76…駆動力変換手段(アーム部材)、106…第1のトラバーサ搬送装置、112…第2のトラバーサ搬送装置、118…駆動力伝達手段(駆動軸)、134…支承車・駆動軸スプロケット、136…支承車・従動軸スプロケット、138…従動軸、140…ループ状回転トルク伝達部材・チェーン部材(ローラチェーン)、142…連結部材(ブラケット)、144…台車載置台(移送台車)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳枠又は鋳型を載置する複数の定盤台車が上流端位置から下流端位置の間に連続的に配置され所定方向に向って搬送される第1搬送路と、
前記第1搬送路と平行に設けられ鋳枠又は鋳型を載置する複数の定盤台車が上流端位置から下流端位置の間に連続的に配置され前記所定方向の反対方向に向って搬送される第2搬送路と、
前記第1搬送路の下流端位置に整列する第1搬出位置と前記第2搬送路の上流端位置に整列する第2搬入位置との間に延在するベースフレーム体に敷設された第1の軌道及び該第1の軌道上に配置され前記定盤台車を載置して前記第1の軌道上を移動する台車載置台を備えた第1のトラバーサ搬送装置と、
前記第2搬送路の下流端位置に整列する第2搬出位置と前記第1搬送路の上流端位置に整列する第1搬入位置との間に延在するベースフレーム体に敷設された第2の軌道及び該第2の軌道上に配置され前記定盤台車を載置して前記第2の軌道上を移動する台車載置台を備えた第2のトラバーサ搬送装置と、
を備えた台車搬送装置において、
前記第1のトラバーサ搬送装置と前記第2のトラバーサ搬送装置との間に設けられ駆動力としての回転トルクを発生させる駆動装置と、
前記駆動装置の回転トルクを前記第1のトラバーサ搬送装置及び第2のトラバーサ搬送装置の両方に同時に伝達する駆動力伝達手段と、
前記第1及び第2のトラバーサ搬送装置の夫々に設けられ、前記駆動力伝達手段から伝達された回転トルクを各前記台車載置台が前記第1及び第2の軌道に沿って夫々移動する力に変換する駆動力変換手段と、
を備えたことを特徴とする台車搬送装置。
【請求項2】
請求項1において、前記駆動力伝達手段は、前記第1のトラバーサ搬送装置及び前記第2のトラバーサ搬送装置の間に延在する駆動軸であり、
前記駆動力変換手段は、各前記トラバーサ搬送装置のベースフレーム体に回動自在に設けられ前記駆動軸の回転に連動して前記台車載置台の移動方向に平行な平面内で回動するアーム部材と、前記アーム部材の回動先端に回動自在に設けられたスライダと、前記台車載置台に設けられ該台車載置台の移動方向に対して交差する方向に延在し前記スライダが摺動するスライダガイド部材と、
を備えていることを特徴とする台車搬送装置。
【請求項3】
請求項1において、前記駆動力伝達手段は、前記第1のトラバーサ搬送装置及び前記第2のトラバーサ搬送装置の間に延在する駆動軸であり、
前記駆動力変換手段は、前記ベースフレーム体の両端部に前記台車載置台の移動方向と直角な軸回りに回転自在に支承された支承車の間に張架されるとともに前記台車載置台が連結され、前記駆動軸の回転によって回動されるループ状回転トルク伝達部材を備えることを特徴とする台車搬送装置。
【請求項4】
請求項3において、前記ループ状回転トルク伝達部材は、チェーン部材又はタイミングベルトであり、
前記支承車の一方は、前記駆動軸の回転とともに回転する駆動軸スプロケット又は駆動軸タイミングプーリであり、
前記支承車の他方は、前記チェーン部材が掛けられた従動軸スプロケット、又は前記タイミングベルトが掛けられた従動軸タイミングプーリであることを特徴とする台車搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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