説明

合成ガスから炭化水素を製造する触媒とその触媒の製造方法、及び当該触媒を用いた合成ガスから炭化水素を製造する方法

【課題】 C5+液状炭化水素の生産性が高いFT合成用触媒と触媒の製造方法並びに該触媒を用いた合成ガスから炭化水素を製造する方法を提供する。
【解決手段】 鉄、マグネシウム、カルシウム、銅、及びカリウム、並びに、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニオブ、ホウ素、ジルコニウム、亜鉛、クロム、マンガン、チタンのうちの一種または二種以上を有する化合物、又は、前記化合物にシリカ、アルミナの少なくともいずれかを加えた化合物のうち、少なくともいずれかからなることを特徴とするFT合成用触媒とその製造方法、及びこれを用いて合成ガスから炭化水素を製造する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一酸化炭素を水素化して、合成ガスから炭化水素を製造するための触媒とその製造方法、及び該触媒を用いた合成ガスからの炭化水素を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化等の環境問題が顕在化し、他の炭化水素燃料、石炭等と比較してH/Cが高く、地球温暖化の原因物質である二酸化炭素排出量を抑えることができ、埋蔵量も豊富な天然ガスの重要性が見直されてきており、今後ますますその需要は増加するものと予想されている。そのような状況の中、天然ガスを合成ガスに変換した後、合成ガスからFT合成反応を用いて輸送性・ハンドリング性の優れた灯・軽油等の液体炭化水素燃料に転換する技術の開発が各所で精力的に行われている。
【0003】
このFT合成反応は、1920年代、鉄系化合物存在下で進行することが発見されて以降、鉄系触媒の改良が進められ、1950年代に南アフリカのサソールで工業化(本プロセスでは100Fe/5Cu/4.2K/25SiOが触媒として用いられている(非特許文献1参照))し現在に至っている。この反応で用いられる鉄系触媒は、近年精力的に研究されているコバルト系触媒と比較して、原料として非常に広範な水素/一酸化炭素比の合成ガスにも対応することができるという特徴がある。また一部の研究機関からの報告(非特許文献2参照)では、触媒としてFe/6Mnを用いた場合、100ppm程度の硫化水素が原料中に含まれていても触媒被毒を受けにくいという結果が得られるなど硫黄被毒への耐性も高いという特徴を有する。さらに、鉄系触媒を用いたFT合成反応で得られた液体炭化水素生成物は、現在開発の主流であるコバルト系触媒を用いた場合の生成物と比較してオレフィン類が多く含まれ、従来の燃料用途のみならず化成品原料用途への展開も可能になるなど数多くの特徴を有している。
【0004】
こうしたことを背景に1980年代以降、工業触媒の性能を大きく凌駕する鉄系触媒の開発が活発に進められている。これまでのところ、触媒の高活性化の指標である炭素数が5以上の液状炭化水素の生産性で工業触媒を凌ぐ開発品、例えば100Fe/10Zn/2Cu/4K(非特許文献3参照)や100Fe/1.4K/4.6Si(非特許文献4参照)など幾つか報告されてきているが、コバルト系触媒と比較して、液状炭化水素の生産性は低く、より活性の高い鉄系触媒の開発が大きな課題となっている。
【0005】
また、このFT合成反応は、触媒を用いて合成ガスを炭化水素に転換する発熱反応であるが、プラントの安定操業のためには反応熱を効果的に除去することが極めて重要である。現在までに実績のある反応形式には、気相合成プロセス(固定床、噴流床、流動床)と、液相合成プロセス(スラリー床)があり、それぞれ特徴を有しているが、近年、熱除去効率が高く、生成した高沸点炭化水素の触媒上への蓄積やそれに伴う反応管閉塞が起こらないスラリー床液相合成プロセスが注目を集め、精力的に開発が進められている。
【0006】
一般的にFT合成反応触媒の粒子径は、熱や物質の拡散が律速となる可能性を低くするという観点からは、小さいほど好ましい。しかし、スラリー床によるFT合成反応では、生成する炭化水素の内、高沸点炭化水素は反応容器内に蓄積されるため、触媒と生成物との固液分離操作が必ず必要になることから、触媒の粒子径が小さすぎる場合、分離操作の効率が大きく低下するという問題が発生する。よって、スラリー床用の触媒には最適な粒子径範囲が存在することになるが、以下に示すように、反応中に触媒が破壊、粉化を起こして、粒子径が小さくなることがあり、注意が必要である。
【0007】
即ち、スラリー床でのFT合成反応では相当高い原料ガス空塔速度(0.1m/秒以上)で運転されることが多く、触媒粒子は反応中に激しく衝突するため、物理的な強度や耐摩耗性(耐粉化性)が不足すると、反応中に触媒粒径が低下して、上記分離操作に不都合をきたすことがある。さらに、鉄系触媒では主活性種が酸化鉄表面に生成する微結晶の鉄カーバイドであるとされており(非特許文献5参照)、FT合成反応中に触媒粉末自体のみならず、酸化鉄と鉄カーバイドとの界面で割れや粉化を起こしやすくなることがあり、上記と同様に分離操作に不都合をきたすことになる。
【非特許文献1】D. B. Bukur et al., Ind. Eng. Chem. Res., 38(9), 3270(1999)
【非特許文献2】山田宗慶ら、石油学会年会講演要旨、44, 128(2002)
【非特許文献3】S. Li et al., J. Catal., 206, 202(2002)
【非特許文献4】A. P. Raje et al., J. Catal., 180, 36(1998)
【非特許文献5】A. Zhang et al., Am. Chem. Soc. Div. Pet. Chem., 44(1), 100(1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、現状の触媒活性は未だ十分ではなく、更なる高活性触媒の開発が急務であった。
【0009】
そこで、本発明は、高い液状炭化水素の生産性など優れた触媒活性を有する鉄系のFT合成用触媒と触媒の製造方法及び該触媒を用いた炭化水素の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
また、反応中、酸化鉄表面に生成する微結晶鉄カーバイドが酸化鉄との界面で割れや粉化を起こしやすくなることがあるため、特にスラリー床で問題となることが多かった。
【0011】
そこで、本発明は、さらに触媒強度や耐摩耗性の高いFT合成用触媒と触媒の製造方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、高活性を有する鉄系のFT合成用触媒と触媒の製造方法及び該触媒を用いた炭化水素の製造方法に関する。更に詳しくは、以下に記す通りである。
【0013】
(1) 鉄、マグネシウム、カルシウム、銅、及びカリウム、並びに、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニオブ、ホウ素、ジルコニウム、亜鉛、クロム、マンガン、チタンのうちの一種または二種以上を有する化合物からなることを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
【0014】
(2) 前記触媒にシリカ、アルミナの少なくともいずれかを含む(1)記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
【0015】
(3) (1)に記載の触媒を製造する方法であって、鉄、マグネシウム、及びカルシウムのイオン、並びに、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニオブ、ホウ素、ジルコニウム、亜鉛、クロム、マンガン、チタンのうちの一種又は二種以上のイオンを含有する溶液から、沈殿法により生成した化合物をろ過、洗浄処理した後、当該処理後の化合物と銅およびカリウムのイオンを含む溶液を混合し、乾燥し、焼成した後、整粒または成型する、
又は前記ろ過、洗浄処理後の化合物を乾燥、焼成の少なくともいずれかを行った後、整粒または成型したものへ銅およびカリウムのイオンを含む溶液を含浸して更に乾燥し、焼成することを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
【0016】
(4) (2)に記載の触媒を製造する方法であって、鉄、マグネシウム、及びカルシウムのイオン、並びに、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニオブ、ホウ素、ジルコニウム、亜鉛、クロム、マンガン、チタンのうちの一種又は二種以上のイオンを含有する溶液から、沈殿法により生成した化合物をろ過、洗浄処理した後、当該処理後の化合物と銅及びカリウムのイオンを含む溶液を混合した混合物をスラリー化した液に、シリカゾル、アルミナゾルの少なくともいずれかを添加後、噴霧法により球状に成形することを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
【0017】
(5) (1)又は(2)記載の触媒に合成ガスを接触させて、合成ガスから炭化水素を製造する方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高い液状炭化水素生産性を発揮するなど高活性で優れた触媒活性を有する鉄系のFT合成用触媒が製造でき、該触媒に合成ガスを接触させて高効率に合成ガスから液状炭化水素を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を更に詳述する。
【0020】
本発明者らは、触媒を構成する構成元素、組成に着目して鋭意検討したところ、液状炭化水素の高い生産性レベルを大幅に向上できること、また、特定の製法を用いることで活性を損なわずに耐摩耗性の高い高強度の触媒を製造可能であることを見出し、本発明に至った。
【0021】
すなわち、本発明の鉄系FT合成用触媒は、鉄、マグネシウム、カルシウム、銅、及びカリウムを含み、さらに鉄と化合物化し得る元素の一つまたは二つ以上を有する化合物からなる。本発明者らが鋭意検討した結果、主活性成分である鉄、従来から助触媒として有効とされている銅、カリウム以外の元素として、マグネシウム及びカルシウムはCO選択率(生成量)を抑制することに対して効果的である。これは、マグネシウム、カルシウムが主に金属酸化物として存在して塩基性を示すため、FT合成反応中に生成するCOを表面に吸着しやすく、原料ガス中の水素と二次反応を起こしてCOが消費されることにより、CO発生を抑制する機能を有するものと思われる。さらにモリブデン、バナジウム、タングステン、ニオブ、ホウ素、ジルコニウム、亜鉛、クロム、マンガン、チタンなど鉄と化合物を形成し得る金属元素は、主活性金属の鉄と化合物を形成してマトリクスである酸化鉄主体の鉄化合物相内に微細に析出し、マトリクス相を細かく分断することで、鉄化合物相から表面に析出する活性種の鉄が触媒表面に微細に分散して触媒活性が向上するものと考えられる。
【0022】
また本発明のもう一つの鉄系FT合成用触媒は、鉄、マグネシウム、カルシウム、銅、及びカリウム、並びに、前述の鉄と化合物化し得る元素の一つまたは二つ以上を有する化合物にシリカ、アルミナから選ばれる少なくとも1種類の酸化物を含む化合物である。
【0023】
ここで、シリカ、アルミナの各酸化物は、これまで触媒担体として触媒反応場に利用されることが多い。しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、シリカ、アルミナの各酸化物を含有することにより、さらに高い反応速度でFT合成反応が進行することを見出した。これは、シリカ、アルミナの各酸化物単独若しくは両方を上記化合物に含有することにより、シリカ、アルミナの各酸化物が鉄、マグネシウム、カルシウム、銅、及びカリウム、並びに、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニオブ、ホウ素、ジルコニウム、亜鉛、クロム、マンガン、チタンのうちの一種または二種以上の元素を含む酸化物を中心とした化合物の結晶相をさらに細かく分断して、化合物固相中で高度に分散させること等により、各結晶相から表面に析出する活性種の鉄がより高度な分散状態になることで発現できるようになったものと推察される。
【0024】
なお、本発明のいずれのFT合成用触媒も、主活性成分である鉄は反応前は主に酸化鉄として存在するが、一定温度の加温下、合成ガスを流通して活性化処理することによりその一部が微結晶の鉄カーバイドに変化し、触媒機能を発揮するようになると考えられる。
【0025】
さらに、本発明の触媒は、化合物中(触媒中)の鉄元素の含有量が1〜60質量%であることを特徴とする酸化物、炭酸化合物、硝酸化合物、硫酸化合物のいずれか、またはこれらの化合物の混合物である。ここで鉄元素の含有量が全量に対して1質量%未満の場合には、触媒活性が十分でなく、また含有量が60質量%を超える場合には助触媒として加える他の成分の機能が十分発揮できず、CO発生量を抑制する高活性な触媒活性が十分に得られないという問題がある。また、上記化合物中の鉄元素の含有量は好ましくは5〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%である。
【0026】
そして、本発明の触媒は、化合物中のマグネシウム元素の含有量が1〜50質量%であることを特徴とする。ここでマグネシウム元素の含有量が1質量%未満の場合には、マグネシウムが酸化物として塩基性を示すことにより発揮されるCO発生量抑制の機能が十分でないため好ましくない。またマグネシウム元素の含有量が50質量%を超える場合には触媒活性種の鉄の含有量が少なくなるため、触媒活性が十分でない。
【0027】
さらに、本発明の触媒は、化合物中のカルシウム元素の含有量が1〜50質量%であることを特徴とする。ここでカルシウム元素の含有量が1質量%未満の場合には、マグネシウムと同様に、カルシウムが酸化物として塩基性を示すことにより発揮されるCO発生量抑制の機能が十分でないため好ましくない。またカルシウム元素の含有量が50質量%を超える場合には触媒活性種の鉄の含有量が少なくなるため、触媒活性が十分でない。
【0028】
加えて、本発明の触媒は、化合物中の銅元素の含有量が0.01〜10質量%であることを特徴とする。ここで銅元素の含有量が0.01質量%未満の場合には、化合物中で主に酸化物の状態で存在する鉄を合成ガス雰囲気下で金属鉄または鉄カーバイドへ還元するのを促進するという助触媒としての機能が十分発揮できず、触媒活性が高くならないため好ましくない。また銅元素の含有量が10質量%を超える場合には触媒活性種の鉄の含有量がその分少なくなるため、触媒活性が低下してしまう。
【0029】
そして、本発明の触媒は、化合物中のカリウム元素の含有量が0.01〜10質量%であることを特徴とする。ここでカリウム元素の含有量が0.01質量%未満の場合には、銅と同様に、化合物中で主に酸化物の状態で存在する鉄を合成ガス雰囲気下で金属鉄または鉄カーバイドへ還元するのを促進するという助触媒としての機能が十分発揮できず、触媒活性が高くならないため好ましくない。またカリウム元素の含有量が10質量%を超える場合には触媒活性種の鉄の含有量がその分少なくなるため、触媒活性が低下してしまう。
【0030】
また、本発明の触媒は、化合物中の前述した一種又は二種以上の鉄と化合物化し得る元素の合計含有量が1〜50質量%であることを特徴とする。ここで鉄と化合物化し得る元素の総含有量が1質量%未満の場合には、高い活性が得られない恐れがある。また鉄と化合物化し得る元素の総含有量が50質量%を超える場合には触媒活性種の鉄の含有量が少なくなり過ぎるため、触媒活性が低下してしまう。
【0031】
尚、上記の元素以外に触媒製造工程等で混入する不可避的不純物を含んでも構わないが、触媒活性向上の面からは不純物量が少ないほど好ましく、できるだけ不純物が混入しないようにすることが望ましい。
【0032】
また本発明の触媒は、粉体、成型体、又は成形物であって、粒子径範囲としては平均粒径で10μm〜1mmとなるように篩い分け等するのが好ましい。平均粒径が10μm未満となった場合には、触媒と生成物との固液分離操作の効率が大きく低下する恐れがある。一方、平均粒径が1mmを超える場合には、表面積が小さくなり触媒活性が十分発揮できないため好ましくない。尚、ここでの粒子径はレーザー式回折法により測定される値である。
【0033】
そして、本発明の触媒は、その比表面積が10〜500m/gとなるよう製造されたものである。一般的に、良好な触媒活性を発現させるためには、触媒の比表面積は大きいほど有利である。しかし、比表面積が500m/gより大きくなると、触媒強度の低下を招くため好ましくない。また、比表面積が10m/gより小さくなると、活性金属の反応への寄与効率が低下するため、十分な触媒活性が得られない恐れがある。そして、さらに好ましくは20〜400m/gである。尚、ここでの比表面積は、窒素ガスの吸脱着によるBET法で求めた測定値である。
【0034】
一方、本発明のFT合成用触媒の製造方法についても本発明者らが鋭意検討した結果、上記要件を満足する製造方法であって、鉄、マグネシウム、及びカルシウム、並びに、前述した一種又は二種以上の鉄と化合物化し得る元素のイオンを含有する溶液から沈殿法により生成した化合物をろ過、洗浄したものへ銅およびカリウムのイオンを含む溶液を混合し、銅およびカリウムを前記化合物表面へ付着させるものである。尚、ここで言う沈殿法とは、目的成分イオンを含む溶液へ沈殿剤を用いてpHを制御し、溶解度積定数に達するよう調整することにより水酸化物等の状態で目的成分を含む化合物を形成させるものである。
【0035】
ここで沈殿により得られた化合物をろ過、洗浄するのは、沈殿液中に存在する沈殿剤成分や鉄、マグネシウム、及びカルシウム、並びに、前述した一種又は二種以上の鉄と化合物化し得る元素のイオンを溶液にする際に用いた各原料化合物中のアニオン成分を除去するためである。
【0036】
またここで沈殿法により生成した化合物をろ過、洗浄したものの表面へ銅およびカリウムのイオンを含む溶液を付着するのは、沈殿工程において前述したような極めて少量の銅およびカリウムを沈殿物内部に取り込まれることなく沈殿物表面へ確実に担持させるためである。
【0037】
尚、ここでいう付着とは、鉄、マグネシウム、及びカルシウム、並びに、前述した一種又は二種以上の鉄と化合物化し得る元素を含有する溶液からの沈殿物を、水分を含んだスラリー又はケーキの状態で銅およびカリウムのイオンを含む溶液と物理的に混合し、加温下で攪拌しながら水分を蒸発させる、あるいは、前記沈殿物を乾燥、焼成の少なくともいずれかを行った後、篩い分けにより整粒した粉体または必要に応じて圧縮成型器等により成型した成型体を、銅およびカリウムのイオンを含む溶液に浸し、加温下で水分を蒸発させることにより、鉄、マグネシウム、カルシウム、並びに、前述した一種又は二種以上の鉄と化合物化し得る元素からなる化合物に銅およびカリウムを担持することを意味する。
【0038】
最終的には、ここで得られた化合物をFT合成反応の反応温度以上の温度で焼成するが、その焼成温度は200〜1200℃の範囲であるのが好ましい。焼成温度が200℃未満の場合には、温度が低すぎて焼結が進まず、高い触媒活性が得られないため好ましくない。一方、焼成温度が1200℃を超える場合には、焼結が進みすぎて得られた化合物の表面積が小さくなり、高い触媒活性を得ることができないため好ましくない。
【0039】
尚、本製造方法において出発原料として用いる鉄、マグネシウム、カルシウム、銅、カリウム、鉄と化合物化し得る元素との各化合物は、各成分がイオンとして水溶液化できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、硝酸化物、水酸化物、炭酸化物、硫酸化物、ハロゲン化物等の無機化合物や酢酸化物等の有機化合物が好適に用いられる。
【0040】
また上記沈殿工程において、沈殿時のpH、温度は、形成される沈殿物の細孔構造、結晶サイズ等に大きな影響を与えるため、各条件を制御、保持することにより均一な化合物を形成することが可能になることから、沈殿液のpHを6〜10、温度を室温〜90℃の範囲に制御するのが好ましく、また溶液のpHが7〜9、温度が50〜80℃の範囲がより好ましい。pHが9より大きい条件下で沈殿させる場合には、沈殿剤の種類にも依存するが、錯体化合物を形成して溶解性が増し、沈殿物が生成しにくい場合があるためあまり好ましくない。また、pHが7より小さい場合には目的成分の水への溶解度が高く沈殿が起こりにくい傾向がある。
【0041】
さらに温度については、50℃より低い場合には鉄、マグネシウム、カルシウム、鉄と化合物化し得る元素の各出発原料を高濃度に溶解させることが困難になる恐れがある。また80℃より高い場合には、逆に溶解度が高くなって沈殿を起こしにくく収率が低下する恐れがある。
【0042】
ここで沈殿剤としては、炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水などが好適に用いられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0043】
さらに、本発明者らが鋭意検討した結果、触媒の反応中の粉化を防ぐ強度の高い触媒を製造する方法として、前記沈殿法で製造した化合物を含む溶液にシリカゾル、アルミナゾルの少なくともいずれかを添加した後、噴霧法により球状に成形するものである。ここで添加するシリカゾル、アルミナゾルの少なくともいずれかは、沈殿物粒子同士を結合し、球形に成形するバインダーの役割を果たすと共に、焼成後にそれぞれシリカ、アルミナに変化して前述したFT合成反応の促進効果を担う。最終的に成形した粉体を焼成した後の化合物には、加えたシリカゾル、アルミナゾルはそれぞれシリカ、アルミナとなって存在するが、成形時に沈殿法で製造した化合物を含む溶液へシリカゾル、アルミナゾルを加える割合は、焼成後に最終的に得られる化合物中のシリカ、アルミナの少なくともいずれかの含有量が1〜90質量%となるようにすることが好ましい。シリカゾル、アルミナゾルの少なくともいずれかの添加量が、焼成後の化合物のシリカ、アルミナの少なくともいずれかの含有量で1質量%未満となる場合には、添加効果がほとんど見られず好ましくない。また、シリカゾル、アルミナゾルの少なくともいずれかの添加量が、焼成後の化合物中のシリカ、アルミナの少なくともいずれかの含有量で90質量%を超えるような場合には、触媒活性種の鉄の含有量が少なくなるため、触媒活性が十分得られず好ましくない。
【0044】
次に、本発明の鉄系FT合成用触媒を用いたFT合成反応について述べる。すなわち、前記した金属成分として鉄、マグネシウム、カルシウム、銅、カリウム、鉄と化合物化し得る元素からなる化合物またはこの化合物にシリカ、アルミナの少なくともいずれかを含む化合物を触媒として用い、これに合成ガスを接触させて、合成ガスから炭化水素を製造するものである。
【0045】
すなわち、反応槽に触媒を充填して合成ガスを流通することであり、反応槽の形式としては固定床、噴流床、流動床、スラリー床のいずれも好適に用いることができる。
【0046】
ここで合成ガスとは、例えば天然ガスなどを変換して製造される水素と一酸化炭素の合計が全体の50体積%以上であるガスを指し、本発明の鉄系FT合成用触媒に対しては合成ガス中の水素と一酸化炭素のモル比(水素/一酸化炭素)が0.5〜4.0の範囲であることが望ましい。この水素と一酸化炭素のモル比が0.5未満の場合には、原料ガス中の水素の存在量が少な過ぎるため、一酸化炭素の水素化反応(FT合成反応)が進みにくく、液状炭化水素の生産性も高くならないため好ましくない。またこの水素と一酸化炭素のモル比が4.0を超える場合には、原料ガス中の一酸化炭素の存在量が少な過ぎるため、触媒活性に関わらず液状炭化水素の生産性が高くならないことから好ましくない。
【実施例】
【0047】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0048】
(実施例1)
硝酸鉄13.4gと硝酸マグネシウム25.6gと硝酸カルシウム2.4g、五酸化バナジウム0.6gを精秤し、300ccの水へ加えて加温下で混合水溶液を調製し、溶液を攪拌機で攪拌させた状態で、沈殿時の液成分(沈殿液)の温度を60℃、pHを8に維持するようアンモニア水溶液を徐々に加えて沈殿物を形成した。その後、60℃で保持したまま1時間攪拌を続けて熟成を行った後、室温で2時間静置し、沈殿物をろ過、洗浄した。その沈殿物(化合物)に対して硝酸銅0.08gと硝酸カリウム0.34gを精秤し、10ccの水へ加えて調製した混合水溶液を添加して十分混合した。そこで得られたスラリーを120℃で12時間乾燥後、空気中400℃にて4時間焼成を行い、モル比で100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Vの化合物(主に酸化物)を得た。
【0049】
この化合物粉末を、圧縮成形器で600kg/cmでプレスした後、十分に粉砕して、22〜42メッシュ(355〜710μm)に整粒することにより、触媒を調製した。本調製品の比表面積は124m/gであった。
【0050】
このようにして調製した触媒0.5gを用い、溶媒として30mLのFTワックス(FT−100:日本精鑞製)と共に内容積100mLのオートクレーブへ仕込んだ後、270℃、0.1MPa(絶対圧)の条件の条件下、撹拌子を800min−1で回転させながら、合成ガス(水素67%、一酸化炭素33%、H/CO=2)を100ml/minで1h流通させて触媒を活性化処理して触媒表面上に鉄カーバイドを形成させた後、オートクレーブ内の圧力を2.0MPa−G(ゲージ圧)に昇圧し、上記合成ガスをW(触媒質量)/F(合成ガス流速)=2.5(g・h/mol)の条件に整定してFT合成反応を行った。触媒のパフォーマンスは、CO転化率、CH選択率、CO選択率、C5+の液状炭化水素生産性で判断し、それらは出口ガス中の各成分の濃度より、以下の式により算出した。
【0051】
【数1】

【0052】
5+の液状炭化水素生産性(g/kg−cat.h)=[触媒単位質量、単位時間当りのCOモル数]×[CO転化率]×[1−(C〜C選択率)]×[炭化水素の平均分子量(=14)]
このような条件下でFT合成反応を行ったところ、表1に示す結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。
【0053】
(実施例2)
バナジウムの替わりに5(NHO・12WO・5HOを用いて最終的に得られる生成物のモル比が100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Wとなるほかは、実施例1と同様にして化合物を調製した。本調製品の比表面積は118m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表1に示す結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。
【0054】
(実施例3)
バナジウムの替わりにホウ酸(HBO)を用いて最終的に得られる生成物のモル比が100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Bとなるほかは実施例1と同様にして化合物を調製した。本調製品の比表面積は107m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表1に示すような結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。
【0055】
(実施例4)
バナジウムの替わりに硝酸酸化ジルコニウム(ZrO(NO)を用いて最終的に得られる生成物のモル比が100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Zrとなるほかは実施例1と同様にして化合物を調製した。本調製品の比表面積は95m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表1に示すような結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。
【0056】
(実施例5)
バナジウムの替わりに硝酸亜鉛(Zn(NO)を用いて最終的に得られる生成物のモル比が100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Znとなるほかは実施例1と同様にして化合物を調製した。本調製品の比表面積は102m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表1に示す結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。
【0057】
(実施例6)
バナジウムの替わりにNHNbFを用いて最終的に得られる生成物のモル比が100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Nbとなるほかは実施例1と同様にして化合物を調製した。本調製品の比表面積は95m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表1に示すような結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。
【0058】
(実施例7)
バナジウムの替わりに(NHMo24を用いて最終的に得られる生成物のモル比が100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Moとなるほかは実施例1と同様にして化合物を調製した。本調製品の比表面積は88m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表1に示すような結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。
【0059】
(実施例8)
バナジウムの替わりに硝酸クロム(III)九水和物を用いて最終的に得られる生成物のモル比が100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Crとなるほかは実施例1と同様にして化合物を調製した。本調製品の比表面積は90m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表2に示すような結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。
【0060】
(実施例9)
バナジウムの替わりに硝酸マンガンを用いて最終的に得られる生成物のモル比が100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Mnとなるほかは実施例1と同様にして化合物を調製した。本調製品の比表面積は112m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表2に示すような結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。
【0061】
(実施例10)
バナジウムの替わりに硫酸チタンを用いて最終的に得られる生成物のモル比が100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Tiとなるほかは実施例1と同様にして化合物を調製した。本調製品の比表面積は105m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表2に示すような結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。
【0062】
(実施例11)
実施例1と同様にして100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Vとなるように調製したスラリーへ、シリカゾルを焼成後の触媒中のSiOが20質量%の割合になるように添加し、スラリーを調製した。その後、平均粒径が約50μmの球形になるような条件で噴霧乾燥を行い、そこで得られた粉末を空気中400℃で4時間焼成を行った。本調製品の比表面積は280m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表2に示すような結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。本調製品に関し、反応前及び反応を500時間行った後の触媒を回収して粒度分布を測定したところ、20μm以下の粒子の占める質量割合は、反応前が0.28%、500時間反応後が0.32%とほぼ同一であり、本調製品は反応中で破壊あるいは粉化する程度が極めて小さかった。
【0063】
(実施例12)
実施例1と同様にして100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10Vとなるように調製したスラリーへ、アルミナゾルを焼成後の触媒中のAlが20質量%の割合になるように添加し、スラリーを調製した。その後、平均粒径が約50μmの球形になるような条件で噴霧乾燥を行い、そこで得られた粉末を空気中400℃で4時間焼成を行った。本調製品の比表面積は265m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表2に示すような結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。本調製品に関し、実施例11と同様に反応前及び反応を500時間行った後の触媒を回収して粒度分布を測定したところ、20μm以下の粒子の占める質量割合は、反応前が0.33%、500時間反応後が0.38%とほぼ同一であり、本調製品は反応中で破壊あるいは粉化する程度が極めて小さかった。
【0064】
(実施例13)
実施例1と同様の混合水溶液へ実施例2と同じ5(NHO・12WO・5HOを加えた水溶液を調製し、実施例1と同様にして沈殿することにより最終的に得られる生成物のモル比が100Fe/300Mg/30Ca/1Cu/10K/10V/10Wとなるほかは実施例1と同様にして化合物を調製した。本調製品の比表面積は112m/gであった。本化合物を用いてFT合成反応を行ったところ、表2に示すような結果が得られ、C5+生産性が高く且つCO選択率が比較的低い高活性な性能を発揮することが確認された。
【0065】
(比較例1)
工業触媒(100Fe/5Cu/4.2K/25SiO)相当品を以下のように調製した。すなわち、硝酸鉄、硝酸銅、テトラエトキシシランを各金属元素のモル比が100:5:25となるように精秤して、加温下で混合溶液を調製し、溶液を攪拌機で攪拌させた状態で、水溶液の温度を60℃、pHを9に維持するようアンモニア水溶液を徐々に加えて沈殿物を形成した。その後、60℃で保持したまま1時間攪拌を続けて熟成を行った後、室温で2時間静置した後、沈殿物をろ過した。その沈殿物に対して硝酸カリウム水溶液を混合した。そこで得られたスラリーを120℃で12時間乾燥後、空気中400℃にて4時間焼成を行い、上記モル比を有する化合物を得た。この化合物粉末を、圧縮成形器で600kg/cmでプレスした後、十分に粉砕して、22〜42メッシュ(355〜710μm)に整粒することにより、触媒を調製した。本化合物を用いて実施例1と同様にFT合成反応を行ったところ、表2に示すような結果が得られ、CO選択率が高くC5+の液状炭化水素生産性が低い性能にとどまることが確認された。
【0066】
(比較例2)
開発中の高活性触媒のうち、非特許文献4で示されている開発触媒(100Fe/1.4K/4.6Si)相当品を以下のように調製した。すなわち、硝酸鉄、テトラエトキシシランを各金属元素のモル比が100:4.6となるように精秤して、加温下で混合溶液を調製し、溶液を攪拌機で攪拌させた状態で、水溶液の温度を60℃、pHを9に維持するようアンモニア水溶液を徐々に加えて沈殿物を形成した。その後、60℃で保持したまま1時間攪拌を続けて熟成を行った後、室温で2時間静置した後、沈殿物をろ過した。その沈殿物に対して硝酸カリウム水溶液を混合した。そこで得られたスラリーを120℃で12時間乾燥後、空気中400℃にて4時間焼成を行い、上記モル比を有する化合物を得た。この化合物粉末を、圧縮成形器で600kg/cmでプレスした後、十分に粉砕して、22〜42メッシュ(355〜710μm)に整粒することにより、触媒を調製した。本化合物を用いて実施例1と同様にFT合成反応を行ったところ、表2に示すような結果が得られ、C5+の液状炭化水素生産性は工業触媒よりも高い性能を示したがCO選択率が非常に大きくなってしまうことが確認された。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄、マグネシウム、カルシウム、銅、及びカリウム、並びに、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニオブ、ホウ素、ジルコニウム、亜鉛、クロム、マンガン、チタンのうちの一種または二種以上を有する化合物からなることを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
【請求項2】
前記触媒にシリカ、アルミナの少なくともいずれかを含む請求項1記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
【請求項3】
請求項1記載の触媒を製造する方法であって、鉄、マグネシウム、及びカルシウムのイオン、並びに、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニオブ、ホウ素、ジルコニウム、亜鉛、クロム、マンガン、チタンのうちの一種又は二種以上のイオンを含有する溶液から、沈殿法により生成した化合物をろ過、洗浄処理した後、当該処理後の化合物と銅およびカリウムのイオンを含む溶液を混合し、乾燥し、焼成した後、整粒又は成型する、
又は前記ろ過、洗浄処理後の化合物を乾燥、焼成の少なくともいずれかを行った後、整粒又は成型したものへ銅およびカリウムのイオンを含む溶液を含浸して更に乾燥し、焼成することを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
【請求項4】
請求項2記載の触媒を製造する方法であって、鉄、マグネシウム、及びカルシウムのイオン、並びに、モリブデン、バナジウム、タングステン、ニオブ、ホウ素、ジルコニウム、亜鉛、クロム、マンガン、チタンのうちの一種又は二種以上のイオンを含有する溶液から、沈殿法により生成した化合物をろ過、洗浄処理した後、当該処理後の化合物と銅及びカリウムのイオンを含む溶液を混合した混合物をスラリー化した液に、シリカゾル、アルミナゾルの少なくともいずれかを添加後、噴霧法により球状に成形することを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2記載の触媒に合成ガスを接触させて、合成ガスから炭化水素を製造する方法。

【公開番号】特開2007−61770(P2007−61770A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253719(P2005−253719)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【出願人】(504117958)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (101)
【Fターム(参考)】